JP3086082B2 - ロボットの同期制御方法およびロボットの同期制御装置 - Google Patents

ロボットの同期制御方法およびロボットの同期制御装置

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JP3086082B2 JP04247183A JP24718392A JP3086082B2 JP 3086082 B2 JP3086082 B2 JP 3086082B2 JP 04247183 A JP04247183 A JP 04247183A JP 24718392 A JP24718392 A JP 24718392A JP 3086082 B2 JP3086082 B2 JP 3086082B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業用ロボットの同期
制御方法及び同期制御装置に関し、例えば、ロボットの
双腕で物品を運搬する際に適用し得るロボットの同期制
御方法並びに同期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にロボットを用いて物品の把持・運
搬を行う場合、1本のアーム(単腕)でこれを行う場合
と、2本のアームを用いる場合とがある。双腕ロボット
の2本のアームを用いて物品を把持・運搬すれば、単腕
ではロボットハンドの手首関節部分に過大なトルクがか
かる為に把持・運搬を行うことが困難であるような、比
較的長寸の物品(特に、ロボットハンドに比べて長い物
品)や重量のある物品を把持し運搬することが出来、ま
た、物品の両端付近を把持するので把持状態をそれほど
堅固なものとする必要が無く、従ってハンドの機構を簡
略化出来る等の利点がある。
【0003】しかし、双腕ロボットをの2本のアームを
協調制御することは、必ずしも容易なことではなく、そ
の為に上記利点にも拘らず多くの場合単腕による把持・
運搬が行われていた。
【0004】すなわち、従来、双腕ロボットを協調制御
する場合には、数秒のオーダーの時間間隔毎に両アーム
の整列をとることを繰り返す形で2本のアームの動きを
同期させ、それ以外の時点では各アームはそれぞれの教
示プログラムに従って独立に制御する事が行われてい
た。この方式においては、各整列時点直後の短時間の間
は両アームの協調関係は良好に保たれ易いが、時間が経
過して次の整列時点に対応する教示点位置に各アームの
ハンドが到達する頃には両者の協調関係が崩れて両ハン
ド間の相対距離や相対姿勢にずれを生じ、到達時点その
ものも一致しなくなる傾向が大きくなる。これを避ける
には、同期を頻繁にとり、ずれが生じにくくすれば良い
のであるが、そうすると両アームに対する教示点が増え
る等の理由で両アームについての教示作業が必然的に煩
雑となるという問題があった。その為、複雑な運搬作
業、例えば物品の姿勢を運搬行程中に変えながら目標位
置まで運ぶというようなことは事実上困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
上記問題点を解決し、煩雑な教示作業を伴わずに双腕協
調を的確に実行することが可能であり、複雑な運搬作業
にも対応し得るロボットの同期制御方法並びに該方法の
実施に用いられる同期制御装置を提供することを企図し
ている。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明において
は、アームとその制御部から構成される2台のロボット
のうちの1台のロボットのアームをマスターアームと
し、他方のロボットのアームをスレーブアームとして双
腕協調動作を行わせるための同期制御方法並びに同期制
御装置が提供され、それによって、上記技術課題が解決
される。同方法は、前記マスターアームの制御部に前記
マスターアームの経路データに基づいて補間計算により
前記マスターアームが順次移動すべき通過点を決定する
段階と、前記マスターアームが次に移動すべき点のデー
タを前記スレーブアームの制御部に受け渡す段階と、該
受け渡された点のデータ及び予め定められた前記マスタ
ーアームと前記スレーブアームとの相対的な位置・姿勢
関係を表すデータに基づいて前記スレーブアームが次に
移動すべき点を決定する段階と、前記スレーブアームの
制御部が、前記スレーブアームの次に移動すべき点への
移動準備が完了したことを前記マスターアームの制御部
へ通知する段階と、前記スレーブアームを、該スレーブ
アームの次に移動すべき点に移動させる段階と、前記マ
スターアームの制御部が、前記スレーブアームの制御部
からの前記移動準備完了通知を受けてから、前記マスタ
ーアームを、該マスターアームの次に移動すべき点に移
動させる段階とを含む。そして、前記マスターアームの
制御部から前記スレーブアームの制御部への前記データ
の受け渡しと、前記スレーブアームの制御部から前記マ
スターアームの制御部への前記移動準備完了の通知と、
前記マスターアーム及び前記スレーブアームの次の点へ
の移動は繰り返し実行される。本方法を物品の搬送を行
なうアプリケーションに適用すれば、物品を把持して所
定の位置まで運搬する等の作業を双腕協調動作で実行す
ることが出来る。
【0007】このような同期制御方法を実行する際に用
いられる同期制御装置は、アームとその制御部から構成
される2台のロボットのうちの1台のロボットのアーム
をマスターアームとし、他方のロボットのアームをスレ
ーブアームとして双腕協調動作を行わせるように両ロボ
ットを制御する。そのために、同装置は、記憶された動
作経路データに基づいて補間計算によりマスターアーム
が順次移動すべき通過点を決定する手段と、マスターア
ームが次に移動すべき点のデータを前記スレーブアーム
の制御部に受け渡す手段と、該受け渡された点のデータ
及び予め定められた前記マスターアームと前記スレーブ
アームとの相対的な位置・姿勢関係を表すデータに基づ
いて前記スレーブアームが次に移動すべき点を決定する
手段と、前記スレーブアームの制御部が、前記スレーブ
アームの次に移動すべき点への移動準備が完了したこと
を前記マスターアームの制御部へ通知する手段と、前記
スレーブアームを、該スレーブアームの次に移動すべき
点に移動させる手段と、前記マスターアームの制御部
が、前記スレーブアームの制御部からの前記移動準備完
了通知を受けてから、前記マスターアームを、該マスタ
ーアームの次に移動すべき点に移動させる手段と、前記
マスターアームの制御部から前記スレーブアームの制御
部への前記データの受け渡し、前記スレーブアームの制
御部から前記マスターアームの制御部への前記移動準備
完了の通知、並びに、前記マスターアーム及び前記スレ
ーブアームの次の点への移動を繰り返し実行する手段と
を備えている。本装置を用いた制御を物品の搬送を行な
うアプリケーションに適用すれば、物品を把持して所定
の位置まで運搬する等の作業を双腕協調動作で実行する
ことが出来る。好適な実施手順の概要を物品の搬送を適
用例と想定しながら説明すると次のようになる。まず、
両アームの共通座標系として定義された作業空間内の1
つの座標系のデータを各アームの制御部に予め与えてお
き、双腕協調時のロボットに対する教示はマスターアー
ムについてだけ行うようにする。マスターアームの制御
部では、与えられた教示内容に応じてマスターアーム
(ハンド部分)の通過点(ハンドの姿勢を含む、以下、
単に通過点という)を決定する。マスターアームが最初
の通過点に向かって動きを開始しようとする時にスレー
ブアームの制御部にその最初の通過点の情報(データ)
へ渡す。これを受けたスレーブアームの制御部は、スレ
ーブアームが向かうべき第1番目の通過点を決定し、移
動準備完了をマスターアームの制御部へ伝える。その直
後にスレーブアームは、第1番目の通過点への移動を開
始する。これを受けたマスターアームの制御部も、既に
決定されている第1番目の通過点に向けて移動を直ちに
開始する。両アームが第1番目の通過点へ到達するのに
前後して(好ましくは到着に先立って)、マスターアー
ムの制御部から第2番目の通過点の情報(データ)をス
レーブアームの制御部に送信する。スレーブアームの制
御部では前回同様にスレーブアームの向かうべき第2番
目の通過点を決定し、移動準備完了をマスターアームの
制御部へ伝える。そして、各アームは、第1番目の通過
点への到達に引続いて第2番目の通過点に向けての運動
を開始する。
【0008】以下、同様にこの動作を繰り返して、マス
ターアームは1つの教示点(ハンドの姿勢を含む、以
下、単に教示点という)に到達し、スレーブアームは該
教示点に対応して決定された点に到達する。
【0009】マスターアームが次の教示点に至るまでの
各通過点を順次適当なタイミングでマスターアームの制
御部において決定し、スレーブアームに順次送信して上
述したプロセスと同様の過程を続けて実行すれば、両ア
ームの所定の軌道に沿っての協調運動が続行される。マ
スターアームが最終的な目標点(最終教示点)に到達す
ると、時間的にずれることなくスレーブアームもこれに
対応した目標点に到達することになる。
【0010】上述の過程において、マスターアームの制
御部からスレーブアームの制御部にはマスターアームの
各通過点と教示点を共通座標系から見たデータ(位置と
姿勢のデータ)が送信される。これを受信したスレーブ
アームの制御部では、受信されたデータに、マスターア
ームのハンドから見たスレーブアームのハンドの相対的
な位置・姿勢を表すオフセット・データを加味してスレ
ーブアームが向かうべき点を決定する。
【0011】本発明に従えば、スレーブアームの移動先
は、マスターアームの移動に応じて次々と自動的に決定
されてゆく。従って、ロボットへの教示はマスターアー
ムに対して行うだけで双腕協調が実現される。このマス
ターアームへの教示は、従来と同程度のポイント数だけ
行えば良い。マスターアームの制御部では採用されてい
る補間方式に応じて教示点間に多数の通過点を作成し、
教示点間の区間内の最後の通過点に相当する次の教示点
を含めて、各通過点毎に両アーム間の通信が行われ同期
か図られるので、教示点を多数とらなくとも十分な精度
で双腕協調が行える。また、両アームのハンドの相対的
な位置・姿勢関係を一定に保ちながら移動させることが
容易なので、双腕で把持した物品の姿勢を変化させなが
ら複雑な経路に沿って運搬する等の高度な作業が可能と
なる。
【0012】
【実施例】図1は、本発明を実施する為のシステムを例
示したもので、各アームの座標系(ベース座標系及びハ
ンド座標系)と共通座標系との関係を併記してある。図
2は、物品Gの両端付近を点E(0,0) 、点F(0,0) で把
持した状態から出発して点E(n,0) 、点F(n,0) まで運
搬する経路を模式的に示した図で、図3は、図1に示し
た関係が各座標系に設定されている場合について、図2
に示した双腕協調動作を本発明の双腕ロボットの同期制
御方法に従って実施する為のフローチャートの一例を示
す。以下、これらの図を用いて本発明の実施例について
説明する。
【0013】図1を参照すると、双腕ロボットはアーム
MとアームS、各アームを駆動するた為の機構部3、4
及び各機構部を介して各アームの動きを制御する制御部
1と制御部2から構成されており、制御部1、2間は相
互に通信可能に結ばれている。制御部1、2はそれぞれ
CPUやRAM、ROM等のメモリ、運動の教示・座標
設定等を行う為の操作盤など通常のロボット操作に必要
な装置に加えて、両制御部間で通信を行う為の通信イン
ターフェスを含む送受信手段を備えている。各アーム
M、Sは関節11、12、13及び21、22、23と
ハンドHm 、Hsをそれぞれ備えている。双腕協調の観
点から、各アームの機構は共通のものであることが好ま
しいが、要求される協調運動の態様(運動の自由度等)
に対応できるものであれば、両者の機構は異なっていて
も良く、また、関節の数や伸縮腕と関節の組合せ等、特
に制限は無い。
【0014】図1の双腕ロボットの両アームを協調させ
て、例えば物品の把持・運搬作業を行うに際しては、一
方のアームをマスターアームMとし、他方のアームをこ
のマスターアームMに協調従動するスレーブアームSと
して動作させる。まず、作業空間内の両アームに共通な
1つの座標系Σo を定義し、この共通座標系Σo と各ア
ームM、Sのベース座標系Σm 、Σs の関係をそれぞれ
4行4列の同次変換行列Tm ={Tij}及びTs={Tk
l}で表現した時の行列要素Tij(i,j=1,2,3,4)、Tkl
(k,l=1,2,3,4 )を各ベース座標系のデータとして各制
御部のメモリに記憶させておく。この同次変換行列Tm
、Ts を用いると、ベース座標系Σm から見たハンド
Hm の位置E(ハンドHm の代表点位置と姿勢)を表す
行列Em (ベース座標系Σm とハンドHm に固定された
座標系Σhmとの関係を表現する同時変換行列に相当し、
アームMの動き、すなわちハンドHm の位置と姿勢の変
化に応じて変化する行列)は、 Em =Tm ・Eo ・・・・・(1) で表される。ここで、Eo は位置Eを共通座標系Σo 上
で表した行列である。
【0015】同様の関係をスレーブアームSのハンドH
s の位置Fについて記せば、 Fs =Ts ・Fo ・・・・・(2) となる。ここで、Fs,Fo はそれぞれ位置Fをベース座
標系Σs 及び共通座標系Σo 上で表した行列である。
【0016】ところで、物品の2ヵ所(通常は両端付
近)を双腕で把持して運搬を行う場合には、両アームが
一旦協調関係に入ったならば、両ハンドHm 、Hs の相
対的な位置関係、すなわち、両者の距離と相対的な姿勢
の関係は不変に保たれるのが合理的である。例えば、両
ハンドが互いに真正面を向き合って物品を把持した状態
で双腕協調が開始されたならば、共通座標系Σo から見
た両者の位置(姿勢を含む)は刻々変化して行くが、協
調終了時まで両ハンドは一定間隔を保って、かつ真正面
を向き合ったまま所定の軌道に沿って運動し、それによ
って、物品の把持を維持しつつ、その物品の姿勢を変え
ながら与えられた目標位置(姿勢を含む)への運搬を実
行することが出来る訳である。
【0017】そこで、この通常は一定である両ハンドの
関係を位置EとFの関係を表現する行列Tefで表すこと
にする。そうすると、図1に描かれた関係からわかるよ
うに、 Fo =Eo ・Tef ・・・・・(3) の関係が成立する。更に、式(2)を式(3)に代入す
れば、 Fs =Ts ・Fo =Ts ・Eo ・Tef ・・・・・(4) を得る。Ts は既に所与であり、Eo はマスターアーム
の教示点とそれに基づいて補間計算され得るものであ
る。
【0018】そして、この行列Tefのデータ(行列要
素)についても上述した行列Tm,Tsのデータと共に各
制御部1あるいは2のメモリに予め記憶させておく。そ
うすると、式(1)及び式(4)の関係を利用して各ア
ームをそれぞれのベース座標系Σm 、Σs 上のデータに
従って制御駆動できることになる。
【0019】双腕協調を行うに際しては、前記の式
(1)〜(4)に相当する計算あるいは通過点算出に必
要な補間計算を実行するプログラムを予め制御部1や制
御部2に記憶させておく。
【0020】制御部1及び2に双腕協調の開始が指令さ
れると、制御部2は直ちに制御部1からの送信を受信す
る態勢に入る。一方、マスターアームMの制御部1に教
示点が与えられると、補間計算によって通過点のデータ
が共通座標系Σo に関して求められ、更に前記の式
(1)〜(4)の関係を利用して、マスターアームMに
ついて各教示点と通過点をベース座標系Σm 上で表すデ
ータが作成されると共に、マスターアームMからスレー
ブアームSにデータの送信(Eo 或いはFo の送信)が
行われ、それに基づきスレーブアームが通過すべき点を
ベース座標系Σs 上で表したデータが制御部2において
作成される。制御部1で決定された通過点毎に後者のデ
ータを制御部2に送信して同期をとりながら両アーム
M,Sをロボット機構部3、4を介して協調動作させ
る。双腕の協調状態は、両アームが目標点(マスターア
ームについては双腕協調動作における最終教示点に相当
する。)に到達するまで続けられる。このような双腕協
調動作によって、例えば物品の両端付近を双腕で把持し
て、両ハンドHm 、Hs の距離と相対的な姿勢の関係を
不変に保ったまま、物品の姿勢を変えつつ与えられた目
標位置(姿勢を含む)に物品を運搬するなどの作業を双
腕ロボットに行わせることが出来る。
【0021】本発明の同期制御方法を、図2の描かれた
ような経路に沿って物品Gを運搬する作業に適用する場
合の手順の1例を図3にフローチャートで示した。
【0022】図2において、点E(0,0) 及び点F(0,0)
はそれぞれマスターアーム、スレーブアームの協調動作
の出発点であり、点E(n,0),点F(n,0) は終了点であ
る。経路に沿ってマスターアームに教示される教示点を
E(p,0)[p=0,1,2,...n] で表す。出発点E(0,0) は0 番
目の教示点、終了点E(n,0) はn 番目の教示点として扱
う。
【0023】また、p 番目の教示点を離れてからp+1 番
目の教示点に至るまでの通過点を点E(p,1),E(p,2),E
(p,3),........E(p,u(p)), E(p,u(p)+1)とする。p+1
番目の教示点E(p+1,0) は便宜上通過点として扱い、こ
れをE(p,u(p)+1)とも言うこととする。すなわち、E(p
+1,0) =E(p,u(p)+1)である。
【0024】隣合う教示点E(p,0) とE(p+1,0) 間の通
過点の数u(p)は区間毎に定められるが、一定の場合もあ
り得る。
【0025】マスターアームの各点E(p,q) に対応する
スレーブアームの通過点をF(p,q)、[p=0,1,2,....n、q
=0,1,2,....u(p)+1] で表す。点E(p,q) はp 番目の教
示点到達後のq 番目の通過点を表し、各ハンドHm 、H
s の姿勢(把持された物品の姿勢)の具体的な描画表現
は省略してある。
【0026】行列Tm 、Ts 及びTef等のデータ、教示
プログラム、補間計算や式(1)〜(4)に対応した行
列演算のプログラムの入力等、双腕協調開始に必要な準
備はすべて完了しているものして、以下、図3のフロー
チャートを説明する。
【0027】先ず、制御部1と制御部2に、教示点指標
p=0 、通過点指標q=0 の状態で双腕協調動作の開始が指
令されると、制御部1では教示点指標に1を加算しp=0+
1=1として教示プログラムを1ブロック読み取る。一
方、制御部2は双腕協調動作開始後、直ちに制御部1か
らの送信を待つ態勢に入る。
【0028】制御部1では、読み取られたプログラムの
指令が双腕協調動作の終了か否かを判断し(p=n+1?)、双
腕協調動作終了指令でない限り、共通座標系Σo 上で与
えられた教示点データE(p,0)on Σo を取り込み、次い
で所定の内挿補間方式に応じた教示点E(p-1,0) と教示
点E(p,0) の間の通過点の数u(p)を算出する。
【0029】通過点数u(p)算出後、通過点指標q に1 を
加算し(q=q+1) 、教示点E(p-1,0)と教示点E(p,0) の
間の教示点間内挿補間計算に基づき、マスターアームが
移動すべき通過点を共通座標系Σo 上で表したデータE
(p-1,q)on Σo を算出する。
【0030】算出された通過点データE(p-1,q)on Σo
は、制御部2に送信され、制御部1は制御部2からの送
信待ちの状態に入る。制御部1から通過点データE(p-
1,q)on Σo を受信した制御部2では、それが双腕協調
動作終了指令か否かを判断した後、通過点データE(p-
1,q)on Σo を両アームの相対的な位置・姿勢関係を表
すオフセットデータとして与えられている行列Tefに乗
じて、共通座標系Σo 上で表されたスレーブアームが移
動すべき点F(p-1,q) のデータF(p-1,q)on Σo を求め
る。
【0031】そして、この計算が終了したところでスレ
ーブアームの移動準備が完了したことを制御部1に送信
すると共に、直ちにF(p-1,q)on Σo に行列Ts を乗じ
て自身のベース座標系Σs 上のデータF(p-1,q)on Σs
に読み替えた上で移動先の点に移動する。
【0032】一方、制御部2からスレーブアームの移動
準備完了を受信した制御部1では、直ちにE(p-1,q)on
Σo に行列Tm を乗じて自身のベース座標系Σm 上のデ
ータE(p-1,q)on Σm に読み替えた上で移動先の通過点
に移動する。この段階で、両アームの通過点1個分の移
動が同期して行われたことになる。
【0033】制御部1では、引続きこの移動によってそ
の区間内の全通過点E(p-1,0) 〜E(p-1,u(p))を通過し
て区間内の最後の通過点E(p-1,u(p)+1), すなわち教示
点E(p,0) に到達するのか否かを判断し(q=u(p)+1?) 、
未到達であれば通過点指標qに1 を加算し, 再び教示点
E(p-1,0) と教示点E(p,0) の間の教示点間内挿補間計
算に基づくデータE(p-1,q)on Σo 以下のプロセスを繰
り返し、両アームは更に同期移動を続ける。
【0034】マスターアームが点E(p-1,u(p)+1)すなわ
ち点E(p,0) に到達し、それに同期してスレーブアーム
が点F(p-1,u(p)+1)すなわち点F(p,0) に到達するのに
合わせて教示点指標p に1 が加算され、教示プログラム
の次の1ブロックが読み出される。読み出され指令が双
腕協調動作終了であるか否かを再び判断し、もしNOであ
れば、教示点データE(p,0)on Σo の取り込み以下の上
述のプロセスを両アームが次の教示点に到達するまで繰
り返し、1教示点間区間の同期移動が更に続行される。
【0035】このようなプロセスをn 個の教示点分繰り
返して、マスターアームが最終的に双腕協調動作の目標
点乃至終了点に当たる教示点E(n,0) に到達すると、こ
れに同期してスレーブアームも双腕協調動作の目標点乃
至終了点に到達することになる。
【0036】この時教示点指標p はp=n となっており、
従って教示点指標p に1 を加算してから教示プログラム
の次の1ブロックを読み出せば教示点指標p=n+1 で双腕
協調動作の終了が指令される。この指令は制御部2に送
信され、これを受けた制御部2では双腕協調終了確認の
通知を制御部1に送信するとともに、スレーブアームの
双腕協調動作」を終了させる。
【0037】制御部1は制御部2からの双腕協調終了確
認の通知を受信してマスターアームの双腕協調動作を終
了させる。
【0038】以上の説明において、制御部1及び制御部
2は、それぞれ個別のロボットコントローラで構成する
場合や、1個のロボットコントローラ内に組み込む場合
等種々の態様が考えられる。制御部1、2間の通信手段
は有線、無線を問わず、また電磁気的、光学的あるいは
音響的等の任意の通信手段が使用され得ることは言うま
でもない。両制御部間は双方向に送信・受信が可能なシ
ステムを用いなくても、スレーブアーム側(制御部2)
からの各確認通知の送信を省略すれば双腕協調動作を行
わせることは出来るが、協調動作を安全確実に遂行する
上で、双方向通信可能なシステムを用いて本発明の同期
制御方法を実施することが好ましいのは勿論である。
【0039】双腕協調動作の開始や終了の指令について
も、指令を各アームの教示プログラムで与える場合、両
アームに外部からの指令を自動あるいは手動で与える場
合、マスターアームのみに指令を与えてこれを通信手段
を利用してスレーブアームに伝達する場合等、本発明の
技術思想を逸脱しない範囲で種々の態様が考えられる。
【0040】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明の同期制御
方法及び装置は、双腕ロボットの2本のアームのそれぞ
れに個別の教示を行って双腕協調を図るものでなく、2
本のアームの一方をスレーブアームとし、このスレーブ
アームは、他方のアームすなわちマスターアームの移動
先に応じて自らの移動先を決定し、両アームを同期的に
移動させるプロセスを繰り返し続行することで双腕協調
動作を実行するものなので、ロボットへの教示はマスタ
ーアームに対して行うだけで良い。
【0041】そして、このマスターアームへの教示は、
例えば従来と同程度の、限られた数の教示点を与える形
で行えば、マスターアーム側で採用されている補間方式
に応じて教示点間に多数の通過点を作成し、そのデータ
が各通過点毎にスレーブアーム側に知らされ、そのデー
タと両アームの相対的な位置・姿勢関係を表現したデー
タとに基づいてスレーブアームの移動先がマスターアー
ムの通過点毎に決定されてその都度同期が図られるの
で、本発明によれば煩雑な教示作業を要せずに、両アー
ムの動きに実質的にずれを生じることが無い高精度の双
腕協調動作が実現される。
【0042】また、両アームのハンドの相対的な位置・
姿勢関係を一定に保ちながら移動させることが容易なの
で、双腕で把持した物品の姿勢を変化させながら複雑な
経路に沿って運搬する等の作業に適用することが困難で
なくなり、双腕ロボットの実際の作業への適用可能性が
拡大する。
【0043】しかも、本発明のこのような長所は、比較
的長寸の物品(特に、ロボットハンドに比べて長い物
品)や重量のある物品を把持し運搬することが出来、ま
た、物品の両端付近を把持するので把持状態をそれほど
堅固なものとする必要が無く従ってハンドの機構を簡略
化出来るという、双腕による物品の把持・運搬を実行し
た場合の基本的な諸利点を全く損なうことなく発揮され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に用いられるシステムの一例を模
式的に描き、これに各アームの座標系(ベース座標系及
びハンド座標系)と共通座標系との関係を併記した図で
ある。
【図2】物品の両端付近をマスターアームとスレーブア
ーム各々の点E(0,0) 及び点F(0,0) で把持した状態か
ら出発して、点E(n,0) 及び点F(n,0) まで把持・運搬
する場合の経路を模式的に示した図。
【図3】図1に示されているような関係で各座標系を設
定し、図2に描かれた経路に沿って両アームを同期的に
移動させる双腕協調動作を実行する為の手順の概略を示
すフローチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B25J 13/00 B25J 9/22 G05B 19/18 G05B 19/42 G05D 3/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アームとその制御部から構成される2台
    のロボットのうちの1台のロボットのアームをマスター
    アームとし、他方のロボットのアームをスレーブアーム
    として双腕協調動作を行わせるロボットの同期制御方法
    において、 前記マスターアームの動作経路データに基づいて補間計
    算により前記マスターアームが順次移動すべき通過点を
    決定する段階と、 前記マスターアームが次に移動すべき点のデータを前記
    スレーブアームの制御部に受け渡す段階と、 該受け渡された点のデータ及び予め定められた前記マス
    ターアームと前記スレーブアームとの相対的な位置・姿
    勢関係を表すデータに基づいて前記スレーブアームが次
    に移動すべき点を決定する段階と、 前記スレーブアームの制御部が、前記スレーブアームの
    次に移動すべき点への移動準備が完了したことを前記マ
    スターアームの制御部へ通知する段階と、 前記スレーブアームを該スレーブアームの次に移動すべ
    き点に移動させる段階と、 前記マスターアームの制御部が、前記スレーブアームの
    制御部からの前記移動準備完了通知を受けてから、前記
    マスターアームを、該マスターアームの次に移動すべき
    点に移動させる段階とを含み、 前記マスターアームの制御部から前記スレーブアームの
    制御部への前記データの受け渡しと、前記スレーブアー
    ムの制御部から前記マスターアームの制御部への前記移
    動準備完了の通知と、前記マスターアーム及び前記スレ
    ーブアームの次の点への移動とが、繰り返し実行され
    る、前記同期制御方法。
  2. 【請求項2】 前記双腕協調動作が物品の把持・運搬の
    為に行われ、該物品の運搬中は前記予め定められた前記
    マスターアームと前記スレーブアームとの相対的な位置
    ・姿勢関係が前記把持・運搬される物品の運搬中の把持
    態勢に対応して一定に保たれる、請求項1に記載された
    双腕ロボットの同期制御方法。
  3. 【請求項3】 アームとその制御部から構成される2台
    のロボットのうちの1台のロボットのアームをマスター
    アームとし、他方のロボットのアームをスレーブアーム
    として双腕協調動作を行わせるロボットの同期制御装置
    において、 記憶された動作経路データに基づいて補間計算により前
    記マスターアームが順次移動すべき通過点を決定する手
    段と、 前記マスターアームが次に移動すべき点のデータを前記
    スレーブアームの制御部に受け渡す手段と、 該受け渡された点のデータ及び予め定められた前記マス
    ターアームと前記スレーブアームとの相対的な位置・姿
    勢関係を表すデータに基づいて前記スレーブアームが次
    に移動すべき点を決定する手段と、 前記スレーブアームの制御部が、前記スレーブアームの
    次に移動すべき点への移動準備が完了したことを前記マ
    スターアームの制御部へ通知する段階と、 前記スレーブアームを、該スレーブアームの次に移動す
    べき点に移動させる手段と、 前記マスターアームの制御部が、前記スレーブアームの
    制御部からの前記移動準備完了通知を受けてから、前記
    マスターアームを、該マスターアームの次に移動すべき
    点に移動させる手段と、 前記マスターアームの制御部から前記スレーブアームの
    制御部への前記データの受け渡し、前記スレーブアーム
    の制御部から前記マスターアームの制御部への前記移動
    準備完了の通知、並びに、前記マスターアーム及び前記
    スレーブアームの次の点への移動を繰り返し実行する手
    段とを備えた、前記同期制御装置。
  4. 【請求項4】 前記双腕協調動作が物品の把持・運搬の
    為に行われ、該物品の運搬中は前記予め定められた前記
    マスターアームと前記スレーブアームとの相対的な位置
    ・姿勢関係が前記把持・運搬される物品の運搬中の把持
    態勢に対応して一定に保たれる、請求項3に記載された
    ロボットの同期制御装置。
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