JP3086014U

JP3086014U - 靴の中敷き

Info

Publication number: JP3086014U
Application number: JP2001007054U
Authority: JP
Inventors: 泰弘小川
Original assignee: 株式会社バス・コーポレーション
Priority date: 2001-09-20
Filing date: 2001-09-20
Publication date: 2002-05-31
Anticipated expiration: 2007-09-20

Abstract

(57)【要約】【課題】足裏にかかる力で中敷きに存在するトルマリ
ンが脱落や片寄りがなく、長期間効果を持続させること
ができる靴の中敷きを提供することにある。【解決手段】ウレタン重合体の発泡体又はウレタン重
合体を含有した多孔質不織布の弾性基体（１）、トルマ
リン粒体又はトルマリン粒体と備長炭又は竹炭の粒子状
物を混合して含有した繊維不織布（２）及びメッシュ状
布帛、編織布あるいはパンチング編織布などの高通気性
の布帛（３）を表層とし、各層間を熱溶融型樹脂の繊維
ウエブあるいは粉末で熱接着した積層シート状物、この
積層シート状物を裁断成型して得た靴の中敷きであり、
この中敷きはマイナスイオン効果、保温効果に加え、靴
内の防臭性や防黴性を付与した靴の中敷きである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、トルマリンが加圧・加熱により発生するマイナスイオンの効果を、第２の心臓と言われる足裏に作用させるためのトルマリンを付与した靴の中敷きに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、トルマリンの粉体が遠赤外線放射効果やマイナスイオンの発生効果が健康に好ましい効果をもたらすことや、足の蒸れ防止効果や抗菌効果、保温効果などを唱えて靴の部品に使用することが提案されている。例えば、トルマリンの粉末をゴムの有泡成形坦体やゴムにパルプや木粉を配合した坦体に付与した成形体を靴の中敷きに用いることが特開平９−３０８６９６号公報に、靴の底面又は側面もしくは胛被面の内側部にトルマリンを配設した健康促進靴が特開平１０−１１７８０８号公報に、履物に挿入する足用マットにトルマリン粒体あるいは粉体を入れた土踏まずの形状の袋を中敷きに一体に設けられている土踏まず形状の足用マットが特開平１０−２３４４１６号公報に、また、トルマリンを練り込んだ不織布や原綿の裏面に両面テープを取り付け、使用中の靴の中敷き上面に張り付けて使用するようにしたり、また、中敷きの内部にトルマリンの微粉末を内蔵したトルマリンを使用した靴の中敷きが特開２００１−５４４０６号公報に、更に、靴底上面を形成する中敷きで、厚み方向にクッション性を有する綿状層と、その上面を覆う表皮からなり、その綿状層にトルマリンの粒子や粉末を含有させ、表皮にはつま先部分や踵部分にそれぞれ綿状層に連通穴を形成した靴底の中敷き構造が特開２００１−７０００８号公報にそれぞれ提案されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来のトルマリン粒体や粉体を付与した不織布などの靴の中敷きでは、着用時間と共に足裏の力の掛かる部分に存在するトルマリン粉末は脱落したり、片寄ってしまい、その効果が減少してしまう問題があった。本考案の目的は、弾力性を有し、足裏の力の掛かる部分に存在するトルマリン粒体や粉体の脱落や片寄りがないか少ない、トルマリン効果を長期間持続させることができる高通気性の靴の中敷きを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、ウレタン重合体あるいはウレタンを主体とした弾性重合体の発泡体でなる弾性基体、又はウレタン重合体あるいはウレタンを主体とした弾性重合体を含有した多孔質繊維不織布でなる弾性基体（１）、該弾性基体の一面にトルマリン粒体あるいは粉体を含有した繊維不織布（２）を積層し、更に、該繊維不織布にメッシュ状布帛、編織布あるいはパンチング編織布から選ばれた布帛（３）を積層し、各層間を熱溶融型樹脂の繊維ウエブ又は粒体あるいは粉体で熱接着してなることを特徴とする靴の中敷きである。

【０００５】また、本考案は、ウレタン重合体あるいはウレタンを主体とした弾性重合体の発泡体でなる弾性基体、又はウレタン重合体あるいはウレタンを主体とした弾性重合体を含有した多孔質繊維不織布でなる弾性基体（１）、該弾性基体に片面立毛布帛の立毛面にトルマリン粒体あるいは粉体を含有させた布帛（４）の立毛面を熱溶融型樹脂の繊維ウエブ又は粒体あるいは粉体で熱接着してなることを特徴とする靴の中敷きである。

【０００６】また、本考案は、上記のトルマリンの使用が、トルマリン粒体あるいは粉体と木炭の粒体あるいは粉体の混合物であって、該混合物がトルマリン：木炭の容積比で４０：６０ないし１００：０の範囲であることを特徴とする靴の中敷きである。

【０００７】更に、本考案は、上記のトルマリン粒体あるいは粉体又はトルマリン粒体あるいは粉体と木炭の粒体あるいは粉体の混合物（以下、単に『トルマリン又はトルマリン混合物』と略称する）を含有した繊維不織布が、熱溶融型樹脂の繊維を５〜３５重量％含有した繊維不織布でなることを特徴とする靴の中敷きである。

【０００８】すなわち、本考案の中敷きの構成は、靴の履き心地に影響する弾性基体（１）が、ウレタン重合体を発泡成型したシート状物、ウレタン重合体に他の重合体、例えば、塩化ビニル重合体、スチレン系重合体、合成ゴムなどを混合したウレタン重合体組成物、又はウレタン重合体に短繊維を配合したウレタン重合体組成物を発泡成型したシート状物、又は、合成繊維、天然繊維あるいは再生繊維の１種類又は２種類でなる繊維不織布にウレタン重合体あるいはウレタンを主体とした弾性重合体を含有した多孔質繊維不織布でなる弾性基体であり、その弾性基体の一面に積層するトルマリン又はトルマリン混合物を含有した繊維不織布（２）が、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル系繊維などの合成繊維、綿繊維、レーヨンなどの再生繊維、それらの繊維から選ばれた１種類又は２種類の繊維に、必要に応じて熱溶融型樹脂でなる繊維を混繊して構成した繊維不織布に、トルマリンを粉砕した粒体あるいは粉体の所定量を液体又はバインダー重合体溶液あるいはバインダー重合体分散液に分散させて得たトルマリン又はトルマリン混合物分散液に浸漬含浸させる方法、不織布表面に塗布含浸する方法などでトルマリン又はトルマリン混合物を付着量５〜６０ｇ／ｍ^２を付与して得た繊維不織布である。

【０００９】一方、表面に積層する布帛（３）は、下層のトルマリン又はトルマリン混合物付着繊維不織布を着用時の摩擦などから保護するために、可能な範囲で薄い布帛を用いることがトルマリンの効果を発揮させるためには望ましい。布帛としては、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維などで作られたメッシュ状布帛、織布、編布、又はそれら編織布にパンチングを施したパンチング編織布などの高通気性布帛であり、その布帛の厚みはトルマリン効果を高めるためには可能な限り薄く、かつ、必要とする物性を満たした生地である。次いで、上記の各シート状物、すなわち、クッション性を付与する弾性基体（１）、トルマリン又はトルマリン混合物を含有した繊維不織布（２）及び表面の布帛（３）の各層間には熱溶融型樹脂、例えば、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、エチレン −アクリル酸エステル系共重合体、ポリエステル共重合体系樹脂、ナイロン系樹脂などから選ばれた樹脂を繊維ウエブ状あるいは粉体に加工して被接着面に付与し、加熱処理で接着して積層シート状物とする。得られた積層シート状物は付加した粒子の脱落や片寄りを防止したものとなる。この積層シート状物は裁断成型加工して靴の中敷きとする。

【００１０】また、本考案の別の形態は、上記の弾性基体（１）の一面に積層する起毛布帛（４）が、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル系繊維などの合成繊維、綿繊維、レーヨンなどの再生繊維、それら繊維を編織して造られた起毛織布や起毛編布又はパイル織布やパイル編布などの片面立毛布帛、その立毛面にトルマリン又はトルマリン混合物を液体又はバインダー重合体溶液あるいはバインダー重合体分散液に分散させて得たトルマリン又はトルマリン混合物の分散液を含浸又は塗布する方法でトルマリン付着量５〜６０ｇ／ｍ^２を付与した後、クッション性を付与した弾性基体の一面に熱溶融型樹脂の繊維ウエブあるいは粉体で布帛の立毛面を熱接着して積層シート状物とする。得られた積層シート状物は裁断成型加工して靴の中敷きとする。

【００１１】一方、本考案で使用するトルマリンの粒度は、中敷きの足当たりなどの着用性や着用中に中敷きからの脱落性、片寄性などを考慮すると、その粒度は通常３０メッシュ以下、好ましくは５０〜３００メッシュの範囲である。しかし、その粒度は必ずしも揃えたものばかりである必要はなく、粒度分布幅を有するものであってもよい。また、トルマリンは単独で使用するのもよいが、着用中の靴内環境を整えるため、例えば、靴内の防臭性や防黴性などを付与した中敷きにするために、備長炭や竹炭などの木炭の粒体あるいは粉体をトルマリンと混合してトルマリン混合物として使用するのもよい。そうした靴内環境を考慮した構成は、中敷きを適用する靴の使用状態に応じて混合比率を決めるのがよい。その混合比率はトルマリン：木炭が容積比で４０：６０ないし１００：０の範囲である。トルマリンの比率が４０未満である場合にはトルマリンが木炭の粉体で覆われてしまい、その効果が十分に発揮できない場合がある。

【００１２】

【考案の実施の形態】

次に、本考案の靴の中敷きの構成を図面及び実施例で具体的に説明する。

【００１３】図１は、本考案の靴の中敷きの一例の断面模式図であり、中敷き（１）の構成は、例えば、メッシュ状布帛、パンチング布帛あるいは編布帛などから選ばれた比較的薄地の高通気性布帛（２）で、その布帛として通気孔（７）をあけた布帛を用い、布帛の下にはトルマリン又はトルマリン混合物を含有した繊維不織布層（４）を、そして、下層には靴の履き心地を良くする弾性基体（５）を設け、各層間は熱溶融型樹脂の繊維ウエブ（６、６’）を用いて熱接着して得た積層シート状物であり、この積層シート状物を靴の中敷きに裁断成型したものである。

【００１４】図２は、本考案の靴の中敷きの他の例の断面模式図であり、中敷き（１）の構成は、例えば、起毛織布、起毛編布、パイル織布あるいはパイル編布などの一面立毛布帛（３）の立毛層にトルマリン又はトルマリン混合物を含有した立毛面（８）とし、下層の弾性基体（５）とは熱溶融型樹脂の繊維ウエブ（６）で熱接着して得た積層シート状物であり、この積層シート状物を靴の中敷きに裁断成型したものである。

【００１５】

【実施例１】表層の生地としてポリエステル繊維でなる厚さ約０．７４ｍｍの編布に、孔径約０．１〜０．１５ｍｍのパンチ孔を設けた布帛を用い、トルマリンを含有する繊維不織布は、ポリエステル短繊維に熱溶融型樹脂の繊維を約１５％混綿した不織布に、ポリウレタン分散液に平均粒度２５０メッシュのトルマリン粉体をポリウレタンに対して１５％分散した組成液を含浸し、凝固し、乾燥して得た平均厚さ０．４２ｍｍの繊維不織布シート状物を得た。一方、弾性基体として、顔料着色した厚さ２ｍｍの発泡ポリウレタンシート状物を用い、各シート状物間に熱溶融型樹脂の繊維ウエブを挟み、熱プレス処理で接着し、平均厚さ２．８５ｍｍの積層シート状物を得た。

【００１６】得られたトルマリン含有積層シート状物は靴の中敷きに加工して、大気中におけるマイナスイオンを測定した結果、着用前で−１９１個数／ｃｃ、着用１０日後で−１８９個数／ｃｃと殆ど変化が見られない。一方、この中敷きを靴に装着して着用した官能検査結果、適度のクッション性があり、温かみがあるうえに蒸れ感がなく、かつ、疲労感が少ないものであった。

【００１７】

【比較例】

比較のために、実施例１の各シート状物間の接着を従来のゴム系接着剤を用いて行った。得られたシート状物で造った中敷きを実施例１と同様条件で測定した結果、マイナスイオン数は着用前で−６７個数／ｃｃ、着用１０日後で−６２個数／ｃｃであり、接着方法で効果が激減してしまった。

【００１８】

【実施例２】実施例１のトルマリン単独に代えてトルマリン粉体６０：備長炭粒体４０の容量比で十分に混合し、ポリアクリル酸エステル系エマルジョン接着剤に分散して不織布に含浸させた後、乾燥してトルマリン：備長炭混合物含有繊維不織布を得た。この繊維不織布を実施例１と同様にナイロン系熱溶融型樹脂の繊維ウエブで熱接着して平均厚さ２．９ｍｍのシート状物を得た。

【００１９】得られたトルマリン／備長炭含有積層シート状物を靴の中敷きに加工して、大気中におけるマイナスイオンを測定した結果、着用前で−１７９個数／ｃｃ、着用１０日後で−１７１個数／ｃｃと殆ど変化が見られない。一方、この中敷きを靴に装着して着用した官能検査結果は、適度のクッション性があり、温かみがあるうえに蒸れ感がないばかりではなく、汗をかいても悪臭は殆ど感じない。更に、疲労感も他の中敷きに比較して少ないものであった。

【００２０】

【考案の効果】

本考案の靴の中敷きは、トルマリンの有するマイナスイオン効果と保温効果に加え、更に、備長炭や竹炭などの木炭を併用して、靴内の防臭性や防黴性を付与したものとなり、靴内環境を整えることが可能である。そして、本考案の靴の中敷きは熱溶融型樹脂の繊維ウエブあるいは粒体で熱接着固定するために高通気性で、かつ、繊維不織布や立毛層に付与したトルマリン粒体などの付与物質が、歩行による摩擦や屈曲で脱落や片寄りを生ずることなく、効果を長期間持続させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の靴の中敷きの一例を示す断面模式図で
ある。

【図２】本考案の靴の中敷きの他の例を示す断面模式図
である。

【符号の説明】

１靴の中敷き２高通気性布帛３片面立毛布帛４トルマリン含有繊維不織布５弾性基体６熱溶融型樹脂の繊維ウエブ熱接着層６’ 熱溶融型樹脂の繊維ウエブ熱接着層７通気孔８トルマリン含有立毛層

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ウレタン重合体あるいはウレタンを主体
とした弾性重合体の発泡体でなる弾性基体、又はウレタ
ン重合体あるいはウレタンを主体とした弾性重合体を含
有した多孔質繊維不織布でなる弾性基体（１）、該弾性
基体の一面にトルマリン粒体あるいは粉体を含有した繊
維不織布（２）を積層し、更に、該繊維不織布にメッシ
ュ状布帛、編織布あるいはパンチング編織布から選ばれ
た布帛（３）を積層し、各層間を熱溶融型樹脂の繊維ウ
エブ又は粒体あるいは粉体で熱接着してなることを特徴
とする靴の中敷き。
【請求項２】ウレタン重合体あるいはウレタンを主体
とした弾性重合体の発泡体でなる弾性基体、又はウレタ
ン重合体あるいはウレタンを主体とした弾性重合体を含
有した多孔質繊維不織布でなる弾性基体（１）、該弾性
基体に片面立毛布帛の立毛面にトルマリン粒体あるいは
粉体を含有させた布帛（４）の立毛面を熱溶融型樹脂の
繊維ウエブ又は粒体あるいは粉体で熱接着してなること
を特徴とする靴の中敷き。
【請求項３】請求項１又は請求項２に記載のトルマリ
ンの使用が、トルマリン粒体あるいは粉体と木炭の粒体
あるいは粉体の混合物であって、該混合物がトルマリ
ン：木炭の容積比で４０：６０ないし１００：０の範囲
であることを特徴とする靴の中敷き。
【請求項４】請求項１又は請求項３に記載のトルマリ
ン粒体あるいは粉体又はトルマリン粒体あるいは粉体と
木炭の粒体あるいは粉体の混合物を含有した繊維不織布
が、熱溶融型樹脂の繊維を５〜３５重量％含有した繊維
不織布でなることを特徴とする靴の中敷き。