JP3085964B2 - ろう付により製作される熱交換器のAl合金製高強度犠性陽極フィン材の製造方法 - Google Patents

ろう付により製作される熱交換器のAl合金製高強度犠性陽極フィン材の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、ろう付によって接合される熱交換器に用
いられ、高強度で、しかも優れた犠牲陽極性能を有する
Al合金製フィン材の製造方法に関するものである。
[従来の技術] 従来、自動車などに広く用いられている熱交換器は、
軽量で熱伝導度に優れたAl合金性のフィン材を真空ろう
付などによって接合することによって製作されている。
このフィン材には、熱交換器の管材などの腐食を防止
するために、犠牲陽極性能を付与することがあり、具体
的には、適量のIn、Snなどを添加して平衡電位を低くし
たAl合金が用いられている。このAl合金は、通常の半連
続鋳造(凝固速度20〜30℃/秒程度)を経て、圧延など
の加工が加えられてフィン材として供される。
[発明が解決しようとする課題] ところで、近年、熱交換器の一層の軽量化や製造コス
トの低減化の観点から、フィン材の薄肉化の要求が高ま
りつつあり、これに伴って、材料としての高強度化が要
望されている。
通常、犠牲陽極性能を付与したAl−In系やAl−Sn系の
フィン材では、強度向上のために、さらに、Mn、Si、F
e、Zrなどの元素を添加している。
ところが、上記した添加元素は、材料の電位を貴にす
る性質があり、フィン材の犠牲陽極効果を低下させてし
まう。そのため、これら元素の添加量には限度があり、
十分な高強度化を図ることができず、ひいては、薄肉化
の障壁になっているとういう問題点がある。
なお、犠牲陽極効果を発揮する元素を増量し、犠牲陽
極効果を高めて、強度向上元素の添加量を増大させるこ
とも考えられるが、この場合には、犠牲陽極効果は高ま
るものの、自己腐食速度が大きくなり、早期に犠牲陽極
効果が失われてしまうという問題点がある。
この発明は、上記問題点を解決することを基本的な目
的とし、優れた犠牲陽極効果を維持したままで、高強度
化を達成することができるろう付により製作される熱交
換器のAl合金製高強度犠牲陽極フィン材の製造方法を提
供するものである。
[課題を解決するための手段] 本願発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討し
た結果、Al合金を鋳造する際の凝固速度を十分に大きく
することによって、犠牲陽極効果を発揮するInまたはSn
のAl素地中への固溶量が増大し、したがって、犠牲陽極
効果が十分に発揮されるために、強度を向上させる元素
を増量して添加しても十分に卑な電位が得られることを
見出したものである。
すなわち、本願発明のうち第1の発明は、 In0.005〜0.15wt%、Sn0.11〜0.20wt%の少なくとも
1種と、 Fe0.1〜1.5wt%、Si0.05〜0.8wt%を含有し、残部がA
lおよび不可避の不純物からなるAl合金を、100℃/秒以
上の凝固速度で鋳造することを特徴とするものである。
また、第2の発明は、 In0.005〜0.15wt%、Sn0.11〜0.20wt%の少なくとも
1種と、 Fe0.1〜1.5wt%、Si0.05〜0.8wt%を含有し、さら
に、 Mn 0.1〜1.5wt%、Zr0.05〜0.15wt%の1種または2
種を含有し、残部がAlおよび不可避の不純物からなるAl
合金を、100℃/秒以上の凝固速度で鋳造することを特
徴とするものである。
なお、本願発明によって得られるフィン材は、その
後、ろう付に供されるものであるが、そのろう付方法が
特に限定されるものではない。但し、本願発明は、真空
ろう付法を採用する場合に好適である。
以下に、本願発明の構成における凝固速度の限定およ
び添加元素の範囲限定の理由を述べる。
(1)鋳造時の凝固速度 鋳造時の凝固速度を大きくすることによって、Inまた
はSnのAl素地中へ固溶量が増大し、さらに、析出物は微
細に分散する。
上記固溶量の増大によって、添加元素の犠牲陽極効果
が十分に発揮され、強度向上元素を添加した場合にも安
定して低電位を確保することができる。
また、固溶することなく析出した犠牲陽極元素も、上
述するように急冷によって微細化されているので、ろう
付時の加熱によって、容易にAl素地中へ再固溶し、犠牲
陽極効果をさらに向上させる。
上記した効果は、十分に大きな凝固速度で鋳造した場
合に得られるものである。具体的には、100℃/秒未満
では、上記効果は得ることができず、したがって、凝固
速度を100℃/秒以上とした。
なお、凝固方法は特に限定されるものではなく、要
は、上記凝固速度を満足する方法で鋳造するものであれ
ばよい。具体的には、連続鋳造法、半連続鋳造法、水冷
鋳型による鋳造などを例示することができる。
(2)In、Sn InおよびSnは、Al素地中に固溶して、電位を卑にして
犠牲陽極効果を発揮する。
この効果は、Inが0.005wt%未満、Snが0.11wt%未満
の場合には十分に得られない。
また、Inを0.15wt%を超えて添加すると、自己腐食速
度が大きくなり、かえって防食性を低下させる。
一方、Snを0.20wt%を超えて添加すると、同様に自己
腐食速度が大きくなるとともに、ろう付時に局部溶解が
生じて、耐座屈性が著しく低下する。
このため、In0.005〜0.15wt%、Sn0.11〜0.20wt%の
範囲に限定した。
(3)Fe、Si FeおよびSiは、Al素地中に、Al−Fe系、Al−Fe−Si系
化合物として分散し、フィン材の室温強度およびろう付
時の耐座屈性を向上させる。
上記効果は、Feが0.10wt%未満、Siが0.05wt%未満の
場合には得ることができない。
また、Feを1.5wt%を超えて添加すると、Feを含む化
合物結晶粒が微細化してろう付時の耐座屈性が低下する
とともに、電位を上昇させる。
一方、Siを0.8wt%を超えて添加すると、材料の固相
線温度が低下し、ろう付時の耐座屈性を低下する。
このため、Feを0.1〜1.5wt%、Siを0.05〜0.8wt%の
範囲内に限定した。
なお、同様の理由により、さらに、Feを0.3〜1.5wt
%、Siを0.2〜0.8wt%の範囲内に限定するのが望まし
い。
(4)Mn Mnは、Al−Mn系化合物としてAl素地中に分散して、室
温強度およびろう付時の耐座屈性の向上に寄与する。
但し、Mnの添加量が0.1wt%未満では上記効果は不十
分であり、一方、1.5wt%を超えて添加すると、熱伝導
性、加工性が低下し、また電位も上昇する。このため、
Mnの添加量は、Mn0.1〜1.5wt%の範囲内とする。
(5)Zr Zrは、Al−Zr系化合物としてAl素地中に分散して、ろ
う付時の耐座屈性とろう付後の強度を向上させる。この
Zrの添加量は0.05wt%未満では上記効果は不十分であ
り、一方、0.15wt%を超えても効果の向上はなく、しか
も加工性が低下するので、0.05〜0.15wt%の範囲内とす
る。
なお、Al合金は、上記成分の他に、通常の製錬などに
よって含まれる不可避の不純物を含むものである。
[作 用] すなわち、本願発明によれば、大きな凝固速度で鋳造
することによってAl合金は急冷され、InまたはSnが、Al
素地中に十分に固溶して、優れた犠牲陽極効果が確保さ
れる。このため、強度を向上させる元素を十分に添加し
ても、所望の犠牲陽極効果が得られ、高強度で、犠牲陽
極効果に優れたフィン材が得られる。
[実施例] 以下に、この発明の一実施例を説明する。
表1および表2に示す成分組成を有するAl合金を溶解
し、鋳造、圧延によって板厚100μmのフィン材を得
た。
なお、フィン材(試験片)No.1〜12およびNo.21〜30
は、溶解したAl合金を、水冷効果を高めるなどして凝固
速度を大きくした半連続鋳造法または連続鋳造法によっ
て凝固させて得た、本発明方法による実施例である。
一方、フィン材(試験片)No.A〜HおよびNo.a〜e
は、本発明の製造方法によらない比較例であり、具体的
には、溶解したAl合金を,従来の凝固速度が小さな半連
続鋳造法で凝固させたものか、成分組成が本発明の範囲
外のものである。
なお、得られた各試験片は、真空ろう付を想定して、
10-5Torrの真空中で600℃にて、5分間保持した後、105
℃/秒の冷却速度で冷却した(ろう付後の冷却を想
定)。
各試験片は、犠牲陽極効果を評価するために、INNHaC
l溶液中で孔食電位(標準カロメル電位:SCE)を測定し
た。また、強度評価のために、引張試験を行った。
さらに、実施例、比較例の一部については、耐座屈性
を評価した。具体的には、40mmの長さで突き出した試験
片を600℃で5分間保持して、垂下量を測定する耐サグ
試験(垂下試験)を行った。
上記評価の結果は、表1および表2に示すように、実
施例の試験片では、優れた犠牲陽極効果、高強度など、
評価項目のいずれについても良好な結果が得られた。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明のろう付により製作さ
れる熱交換器のAl合金製高強度犠牲陽極フィン材の製造
方法のうち第1の発明によれば、 In0.005〜0.15wt%、Sn0.11〜0.20wt%の少なくとも
1種を、Si0.05〜0.8wt%、Fe0.1〜1.5wt%を含有し、
残部がAlおよび不可避の不純物からなるAl合金を、100
℃/秒以上の凝固速度で鋳造するので、犠牲陽極効果を
発揮する元素の添加量を増大させることなく、優れた犠
牲陽極効果を確保でき、しかも、強度向上元素の増量に
よって、高強度が得られるという効果がある。したがっ
て、このフィン材によって得られる熱交換器は、軽量で
長寿命であるという効果がある。
また、第2の発明によれば、In0.005〜0.15wt%、Sn
0.11〜0.20wt%の少なくとも1種と、 Si0.05〜0.8wt%、Fe0.1〜1.5wt%を含有し、さら
に、Mn0.1〜1.5wt%、Zr0.05〜0.15wt%の1種または2
種を含有し、残部がAlおよび不可避の不純物からなるAl
合金を、100℃/秒以上の凝固速度で鋳造するので、上
記効果に加え、室温強度の向上および耐座屈性の向上が
得られるという効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C22C 21/00 C23F 13/00 E (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 1/02 B22D 27/04 B23K 1/00 330 B23K 1/19 C23F 13/14 C22C 21/00 - 21/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】In0.005〜0.15wt%、Sn0.11〜0.20wt%の
    少なくとも1種と、 Fe0.1〜1.5wt%、Si0.05〜0.8wt%を含有し、残部がAl
    および不可避の不純物からなるAl合金を、100℃/秒以
    上の凝固速度で鋳造することを特徴とするろう付により
    製作される熱交換器のAl合金製高強度犠牲陽極フィン材
    の製造方法
  2. 【請求項2】In0.005〜0.15wt%、Sn0.11〜0.20wt%の
    少なくとも1種と、 Fe0.1〜1.5wt%、Si0.05〜0.8wt%を含有し、さらに、 Mn 0.1〜1.5wt%、Zr0.05〜0.15wt%の1種または2種
    を含有し、残部がAlおよび不可避の不純物からなるAl合
    金を、100℃/秒以上の凝固速度で鋳造することを特徴
    とするろう付により製作される熱交換器のAl合金製高強
    度犠牲陽極フィン材の製造方法
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