JP2002256369A - 高強度かつ切削加工性に優れたアルミニウム熱交換器用継手およびその製造方法 - Google Patents
高強度かつ切削加工性に優れたアルミニウム熱交換器用継手およびその製造方法Info
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Abstract
る小型化、薄肉化、高性能化に対応することができる高
強度を有し、その上に優れた切削加工性と耐孔食性を兼
ね備えたアルミニウム合金製管継手の提供を目的とす
る。 【解決手段】 本発明は、Zn:4.5〜5.0%(重量
%、以下同じ)、Mg:0.25〜0.35%、Mn:
0.9〜1.1%、Si:0.3〜0.4%、Cu:0.1
5〜0.25%、Fe:0.2〜0.4%、Ga:0.00
5〜0.03%、Cr:0.05%以下を含有し、残部が
Alと不可避不純物からなる組成を有するアルミニウム
合金からなることを特徴とする。
Description
肉化および小型化を可能とするアルミニウム熱交換器用
の継手およびその製造方法に関するものである。
いずれもAlまたはAl合金で構成されたフィン材、ヘ
ッダープレート材、管材、および管継手などの構造部材
を所定形状に組み立て、ろう付けして一体化することに
より製造されている。特にこれら構造部材のうちの管継
手としては、構造的に高強度が要求されることから、例
えば特開昭63−118046号公報に記載される通り
の、重量%(以下特に記載が無い場合に%は重量%を示
す。)で、Zn:3〜4.5%、Mg:0.5〜1.5
%、Zr:0.05〜0.2%、Mn:0.2〜0.7%、
Si:0.2〜0.7%を含有し、さらに必要に応じて、
Cr:0.05〜0.3%、Ti:0.05〜0.2%、
V:0.05〜0.2%、Cu:0.05〜0.3%のうち
の1種または2種以上を含有し、残部がAlと不可避不
純物からなる組成を有するAl合金などが用いられてい
る。
交換器の小型化、高性能化、および汎用化に伴い、上記
の構造部材にも、薄肉化、小型化が要求される傾向にあ
り、特にこれらの管継手に対する強度の要求は厳しく、
上記従来のAl合金製管継手ではこれらの要求に十分に
は対応できないのが現状である。また、従来の合金組成
では、強度不足が原因となり、今後の一層の薄肉化が困
難となりつつある。次に、これらの合金には、高強度と
併せて優れた切削加工性や耐孔食性も要求されており、
今後の薄肉化を考慮すると従来の合金材では特性が不十
分であるために、全ての特性を従来材よりも優れたもの
とする必要がある。
種合金の材料特性を更に向上させるべくなされたもの
で、アルミニウム製の熱交換器の更なる小型化、薄肉
化、高性能化に対応することができる高強度を有し、そ
の上に優れた切削加工性と耐孔食性を兼ね備えたアルミ
ニウム熱交換器用継手の提供、並びに、そのような優れ
た特長を有するアルミニウム熱交換器用継手の製造方法
の提供を目的とする。
上述のような問題を解決するべく、従来材より高強度で
より一層の薄肉化が可能なアルミニウム製熱交換器用管
継手の研究を行った結果、前記継手材をZn:4.5〜
5.0%(重量%、以下同じ)、Mg:0.25〜0.3
5%、Mn:0.9〜1.1%、Si:0.3〜0.4%、
Cu:0.15〜0.25%、Fe:0.2〜0.4%、G
a:0.005〜0.03%、Cr:0.05%以下を含
有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有する
アルミニウム合金で構成すると、このアルミニウム合金
は使用する継手の強度低下を招く事なく薄肉化が可能と
なり、更に切削加工時の生産性が向上するとともに、実
用に際しても深い孔食の発生を低減することができ、長
期にわたって優れた性能を発揮するという結果を得た。
また、本発明者らは、この種のアルミニウム合金で管継
手を製造する場合、押し出し直後の高温のアルミニウム
合金を従来のこの種の合金を押し出す場合よりも急冷
し、更にその後時効を行うことで、管継手の切削性およ
び機械的性質を更に向上させることができることを知見
して本発明に到達した。
n:4.5〜5.0%(重量%、以下同じ)、Mg:0.
25〜0.35%、Mn:0.9〜1.1%、Si:0.3
〜0.4%、Cu:0.15〜0.25%、Fe:0.2〜
0.4%、Ga:0.005〜0.03%、Cr:0.05
%以下を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組
成を有するアルミニウム合金からなることを特徴とす
る。前述のアルミニウム合金の組成において、Gaの微
量添加により切削加工性が著しく向上する。
n:4.5〜5.0%、Mg:0.25〜0.35%、M
n:0.9〜1.1%、Si:0.3〜0.4%、Cu:
0.15〜0.25%、Fe:0.2〜0.4%、Ga:
0.005〜0.03%、Cr:0.05%以下を含有
し、更に、Ti:0.01〜0.1%、Zr:0.01〜
0.15%のうち、1種または2種以上を含有し、残部
がAlと不可避不純物からなる組成を有するアルミニウ
ム合金からなることを特徴とする。
金として、更に、Ce、La、Ndの希土類金属のう
ち、1種または2種以上が含有され、それらの総量が
0.005〜0.2%の範囲とされてなるアルミニウム合
金を用いることもできる。Ce、La、Ndなどの希土
類金属を用いると、これらの希土類金属は、希土類金属
をXとした場合にAlX系、AlFeX系の晶析出物を
形成し、一層強度および切削加工性を向上させる。
組成のアルミニウム合金を用い、400〜600℃の高
温で押出した後、200℃の温度まで10〜500℃/
秒の冷却速度で冷却した後、更に室温で48時間以上時
効することを特徴とすることができる。本発明の製造方
法において前記いずれかの組成を有するアルミニウム合
金を400〜600℃の高温で押出した後、200℃の
温度まで10〜500℃/秒の冷却速度で冷却した後、
更に80〜200℃の温度で3〜50時間時効すること
を特徴とすることができる。本発明の製造方法において
前記いずれかの組成を有するアルミニウム合金を400
〜600℃の高温で押出した後、200℃の温度まで1
0〜500℃/秒の冷却速度で冷却した後、室温で48
時間以上時効し、更に80〜200℃の温度で3〜50
時間時効することを特徴とすることができる。
て説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるも
のではない。本発明に係る継手は、例えば、自動車のラ
ジエーター、エアコン用のコンデンサー、インタークー
ラー等に代表される各種のアルミニウム製の熱交換器の
配管用継手として用いられて、主に配管を接続するため
に使用されるものである。また、管継手を配管と接合し
た後、接合部分をろう付けして固着することがなされ
る。
0%(重量%、以下同じ)、Mg:0.25〜0.35
%、Mn:0.9〜1.1%、Si:0.3〜0.4%、C
u:0.15〜0.25%、Fe:0.2〜0.4%、G
a:0.005〜0.03%、Cr:0.05%以下を含
有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有する
アルミニウム合金からなる。
4.5〜5.0%(重量%、以下同じ)、 Mg:0.2
5〜0.35%、Mn:0.9〜1.1%、Si:0.3〜
0.4%、Cu:0.15〜0.25%、Fe:0.2〜
0.4%、Ga:0.005〜0.03%、Cr:0.05
%以下を含有し、更に、Ti:0.01〜0.1%、Z
r:0.01〜0.15%のうち、1種または2種以上を
含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有す
るアルミニウム合金からなるものでも良い。
に、更に、Ce、La、Ndの希土類金属のうち、1種
または2種以上が含有され、それらの総量が0.005
〜0.2%の範囲とされてなるアルミニウム合金からな
るものでも良い。
常温でMgZn2として時効析出し、管継手としての強
度を向上させる作用がある。また、Mgについては、単
独の添加でも強度を非常に向上させる効果がある。ま
た、Znの添加は腐食形態を面状として耐孔食性を向上
させる効果がある。これらの観点から、ZnとMgにお
いて、いずれかの含有量がZnにおいては4.5%未
満、Mgにおいては0.25%未満となると、所望の強
度向上効果が得られず、Znにおいては添加量が5%を
超えると腐食速度が速くなり過ぎるために腐食量が大き
くなり、Mgにあっては0.35%を超える量の添加で
ろう付け性を極端に低下させるという問題がある。以上
のことからZn含有量については4.5〜5.0%の範
囲、Mgの含有量については0.25〜0.35%の範囲
が好ましいとした。なお、以下に示す各元素の含有量範
囲において、〜を用いて範囲の下限値と上限値を規定す
る場合、特に説明が無い場合は下限値と上限値を含むも
のとする。よって、4.5〜5.0%の範囲と記載した場
合に特に説明が無い限り4.5%以上、5.0%以下を示
すものとする。
でも強度を向上させ得るが、両方を添加することでろう
付け時にAl-Mn-Si系化合物としてアルミニウム素
地中に微細均一に分散析出してさらに強度を向上させる
効果がある。MnおよびSiのいずれかの添加量がMn
において0.90%未満、Siにおいて0.3%未満で
は、所望の強度向上効果が得られない。Mn含有量にお
いて1.1%を超えると押出加工性が低下し、Si含有
量において0.4%を超えるとろう付け時に局部溶解の
発生を促進する。従って、その含有量をそれぞれMnに
おいては0.9〜1.1%の範囲、Siにおいては0.3
〜0.4%に定めた。
固溶し、強度を向上させる効果がある。Cuの含有量が
0.15%未満では所望の強度向上が得られず、一方、
0.25%を超えると腐食速度が速くなり、切削加工性
も低下する。従って、Cuの含有量を0.15〜0.25
%に定めた。 [Fe]Feは、AlおよびMn、Siと結合し、素地に
微細均一に分散析出するAl-Fe系やAl-Si-Fe
系、あるいはAl-Mn-Si-Fe系化合物を形成して
強度を一段と向上させる効果があるほか、MgZn2の
析出を促進させる効果がある。Feの含有量が0.2%
未満では所望の強度向上効果が得られず、0.4%を超
えると押出加工性を低下させる。従って、その含有量を
0.2〜0.4%に定めた。
とでAl合金の切削加工性を著しく向上させる。Gaの
含有量が0.005%未満では所望の効果が得られず、
0.03%を超えると低融点の化合物を生成し始め、ろ
う付け時に局部溶解が問題となり、さらに腐食速度が速
くなるために、耐孔食性が低下する。従って、Gaの含
有量を0.005〜0.03%と規定した。 [TiおよびZr]これらの成分はいずれも鋳造組織を微
細化し、押し出し時の熱間加工性を一段と向上させる効
果があるため、薄肉の管継手材を歩留まり良く成形する
ことが可能となる。また、これらの元素は、Al-Mn
系化合物を微細化する作用があり、押出温度での変形抵
抗を小さくし、押出性を向上させる。更に、ろう付け後
に微細な金属間化合物として素地中に分散し、強度およ
び切削加工性を向上させる。 その含有量が、それぞれ
0.01%未満では前記作用の所望の効果が得られず、
その含有量がそれぞれ、Tiにおいては0.1%を超え
ると、Zrにおいては0.15%を超えると熱間加工性
が急激に低下することから、それらの含有量をそれぞれ
Tiにおいては0.01〜0.1%の範囲、Zrにおいて
は0.01〜0.15%の範囲に定めた。
5%を超えると押出加工性や切削加工性、耐孔食性を低
下させるので、0.05%以下に制御することが好まし
い。 [Ce、La及びNd]これらの希土類元素は、Al-X
系、Al-Fe-X系(XはCe、La、Ndのうちの1
種又は2種以上)の晶析出物を微細均一に分布すること
で一層強度および切削加工性を向上させる。これら希土
類元素の総量(Ce+La+Nd)が0.005%未満
では、所望の効果が望めず、総量が0.20%を超える
と押出加工性と切削加工性が低下する。ところでこれら
の希土類元素は、それぞれの純金属の形で添加して合金
化しても良いが、これら希土類元素の混合物として一般
的に得られているミッシュメタル(混合希土類金属)の
形で添加しても良い。
a、Ndの外に、数%程度のPrや極微量のPbやP、
Sなどが含まれることがあるが、それらが含まれていて
も本発明の効果に大きな影響は無い。従って実用的には
ミッシュメタル添加量を制御することで簡単にその総量
を調整することができる。通常一般のミッシュメタルで
は、Ce:約50%、La:約25%、Nd:約10%
の割合でこれらの元素が含有されている。しかしながら
これらに例示した希土類元素の他に、Nd、Pm、S
m、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Y
b、Luで示される他の希土類元素が若干含まれたもの
を用いても差し支えないので、これらの希土類元素が本
願発明で用いるアルミニウム合金に微量含有されていて
も差し支えない。
交換器用継手を製造するには、一般的には、前記組成と
なるように調製したアルミニウム合金溶湯から鋳造法に
より適切な大きさのビレットを製造し、このビレットに
均質化処理などを施した後、所定の温度範囲、例えば4
00〜600℃に加熱して熱間押出加工することにより
円環状あるいは角型状などの環状の継手を得ることがで
きる。ここで形成する継手の形状は目的に応じて種々の
形状が考えられるので、特に規定するものではない。こ
の製造法において400〜600℃での熱間押出後、高
温の状態、例えば、200℃の温度になるまで押出材料
に水などの冷却媒体を噴霧する、あるいは、噴射するこ
とで通常の空冷よりも冷却速度を速くし(好ましくは、
冷却速度100〜200℃/秒)、その後の室温時効、
あるいは、80〜200℃の人口時効時にMgZn2の
時効析出を促進し、MgZn2を材料中に微細均一に析
出させることで、押出後に行う機械加工での切削加工性
を向上させ、優れた寸法精度を得られるようにすること
ができる。
り遅いようであると、前述の所望の効果が得られない。
そこで本発明に係る組成のアルミニウム合金から継手を
製造する場合の押出後の好ましい冷却速度範囲は、実際
の製造条件を考慮し、10〜200℃/秒の範囲に定め
た。
製の継手であるならば、抗折力が高く、機械的強度に優
れるとともに、耐孔食性に優れ、更に押出後の切削加工
性にも優れた継手を提供することができる。
施例により具体的に説明するが、本発明が以下の実施例
により限定されるものではない。通常の溶解法によりそ
れぞれ後に記載する第1表に示される成分組成を有する
アルミニウム合金溶湯を調製し、この溶湯から鋳造して
直径200mmのビレットを複数作成した。これらのビ
レットに530℃で8時間保持する条件で均質化処理を
施した後、表2に示す480〜530℃の温度で熱間押
出加工を施し、表2に示す冷却速度(℃/秒)で冷却
し、更に表2に示す条件で時効することにより、断面が
1辺長さ15mmの六角筒形状を有する本発明に係るア
ルミニウム合金(合金番号A〜J)からなる管継手素材
(本発明材種別1〜14)および比較材のアルミニウム
合金(合金番号a〜m)からなる管継手比較材(比較材
種別1〜12)をそれぞれ製造した。なお、比較材の管
継手素材1〜12のアルミニウム合金成分組成のうち、
本発明範囲から外れた成分含有量については表1に*印
で示し、製造方法において本発明範囲から外れた製造条
件については表2に*印で示した。
を評価する目的で断面5mm×5mm、長さ50mmの
寸法の抗折力測定用試験片並びに耐孔食性を評価する目
的で断面15mm×30mm、長さ50mmの腐食試験
片を切り出し、これらの試験片にろう付けと同じ条件、
即ち、N2ガス雰囲気で温度600℃に5分間保持の条
件で熱処理を施し、以後室温に5日間保持する時効硬化
処理を施した状態でそれぞれの試験に使用した。なお、
腐食試験として、自動車用熱交換器の冷却水を想定し、
以下の(a)に記載の水道水浸漬試験と(b)に記載の
腐食液浸漬試験の2種類を実施した。 (a)0.1ppmのCu2+イオンを添加した40℃の
水道水浸漬試験。 (b)100ppmのCl-、100ppmのHC
O3 -、及び、0.1ppmのCu2+の各イオンを添加し
た40℃の水溶液中に30日間浸漬する腐食液浸漬試
験。 そして、これらの各試験の後に、最大孔食深さ(mm)
を測定した結果を以下の表2に示す。
機械で連続して2000個切削加工を行った後の不良品
発生個数を調査した。管継手の寸法、および、溝加工の
精度が製品に要求された範囲以外のもの、あるいは、バ
リなどの発生により製品としての機能を満足しないもの
を不良品としてカウントした。また、切削加工性が悪い
場合は不良品の発生や切削機械のバイト(刃)にアルミ
ニウム合金が付着することで機械の切削速度が低下する
ため生産性が低下する。切削加工性の判定としては、不
良率0〜0.05%の範囲のものを〇印で示し、不良率
0.1%程度のものを△、不良率0.25%以上のものを
×で示した。
る組成のアルミニウム合金の熱交換器用管継手であるな
らば、比較材に比べて非常に高い抗折力を有しているこ
とが明らかである。また、切削加工性と耐孔食性につい
ても本発明に係る組成のアルミニウム合金製の管継手で
あるならば、比較材よりも良好な特性を有することが明
らかであり、従来材の管継手は、強度、耐孔食性、切削
加工性のいずれかが本発明に係るアルミニウム合金製の
管継手よりも劣ることが明らかである。
上は必要であると考えられるが、比較材の多くのものは
抗折力26kg/mm2を下回った。また、Ga添加量
が少なく、希土類を含有していない試料で、かつ、製造
方法において時効処理時間が室温で24時間の比較材試
料No.1、2は抗折力が低く、不良率も高くなり、切
削加工性が低下し、Ga含有量が多い比較材試料No.
3は耐食性に劣り、Ga含有量と希土類含有量が多い比
較材試料No.4は耐食性が劣る結果となった。希土類
含有量が多い比較材試料No.5は切削加工性が低下し
た。比較材No.6は希土類含有量が0.25%の試料で
あるが不良率が0.25%と高くなり、切削加工性の判
断が×となった。Zn含有量が少ない比較材試料No.
7は抗折力が低下し、人工時効時間が短く、Zn含有量
が多い比較材試料No.8は耐食性に劣る結果となっ
た。次に、Mg含有量が少ない比較材試料No.9は著
しい抗折力低下(強度低下)を引き起こし、Mnが少な
い比較材試料No.10、Siが少ない比較材試料No.
11、Cu含有量が少ない比較材試料No.12はいず
れも強度低下を引き起こし、不良率も悪化した。以上の
ことから、本発明に係るアルミニウム熱交換器用継手
は、高強度で、優れた切削加工性と耐孔食性を有するの
で、従来材を用いるよりも更に薄肉化、小型化に対応す
ることができる特徴を有する。
来材で形成されたアルミニウム合金製継手に比べて強度
が高く、耐孔食性に優れ、切削加工性にも優れていると
いう3つの特性のバランスのとれた熱交換器用継手を提
供することができる。以上のことから、本発明に係るア
ルミニウム熱交換器用継手であるならば、従来材を用い
たものよりも薄肉化、小型化に寄与する。
Claims (6)
- 【請求項1】 Zn:4.5〜5.0%(重量%、以下同じ)、 Mg:0.25〜0.35%、 Mn:0.9〜1.1%、 Si:0.3〜0.4%、 Cu:0.15〜0.25%、 Fe:0.2〜0.4%、 Ga:0.005〜0.03%、 Cr:0.05%以下 を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有
するアルミニウム合金からなることを特徴とする高強度
かつ切削加工性に優れたアルミニウム熱交換器用継手。 - 【請求項2】 Zn:4.5〜5.0%(重量%、以下同じ)、 Mg:0.25〜0.35%、 Mn:0.9〜1.1%、 Si:0.3〜0.4%、 Cu:0.15〜0.25%、 Fe:0.2〜0.4%、 Ga:0.005〜0.03%、 Cr:0.05%以下 を含有し、更に、 Ti:0.01〜0.1%、 Zr:0.01〜0.15% のうち、1種または2種以上を含有し、残部がAlと不
可避不純物からなる組成を有するアルミニウム合金から
なることを特徴とする高強度かつ切削加工性に優れたア
ルミニウム熱交換器用継手。 - 【請求項3】 前記アルミニウム合金に、更に、Ce、
La、Ndの希土類金属の内、1種または2種以上が含
有され、それらの総量が0.005〜0.2%の範囲とな
る組成を有するアルミニウム合金からなることを特徴と
する請求項1または2に記載の高強度かつ切削加工性に
優れたアルミニウム熱交換器用継手。 - 【請求項4】 請求項1、2または3に記載の組成を有
するアルミニウム合金を400〜600℃の高温で押出
した後、200℃の温度まで10〜500℃/秒の冷却
速度で冷却した後、更に室温で48時間以上時効するこ
とを特徴とする高強度かつ切削加工性に優れたアルミニ
ウム熱交換器用継手の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1、2または3に記載の組成を有
するアルミニウム合金を400〜600℃の高温で押出
した後、200℃の温度まで10〜500℃/秒の冷却
速度で冷却した後、更に80〜200℃の温度で3〜5
0時間時効することを特徴とする高強度かつ切削加工性
に優れたアルミニウム熱交換器用継手の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1、2または3に記載の組成を有
するアルミニウム合金を400〜600℃の高温で押出
した後、200℃の温度まで10〜500℃/秒の冷却
速度で冷却した後、室温で48時間以上時効し、更に8
0〜200℃の温度で3〜50時間時効することを特徴
とする高強度かつ切削加工性に優れたアルミニウム熱交
換器用継手の製造方法。
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