JP3170202B2 - アルミニウム合金クラッドフィン材およびその製造方法 - Google Patents

アルミニウム合金クラッドフィン材およびその製造方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム合金クラ
ッドフィン材、詳しくは、ろう付けにより製造されるカ
ーエアコンのコンデンサ、エバポレータ、ラジエータ、
ヒーターコア、オイルクーラ、インタークーラなどの自
動車用アルミニウム製熱交換器のフィン材として好適に
使用されるアルミニウム合金クラッドフィン材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車用アルミニウム製熱交換器は、A
l−Cu系合金、Al−Mn系合金、Al−Mn−Cu
系合金により構成される押出偏平多孔管などの作動流体
通路構成部材にアルミニウム合金のフィン材を組合わ
せ、塩化物系フラックスを使用するフラックスろう付
け、フッ化物系のフラックスを使用する不活性ガス雰囲
気ろう付け、あるいは真空ろう付けにより組立てられて
いる。
【0003】この場合、ろう材を作動流体通路構成部材
に配置する場合もあるが、一般には、フィン材として、
アルミニウム合金の芯材の両面にAl−Si系ろう材を
クラッドしたクラッドフィン材が使用されている。アル
ミニウム製熱交換器用のフィン材には、作動流体通路構
成材料を防食するために犠牲陽極効果が要求され、ろう
付け加熱時に変形せず、溶融ろうの侵食もない耐高温座
屈性(耐高温サグ性)も要求される。
【0004】ろう付け時の変形や溶融ろうの侵食を防止
するためには、Mnの添加が有効であることが知られて
おり、クラッドフィン材の芯材用アルミニウム合金とし
て、3003合金、3203合金などAl−Mn系合金が用いら
れている。犠牲陽極効果を与えるには、Al−Mn系合
金にZn、Sn、Inなどの元素を添加して電気化学的
に卑にする方法が提案され(特公昭56-12395号公報他)
、耐サグ性をさらに向上させるために、Cr、Ti、
Zrなどを添加する方法が提案されている。(特公昭57
-13787号公報他)
【0005】近年、自動車の軽量化の観点から、自動車
用熱交換器の軽量化が要求され、この要求に対応するた
めにフィン材、作動流体通路構成材料など熱交換器の構
成材料の薄肉化が要請されている。ろう材をクラッドし
てなるフィン材を薄肉化した場合、ろう付け接合部に流
動してくるろうが少なくなり、未接合部が生じ易い。未
接合部の形成を防止するために、フィン材のろう材クラ
ッド率を増加する方法、Al−Si系ろう材のSi濃度
を高くしてろうの流動量を増加する方法があるが、これ
らの方法では、溶融ろうが多くなり過ぎて、芯材が溶融
ろうにより溶解、侵食され座屈が生じることが少なくな
い。また、ろう付けは、通常、約 600℃の高温で行われ
るため、フィンが変形し易く、ろう付け加熱後の強度が
低くなるため、フィン倒れが生じるという問題もある。
【0006】発明者らは、上記の問題点を解決して、ア
ルミニウム合金クラッドフィン材の薄肉化を達成するた
めに、薄肉化されたアルミニウム合金クラッドフィン材
において、芯材およびろう材の成分組成の組合わせ、厚
さ、クラッド率などと、ろう付け中の溶融ろうの侵食、
フィン材の座屈、耐食性、加工性との関連について多角
的な実験、検討を行った結果、特定組成の芯材を組合わ
せ、厚さに応じて材料中の平均Si濃度を適正範囲に
し、クラッド率を調整することにより、溶融ろうの侵食
が防止されるとともに、高温座屈が防止でき、加工性、
耐食性が保持され、犠牲陽極効果が向上することを見出
した。
【0007】本発明は、上記の知見に基づいてなされた
ものであり、その目的は、厚さ0.1mm 未満に薄肉化され
たフィン材において、ろうの流動不足および溶融ろうの
侵食による座屈が確実に防止でき、ろう付け加熱後の強
度および犠牲陽極効果に優れた熱交換器用アルミニウム
合金クラッドフィン材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の請求項1によるアルミニウム合金クラッド
フィン材は、芯材の両面にAl−Si系合金のろう材を
クラッドしてなるアルミニウム合金クラッドフィン材に
おいて、ろう材が、Si:5〜15%を含有し、残部A
lおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金で構
成され、芯材は、Si:0.01〜1.6%、Mn:
0.4〜2.0%、Fe:0.06〜0.8%を含み、
Zn:0.3〜5.0%、In:0.005〜0.3
%、Sn:0.005〜0.3%、Ga:0.005〜
0.3%のうちの1種または2種以上を含有し、残部A
lおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金で構
成され、クラッドフィン材の厚さtが0.04mm以上
0.1mm未満、クラッドフィン材中の平均Si濃度T
Si(%)とt(mm)との関係が、7.3×TSi−0.
7×t-1−1.0>0(但し、TSi:1.1〜2.7)
を満たし、ろう材のクラッド率が片面で平均3〜30%
であり、該クラッドフィン材を幅20mm、長さ300
mmに切断してコルゲート加工を施し、JIS A10
50の押出偏平多孔管と組合わせて熱交換器コアのミニ
チュアモデル形状に組付け、600℃の温度で3分間加
熱して、ろう付け接合した場合、クラッドフィン材と押
出偏平多孔管との接合部にフィレットが形成され、ろう
付け接合されたクラッドフィンに座屈が生じていないこ
とを特徴とする。
【0009】請求項2によるアルミニウム合金クラッド
フィン材は、請求項1において、芯材を構成するアルミ
ニウム合金が、さらにCr:0.06〜0.3%、Z
r:0.06〜0.3%のうちの1種または2種を含有
することを特徴とし、請求項3によるアルミニウム合金
クラッドフィン材は、請求項1〜2において、芯材を構
成するアルミニウム合金が、さらにMg:0.05〜
0.5%、Cu:0.01〜0.5%のうちの1種また
は2種を含有することを特徴とする。
【0010】請求項4によるアルミニウム合金クラッド
フィン材は、請求項1〜3において、ろう材を構成する
アルミニウム合金が、さらにZn:0.3〜5.0%を
含有することを特徴とし、請求項5によるアルミニウム
合金クラッドフィン材は、請求項1〜4において、ろう
材を構成するアルミニウム合金が、さらにMg:0.3
〜2.0%、Bi:0.01〜0.4%のうちの1種ま
たは2種を含有することを特徴とする。
【0011】本発明によるアルミニウム合金クラッドフ
ィン材の製造方法は、芯材を構成する上記の組成のアル
ミニウム合金の鋳塊に、ろう材を構成する上記の組成の
アルミニウム合金材をクラッドし、400 〜560 ℃の温度
で均質化処理したのち、熱間でクラッド圧延し、さらに
圧延率80%以上の冷間圧延を行い、180 ℃以上370 ℃未
満の温度で中間焼鈍したのち、圧延率5 〜70%で最終冷
間圧延することを第1の特徴とし、芯材を構成するアル
ミニウム合金鋳塊を400 〜560 ℃の温度で均質化処理し
たのち、ろう材を構成するアルミニウム合金材を組合わ
せ、熱間でクラッド圧延することを第2の特徴とする。
【0012】本発明における合金成分の意義およびその
限定理由について説明すると、ろう材中のSiは、ろう
材の融点を低下させ、溶融ろうの流動性を高める効果を
有する。好ましい含有量は5 〜15%の範囲であり、5 %
未満ではその効果が小さく、15%を越えると融点が急激
に高くなり、製造時の加工性も低下する。Siのさらに
好ましい含有範囲は7.0 〜13%である。
【0013】ろう材中のZnは、ろう付け加熱時に芯材
中へ拡散し、犠牲陽極効果を与えるよう機能し、ろう材
の融点を低下させる効果も有する。好ましい含有範囲は
0.3〜5.0 %であり、0.3 %未満ではその効果が十分で
なく、5.0 %を越えて含有すると、製造時の加工性が低
下し、自然電位が著しく卑になり自己腐食性が増加す
る。Znのさらに好ましい含有量は1.0 〜4.0 %の範囲
である。
【0014】Mgは、真空ろう付けの場合に、ろう付け
加熱温度付近で蒸発することにより、ろう付け性を向上
させる。好ましい含有量は0.3 〜2.0 %の範囲であり、
0.3%未満ではその効果が小さく、2.0 %を越えて含有
すると、ろう材の融点が低下して溶融ろうが芯材中に侵
食し易くなり、Mgの蒸発量も多くなって、ろう付け炉
内に吸着した酸化マグネシウムの除去回数が増加する。
真空ろう付けにおけるMgのさらに好ましい含有量は0.
5 〜1.6 %の範囲である。
【0015】Biは、ろう材の融点を低下させ、濡れ
性、流動性を改善する効果を有する。好ましい含有範囲
は0.01〜0.4 %であり、0.01%未満ではその効果が十分
でなく、0.4 %を越えて含有しても濡れ性、流動性の改
善効果は小さく、製造時の加工性が低下し、自己腐食性
が増加する。Biのさらに好ましい含有量は0.01〜0.2
%の範囲である。
【0016】ろう材中には、0.3 %以下のCu、Crお
よびMn、0.1 %以下のPb、LiおよびCaが含まれ
ていても、本発明の効果を損なうことはない。また、鋳
造組織の微細化のために0.3 %以下のTi、0.01%以下
のB、ろう材中のSi粒子の微細化のために0.1 %以下
のSr、Na、電位を低くして犠牲陽極効果を与えるた
めに0.1 %以下のIn、SnおよびGa、表面酸化皮膜
の成長を抑制するために0.1 %以下のBeが添加されて
もよい。但し、Feは、多量に含まれると自己腐食性が
増加するため0.8 %以下に制限することが好ましい。ま
た、Mgについては、真空ろう付けの場合、前記によう
に2.0 %以下含有させてもよいが、フッ化物系のフラッ
クスを使用してろう付けを行う場合には、ろう付け性を
阻害しないよう0.5 %以下に制限することが好ましい。
【0017】厚さが0.1mm 未満の薄肉フィン材の場合、
ろう付け後の芯材のSi濃度は、ろう付け加熱時にろう
材から芯材へSiが拡散するため、ろう付け前の芯材の
Si濃度にかかわらず、ほぼ同程度の均一な濃度とな
る。芯材にSiを添加すると、ろう付け加熱時、ろう材
から芯材へのSiの拡散量が減少し、ろう付け加熱過程
におけるろう材中のSi濃度の減少が少なくなって、ろ
うの流動性が向上する。芯材中のSiの好ましい含有量
は0.01〜1.6 %の範囲であり、0.01%未満の場合には所
期の効果を得ることは可能であるが、高純度のアルミニ
ウム地金を使用しなければならないために製造コストが
増加する。1.6 %を越えると芯材の結晶粒径が細かくな
って、ろうが芯材中に侵食し易くなり、耐高温座屈性が
低下し、自己腐食性も増加する。芯材中のSiのさらに
好ましい含有量は0.1 〜1.0 %の範囲である。
【0018】芯材中のMnは、芯材の強度を向上させ、
耐高温座屈性を改善するよう機能する。好ましい含有範
囲は0.4 〜2.0 %であり、0.3 %未満ではその効果が小
さく、2.0 %を越えて含有すると、鋳造時に粗大な化合
物が生成し、圧延加工性が害される結果、健全な板材が
得難い。Mnのさらに好ましい含有量は0.8 〜1.6 %の
範囲である。
【0019】Feは、Mnと共存して芯材の強度をさら
に向上させる。Feの好ましい含有量は0.06〜0.8 %の
範囲であり、0.06%未満ではその効果が小さく、0.8 %
を越えると、結晶粒が細かくなって、溶融ろうが芯材中
に侵食し易くなり、耐高温座屈性が低下し、自己腐食性
も増加する。Feのさらに好ましい含有範囲は0.1 〜〜
0.6 %である。
【0020】Znは、芯材の自然電位を卑にして犠牲陽
極効果を高める効果を有する。好ましい含有量を0.3 〜
5.0 %であり、0.3 %以下ではその効果が十分でなく、
5.0%を越えると自己腐食性が増加する。Znのさらに
好ましい含有量は1.0 〜4.0%の範囲である。
【0021】In、Sn、Gaは、自然電位を卑にして
犠牲陽極効果を高めるよう機能する。好ましい含有量
は、それぞれ0.005 〜0.3 %に範囲であり、0.005 %未
満では効果が十分でなく、0.3 %を越えると自己腐食性
が増加する。In、Sn、Gaのさらに好ましい含有範
囲は0.005 〜0.1 %である。
【0022】Cr、Zrは、芯材の耐高温座屈性を向上
させる。好ましい含有量は、それぞれ0.05〜0.3 %の範
囲であり、0.05%未満ではその効果が小さく、0.3 %を
越えて含有すると、鋳造時に巨大な晶出物が生じるた
め、健全な材料の製造が困難となる。Cr、Zrのさら
に好ましい含有範囲は、0.05〜0.2 %である。
【0023】Mgは芯材の強度を向上させる。好ましい
含有量は0.06〜0.5 %の範囲であり、0.06%未満ではそ
の効果が小さく、0.5 %を越えると、融点が低下し、耐
高温座屈性が低下する。また、フッ化物系のフラックス
を使用するろう付けの場合には、ろう付け加熱時にMg
がフラックスと反応して、ろう付け性を著しく阻害す
る。Mgのさらに好ましい含有範囲は0.06〜0.3 %であ
る。
【0024】Cuは芯材の強度を向上させる。好ましい
含有量は0.01〜0.5 %の範囲であり、0.01%未満ではそ
の効果が小さく、0.5 %を越えると電位が貴となり、犠
牲陽極効果が低下する。Cuのさらに好ましい含有範囲
は0.05〜0.3 %である。
【0025】芯材中には、0.1 %以下のPb、Li、S
r、CaおよびNaが含有されていても本発明の効果が
損なわれることはない。また強度を向上させるために0.
3 %以下のV、Mo、Ni、鋳造組織の微細化のために
0.3 %以下のTi、0.01%以下のB、酸化防止のために
0.1 %以下のBeを添加することもできる。
【0026】本発明においては、ろう付け部において十
分なフィレットを形成するために、クラッドフィン材中
のろう材のSi濃度と芯材のSi濃度を混合した平均S
i濃度TSi(%)とクラッドフィン材の全体厚さt(m
m) との関係が、7.3×TSi−0.7×t-1−1.0
>0(但し、TSi:1.1〜2.7 %、t:0.04〜0.1mm)を満
たしていなければならない。平均Si濃度TSiが増加す
るとフィレットの面積が増加し、フィン材厚さtが減少
するとフィレット面積は急激に減少する。上記の関係式
が満たされない場合には、厚さが0.10mm未満のクラッド
フィン材において、フィンとチューブ( 流体通路構成部
材) との接合部に十分なフィレットが形成されず接合不
良が生じる。
【0027】TSiは、芯材とろう材からなるフィン材中
の全Si成分の平均濃度であり、TSi={Sb×2C+
Sc×(100−2C)}/100(但し、Sbはろう
材のSi濃度(重量%)で、Sb:5 〜15%、Scは芯
材のSi濃度(重量%)で、Sc:0.01〜1.6 %、Cは
片面クラッド率で、C:3 〜30%)の式により求められ
る。
【0028】厚さが0.1mm 未満のフィン材において、平
均Si濃度TSiの好ましい値は1.1〜2.7 %の範囲であ
り、1.1 %未満では、溶融ろうが不足して上記の関係式
が満たされず、フィレットが十分に形成されない。2.7
%を越えると、溶融ろうが過多となって、厚さ0.1mm 未
満のフィン材において芯材の溶解、侵食が生じ易くな
る。TSiのさらに好ましい範囲は1.3 〜2.5 %である。
【0029】ろう材のクラッド率が増加すると、ろうの
流動量が増加する。本発明においては、フィン材の全体
厚さを0.04mm以上0.1mm 未満に規定し、クラッド率を片
面で平均3 〜30%とする。厚さが0.04mm未満では、フィ
ン材自体の強度が不足し、ろう付け加熱時の変形が大き
くなり座屈が生じる。片面の平均クラッド率が3 %未満
では、芯材に対するろう材の量が少な過ぎて、均一なク
ラッド率を得ることが難しく、クラッドフィン材の製造
が困難となる。30%を越える平均クラッド率では、ろう
の溶融量が多過ぎて、芯材が溶解、侵食され易くなる。
平均クラッド率のさらに好ましい範囲は5 〜20%であ
る。本発明における平均Si濃度などに関する前記の限
定は、厚さが0.04mm以上0.1mm 未満のクラッドフィン材
に所期の性能を与えるためになされるものであり、クラ
ッドフィン材の厚さが0.1mm 以上の場合には、TSiを適
正範囲に制御しなくともろう付けが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明のアルミニウム合金クラッ
ドフィン材は、芯材を構成するアルミニウム合金の鋳塊
に、ろう材を構成するアルミニウム合金材をクラッド
し、均質化処理を行う。焼鈍温度を低くし再結晶させな
いようにして、H1n調質のクラッドフィン材とする場
合には、ろう付け時、再結晶粒が微細となり耐高温座屈
性が低下し易いので、これを防止するために、製造工程
において、合金マトリックス中に微細なMn系化合物を
十分に析出させるのが望ましく、400 〜560 ℃の温度域
で均質化処理を行う。温度が400 ℃未満ではフィン材に
Al−Mn、Al−Mn−SiなどのMn系化合物が析
出が十分でなく、560 ℃を越えるとMn系化合物が粗大
となり、ろう付け後の強度が低下し、ろう付け時の再結
晶粒も微細になり易い。さらに好ましい均質化処理温度
は500 〜560 ℃である。
【0031】ついで、常法に従って熱間でクラッド圧延
を行う。熱間圧延前の加熱温度が400 ℃未満の場合に
は、圧延時に耳割れが生じ易く、560 ℃を越える温度に
加熱すると、ろう材が溶融したり、ろう材中のSiが粗
大に成長し易い。均質化処理加熱が熱間圧延前の加熱を
兼ね得ることは当然である。熱間圧延終了時の温度が30
0 ℃以上ではMn系化合物の析出が多くなり、焼鈍時に
おける微細なMn系化合物の析出量が減少するので、圧
延終了温度は300 ℃未満とするのが好ましい。
【0032】熱間圧延後、焼鈍前の冷間圧延は、圧延加
工により芯材中に導入される転位を均一に分布させ、そ
の後の焼鈍工程でAl−Mn−Si系化合物を転位の上
に微細、均一に析出させ、ろう付け後の強度を高めるた
めに行う。好ましい圧延率は80%以上であり、80%未満
の圧延率では上記の微細化合物の析出が不均一となり、
ろう付け後の強度が低くなり易い。
【0033】中間焼鈍は、180 ℃以上370 ℃未満、さら
に好ましくは180 〜240 ℃で行う。通常より低い温度で
焼鈍処理することにより、冷間圧延で導入された転位の
上にAl−Mn−Si系の微細な化合物(円相当径:0.1
μm 以下) を析出させる。焼鈍温度が180 ℃未満では、
微細化合物の析出が十分でなく、370 ℃を越える温度で
焼鈍を行うと、析出物が粗大化し、ろう付け後の強度が
低下する。なお、中間焼鈍は必要に応じて2回以上行っ
てもよく、この場合は、少なくとも最終冷間圧延間前の
焼鈍を上記の限定条件に従って行えばよい。
【0034】最終冷間圧延は、ろう付け加熱時にフィン
材が再結晶して、溶融ろうが芯材中に拡散しないよう
に、耐高温座屈性を高めたH1n調質材を得るために行
う。好ましい圧延率は5 〜70%であり、5 %未満の圧延
率ではH1n材としての強度が低くなり、圧延率が70%
を越えると、ろう付け時、再結晶粒が微細となり耐高温
座屈性が低下する。さらに好ましい最終冷間圧延率は10
〜60%である。
【0035】上記の製造工程により得られた本発明のア
ルミニウム合金クラッドフィン材を、自動車用のラジエ
ータ、ヒータコア、カーエアコンのコンデンサ、エバポ
レータなどのアルミニウム製熱交換器の組立てに使用す
る場合には、当該クラッドフィンを流体通路構成部材と
なるアルミニウム合金の押出偏平多孔管と組合わせ、ろ
け炉中において、通常のフラックスろう付け、フッ化物
系フラックスを用いる不活性ガス雰囲気ろう付け、ある
いは真空ろう付けを行う。
【0036】
【実施例】以下、実施例により、本発明を比較例と対比
して説明する。 実施例1 芯材およびろう材用アルミニウム合金を、溶解、鋳造
し、均質化処理を行った後、ろう材鋳塊を熱間圧延し、
得られたろう材板を芯材の鋳塊の両面にクラッド溶接し
た。得られたクラッド鋳塊について、熱間圧延、中間冷
間圧延を行い、中間焼鈍を施した後、最終冷間圧延を行
い、最終厚さ0.037 〜0.097mm のクラッドフィン材(H
14調質材)とした。
【0037】なお、芯材用アルミニウム合金の鋳塊均質
化処理温度は400 ℃、500 ℃および560 ℃とした。それ
ぞれの場合について、芯材およびろう材の組成を表1、
表3および表5に、中間冷間圧延の圧延率、中間焼鈍温
度、最終冷間圧延の圧延率、フィン材の板厚、片側平均
クラッド率、平均Si濃度TSi、関係式A(7.3×T
Si−0.7×t-1−1.0)の値を表2、表4および表
6に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】得られたクラッドフィン材を、幅20mm、長
さ300mm の短冊状に切断し、コルゲート加工を施して、
JIS A1050 の押出偏平多孔管と組合わせてミニコア( 熱
交換器コアのミニチュアモデル) 形状に組付け、ミニコ
アにフッ化物系フラックス(水で濃度3 %に希釈したも
の)を吹き付けて乾燥させたのち、窒素ガス雰囲気炉内
で600 ℃の温度に3 分間加熱し、ろう付け接合を行っ
た。
【0045】ろう付け後のミニコアの断面を観察し、フ
ィン・チューブ間の接合部のフィレット形成の有無、芯
材の溶融、侵食による座屈の有無を調査して、ろう付け
性を評価した。また短冊状に切断したクラッドフィン材
(寸法:50×300mm)をコルゲート加工することなく、上
記のろう付け炉内に吊り下げて同じ条件で加熱したの
ち、JIS5号試験片に成形し、引張試験を行って、ろ
う付け加熱後の強度を評価した。さらに、ろう付け後の
ミニコアについて、2週間のCASS試験(JIS D 0201)を行
い、フィンおよび管の腐食状況を調査した。
【0046】その結果、本発明に従う試験材No.1〜21は
いずれも、フィンと管との接触部に十分にろうが流動し
てフィレットが形成され、芯材の溶融、侵食による座屈
もなく、製造時の加工性も良好で圧延割れなどを生じる
ことがなかった。また、ろう付け加熱後140MPa以上の優
れた強度を有していた。腐食試験においても貫通孔を生
じることがなく良好な耐食性を示した。ろう付け加熱後
の引張性能を表7に示す。
【0047】
【表7】
【0048】実施例2 実施例1と同様の工程でクラッドフィン材を製造した。
芯材およびろう材の組成を表8に、芯材の均質化処理温
度、中間冷間圧延の圧延率、中間焼鈍温度、最終冷間圧
延の圧延率、クラッドフィン材の厚さ、片面平均クラッ
ド率、平均Si濃度TSi、Aの値を表9に示す。得られ
たクラッドフィン材について、実施例1と同一の条件に
従って、ろう付け性を評価し、引張試験、腐食試験を行
った。なお、ろう付けは、真空炉内で600 ℃×3 分間加
熱することにより行った。その結果、いずれの試験材
も、ろうの流動によりろう付け部に十分なフィレットが
形成され、芯材の溶融、芯材への溶融ろうの侵食による
座屈もなく、製造性も良好で、腐食試験においても管に
貫通孔を生じることがなく、フィン材の耐食性も良好で
あった。また、ろう付け後の引張強度は、いずれも140M
Pa以上の優れたものであった。ろう付け後の引張強度を
表10に示す。
【0049】
【表8】
【0050】
【表9】
【0051】
【表10】
【0052】比較例1 実施例1と同様の工程に従い、均質化処理温度を500
℃、中間冷間圧延の圧延率を95%、中間焼鈍温度を210
℃( 試験材No.47 のみは240 ℃) 、最終冷間圧延の圧延
率を30%としてアルミニウム合金のクラッドフィン材を
作製した。作製したクラッドフィン材の芯材およびろう
材の組成を表11に示す。また、クラッドフィン材の厚
さ、片面の平均クラッド率、平均Si濃度TSi、Aの値
を表12に示す。得られたクラッドフィン材について、
実施例1と同様の方法でミニコアを作製して、実施例1
と同じ条件でろう付け接合を行い、ろう付け性を評価し
た。また、実施例1と同様に引張強度を測定し、CASS試
験を行った。結果を表13に示す。表13において、製
造時の加工性がわるく製造困難なものは×、CASS試験で
管に貫通孔が生じたものは×管、フィンの腐食、消耗が
激しいものは×フィンとした。また、表11および表1
2において、本発明の条件を外れたものには下線を付し
た。
【0053】
【表11】
【0054】
【表12】 《表注》*は目標値
【0055】
【表13】
【0056】表13にみられるように、試験材No.28
は、フィン材の厚さが0.04mm未満であり関係式Aの値が
0未満となるため、フィレットが形成されず座屈が生じ
た。試験材No.29 はフィン材の厚さが0.04mm未満で平均
Si濃度が高過ぎるため、溶融ろうの侵食が生じフィン
が座屈した。試験材No.30 はろう材のクラッド率が高く
平均Si濃度が高過ぎるため、溶融ろうの侵食によりフ
ィンが座屈した。試験材No.31 はろう材のクラッド率が
低過ぎるため、圧延工程で表面割れが生じ、フィン材の
製造が困難であった。
【0057】試験材No.32 は、ろう材中のSi濃度が低
く、ろう付け時に流動するろう材が少ないために、フィ
レットの形成が認められなかった。試験材No.33 は、ろ
う材のSi量が多いため硬度が高くなり、熱間圧延工程
でろう材と芯材とがクラッドできなかった。試験材No.3
4 は芯材のSi量が多いため、ろうの溶融、侵食が激し
く、座屈が生じた。試験材No.35 は平均Si濃度が低
く、関係式Aの値が0未満となるため、フィレットが形
成されなかった。試験材No.36 は平均Si濃度が高いた
め、溶融ろうの侵食が生じフィンが座屈した。
【0058】試験材No.37 は、芯材中のMn量が多過ぎ
るため圧延時に割れが生じ、最終厚さまで圧延ができな
かった。試験材No.38 は芯材中のFe含有量が少なく強
度が十分でない。くわえて芯材のIn量が高すぎるた
め、フィンの腐食、消耗が著しかった。試験材No.39 は
芯材中のFe量が高過ぎるため、芯材の結晶粒が細かく
なり、溶融ろうの侵食により座屈が生じた。試験材No.4
0 は芯材のZn含有量が少ないため、犠牲陽極効果が小
さく腐食試験において管に貫通孔が生じた。試験材No.4
1 は芯材のZn量が多いため、自己腐食が激しくなりフ
ィンの腐食、消耗が著しかった。試験材No.42 は芯材の
Mn量が低いため、ろう付け加熱後の強度が不足してい
ることに加え、ろう材Zn量が多いため、フィンの腐
食、消耗が著しかった。
【0059】試験材No.43 は芯材中のCu量が高いた
め、フィンの電位が管の電位より貴となり、腐食試験に
おいて管に貫通孔が生じた。試験材No.44 は芯材中のM
gの含有量が高過ぎるため融点が低下し、耐高温座屈性
が劣っている。試験材No.45 は芯材中のCr量が多過
ぎ、試験材No.46 は芯材中のZr量が多いため、鋳造時
の粗大晶出物の生成に起因して圧延工程で割れが生じ、
最終厚さまで圧延することができなかった。試験材No.4
7 は芯材中のSn含有量が高いため、フィンの自己腐食
が激しかった。
【0060】比較例2 芯材およびろう材用アルミニウム合金を溶解、鋳造し、
得られた鋳塊を均質化処理した後、ろう材鋳塊を熱間圧
延し、芯材の鋳塊の両面にクラッド溶接した。ついで、
クラッド鋳塊を熱間圧延、中間冷間圧延、中間焼鈍し、
最終冷間圧延を行って、H14調質のクラッドフィン材
を得た。芯材およびろう材の組成を表14に、芯材の均
質化処理温度、中間冷間圧延の圧延率、中間焼鈍温度、
最終冷間圧延の圧延率、フィン材の厚さ、片面平均クラ
ッド率、平均Si濃度TSi、関係式Aの値を表15に示
す。なお、表15において、本発明の条件を外れたもの
には下線を付した。
【0061】
【表14】
【0062】
【表15】
【0063】得られたクラッドフィン材について、実施
例1と同様に、ろう付け性を評価し、引張試験および腐
食試験を行った。結果を表16に示す。表16にみられ
るように、試験材No.48 、No.49 、No.50 は、芯材の均
質化処理温度が高いため、ろう付け後の強度が低い。試
験材No.51 は均質化処理温度が低いため、ろう付け加熱
により微細結晶粒が生じ、溶融ろうの侵食によりフィン
が座屈した。試験材No.52 、No.53 、No.54 は、中間焼
鈍処理温度が高いため、析出物が成長し、ろう付け後の
強度が低くなった。試験材No.55 は中間焼鈍の温度が低
いため、微細な化合物の析出が不十分で微細な結晶粒と
なり、フィンに座屈が生じた。試験材No.56 は最終冷間
圧延の圧延率が高いため、また試験材No.57 は中間冷間
圧延の圧延率が低く、最終冷間圧延の圧延率が高いた
め、ろう付け後の結晶粒が微細となり、溶融ろうの侵食
によりフィンが座屈した。
【0064】
【表16】 《表注》CASS試験の結果はいずれも良好であり、製造時
の加工性も良好であった。
【0065】比較例3 芯材およびろう材用アルミニウム合金を溶解、鋳造し、
得られた鋳塊を均質化処理(芯材の鋳塊の均質化処理温
度は500 ℃) した後、ろう材鋳塊を熱間圧延して、芯材
の鋳塊の両面にクラッド溶接し、クラッド鋳塊につい
て、熱間圧延、圧延率95%の中間冷間圧延、210 ℃の温
度で中間焼鈍処理、圧延率30%の最終冷間圧延を行い、
H14調質のクラッドフィン材を得た。これらのクラッ
ドフィン材の芯材およびろう材の組成を表17に、厚
さ、片面平均クラッド率、平均Si濃度TSi、関係式A
の値を表18に示す。また、得られたクラッドフィン材
について、実施例1と同様にろう付け性を評価し、引張
試験および腐食試験を行った。なお、ろう付けは、実施
例2と同様、真空ろう付けにより行った。結果を表19
に示す。表17において、本発明の条件を外れたものに
は下線を付した。
【0066】
【表17】
【0067】
【表18】
【0068】
【表19】 《表注》CASS試験 ○: フィン材の犠牲陽極効果が良好で管に貫通孔無し 製造時の加工性 ○: 製造が容易 ×: 製造が困難
【0069】表19に示すように、試験材No.58 は芯材
のMg含有量が多いため、芯材の溶融、侵食によりフィ
ンが座屈した、試験材No.59 は、ろう材のMg量が低い
ため、フィレットが形成されなかった。試験材No.60
は、ろう材のMg量が高過ぎるため、ろう材の融点が低
くなり、ろうの侵食によりフィンが座屈した。試験材N
o.61 はろう材のBi量が多いため、圧延時に割れが生
じ最終厚さまで圧延ができなかった。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、クラッドフィン材を0.
1mm 未満の厚さに薄肉化した場合にも、ろうの流動不
足、溶融ろうの侵食によるフィンの座屈が防止され、低
温でのろう付けが可能で、ろう付け後の強度および犠牲
陽極効果に優れたアルミニウム合金クラッドフィン材が
提供される。当該アルミニウム合金クラッドフィン材
は、とくに、ラジエータ、ヒータコア、オイルクーラ、
インタークーラ、カーエアコンのコンデンサ、エバポレ
ータなど自動車用のアルミニウム製熱交換器のフィン材
として好適に使用されることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22F 1/00 627 C22F 1/00 627 630 630M 651 651A 686 686B 691 691B 694 694A 1/04 1/04 Z (56)参考文献 特開 平9−31614(JP,A) 特開 平9−47893(JP,A) 特開 平8−103883(JP,A) 特開 昭60−211055(JP,A) 特開 平5−305306(JP,A) 特開 平3−37992(JP,A) 特開 平10−17968(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 35/22 C22C 21/00 - 21/18 C22F 1/04 - 1/057

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯材の両面にAl−Si系合金のろう材
    をクラッドしてなるアルミニウム合金クラッドフィン材
    において、ろう材が、Si:5〜15%(重量%、以下
    同じ)を含有し、残部Alおよび不可避的不純物からな
    るアルミニウム合金で構成され、芯材は、Si:0.0
    1〜1.6%、Mn:0.4〜2.0%、Fe:0.0
    6〜0.8%を含み、Zn:0.3〜5.0%、In:
    0.005〜0.3%、Sn:0.005〜0.3%、
    Ga:0.005〜0.3%のうちの1種または2種以
    上を含有し、残部Alおよび不可避的不純物からなるア
    ルミニウム合金で構成され、クラッドフィン材の厚さt
    が0.04mm以上0.1mm未満、クラッドフィン材
    中の平均Si濃度TSi(%)とt(mm)との関係が、
    7.3×TSi−0.7×t-1−1.0>0(但し、
    Si:1.1〜2.7)を満たし、ろう材のクラッド率
    が片面で平均3〜30%であり、該クラッドフィン材を
    幅20mm、長さ300mmに切断してコルゲート加工
    を施し、JISA1050の押出偏平多孔管と組合わせ
    て熱交換器コアのミニチュアモデル形状に組付け、60
    0℃の温度で3分間加熱して、ろう付け接合した場合、
    クラッドフィン材と押出偏平多孔管との接合部にフィレ
    ットが形成され、ろう付け接合されたクラッドフィンに
    座屈が生じていないことを特徴とするアルミニウム合金
    クラッドフィン材。
  2. 【請求項2】 芯材を構成するアルミニウム合金が、さ
    らにCr:0.06〜0.3%、Zr:0.06〜0.
    3%のうちの1種または2種を含有することを特徴とす
    る請求項1記載のアルミニウム合金クラッドフィン材。
  3. 【請求項3】 芯材を構成するアルミニウム合金が、さ
    らにMg:0.05〜0.5%、Cu:0.01〜0.
    5%のうちの1種または2種を含有することを特徴とす
    る請求項1または2記載のアルミニウム合金クラッドフ
    ィン材。
  4. 【請求項4】 ろう材を構成するアルミニウム合金が、
    さらにZn:0.3〜5.0%を含有することを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム合金
    クラッドフィン材。
  5. 【請求項5】 ろう材を構成するアルミニウム合金が、
    さらにMg:0.3〜2.0%、Bi:0.01〜0.
    4%のうちの1種または2種を含有することを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウム合金ク
    ラッドフィン材。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれかに記載の組成を
    有する芯材を構成するアルミニウム合金の鋳塊に、請求
    項1、4〜5のいずれかに記載の組成を有するろう材を
    構成するアルミニウム合金材をクラッドし、400〜5
    60℃の温度で均質化処理したのち、熱間でクラッド圧
    延し、さらに圧延率80%以上の冷間圧延を行い、18
    0℃以上370℃未満の温度で中間焼鈍したのち、圧延
    率5〜70%の最終冷間圧延を行うことを特徴とする請
    求項1記載のアルミニウム合金クラッドフィン材の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 芯材を構成するアルミニウム合金鋳塊を
    400〜560℃の温度で均質化処理したのち、ろう材
    を構成するアルミニウム合金材を組合わせ、熱間でクラ
    ッド圧延することを特徴とする請求項6記載のアルミニ
    ウム合金クラッドフィン材の製造方法。
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