JP3085889B2 - エネルギー補給用ゼリーの製造法 - Google Patents

エネルギー補給用ゼリーの製造法

Info

Publication number
JP3085889B2
JP3085889B2 JP07243000A JP24300095A JP3085889B2 JP 3085889 B2 JP3085889 B2 JP 3085889B2 JP 07243000 A JP07243000 A JP 07243000A JP 24300095 A JP24300095 A JP 24300095A JP 3085889 B2 JP3085889 B2 JP 3085889B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
jelly
gelling agent
saccharide
carbohydrate
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP07243000A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0984532A (ja
Inventor
章一 伊藤
紫帆 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
House Foods Corp
Original Assignee
House Foods Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by House Foods Corp filed Critical House Foods Corp
Priority to JP07243000A priority Critical patent/JP3085889B2/ja
Publication of JPH0984532A publication Critical patent/JPH0984532A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3085889B2 publication Critical patent/JP3085889B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生菓子タイプのゼ
リー、特に糖質を多く含み高カロリーで、舌触り、口ど
けにおいて食感に優れ、甘味がやわらかに感じられて食
べやすい、エネルギー補給用ゼリーの製造法に関する。
特に上記ゼリーは、腎臓病患者や術後患者等のエネルギ
ー補給を必要とする人に最適なものである。
【0002】
【従来の技術】昨今、病気を治療するための食事療法が
医療界で注目されており、各種の医療食が開発されてい
る。これらの医療食では、必要な栄養成分が補強される
共に、患者が食べやすい食事として提供されることが重
要である。腎臓病食では、タンパク質、食塩を制限する
一方、エネルギーを確保するために糖質や脂質を十分補
強する必要がある。このような要請から、腎臓病食とし
て、低タンパク質、低塩で高カロリーの食品が種々開発
されており、特に食べやすいデザートとしてカロリー
(糖質)を補強できる生菓子タイプの高カロリーゼリー
が開発されている。
【0003】健常人向けの一般のゼリーは、ブリックス
が20%以下となる程度の量しか糖質を含んでおらず、
0.7Kcal/g以下程度のカロリーしかない。一
方、腎臓病患者が必要とする一日当たりのカロリー摂取
量を補給するためには、ゼリーに含まれるカロリー量を
できるだけ多くする必要がある。通常、生菓子タイプの
ゼリーを製造する場合には、ゲル化剤及び糖質を水に加
熱溶解し、これを冷却固化して製造され、これにより求
めるゼリーを簡便に製造することができる。糖質の量が
少ない健常人向けのゼリーの場合、上記の方法によっ
て、舌触り、口どけといった食感においても、甘味等の
味覚においても、満足な品質のゼリーを製造することが
できる。しかしながら、同様の方法で前記腎臓病食等と
しての糖質を多量に含む高カロリーゼリーを製造した場
合は、以下なる問題が生起する。
【0004】即ち、本発明者等は、糖質として高カロリ
ーでかつ低甘味性の還元糖等を用い、これとゲル化剤と
を水に加熱溶解して、常法により高カロリーゼリーを製
造してみた。その結果、得られたゼリーは、ジャムに似
たザラ付いた舌触り、口どけのものとなり食感がわる
く、スプーンを入れた後の断面もザラザラしたものとな
って外観もわるく、また甘味が強すぎて非常に食べにく
いものであった。また、上記の問題は、使用するゲル化
剤に関係なく発生した。つまり、以上の問題の解決が、
高カロリーゼリーを製造する場合に特有の課題であるこ
とを知見したのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の高カ
ロリーゼリーを製造する場合に特有の問題を解決して、
舌触り、口どけにおいて食感に優れ、甘味がやわらかに
感じられて食べやすい高カロリーのエネルギー補給用ゼ
リーの製造法を提供することを目的とする。
【0006】本発明らは、上記の目的を達成すべく研究
を重ねた結果、従来法のようにゲル化剤及び糖質を水に
加熱溶解するのではなく、予めゲル化剤のみ水に加熱溶
解し、これに別途糖質を加えるか、あるいはゲル化剤を
糖質の量が少ない状態で水に加熱溶解し、これに残りの
糖類を加えることによって、前記の問題が明確に解消さ
れ、食感、味覚等の品質が極めて優れた高カロリーゼリ
ーを製造することができることを見出した。また、特定
のゲル化剤あるいは糖質を用いることによって、上記効
能が更に好適に達成されることを見出した。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような知
見に基づいて達成されたもので、ブリックスが35%以
上となる量の糖質を含む高カロリーのエネルギー補給用
ゼリーの製造法であって、該糖質を含まない状態でゲル
化剤を加温水和してゲル化剤溶液を調製し、別途該溶液
に該糖質及び必要に応じて他の原料を加えて、冷却固化
することを特徴とする上記ゼリーの製造法、を第1の態
様とする。また、ブリックスが35%以上となる量の糖
質を含む高カロリーのエネルギー補給用ゼリーの製造法
であって、該糖質をブリックスが30%以下となる量含
む状態でゲル化剤を加温水和してゲル化剤溶液を調製
し、別途該溶液に残りの糖質及び必要に応じて他の原料
を加えて、冷却固化することを特徴とする上記ゼリーの
製造法、を第2の態様とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳細に
説明する。先ず、本発明で求めるエネルギー補給用ゼリ
ーは、ブリックスが35%以上となる量の糖質を含む高
カロリーのゼリーである。つまり、上記の量糖質を含む
ゼリーを通常のサイズで腎臓病患者等に提供すれば、カ
ロリーをある程度補給することができ、腎臓病食等とし
て有用である。上記の場合に、ブリックスを40%以上
とすれば、更にカロリーを補強できるので好ましい。一
方、味覚の面でブリックスは60%以下に抑えるのがよ
い。尚、ここでブリックスとは、次の方法により測定さ
れた値をいう。即ち、ブリックスとは、20°Cにおけ
る屈折率を測定し、純蔗糖溶液(サッカロース)の重量
/重量パーセントに換算(国際砂糖分析法標準化委員会
の換算表を使用)した値をいう。
【0009】次に本発明で用いる原料について説明す
る。ゲル化剤としては、特に制限はなく、カラギーナ
ン、ローカストビーンガム、アラビアガム等の各種天然
ガム質、キサンタンガム、ペクチン、寒天、ゼラチン、
澱粉、たんぱく質等を単独、あるいは適宜組み合せて使
用することができる。カラギーナン、もしくはこれとロ
ーカストビーンガムとを組み合せたもの、もしくはカラ
ギーナンと塩化カリウムとを組み合せたもの、もしくは
カラギーナンとローカストビーンガムと塩化カリウムと
を組み合せたもののいずれかを使用することが好まし
い。上記のゲル化剤によれば、舌触り、口どけが更に滑
らかで、甘味がやわらかで清涼感に優れ、組織が滑らか
で外観もよく(スプーンを入れた後の断面も含む)、透
明感のある(透明ゼリーの場合)高カロリーゼリーを得
ることができる。
【0010】ゲル化剤の使用量は、ゲル化剤の種類に関
係なく、製品であるゼリーの重量に対して、乾燥重量と
して0.2〜1.5重量%(以下単に%という)、更に
好ましくは0.5〜0.9%使用するのがよい。0.2
%に満たないとゼリーのゲル強度が弱くなり、反対に
1.5%を超えるとゲル強度が強くなりやすい。したが
って、前記の範囲の使用量によって、好適な強度で、こ
れにより優れた食感、外観等を有するゼリーを製造する
ことができる。尚、前記の好適なものとして挙げたゲル
化剤を上記の量使用すれば、更に品質のよいゼリーが得
られる。
【0011】糖質としては、何れの糖質を使用してもよ
いが、特に還元糖等の低甘味性の糖質が好ましく、その
場合、砂糖と比べた場合の甘味が1/2以下程度、更に
好ましくは1/4以下程度の糖質が好ましく、マルトー
ス、直鎖オリゴ糖、還元分岐オリゴ糖、マルトデキスト
リン、酵素糖化水あめ等を単独あるいは適宜組み合せて
使用することが更に好ましい。上記の糖質によって、甘
味がやわらかに感じられて、しかも高カロリーのゼリー
が得られ、本発明の効能が最大限発揮される。
【0012】糖質の使用量は、求めるゼリーの糖度(ブ
リックス)に応じた量とすればよく、他の原料に糖質が
含まれるのであれば、その量も勘案した量とすればよい
ことは言うまでもない。具体的には、前記例示の糖質
(砂糖と比べた場合の甘味が1/2以下程度のもの)を
用いる場合は、乾燥重量として25〜60%程度使用す
ることで、概ねゼリーに好ましいブリックスを達成する
ことができる。
【0013】ゲル化剤及び糖質の他の原料としては、乳
製品、果実野菜、その液汁、ビタミン等の他の栄養成
分、酸味料、香料等を制限なく使用できる。
【0014】次に、これらの原料を使用してゼリーを製
造する方法について説明する。本発明では、糖質を含ま
ない状態でゲル化剤を加温水和してゲル化剤溶液を調製
するか(第1の態様)、ブリックスが30%以下となる
ように糖質の量を抑えた状態でゲル化剤を加温水和して
ゲル化剤溶液を調製すること(第2の態様)が重要であ
る。前述のように、所望のエネルギー補給用ゼリーを製
造する場合に、ゲル化剤及び多量の糖質を一緒に加温水
和してゼリー基材溶液を調製し、これを固化する場合
は、食感、味覚等の面で不良なゼリーとなるが、これに
代えて上記の構成を採用することにより、舌触り、口ど
けが滑らかで、甘味がやわらかに感じられ、組織が滑ら
かで外観も優れた高カロリーのゼリーを得ることができ
るのである。第2の態様において、加温水和時のブリッ
クスが30%を超える場合は、上記の効果が十分達成さ
れず、ゼリーの食感、味覚等が損なわれやすい。尚、本
発明によって、上記食感、味覚等の改善効果が達成され
るメカニズムは定かではないが、ゲル化剤及び多量の糖
質を一括して加温水和する場合は、水和性の高い糖質の
水和が優先し、ゲル化剤の水和がこれに遅れて二次的に
行われる結果、これを固化して得られるゼリーの物性が
損なわれるのに対して、予めゲル化剤を水和させ、これ
に多量の糖質を加えた場合には、両者の水和が極限まで
達成されるためではないかと考えられる。
【0015】ゲル化剤を加温水和する場合の条件は、上
記水和が達成される限り制限はないが、使用するゲル化
剤の溶解温度以上とし、前記好適に例示したカラギーナ
ン等を使用する場合は、約70°C以上、例えば約70
〜80°Cで0(達温)〜10分間程度とするのが、ゲ
ル化剤の溶解性を高め、ゼリーのゲル化を好適に達成す
る上で好ましい。水和の際使用する水の量は特に制限さ
れない。尚、前記本発明における各態様の条件を満たす
限り、ゲル化剤を分けて加温水和してもよく、他の原料
を加えた状態で水和させてもよい。加温水和は適宜撹拌
条件下で行い得る。ゲル化剤は乾燥粉末(各種製剤を含
む)、あるいは一旦液化したもの等何れの態様で用いて
もよい。
【0016】続いて、以上のように調製されたゲル化剤
溶液に、糖質(第2の態様ではゲル化剤溶液に含まれた
もの以外の糖質)及び必要に応じて他の原料を加えて、
冷却固化することによって、求めるゼリーを製造する。
【0017】ゲル化剤溶液に添加する糖質及び他の原料
は、乾燥粉末あるいは液化したもの等の何れでもよい
が、糖質については、溶解が容易であり、また味覚の優
れたゼリーを得るために、液化したもの(シロップ)を
用いることが望ましい。また、予め糖質及び他の原料を
加温水和したものをゲル化剤溶液に加えることもでき、
この場合糖質は約50〜80°Cで0(達温)〜10分
間程度加温水和するのがよく、これらによって、十分水
和した糖質をゲル化剤溶液に加えて、均質な基材を得、
更に食感及び味覚に優れたゼリーを製造することができ
る。
【0018】粉末状の糖質等を用いる場合は、ゲル化剤
を加温水和してゲル化剤溶液を得た後、これに上記の原
料を加えて更に加熱を続けて水和させればよい。これら
の各処理を適宜撹拌条件下で行い得ることは言うまでも
ない。各原料の溶解混合を効率的に行うために、ゲル化
剤溶液の調製から糖質等の添加までの工程を、可吸的に
加熱を連続して行うことができる。
【0019】以上のように調製されたゼリー基材を、ゲ
ル化剤の固化温度にまで冷却してゼリーを製造する。固
化温度は例えば25〜50°Cで、ゼリー基材を適当な
容器に入れて固化すればよい。こうして得られるゼリー
を通常の一食分で提供すれば、腎臓病患者等が1日に必
要とするカロリーのある程度を補給することができる。
基材のpHを、酸味料等によって3.6〜4.6程度に
調整すれば、より安定にゲル化したゼリーを製造するこ
とができるので好ましい。また、上記のゼリーに熱水殺
菌等の適宜殺菌処理を施せば常温流通が可能となる。
【0020】
【実施例1】カラギーナン粉末0.3重量部(以下単に
部という)及びローカストビーンガム粉末0.3部を水
50部に加え、約80°Cに達温させ加熱溶解してゲル
化剤溶液を得た。
【0021】上記の条件で加熱した直後のゲル化剤溶液
に、約60°Cで約1分間加熱したマルトデキストリン
のシロップ(ブリックス約75%)46部、果実フレー
バー液2.4部及び酸味料1部を加えてゼリー基材(p
H約3.8)を得、これを55°Cまで冷却した後、容
量60ccの容器に充填し、冷却してゼリーを得た。ゼ
リーはブリックス約45%、カロリー量約100Kca
lのもので、舌触り、口どけがよく、甘味がやわらかに
感じられて非常に食べやすく、また透明度の高い外観と
滑らかな組織を有し、スプーンを入れた後の断面も非常
に滑らかなものであった。
【実施例2】
【0022】カラギーナン粉末0.3部、ローカストビ
ーンガム粉末0.3部及び砂糖3.4部を水60部に加
え、約80°Cに達温させ加熱溶解してゲル化剤溶液
(ブリックス約10%)を得た。上記溶液に直鎖オリゴ
糖粉末33部を加え、更に約80°Cで約1分間加熱溶
解して、これに果実フレーバー液2部及び酸味料1部を
加えゼリー基材(pH約3.8)を得た。該基材より実
施例1と同様にしてゼリーを得た。ゼリーはブリックス
約45%、カロリー量約100Kcalのもので、実施
例1と同様に、食感、味覚及び外観の優れたものであっ
た。
【実施例3】
【0023】カラギーナン粉末0.3部、ローカストビ
ーンガム粉末0.3部及び水50部の代わりに寒天0.
4部及び水50.2部を使用する以外は、実施例1と同
様にしてゼリーを得た。ゼリーはブリックス約45%、
カロリー量約100Kcalのもので、実施例1とほぼ
同様の品質のものであった。
【0024】次に、本発明の効果を明らかにするため、
本発明者らが実施した比較実験の結果を表1に示す。表
1には、実施例1〜3の方法で得られた高カロリーゼリ
ーと、下記する各比較例の方法で得られたゼリーとの性
能の比較を示す。尚、性能は各々次の観点から評価し、
各性能が十分に達成されているものを「◎」、ほぼ達成
されているものを「○」、十分には達成されていないも
のを「△」、全く達成されていないものを「×」として
4段階で評価した。 食感 舌触り、口どけが滑らかで、ザラ付いた感じがしない。 味覚 甘味が滑らかに感じられ、過度に甘味が感じられない。 外観 組織が滑らかで、スプーンを入れた後の断面も滑らかで
ある。
【0025】
【比較例1】 [一般のゼリー]実施例1と同様のカラギーナン粉末及
びローカストビーンガム粉末と、砂糖11部、ブドウ果
汁10部及び酸味料0.4部を一括して水78部に加
え、約80°Cに達温させ加熱溶解してゼリー基材(ブ
リックス約20%)を得、以降実施例1と同様にしてゼ
リーを製造した。つまり、実施例1と同様の原料を一括
して加熱溶解し、健常者向けのものと同等量の糖質を含
むゼリー(カロリー量約50Kcal)を製造した。
【0026】
【比較例2】 [高カロリーゼリー:原料を一括して加熱溶解したも
の]実施例1と同様の原料(水、酸味料を除く)を、比
較例1と同様に、一括して水50部に加熱溶解し、これ
に酸味料1部を加え、冷却してゼリー(ブリックス約4
5%、カロリー量約100Kcal)を得た。
【0027】
【比較例3】 [高カロリーゼリー:原料を一括して加熱溶解したも
の]加熱溶解を約87°Cで約5分間行う以外は、比較
例2と同様にしてゼリー(ブリックス約45%、カロリ
ー量約100Kcal)を得た。
【0028】
【比較例4】 [高カロリーゼリー:糖質の大部分をゲル化剤と共に加
熱溶解したもの]直鎖オリゴ糖粉末33部をゲル化剤と
共に加熱溶解してゲル化剤溶液(ブリックス約40%)
を得る以外は、実施例2と同様にしてゼリー(ブリック
ス約45、カロリー量約100Kcal)を得た。
【0029】
【表1】 比較実験例
【0030】比較例1より明らかなように、一般向けの
低カロリーゼリー(ブリックス約20%)では、ゲル化
剤及び糖質を一括して加熱溶解した場合でも、求める食
感、味覚、外観のゼリーを得ることができる。一方、ブ
リックス約45%の高カロリーゼリーでは、ゲル化剤及
び糖質を一括して加熱溶解した場合に、明らかに食感、
味覚、外観が損なわれ(比較例2)、この問題が、高カ
ロリーゼリーの製造において、ゲル化剤及び糖質を一緒
に加熱溶解する場合に特有の問題であることがわかる。
また、加熱溶解の時間を延ばしても、上記の問題は解消
されず(比較例3)、糖質の大部分をゲル化剤と共に加
熱溶解した場合にも同様である(比較例4)。
【0031】これに対して、本発明の態様における、糖
質を含まない状態でゲル化剤を加温水和する場合(実施
例1及び実施例3)、あるいは糖質を特定量に抑えた状
態でゲル化剤を加温水和する場合(実施例2)には、前
記の問題が解消されて、明らかに食感、味覚、外観の優
れた高カロリーゼリーを得ることができる。更に、特定
のゲル化剤の使用により、上記品質がより優れた高カロ
リーゼリーを製造できる(実施例1及び実施例2)。
【0032】
【発明の効果】本発明の糖質を含まない状態あるいは糖
質を特定量に抑えた状態でゲル化剤を加温水和する態様
により、舌触り、口どけにおいて食感に優れ、甘味がや
わらかに感じられて食べやすく、外観においても優れ
た、高カロリーのエネルギー補給用ゼリーを製造するこ
とができる。更に、特定のゲル化剤、糖質の使用によ
り、上記品質がより優れた高カロリーゼリーを製造でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 13/02 A61P 13/02

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブリックスが35〜60%となるように25〜6
    0重量%の糖質を含む高カロリーのエネルギー補給用ゼリ
    ーの製造法であって、該糖質を含まない状態でゲル化剤
    を加温水和してゲル化剤溶液を調製し、別途該溶液に該
    糖質及び必要に応じて他の原料を加えて、冷却固化する
    ことにより、糖質の量が少ない健常人向けのゼリーと同
    様に食感に優れ、甘味がやわらかに感じられるゼリーを
    製造することを特徴とする上記ゼリーの製造法。
  2. 【請求項2】 ブリックスが35〜60%となるように25〜6
    0重量%の糖質を含む高カロリーのエネルギー補給用ゼリ
    ーの製造法であって、該糖質をブリックスが30%以下と
    なる量含む状態でゲル化剤を加温水和してゲル化剤溶液
    を調製し、別途該溶液に残りの糖質及び必要に応じて他
    の原料を加えて、冷却固化することにより、糖質の量が
    少ない健常人向けのゼリーと同様に食感に優れ、甘味が
    やわらかに感じられるゼリーを製造することを特徴とす
    る上記ゼリーの製造法。
  3. 【請求項3】 ゲル化剤が、カラギーナン、もしくはこ
    れとローカストビーンガムとを組み合せたもの、もしく
    はカラギーナンと塩化カリウムとを組み合せたもの、も
    しくはカラギーナンとローカストビーンガムと塩化カリ
    ウムとを組み合せたもののいずれかである請求項1又は
    請求項2記載の製造法。
  4. 【請求項4】 ゲル化剤の使用量が0.2〜1.5重量%であ
    る請求項3記載の製造法。
  5. 【請求項5】 ゲル化剤の加温水和を70°C以上で行う
    請求項3記載の製造法。
  6. 【請求項6】 糖質を50〜80°Cで加温水和してゲル化
    剤溶液に加える請求項1又は請求項2記載の製造法。
  7. 【請求項7】 糖質が、マルトース、直鎖オリゴ糖、還
    元分岐オリゴ糖、マルトデキストリン、酵素糖化水あめ
    からなる群から選ばれた1又はそれ以上である請求項1、
    請求項2又は請求項6記載の製造法。
  8. 【請求項8】 ゼリーのpHを3.6〜4.6とする請求項1又
    は請求項2記載の製造法。
JP07243000A 1995-09-21 1995-09-21 エネルギー補給用ゼリーの製造法 Expired - Lifetime JP3085889B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07243000A JP3085889B2 (ja) 1995-09-21 1995-09-21 エネルギー補給用ゼリーの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07243000A JP3085889B2 (ja) 1995-09-21 1995-09-21 エネルギー補給用ゼリーの製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0984532A JPH0984532A (ja) 1997-03-31
JP3085889B2 true JP3085889B2 (ja) 2000-09-11

Family

ID=17097403

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07243000A Expired - Lifetime JP3085889B2 (ja) 1995-09-21 1995-09-21 エネルギー補給用ゼリーの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3085889B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008073023A (ja) * 2006-09-25 2008-04-03 House Foods Corp エネルギー補給用ゼリーの製造方法

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3474827B2 (ja) * 2000-03-31 2003-12-08 雪印乳業株式会社 高栄養固形状食品
JPWO2005018341A1 (ja) * 2003-08-21 2006-11-02 優 原納 生活習慣病の検査用食品
JP4939279B2 (ja) * 2006-03-31 2012-05-23 森永製菓株式会社 酸性ゲル状食品及びその製造方法
JP5877605B2 (ja) * 2011-10-17 2016-03-08 ハウス食品グループ本社株式会社 エネルギー補給用ゲル状食品及びその製造方法
JP5927914B2 (ja) * 2012-01-10 2016-06-01 味の素株式会社 ゲル組成物
AU2013216671B2 (en) * 2012-05-07 2015-05-21 Premier Nutrition Corporation Puree compositions having specific carbohydrate ratios and methods for using same
JP6061263B2 (ja) * 2012-07-06 2017-01-18 ハウス食品グループ本社株式会社 ゲル状食品及びその製造方法
JP6946035B2 (ja) * 2017-03-31 2021-10-06 株式会社ブルボン 高糖質ゼリー飲料の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008073023A (ja) * 2006-09-25 2008-04-03 House Foods Corp エネルギー補給用ゼリーの製造方法
JP4583352B2 (ja) * 2006-09-25 2010-11-17 ハウス食品株式会社 エネルギー補給用ゼリーの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0984532A (ja) 1997-03-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6740350B2 (en) Confectionery compositions containing fiber
TWI323159B (ja)
US4900566A (en) Confectionary product and a process for producing the same
US4322407A (en) Electrolyte drink
US5688547A (en) Meal replacement composition and method of weight control
CN105379927B (zh) 一种含赤藓糖醇的低热量无糖硬糖及其制备方法
CN102871011B (zh) 一种代餐果冻粉及其制备方法
AU3665701A (en) Carbohydrate system and a method for providing nutriton to diabetic
US5876781A (en) Low fat peanut butter-like product being shelf stable at room temperatures and method for making the same
CA2379180C (en) Methods for suppressing appetite and enhancing exercise and recovery
CN101288442A (zh) 银耳果冻及其用途
EP1198182A1 (en) Isotonic juice drink for children
JP3085889B2 (ja) エネルギー補給用ゼリーの製造法
US5603979A (en) Low fat peanut butter-like product being shelf stable at room temperatures and method for making the same
JP3563330B2 (ja) 粒状食品入り酸性ゾル状食品及びその製造法
JP4583352B2 (ja) エネルギー補給用ゼリーの製造方法
JP4221094B2 (ja) 易嚥下補助組成物並びにそれを用いた食品用組成物及び医薬品用組成物
JP6061263B2 (ja) ゲル状食品及びその製造方法
JP2920434B2 (ja) カルシウム及び食物繊維含有飲食物とその製造方法
JP2000300212A (ja) 運動に伴って起こる酸化的代謝を持続させる方法およびスポ−ツ用飲食物
JP5877605B2 (ja) エネルギー補給用ゲル状食品及びその製造方法
JP2013208103A (ja) 常食風ゼリーインゼリー
JPH03277259A (ja) ゼリー入り飲料およびそのゼリーの製造方法
JP3061616B1 (ja) 低カロリ―調製ロ―ヤルゼリ―
CN109699801A (zh) 一种功能性糖醇果料及其制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080707

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080707

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090707

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090707

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100707

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100707

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110707

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120707

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120707

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130707

Year of fee payment: 13

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term