JP3085500B2 - 圧延機制御方法および装置 - Google Patents

圧延機制御方法および装置

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JP3085500B2
JP3085500B2 JP05249549A JP24954993A JP3085500B2 JP 3085500 B2 JP3085500 B2 JP 3085500B2 JP 05249549 A JP05249549 A JP 05249549A JP 24954993 A JP24954993 A JP 24954993A JP 3085500 B2 JP3085500 B2 JP 3085500B2
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俊之 柏木
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ヒョン チョル キム
ビョン チョ チェ
ホァ シク イ
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧延制御システムに係
り、特に制御モデルの適応修正に関する。
【0002】
【従来の技術】多変数制御理論によるDDC制御系の設
計は、正確な圧延モデルやそれに基づく制御モデルの作
成が難しく、モデルが狂うと1入力1出力の古典制御の
方がロバスト性がよくなるなどの問題があった。
【0003】このため、たとえば特開平1−13360
6号には、圧延機の実績値とセットアップ値の誤差デー
タからセットアップモデル(圧延モデル)を補正し、シ
ミュレーションによる検証後に、次コイルの制御に際し
てセットアップモデルを修正する方法が提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術には、近
似式である圧延モデルのパラメータ類が圧延状態によっ
て実情と相違し、所定の制御精度が得られなくなること
への考慮がない。したがって、トップスピードなど定常
状態で行われる次コイルの圧延動作の精度は改善できて
も、圧延速度の可減速時などの非定常運転状態はもちろ
んのこと、外的要因や内部パラメータの変化によって圧
延状態が急変するような異常状態での精度の低下は避け
がたい。
【0005】本発明の目的は、圧延中の制御モデルの適
応修正によって、特に加減速運転時や非定常状態などで
圧延精度を向上する圧延制御方法と装置を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧延モデルに
基づいて計算されるセットアップ値と所定周期で検出さ
れる圧延プロセス状態の実測値との偏差を求め、この偏
差値を所定の制御パラメータでフィードバック制御して
アクチュエータの操作指令を決定する圧延機の制御方法
において、前記実測値を基に逆セットアップ計算によっ
て前記圧延モデルの複数の圧延パラメータを同定し、同
定後の圧延モデルに基づいて前記セットアップ値を再計
算し、このセットアップ値によりフィードバック制御モ
デル(状態方程式)を修正して前記制御パラメータを変
更する。前記実測値は圧下位置、ロール速度、後方張
力、出側板厚及び圧延荷重を含み、また前記圧延パラメ
ータは圧延荷重の適応修正係数を含み、この適応修正係
数が前記圧延モデルによる圧延荷重の予測値と実測値を
基に回帰法によって求める。また、前記実測値である圧
下位置、ロール速度、後方張力及び出側板厚の全部また
は一部と対応するセットアップ値との偏差値を求め、こ
れら偏差値の自乗平均誤差等による評価値が予め定めた
閾い値を超えるとき、前記圧延プロセスが特定運転状態
にあると判定し、少なくとも前記特定運転状態にある期
間には、上記の逆セットアップ計算に始まって制御パラ
メータ変更に至る適応修正を実行することを特徴とす
る。さらに、圧延速度の加速時または減速時を前記特定
運転状態と判定するように前記評価値の閾い値を定め
る。
【0007】上記した本発明方法を実現する圧延機制御
装置は、圧延機の状態量や制御量の実績値を所定周期で
検出する検出装置と、圧延モデルを有してセットアップ
値を決定するセットアップ制御装置と、動作点の変更の
度に設定されるセットアップ値に対応する前記実績値の
偏差を無くすようにアクチュエータの操作指令を決定す
るDDC制御装置を備え、前記圧延モデルによる逆セッ
トアップ計算によって圧延荷重の適応修正係数などの圧
延パラメータを前記実測値に適応させる圧延パラメータ
計算手段と、前記圧延モデルによるセットアップ計算に
よって制御モデルの状態方程式を求める線形化手段と、
この状態方程式に基づいてDDC制御装置の制御パラメ
ータを変更する制御パラメータ計算手段を有する制御モ
デル適応修正装置と、圧延プロセスの所定状態を判定し
たときに前記制御モデル適応修正装置を実行する起動信
号を出力する起動装置と、を具備することを特徴とす
る。 また、前記所定周期毎に、前記実測値の全部または
一部について対応するセットアップ値との偏差値を求
め、これら偏差値に基づいて求められる評価値が予め定
めた閾い値を超えるとき前記所定状態と判定して前記起
動信号を出力するイベント検出装置と、圧延速度の加速
または減速時などの非定常運転状態を検出したときに前
記所定状態と判定して、この非定常運転状態の継続中は
前記イベント検出装置に優先して前記所定周期より短い
周期で前記起動信号を出力する非定常運転検出装置とか
ら、前記起動装置を構成したことを特徴とする
【0008】
【作用】本発明によれば、状態量や制御量とそのセット
アップ値の偏差による誤差が一定値を超える異常時、あ
るいは圧延機が非定常運転されている圧延状態を判定し
て、圧延パラメータの再計算に基づく制御モデルの適応
修正を的確なタイミングで実行する。
【0009】この結果、急変している圧延状態や、予め
大きな変動の生じることが分かっている非定常運転の圧
延状態に対応して、制御パラメータをオンラインかつ、
リアルタイムに最適化できるので、制御動作に対する外
的要因や内部パラメータの変化の影響を回避し、圧延精
度を向上できる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0011】図2に、本発明を適用する圧延機制御シス
テムの構成図を示す。制御対象である圧延機1は制御装
置2からの制御指令9を受けて動作する。制御装置2は
圧延機1の動作状態を検出装置3で検出した状態量を用
いて、アクチュエータ8に対する指令を生成する。圧延
機1は非線形性が強く、線形制御方式を適用することが
できない。そこで、制御装置2は動作点を決定するセッ
トアップ制御系4、前記セットアップ制御系4より目標
値を受けて目標値からの偏差をゼロにするように動作す
るDDC制御系5、およびセットアップ制御系4が動作
点を決定するために利用する圧延モデル6、および検出
装置3からの出力を用い、制御に必要だが直接計測でき
ない状態量を推定する観測装置7から構成される。
【0012】図3は圧延機1の構成を示す図である。圧
延機1のスタンドは対向する1対のワークロール10、
中間ロール11、バックアップロール12から構成され
る。バックアップロール12には圧下装置13が接続さ
れ、圧下装置13の位置を制御することで、中間ロール
11、ワークロール10の間隔が変化して、圧延材14
の板厚が変化させることができる。ワークロール10の
軸には歯車装置15を介してロール駆動装置16が接続
されている。これら油圧圧下装置13、およびロール駆
動装置16からアクチュエータ8が構成される。
【0013】図4に前記ワークロール13と圧延材14
の関係を示す。圧延材14は同図の左側から右側に移動
する。圧延材14の入側板厚H、出側板厚h、ワークロ
ールの間隔S、ワークロール10にかかる荷重Pとす
る。これらの量のうち、圧延荷重の物理的関係を表した
のが、(数1)に示すHillの近似式である。下付き
添え字iは多段圧延機システムにおいてiスタンドの物
理量を表す。なお、(数1)式の摩擦補正項は(数2)
式である。
【0014】
【数1】
【0015】
【数2】
【0016】一方、ゲージメータ式は次式(数3)で表
すことができる。上記の圧延モデル6は、この(数1)
〜(数3)によって表される。
【0017】
【数3】
【0018】図5は、(数1)と(数3)の関係を表す
グラフで、縦軸には圧延荷重、横軸は圧下位置及び板厚
をとっている。(数1)と横軸の交点が入側板厚Hとな
る。(数1)と(数3)の交点が動作点で、その横軸の
位置が出側板厚h、縦軸の位置が荷重Pとなる。
【0019】図6に示すように、母材の板厚がH0から
H1に変化した場合、圧延荷重式とゲージメータ式の交
点である動作点が変化してしまい、板厚はh0からh1
に、荷重はP0からP1に変化する。その結果、板厚が
目標値hからづれてしまう。そこで、圧延機の圧下位置
を移動させて板厚を所定の精度にするための板厚制御を
実施する。その時の指令の変化分はΔSとなり、図7に
示すように圧下制御装置の位置をS1からSへ制御す
る。その結果、ゲージメータ式が点線の位置から実線の
位置に平行移動して、荷重式との交点が板厚h1から板
厚h、荷重P1から荷重Pに移動する。
【0020】このように、各種の圧延条件で、圧延荷重
式とゲージメータ式の交点である動作点を求めるのがセ
ットアップ制御系4である。セットアップ計算の具体的
な方法として、方程式の根を求めるアルゴリズムが適用
でき、例えば繰り返しの数値解を求めるニュートン・ラ
プソン(Newton-Raphson)の方法などがある。
【0021】セットアップ制御系4は、圧延モデル6に
より各状態における動作点、すなわちセットアップ値を
計算してDDC制御系5に与える。一方、DDC制御系
5は動作点の周りの線形近似できる範囲で、制御量や状
態量のセットアップ値(動作点)とそれらの計測値との
偏差をゼロにするように動作する、所謂レギュレータ系
として構成される。したがって、DDC制御系5の制御
モデルは、セットアップ値からの偏差を求める偏差値系
として、以下に求める状態方程式により記述される。
【0022】(数3)を偏差値系で示したゲージメータ
式と、(数1)を動作点近傍でテーラー展開し微小変化
分で示した圧延荷重式は、(数4)と(数5)により表
される。
【0023】
【数4】
【0024】
【数5】
【0025】(数4)と(数5)から(数6)が導かれ
る。
【0026】
【数6】
【0027】アクチュエータの圧下装置13及びロール
駆動装置16の応答を、それぞれ1次遅れ系で近似する
と、(数7)、(数8)となる。
【0028】
【数7】
【0029】
【数8】
【0030】圧延機の後方張力は(数9)で示され、マ
スフロー式からその微小変化分を求めると(数10)に
なる。
【0031】
【数9】
【0032】
【数10】
【0033】出側板速及びその微小変化分を(数11)
に、入側板速の微小変化分を(数12)に示す。
【0034】
【数11】
【0035】
【数12】
【0036】(数11)と(数12)を(数9)に代入
して(数13)を導く。
【0037】
【数13】
【0038】先進率式をテーラー展開した微小変化式を
(数14)に示す。
【0039】
【数14】
【0040】(数14)を(数13)に代入すると(数
15)が得られる。
【0041】
【数15】
【0042】ここで、(数16)に示す等しい情報を統
合して(数17)を得る。
【0043】
【数16】
【0044】
【数17】
【0045】(数17)に(数11)を代入すると(数
18)となる。
【0046】
【数18】
【0047】これらの式をまとめ、行列式で表わすと
(数19)の状態方程式となる。
【0048】
【数19】
【0049】(数19)の各項の行列と変数ベクトル
を、(数20)と(表1)に示す記号で表し、制御周期
Sで離散化すると、(数21)の状態方程式が得られ
る。この(数21)が、DDC5の制御モデルを示し、
動作点での行列要素を求めることで線形近似が行われ
る。
【0050】
【数20】
【0051】
【表1】
【0052】
【数21】
【0053】図8は、最適サーボ系により構成したDD
C制御系5の機能ブロック図である。検出装置3または
観測装置7からの状態量xは加算機構20に入力され、
セットアップ制御系4からの状態量のセットアップ値x
s(動作点)に対する偏差値△xが求められる。本例の
状態量は圧下位置S、ロール速度vR、後方張力τbであ
る。
【0054】状態量の偏差値△xは、比例制御機構21
に入力されてフィードバック係数(比例ゲイン)fxを
乗じられ、圧下位置成分(△Sp)と速度成分(△
Rp)各々の状態量に対応する制御指令(操作量)△U
を生成する。
【0055】同様に、本例の制御量yである出側板厚h
と後方張力τbは、加算機構22でセットアップ値y
s(目標値)に対する偏差値e(誤差)が求められ、積
分機構23でフィードバック係数(比例ゲイン)feを
乗じられて積分され、圧下位置成分(Sp’)と速度成
分(vRp’)各々の制御量に対応する制御指令Ueとな
る。
【0056】指令生成機構24は、状態量に対応する制
御指令△U、制御量に対応する制御指令Ueと、セット
アップ制御系4からのセットアップ値Usを、圧下位置
成分と速度成分毎に加算して、圧下装置13とロール駆
動装置16に出力する操作指令Uを生成する。
【0057】ここで、制御パラメータのフィードバック
係数fxやfeは、(数19)の拡大行列を考えて周知
のリカッチ方程式を解くと、(数22)のフィードバッ
ク行列fx、feが求められる。セットアップ制御系4
による制御パラメータの計算については、例えば土谷武
士著「現代制御理論」に詳しい。
【0058】
【数22】
【0059】上記の圧延荷重式(数1)や、動作点の周
りを線形化機構によって近似した状態方程式(数21)
は近似式であることから、圧延中に摩擦係数(μ)や変
形抵抗(k)等の設定値が実状態と相違してくる。この
ため所期の制御性能が得られなくなり、圧延状態に応じ
た適応修正が必要になる。
【0060】図1に、本発明の一実施例である制御モデ
ル適応修正装置10の機能ブロック図を示す。修正装置
10は、状態量xや制御量yの実績値に基づいて制御モ
デルをオンラインで修正する適応修正手段28と、圧延
状態を評価して必要時に、適応修正手段を起動する起動
手段29からなる。
【0061】まず、適応修正手段28について説明す
る。圧延パラメータ計算機構33は、検出装置3から入
力される状態量x、制御量y等と、セットアップ制御系
4を介して参照される圧延モデル35により、同定が難
しい圧延パラメータ類を逆セットアップ計算によって求
める。この圧延パラメータには、圧延荷重の適応修正係
数Zpi,圧下位置の零点補正△S0i,油膜厚みCpi,配
分率比αi,先進率比fαi等がある。
【0062】これら圧延パラメータの計算は、圧延モデ
ルの圧延荷重式(数1)を用い、最小自乗近似の回帰法
による。以下、適応修正係数Zpを例に、圧延パラメー
タの計算方法を説明する。
【0063】適応修正係数Zpは、実際の圧延荷重Pと
圧延モデルで求めた予測圧延荷重P’の誤差を吸収する
係数で、この誤差はモデルで定量的に表現できない現象
に起因して生じる。予測圧延荷重P’は、(数1)、
(数2)に板厚、板幅等の実測値を代入して計算した値
で、この時点の圧延荷重検出計による実荷重Pとの間
に、(数23)の関係式が成立する。
【0064】
【数23】
【0065】適応修正係数Zpは、(表2)のように
P’,P,Zpのデータをn個集め、評価関数(数2
4)を満足するように求める。(数24)の最小解は、
変数Zpに関して1階微分を行えばよいので、この1階
微分式より得られる(数25)により、Zpを求めるこ
とができる。
【0066】
【表2】
【0067】
【数24】
【0068】
【数25】
【0069】このように求められた圧延パラメータは、
セットアップ制御系4に渡され、以後のセットアップ計
算に利用される。
【0070】一方、線形化機構34は、圧延パラメータ
計算機構33からの圧延パラメータを渡されると、圧延
モデル35を参照して(数4)〜(数21)の演算を実
行し、制御モデルである状態方程式(数21)の行列要
素を求める。制御パラメータ計算機構36は、この状態
方程式の行列について周知のリカッチ方程式を解いて、
制御パラメータfx,feを求め、DDC制御系5の比
例機構21や積分機構23の係数を更新する。
【0071】つぎに、起動手段29について説明する。
図9はイベント検出機構31の機能ブロック図である。
検出装置3から状態量及び制御量を合わせた拡大状態量
ベクトル(圧下位置S,ロール速度vR,後方張力τb
出側板厚h)が入力される。また、セットアップ制御系
4からは、拡大状態量ベクトルに対応する基準値ベクト
ル(Ss,vRs,τbs,hs)が入力され、差分機構30
1で(数26)のように要素毎の偏差が求められる。
【0072】
【数26】
【0073】拡大偏差状態ベクトル△Zはフィルタ機構
302に入力され、ベクトルに重畳されているノイズ成
分が除去される。この除去は△Zの移動平均を求めるな
ど、周知の平均化処理によって行う。
【0074】異常検出機構303は、拡大偏差状態ベク
トル△Zの評価値を求め、それが一定値(閾い値)を超
えるときイベント信号を出力する。評価値として、(数
24)に示す全状態量と制御量による拡大状態偏差の自
乗平均誤差εが計算される。誤差εは一部の状態量また
は制御量について求めるようにしてもよいが、挙動が複
雑な圧延現象では、本実施例による方が状態を正しく反
映できる。
【0075】
【数27】
【0076】起動機構31は、イベント検出機構30か
らのイベント信号を受けたとき、適応修正手段を起動し
て、DDC制御系5の制御パラメータを修正する。な
お、起動機構31は、適応修正手段28の起動に先立
ち、セットアップ制御系4を起動し、セットアップ制御
系4は圧延状態に応じてその目標値を修正する。
【0077】図10に、本実施例による圧延制御システ
ムの動作を示す。
【0078】同図(a)は圧延速度v、同図(b)、
(c)は板厚hの基準値hs に対する推移を示す。圧延
速度が低下すると(数1)の圧延荷重Pが大きくなり、
従来は同図(b)のように板厚が厚くなる。
【0079】本実施例の場合は、同図(c)のように板
厚hが増加して2乗平均誤差ε(斜線部の面積)が、
のタイミングでしきい値を超えると、イベント信号が
出力されて、制御モデル適応修正装置10が起動され
る。図(d)はセットアップ制御系4からの圧下位置の
基準値(目標値)で、の動作点に対応して計算された
ものである。同図(e)はフィードバック係数fx11
示し、の動作点に対応して最適化される。この結果、
同図(c)のように基準値hsに対する板厚偏差が抑制
できる。
【0080】これによれば、制御モデルの修正の必要な
ときが正しく特定できるので、パラメータ修正による精
度の向上が可能になり、また、不必要なモデル変更処理
とそれによる制御系の擾乱を回避できる。
【0081】ところで、圧延機の運転状態には、板速が
トップスピードでほぼ一定している定常運転状態と、板
速の加速状態や減速状態あるいは母材板厚が変動する溶
接点通過などの非定常運転状態とがあり、非定常時には
圧延状態が大きく変動することは予め知られている。タ
イマー機構32は、検出装置3からの板速や溶接点など
を監視し、非定常運転状態の継続時には、所定周期で適
応修正手段28を起動する。
【0082】たとえば、サンプリング周期T、一定過速
度αの加速状態では、板速度がαT増加する毎に、タイ
マー機構32はトリガ信号を出力し、起動機構31を通
じて圧延パラメータ修正機構33を起動する。
【0083】これによれば、圧延状態が大きく変動する
非定常運転状態では、制御パラメータの再計算が必要で
あり、上記のイベント検出によらずあるいは優先して、
所定周期による簡単な起動決定が行われる。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、圧延異常や非定常運転
の圧延状態において、制御パラメータをオンラインか
つ、リアルタイムに最適化できるので、制御システムの
動作が外的要因や内部パラメータの変化の影響を回避で
きるようになり、圧延精度を向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の制御モデル修正装置を含む
圧延制御システムの構成図である。
【図2】本発明を適用する圧延制御システムの基本構成
図である。
【図3】圧延機のスタンドの構成図である。
【図4】圧延機の動作説明図である。
【図5】圧延機の動作点の説明図である。
【図6】母材変化時の動作点の説明図である。
【図7】母材変化時の制御動作の説明図である。
【図8】最適サーボ系として構成されたDDCコントロ
ーラの制御系の構成を説明する模式図である。
【図9】イベント検出機構の機能ブロック図である。
【図10】本実施例による圧延制御動作を説明する説明
図である。
【符号の説明】
1…圧延機、2…制御装置、2−1…フィードフォワー
ド制御部、2−2…フィードバック制御部、3…検出装
置、3−1…板厚検出計、3−2…板速検出計、4…ア
クチュエータ、5…DDCコントローラ、7…観測装
置、10…制御モデル適応修正装置、13…圧下装置、
16…ロール駆動装置、20…減算機構、21…比例機
構、22…減算機構、23…積分機構、24…指令生成
機構、28…適応修正手段、29…起動手段、30…イ
ベント検出機構、31…起動機構、32…タイマー機
構、33…圧延パラメータ計算機構、34…線形化機
構、35…圧延モデル、36…制御パラメータ計算機
構。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片山 恭紀 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株式会社日立情報制御システム内 (72)発明者 渡引 高重 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株式会社日立情報制御システム内 (72)発明者 吉岡 健一 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株式会社日立情報制御システム内 (72)発明者 斉藤 裕 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株式会社日立製作所 大みか工場内 (72)発明者 柏木 俊之 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株式会社日立製作所 大みか工場内 (72)発明者 岡田 隆 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 キム ヒョン チョル 大韓民国 慶北 浦項市 槐東洞 1番 地 浦項綜合製鐵株式会社内 (72)発明者 チェ ビョン チョ 大韓民国 慶北 浦項市 槐東洞 1番 地 浦項綜合製鐵株式会社内 (72)発明者 イ ホァ シク 大韓民国 慶北 浦項市 槐東洞 1番 地 浦項綜合製鐵株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−137606(JP,A) 特公 平3−8843(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 37/16 - 37/20 B21B 37/52

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧延モデルに基づいて計算されるセットア
    ップ値と所定周期で検出される圧延プロセス状態の実測
    値との偏差を求め、この偏差値を所定の制御パラメータ
    でフィードバック制御してアクチュエータの操作指令を
    決定する圧延機の制御方法において、 圧下位置、ロール速度、後方張力、出側板厚及び圧延荷
    重を含む 前記実測値を基に、逆セットアップ計算によっ
    て前記圧延モデルの複数の圧延パラメータを同定する場
    合に、前記圧延パラメータに含まれる圧延荷重の適応修
    正係数を前記圧延荷重の予測値と前記実測値を基に回帰
    法によって求め、前記圧延パラメータを同定後の圧延モ
    デルに基づいて前記セットアップ値を再計算し、このセ
    ットアップ値によりフィードバック制御モデルを修正し
    て前記制御パラメータを変更することを特徴とする圧延
    制御方法。
  2. 【請求項2】 圧延モデルに基づいて計算されるセット
    アップ値と所定周期で検出される圧延プロセス状態の実
    測値との偏差を求め、この偏差値を所定の制御パラメー
    タでフィードバック制御してアクチュエータの操作指令
    を決定する圧延機の制御方法において、 前記実測値である圧下位置、ロール速度、後方張力及び
    出側板厚の全部または一部と対応するセットアップ値と
    の偏差値を求め、これら偏差値の自乗平均誤差等による
    評価値が予め定めた閾い値を超えるとき、前記圧延プロ
    セス状態が特定状態にあると判定し、 少なくとも前記特定状態にある期間には、前記実測値を
    基に逆セットアップ計算によって前記圧延モデルの複数
    の圧延パラメータを同定し、同定後の圧延モデルに基づ
    いて前記セットアップ値を再計算し、このセットアップ
    値によりフィードバック制御モデルを修正して前記制御
    パラメータを変更することを特徴とする圧延機制御方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項において、 圧延速度の加速時または減速時は前記特定状態と判定さ
    れるように、前記評価値の閾い値を定める圧延機制御方
    法。
  4. 【請求項4】圧延機の状態量や制御量の実績値を所定周
    期で検出する検出装置と、圧延モデルを有してセットア
    ップ値を決定するセットアップ制御装置と、動作点の変
    更の度に設定されるセットアップ値に対応する前記実績
    値の偏差を無くすようにアクチュエータの操作指令を決
    定するDDC制御装置を備える圧延機制御装置におい
    て、 前記圧延モデルによる逆セットアップ計算によって圧延
    荷重の適応修正係数などの圧延パラメータを前記実測値
    に適応させる圧延パラメータ計算手段と、前記圧延モデ
    ルによるセットアップ計算によって制御モデルの状態方
    程式を求める線形化手段と、この状態方程式に基づいて
    DDC制御装置の制御パラメータを変更する制御パラメ
    ータ計算手段を有する制御モデル適応修正装置と、 圧延プロセスの所定状態を判定したときに前記制御モデ
    ル適応修正装置を実行する起動信号を出力する起動装置
    と、を具備することを特徴とする圧延機制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項において、前記所定周期毎に、
    前記実測値の全部または一部について対応するセットア
    ップ値との偏差値を求め、これら偏差値に基づいて求め
    られる評価値が予め定めた閾い値を超えるとき前記所定
    状態と判定して前記起動信号を出力するイベント検出装
    置と、圧延速度の加速または減速時などの非定常運転状
    態を検出したときに前記所定状態と判定して、この非定
    常運転状態の継続中は前記イベント検出装置に優先して
    前記所定周期より短い周期で前記起動信号を出力する非
    定常運転検出装置とから、前記起動装置を構成したこと
    を特徴とする圧延機制御装置。
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