JP3084014B2 - エンジンのオイルパンガスケット - Google Patents

エンジンのオイルパンガスケット

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JP3084014B2
JP3084014B2 JP10251742A JP25174298A JP3084014B2 JP 3084014 B2 JP3084014 B2 JP 3084014B2 JP 10251742 A JP10251742 A JP 10251742A JP 25174298 A JP25174298 A JP 25174298A JP 3084014 B2 JP3084014 B2 JP 3084014B2
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lubricating oil
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンを構成す
るクランクケースとオイルパンの互いの接合面間に介装
されてこの接合面間を密閉するオイルパンガスケットに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種オイルパンガスケットとして、実
開昭58−108214号公報に示されるように、オイ
ルパン内に貯留される潤滑油の上部にあたる部分を陥没
させ油面に接近した形状とし、かつ、この陥没部に多数
形成した微小な通孔を通してオイルパン内に潤滑油を戻
すようにし、油面に生じる波打ち現象を陥没部によって
抑えることにより、エンジン等に対する安定した潤滑油
の供給を図るようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなオイルパン
ガスケットによれば、陥没部がいわゆるオイルフィルタ
を兼ねているから、エンジンが中・高回転で運転された
場合に、陥没部からオイルパン内へ潤滑油が速やかに戻
らず、しだいにオイルパン内の潤滑油の量が少なくなる
ことが想定される。なおかつ、クランクケース内の内圧
向上に伴い潤滑油がオイルパンの内壁を伝って上昇する
現象(いわゆるオイル上がり)が生じる。
【0004】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あって、中・高回転での運転中でも、オイルパン内ヘの
潤滑油の戻り量が確保され、かつオイル上がりが有効に
抑えられ安定した潤滑油の安定した供給が図られるエン
ジンのオイルパンガスケットを提供することを目的とし
ている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載のエンジンのオイルパンガスケット
は、エンジンを構成するクランクケースとオイルパンの
互いの接合面間に介装されてこの接合面間を密閉するオ
イルパンガスケットにおいて、該オイルパンガスケット
は、前記接合面に沿って前記オイルパン内方に適宜な長
さ突出する突出部をオイルパン全周にわたって備えると
ともに、この突出部の内側である中央部に潤滑油戻し用
とオイルストレーナ貫通用とを兼ねる開孔部が形成さ
、前記突出部に、潤滑油供給系の圧力が一定値以上に
なろうとするときに該潤滑油供給系から潤滑油を逃すオ
イルリリーフバルブを貫通させる貫通孔が形成され、前
記オイルパンには、前記オイルリリーフバルブとオイル
ストレーナとを区画する立ち上 がり壁が一体に形成さ
れ、この立ち上がり壁の上端が、前記オイルパンガスケ
ットの突出部と接していることを特徴としている。これ
により、エンジンが中・高回転で運転されても、潤滑を
終えた潤滑油は、開孔部を経て確実かつ速やかにオイル
パン内に戻る。また、クランクケースの内圧向上にとも
ないオイルパン内の潤滑油がオイルパンの壁面を伝わっ
て上昇しても、突出部に当たってそれ以上の上昇が阻止
される。さらに、オイルパン内に戻る潤滑油に含まれる
気泡が突出部に当たることによりその気泡が小さくなっ
たり、あるいは潰れてなくなる。 以上により、常にオイ
ルパン内に貯留される潤滑油は一定量保持され、この結
果、エンジンならびに変速機等に対して安定した潤滑油
の供給が図られる。 また、オイルリリーフバルブから吐
出したオイルが立ち上がり壁によりオイルストレーナと
区画されるが、さらに、リリーフバルブ部分から立ち上
がり壁を立ち上がって越えようとしてもオイルパンガス
ケットにぶつかり、乗り越えることがない。 つまり、オ
イルは、立ち上がり壁を乗り越えてしまうと、その際に
空気の混入が懸念されるが、立ち上がり壁に沿って迂回
されるので、この間における空気等の混入を防ぐことが
できる。
【0006】請求項2記載のエンジンのオイルパンガス
ケットは、請求項1記載のエンジンのオイルパンガスケ
ットにおいて、前記オイルリリーフバルブから前記オイ
ルストレーナの左右方向へ潤滑油を迂回させる迂回通路
が設けられていることを特徴としている。 このように、
オイルリリーフバルブからオイルトレーナの左右方向へ
潤滑油を迂回させる迂回通路を設けたので、オイルが迂
回通路を通って確実に迂回される。
【0007】 請求項3記載のエンジンのオイルパンガス
ケットは、請求項1記載のエンジンのオイルパンガスケ
ットにおいて、前記オイルリリーフバルブの取り付けら
れるクランクケースに形成される油通路、メインギャラ
リ等が前記オイルパンガスケ ットの上方に各々形成され
ていることを特徴としている。 このように、オイルパン
ガスケットの上方に油通路、メインギャラリ等を設けた
構造であるので、コンパクト化が可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を自
動二輸車のエンジンに適用した一実施形態例を説明す
る。説明中、前後および左右といった方向の記載は、車
体に対しての方向としている。図1および図2はその自
動二輪車1の正面図および側面図をそれぞれ示してい
る。
【0009】この自動二輪車1は、車体フレーム2と、
車体フレーム2の前端部に回動可能に支持された左右一
対のフロントフォーク3と、これらフロントフォーク3
の上端部に取り付けられた操舵用のハンドル4と、フロ
ントフォーク3に回転自在に支持された前輪5と、車体
フレーム2に揺動可能に支持されたリヤフォーク6と、
このリヤフォーク6の後端部に回転自在に支持された後
輪7と、車体フレーム2に支持された本実施形態例に係
る水冷式のエンジン8と、同じく車体フレーム2に支持
されたラジエータ9と、車体フレーム2の上部に配設さ
れた燃料タンク10と、この燃料タンク10の後方に配
設された運転者用シート11および乗員者用シート12
とを備えており、車体前部はフロントカウル13および
アンダカウル14により、また、車体後部はリヤカウル
15により覆われている。
【0010】前記車体フレーム2は、前端のヘッドパイ
プ16から、左右に分かれて後方かつ斜め下方に延び、
その下部にやはり後方かつ斜め下方に延びる前側エンジ
ンハンガ17ならびに後側エンジンハンガ18が一体に
設けられた中空角断面の左右一対のメインフレーム19
と、前後の腕部20a,20bおよび下方に延びるブラ
ケット部20cが形成され前側の腕部20aが各メイン
フレーム19の後端に連結された左右一対の中空のサブ
フレーム20と、これらサブフレーム20の各ブラケッ
ト部20cの上部の間および下部の間にわたって横方向
に延びサブフレーム20と一体に設けられた上側クロス
メンバ21および下側クロスメンバ22と、各サブフレ
ーム20の後側の腕部20bおよびサブフレーム20の
ブラケット部20cにそれぞれボルト止めされて後方か
つ斜め上方に延び、その後端部が互いに溶接された左右
一対の上側レール23aおよび下側レール23bからな
るシートレール23から構成されている。前記メインフ
レーム19と前記サブフレーム20の前側の腕都20a
とは、両者の内部に挿入されて溶接された継手材24を
介して連結されている。
【0011】上記車体フレーム2を構成するヘッドパイ
プ16には、下端にロアブリッジ25が一体に設けられ
たステアリングステム26が軸回りに回動自在に挿入さ
れており、さらに、このステアリングステム26のへッ
ドパイプ16から突出する上端部には、トップブリッジ
27が固定されている。前記フロントフォーク3は、ボ
トムケース28と、このボトムケース28にクッション
(図示略)を介してインナチューブ29が摺動可能に挿
入されてなるもので、インナチューブ29が、トップブ
リッジ27とロアブリッジ26の両端に挿入され固定さ
れている。これにより、フロントフォーク3はトップブ
リッジ27およびロアブリッジ25を介してステアリン
グステム26と一体化され回動可能となっている。
【0012】前記ハンドル4は、左右一対であってハン
ドルバー30とこのハンドルバー30に装着されたグリ
ップ31とからなり、ハンドルバー30の端部が各フロ
ントフォーク3のトップブリッジ27より突出する上端
部に嵌合され固定されている。 前記前輪5は、軸心に
車軸32が設けられたホイール33の外周にタイヤ34
が装着されてなるもので、車軸32の両端が各フロント
フォーク3のボトムケース28下端部に支持されてい
る。なお、この左右のボトムケース28には、前輪5の
上方を覆うフロントフェンダ35が支持されている。
【0013】前輪5のホイール33の左右両側には、フ
ロントディスクブレーキ装置36を構成するロータ37
がそれぞれホイール33と同軸的かつ一体に固定されて
いる。フロントディスクブレーキ装置36は、このロー
タ37と、各フロントフォーク3のボトムケース28の
後側にステー38を介して固定され作動状態においてロ
ータ37を挟んでその回転を摩擦力により制動するブレ
ーキキャリパ39と、右側のハンドル4のハンドルバー
30に取り付けられブレーキキャリパ39をケーブル4
0を介して作動させるブレーキレバー41から構成され
ている。前記リヤフォーク6は、その前端の基部42か
ら左右一対のフォーク部43が後方に延びてなるもの
で、基部42が前記サブフレーム20のブラケット部2
0cに設けられたピボット44に枢支されることにより
フォーク部43が上下に揺動可能となっている。
【0014】前記後輪7は前記前輪5よりもやや大径
で、前輪5と同様に、軸心に車軸45が設けられたホイ
ール46の外周にタイヤ47が装着されてなるもので、
車軸45の両端が前記リヤフォーク6のフォーク部43
後端に支持されることにより、リヤフォーク6と一体に
揺動するようになっている。上記後輪7が路面から受け
る揺動は、リヤクッションユニット48によって緩衝さ
れる。このリヤクッションユニット48は、ダンパ49
およびスプリング50等からなりその上端が前記上側ク
ロスメンバ21にステー51を介してピン結合されたク
ッション本体52と、前記下側クロスメンバ22にその
一端がピン結合された連結ロッド53と、三角形状に形
成され、各頂点が、連結ロッド53の他端部、リヤフォ
ーク6のフォーク部43中央前寄りの下部に固定された
ステー54、および前記クッション本体の下端にそれぞ
れピン結合されたクッションアーム55とから構成され
ている。
【0015】上記後輪7にも、前輪5のフロントディス
クブレーキ装置36と同様のリヤディスクブレーキ装置
56が装備されている。このリヤディスクブレーキ装置
56は、ホイール46の右側にホイール46と同軸的か
つ一体に固定されたロータ57と、リヤフォーク6にお
ける右側のフォーク部43の下側にステー58を介して
固定され作動状態においてロータ57を挟んでその回転
を摩擦力により制動するブレーキキャリパ59と、前記
サブフレーム20の右側のブラケット部20cに取り付
けられブレーキキャリパ59を作動させるブレーキペダ
ル(図示略)とから構成されている。なお、ブレーキキ
ャリパ59の前端部とサブフレーム20の右側のブラケ
ット部20cにおける前記ピボット44の下部の間に
は、トルクロッド60が架け渡されている。なお、リヤ
フォーク6には、その基部42の左右方向中央から後方
斜め上側に緩く湾曲しながら立ち上がり、後輪7の上部
前側を覆うリヤガード61が一体に設けられている。
【0016】また、上記後輪5のホイール46の左側に
チェーンスプロケット62がホイール46と同軸的に固
定されており、このチェーンスプロケット62には、後
述する駆動チェーン63が巻回されている。さらに、前
記リヤフォーク6の左側のフォーク部43には、駆動チ
ェーン63の上側後部およびチェーンスプロケット62
の上部を覆うチェーンカバー64が固定されている。
【0017】前記エンジン8は、シリンダブロック本体
65、シリンダヘッド66およびシリンダヘッドカバー
67からなるシリンダブロック68と、このシリンダブ
ロック68に連設されるクランクケース69とを備え、
シリンダブロック68内に、左右方向に後述する4本の
シリンダ70が並列に配された並列四気筒4サイクル型
エンジンである。そして、このエンジン8は、シリンダ
ブロック68がやや前傾された状態で、このシリンダブ
ロック68が前記メインフレーム19の前側エンジンハ
ンガ17および後側エンジンハンガ18に、またクラン
クケース69後部の両側部が前記サブフレーム20のブ
ラケット部20cにそれぞれボルト止めされることによ
り、車体フレーム2に支持されている。エンジン8のシ
リンダブロック68の後部には、エンジン8の吸入作用
によりシリンダブロック68内に混合気を供給するキャ
ブレータ71が連結されている。また、シリンダブロッ
ク68の前部には、各シリンダ70ごとに排気管72が
接続されており、これら4本の排気管72(車体左側か
ら1番排気管72a、2番排気管72b、3番排気管7
2c、4番排気管72dとする)は、シリンダブロック
68に対する接続端部から下方に延びエンジン8の下方
において揃えられ、さらに、屈曲してクランクケース6
9の下面に沿って後方に延び、クランクケース69の後
部下側において、1本の集合管73にまとめられてい
る。そして、この集合管73は、右斜め後方に立ち上が
りながらその先端が後輪7の右側に配され、その先端
に、集合管73の後端部と一直線上となるよう斜め上方
に延びる筒状の消音器74が装着されている。
【0018】なお、各排気管72a〜72dは、図2
示すように、エンジン8下方の車体の中央線よりやや左
側の位置において、1番排気管72aの右側に接して4
番排気管72dが配され、これらの下側に接して2番排
気管72bが配され、この2番排気管72bと4番排気
管72dに接して3番排気管72cが配されており、そ
の断面が全体として左側(図2では右側)に傾いた平行
四辺形状にまとめられている。なお、エンジン8につい
ては後に改めて詳述する。前記ラジエータ9は、コア7
5の右側に冷却水の流入側タンク76が、左側に流出側
タンク77が接続された横長な長方形状のクロスフロー
型であり、やや前傾した状態でエンジン8の前方に配さ
れ、前記メインフレーム19および前記前側エンジンハ
ンガ17に支持されている。
【0019】前記燃料タンク10は、各メインフレーム
19の間および各サブフレーム20の間の上方に配設さ
れてこれらフレーム19,20に固定されている。この
燃料タンク10の前側の下面には凹所10aが形成さ
れ、この凹所10a内にエアクリーナ78が収容されて
いる。このエアクリーナ78の前部には、下側に屈曲す
るエア吸入パイプ79が接続され、後部には、前記キャ
ブレータ71の吸入口71aが挿入されている。前記フ
ロントカウル13は、ヘッドパイプ16の前方から後方
に向けて流線形状に成形され、フロントフォーク3の両
側、およびラジエータ9、エンジン8のシリンダブロッ
ク68の両側を覆っており、前部両側にはハンドル4と
の干渉を避ける切欠き13aが設けられ、さらに、前部
の上端部には正面から見ると略U字状の切欠き13bが
設けられ、ここに、車体フレーム2のトップブリッジ2
7およびハンドル4の上方にまで湾曲しながら延びてフ
ロントフォーク3の上方を覆う透明なスクリーン80が
一体に設けられている。このフロントカウル13は、そ
の前端部が、ヘッドパイプ16に固定されて前方に延び
るカウルステー81に支持され、スクリーン80後部の
下側の部分が、メインフレーム19に固定され上方に立
ち上がってから前方に延びるカウルステー82に支持さ
れ、さらに、両側部が車体フレーム2のメインフレーム
19にボルト等により固定されている。
【0020】フロントカウル13における前記ラジエー
タ9の上側の両方の角部の前方位置には、エア導入口8
3が形成されている。また、前端中央には、長方形状の
2つのヘッドライト装着口84が左右に並んで形成され
ており、これらヘッドライト装着ロ84には、前記カウ
ルステー81の先端に固定された長方形状のヘッドライ
ト85がそれぞれ配設されている。また、前記カウルス
テー81の中央上部には、速度計やエンジン回転計等が
取り付けられたメータユニット86が固定されている。
また、フロントカウル13における前部の両側部であっ
て前記エア導入口83よりも下側の位置には、方向指示
器87が取り付けられている。前記アンダーカウル14
は、断面略U字状でフロントカウル13の下端から連続
してエンジン8のクランクケース69の両側および排気
管72を覆っており、フロントカウル13にボルト等に
より固定されている。また、前記リヤカウル15は、左
右2本ずつの上側レール23aおよび下側レール23b
からなるシートレール23の側方および上方を覆うごと
く成形され、その後部には上方へ突出する膨出部15a
を一体に有しており、前記各レール23a,23bにフ
ック等の嵌合手段により取り付けられている。
【0021】このリヤカウル15における燃料タンク1
0と前記膨出部15aとによって形成される凹所88が
当該自動二輪車1の運転者の着座位置となっており、こ
の位置のリヤカウル15上面には前記運転者用シート1
1が、また前記膨出部15aの上面には前記乗員者用シ
ート12が設けられている。運転者用シート11が設け
られているリヤカウル15の下には、バッテリ89が配
設されている。また、リヤカウル15の後端にはストッ
プライトを兼ねるテールランプ90が取り付けられ、そ
の下には、後方斜め下側に延びるリヤフェンダ91が設
けられており、さらにこのリヤフェンダ91の上部の両
側には、方向指示器92が取り付けられている。次い
で、前記エンジン8について図3ないし図5を参照して
詳述する。このエンジン8は、前述の如くシリンダブロ
ック本体65、シリンダヘッド66およびシリンダヘッ
ドカバー67からなるシリンダブロック68と、クラン
クケース69とを備え、クランクケース69はアッパケ
ース69aとロアケース69bとが分割可能に接合さ
れ、アッパケース69aとシリンダブロック本体65と
は一体に鋳造成形されている。また、ロアケース69b
の下には、オイルパン93が接合されている。
【0022】図3および図4には、シリンダブロック本
体65の後部に設けられ前記メインフレーム19の後側
エンジンハンガ18への固定用ボス94、およびアッパ
ケース69aおよびロアケース69bの後部に設けられ
前記サブフレーム20のブラケット部20cに対する固
定用ボス95がそれぞれ示されている。シリンダブロッ
ク68には4つのシリンダ70が並列に配され、これら
シリンダ70内には、鋳込みスリーブ96を介してピス
トン97が摺動可能に嵌装されている。これらピストン
97は、コンロッド98を介して、クランクケース69
内に回転自在に支持され一端(この場合右端)にクラン
クスプロケット99が、またジャーナル部100に潤滑
油供給用の油孔100aが形成されたクランクシャフト
101に連結され、このクランクシャフト101の回転
によりシリンダ70内を上下に往復摺動するようになっ
ている。
【0023】シリンダヘッド66には、図3に示すよう
に、このシリンダヘッド66と上死点に達した各ピスト
ン97とにより形成される燃焼室102がそれぞれ設け
られているとともに、各燃焼室102に対して点火プラ
グ103が捩込まれ、さらに、各燃焼室102と外部と
を連通する吸気通路104および排気通路105が形成
されている。これら各通路104,105の各燃焼室1
02の開口である吸気ポート106および排気ポート1
07は2つずつ形成されており、シリンダブロック本体
65の上方には、前記各ポート106,107を開閉す
る吸気バルブ108および排気バルブ109がそれぞれ
設けられている。これら吸気バルブ108および排気バ
ルブ109は、前記各ポート106,107を実際に開
閉する傘状の弁体110aを有するバルブステム110
と、このバルブステム110を上方に付勢して弁体11
0aが各ポート106,107を閉じる状態とするバル
ブスプリング111と、バルブステム110の上端に装
着された筒状のバルブリフタ112等から構成され、バ
ルブステム110は、シリンダヘッド66に嵌められた
バルブガイド113に摺動可能に挿入されている。シリ
ンダヘッド66上には、各吸気バルブ108および各排
気バルブ109を作動させる吸気側カムシャフト114
および排気側カムシャフトl15が、前記クランクシャ
フト101と平行に配設されている。
【0024】これらカムシャフト114,115は、締
結ボルト116でシリンダヘッド66に固定されたベア
リングキャップ117によって軸回りに回転自在に支持
されており、その周面には、前記各吸気バルブ108お
よび各排気バルブ109に対応して吸気側カム118お
よび排気側カム119が一体に成形され、さらに、右端
部には、ベアリングキャップ117に係合して軸方向の
移動を規制する突条120が一体に成形されている。ま
た、各カムシャフト114,115の右端には、カムス
プロケット121,122がそれぞれ一体に設けられ、
これらカムスプロケット121,122とクランクシャ
フト101のクランクスプロケット99とにカムチェー
ン123が巻回されており、クランクシャフト101の
回転にともなって各カムシャフト114,115が回転
するようになっている。そして、これらカムシャフト1
14,115が回転するにともない、各カム118,1
19の周面が、それぞれ各吸気バルブ108および各排
気バルブ109のバルブリフタ112に摺接してバルブ
ステム110を上下に往復動させ、これにより吸気ポー
ト106および排気ポート107が開閉するようになっ
ている。
【0025】なお、図4に示すように、排気側カムシャ
フトのカムスプロケット122とクランクスプロケット
99との間のカムチェーン123の外周側には、カムチ
ェーンガイド124が配され、吸気側カムシャフト11
4のカムスプロケット121とクランクスプロケット9
9との間のカムチェーン123の外周側には、カムチェ
ーン123のばたつきを抑制するカムチェーンテンショ
ナ125が配されている。カムチェーンテンショナ12
5は、一端がシリンダヘッド66にピン結合されて揺動
可能とされカムチェーン123に沿って延びるテンショ
ナスリッパ126と、シリンダブロック本体65に配設
されたピストンホルダ127内に嵌装され、油圧により
常にテンショナスリッパ126の揺動端部をカムチェー
ン123に押し付けるピストン128とから構成されて
いる。前記吸気通路104の外部側の開口部には、ピス
トンバルブ129を有する前記キャブレータ71の排気
ロ71bがキャブインシュレータ130により連結され
ており、前記排気通路105の外部側の開口部には、前
記排気管72(72a〜72d)の接続端がスタッドボ
ルト131によりそれぞれ接続される。
【0026】なお、シリンダヘッド66の上に接合され
るシリンダヘッドカバー67には、シリンダヘッドカバ
ー67内およびカムチェーン123が配されたカムチェ
ーン室123aを介してクランクケース69内に連通
し、クランクケース69内に発生するブローバイガス中
に含まれる油分を分離するブリーザ室132が設けられ
ている。なお、このブリーザ室132にて油分が分離さ
れたブローバイガスは、ブリーザ室132に接続された
図示せぬ導気管から大気に放出される。また、図5に示
すように、前記クランクシャフト101の右端には、ク
ランクシャフト101と一体回転するパルサーロータ1
33と、クランクケース69を覆って固定されたジェネ
レータカバー134に支持されたパルスジェネレータ1
35からなる点火時期検出機構136が設けられてい
る。また、クランクシャフト101の左端には、クラン
クシャフト101と一体回転するロータ137と、クラ
ンクケース101に固定されたACジェネレータカバー
138に支持されたステータ139とを備えるACジェ
ネレータ140が設けられている。
【0027】さらに、このACジェネレータ140の内
側のクランクシャフト101には、ニードルベアリング
を介してスタータモータドリブンスプロケット141が
装着されている。このスタータモータドリブンスプロケ
ット141は、ワンウェイクラッチ142を介してロー
タ137に連結されているとともに、アッパケース69
a内の左側に配設されたスタータモータ143のスター
タモータドライブスプロケット144と、チェーン14
5を介して連結されている。なお、ここでエンジン8の
前記ラジエータ9による冷却システムについて図1ない
し図4を参照して簡単に説明する。クランクケース69
におけるロアケース69b内における前後方向の略中央
左側には、クランクシャフト101の回転にともなって
インペラ146が回転作動するウォータポンプ147が
配設されており、このウォータポンプ147には、3つ
の接続管148,149,150が分岐して連結されて
いる。また、シリンダブロック本体の前部左側には接続
管151が一体に設けられ、この接続管151には分岐
管152,153が接続されている。さらに、シリンダ
ヘッド66の後部右側には、上方に向いた接続管154
が設けられている。
【0028】そして、接続管148は流入側ラジエータ
ホース155を介してラジエータ9の流出側タンク77
の流出口77aに接続され、接続管149はウォータパ
イプ156を介して前記一方の分岐管152に接続さ
れ、接続管150はウォータパイプ157を介して他方
の分岐管153に接続されている。このウォータパイプ
157は、後述する潤滑油供給装置158におけるオイ
ルフィルタ159のケース159aを通過している。ま
た、接続管154は、流出側ラジエータホース160を
介してラジエータ9の流入側タンク76の流入口76a
に接続されている。そして、冷却水は、ウォータポンプ
147の作動により、ラジエータ9→流入側ラジエータ
ホース155→各ウォータパイプ156,157を経て
シリンダブロック本体65内に形成されたウォータジャ
ケット65aからシリンダヘッド66内に形成されたウ
ォータジャケット66aを通り、流出側ラジエータホー
ス160からラジエータ9に戻るといった循環経路で流
れ、エンジン8を冷却する。次いで、上記エンジン8に
連設される変速機161およびこの変速機161を切換
え制御するチェンジ機構162を説明する。
【0029】変速機161は、図5に示すように、クラ
ンクケース69のロアケース69bと一体の変速機ケー
ス163に、前記クランクシャフト101と平行にかつ
各ニードルベアリング164,165および各ボールベ
アリング166,167を介して回転自在に配設された
中空なメインシャフト168およびカウンタシャフト1
69(いずれもスプライン軸)と、これら両シャフト1
68,169にそれぞれ設けられ相互に噛み合う変速ギ
ヤ群170a〜170fおよび171a〜171fと、
メインシャフト168の右端部に設けられ、クランクシ
ャフト101のプライマリードライブギヤ172に噛み
合うプライマリードリブンギヤ173と、同じくメイン
シャフト168の右端部に設けられたクラッチ機構17
4と、メインシャフト168内に軸線方向に移動可能に
貫挿されクラッチ機構174を断続する操作ロッド17
5とから構成されている。メインシャフト168と操作
ロッド175との間の空間、およびカウンタシャフト1
69内は、それぞれ潤滑油の供給路176,177とさ
れ、メインシャフト168およびカウンタシャフト16
9には、供給路176,177から外周面に連通し、変
速ギヤ群170a〜170fおよび171a〜171
b、クラッチ機構174に対する潤滑油供給用の油孔1
78,179がそれぞれ形成されている。
【0030】この変速機161によれば、エンジン8の
動力すなわちクランクシャフト101の回転が、プライ
マリードリブンギヤ173およびクラッチ機構174を
介してメインシャフト168に伝達され、続いて、各変
速ギヤ群170a〜170f、171a〜171fの噛
み合いを介してカウンタシャフト3に伝達され、さら
に、カウンタシャフト169の左端に固定されたドリブ
ンスプロケット180より前記駆動チェーン63を介し
て後輪7に伝達されるようになっている。前記プライマ
リードリブンギヤ173は、メインギヤ173aおよび
サブギヤ173bからなり、これらギヤ173a,17
3bが、相対回転可能であるもののその回転がダンパス
プリング181によって規制され、プライマリードライ
ブギヤ172との噛み合いにおけるバックラッシュが抑
えられる構成とされたもので、スリーブ182およびニ
ードルベアリング183を介してメインシャフト168
に相対回転自在に装着されている。また、スリーブ18
2には、プライマリードリブンギヤ6と一体に回転する
オイルポンプドライブスロケット184が嵌合されてい
る。このオイルポンプドライブスプロケット184は、
チェーン185によって後述するオイルポンプ186に
連結されている。
【0031】次に、前記クラッチ機構174について説
明すると、このクラッチ機構174は、図5に示すよう
に、前記プライマリードリブンギヤ173にリベット止
めされたクラッチアウタ187と、このクラッチアウタ
187内に収容されて前記メインシャフト168と一体
に回転するクラッチセン夕188と、クラッチアウタ1
87側およびクラッチセンタ188側の摩擦板187a
…,188a…と、これら両摩擦板187a…,188
a…を相互に圧接させるクラッチプレッシャプレート1
89等から構成されている。前記クラッチプレッシャプ
レート189は、前記操作ロッド175の一端を支持す
るエンドピース190に対し、ボールベアリング191
を介すことによりメインシャフト2の軸回りに回転可能
に設けられ、かつクラッチスプリング192により左方
に付勢されており、このとき、前記両摩擦板187a
…,188a…が相互に圧接してクラッチ機構174が
接続状態となる。そして、クラッチプレッシャプレート
189は、操作ロッド175が右方へ移動すると一体的
に同方向に移動し、このときクラッチ機構174は断と
なる。
【0032】前記操作ロッド175の軸方向の移動は、
クランクケース69の左側に設けられたクラッチレリー
ズ193により行われる。このクラッチレリーズ193
は、操作ロッド175の端部とラック・ピニオン係合す
るレリーズシャフト194と、このレリーズシャフト1
94の上端に固定されたレリーズレバー195と、リタ
ーンスプリング196等から構成され、レリーズレバー
195は、左側のハンドル4のハンドルバー30に装着
されたクラッチレバー197により操作されるクラッチ
ワイヤ(図示略)が連結されている。そして、クラッチ
レバー197によりクラッチワイヤが操作される(引っ
張られる)と、レリーズレバー195を介してレリーズ
シャフト194が回動させられるとと同時に操作ロッド
175が、右方に移動してクラッチ機構174は断の状
態となる。
【0033】上記変速機161を切換え制御するチェン
ジ機構162を説明すると、このチェンジ機構162
は、図6に示すように、変速機ケース163に回転可能
に支持されたチェンジスピンドル198と、外周に数条
のカム溝199aが形成され変速機ケース163にボー
ルベアリング200を介して回転自在支持されたシフト
ドラム199と、このシフトドラム199の一端に配さ
れてシフトドラム199と一体回転し、その端部に放射
状にシフトピン201aが、また周部に係合凹部201
bが形成されたシフトドラムセンタ201と、チェンジ
スピンドル198の右端に固定され先端に設けられた係
合部202aがシフトドラムセンタ201のシフトピン
201aに係合するシフトプレート202と、変速機ケ
ース163に固定されるとともにその先端がシフトドラ
ムセンタ201の係合凹部201bに係合してシフトド
ラム199の回動角度を規制するストッパプレート20
3と、変速機ケース163に支持されたシフトフォーグ
シャフト204の外周にこのシフトフォークシャフト2
04の軸線方向に摺動可能に装着され、一端がシフトド
ラム199のカム溝199aに、他端がメインシャフト
186およびカウンタシャフト169の各変速ギヤ17
0a〜170f、171a〜171fに適宜係合する複
数本(この場合3本)のシフトフォーク205とから構
成されている。
【0034】チェンジスピンドル198、シフトドラム
199、シフトフォークシャフト204は、それぞれ変
速機161のメインシャフト168およびカウンタシャ
フト169と平行に配設されている。そして、チェンジ
スピンドル198の変速機ケース163からの突出端に
スプライン嵌合される図示せぬチェンジペダルによって
チェンジスピンドル198が一定角度回転させられる
と、この回転がシフトプレート202、シフトドラムセ
ンタ201を介してシフトドラム199に伝達し、この
シフトドラム199の回転により各シフトフォーク20
5が適宜に摺動させられるにともない、各変速ギヤ17
0a〜170fと各変速ギヤ171a〜171fとの噛
み合いが適宜変化させられるようになっている。
【0035】なお、変速機ケース163には、上記クラ
ッチ機構174およびカウンタシャフト169端部のド
リブンスプロケット180を覆うクラッチカバー206
およびドリブンスプロケットカバー207がそれぞれ固
定されている。さて、上記構成のエンジン8および変速
機161等は、エンジン8の下部に設けられた前記潤滑
油供給装置158により、その各摺動部が潤滑されるよ
うになっている。この潤滑油供給装置158は、図4
示すように、クランクケース69におけるロアケース6
9bの下部に一体に固定されその内部に潤滑油Lを貯留
する前記オイルパン93と、潤滑油L中に浸漬されるオ
イルストレーナ208と、クランクケース69内に装着
されパイプ209を介してオイルストレーナ208に連
結された前記オイルポンプ186と、クランクケース6
9の前部に固定され油通路210を介してオイルポンプ
186に連結された前記オイルフィルタ159と、油通
路210の途中に設けられ潤滑油L中に浸漬されるオイ
ルリリーフバルブ211とを備えている。
【0036】また、前記オイルパン93には、オイルス
トレーナ208とオイルリリーフバルブ211との間
に、これらを区画するように上方へ向かって立ち上げら
れた立ち上がり壁が、その上端が後述するオイルパンガ
スケット220の突出部220bと接するように一体に
形成されている。この立ち上がり壁は、図7に示すよう
に、オイルリリーフバルブ211の配置位置のオイルス
トレーナ208側近傍に設けられたもので、これによ
り、オイルリリーフバルブ211から吐出されるオ イル
は、立ち上がり壁に沿って左右へ迂回するようになって
いる。つまり、この立ち上がり壁とオイルパン93内面
との間が、それぞれオイルを迂回させる迂回通路とされ
ている。
【0037】オイルポンプ186は、前述の如く前記メ
インシャフト168のオイルポンプドライブスプロケッ
ト184にチェーン185を介して連結されていて、エ
ンジン8の回転により作動し、潤滑油Lを、オイルスト
レーナ208から吸い上げてパイプ209から油通路2
10を経てオイルフィルタ159に送り込み、その後、
油通路212から変速機161(メインシャフト16
8、カウンタシャフト169、クラッチ機構174等)
へ、また、油通路212の途中から分岐するメインギャ
ラリ213を経てエンジン8(クランクシャフト10
1、ピストン97、各カムシャフト114,115等)
ヘ供給する。そして、潤滑作用を終えた潤滑油Lはオイ
ルパン93内に戻って貯留され、再び上記のような経路
で循環させられる。なお、エンジン8に供給される潤滑
油の一部は、図4に示すように、油通路214を介して
前記カムチェーンテンショナ125のピストンホルダ1
27内に供給されてピストン128を常時押圧するカム
チェーンテンショナ125の作動油として用いられるよ
うになっている。また、上記潤滑油は、オイルフィルタ
159を通過する際に、前記ウォータパイプ157を通
る冷却水により冷却されるようになっている。
【0038】この潤滑油Lの循環において、たとえばエ
ンジン8(クランクシャフト101)が高回転になるに
ともなって、圧送される潤滑油Lの油圧が高まりある一
定の油圧に達すると、前記オイルリリーフバルブ211
が作動して油通路210を通る潤滑油Lの適宜量がオイ
ルパン93内に戻され、それ以上油圧が上昇しないよう
調節されるようになっている。このオイルリリーフバル
ブ211は、油通路210内に連通し潤滑油Lの排出ロ
215aがその胴部に形成された有底円筒状の外筒21
5内に、スプリング216により付勢されることによっ
て通常は前記排出口215aを閉塞する内筒217が収
納されており、油通路210を通る潤滑油Lが前述のよ
うにある一定の油圧に達すると、この潤滑油Lによって
内筒217がスプリング216に抗して移動することに
より、排出口215aが開いてこの排出ロ215aから
潤滑油Lをオイルパン31内に排出する構成となってい
る。さて、オイルパン93とロアケース69bの互いの
接合面218,219の間には、これら接合面218,
219の間を密閉する本実施形態例に係るオイルパンガ
スケット220が介装されている。
【0039】このオイルパンガスケット220は、金属
製の薄板から成形されたものであって、図7に示すよう
に、各接合面218,219よりも幅広に形成され、各
接合面218,219に接する外周部(2点鎖線の外
側)220aの内側に、この外周部と一体に各接合面2
18,219に沿って前記オイルパン93の内方に向か
い適宜な長さ突出する突出部220bが形成されてな
り、各接合面218,219よりも幅広となっている。
突出部220bの幅は略均一であり、その内側である中
央部には開孔部220cが形成され、この開孔部220
cからオイルパン93内に潤滑油が戻るようになってい
る。そしてこのオイルパンガスケット220は、ロアケ
ース69bの接合面219に合わされた後オイルパン9
3の接合面218が合わせられ、ロアケース69bに捩
込まれるボルト221により、オイルパン93とともに
ロアケース69bに固定され、互いの接合面218,2
19の間を密閉している。なお、前記外周部220aに
は、ボルト221の通し孔222が等間隔をおいて複数
形成され、突出部220bの前記オイルリリーフバルブ
211に対応する箇所には、このオイルリリーフバルブ
211を通す孔223が形成されている。
【0040】上記オイルパンガスケット220によれ
ば、エンジン8が中・高回転で運転されても、潤滑を終
えた潤滑油Lは、開孔部220cを経て確実かつ速やか
にオイルパン93内に戻るから、常にオイルパン93内
に貯留される潤滑油Lは一定量保持される。また、エン
ジン8が中・高回転で運転され、クランクケース69の
内圧向上に伴い、オイルパン93に貯留する潤滑油がオ
イルパン93の内壁を伝って上昇しても、潤滑油Lはオ
イルパンガスケット220の突出部220bに当たって
それ以上の上昇が阻止され、オイル上がり現象が生じな
い。さらに、オイルパン93内に戻る潤滑油Lに含まれ
る気泡が突出部220bに当たってその大きさが小さく
なったりあるいは潰れてなくなる。これらの結果、エン
ジン8ならびに変速機161等に対して安定した潤滑油
の供給が図られる。
【0041】図8および図9は本発明の他の実施形態例
であって、このオイルパンガスケット224は、前記オ
イルパンガスケット220における開孔部220cの代
わりに、適宜大きさの丸い開孔部224cが多数形成さ
れているもので、これら開孔部224cは、外周部22
4aに連続する突出部224bの内側に斜めに沿って配
列され、その間には、残存部224dが残されている。
なお、オイルストレーナ208とオイルパン93を連結
するパイプ209に対応する箇所には、このパイプ20
9を通す孔225が形成されている。また、外周部22
4aにボルト通し孔226が、突出部224bにはオイ
ルリリーフバルブ211を通す孔227が形成されてい
るのは前記オイルパンガスケット220と同様である。
【0042】このようなオイルパンガスケット224に
よっても、先の実施形態例のオイルパンガスケット22
0と同様の効果が得られるのに加えて、車体の姿勢の変
化によりオイルパン93内の潤滑油Lの油面が上下動し
ても、開孔部224cの間の残存部224dによりその
上下動が抑制され潤滑油が安定して供給される。また、
オイルパン93に戻る潤滑油Lに空気が存在している場
合、残存部224dに当たることによりその空気が放出
されてから開孔部224cよりオイルパン93内に落下
していくようになり、オイルパン93内の潤滑油L中に
含まれる空気量の低減が図られる。なお、図10は上記
他の実施形態例の変形例を示し、この場合、オイルパン
93下面における各224cの周囲に、下向きの突条2
24eがオイルパン93と一体にそれぞれ設けられてい
る。これによれば、突条224eがリブの作用を果たし
てオイルパンガスケット224の強度が高まるととも
に、エンジン8が運転状態において、オイルパン93内
から跳ね上がる潤滑油Lの飛沫が突条224eに阻止さ
れ、オイルパンガスケット224の上方に戻りにくくな
る。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のエンジン
のオイルパンガスケットによれば、下記の効果を得るこ
とができる。 請求項1記載のエンジンのオイルパンガス
ケットによれば、クランクケースとオイルパンの互いの
接合面間に沿って前記オイルパン内方に適宜な長さ突出
する突出部をオイルパン全周に備えるとともに、この突
出部の内側である中央部に開孔部が形成されていること
を特徴とすることから、エンジンが中・高回転で運転さ
れても、潤滑を終えた潤滑油は、開孔部を経て確実かつ
速やかにオイルパン内に戻り、また、クランクケースの
内圧向上にともないオイルパン内の潤滑油がオイルパン
の壁面を伝わって上昇しても、突出部に当たってそれ以
上の上昇が阻止される。この結果、常にオイルパン内に
貯留される潤滑油は一定量保持され、エンジンならびに
変速機等に対して安定した潤滑油の供給が図られる。さ
らに、エンジン運転中に気泡を含んでオイルパン内に戻
る潤滑油は、突出部に当たることにより気泡がつぶれた
り、あるいはその大きさが小さくなってオイルパン内に
戻るようになり、もって、気泡の影響が少ない潤滑油が
供給される。また、オイルリリーフバルブから吐出した
オイルが立ち上がり壁によりオイルストレーナと区画さ
れるが、さらに、リリーフバルブ部分から立ち上がり壁
を立ち上がって越えようとしてもオイルパンガスケット
にぶつかり、乗り越えることがない。 つまり、オイル
は、立ち上がり壁を乗り越えてしまうと、その際に空気
の混入が懸念されるが、立ち上がり壁に沿って迂回され
るので、この間における空気等の混入を防ぐことができ
る。
【0044】請求項2記載のエンジンのオイルパンガス
ケットによれば、オイルリリーフバルブからオイルトレ
ーナの左右方向へ潤滑油を迂回させる迂回通路を設けた
ので、オイルを迂回通路を通して確実に迂回させること
ができる。
【0045】請求項3記載のエンジンのオイルパンガス
ケットによれば、オイルパンガスケットの上方に油通
路、メインギャラリ等を設けた構造であるので、コンパ
クト化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の一実施形態例が適用された自
動二輪車の全体側面図である。
【図2】 図2は本発明の一実施形態例が適用された自
動二輪車の全体正面図である。
【図3】 図3はエンジンの一部断面左側面図である。
【図4】 図4はエンジンの一部断面右側面図である。
【図5】 図5はエンジンの縦断面図である。
【図6】 図6はチェンジ機構の一部断面平面図であ
る。
【図7】 図7は図4のVII〜VII線矢視図である。
【図8】 図8は他の実施形態例の平面図である。
【図9】 図9は図8のIX〜IX線矢視図である。
【図10】 図10は他の実施形態例の変形例を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 自動二輪車 8 エンジン 69 クランクケース 93 オイルパン210,212 油通路 213 メインギャラリ 218 オイルパンの接合面 219 クランクケースの接合面 220,224 オイルパンガスケット 220b,224b 突出部 220c,224c 開孔部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01M 11/00 F02F 7/00 302

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンを構成するクランクケースとオ
    イルパンの互いの接合面間に介装されてこの接合面間を
    密閉するオイルパンガスケットにおいて、該オイルパン
    ガスケットは、前記接合面に沿って前記オイルパン内方
    に適宜な長さ突出する突出部をオイルパン全周にわたっ
    て備えるとともに、この突出部の内側である中央部に
    滑油戻し用とオイルストレーナ貫通用とを兼ねる開孔部
    が形成され、前記突出部に、潤滑油供給系の圧力が一定
    値以上になろうとするときに該潤滑油供給系から潤滑油
    を逃すオイルリリーフバルブを貫通させる貫通孔が形成
    され、前記オイルパンには、前記オイルリリーフバルブ
    とオイルストレーナとを区画する立ち上がり壁が一体に
    形成され、この立ち上がり壁の上端が、前記オイルパン
    ガスケットの突出部と接していることを特徴とするエン
    ジンのオイルパンガスケット。
  2. 【請求項2】 前記オイルリリーフバルブから前記オイ
    ルストレーナの左右方向へ潤滑油を迂回させる迂回通路
    が設けられていることを特徴とする請求項1記載のエン
    ジンのオイルパンガスケット。
  3. 【請求項3】 前記オイルリリーフバルブの取り付けら
    れるクランクケースに形成される油通路、メインギャラ
    リ等が前記オイルパンガスケットの上方に各々形成され
    ていることを特徴とする請求項1記載のエンジンのオイ
    ルパンガスケット。
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