JP3083286B2 - 内部熱交換型蒸留塔 - Google Patents

内部熱交換型蒸留塔

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JP3083286B2
JP3083286B2 JP10373622A JP37362298A JP3083286B2 JP 3083286 B2 JP3083286 B2 JP 3083286B2 JP 10373622 A JP10373622 A JP 10373622A JP 37362298 A JP37362298 A JP 37362298A JP 3083286 B2 JP3083286 B2 JP 3083286B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低圧塔と高圧塔を
備え、高圧塔(濃縮部)側から、低圧塔(回収部)側に
熱移動させることにより両者の間で熱交換を行う内部熱
交換型蒸留塔に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】省エネ
ルギー性に優れた蒸留塔として、低圧塔と高圧塔とを備
え、両者の間で熱交換を行うように構成され、他との熱
の授受を必要としない内部熱交換型の蒸留塔が知られて
いる。この内部熱交換型蒸留塔は、蒸留操作の省エネル
ギー化を進める見地からすれば、省エネルギーに最も忠
実な理論であることは、原理的にも当然であり、また、
学問上からも認められているところである。
【0003】また、内部熱交換型蒸留塔として、複数管
(場合によっては単管)を両端管板によって本体胴と連
結させることにより、本体胴の内部において、複数管の
管内と管外が隔離された構造とし、管内及び管外のそれ
ぞれに気液の出入口を設け、管内側と管外側の操作圧力
に差をつけることにより操作温度を異ならせ、複数管の
管壁を伝熱面として、高圧側から低圧側に熱移動させる
ことにより、高圧側を濃縮部、低圧側を回収部として一
つの蒸留塔を構成するようにした構造が提案されている
(特許第2694425号)。
【0004】ところで、上述の内部熱交換型蒸留塔にお
いては、蒸留塔内における濃縮部側から回収部側への熱
移動を十分に行わせることが極めて重要であるが、何ら
の処理も施されない管壁のままでは、満足のゆくほど十
分な熱移動が行われていない結果を示している。
【0005】本発明は、上記問題点を解決するものであ
り、蒸留塔内における濃縮部側から回収部側への熱移動
を効率よく行わせることが可能で、省エネルギー効果を
向上させることが可能な内部熱交換型蒸留塔を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】内部熱交換型蒸留塔にお
いて、濃縮部側から回収部側への熱移動を効率よく行わ
せるためには、濃縮部と回収部を隔てる複数管(場合に
よっては単管)の、回収部となる領域(管内又は管外)
の表面(回収部側管壁)を還流液により濡れた状態にし
ておくことが重要である。
【0007】蒸留塔内の回収部側には、それよりも高温
の濃縮部側から熱が移動するので、回収部側管壁は受熱
面となる。そして、この受熱面(回収部側管壁)に還流
液が存在することにより、受熱した熱量が液の蒸発に使
用され、受熱面で液が蒸発して上昇蒸気となり、効率よ
く蒸留作用が行われることになる。
【0008】しかし、液が回収部側管壁に存在しなけれ
ば、熱の移動は実質的に行われず、回収部側管壁が受熱
面(伝熱面)として有効に機能しなくなり、伝熱面積が
それだけ減少したのと同じことになる。その結果、内部
熱交換量が少なくなり、省エネルギー効果もそれだけ小
さくなる。
【0009】ところで、回収部側管壁に液が供給される
態様について考えると、その態様としては、塔頂から
還流液が回収部を降下する途中で回収部側管壁に移行
し、回収部側管壁を伝わって流下する、回収部が棚段
方式である場合には、棚段上のホールドアップ液が、そ
の中を通り過ぎる上昇蒸気によってバブリングし、その
際に生じた飛沫が飛び散って回収部側管壁に付着し、回
収部側管壁を伝わって流下するというような態様が考え
られる。
【0010】上記のように回収部が棚段方式である場
合には、バブリングの際に液が飛沫となって回収部側管
壁に飛び散り、液が十分に供給されることから、特に回
収部側管壁に十分に液を供給してその表面を濡らすため
に特別の方法を講じる必要はない。しかし、回収部を棚
段方式として所望の性能を備えた内部熱交換型蒸留塔を
構成することは、設計上や製作上、あるいは経済上など
の理由から、困難な場合も多く、棚段方式を採用でき
ず、充填塔方式などの他の方式としなければならない場
合が少なくない。
【0011】そこで、上記の態様で、回収部側管壁に
液を有効に供給することが必要となる。ここで充填塔を
例にとって考えると、塔頂において充填物に均等に配分
された還流液は、充填物の表面を流下する。そして、こ
の流下する液のうち、濃縮部から受熱して蒸発する液量
分だけが回収部側管壁に供給されることが重要であり、
その液量で回収部側管壁の全面を覆うことができた場合
に最大の省エネルギー効果を得ることができる。
【0012】しかし、上記の条件を満たすように還流液
を流下させることは事実上不可能であり、上記の条件に
どれだけ近付けるか重要になる。そこで、上記の、回収
部側管壁(受熱面)に供給されるべき液量について、さ
らに検討を行った。
【0013】回収部に充填物が充填されている場合、充
填物はその全面が還流液で完全に濡れており、かつ、還
流液は常に更新されて、上昇蒸気と気液接触することに
より蒸留分離が行われる。
【0014】また、回収部側管壁を濡らしている液は、
上昇蒸気と気液接触することから、ここでも蒸留が行わ
れるが、垂直な回収部側管壁での気液接触効率(蒸留効
率)は、気液接触効率を向上させるべく設計された充填
物表面上での気液接触効率に比べて低く、回収部側管壁
では充填物表面の20〜50%程度の気液接触効率しか
得ることができないと考えるのが妥当である。
【0015】したがって、蒸留効率(気液接触効率)を
向上させるためには、できるだけ多くの還流液を気液接
触効率(すなわち、蒸留効率)の高い充填物表面に供給
する一方、回収部側管壁に供給する液量は、乾き部分が
生じないだけの必要最小限とすることが望ましい。
【0016】なお、この回収部側管壁を濡らすための必
要最小限の液量を求めるために、一例として、ベンゼン
−トルエン系についてコンピュータシミュレーションを
行ったところ、次のような結果が得られた。 a)回収部塔頂での還流量(外部から回収部に供給され
る液量) 30 b)回収部塔底での缶出量(回収部から外部に排出され
る液量) 20 c)回収部側管壁で濃縮部から受熱して蒸発することが
望ましい液量 10 ここで、上記c)の濃縮部から受熱して蒸発することが
望ましい液量の、a)の回収部塔頂での還流量に対する
割合は大きいといえる。このc)の濃縮部から受熱して
蒸発することが望ましい液量が大きいことが、リボイラ
ーでの蒸発量を少なくすることにつながり、ひいては、
大きな省エネルギー効果が得られることにつながる。
【0017】なお、上記のコンピュータシミュレーショ
ンでは、c)の回収部側管壁で濃縮部から受熱して蒸発
することが望ましい液(液量)は、塔頂から塔底まで、
高さ方向の全区間にわたって充填物から回収部側管壁に
連続的に供給されることが前提となっている。
【0018】ところで、液が充填物の表面から垂直の回
収部側管壁に達し、かつ、1箇所に供給される液がある
量以上になると、その表面張力により液がある液幅をも
って回収部側管壁を流下して行く。その際、液の流下経
路が蛇行することはあるが、液幅はほとんど変化せず、
最初とほぼ同じ液幅で流下する。
【0019】また、液が充填物の表面から回収部側管壁
に移行する箇所(出発点)は、充填物と回収部側管壁と
が接触している箇所である。上記出発点は、充填物の大
きさが小さいものほど多くなり、通常、工業規模で用い
られる最も小さい15mm程度の不規則充填物で回収部側
管壁積1cm当たり0.5〜1.0箇所程度となる。
【0020】この回収部側管壁に液が移行する出発点は
回収部側管壁の周方向及び高さ方向の全面に均一に分散
していることが理想であるが、仮に出発点が均一に分散
していても、通常の充填塔では、出発点の数が不十分
で、出発点からの流下液で、回収部側管壁への所定の供
給液量を確保することは困難であるのが実情である。
【0021】上で検討したところを整理すると、回収部
側管壁の円周方向及び高さ方向の全面にかつ連続的に充
填物側から液を供給することが望ましく、また、その液
量は、できるだけ少なく、受熱して蒸発する液量に等し
い量であることが理想である。しかし、この液量はあく
まで理想であって、この液量では、回収部側管壁を常に
濡れた状態に保つことはできない。したがって、実際に
は、回収部側管壁上に充填物から移行する液量Lを、
望ましい蒸発量に相当する液量L+若干の過剰液量L
とすることが必要になり、この液量(L=L+L
)を確保することが内部熱交換型蒸留塔を実効あらし
めるための重要な要件となる。発明者等は、上述の知見
及び検討の結果を踏まえ、さらに実験、検討を行って本
発明を完成した。
【0022】すなわち、本発明の請求項1の内部熱交換
型蒸留塔は、単管又は複数管を両端管板によって本体胴
と連結させることにより、本体胴の内部において、単管
又は複数管の管内と管外が隔離された構造とし、管内及
び管外のそれぞれに気液の出入口を設け、管内側と管外
側の操作圧力に差をつけることにより操作温度を異なら
せ、単管又は複数管の管壁を伝熱面として、高圧側から
低圧側に熱移動させることにより、高圧側が濃縮部、低
圧側が回収部として機能するように構成された内部熱交
換型蒸留塔であって、回収部となる領域(管内又は管
外)には、気液接触用の充填物が充填されており、か
つ、前記充填物が充填された領域には、前記充填物の表
面を流下する還流液を受けて、回収部となる領域(管内
又は管外)の管壁(以下、「回収部側管壁」)近傍に導
く液移行部を備えた液移行促進治具が、所定の充填高さ
ごとに配設されていることを特徴としている。
【0023】回収部となる充填物が充填された領域に、
所定の充填高さごとに、還流液の回収部側管壁への移行
を促進するための液移行促進治具を配設することによ
り、回収部側管壁に還流液を導いて、回収部側管壁への
還流液の必要供給量を確保することが可能になり、省エ
ネルギー効果を向上させることが可能になる。
【0024】また、請求項2の内部熱交換型蒸留塔は、
前記液移行促進治具が、液を回収部側管壁に導く溝が形
成された複数の液移行部と、前記複数の液移行部により
液を所定の方向に導き、複数の箇所への液の移行を促進
することができるように、前記複数の液移行部を所定の
位置関係となるように保持、固定する連結部とを備え、
つ、各液移行部が、前記連結部に固定された基端側よ
りも先端側(自由端側)が低くなるような傾斜を有して
いることを特徴としている。
【0025】液移行促進治具として、液を導く溝が形成
された複数の液移行部と、複数の液移行部を連結する連
結部とを備え、液移行部が、連結部に固定された基端側
よりも先端側(自由端側)が低くなるような傾斜を有し
ている構成のものを用いることにより、還流液を効率よ
く回収部側管壁に導くことが可能になり、本発明を実効
あらしめることができる。
【0026】また、請求項3の内部熱交換型蒸留塔は、
前記液移行促進治具が、水平面上に置いた場合に、各液
移行部が水平面に対して5〜15゜の角度で傾斜するよ
うに構成されていることを特徴としている。
【0027】水平面上に置いた場合の液移行部の傾斜を
5〜15゜とすることにより、還流液を効率よく回収部
側管壁に導くことが可能になり、本発明をより実効あら
しめることができる。
【0028】また、請求項4の内部熱交換型蒸留塔は、
前記液移行促進治具が、各液移行部の先端部と回収部側
管壁との距離を、0〜20mmの範囲とすることが可能な
形状及び寸法に形成されていることを特徴としている。
【0029】液移行促進治具として、各液移行部の先端
部と回収部側管壁との水平距離を0〜20mmの範囲とす
ることが可能な形状及び寸法に形成されたものを用いる
ことにより、還流液をより確実に回収部側管壁に導くこ
とが可能になる。
【0030】また、請求項5の内部熱交換型蒸留塔は、
前記液移行促進治具が、充填高さ20〜50cmごとに配
設されていることを特徴としている。
【0031】液移行促進治具を、充填高さ20〜50cm
ごとに配設することにより、回収部側管壁の全面に均一
に還流液を供給することが可能になり、本発明をさらに
実効あらしめることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を示し
て、その特徴とするところを詳しく説明する。図1(a)
は本発明の一実施形態にかかる内部熱交換型蒸留塔を示
す正面断面図、図1(b)はそのb−b線断面図である。
また、図2は本発明の一実施形態にかかる内部熱交換型
蒸留塔の要部の構成を示す図、図3は、は本発明の一実
施形態にかかる内部熱交換型蒸留塔の要部の構成を示す
平面図である。
【0033】この内部熱交換型蒸留塔は、本体胴1と、
本体胴1内に挿入された複数管(以下、単に「管」とも
いう)25を両端管板(上側管板3a及び下側管板3
b)によって本体胴1と連結させることにより形成され
ている。そして、複数管25の管内(濃縮部)4と管外
(回収部)5は互いに隔離された構造を有しており、管
内4が高圧側の濃縮部となり、管外5が低圧側の回収部
となるように構成されている。そして、管内(濃縮部)
4には規則充填物が充填されており、管外(回収部)に
は不規則充填物が充填されている。なお、規則充填物及
び不規則充填物の種類には特に制約はなく、種々の充填
物を用いることが可能である。
【0034】また、本体胴1の上部には、管外(回収
部)5に液を供給するための回収部液入口6、管外(回
収部)5からの蒸気を抜き出す回収部蒸気出口7が配設
されており、上側管板3aより上側の、管内(濃縮部)
4と連通する端室14aには、管内(濃縮部)4に液を
供給するための濃縮部液入口8が配設され、また、管内
(濃縮部)4からの蒸気を抜き出す濃縮部蒸気出口9が
配設されている。
【0035】一方、本体胴1の下部には、管外(回収
部)5に蒸気を供給するための回収部蒸気入口10、管
外(回収部)5からの液を抜き出す回収部液出口11が
配設されており、下側管板3bより下側の、管内(濃縮
部)4と連通する端室14bには、管内(濃縮部)4に
蒸気を供給するための濃縮部蒸気入口12が配設され、
また、管内(濃縮部)4からの液を抜き出す濃縮部液出
口13が配設されている。
【0036】そして、この実施形態の内部熱交換型蒸留
塔においては、図2,図3に示すように、回収部(管
外)5の充填物が充填された領域30に、所定の充填高
さH(図2)ごとに、充填物の表面を流下する還流液を
導いて、還流液が回収部となる領域(管外)の管壁(回
収部側管壁)25aに移行することを促進するための液
移行促進治具20が配設されている。なお、この実施形
態では、液移行促進治具20が配設されている高さ方向
の間隔Hを20〜50cmとしている。また、この実施形
態では、回収部側管壁25aは、管25の外周面25a
及び本体胴1の内周面となるが、本体胴1の内周面は受
熱面とはならないので、特に還流液を供給するための配
慮を払う必要はない。
【0037】また、液移行促進治具20は、図4(a),
(b),(c)に示すように、還流液を受けるとともに、受
けた還流液を回収部側管壁25aに導く溝24(図4
(c))が形成された樋状の4つの液移行部21(21
a,21b,21c,21d)と、平面形状が円形で、
還流液を受けることができるような浅い状の連結部2
3から形成されており、4つの液移行部21(21a,
21b,21c,21d)は、連結部23の周囲に周方
向に90゜の間隔をおいて放射状に取り付けられ、固定
されている。そして、各液移行部21は、連結部23に
固定された基端部31よりも先端部(自由端部)32の
方が低くなるような傾斜を有している。また、液移行部
21は、幅W(図4(c))が5〜10mmで、厚み(高
さ)T(図4(c))が約4mmとなるように形成されてい
る。
【0038】また、液移行促進治具20は、図4(b)に
示すように、水平面上に置いた場合に、各液移行部21
が水平面Fに対しての所定の角度θ(5〜15゜)を持
つように形成されている。
【0039】また、液移行促進治具20は、各液移行部
21の先端部(自由端部)32と回収部側管壁25aと
の水平距離D(図2,図3)が3〜10mmとなるような
寸法に形成されており、かつ、配設する際に、3〜10
mmの水平距離Dを確保することができるような位置に配
設されている。ただし、液移行促進治具20の配設位置
が水平方向にずれて、各液移行部21の先端部(自由端
部)32と回収部側管壁25aとの水平距離Dが、例え
ば、0〜20mmとなっても、必要な液移行促進効果を得
ることができる。また、液移行促進治具20が多少傾い
ても、多数配設された液移行促進治具20全体として、
実質的に十分な液移行促進効果を得ることが可能であ
る。
【0040】上記のように構成された液移行促進治具2
0を用いた場合、桶状の連結部23に溜まった還流液が
液移行部21を経て、四方の回収部側管壁25a近傍に
分散されることにより、還流液の回収部側管壁25aへ
の液移行が促進されることになる。
【0041】なお、液移行促進治具20を配設するにあ
たっては、不規則充填物を管外に充填する際に、所定の
充填高さH(20〜50cm)ごとに、液移行促進治具2
0を充填物上に載せて行くことにより、回収部(管外)
5に、高さ方向に所定の間隔をおいて配設することがで
きる。
【0042】上記のように構成された内部熱交換型蒸留
塔においては、回収部(管外)5の充填物が充填された
領域30に、所定の充填高さH(20〜50cm)ごと
に、上述のように構成された液移行促進治具20を配設
するようにしているので、回収部側管壁25aに還流液
を確実に導いて、回収部側管壁25aへの還流液の必要
供給量を確保することが可能になり、省エネルギー効果
を向上させることができる。
【0043】なお、上記実施形態では、4つの液移行部
を、桶状の連結部に取り付けた構造の液移行促進治具を
用いた場合について説明したが、液移行促進治具の具体
的な構成はこれに限られるものではなく、3つ以下の液
移行部を備えた構成のものや、5つ以上の液移行部を備
えたものを用いることも可能である。また、液移行促進
治具の構成材料や、液移行促進治具を構成する液移行部
や連結部の構造や寸法などについても、上記実施形態に
限定されるものではなく、種々の応用、変形を加えるこ
とが可能である。
【0044】また、上記実施形態では、管外が回収部で
ある場合を例にとって説明したが、管内が回収部となる
ように構成された内部熱交換型蒸留塔にも適用すること
が可能であり、その場合にも上記実施形態の場合と同様
の効果を得ることが可能である。
【0045】本発明はさらにその他の点においても上記
実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲
内において、種々の応用、変形を加えることが可能であ
る。
【0046】
【発明の効果】上述のように、本発明の内部熱交換型蒸
留塔は、気液接触用の充填物が充填された回収部となる
領域に、所定の充填高さごとに、還流液の回収部側管壁
への移行を促進するための液移行促進治具を配設するよ
うにしているので、回収部側管壁に還流液を導いて、回
収部側管壁への還流液の必要供給量を確保することが可
能になり、省エネルギー効果を向上させることができ
る。
【0047】また、請求項2のように、液移行促進治具
として、液を回収部側管壁に導く溝が形成された複数の
液移行部と、複数の液移行部を所定の位置関係となるよ
うに保持、固定する連結部とを備え、液移行部が、連結
部に固定された基端側よりも先端側(自由端側)が低く
なるような傾斜を有する構成のものを用いた場合、還流
液を効率よく回収部側管壁に導くことが可能になり、本
発明を実効あらしめることができる。
【0048】また、請求項3のように、水平面上に置い
た場合の液移行部の傾斜角度を5〜15゜とした場合、
還流液を効率よく回収部側管壁に導くことが可能にな
り、本発明をより実効あらしめることができる。
【0049】また、請求項4のように、液移行促進治具
として、各液移行部の先端部と回収部側管壁との水平距
離を0〜20mmの範囲とすることが可能な形状及び寸法
に形成されたものを用いた場合、還流液をより確実に回
収部側管壁に導くことが可能になる。
【0050】また、請求項5のように、液移行促進治具
を、充填高さ20〜50cmごとに配設することにより、
回収部側管壁の全面に均一に還流液を供給することが可
能になり、本発明をさらに実効あらしめることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる内部熱交換型蒸留
塔を示す図であり、(a)は正面断面図、(b)は(a)のb
−b線断面図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる内部熱交換型蒸留
塔の要部の構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる内部熱交換型蒸留
塔の要部の構成を示す平面図である。
【図4】本発明の一実施形態において用いた液移行促進
治具を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、
(c)は(a)のc−c線断面図である。
【符号の説明】
1 本体胴 3a 上側管板 3b 下側管板 4 管内(濃縮部) 5 管外(回収部) 6 回収部液入口 7 回収部蒸気出口 8 濃縮部液入口 9 濃縮部蒸気出口 10 回収部蒸気入口 11 回収部液出口 12 濃縮部蒸気入口 13 濃縮部液出口 14a,14b 端室 20 液移行促進治具 21(21a,21b,21c,21d) 液移行部 23 連結部 24 溝 25 管(複数管) 25a 管の外周面(回収部側管壁) 30 回収部の充填物が充填された領域 31 液移行部の基端部 32 液移行部の先端部(自由端部) D 液移行部の先端部と回収部側管壁と
の水平距離 F 水平面 H 所定の充填高さ T 液移行部の厚み(高さ) W 液移行部の幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中西 俊成 兵庫県尼崎市杭瀬寺島2丁目1番2号 木村化工機株式会社内 (72)発明者 野田 秀夫 兵庫県尼崎市南七松町2丁目9番7号 関西化学機械製作株式會社内 (72)発明者 吉田 一史 東京都中央区八丁堀二丁目25番10号 丸 善石油化学株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−66601(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 3/32 B01D 3/26 - 3/28

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単管又は複数管を両端管板によって本体胴
    と連結させることにより、本体胴の内部において、単管
    又は複数管の管内と管外が隔離された構造とし、 管内及び管外のそれぞれに気液の出入口を設け、 管内側と管外側の操作圧力に差をつけることにより操作
    温度を異ならせ、 単管又は複数管の管壁を伝熱面として、高圧側から低圧
    側に熱移動させることにより、高圧側が濃縮部、低圧側
    が回収部として機能するように構成された内部熱交換型
    蒸留塔であって、 回収部となる領域(管内又は管外)には、気液接触用の
    充填物が充填されており、かつ、 前記充填物が充填された領域には、前記充填物の表面を
    流下する還流液を受けて、回収部となる領域(管内又は
    管外)の管壁(以下、「回収部側管壁」)近傍に導く液
    移行部を備えた液移行促進治具が、所定の充填高さごと
    配設されていることを特徴とする内部熱交換型蒸留
    塔。
  2. 【請求項2】前記液移行促進治具が、 液を回収部側管壁に導く溝が形成された複数の液移行部
    と、 前記複数の液移行部により液を所定の方向に導き、複数
    の箇所への液の移行を促進することができるように、前
    記複数の液移行部を所定の位置関係となるように保持、
    固定する連結部とを備え、かつ、 各液移行部が、前記連結部に固定された基端側よりも先
    端側(自由端側)が低くなるような傾斜を有しているこ
    とを特徴とする請求項1記載の内部熱交換型蒸留塔。
  3. 【請求項3】前記液移行促進治具が、水平面上に置いた
    場合に、各液移行部が水平面に対して5〜15゜の角度
    で傾斜するように構成されていることを特徴とする請求
    項2記載の内部熱交換型蒸留塔。
  4. 【請求項4】前記液移行促進治具が、各液移行部の先端
    部と回収部側管壁との水平距離を、0〜20mmの範囲と
    することが可能な形状及び寸法に形成されていることを
    特徴とする請求項2又は3記載の内部熱交換型蒸留塔。
  5. 【請求項5】前記液移行促進治具が、充填高さ20〜5
    0cmごとに配設されていることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれかに記載の内部熱交換型蒸留塔。
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