JP3145684B2 - 内部熱交換型蒸留塔 - Google Patents
内部熱交換型蒸留塔Info
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Description
備え、高圧塔(濃縮部)側から、低圧塔(回収部)側に
熱移動させることにより両者の間で熱交換を行う内部熱
交換型蒸留塔に関する。
ルギー性に優れた蒸留塔として、低圧塔と高圧塔とを備
え、両者の間で熱交換を行うように構成され、他との熱
の授受を必要としない内部熱交換型の蒸留塔が知られて
いる。この内部熱交換型蒸留塔は、蒸留操作の省エネル
ギー化を進める見地からすれば、省エネルギーに最も忠
実な理論であることは、原理的にも当然であり、また、
学問上からも認められているところである。
(場合によっては単管)を両端管板によって本体胴と連
結させることにより、本体胴の内部において、複数管の
管内と管外が隔離された構造とし、管内及び管外のそれ
ぞれに気液の出入口を設け、管内側と管外側の操作圧力
に差をつけることにより操作温度を異ならせ、複数管の
管壁を伝熱面として、高圧側から低圧側に熱移動させる
ことにより、高圧側を濃縮部、低圧側を回収部として一
つの蒸留塔を構成するようにした構造が提案されている
(特許第2694425号)。
いては、蒸留塔内における濃縮部側から回収部側への熱
移動を十分に行わせることが極めて重要であるが、何ら
の処理も施されない管壁のままでは、満足のゆくほど十
分な熱移動が行われていない結果を示している。
り、蒸留塔内における濃縮部側から回収部側への熱移動
を効率よく行わせることが可能で、省エネルギー効果を
向上させることが可能な内部熱交換型蒸留塔を提供する
ことを目的とする。
いて、濃縮部側から回収部側への熱移動を効率よく行わ
せるためには、濃縮部と回収部とを隔てる複数管(場合
によっては単管)の、回収部となる領域(管内又は管
外)の表面(回収部側管壁)を還流液により濡れた状態
にしておくことが重要である。蒸留塔内の回収部側に
は、それよりも高温の濃縮部側から熱が移動するので、
回収部側管壁は受熱面となる。そして、この受熱面(回
収部側管壁)に還流液が存在することにより、受熱した
熱量が液の蒸発に使用され、受熱面で液が蒸発して上昇
蒸気となり、効率よく蒸留作用が行われることになる。
ば、熱の移動は実質的に行われず、回収部側管壁が受熱
面(伝熱面)として有効に機能しなくなり、伝熱面積が
それだけ減少したのと同じことになる。その結果、内部
熱交換量が少なくなり、省エネルギー効果もそれだけ小
さくなる。
態様について考えると、その態様としては、塔頂から
還流液が回収部を降下する途中で回収部側管壁に移行
し、回収部側管壁を伝わって流下する、回収部が棚段
方式である場合には、棚段上のホールドアップ液が、そ
の中を通り過ぎる上昇蒸気によってバブリングし、その
際に生じた飛沫が飛び散って回収部側管壁に付着し、回
収部側管壁を伝わって流下するというような態様が考え
られる。
場合には、バブリングの際に液が飛沫となって回収部側
管壁に飛び散り、回収部側管壁を濡らすことから、特に
回収部側管壁に十分に液を供給してその表面を濡らすた
めに特別の方法を講じる必要はない。しかし、回収部を
棚段方式として所望の性能を備えた内部熱交換型蒸留塔
を構成することは、設計上や製作上、あるいは経済上な
どの理由から、困難な場合も多く、棚段方式を採用でき
ず、充填塔方式などの他の方式としなければならない場
合が少なくない。
液を有効に供給して、回収部側管壁を確実に濡らすこと
が必要となる。ここで充填塔を例にとって考えると、塔
頂において充填物に均等に配分された還流液は、充填物
の表面を流下する。そして、この流下する液のうち、 イ)濃縮部から受熱して蒸発する液量分だけが回収部側
管壁に供給され、かつ、 ロ)その液量で回収部側管壁の全面が覆われることが理
想的であり、そのときに最大の省エネルギー効果を得る
ことが可能になる。しかし、上記の条件を満たすように
還流液を流下させることは事実上不可能であり、上記の
条件にどれだけ近付けるかが重要になる。
面)に供給されるべき液量、及び上記ロ)のその液量で
回収部側管壁の全面を濡らす(覆う)ことについて、さ
らに検討を行った。
き液量について] 回収部に充填物が充填されている場合、充填物はその全
面が還流液で完全に濡れており、かつ、還流液は常に更
新されて、上昇蒸気と気液接触することにより蒸留分離
が行われる。
上昇蒸気と気液接触することから、ここでも蒸留が行わ
れるが、垂直な回収部側管壁での気液接触効率(蒸留効
率)は、気液接触効率を向上させるべく設計された充填
物表面上での気液接触効率に比べて低く、回収部側管壁
では充填物表面の20〜50%程度の気液接触効率しか
得ることができないと考えるのが妥当である。したがっ
て、蒸留効率(気液接触効率)を向上させるためには、
できるだけ多くの還流液を気液接触効率(すなわち、蒸
留効率)の高い充填物表面に供給する一方、回収部側管
壁に供給する液量は、乾き部分が生じないだけの必要最
小限とすることが望ましい。
要最小限の液量を求めるために、一例として、ベンゼン
−トルエン系についてコンピュータシミュレーションを
行ったところ、次のような結果が得られた。 a)回収部塔頂での還流量(外部から回収部に供給される液量) 30 b)回収部塔底での缶出量(回収部から外部に排出される液量) 20 c)回収部側管壁で濃縮部から受熱して蒸発することが望ましい液量 10 ここで、上記c)の濃縮部から受熱して蒸発することが
望ましい液量の、a)の回収部塔頂での還流量に対する
割合は大きいといえる。このc)の濃縮部から受熱して
蒸発することが望ましい液量が大きいことが、リボイラ
ーでの蒸発量を少なくすることにつながり、ひいては、
大きな省エネルギー効果が得られることにつながる。な
お、上記のコンピュータシミュレーションでは、c)の
回収部側管壁で濃縮部から受熱して蒸発することが望ま
しい液(液量)は、塔頂から塔底まで、高さ方向の全区
間にわたって充填物から回収部側管壁に連続的に供給さ
れることが前提となっている。
壁の全体を濡らすことについて] 上述のコンピュータシミュレーションから、充填物の表
面積と、回収部側管壁の面積の比率は、充填物20に対
して回収部側管壁1の比率となる。そこで、上記のコン
ピュータシミュレーションの一例から、回収部側管壁及
び充填物の表面積に供給されるべき液量について考えて
みると、上記c)の回収部側管壁で蒸発することが望ま
しい液量は10であるのに対して、上記b)の回収部か
ら外部に排出される液量(すなわち、塔底まで充填部内
にとどまり蒸留の働きをする液量)が20となってお
り、この割合からすれば、一見、回収部側管壁に供給さ
れた液により回収部側管壁全面を濡らすことは容易であ
るように考えられる。しかし、充填物表面を濡らして落
ちる液量20は、塔頂から塔底に至る過程で常に充填物
表面に存在する液であり、かつ、回収部側管壁表面の液
量10は、蒸発することが望まれる液量であって、仮に
理想的に、この10の液量が塔頂から塔底の間で均等に
回収部側管壁に時々刻々供給されてその瞬間瞬間は回収
部側管壁全面を濡らしたとしても、即座にすべて蒸発
し、次の瞬間瞬間では回収部側管壁は乾いた状態とな
る。すなわち、濡れている状態の液膜の極限の薄さは0
であり、それは乾いた状態でもある。この状態が蒸留効
率の最もよい条件ではあるが、あくまでも理論的なもの
であってこの状態を実現することはできない。したがっ
て、実際には、回収部側管壁上に充填物から移行する液
量を、望ましい蒸発量に相当する液量に、若干の過剰液
量を加えた液量とすることが必要となる。
側管壁の円周方向及び高さ方向の全面にかつ連続的に充
填物側から液を供給することが望ましく、また、その液
量は、できるだけ少なく、受熱して蒸発する液量に等し
い量であることが理想である。しかし、この液量はあく
まで理想であって、この液量では、回収部側管壁を常に
濡れた状態に保つことはできない。したがって、実際に
は、回収部側管壁上に充填物から移行する液量LTを、
望ましい蒸発量に相当する液量LI+若干の過剰液量L
Eとすることが必要になる。すなわち、LTがLIより
大きいことが回収部側管壁に乾き部分が生じないことの
大前提となる。
いて、さらに、回収部側管壁に移行した液が、回収部側
管壁を均等に濡らすような構成をとることが、上記の過
剰液量LEを少なくして、省エネルギー効果を大きくす
るためには重要になる。発明者等は、上述の知見及び検
討の結果を踏まえ、さらに実験、検討を行って本発明を
完成した。
型蒸留塔は、単管又は複数管を両端管板によって本体胴
と連結させることにより、本体胴の内部において、単管
又は複数管の管内と管外が隔離された構造とし、管内及
び管外のそれぞれに気液の出入口を設け、管内側と管外
側の操作圧力に差をつけることにより操作温度を異なら
せ、単管又は複数管の管壁を伝熱面として、高圧側から
低圧側に熱移動させることにより、高圧側が濃縮部、低
圧側が回収部として機能するように構成されており、か
つ、回収部となる領域(管内又は管外)の管壁(以下、
「回収部側管壁」)の略全面が還流液により濡らされ、
かつ、蒸発せずに回収部側管壁を流下して塔底にまで達
してしまう還流液量ができるだけ少なくなるように、回
収部側管壁に、略水平方向に、回収部側管壁を周回す
る、多数の掘り筋又は凸条が形成されていることを特徴
としている。
の周方向)に、回収部側管壁を周回する、多数の掘り筋
又は凸条を形成することにより、回収部側管壁を垂直方
向に流下する液が水平方向(周方向)にも広がるため、
液を回収部側管壁に効率よく分散させることが可能にな
り、液膜の厚みを薄くして少ない液量で回収部側管壁を
効率よく濡らすことが可能になる。なお、「略全面が還
流液により濡らされ、かつ、蒸発せずに回収部側管壁を
流下して塔底にまで達してしまう還流液量ができるだけ
少なくなるように」とは、回収部側管壁に乾き部分がほ
とんど形成されず、かつ、そのときの還流液量が、上述
のように、内部熱交換型蒸留塔において望ましい蒸発量
に相当する液量に近い量になるようにという意味であっ
て、その液量は、望ましい蒸発量に相当する液量に、若
干の過剰液量を加えた液量である。なお、望ましい還流
液の量は、具体的には、個々の内部熱交換型蒸留塔によ
り異なるが、本発明のように、「略全面が還流液により
濡らされ、かつ、蒸発せずに回収部側管壁を流下して塔
底にまで達してしまう還流液量ができるだけ少なくなる
ように」することにより、還流液量をほぼ望ましい量と
することが可能になる。すなわち、本発明において、回
収部側管壁に、回収部側管壁を周回する、多数の掘り筋
又は凸条を形成するようにしているのは、回収部側管壁
の表面積を大きくすることにより、伝熱面積を大きくす
ることを主たる目的とするものではなく、少ない還流液
で回収部側管壁の略全面が濡れるようにすることを主た
る目的とするものである。
前記回収部となる領域には充填物が充填されていること
を特徴としている。
を移行させることが必ずしも容易でないことは先に述べ
たが、本発明によれば、少ない液量で効率よく回収部側
管壁を濡らすことが可能になる。したがって、本発明は
回収部が充填塔である場合に特に有意義である。
前記回収部側管壁に形成された掘り筋が、サンドブラス
ト工法及びサンドグラインダ工法のいずれかの方法によ
り形成されたものであることを特徴としている。
工法を用いることにより、回収部側管壁に効率よく掘り
筋(溝)を形成することが可能であり、回収部側管壁を
液が垂直に流下する速度を低下させ、液を効率よく回収
部側管壁に分散させて液膜の厚みを薄くし、少ない液量
で効率よく回収部側管壁を濡らすことが可能になる。な
お、サンドブラスト工法またはサンドグラインダ工法を
用いた場合、回収部側管壁に細かい筋が多数形成され、
表面が粗れた状態となるため、液との親和性をより向上
させ、回収部側管壁を十分に液に濡れやすい状態とする
ことが可能になる。
前記サンドブラスト工法及び前記サンドグラインダ工法
のいずれかの方法により形成された掘り筋の深さ(山と
谷の高さの差)が、最大50μm以下、平均2〜10μm
であることを特徴としている。
ダ工法により掘り筋を形成する場合に、掘り筋の深さ
(山と谷の高さの差)を、最大で50μm以下、平均で
2〜10μmの範囲とすることにより、液が垂直に流下
する速度を低下させ、液を効率よく分散させて液膜の厚
みを薄くし、少ない液量で効率よく表面を濡らすことが
可能な回収部側管壁を確実に構成することができる。
前記回収部側管壁に形成された掘り筋が、機械加工によ
り形成された溝であることを特徴としている。
ラスト工法やサンドグラインダ工法に限らず、機械加工
により溝を形成するようにした場合にも、液が垂直に流
下する速度を低下させ、液を効率よく分散させて液膜の
厚みを薄くし、少ない液量で効率よく表面を濡らすこと
が可能な回収部側管壁を構成することができる。
前記機械加工により形成された掘り筋の深さが0.05
〜1mm、ピッチが0.05〜1mmであることを特徴とし
ている。
の深さ及びピッチを0.05〜1mmの範囲とすることに
より、少ない液量で効率よく表面を濡らすことが可能な
回収部側管壁を確実に構成することができる。
前記回収部側管壁に形成された凸条が、回収部側管壁に
接するように配設された線材から形成されていることを
特徴としている。
して略水平方向(周方向)に凸条を形成することによっ
ても、液が垂直に流下する速度を低下させ、液を効率よ
く分散させて液膜の厚みを薄くし、少ない液量で効率よ
く表面を濡らすことが可能な回収部側管壁を構成するこ
とができる。
前記線材の直径が1mm以下、線材の配設ピッチが10〜
30mmであることを特徴としている。
0〜30mmとすることにより、液が垂直に流下する速度
を低下させ、液を効率よく分散させて液膜の厚みを薄く
し、少ない液量で効率よく表面を濡らすことが可能な回
収部側管壁を確実に形成することができるようになり、
本発明を実効あらしめることができる。
て、その特徴とするところを詳しく説明する。
部熱交換型蒸留塔を示す正面断面図、図1(b)はそのb
−b線断面図である。
本体胴1内に挿入された複数管(以下、単に「管」とも
いう)25を両端管板(上側管板3a及び下側管板3
b)によって本体胴1と連結させることにより形成され
ている。そして、複数管25の管内(濃縮部)4と管外
(回収部)5は互いに隔離されており、管内4が高圧側
の濃縮部となり、管外5が低圧側の回収部となるように
構成されている。そして、管内(濃縮部)4には規則充
填物が充填されており、管外(回収部)5には不規則充
填物が充填されている。なお、規則充填物及び不規則充
填物の種類には特に制約はなく、種々の充填物を用いる
ことが可能である。
部)5に液を供給するための回収部液入口6、管外(回
収部)5からの蒸気を抜き出す回収部蒸気出口7が配設
されており、上側管板3aより上側の、管内(濃縮部)
4と連通する端室14aには、管内(濃縮部)4に液を
供給するための濃縮部液入口8が配設され、また、管内
(濃縮部)4からの蒸気を抜き出す濃縮部蒸気出口9が
配設されている。
部)5に蒸気を供給するための回収部蒸気入口10、管
外(回収部)5からの液を抜き出す回収部液出口11が
配設されており、下側管板3bより下側の、管内(濃縮
部)4と連通する端室14bには、管内(濃縮部)4に
蒸気を供給するための濃縮部蒸気入口12が配設され、
また、管内(濃縮部)4からの液を抜き出す濃縮部液出
口13が配設されている。
塔においては、図2,図3に示すように、管内4が濃縮
部となる管25の外周面(回収部側管壁)25aに、略
水平(周方向)に掘り筋(溝)20が形成されている。
この実施形態において、掘り筋(溝)20は、サンドブ
ラスト工法により形成されており、掘り筋(溝)20の
深さ(山と谷の高さの差)D(図3)は最大で50μm
以下、平均で約7μmとなるように加工されている。
(溝)20を形成することにより、回収部側管壁25a
を液が垂直に流下する速度を低下させ、液を効率よく回
収部側管壁25aに分散させて液膜の厚みを薄くし、少
ない液量で効率よく回収部側管壁25aを濡らすことが
可能になり、省エネルギー効果を向上させることができ
る。
0をサンドブラスト工法により形成した場合について説
明したが、サンドグラインダ工法により同様の掘り筋
(溝)20を形成することも可能である。なお、サンド
ブラスト工法またはサンドグラインダ工法を用いた場
合、回収部側管壁に細かい筋を多数形成して、表面を粗
れた状態とすることが可能になるため、液との親和性を
より向上させることができる。その結果、回収部側管壁
を十分に濡れやすくして、液の流下速度を約1/2以下
にすることが可能になる。
管壁25aに掘り筋(溝)20を形成した状態を示す図
である。図4に示すように、機械加工の方法により掘り
筋(溝)20を形成することによっても、サンドブラス
ト工法やサンドグラインダ工法により掘り筋(溝)20
を形成した場合と同様の効果を得ることができる。な
お、機械加工の方法により掘り筋(溝)20を形成する
場合、掘り筋(溝)20の深さD及びピッチPは、いず
れも0.05〜1mmとすることが望ましい。なお、図4
は、断面形状がV字状の溝が形成された状態を示してい
るが、溝の形状に特別の制約はなく、断面形状がU字
状、コ字状など種々の形状の溝を形成した場合にも、同
様の効果を得ることができる。
る内部熱交換型蒸留塔の回収部側管壁25aの構成を示
す図である。すなわち、この実施形態においては、回収
部側管壁25aに、略水平(周方向)に、断面形状が円
形で、直径dが1mm以下(例えば0.8mm)の線材(こ
こではステンレス製の針金)30をピッチPが20mmと
なるように螺旋状に配設することにより、回収部側管壁
25aに凸条31を形成している。
ることにより凸条31を形成した場合にも、回収部側管
壁25aを液が垂直に流下する速度を低下させ、液を効
率よく回収部側管壁25aに分散させて液膜の厚みを薄
くし、少ない液量で効率よく回収部側管壁25aを濡ら
すことが可能になる。なお、この実施形態では、線材3
0のピッチを20mmとしたが、線材30のピッチPに特
別の制約はない。しかし、通常10〜30mmとすること
が好ましい。
の線材を用いたが、断面形状が方形や三角形など種々の
形状の線材を用いて凸条を形成することも可能である。
また、機械加工により断面形状がコ字状の溝を形成し、
溝の形成されていない部分を凸条として機能させるよう
に構成することも可能である。
工法やサンドグラインダ工法と、機械加工を組み合わせ
て掘り筋(溝)を形成することも可能であり、また、さ
らに、掘り筋(溝)と凸条の両方を配設することも可能
である。
管外を回収部とした場合を例にとって説明したが、管外
が濃縮部、管内が回収部となるように構成することも可
能である。管内を回収部とする場合には、管の内周面が
回収部側管壁となるので、図6,図7に示すように、管
25の内周面25bに、略水平(周方向)に掘り筋
(溝)20を形成する(図6)か、あるいは線材30を
配設して凸条31を形成する(図7)ことになる。な
お、図6及び図7において、図2及び図5と同一符号を
付した部分は、同一又は相当部分を示している。
実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲
内において、種々の応用、変形を加えることが可能であ
る。
留塔は、回収部側管壁に、略水平方向(通常は、管の周
方向)に、回収部側管壁を周回する、多数の掘り筋又は
凸条が形成されているので、回収部側管壁を垂直方向に
流下する液が水平方向(周方向)にも広がり、液を回収
部側管壁に効率よく分散させて液膜の厚みを薄くするこ
とができる。したがって、少ない液量で回収部側管壁を
効率よく濡らすことが可能になり、省エネルギー効果を
向上させることができる。
分より少し多めの適切な液量を移行させることは必ずし
も容易ではないが、本発明によれば、少ない液量で効率
よく回収部側管壁を濡らすことが可能になる。したがっ
て、本発明は、回収部が充填塔である場合に特に有意義
である。
工法又はサンドグラインダ工法を用いることにより、効
率よく回収部側管壁に掘り筋を形成することが可能にな
り、本発明を実効あらしめることができる。なお、サン
ドブラスト工法またはサンドグラインダ工法を用いた場
合、回収部側管壁に細かい筋が多数形成され、表面が粗
れた状態となるため、液との親和性をさらに向上させ、
回収部側管壁を十分に液に濡れやすい状態とすることが
可能になる。
工法又はサンドグラインダ工法により掘り筋を形成する
にあたって、掘り筋の深さ(山と谷の高さの差)を、最
大で50μm以下、平均で2〜10μmとした場合、液が
垂直に流下する速度を低下させ、液を効率よく分散させ
て液膜の厚みを薄くし、少ない液量で効率よく表面を濡
らすことが可能な回収部側管壁を確実に構成することが
できる。
て掘り筋(溝)を形成した場合にも、液が垂直に流下す
る速度を低下させ、液を効率よく分散させて液膜の厚み
を薄くし、少ない液量で効率よく表面を濡らすことが可
能な回収部側管壁を形成することができる。
形成するにあたって、溝の深さ及びピッチを0.05〜
1mmの範囲とした場合、少ない液量で効率よく表面を濡
らすことが可能な回収部側管壁を確実に構成することが
できる。
接するように、線材を配設して略水平方向(周方向)に
凸条を形成することによっても、液が垂直に流下する速
度を低下させ、液を効率よく分散させて液膜の厚みを薄
くし、少ない液量で効率よく表面を濡らすことが可能な
回収部側管壁を構成することができる。
mm以下、線材のピッチを10〜30mmとすることによ
り、液が垂直に流下する速度を低下させ、液を効率よく
分散させて液膜の厚みを薄くし、少ない液量で効率よく
表面を濡らすことが可能な回収部側管壁を確実に形成す
ることができるようになり、本発明を実効あらしめるこ
とができる。
塔を示す図であり、(a)は正面断面図、(b)は(a)のb
−b線断面図である。
塔の要部の構成を示す図である。
塔の要部の構成を示す図である。
留塔の要部の構成を示す図である。
換型蒸留塔の要部の構成を示す図である。
換型蒸留塔の要部の構成を示す図である。
換型蒸留塔の要部の構成を示す図である。
Claims (8)
- 【請求項1】単管又は複数管を両端管板によって本体胴
と連結させることにより、本体胴の内部において、単管
又は複数管の管内と管外が隔離された構造とし、 管内及び管外のそれぞれに気液の出入口を設け、 管内側と管外側の操作圧力に差をつけることにより操作
温度を異ならせ、 単管又は複数管の管壁を伝熱面として、高圧側から低圧
側に熱移動させることにより、高圧側が濃縮部、低圧側
が回収部として機能するように構成されており、かつ、 回収部となる領域(管内又は管外)の管壁(以下、「回
収部側管壁」)の略全面が還流液により濡らされ、か
つ、蒸発せずに回収部側管壁を流下して塔底にまで達し
てしまう還流液量ができるだけ少なくなるように、回収
部側管壁に、略水平方向に、回収部側管壁を周回する、
多数の掘り筋又は凸条が形成されていることを特徴とす
る内部熱交換型蒸留塔。 - 【請求項2】前記回収部となる領域には充填物が充填さ
れていることを特徴とする請求項1記載の内部熱交換型
蒸留塔。 - 【請求項3】前記回収部側管壁に形成された掘り筋が、
サンドブラスト工法及びサンドグラインダ工法のいずれ
かの方法により形成されたものであることを特徴とする
請求項1又は2記載の内部熱交換型蒸留塔。 - 【請求項4】前記サンドブラスト工法及び前記サンドグ
ラインダ工法のいずれかの方法により形成された掘り筋
の深さ(山と谷の高さの差)が、最大50μm以下、平
均2〜10μmであることを特徴とする請求項3記載の
内部熱交換型蒸留塔。 - 【請求項5】前記回収部側管壁に形成された掘り筋が、
機械加工により形成されたものであることを特徴とする
請求項1又は2記載の内部熱交換型蒸留塔。 - 【請求項6】前記機械加工により形成された掘り筋の深
さが0.05〜1mm、ピッチが0.05〜1mmであるこ
とを特徴とする請求項5記載の内部熱交換型蒸留塔。 - 【請求項7】前記回収部側管壁に形成された凸条が、回
収部側管壁に接するように配設された線材から形成され
ていることを特徴とする請求項1又は2記載の内部熱交
換型蒸留塔。 - 【請求項8】前記線材の直径が1mm以下、線材の配設ピ
ッチが10〜30mmであることを特徴とする請求項7記
載の内部熱交換型蒸留塔。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37362198A JP3145684B2 (ja) | 1998-12-28 | 1998-12-28 | 内部熱交換型蒸留塔 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37362198A JP3145684B2 (ja) | 1998-12-28 | 1998-12-28 | 内部熱交換型蒸留塔 |
Publications (2)
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