JPS6331242B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、充填塔内での気液接触、横流トレ
イコラム、静止ミキサなどの装置のための改良し
たパツキング材料に関する。

化学処理装置は、屡々多くの液体支持表面を提
供するパツキング材料で充填された塔を備える。
その充填塔の上端に導入される液体は、薄膜とな
りパツキング材料の表面を下方に流れるようにな
る。ガス状蒸気は、充填塔の下端へ注入され、そ
して上記のパツキング材料の表面の液体薄膜と密
に接触しながら塔内を移動し、パツキング材料内
の空間を介して上昇するようになる。このような
液体と蒸気間の接触により、種々の作用たとえば
物質移動、化学反応、熱交換、スクラビングすな
わちデエントレインメント（deentrainment）を
行うことができる。

合理的な範囲のガス（蒸気）および液体生産
高、高い質量転移速度および低い圧力低下を提供
するパツキング材を開発するため、可成りの努力
がささげられた。通常ルーズリング、シリンダま
たはサドルで形成されるランダムパツキング材料
が用いられる。そして米国特許第3285587号明細
書に示されるように、充填塔の全横広さに拡大す
るさん孔された区分を有するパツキング材料が開
発された。

この発明と同じように、たとえば拡大金属の拡
張されたシート材の平行シートで形成されたパツ
キング材料を開発するため、若干の努力がなされ
た。そのようなシートは、金属の平坦な連続シー
トに、縦方向に整列したスリツトの食い違つた平
行な行を形成し、つぎに上記の連続シートを変形
してその穴と横方向に長くし、そしてスリツトを
あけてダイヤモンド状またはアーモンド状の穴を
作る。それらの穴は、角度的に交叉する行に配列
される。穴間の金属ストリツプは、パネル平面に
対して斜となり、そして起伏する形状をとるよう
になる。おのおののストリツプは、順次に配列さ
れた４つのセグメントを有するよう考えられ、そ
してそれらのセグメントのうち第１および第２の
セグメントが穴のエツジ部分を区画しかつ第２お
よび第４のセグメントは隣接するストリツプの反
対側のセグメントへ接続されるようになる。起伏
ストリツプのセグメントは一直線に整列して平行
な線形ストリツプの２つの交叉組を形成し、そし
てそれらの２つの交叉組は、上記の穴の角度的に
交叉する行の間に位置しかつそれらの交叉する行
を区画する。

英国特許明細書第427087号は、拡大金属シート
の積層体により形成されたスクラバを示し、そし
てそのスクラバは、順次のシートのダイヤモンド
状穴の短いほうの長さが下記のように方位づけさ
れた状態で垂直に配置されることが好ましい。す
なわち１枚のシートが、その短いメツシユを垂直
に、つぎのシートがその長いメツシユを垂直に、
そしてそのつぎのシートは反転され、その短いメ
ツシユが垂直に、またつぎのシートは反転され、
その長いメツシユが垂直になるような状態で垂直
に配置されることが好ましい。

英国特許明細書第977752号（1964年）は、拡大
金属シートの積層体が、交互に水平および垂直な
引張方向を有するようになる充填塔を示す。交互
の層のパネル平面は、他の層のパネル平面に対し
直角に位置決めされる。液体の小滴を垂直な中央
平面へ指向させるパネルが、それらの小滴を一そ
う充填塔へ進行させるようにパネルと隣接して配
置される。

英国特許明細書第734874号（1955年）は、拡大
金属シートの層より形成される塔パツキング材料
と関連し、そして上記の拡大金属シート層は、若
干巣ごもりそして１枚の層の傾斜ウエブが、隣接
する層の傾斜ウエブと反対になり、その結果一般
的にそれらの層と垂直に流れるガス（蒸気）にル
ーバ（屋根窓）効果を与えるようになる方位に決
められている。

上記の説明は、第１義に充填塔について記載し
たけれども、またこの発明は、米国特許第
4105723号明細書に示されたような横流トレイシ
ステム、米国特許第3286992号明細書に記載され
た様式のコンジツト接続静止形ミキサおよび他の
形式の装置と関連して有効に使用できるものであ
る。

この発明はまた、二重流トレイ装置に関し、そ
してその装置においては、液体および蒸気は、集
合的に全トレイ断面積の約40％程度の開放面積を
提供する同じ穴を介してそれぞれ下降および上昇
するようになつている。これまで大直径コラムの
二重トレイ形トレイは、その液体ペツドにおける
不安定のため不満足であることが分つた。

この発明によると拡大したシート材のシートが
積層され、そして相互にまたは液体流方向に対し
下記のように配置されている。すなわちパネルの
積層体を通過する液体が良好に分散され、蒸気と
の接触効率および混合すなわち合同が高められる
ように配置されている。ある点では、この発明
は、隣接するパネルが相互に平行に方位づけられ
ている線形ストリツプ組および相互に角度的に配
置された別の線形ストリツプ組を有するようにな
るパネル積層体を備えることを特徴とする。別の
点では、この発明は、所定パネルのそれぞれの線
形ストリツプがその所定パネルと隣接するパネル
の線形ストリツプと実質的に平行および実質的に
垂直の両様に位置するよう方位づけられているパ
ネル積層体を備えることを特徴とする。

この発明はまた、第１のパネルが、一方向に垂
直方向から所定角度だけ傾斜した一連の線形スト
リツプを有し、そしてその第１のパネルと隣接し
て存在する第２のパネルが、反対方向に垂直方向
から等角度だけ傾斜した一連の線形ストリツプを
有するように配置されたパネル積層体を備える。
さらにこの発明は、一般的に軸方向に移動する液
体の流路にパツキング材料を含む液体接触装置を
備え、そこでは第１のパネルは、一方向に軸方向
から所定角度だけ傾斜した一連の線形ストリツプ
を有し、そしてその第１のパネルと隣接する第２
のパネルは、反対方向に軸方向から等しい所定角
だけ傾斜した一連の線形ストリツプを有すること
を特徴とする。それらの線形ストリツプは、おの
おののパネルが相互に約90゜かつパツキング材料
を通る軸流方向に対し約40゜に位置ぎめられた一
連のストリツプを有するよう上記のパツキング材
料を通る液体の流路に対し方位づけられることが
好ましい。この軸流方向は、従来の充填コラムす
なわち充填塔における場合と同様の垂直であるこ
とが好ましい。

さらにまたこの発明は、横流形トレイ装置と関
連して用いられたときにこの発明の形式のパツキ
ング材により提供される改良事項に関する。

パツキング材料の特殊形状とは別に、この発明
は、二重流形トレイ装置の改良に関する。二重流
コラムすなわち二重流塔は、約40％程度の開放面
積を有する垂直に離隔した穴トレイを備える；そ
してすべての液体流およびすべての蒸気は、同じ
トレイ穴を介してそれぞれ下方および上方へ流れ
るようになる。そのようなコラムに関する改良
は、おのおのトレイ上の液体に浸められた液体接
触パツキング材を備えている。

この発明の代表的な実施例について添付図面を
参照して説明する。

第１図は、充填塔を示し、その充填塔は、垂直
円筒状シエル２および流体吸込パイプ４を備え、
そのパイプ４は液体を、この発明によるパツキン
グ材料の積層区分６へ均一に導入するスプレイヘ
ツド５または他の分配装置を有する。パツキング
材料を通過する間に、液体は蒸気吸込パイプ８に
よりシエル２の下端へ導入される上昇蒸気の分布
作用に接触されかつ従わされる。液体と蒸気とは
矢印１０で示す逆流垂直流路に従つてパツキング
材を軸方向に移動し、充填塔を通過したのち液体
は排流パイプ１２を介して、そして蒸気は、排気
パイプ１４を介してそれぞれ取り去られるように
なる。

充填塔内のパツキング材料のおのおのの区分６
は、パネル積層体から形成され、そしてそれらの
パネル積層体は、塔内の液体の軸流路と実質的に
平行に面を接した垂直配置に配列されている。お
のおののパネルは、適当な長さおよび方位を有
し、そのため区分６は円筒形状を有し充填塔と嵌
合される。おのおのの区分６は、約10.16ないし
15.24センチメートル（約４ないし６インチ）の
高さを有する。チヤネリングの可能性を低減する
ため、隣接する区分のパネルは相互に曲げられ、
その結果交さする垂直平面に位置するようにな
る。このような好ましくは垂直配置により、１つ
の区分６から開放される何等かのシート様液流
は、それがつぎの区分６でそう遇するパツキング
材の機械的形状と適合することはない。

おのおののパネルは、一連の拡大したシート材
であり、好ましくは鋼または他の金属で形成され
る。第２図に示すように、そのようなシートは、
一連の斜に起伏するストリツプより形成され、そ
してそれらのストリツプは離隔した位置で相互接
続され、その間に穴１６を形成するようになる。
４枚の代表的なパネルの小部分が第２図に示され
ており、そこでは上記のように起伏する１枚のス
トリツプは、２つのＡ−Ａ線の間に位置してい
る。おのおのの起伏ストリツプは、順次に配列さ
れたセグメントａ，ｂ，ｃ，ｄの順次に配列され
た組を有し、そしてそのうちのセグメントｂとｄ
とは、隣接する起伏ストリツプへ接続される。パ
ネルはダイス型セツトにより、セグメントａ，
ｄ，ｃからセグメントａ，ｂ，ｃをせん断し、つ
いで引抜くことにより製造される。この製造工程
中、セグメントｄは若干引抜かれ、セグメントｂ
に対し小さい角度を形成するようになる。セグメ
ントａとｃとは、パネル平面で測定して相互に鈍
角にあり、そしてセグメントｂとｄとの暴露エツ
ジ部分と一体で穴１６のエツジ部分を区画する。
その穴１６はそれぞれＢ−Ｂ線およびＣ−Ｃ線の
間に位置する交さ行に配列される。穴１６のこれ
らの行の間にかつそれらと平行に線形ストリツプ
１８および２０の組が配置され、そしてそれらの
ストリツプ組はそれぞれＢ−ＢおよびＣ−Ｃ交さ
線に沿つて延長する。ストリツプ１８は、セグメ
ントａ，ｂ，ｄより形成される：そしてストリツ
プ２０は、セグメントｂ，ｃ，ｄより形成され
る。おのおのパネル上で、すべてのストリツプ１
８は相互に平行であり、同様にすべてのストリツ
プ２０も平行である。

第２図の４枚のパネルは、参照符号２２，２
４，２６，２８で示される。代表的なパネル方位
では、すべてのパネルの線形ストリツプ１８は、
相互に水平に平行でかつ軸方向の液体流路に対し
垂直である。隣接するパネルの線形ストリツプ２
０は、実質的に相互に垂直であり、そして垂直の
軸方向液体流路に対し両側に等しく約45゜に傾斜
した位置にある。

第２図および第３図に示されるように、セグメ
ントａ，ｂ，ｃ，ｄの表面は、垂直軸方向液体流
路に対し傾斜している。第３図に示されるよう
に、隣接するパネルの上記の表面は、それぞれの
パネルの平面に対し反対方向に傾斜している。第
３図で明らかなように、パネル２２および２６
は、上昇蒸気を右方へ偏向させかつパネル２４お
よび２８は上昇蒸気を左方へ偏向させ、その結果
上記の蒸気は、隣接するパネルの対面する区域へ
横に分散されるようになる。第２図から理解でき
るように、蒸気の速度ペクトルはまた、パネルと
平行に測定した反対成分を有し、そして第２図に
おいては、パネル２２および２６のセグメントａ
およびｃは、上昇蒸気を右方へ偏向する；そして
パネル２４および２８のセグメントａおよびｃ
は、上昇蒸気を右方へ偏向する。第２図の利点か
ら見て、パネル２２および２６はまた、上昇蒸気
を目視者から遠ざけるほうへ偏向しかつパネル２
４および２６は、上昇蒸気を目視者のほうへ偏向
させることである。

セグメントｂおよびｄのエツジ部分は、パネル
の反対面から突起する。製造ダイス型の形状およ
び動作のため、セグメントｂにより形成される突
起部分は、セグメントｄにより形成される突起部
分より若干高い。これらの離隔した突起部分は一
直線に整列しパネルの反対面に沿つてリツジ（屋
根）を形成するようになる。この形式の１次リツ
ジすなわち最大の谷−対−頂高さを示すリツジ
は、それぞれのパネルのＡ−Ａ線と平行に配置さ
れる。またＢ−Ｂ線およびＣ−Ｃ線に沿つて観察
されるように、突起部分は、より低い高さの２次
リツジを形成するように配置される。

第４図は、第２図における４−４区分線に沿つ
て起伏ストリツプと平行に見たときの組立られた
パネル２２，２４，２６，２８のプロフイルを示
す。おのおののパネルの反対側のリツジは、等高
ではなく、セグメントｄのエツジ部分により形成
される稜部即ちリツジが、セグメントｂのエツジ
部分により形成されるリツジより一そう平坦であ
ることが分る。パツキング材料を組立てたとき、
Ａ−Ａ線と平行な１次リツジは、隣接するパネル
の対応するリツジと実質的に垂直に方位づけられ
る。これらのリツジ配置のため、パネルは、それ
らを一体に結合したとき相互に滑動しないようさ
れ勝ちである。１つのパネルのＣ−Ｃ線と平行な
２次リツジは、隣接するパネルの対応する２次リ
ツジと平行でかつそれらの間に突起するようにな
る。

相互に対面するセグメントｄを有する２つのパ
ネルのおのおのは、相互に対面するセグメントｂ
を有する２つのパネルより密に一体に位置する。
このため、液体および蒸気は、進んでセグメント
ｂにより提供されるより大きい空間を占有できる
ようになつたが、この効果は、蒸気をセグメント
ｄが相互に接触するより狭いパネル間空間へ指向
させるよう方位づけられたセグメントａおよびｃ
により妨害されるかもしれない。液体も、より狭
い空間を好む可能性があつたが、その理由は、液
体がより大きい表面−対−容積比を提供するから
である。パツキング材料のそれぞれの区分におい
て不要のチヤネリング効果を経験するときは、そ
れらの区分の高さを低減することにより、避ける
ことができるようになる。

約１ミリメートル厚さのシートよりなる１枚の
適当な拡大した金属パネルは、全体で約５ミリメ
ートルの厚さを有した。起伏ストリツプは幅約
3.5ミリメートルであつた。それらのストリツプ
間の穴１６は、約８ミリメートル離隔した；そし
て個々の穴は、約23ミリメートルの長さおよび約
８ミリメートルの幅を有した。穴１６の長さまた
は線形ストリツプ１８，２０の幅のいづれか、好
ましくは線形ストリツプ１８，２０の幅を変化さ
せてパツキング材料単位容積あたりの表面積を変
化し、異なつたシステムへ適用自在とすることも
できる。

充填塔における改良したパツキング材料の純効
果は、下記のことである。すなわち隣接するパネ
ルの液体は、反対の相互に垂直な斜め方向に下方
へ向い移動する傾向にあり、そして上昇蒸気は反
対の相互に垂直な斜め方向に上方へ向い移動する
傾向にあることである。隣接するパネルからの蒸
気は、第２図に関するベージに対し、反対の左／
右の成分および反対の内／外の成分を有する。こ
のことは第５図に示され、そしてそこでは下降液
体の膜は、矢印３０の方向へパネルと平行に流れ
ようとし、そして矢印３０の方向は、第２図に示
される線形ストリツプ２０の方位により確立され
るものである。上昇蒸気は、パネルの傾斜表面を
叩き、そして矢印３２の方向へ偏向されるように
なる。第５図の利点から見て、蒸気は、パネル２
２および２６により右側へ後方に偏向されかつパ
ネル２４および２６により左側へ前方へ偏向され
る。この交互の蒸気偏向パターンのため乱れおよ
びせん断効果を伴う横分散が発生し、その結果液
体および蒸気間の界面接触が強められるようにな
る。

この発明によるパツキング材料は、上記記載の
垂直充填塔のほかに種々の流体接触システムと関
連して有効に用いることができる。たとえば、そ
れはミツクス（Mix）氏ほかの発明にかかる米国
特許第3887665号明細書に記載されたプレートメ
ツシユ２６およびデエントレインメントメツシユ
３０と置き換えることができる。；またはこのパ
ツキング材料は、ミツクス氏の発明にかかる米国
特許第4105723号明細書に記載された細胞状材料
４０の代りに衝突形の蒸気−液体セパレータとし
て役立つようになる。上記の２つの特許明細書は
両方とも、参考文献としてこの明細書に記載し
た。この性質の想像構成体は、第６図および第７
図に示され、そしてその図によると、穴またはふ
るいトレイ形の横流トレイ３６を有する垂直塔３
４が示される。図示のトレイ３６は横穴を有し、
そして同様にこの明細書で参考文献として用いた
米国特許第3463464号明細書に従つて構成されて
いる。液体は、トレイの一端でダウンカマ３８に
よりおのおののトレイ３６の一方の側面へ導入さ
れる。液体は、トレイを横切つて流れ、そのとき
トレイの穴を介して上方へ移動する蒸気の作用を
受ける。おのおののトレイからの液体は、トレイ
の他端で溢流堰を超え装置のつぎの段階のダウン
カマ３８へ放出されるようになる。第６図および
第７図において、第２図ないし第５図のパツキン
グ材料の区分４０は、液体のなかでトレイ３６上
に位置し、そして上記のパツキング材料の別の区
分４２は、液体の上方に離隔し、衝突形のデイエ
ントレイメントバツフルとして作用する。微細な
液体水滴は、バツフル４２へ付着して合体し、そ
して蒸気と一緒に上方にあるつぎのトレイの液体
へ注入される代りに大きい水滴として落下するよ
うになる。

パツキング材料の区分４０および４２は、トレ
イの両端にわたり水平液体流と平行に位置する垂
直パネルより形成される。これらのパネルは、第
２図に示すように方位され、すなわち線形ストリ
ツプ１８は、軸方向の液体流方向と平行になるよ
う水平に方位されかつ線形ストリツプ２０は垂直
に対し約45゜の傾斜に位置づけられる隣接するパ
ネルの線形ストリツプ２０は、相互に垂直であ
る。同様にパネルを液体流または蒸気流の方向に
対し垂直または鋭角に方位づけすることも可能で
ある。

第８図および第９図は、工業界において二重流
トレイと称せられるトレイを備えた充填塔内のパ
ツキング材料を示す。“二重流”は、周知の米国
組織である分留研究所（Fractional Research
Incorporated）により作り出された名前であり、
ダウンカムなしに逆流蒸気−液体流様式に動作す
るさん孔されたトレイを示す。ターボグリツド
（Turbogrid）トレイ、リツプル（Ripple）トレ
イおよびキトル（Kittel）トレイとして周知の適
正な装置は、種々の形式の穴を有しそして同じ原
理により動作する。上記のトレイのうちリツプル
トレイおよびキトルトレイは、それぞれ米国特許
第2767967号明細書および米国特許第2568749号明
細書の主題であり、そして上記の明細書は、この
明細書において参考文献として用いられている。

現行の二重流形充填塔は、堰またはダウンカマ
のない垂直方向に離隔した穴を有するトレイを備
えた円筒状コラムよりなる。液体および蒸気は、
加圧され多量にそれぞれコラムの上端および下端
へ導入され、その結果それらはトレイの同じ穴を
通つてそれぞれ下方および上方へ流れるようにな
る。これらの形式の装置は、これまでトレイを備
えたいづれのパツキング材料にも用いられなかつ
た。

小直径コラムの二重流形トレイ装置は、良好な
効率および容量効果を齎らした。しかしながら大
直径コラムにおいては、上記のトレイ装置は、不
安定であると報告された。この不安定性は、トレ
イをわたり横方向に伝搬しかつコラム壁からの反
射波により強化される圧力波に依るものであつ
た。この波動作用の結果直接に水滴のしたたりが
局地化されかつ蒸気−液体接触が弱められる。ま
た二重トレイは、高蒸気／液体容積比を有するシ
ステムにおいて好成果を与えないことが報告され
た。

この発明によると、パツキング材料は、二重コ
ラムのトレイの上部表面へ近接するかまたはトレ
イ上方に密接して配置される。パツキング材料
は、第１図および第２図に示す形式のものが好ま
しいが、この明細書で上記に記載したような別の
周知のパツキング材料を用いても差支えない。こ
れに関連してこの発明による装置は、パツキング
材料のため垂直に離隔した支持体を有する現行の
充填塔とは全く異なることを強調しておきたい。
現行の充填塔では、パツキング材料支持体の投影
面積は、最小化され、そこでコラムの全内部水平
断面積の90％以上の開放面積を有することが多
い。しかしながら二重流トレイにおいては、ふる
い穴面積は、約40％程度であり、そして最適ふる
い穴面積は約30％である。

第８図および第９図に示されるように、コラム
すなわち充填塔５０には、従来の垂直に離隔した
二重流トレイ５２が提供され、そのトレイ５２
は、約40％程度、好ましくは約30％の開放面積を
提供する穴５４を有する。コラム５０は、液体お
よび蒸気を導入しかつ除去するため、第１図に示
すものと同じような手段を有し、そして液体は、
コラム５０の上方部分へ導入されるので、その液
体の実質的にすべては、トレイ５２の穴５４を介
して重力的に下方に流れるようになる。蒸気はコ
ラム５０の下方部分へ導入され、その結果その蒸
気のすべては、上記の液体が貫流する同じ穴を介
して上方へ流れるようになる。圧力または流速ま
たはその両方は、下記のレベルに調整されかつ設
定される。すなわちおのおののトレイ上の液体ベ
ツドが、上方のトレイの下方に離隔されるように
なるレベルに調整されかつ設定される。おのおの
のトレイ上の液体は、上昇蒸気の作用を受け、そ
してこの作用の間に、液体は、上昇蒸気に逆流し
てトレイ穴を介してしたたり落ちるようになる。

パツキング材料５６は、おのおののトレイの上
部表面上またはその近くに配置され、そしてそこ
でトレイに支持される液体ベツドに部分的または
完全に浸される。おのおののトレイ上の代表的な
パツキング材料は、第２図に示すように２つの区
分よりなり、そしてそれらのそれぞれのパネル
は、垂直に交さする垂直平面に位置ぎめられる。
おのおのの二重流トレイ５２上の液体ベツドは、
バツキング材料５６に配置されかつそれにより安
定化される。横波作用は抑制され、そのためたと
え大直径の充填塔においてさえ、二重流システム
は満足にかつ安定に動作できるようになる。デエ
ントレイメント装置として動作できるパツキング
材の別の区分５８を、下方のトレイ上の液体の上
方位置で、おのおののトレイの下方に位置ぎめす
ることもできる。

この技術分野において通常の知織を有するもの
にとつて、この発明のパツキング材料が多くの形
式をとりうることは明らかであり、従つてこの発
明は記載の実施例に限定されるものでなく、この
発明の要旨の範囲内で変形および改良を行なうこ
とが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明によるパツキング材料の積
層区分を含む充填塔を示す模式図である。第２図
は、上記の積層区分内の４枚の順次のパネルの小
セグメントの分解斜視図で、それらのパネルのそ
れぞれの方位を示すものである。第３図は、第２
図の３−３線から見た断面図で、標準使用中にパ
ネルが占有する相互に接触する積層関係から若干
離隔したパネル状態を示すものである。第４図
は、第２図の４−４線から見た断面図で、パネル
の標準の相互に接触する積層関係から若干離隔し
た状態を示すものである。第５図は、第２図ない
し第４図のパネルにより発生される液体流および
蒸気流の代表的な方向を図式的に示すものであ
る。第６図は、横流トレイ装置におけるパツキン
グ材料を示し、そしてそこでは、パツキング材料
のある区分は、トレイデツキの液体内に位置しか
つ他の区分は蒸気流路のつぎのトレイの下方に位
置し、そのため合同装置またはデエントレインメ
ント装置として作用するようになつている。第７
図は、第６図の７−７線から見た断面図である。
第８図は、安定化のためパツキング材料がおのお
のトレイ上の液体ベツドに配置されるようになつ
ている二重流トレイシステムの部分の垂直断面図
である。第９図は、第８図の９−９線から見た水
平断面図である。 ２……充填塔シエル、４……液体吸込パイプ、
６……パツキング材の積層区分、８……蒸気吸込
パイプ、１２……排流パイプ、１４……排気パイ
プ、１６……穴、１８，２０……線形ストリツ
プ、２２，２４，２６，２８……４枚のパネル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 直立していて平行なシート状材料のパネルの
   積層体からなるパツキング材料と、液体が前記パ
   ネルの重力方向下方に流れるように前記パネルの
   上方部分において、そのパネル上に液体を分配す
   る装置と、パツキングを通過して垂直方向上方に
   ガスを移動せしめる装置とを備え、そのガスの移
   動方向はパネル平面と平行であり、パネルに保持
   されている液体と接触するために前記ガスはパネ
   ルの間を移動し、各パネルは複数の波状のストリ
   ツプで形成され、その波状のストリツプはそれ等
   の間に開放穴を形成するために間隔を空けた位置
   において接続されており、前記開放穴は相互に交
   差する複数の列となるように配列されており、前
   記波状のストリツプのセグメントは前記パネルの
   各々において２組の交差している直線状ストリツ
   プを形成し、その直線状ストリツプはそれ等の
   個々のパネルを横切つて延在しており、前記直線
   状ストリツプの組は前記開放穴の列の間で両方向
   に傾斜して延在しており、第１の前記パネルは１
   組の前記直線状ストリツプを有し、その１組の直
   線状ストリツプは垂直面から或方向へ90゜より小
   さい一定の角度にて傾斜しており、そして前記第
   １のパネルに隣接した第２のパネルは１組の前記
   直線状ストリツプを有し、その１組の直線状スト
   リツプは垂直面から反対方向へ90゜より小さい前
   記一定の角度にて傾斜しており、直線状ストリツ
   プの両方向の傾斜は隣接するパネル上の液体が両
   方向の傾斜方向の下方へ流れることを生ぜしめる
   ように作用し、その両方向の傾斜方向は直線状ス
   トリツプの配置によつて設定されており、そして
   前記パネルの各々は直線状ストリツプのその他の
   組を有しており、直線状ストリツプのその他の組
   は前記の流れの方向に対して実質的に直角な方向
   にてそのパネルを横切つていることを特徴とする
   流体接触装置。 ２ 前記パネルは各々が前記直線状ストリツプの
   組を有しており、その直線状ストリツプの組はそ
   のパネルを横断して横方向に延在しており且つ隣
   接するパネルの直線状ストリツプの組と実質的に
   平行な方向にて延在している特許請求の範囲第１
   項記載の流体接触装置。 ３ 前記パネルの両面において間隔を空けて平行
   に配置された稜部を形成するために直線状ストリ
   ツプの前記平行な組はそれぞれのパネルの面から
   突出しており、前記１つのパネルの稜部は隣接す
   るパネルの稜部の間から突出している特許請求の
   範囲第１項記載の流体接触装置。 ４ 前記パネルの付加的な積層体と組合されてお
   り、１つの積層体における前記パネルは隣接する
   積層体におけるパネルに対して曲つており、交差
   面内に存するようになつている特許請求の範囲第
   １項記載の流体接触装置。 ５ 隣接するパネル上の前記直線状ストリツプは
   それぞれのパネルの平面に対して両方向に傾斜し
   た表面を有している特許請求の範囲第１項記載の
   流体接触装置。 ６ 一定の角度は約45度である特許請求の範囲第
   １項記載の流体接触装置。 ７ 前記波状のストリツプはそれぞれのパネルの
   平面に対して傾いた表面を有しており、隣接した
   前記パネルは軸流方向に対して両方向に傾いてい
   る波状のストリツプを有しており、液体を前記パ
   ネルの平面に対して両方向へ変位させるようにな
   つている特許請求の範囲第１項記載の流体接触装
   置。