JP3083160B2 - 機械部品の加工方法 - Google Patents

機械部品の加工方法

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JP3083160B2 JP40766490A JP40766490A JP3083160B2 JP 3083160 B2 JP3083160 B2 JP 3083160B2 JP 40766490 A JP40766490 A JP 40766490A JP 40766490 A JP40766490 A JP 40766490A JP 3083160 B2 JP3083160 B2 JP 3083160B2
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忠義 ▲吉▼岡
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、各種機械部品の表面
を処理する加工方法、更に詳しくは、転がり面や滑り面
を有する機械部品の長寿命化を図ることができる加工方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】転がり面や滑り面を有する比較的小さな
機械部品として、例えばころ軸受における転動体を例示
することができる。
【0003】ところで、ころ軸受における転動体は、軌
道輪に対する転がり面及び滑り面を有するため、転動体
の長寿命化を図るには、転がり面及び滑り面に油膜を形
成して潤滑性を向上させる必要がある。
【0004】ころ軸受における転動体の寿命は、転がり
面及びすべり面の表面粗さが重要な因子であることは良
く知られており、従来、転がり面及び滑り面の表面仕上
げをできるだけ滑らかな面にするのがよいと考えられて
いた。
【0005】このため、従来の転動体に対する表面仕上
げの加工方法は、先ず転動体の表面を研磨加工によって
表面粗さを1s程度に前処理し、次に回転バレルを用い
て表面粗さが0.5s程度になるよう磨き処理し、最後に
再度回転バレルを用いて磨き仕上処理を行ない、転動体
の表面を0.3s程度の超仕上げ面に仕上げるようにして
いた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、転動体
の表面を超仕上げ面にすると、相手軌道輪の仕上げ面状
況(特に粗面の場合)によっては、表面の油膜形成が不
十分となり、転動体の表面や軌道面に摩耗やピーリング
損傷が発生するという問題がある。
【0007】そこでこの発明は、ころ軸受転動体の転動
疲労寿命を向上させるための試行錯誤を繰り返すなか
で、転動面の仕上がりを良くしなくても長寿命に効果の
あることを見い出し、主に転がり面やすべり面を有する
機械部品に対して、表面をランダムな微小粗面に形成す
ることによって油膜形成が有利に行なえ、相手面の面粗
さの良否の何れに対しても長寿命の機械部品を加工する
ことができる加工方法を提供することを課題としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
するため、の発明は、前工程で所定の表面に処理した
機械部品の表面を遠心流動バレル研磨法により荒加工し
てランダムな凹凸を作り、この後バレル研磨法機械部
に仕上処理をして荒加工面から凸部を除去する構成を
採用したものである。
【0009】
【作用】前工程で所定の表面に処理した機械部品を、先
ず遠心流動バレル研磨法によりチップを用いて表面処理
し、表面にランダムな凹凸を形成した荒加工を施す。
【0010】次に、荒加工後の機械部品に対し、バレル
研磨法によって表面仕上処理を施し、表面の凸部を除去
することにより、表面に独立した微小なくぼみを無数に
ランダムに形成し、これによって表面の油膜形成率が向
上し、表面のピーリング損傷や摩耗の発生がなく、機械
部品の長寿命化を図ることができる。
【0011】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。
【0012】図1は、機械部品の一例として、ころ軸受
の転動体1を示しており、外輪2の内周軌道3に沿って
多数が円状に配置され、保持器4によって一定間隔に保
持されている。
【0013】上記転動体1の表面処理を行なう加工方法
は、図4に示すように、研磨による前処理工程11と、
回転バレル研磨機を用いる磨き工程12と、遠心流動体
バレル研磨機を用いる荒加工工程13と、回転バレル研
磨機もしくは遠心流動バレル研磨機を用いる仕上工程1
4とを順次経ると共に、最後に乾燥と選別15が行なわ
れる。
【0014】先ず、前処理工程11は、センターレス研
削盤を用い、転動体1の表面を1s程度に加工する。
【0015】次に、磨き工程12は、図2に示すような
回転バレル研磨機21を用い、転動体1の前処理工程1
1による研磨目を削り取り、表面を0.5s程度に加工す
る。
【0016】回転バレル研磨機21は、多角形の研磨槽
22内に、所定量の転動体1と研磨剤23、コンパウン
ド24、水25を投入し、研磨槽22に所定の回転を与
えることによりマス面に流動層26を生じさせ、転動体
1と研磨剤23の相対運動差によるフリー圧接で、転動
体1の表面を磨き加工する。
【0017】荒加工工程13に用いる遠心流動バレル研
磨機31は、図3に示すように、ターレット円板32の
周囲で回転軸芯の同心円上に複数の研磨槽33を取付
け、この研磨槽33に公転と自転を与えるようになって
いる。
【0018】この遠心流動バレル研磨機31を用いて荒
加工を行なうには、研磨槽33内に所定量の転動体とチ
ップ(成形研磨石)、研磨剤、コンパウンド、水及び防
錆剤等を投入し、研磨槽33に遊星運動を行なわせて遠
心力を与えれば流動層34が生じ、遠心力による圧力と
強制流動とによって研磨作用を行ない、転動体1の表面
にランダムな凹凸を作って2〜4s程度に加工する。
【0019】このように、転動体1の表面にランダムな
凹凸を作るには、遠心流動バレル研磨機31の使用が最
も重要である。
【0020】即ち、微小な切刃を持つ研磨石を用いたチ
ップと砥粒を用いた研磨剤とは、転動体1の表面に凹凸
をつけると共に余分な研摩目を取り、チップは研磨剤に
力を与えると同時に転動体どうしの緩衝材として働き、
コンパウンドは水を軟化して泡立て緩衝と研摩力の向上
及び防錆を行ない、水は緩衝と洗浄及び潤滑を行ない、
これらと研磨槽33の高速回転による遊星運動によって
均一な凹凸を形成することができる。
【0021】なお、荒加工工程13において、転動体1
が直径4mm以上の大径の場合、チップが転動体1どうし
の衝突にる傷の発生を防ぐ緩衝材の役目をするが、転動
体1の径が4mm以下の小径の場合は、転動体1のマスが
小さいため衝突傷の発生はなく、従って遠心流動バレル
研磨機31を用いた荒加工工程13でチップの使用を省
くことができる。
【0022】このように、チップの使用を省くと、荒加
工工程13後における転動体1とチップの選別作業が不
要となる。
【0023】次に、仕上工程14は、回転バレル研磨機
21又は遠心流動バレル研磨機31の何れを用いてもよ
く、研磨槽22又は33内に、荒加工後の転動体1と
水、油、防錆剤等の液体及び助長材としての摩き研摩材
を投入し、遠心流動バレル研磨機31の場合は、これら
にチップ、コンパウンドを入れ、転動体1の荒仕上面に
おける凸部を削り取り、転動体1の表面を1〜2s程度
に仕上げる。
【0024】ちなみに、荒加工工程13及び仕上工程1
4の具体的な加工条件の一例を表1に示す。なお、両工
程とも遠心流動バレルを使用した。
【0025】
【表1】
【0026】なお、上記した加工方法において、図4に
示した磨き工程12を省略しても仕上工程14後には前
記したと同じ表面仕上げが得られる。
【0027】図5は、この発明の加工方法によって得ら
れた転動体の仕上面状況を示し、仕上面は1〜2sの独
立したランダムなマイナスの微小粗面になっている。
【0028】次に、表面を0.3sに磨き仕上げした従来
の転動体と、この発明の加工方法によって表面をマイナ
スの1〜2sに仕上げた転動体とを用いて形成したニー
ドル軸受に対し、相手軸の面粗さを変えて行なった寿命
試験の結果を説明する。
【0029】寿命試験に用いたニードル軸受は、図6に
示すように、外径Dr=38mm、内径dr=28mm、転動体
の直径D=5mm、長さL=13mmで、14本の転動体を用
いた保持器付の軸受である。
【0030】また、試験装置は、図7に概略図で示した
ようなラジアル荷重試験機41を使用し、回転軸42の
両側に試験軸受Aを取付け、回転と荷重を与えて試験を
行なうものである。
【0031】試験に用いたインナーレース(相手軸)の
仕上は研削仕上のRmax 0.4〜4μmである。アウター
レース(外輪)はRmax 1.6μmで何れの場合も共通で
ある。
【0032】また、試験条件は以下の通りである。 軸受ラジアル荷重 1465Kgf 回転数 3050rpm 潤滑剤 タービン油 上記の条件で各試験軸受に対して行なった転動体寿命試
験の各相手面毎の結果を図8乃至図10に示す。
【0033】上記のような試験結果から明らかなよう
に、従来の転動体を用いた試験軸受A1 に比べ、この発
明の転動体を用いた試験軸受A2 は相手軸面粗さのいか
んにかかわらず全て長寿命を示した。また、上仕上面と
粗面の転動のとき上仕上面側にピーリング損傷が見られ
ることが多いが、この発明の試験軸受A2 には認められ
なかった。
【0034】一般に油膜パラメータと油膜形成率には図
11に示す関係があり、寿命の観点からも油膜パラメー
タは大きい方が良いと言われているが、寿命試験結果か
らも明らかな通り、一概にΛだけでは説明できない。
【0035】針状ころ仕上面の油膜形成状況の確認及び
耐ピーリング性について、2円筒の試験機を用いて、自
由転がり条件下で、上記した本発明の加工を施した試験
軸受及び従来の試験軸受を用いて加速ピーリング試験を
行なった。油膜形成状況の確認は、直流通電方式により
行なった。 試験条件 最大接触面圧 227kgf/mm 周速 4.2m/sec(2000r
pm) 潤滑剤 タービン油(試験条件で10cst
) 繰り返し負荷回数 4.8×105(4hr) この試験による油膜の形成率は、図12と図13に示す
通りであり、本発明の加工を施した試験軸受の仕上面の
油膜形成率は、従来の試験軸受に比較して運転開始時で
20%程度油膜形成率が向上した。また、繰り返し負荷回
数1.2×105 でほぼ完全に油膜を形成することが確認さ
れた。
【0036】更に、従来の試験軸受の仕上面では、長さ
0.1mm程度のピーリングの発生、進展が多数認められる
のに対し、本発明の加工を施した試験軸受の仕上面て
は、損傷は認められなかった。
【0037】なお、この発明の加工方法によって表面処
理を施す機械部品はころ軸受の転動体を例示したがこれ
に何ら限定されるものではなく、転がりや滑りを生じる
面を有するもの、例えば各種軸受の内外輪やボール、カ
ム等であってもよい。
【0038】また、この発明の加工方法は、遠心流動バ
レル研摩の採用により、加工物の表面に対して加工硬化
が生じ、表面の加工硬化による耐衝撃性、耐摩耗性が得
られ、この面からも長寿命化が得られることになる。
【0039】
【効果】以上のように、この発明によると、所定の表面
に処理した機械部品の表面を遠心流動バレル研磨法によ
り荒加工してランダムな凹凸を作り、この後バレル研磨
機械部品に仕上処理をして荒加工面から凸部を除去
するようにしたので、機械部品の表面をランダムな凹部
だけの面に加工することができ、機械部品の転がり面や
滑り面に対して油膜形成に有利な表面処理を簡単に能率
よく施すことができ、相手面が粗面でも仕上面の良い相
手面に対しても長寿命の機械部品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の加工方法を施す機械部品の断面図
【図2】回転バレル研磨法の説明図
【図3】遠心流動バレル研磨法の説明
【図4】加工方法の工程を示すブロック図
【図5】加工表面の断面粗さ形状を示す拡大断面図
【図6】寿命試験に用いたニードル軸受の断面図
【図7】寿命試験装置の概略図
【図8】寿命試験の結果を示すグラフ
【図9】寿命試験の結果を示すグラフ
【図10】寿命試験の結果を示すグラフ
【図11】油圧パラメータと油膜形成率を示す関係図
【図12】従来のニードル軸受における油膜形成率を示
すグラフ
【図13】この発明の加工施したニードル軸受における
油膜形成率を示すグラフ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24B 31/02,31/033 F16C 33/32,33/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前工程で所定の表面に処理した機械部品
    の表面を遠心流動バレル研磨法により荒加工してランダ
    ムな凹凸を作り、この後バレル研磨法機械部品に仕上
    処理をして荒加工面から凸部を除去することを特徴とす
    る機械部品の加工方法。
JP40766490A 1990-12-27 1990-12-27 機械部品の加工方法 Expired - Lifetime JP3083160B2 (ja)

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WO2016133211A1 (ja) * 2015-02-20 2016-08-25 Ntn株式会社 窒化珪素ころ、窒化珪素ころの製造方法、および窒化珪素ころの検査方法

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