JPH07156060A - 動圧軸受の加工方法 - Google Patents
動圧軸受の加工方法Info
- Publication number
- JPH07156060A JPH07156060A JP30000293A JP30000293A JPH07156060A JP H07156060 A JPH07156060 A JP H07156060A JP 30000293 A JP30000293 A JP 30000293A JP 30000293 A JP30000293 A JP 30000293A JP H07156060 A JPH07156060 A JP H07156060A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dynamic pressure
- bearing
- abrasive grains
- processing
- groove
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
- Sliding-Contact Bearings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 動圧軸受に残存する砥粒や尖鋭なエッジ部の
存在による摩耗を減少させ、動圧軸受の耐久性を向上さ
せることである。 【構成】 動圧軸受の軸受面1に動圧溝2を形成したの
ち、その仕上げ加工としてバレル加工を施し、これによ
り砥粒を用いることなく、動圧溝2の尖鋭なエッジ部を
除去するようにしたものである。
存在による摩耗を減少させ、動圧軸受の耐久性を向上さ
せることである。 【構成】 動圧軸受の軸受面1に動圧溝2を形成したの
ち、その仕上げ加工としてバレル加工を施し、これによ
り砥粒を用いることなく、動圧溝2の尖鋭なエッジ部を
除去するようにしたものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高速スピンドル等に
使用される動圧軸受の加工方法に関するものである。
使用される動圧軸受の加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レーザミラープリンタやディスクメモリ
装置等の情報機器、その他の高速回転機器に用いられる
動圧軸受は、シャフト外周の軸受面に動圧溝を形成した
ものである。
装置等の情報機器、その他の高速回転機器に用いられる
動圧軸受は、シャフト外周の軸受面に動圧溝を形成した
ものである。
【0003】上記動圧軸受を加工するに際し、従来は溝
加工、表面処理、表面加工等を施した後の仕上げ加工に
おいて、ラップ仕上げや超仕上げ等の砥粒を用いた仕上
げ加工が行われていた。
加工、表面処理、表面加工等を施した後の仕上げ加工に
おいて、ラップ仕上げや超仕上げ等の砥粒を用いた仕上
げ加工が行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ラップ仕上げや超仕上
げによって動圧軸受を仕上げた場合、加工する軸の表面
材質又は砥粒の種類等を十分検討しないと、両者の組合
せの如何によっては固い砥粒が軸表面に埋め込まれるこ
とがある。また、仕上げ加工後の洗浄時に充分注意しな
いと、加工中に脱落した砥粒が動圧溝内に残ることがあ
る。
げによって動圧軸受を仕上げた場合、加工する軸の表面
材質又は砥粒の種類等を十分検討しないと、両者の組合
せの如何によっては固い砥粒が軸表面に埋め込まれるこ
とがある。また、仕上げ加工後の洗浄時に充分注意しな
いと、加工中に脱落した砥粒が動圧溝内に残ることがあ
る。
【0005】動圧軸受は、起動時や停止時にスリーブに
接触しつつ相対回転するので、その際に前記の砥粒が軸
受面とスリーブとの間に介在すると軸受面の摩耗を促進
させる。これにより、動圧軸受の寿命が短くなり、また
摩耗粉がクリーンルーム等の環境を汚染する原因にもな
る。
接触しつつ相対回転するので、その際に前記の砥粒が軸
受面とスリーブとの間に介在すると軸受面の摩耗を促進
させる。これにより、動圧軸受の寿命が短くなり、また
摩耗粉がクリーンルーム等の環境を汚染する原因にもな
る。
【0006】このような不都合を無くするためには全数
検査が必要となるが、砥粒は非常に微細であるので、検
査に手間がかかりすぎる問題がある。
検査が必要となるが、砥粒は非常に微細であるので、検
査に手間がかかりすぎる問題がある。
【0007】また、前記のラップ仕上げや超仕上げを行
った場合、動圧溝のエッジ部は尖鋭なまま残存するの
で、動圧軸受とスリーブとの接触時に上記エッジ部によ
り摩耗が促進されるという問題もある。
った場合、動圧溝のエッジ部は尖鋭なまま残存するの
で、動圧軸受とスリーブとの接触時に上記エッジ部によ
り摩耗が促進されるという問題もある。
【0008】そこで、この発明は動圧軸受の仕上げ加工
において、砥粒を用いることなく、かつ動圧溝の尖鋭な
エッジ部を除去して動圧軸受の耐久性を向上することを
課題とする。
において、砥粒を用いることなく、かつ動圧溝の尖鋭な
エッジ部を除去して動圧軸受の耐久性を向上することを
課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明は動圧軸受の仕上げ加工としてバレル加
工を施し、これにより動圧溝の尖鋭エッジ部を除去し、
かつ軸受面の残留砥粒を無くするようにした。
めに、この発明は動圧軸受の仕上げ加工としてバレル加
工を施し、これにより動圧溝の尖鋭エッジ部を除去し、
かつ軸受面の残留砥粒を無くするようにした。
【0010】
【作用】上記のバレル加工は、砥粒を用いないため、砥
粒に基因する問題点が解消される。また動圧溝の尖鋭な
エッジ部が無くなり、軸受面の残留砥粒も無くなるた
め、動圧軸受とスリーブとの接触回転時の接触応力を緩
和し摩耗を減少させる。
粒に基因する問題点が解消される。また動圧溝の尖鋭な
エッジ部が無くなり、軸受面の残留砥粒も無くなるた
め、動圧軸受とスリーブとの接触回転時の接触応力を緩
和し摩耗を減少させる。
【0011】
【実施例】図1(a)は、軸受面1に動圧溝2を形成す
ると共に、メッキ加工、表面加工等を完了したのちの仕
上げ加工として、従来どおり超仕上げを施した場合の動
圧溝の近辺の拡大図である。動圧溝2の両側には尖鋭な
エッジ部3が存在する。
ると共に、メッキ加工、表面加工等を完了したのちの仕
上げ加工として、従来どおり超仕上げを施した場合の動
圧溝の近辺の拡大図である。動圧溝2の両側には尖鋭な
エッジ部3が存在する。
【0012】図1(b)は、この発明の加工方法により
製作したものであり、従来の場合と同様に、軸受面1に
動圧溝2を形成すると共に、メッキ加工、表面加工等を
行う。その後の仕上げ加工としてバレル加工を施す。こ
れにより動圧溝2のエッジ部3’は丸味が付き、尖鋭な
エッジ部が除去される。
製作したものであり、従来の場合と同様に、軸受面1に
動圧溝2を形成すると共に、メッキ加工、表面加工等を
行う。その後の仕上げ加工としてバレル加工を施す。こ
れにより動圧溝2のエッジ部3’は丸味が付き、尖鋭な
エッジ部が除去される。
【0013】表1にGC砥石を用いて超仕上げした従来
例と、本発明の場合のSiCの残存状態を電子顕微鏡で
観察した結果を示す。試料は3本であり、仕上げ工程以
外は同じ工程により製作したものである。観察箇所は1
本につき270箇所である。
例と、本発明の場合のSiCの残存状態を電子顕微鏡で
観察した結果を示す。試料は3本であり、仕上げ工程以
外は同じ工程により製作したものである。観察箇所は1
本につき270箇所である。
【0014】
【表1】
【0015】超仕上げにより仕上げたもの(従来例)
は、SiC砥粒が1本当り平均して270箇所中6箇所
見られたが、バレル加工により仕上げたもの(本発明)
はどれにも見られなかった。
は、SiC砥粒が1本当り平均して270箇所中6箇所
見られたが、バレル加工により仕上げたもの(本発明)
はどれにも見られなかった。
【0016】次に、ラップ仕上げを施した試料9本と、
GC砥石を使用して超仕上げを施した試料3本及びバレ
ル加工を施して仕上げた試料9本について耐久試験を行
った。耐久試験方法は、荷重140gを掛けたスリーブ
中で動圧軸を216rpmで回転させ、両者が共回りを
起こすまでの経過時間を測定した。その結果を図2の
(a)(b)(c)に示す。(a)図がラップ仕上げ
(従来例)、(b)図が超仕上げ(従来例)、(c)図
がバレル加工による仕上げ(本発明)によるものであ
る。
GC砥石を使用して超仕上げを施した試料3本及びバレ
ル加工を施して仕上げた試料9本について耐久試験を行
った。耐久試験方法は、荷重140gを掛けたスリーブ
中で動圧軸を216rpmで回転させ、両者が共回りを
起こすまでの経過時間を測定した。その結果を図2の
(a)(b)(c)に示す。(a)図がラップ仕上げ
(従来例)、(b)図が超仕上げ(従来例)、(c)図
がバレル加工による仕上げ(本発明)によるものであ
る。
【0017】上記の測定結果によると、バレル加工によ
り仕上げを施した本発明の場合が、平均で111分であ
り最も長く、ラップ仕上げによるものが同じく52分、
超仕上げによるものが28分であり、2倍以上の優位性
が認められた。
り仕上げを施した本発明の場合が、平均で111分であ
り最も長く、ラップ仕上げによるものが同じく52分、
超仕上げによるものが28分であり、2倍以上の優位性
が認められた。
【0018】以上は動圧溝を軸の外周面に形成した動圧
軸受について説明したが、スリーブの内周面に動圧溝を
形成したタイプの動圧軸受についても同様のことがいえ
る。
軸受について説明したが、スリーブの内周面に動圧溝を
形成したタイプの動圧軸受についても同様のことがいえ
る。
【0019】
【発明の効果】以上のように、この発明は動圧軸受の仕
上げ加工としてバレル加工を施すことにより、摩耗粉の
減少により動圧軸受の長寿命化が達成することができ、
また使用環境の汚染防止にも役立つ効果がある。
上げ加工としてバレル加工を施すことにより、摩耗粉の
減少により動圧軸受の長寿命化が達成することができ、
また使用環境の汚染防止にも役立つ効果がある。
【図1】(a)超仕上げを施した従来例の溝部近辺の拡
大断面図 (b)バレル加工により仕上げを施した本発明の場合の
溝部近辺の拡大断面図
大断面図 (b)バレル加工により仕上げを施した本発明の場合の
溝部近辺の拡大断面図
【図2】(a)ラップ仕上げを施した場合の耐久試験の
試験結果図 (b)超仕上げを施した場合の耐久試験の試験結果図 (c)バレル加工を施した場合の耐久試験の試験結果図
試験結果図 (b)超仕上げを施した場合の耐久試験の試験結果図 (c)バレル加工を施した場合の耐久試験の試験結果図
1 軸受面 2 動圧溝 3、3’ エッジ部
Claims (1)
- 【請求項1】 軸受面に動圧溝を形成してなる動圧軸受
の加工方法において、上記動圧軸受の仕上げ加工として
バレル加工を施し、これにより動圧溝の尖鋭なエッジ部
を除去し、かつ軸受面の残留砥粒を無くすることを特徴
とする動圧軸受の加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30000293A JPH07156060A (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | 動圧軸受の加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30000293A JPH07156060A (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | 動圧軸受の加工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07156060A true JPH07156060A (ja) | 1995-06-20 |
Family
ID=17879552
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30000293A Pending JPH07156060A (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | 動圧軸受の加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07156060A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6200035B1 (en) | 1998-09-10 | 2001-03-13 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Hydrodynamic gas bearing structure |
WO2007083491A1 (ja) * | 2006-01-19 | 2007-07-26 | Ntn Corporation | 動圧軸受装置用軸部材 |
JP2007192320A (ja) * | 2006-01-19 | 2007-08-02 | Ntn Corp | 動圧軸受装置用軸部材 |
JP2007198400A (ja) * | 2006-01-23 | 2007-08-09 | Ntn Corp | 動圧軸受装置用軸部材 |
-
1993
- 1993-11-30 JP JP30000293A patent/JPH07156060A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6200035B1 (en) | 1998-09-10 | 2001-03-13 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Hydrodynamic gas bearing structure |
WO2007083491A1 (ja) * | 2006-01-19 | 2007-07-26 | Ntn Corporation | 動圧軸受装置用軸部材 |
JP2007192320A (ja) * | 2006-01-19 | 2007-08-02 | Ntn Corp | 動圧軸受装置用軸部材 |
US8104963B2 (en) | 2006-01-19 | 2012-01-31 | Ntn Corporation | Shaft member for fluid dynamic bearing device |
US8366322B2 (en) | 2006-01-19 | 2013-02-05 | Ntn Corporation | Shaft member for fluid dynamic bearing device |
JP2007198400A (ja) * | 2006-01-23 | 2007-08-09 | Ntn Corp | 動圧軸受装置用軸部材 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20031216 |