JP3082815U - 袋状をなす海鞘の中肉の内部に食材を充填させてなる食品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 海鞘の入手が容易な三陸地方の地方色を備え
た食品になることから、当該地方の飲食店での提供品と
して、或いは直ちに食することのできるお持ち帰り品と
して好適な食品を提供することを目的とする。 【解決手段】 海鞘の単体の付け根を切断して開口部を
形成すると共に該開口部から海鞘の中肉を取り出して糞
を除去してなる袋状をなす海鞘の中肉を加熱調理した加
熱調理済みの海鞘の中肉８と、該袋状をなす加熱調理済
みの海鞘の中肉８の内部に詰め込んである調理済みの食
材とで構成されている袋状をなす海鞘の中肉の内部に食
材を充填させてなる食品１。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、安価に入手し得る袋状をなす海鞘の中肉を加熱調理した後、この調 理済みの海鞘の中肉の内部に食材を充填させてなる食品、つまり加熱調理済みの 海鞘の中肉を包装材とする食品に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

主に三陸沖で捕獲される海鞘は、海鞘殻の内側の中肉が食用に供されているが 、この海鞘の中肉は独特の味と匂いとを有しているために、刺身として生のまま で食されるか、或いは蒸し調理に付されて食されるかしているだけであるのが実 情である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

これに対して本考案は、調理済みの袋状をなす海鞘の中肉の内部に食材を充填 させてなる食品にすることにより、海鞘の中肉の用途の拡大を図るものであって 、特に海鞘の入手が容易な三陸地方の地方色を備えた食品になることから、当該 地方の飲食店での提供品として、或いは直ちに食することのできるお持ち帰り品 として好適な食品を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記目的は、以下に記載する構成による本考案の袋状をなす海鞘の中肉の内部 に食材を充填させてなる食品にすることによって達成される。 すなわち本考案は、海鞘の単体の付け根を切断して開口部を形成すると共に該 開口部から海鞘の中肉を取り出して糞を除去してなる袋状をなす海鞘の中肉を加 熱調理した後、この袋状をなす加熱調理済みの海鞘の中肉の内部に、調理済みの 食材を詰め込んで構成されている袋状をなす海鞘の中肉の内部に食材を充填させ てなる食品からなる。

【０００５】 前記構成からなる本考案の袋状をなす海鞘の中肉の内部に食材を充填させてな る食品においては、袋状をなす加熱調理済みの海鞘の中肉として、味付けの加熱 調理済に付した海鞘の中肉を使用することが好ましい。

【０００６】 更に、前記構成からなる本考案の袋状をなす海鞘の中肉の内部に食材を充填さ せてなる食品においては、海鞘の中肉の内部に充填させる調理済みの食材として 、具を混合した米飯を使用することが好ましい。

【０００７】 又、前記構成からなる本考案の袋状をなす海鞘の中肉の内部に食材を充填させ てなる食品においては、海鞘の中肉の内部に充填させる調理済みの食材として、 具を混合した寿司飯を使用することが好ましい。

【０００８】 更に又、前記構成からなる本考案の袋状をなす海鞘の中肉の内部に食材を充填 させてなる食品においては、海鞘の中肉の内部に充填させる調理済みの食材とし て、昆布やかじきの肉の煮付け調理品を使用することが好ましい。

【０００９】 又、もう一つの本考案は、海鞘の単体の付け根を切断して開口部を形成すると 共に該開口部から海鞘の中肉を取り出して糞を除去してなる袋状をなす海鞘の中 肉を加熱調理した後、この袋状をなす加熱調理済みの海鞘の中肉の内部に、鶏卵 を割り入れ、更に加熱調理して構成されている袋状をなす海鞘の中肉の内部に食 材を充填させてなる食品からなる。

【００１０】 前記鶏卵を割り入れて、これを加熱調理して構成されている本考案の袋状をな す海鞘の中肉の内部に食材を充填させてなる食品においては、袋状をなす加熱調 理済みの海鞘の中肉として、味付けの加熱調理済に付した海鞘の中肉を使用する ことが好ましい。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の袋状をなす海鞘の中肉の内部に食材を充填させてなる食品の実 施の形態について、図面に基づいて説明する。

【００１２】 ［図１］は、本考案の袋状をなす海鞘の中肉の内部に食材を充填させてなる食 品１の１実施例品を示す斜面図であり、以下の工程によって得たものである。 すなわち、［図２］を参照して、海鞘の単体２の付け根３を切断線Ａ−Ａ線に 添って切断して付け根３を取り外すことにより、該海鞘の単体２に、［図３］に て符号４で示す開口部４を形成する。

【００１３】 続いて、前記開口部４から海鞘の中肉５を取り出すことによって、海鞘殻６と 海鞘の中肉５とを分離し、更に前記付け根３の近傍の中肉５に付着している糞を 、［図４］を参照して、前記開口部４に直交する切れ目７を形成してこの部分を 反転させて、押出す或いは切り取る等の手段によって除去し、切れ目７を有する 袋状をなす海鞘の中肉５のみにする。

【００１４】 次いで、この切れ目７を有する袋状をなす海鞘の中肉５を蒸し調理に付したり 、或いは蒸した後に更に酒、味醂、醤油、砂糖等を利用する味付け加熱調理に付 したりして、［図１］にて符号８で示す袋状をなす加熱調理済みの海鞘の中肉に する。

【００１５】 しかる後に、この袋状をなす加熱調理済みの海鞘の中肉８の内部に、前記した 糞を除去するために設けた切れ目７から、調理済みの食材を詰め込むことにより 、袋状をなす海鞘の中肉８の内部に食材を充填させてなる食品１を得る。

【００１６】 袋状をなす加熱調理済みの海鞘の中肉８の内部に、調理済みの食材を詰め込む 作業は、海鞘の中肉８を袋状に膨らませて、切れ目７から調理済みの各種の食材 をスプーン等を利用して押し入れて行なえばよい。

【００１７】 又、袋状をなす加熱調理済みの海鞘の中肉８の内部に押し入れる調理済みの食 材として、具を混合した米飯や寿司飯を利用するときには、例えばホッキ貝、ツ ブ貝、浅蜊等の貝肉、帆立貝の貝柱等、通常の混ぜご飯にするときの具を使用す ることができる。

【００１８】 更に寿司飯を利用するときには、寿司酢に漬けた各種の貝肉、千切りにした板 海苔、千切りにしたべに生姜等の具を、寿司飯と混ぜ合せたり、或いは寿司飯に 添えるようにしたりして、海鞘の中肉８の内部に押し入れて詰め込むのが好まし い。

【００１９】 袋状をなす加熱調理済みの海鞘の中肉の内部に詰め込む調理済みの食材として 、昆布やかじきまぐろの肉の煮付け調理品を利用すると、磯の香りを印象付ける 食品にすることができ、又袋状をなす加熱調理済みの海鞘の中肉の内部に鶏卵を 割り入れ、更に加熱調理して構成した食品にすると、海鞘巻き玉子を印象付ける 食品にすることができる。

【００２０】 なお、前記構成による袋状をなす加熱調理済みの海鞘の中肉８の内部に食材を 充填させてなる食品１は、該食品１の全体を食用に供するものであるから、食品 １に更に透明なラップフィルム等による個別の外包装を施した後に、これを流通 段階に乗せる等すれば、衛生面での良好な食品にすることができる。

【００２１】 又、この袋状をなす加熱調理済みの海鞘の中肉８の内部に食材を充填させてな る食品１は、ナイフ等の道具を利用して食品１の全体を適宜裁断し、海鞘の中肉 ８と共に食することが可能である。

【００２２】 更に、本考案の各袋状をなす海鞘の中肉の内部に食材を充填させてなる食品は 、これをレトルト用のパック詰めにしたり、或いは真空パック詰めにしたりして 、長期保存が可能な食品にすることができる。

【００２３】

【考案の効果】

以上に説明したように、本考案の袋状をなす海鞘の中肉の内部に食材を充填さ せてなる食品は、海鞘の単体の付け根を切断して開口部を形成すると共に該開口 部から海鞘の中肉を取り出して糞を除去してなる袋状をなす海鞘の中肉を加熱調 理した加熱調理済みの海鞘の中肉と、この袋状をなす加熱調理済みの海鞘の中肉 の内部に詰め込んである調理済みの食材とで構成したものであり、独特の味と匂 いとを有しているために従来は刺身として生のままで食されるか、或いは蒸し調 理に付されて食されるかしているだけであった海鞘の中肉の用途の拡大を図るも のである。

【００２４】 そして、本考案の袋状をなす海鞘の中肉の内部に食材を充填させてなる食品は 、特に海鞘の入手が容易な三陸地方の地方色を備えた食品になることから、当該 地方の飲食店での提供品として、或いは直ちに食することのできるお持ち帰り品 として好適な食品になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の袋状をなす海鞘の中肉の内部に食材を
充填させてなる食品の１実施例品を示す斜面図である。

【図２】本考案の袋状をなす海鞘の中肉の内部に食材を
充填させてなる食品を得る工程途中を説明する斜面図で
ある。

【図３】本考案の袋状をなす海鞘の中肉の内部に食材を
充填させてなる食品を得る工程途中を説明する斜面図で
ある。

【図４】本考案の袋状をなす海鞘の中肉の内部に食材を
充填させてなる食品を得る工程途中を説明する斜面図で
ある。

【符号の説明】

１…袋状をなす海鞘の中肉の内部に食材を充填させてな
る食品 ２…海鞘の単体 ３…海鞘の単体２の付け根 ４…海鞘の単体２の付け根３を切断して形成した開口部 ５…開口部４から取り出した海鞘の中肉 ６…海鞘の中肉５を取り出した後の海鞘殻 ７…海鞘の中肉５に付着している糞を除去するために設
けた切れ目 ８…袋状をなす加熱調理済みの海鞘の中肉

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 海鞘の単体の付け根を切断して開口部を
   形成すると共に該開口部から海鞘の中肉を取り出して糞
   を除去してなる袋状をなす海鞘の中肉を加熱調理した
   後、この袋状をなす加熱調理済みの海鞘の中肉の内部
   に、調理済みの食材を詰め込んで構成されていることを
   特徴とする袋状をなす海鞘の中肉の内部に食材を充填さ
   せてなる食品。
2. 【請求項２】 袋状をなす加熱調理済みの海鞘の中肉
   が、味付けの加熱調理済みの海鞘の中肉であることを特
   徴とする請求項１に記載の袋状をなす海鞘の中肉の内部
   に食材を充填させてなる食品。
3. 【請求項３】 調理済みの食材が、具を混合した米飯で
   あることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の袋
   状をなす海鞘の中肉の内部に食材を充填させてなる食
   品。
4. 【請求項４】 調理済みの食材が、具を混合した寿司飯
   であることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の
   袋状をなす海鞘の中肉の内部に食材を充填させてなる食
   品。
5. 【請求項５】 調理済みの食材が、昆布及び／又はかじ
   きまぐろの肉の煮付け調理品である請求項１又は請求項
   ２に記載の袋状をなす海鞘の中肉の内部に食材を充填さ
   せてなる食品。
6. 【請求項６】 海鞘の単体の付け根を切断して開口部を
   形成すると共に該開口部から海鞘の中肉を取り出して糞
   を除去してなる袋状をなす海鞘の中肉を加熱調理した
   後、この袋状をなす加熱調理済みの海鞘の中肉の内部
   に、鶏卵を割り入れ、更に加熱調理して構成されている
   ことを特徴とする袋状をなす海鞘の中肉の内部に食材を
   充填させてなる食品。
7. 【請求項７】 袋状をなす加熱調理済みの海鞘の中肉
   が、味付けの加熱調理済みの海鞘の中肉であることを特
   徴とする請求項６に記載の袋状をなす海鞘の中肉の内部
   に食材を充填させてなる食品。