JP3082182U - 掃除具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 モップの側の構造を極めて簡単にしつつ、モ
ップを脱落しないように確実に着脱自在に取り付ける。 【解決手段】 可撓性のある板状部材１６に、一方が開
口した袋状の基材から多数のモップ糸が延びる構造のモ
ップ３２を取り付けた掃除具１０は、先端部１２におい
て取手部１４側に配置されたモップ取り付け部１８を有
している。モップ取り付け部１８は、一方の側で板状部
材１６と連結され、他方の側で取り付け部１４と連結さ
れる本体部分１９と、本体部分１９の略中央部に配置さ
れた押しボタン２０と、押しボタン２０を上方に付勢す
るバネと、押しボタン２０に連結された掛止部材２２で
あって、押しボタン２０の上面を押し込むことにより、
本体部分１９から突出して、モップの開口付近に取り付
けられた止め輪３６を掛け止める掛止部材２２とを備え
ている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、掃除具に関し、より詳細には、先端にモップを装着し、桟や棚の上 などを清掃するために好適な掃除具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

桟、壁面や棚や箪笥の上など、住宅内における高所を清掃するために、たとえ ば、実開昭６１−１５７４７１号公報に開示されたような掃除具が知られている 。この掃除具においては、ハンドルの一端に、溝を有する取り付けリングが設け られ、当該取付リングの溝に、塑性変形する支持フレームが、取付リングの溝に 係合するように係合されている。支持フレームには、一端が開口した袋状の基材 に、油剤を含浸させたナイロン糸等を植え込んだモップが着脱自在に取り付けら れる。

【０００３】 使用に際して、使用者は、ハンドルの他端側を把持して清掃対象に向けて掃除 具をゆっくりと移動ないし揺動させる。これに応答して、支持フレームが変形し て清掃対象である桟や棚の上の埃などがモップに吸着される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記公報に形成されたような清掃具においては、袋状の基材の開口から内部に 支持フレームを挿入して、基材の開口をしっかりと閉じて、使用中にモップが支 持フレームおよびハンドルから脱落しないようにする必要がある。この脱落防止 のために、上記公報に開示された掃除具においては、開口に取り付けられた紐を 、支持フレームとハンドルとの連結部に縛り付けて（結び付けて）、脱落を防止 している。しかしながら、このように紐による結び付けが、使用によって緩むた め、使用者は、そのたびに、紐を結びなおす必要があった。

【０００５】 これに対して、開口に、一方の側にフックを形成し、他方の側にループを形成 した面ファスナーを取り付けて、面ファスナーによって開口を閉じて、モップの 脱落を示す技術も知られている。

【０００６】 しかしながら、面ファスナーも使用による劣化を避けることができないという 問題点もあった。この場合には、面ファスナーのみの劣化にもかかわらず、モッ プ自体を交換しなければならないという問題点があった。また、面ファスナーに よりモップが高コストになるという問題点があった。 本考案は、モップの側の構造を極めて簡単にしつつ、モップを脱落しないよう に確実に着脱自在に取り付けることができる掃除具を提供することを目的とする 。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案の目的は、可撓性のあるモップ支持部材と、中空のハンドルを含む把持 部材とを有し、モップ支持部材に、一方が開口した袋状の基材から多数のモップ 糸が延びる構造のモップを取り付けた掃除具において、前記把持部材とモップ支 持部材との略境界に配置されたモップ取り付け部材であって、一方の側でモップ 支持部材と連結され、他方の側で把持部材と連結される本体と、前記本体の略中 央部に配置された押しボタンと、前記押しボタンを上方に付勢するバネと、前記 押しボタンに連結された掛止部材であって、前記押しボタンの上面を押し込むこ とにより、前記本体から突出して、前記モップの開口付近に取り付けられたリン グ状部材を掛け止める掛止部材とを備えたことを特徴とする掃除具により達成さ れる。

【０００８】 本考案によれば、掛止部材にモップの開口付近に取り付けられたリング状部材 （たとえば、紐で作られた止め輪）を掛止することで、モップがモップ支持部材 から脱落するのを防止している。したがって、モップに面ファスナーのような特 殊な部材を取り付ける必要が無く、モップのコストを減じることができる。 また、単にモップ支持部材に紐で結ぶ場合と比較すると、脱落の恐れは著しく 小さくなる。また、面ファスナーを利用する場合には、経時的にファスナーの吸 着力が低下するため徐々に脱落する場合が増えてくるが、本考案においては、そ のような経時的な劣化がほとんど生じないという利点がある。

【０００９】 好ましい実施態様においては、押しボタンが、軸部と、前記軸部の上に形成さ れ当該軸部よりも半径が大きく、かつ、その上面が使用者により押し込まれる拡 大部とを備え、取り付け部材の本体に形成された穴部の内壁、当該穴部の所定の 位置から内方に向けて突出した突出部材、および、前記軸部の外周により画定さ れる空間に前記バネが配置されている。

【００１０】 さらに好ましい実施態様においては、掛止部材が、前記軸部と同軸でかつ当該 軸部と連結された第２の軸部と、端部に形成されたフランジとを有し、当該フラ ンジと前記突出部材との間に、前記モップに取り付けられたリング状部材が取り 付けられる。

【００１１】 また、別の好ましい実施態様においては、先端部と前記取り付け部材の本体が 一体に形成され、かつ、前記取り付け部材の端部に、前記把持部材のハンドルと 同軸で、かつ、収容時に前記ハンドル内に収容されるハンドル延長部を備えてい る。

【００１２】

【考案の実施の形態】

以下、添付図面を参照して、本考案の実施の形態につき説明を加える。図１は 、本考案の実施の形態にかかる掃除具１０の全体斜視図、図２は、本実施の形態 にかかる掃除具１０の先端部拡大正面図、および、図３は、本実施の形態にかか る掃除具１０の先端部拡大背面図である。

【００１３】 図１に示すように、掃除具１０は、先端部１２、取手部１４およびモップ３２ を備えている。これら先端部１２および取手部１４は、それぞれ、モップ支持部 材および把持部材として機能し、把持部材である先端部１２にモップ３２を取り 付けることにより掃除具として使用される。

【００１４】 図１、図２および図３に示すように、先端部１２は、可撓性板状部材１６、段 部１７およびモップ取り付け部１８からなる。この先端部１２に、開口１３が一 端に形成された袋状の基材に、油剤を含浸した多数の糸（たとえばナイロン製の 糸）が植え込まれたモップ３２が取り付けられる。

【００１５】 取手部１４は、連結部２４、ハンドル２６、把持部２８およびハンドル延長部 ３０からなる。連結部２４および把持部２８はプラスチック材料にて成型されて いる。ハンドル２６は、たとえば、中空のステンレスなどの金属で形成され、一 端に連結部２４が取り付けられ、他端に使用者が手で持つための把持部２８が取 り付けられている。本実施の形態においては、連結部２４、ハンドル２６および 把持部２８は、後述するハンドル延長部３０を引き出す際に、一体となって回転 するようになっている。

【００１６】 延長ハンドル３０はハンドル２６より小径になっており、収容時には、ハンド ル２６と入れ子状に収容される。本実施の形態においては、ハンドル２６とハン ドル延長部３０との相対位置は、後述するように、連結部２４により規制される ようになっている。

【００１７】 先端部１２のモップ取り付け部１８と、取手部１４のハンドル延長部３０とは 、モップ取り付け部１８の穴にハンドル延長部３０を嵌入することにより、しっ かりと取り付けられている。

【００１８】 先端部１２は、プラスチック材料にて一体成型され、可撓性板状部材１６と、 段部１７と、モップ取り付け部１８の本体部分１９とを備えている。本実施の形 態においては、可撓性板状部材１６は、段部１７から先端部に向かって薄くなっ ている。また、可撓性板状部材１６の内部には、金属製の補強板３４が入ってお り、先端部を補強するとともに、可撓性板状部材１６の弾性を増大させている。 また、段部１７は、厚みの大きな肉厚部と、小さな肉薄部とが、清掃具１０の長 手方向と鉛直な方向に相互に配置されている。この段部１７により、先端部１２ の強度が増すとともに、捩れなどにより先端部１２に割れなどが生じることが防 止される。

【００１９】 モップ取り付け部１８の本体１９の中央部には、押しボタン２０およびモップ ３２の開口３１付近に取り付けられた止め輪３６を掛けるための掛止部材２２が 配置されている。掛止部材２２は、押しボタン２０の下側に取り付けられ、上部 の押しボタン２０を下方に押すと、下側の掛止部材２２がモップ取り付け部１８ から突出し、これにより、モップ３２の止め輪３６を掛止部材２２に掛けること ができる。

【００２０】 次に、図２におけるＡ−Ａ線拡大断面図である図４、および、図２におけるＢ −Ｂ線拡大断面図である図５を参照して、先端部１２、特に、モップ取り付け部 １８の構造について以下により詳細に説明する。モップ取り付け部１８の押しボ タン２０は、本体１９の貫通穴を通る軸部４０と、当該軸部４０と同軸でかつそ の半径が拡大している拡大部４１とを有する。また、軸部４０の下方には、当該 軸部４０の軸線に垂直な一対の係合つめ４４が設けられている。拡大部４１の上 面が使用者の指で押される部分となる。

【００２１】 また、掛止部材２２は、上記押しボタン２０の軸部４０と同軸の挿入部４２お よび挿入部４２に連結されたフランジ４３とを有している。押しボタン２０の軸 部４０が、掛止部材２２の挿入部４２に挿入され、軸部４０の係合つめ４４が、 掛止部材２２の挿入部４２の穴（図示せず）に係合し、両者は一体化される。図 ５に示すように、モップ取り付け部材１８の本体１９の内壁に連なるばね受け４ ８と軸部４０の外周との間にバネ３８が配置されている。したがって、押しボタ ン２０は、バネ３８によって、上方に付勢される。さらに、モップ取り付け部１ ８の下部に、モップ３２の止め輪３６を収容するための隙間を設けるため、係止 部材２２には、ストッパ４６が設けられている。

【００２２】 このように構成された掃除具１０において、モップ３２の取り付け手順につい て以下に簡単に説明する。図６は、本実施の形態にかかる掃除具のモップの取り 付け方法を示す図である。

【００２３】 図６（ａ）に示すように、モップ３２の開口３１を先端部１２に対面させる状 態で、当該モップ３２を可撓性部材１６にかぶせ、モップ取り付け部１８の手前 まで入れる。そして、モップ取り付け部１８の、押しボタン２０の拡大部４１の 上面を矢印５０の方向に指で押し込み、掛止部材２２の下側をモップ取り付け部 １８の下端より突出させる。次いで、図６（ｂ）に示すように、モップ３２の止 め輪３６を掛止部材２２に掛けた後に、拡大部４１の上面に位置した指を離す。 すると、モップ取り付け部１８の、押しボタン２０は、バネ３８の付勢力により 矢印５２の方向に戻され、モップ３２は、先端部１２に取り付けられる。このよ うに、掛止部材２２を突出させて止め輪３６を掛け、掛止部材２２をバネ３８の 付勢力により元の位置に戻すと、掛止部材２２のフランジ４３により止め輪３６ が押さえられる。したがって、使用の際にも止め輪３６が掛止部材２２から脱落 することがない。

【００２４】 図７は、本実施の形態にかかる掃除具のハンドルを伸ばした状態を示す図であ る。図７に示すように、先端部１２に、モップ３２を取り付け、把持部２８を反 時計方向に回すことにより、連結部２４をゆるめ、ハンドル延長部３０を所望な 長さだけ引き出す。そして、把持部２８を時計方向に回すことにより、連結部２ ４によりハンドル延長部３０の相対移動を規制し、把持部２８を持って使用する こともできる。

【００２５】 本考案によれば、モップを支持する先端部１２と、取手部１４との略境界の位 置に、モップ取り付け部１８を配置し、当該モップ取り付け部１８の掛止部材２ ２にモップ３２の止め輪３６を掛け止めするようにしている。したがって、モッ プ３２の開口３１付近に、止め輪を取り付けて（たとえば、モップ３２の基材に 縫い付けて）おけばよく、面ファスナーなど比較的高価な部材を設ける必要がな い。つまり、比較的短期に交換する必要のあるモップの側のコストを小さくする ことが可能となる。また、モップ取り付け部１４自体の構造も比較的シンプルで あるため、先端部１２および取手部１４のコストも比較的小さくすることができ る。

【００２６】 さらに、掛止部材２２のフランジ４４にて、モップ３２の止め輪３６をしっか りと取り付けるため、使用中の脱落も十分に防止することが可能となる。 本考案は、以上の実施の形態に限定されることなく、実用新案登録請求の範囲 に記載された考案の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本考案の範囲 内に包含されるものであることは言うまでもない。

【００２７】 たとえば、前記実施の形態においては、可撓性板状部材１６は中実のものとし たが、これに限定されるものではなく、図８に示すように中央部に穴の形成され たものを利用しても良い。これにより、可撓性板状部材を軽量化することが可能 となる。

【００２８】 なお、本明細書において、一つの手段の機能が、二つ以上の物理的手段により 実現されても、若しくは、二つ以上の手段の機能が、一つの物理的手段により実 現されてもよい。

【００２９】

【考案の効果】

本考案によれば、モップの側の構造を極めて簡単にしつつ、モップを脱落しな いように確実に着脱自在に取り付けることができる掃除具を提供することが可能 となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は、本考案の実施の形態にかかる掃除具
の全体斜視図である。

【図２】 図２は、本実施の形態にかかる掃除具の先端
部拡大正面図である。

【図３】 図３は、本実施の形態にかかる掃除具の先端
部拡大背面図である。

【図4】 図４は、図２のＡ−Ａ線拡大断面図である。

【図５】 図５は、図２のＢ−Ｂ線拡大断面図である。

【図６】 図６は、本実施の形態にかかる掃除具のモッ
プの取り付け方法を示す図であり、図６（ａ）は、取り
付け前の状態、図６（ｂ）は、取り付け後の状態を示し
ている。

【図７】 図７は、本実施の形態にかかる掃除具のハン
ドルを伸ばした状態を示す図である。

【図８】 図８は、本考案の他の実施の形態にかかる掃
除具の全体斜視図である。

【符号の説明】

１０ 掃除具 １２ 先端部 １４ 取手部 １６ 可撓性板状部材 １７ 段部 １８ モップ取り付け部 １９ 本体 ２０ 押しボタン ２２ 掛止部材 ２４ 連結部 ２６ ハンドル ２８ 把持部 ３０ ハンドル延長部 ３２ モップ ３６ 止め輪 ３８ バネ ４０ 軸部 ４２ 挿入部 ４４ 係合つめ ４６ ストッパ ４８ バネ受け

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 可撓性のあるモップ支持部材と、中空の
   ハンドルを含む把持部材とを有し、モップ支持部材に、
   一方が開口した袋状の基材から多数のモップ糸が延びる
   構造のモップを取り付けた掃除具において、 前記把持部材とモップ支持部材との略境界に配置された
   モップ取り付け部材であって、 一方の側でモップ支持部材と連結され、他方の側で把持
   部材と連結される本体と、 前記本体の略中央部に配置された押しボタンと、 前記押しボタンを上方に付勢するバネと、 前記押しボタンに連結された掛止部材であって、前記押
   しボタンの上面を押し込むことにより、前記本体から突
   出し、前記モップの開口付近に取り付けられたリング状
   部材を掛け止める掛止部材とを備えたことを特徴とする
   掃除具。
2. 【請求項２】 前記押しボタンが、軸部と、前記軸部の
   上に形成され当該軸部よりも半径が大きく、かつ、その
   上面が使用者により押し込まれる拡大部とを備え、 前記取り付け部材の本体に形成された穴部の内壁、当該
   穴部の所定の位置から内方に向けて突出した突出部材、
   および、前記軸部の外周により画定される空間に前記バ
   ネが配置されたことを特徴とする請求項１に記載の掃除
   具。
3. 【請求項３】 前記掛止部材が、前記軸部と同軸でかつ
   当該軸部と連結された第２の軸部と、端部に形成された
   フランジとを有し、当該フランジと前記突出部材との間
   に、前記モップに取り付けられたリング状部材が取り付
   けられることを特徴とする請求項２に記載の掃除具。
4. 【請求項４】 前記先端部と前記取り付け部材の本体が
   一体に形成され、かつ、前記取り付け部材の端部に、前
   記把持部材のハンドルと同軸で、かつ、収容時に前記ハ
   ンドル内に収容されるハンドル延長部を備えたことを特
   徴とする請求項１ないし３の何れか一項に記載の掃除
   具。