JP3081803B2 - フッ素樹脂フィルム積層金属帯およびその製造方法 - Google Patents

フッ素樹脂フィルム積層金属帯およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルム密着性、
離型性、耐磨耗性、耐食性、電気的性質、耐薬品性など
に優れ、特に高温多湿環境下におけるフィルム密着性に
優れた特性を示すフッ素樹脂フィルム積層金属帯とその
製造方法に関するものである。このフッ素樹脂フィルム
積層金属帯は、パン、ケーキ、菓子などを焼くために用
いる焼型、炊飯器の内釜、ガステーブルの天板などの加
熱調理器具用材料、平板の食品調理・加工器具、レンジ
フード用素材などの厨房用品用素材として広く利用され
る。
【0002】
【従来の技術】フッ素樹脂フィルムは、耐熱性や耐食
性、耐汚染性、非粘着性、不燃性などの性質に優れてい
る。もし、このフッ素樹脂フィルムを金属板に強固にラ
ミネートすることができれば、フッ素樹脂フィルムの機
能と金属板の高強度や加工性などの機能を具備する優れ
た積層材料が得られ、その積層材料は、加熱調理器具を
はじめとする各種厨房用品などへの適用が可能となる。
【0003】しかしながら、前記フッ素樹脂フィルム
は、その優れた非粘着性に起因して金属表面との接着力
が低いという欠点があった。このため、従来、前記フィ
ルムと金属表面との接着性の改良のために種々の方策が
講じられてきた。
【0004】例えば、特開平5−162243号公報では、鋼
板表面に、フッ素樹脂と耐熱性樹脂とからなる接着剤層
を介してフッ素樹脂フィルムを連続的にラミネートする
方法が提案されている。
【0005】また、特開平6−264000号公報では、フッ
素樹脂、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド(P
AI)および/またはポリイミド(PI)ならびに金属
粉末からなるプライマー組成物を金属表面に塗布し、乾
燥した後、さらに焼成処理を施して形成されたプライマ
ー層の上にフッ素樹脂フィルムを熱溶融接着する方法が
提案されている。
【0006】さらに、特開平7−290637号公報では、フ
ッ素樹脂フィルムが被覆された金属板において、プライ
マー層がフィルムと同種のフッ素樹脂と耐熱性樹脂とか
ら構成され、該フッ素樹脂フィルムを熱融着した後、未
加圧の状態で焼成する方法が提案されている。
【0007】これらの従来技術によって作製されたフッ
素樹脂フィルム積層金属板は、確かに、沸騰水浸漬、塩
水噴霧、あるいは加熱などの処理を施したのちも良好な
フィルム密着性を示す。
【0008】しかしながら、上記フッ素樹脂フィルム積
層金属板は、 100℃を超える高温に加え湿度の高い高温
多湿環境下に曝される材料、例えばパンなどの食品を加
熱調理するための器具の材料として使用する場合、いず
れもフィルムの密着性が十分といえるものではなかっ
た。
【0009】さらに、特開平6−264000号公報および特
開平7−290637号公報に記載の技術では、バッチ式で長
時間の焼成処理を施す必要があり、金属帯にフィルムを
連続的にラミネートして製品化することは困難であっ
た。即ち、切板状の金属板の1枚ずつに、フッ素樹脂フ
ィルムをバッチ式によってラミネートする方法は、生産
性が低く、製造コストが嵩むという欠点があった。それ
ゆえ、従来から、コイル状の金属帯にフッ素樹脂フィル
ムを連続的にラミネートする方法が求められている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上述
した従来技術が抱える課題を解決することにあり、その
主たる目的は、高温多湿環境下に曝しても金属帯とフッ
素樹脂フィルムとの密着力が極めて高いフッ素樹脂フィ
ルム積層金属帯を提供することにある。また、本発明の
他の目的は、該フッ素樹脂フィルム積層金属帯を連続的
に製造する方法を提案することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上述した課
題の解決に向け、特にテトラフルオロエチレン−パーフ
ルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)フィ
ルムの積層金属帯について鋭意研究した。その結果、金
属帯の表面に、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体(FEP)およびポリエーテルス
ルホン(PES)を主成分とするプライマー層を介し
て、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビ
ニルエーテル共重合体(PFA)フィルムを積層し、ロ
ール圧下にて熱融着することにより、高温多湿環境下に
おけるフィルムの密着性が著しく改良されたフッ素樹脂
フィルム積層金属帯が得られることを見出した。さら
に、前記プライマー層の中に顔料を所定量配合すること
により、着色効果のほかに、高温多湿環境下におけるフ
ィルムの密着性がさらに改良されることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明は、金属帯の表面に、プ
ライマー層を介してテトラフルオロエチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)フィル
ムを熱融着してなるフッ素樹脂フィルム積層金属帯であ
って、前記プライマー層が; (a) テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体(FEP) (b) ポリエーテルスルホン(PES) (c) 顔料 から構成されると共に、上記(a) ,(b) ,(c) の固形分
重量比が、 (a):(b) =30〜90:70〜10、{ (a)+(b)
}:(c) = 100:20〜150 の関係にあり、一方、前記
プライマー層の付着量が3〜20g/m2であることを特徴
とするフッ素樹脂フィルム積層金属帯を提供するもので
ある。
【0013】また、本発明は、 (a) テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体(FEP) (b) ポリエーテルスルホン(PES) (c) 顔料 を有機溶媒中に溶解または分散させて得られるプライマ
ー組成物(ただし、上記(a) ,(b) ,(c) の固形分重量
比は、 (a):(b) =30〜90:70〜10、{ (a)+(b) }:
(c) = 100:20〜150 である)を、固形分の付着量が3
〜20g/m2になるように金属帯の表面に塗装したのち加
熱し、次いで、その上にテトラフルオロエチレン−パー
フルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)フ
ィルムを積層し、フィルム側のロール温度を 100〜260
℃にしてロール圧着することにより、該PFAフィルム
を金属帯に連続的に積層することを特徴とするフッ素樹
脂フィルム積層金属帯の製造方法を提案するものであ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のフッ素樹脂フィルム積層
金属帯は、プライマー層が主としてFEPとPESとか
らなり、フッ素樹脂フィルムとしてPFAフィルムを用
いた点に主たる特徴がある。これにより、前記樹脂の組
み合わせで構成した本発明にかかるフッ素樹脂フィルム
積層金属帯によれば、高温多湿環境下における金属帯と
フッ素樹脂フィルムとの密着力が極めて高いものとな
る。
【0015】ここで、金属帯とPFAフィルムとを強固
に接着するためには、まず、金属帯とPFAフィルムと
の界面に介在させるプライマー層がFEPを主成分とし
て含有していることが必要である。この理由は明らかで
はないが、FEPがPFAよりも低融点の樹脂であるこ
とが有利に作用していると考えられる。さらに本発明で
は、金属帯とPFAフィルムとを強固に接着するために
は、上記プライマー層中にPESが主成分として含有し
ていることが必要である。この理由は明らかではない
が、FEPとPESの相溶状態が有利に作用していると
考えられる。このように本発明は、プライマー層を構成
する樹脂をFEPとPESに限定することによって優れ
たフィルム密着性を実現したものである。
【0016】なお、PFAフィルムは、プラズマなどに
より表面を改質したもの、着色顔料や染料を混練あるい
は印刷したものなど、各種処理を施したものであっても
よく、FEPなどの他のフッ素樹脂を一部混合したもの
あってもよい。また、このPFAフィルムは、特に厚み
を限定するものではないが、10〜100 μmの範囲のもの
が好ましい。
【0017】本発明のフッ素樹脂フィルム積層金属帯
は、プライマー層の中にさらに顔料を配合することによ
り、高温多湿環境下におけるフィルムの密着性を一層高
めた点に他の特徴がある。
【0018】このような効果のある顔料としては、平均
粒径が5μm以下のものが好適である。平均粒径が5μ
mを超えると、フィルムの密着性を低下させることがあ
るからである。
【0019】この顔料としては、着色顔料や体質顔料、
金属粉顔料などが使用可能である。例えば、カーボンブ
ラック、鉄黒、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化鉄、黄土、チタ
ン黄、べんがら、鉛丹、亜鉛華、鉛白、塩基性硫酸鉛、
硫酸鉛、リトポン、酸化チタン、酸化アンチモン、アル
ミナホワイト、グロスホワイト、サチン白、石膏、アル
ミニウム粉、ブロンズ粉、銅粉、亜鉛粉などが例示さ
れ、これらは複数種のものを混合して用いることができ
る。
【0020】このような本発明において、プライマー層
を構成するFEP(a) 、PES(b)および顔料(c) の固
形分重量比は、 (a):(b) =30〜90:70〜10、(a+
b):(c) = 100:20〜150 の関係にある。FEP(a)
量が全樹脂分に対して30重量%未満である場合には、P
FAフィルムとプライマー層との熱融着が不十分となる
ことがある。一方、FEP(a) 量が全樹脂分に対して90
重量%を超えると、プライマー層と金属帯との接着力が
不十分となることがあり好ましくない。また、顔料(c)
が、全樹脂分 100重量部に対して20重量部未満、および
150重量部を超えると、顔料の配合によるフィルム密着
性の改善が得られないので好ましくない。
【0021】本発明において、プライマー層の付着量は
3〜20g/m2である。プライマー層の付着量がこの範囲
から逸脱すると、高温多湿環境下におけるフィルムの密
着力が低下することがあるからである。
【0022】次に、本発明のフッ素樹脂フィルム積層金
属帯を連続的に製造する方法を以下に例示する。 (1) まず、(a) FEP,(b) PES,(c) 顔料を有機溶
媒中に溶解または分散させて得られるプライマー組成物
(ただし、上記(a) ,(b) ,(c) の固形分重量比は、
(a):(b) =30〜90:70〜10、{ (a)+(b) }:(c) =
100:20〜150 である)を、乾燥後の固形分付着量が3
〜20g/m2になるように金属帯の表面に塗装する。この
塗装は、工業的に一般に用いられるスプレー塗装、ロー
ルコーター、フローコーター、ナイフコーターなどの方
法を適用することができる。
【0023】ここで、上記プライマー組成物を構成する
FEPは、有機溶媒中に分散させることが好ましい。こ
の場合の分散粒子径は、平均粒径で10μm以下とするこ
とが好ましい。平均粒子径が10μmを超えると、フィル
ムの熱融着が不完全になったり、フィルムの密着力低下
を招くことがあるからである。上記プライマー組成物を
構成するPESは、有機溶媒中に分散あるいは溶解する
ことができ、特に溶解させることが好ましい。上記プラ
イマー組成物を構成する顔料は、有機溶媒中に分散させ
ることが好ましい。なお、上記有機溶剤としては、N−
メチルピロリドン、ジアセトンアルコール、キシレンな
どを用いることができる。
【0024】なお、上記プライマー組成物あるいはこの
組成物を用いて形成されるプライマー層には、本発明の
効果を損なわない範囲で、各種添加剤、安定剤、粘度調
整剤、分散剤、消泡剤などを加えてもよい。また、プラ
イマー組成物あるいはプライマー層を構成するFEPの
一部をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やPF
Aなどの他のフッ素樹脂に置き換えることもできるが、
本発明の効果を損なうことがあってはならない。さら
に、プライマー組成物あるいはプライマー層を構成する
PESの一部を、ポリフェニレンサルファイド(PP
S)やポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの
他の熱可塑性の耐熱性樹脂に置き換えることもできる
が、その配合量は、本発明の効果を損なわない範囲に抑
える必要がある。
【0025】また、上記金属帯としては、Al−Zn合金め
っき、Zn−Fe合金めっき、Al−Si合金めっき、Zn−Ni合
金めっき、Alめっきなどの各種めっき鋼板やステンレス
鋼板などが好適である。これらの金属帯には、公知の化
成処理、表面処理、粗面化などを施すことができる。な
お、金属帯に代えて切板状の金属板を用いても本発明に
おけるフィルム密着性改善の効果が得られるのはいうま
でもない。
【0026】(2) 次に、金属帯の表面に塗装したプライ
マー組成物を加熱乾燥する。この加熱乾燥は、FEPの
融点以上、好ましくは、さらにPFAフィルムの融点以
上の温度で行う。特に好ましくは 300〜500 ℃で加熱乾
燥する。加熱乾燥温度が 300℃未満であると、フィルム
の熱融着が不十分となり好ましくない。一方、加熱乾燥
温度が500 ℃を超えると、プライマー層を構成する樹脂
の熱分解を生じ、フィルムの接着力が低下するからであ
る。なお、加熱乾燥方法については、通常実施される熱
風式、赤外式、誘導加熱式などが使用可能であり、特に
規定されない。また、加熱乾燥時間も特に規定はない
が、通常、10〜180 秒の範囲で所定の温度にまで加熱さ
れる。
【0027】(3) そして、加熱乾燥後、引き続き塗装面
の温度降下中に、金属帯表面に形成したプライマー層の
表面にPFAフィルムを積層し、フィルム側のロール表
面温度を 100〜260 ℃にしてロール圧着することによ
り、本発明にかかるフッ素樹脂フィルム積層金属帯を連
続的に得る。この工程では、圧着時のフィルム側ロール
表面温度が非常に重要であり、 100〜260 ℃、より好ま
しくは 120〜220 ℃に制御する。このロール表面温度が
100℃未満では金属帯の温度を高くしてもフィルムの密
着性が低いものとなる。一方、該ロール表面温度が 260
℃を超えると圧着後にフィルムがロール表面に融着し金
属帯から浮き上がることがあるからである。なお、ロー
ル圧力は特に規定しないが、通常はロール線圧で 0.1〜
30kg/cm、圧力に換算して 0.5〜100 kg/cm2 の範囲と
する。また、フィルムの圧着をプレスによって行っても
本発明におけるフィルム密着性改善の効果が得られるの
はいうまでもない。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明する。 (実施例1) (1) 平均粒径3μmのテトラフルオロエチレン−ヘキサ
フルオロプロピレン共重合体(FEP)を分散させたN
−メチルピロリドンとジアセトンアルコールとの混合溶
剤(3:1)中に、ポリエーテルサルホン(PES)を
溶解した。このとき、樹脂分であるFEPとPESの配
合量は、固形分重量比で75:25とした。次いで、前記樹
脂分 100重量部に対し、平均粒径0.05μmのカーボンブ
ラックと平均粒径5μmのアルミニウム粉の混合顔料
(混合重量比3:1)を50重量部添加して、プライマー
組成物を得た。
【0029】(2) こうして得られたプライマー組成物
を、あらかじめ塗布型クロメート液で被覆処理したステ
ンレス430鋼帯の表面に、加熱乾燥後の付着量が13g
/m2になるようにロールコーターを用いて塗装した。な
お、塗布型クロメート液の塗装条件は、クロム付着量を
30mg/m2とし、150℃で30秒の乾燥を行った。
【0030】(3) 塗装後、2分で到達板温が380 ℃にな
る条件で塗膜の加熱乾燥を行い、引き続き、塗装面の自
然冷却中に、その塗装面に、厚み40μmのPFAのクリ
アーフィルムを1対のロールを用いて線圧0.3 kg/cmで
積層すると同時に圧着することにより、PFAフィルム
積層金属帯を作製した。なお、フィルム側のロール表面
温度は、 180℃に設定した。
【0031】(実施例2〜5および比較例1〜13)フィ
ルムの種類、プライマー組成物中の樹脂、顔料の種類や
混合重量比、圧着ロール表面温度および加熱乾燥温度な
どを表1および表2に示すように変えたこと以外は、実
施例1と同様にしてPFAフィルム積層金属帯を作製し
た。
【0032】このようにして作製したPFAフィルム積
層金属帯について、以下の評価試験を行い、その結果を
表2に示す。
【0033】(A)フィルム剥離強度 PFAフィルム積層金属帯を短冊状に裁断し、オートク
レープ中で 180℃の飽和水蒸気雰囲気中に1時間曝し
た。取り出し後、常温において、試料表面に対して垂直
にフィルムを強制剥離し、フィルムの剥離幅1cmあたり
の剥離荷重を測定して評価した。
【0034】(B)焼付汚染試験 PFAフィルム積層金属帯上に、卵、砂糖および醤油の
混合物をのせ、 260℃のオーブン中で15分間焼成し、取
り出し後のフィルム外観の変化を観察した。フィルムに
膨れが生じたり、炭化物の付着が生じるまで、同じ試料
を用いてこの試験を最高3回まで繰り返し、外観不良が
生じない連続合格回数によって評価した。
【0035】(C)外観 PFAフィルム積層金属帯試料におけるフィルムの浮き
やしわなどの異常の有無を観察した。その評価は、異常
の認められる場合を×、認められない場合を○とした。
【0036】表2に示す評価結果から明らかなように、
実施例1〜5のPFAフィルム積層金属帯はいずれも、
高温多湿環境下に曝したのちのフィルム剥離強度、耐焼
付汚染性および外観に優れていた。これに対し、本発明
の適正範囲から逸脱する比較例はいずれも、フィルム剥
離強度、耐焼付汚染性および外観が両立できず、特にフ
ィルム剥離強度および耐焼付汚染性が低レベルであるこ
とが判った。また、例示した従来技術に相当する比較例
1〜3および比較例13においても、フィルム剥離強度お
よび耐焼付汚染性が低レベルであった。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、FEP、PESお
よび顔料を構成成分とするプライマー層を介してPFA
フィルムを金属帯表面に熱融着してなる本発明のフッ素
樹脂フィルム積層金属帯は、高温多湿環境下におけるフ
ィルム密着力が極めて高く、耐熱耐久フィルム密着性お
よび離型性などに優れているため、各種加熱調理器具用
材料、厨房用品用素材などとして好適に用いることがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤沢 英嗣 千葉県千葉市中央区白旗3−20−2 (72)発明者 江口 邦彦 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 技術研究所内 (56)参考文献 特開 平7−125136(JP,A) 特開 平9−136382(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 15/08 102

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属帯の表面に、プライマー層を介して
    テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニル
    エーテル共重合体(PFA)フィルムを熱融着してなる
    フッ素樹脂フィルム積層金属帯であって、前記プライマ
    ー層が; (a) テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレ
    ン共重合体(FEP) (b) ポリエーテルスルホン(PES) (c) 顔料 から構成されていると共に、上記(a) ,(b) ,(c) の固
    形分重量比が、 (a):(b) =30〜90:70〜10、{ (a)+
    (b) }:(c) = 100:20〜150 の関係にあり、一方、前
    記プライマー層の付着量が3〜20g/m2であることを特
    徴とするフッ素樹脂フィルム積層金属帯。
  2. 【請求項2】(a) テトラフルオロエチレン−ヘキサフル
    オロプロピレン共重合体(FEP) (b) ポリエーテルスルホン(PES) (c) 顔料 を有機溶媒中に溶解または分散させて得られるプライマ
    ー組成物(ただし、上記(a) ,(b) ,(c) の固形分重量
    比は、 (a):(b) =30〜90:70〜10、{ (a)+(b) }:
    (c) = 100:20〜150 である)を、固形分の付着量が3
    〜20g/m2になるように金属帯の表面に塗装したのち加
    熱し、次いで、その上にテトラフルオロエチレン−パー
    フルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)フ
    ィルムを積層し、フィルム側のロール温度を 100〜260
    ℃にしてロール圧着することにより、該PFAフィルム
    を金属帯に連続的に積層することを特徴とするフッ素樹
    脂フィルム積層金属帯の製造方法。
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