JP3081350B2 - 色信号用タイムベースコレクタ回路 - Google Patents

色信号用タイムベースコレクタ回路

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JP3081350B2
JP3081350B2 JP04069066A JP6906692A JP3081350B2 JP 3081350 B2 JP3081350 B2 JP 3081350B2 JP 04069066 A JP04069066 A JP 04069066A JP 6906692 A JP6906692 A JP 6906692A JP 3081350 B2 JP3081350 B2 JP 3081350B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は映像信号から輝度信号と
色信号とを分離して映像信号を再生する装置に適した色
信号用タイムベースコレクタ回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば家庭用ビデオテープレコーダによ
り、カラー映像信号を磁気テープに記録する場合、磁気
テープの記録特性上、カラー映像信号を輝度信号と色信
号とに分離して輝度信号をFM変調し、色信号をFM変調し
た輝度信号の低周波数域側の周波数になすべく周波数変
換する方法を採用している。そして、色信号を変換する
周波数は、輝度信号と色信号とが相互に影響しないよう
に、個々の記録方式に応じた値にしているが、変換する
際には、水平同期信号に基づいてPLL 回路(AFC回路=自
動周波数制御回路) で作成した搬送波と、バースト信号
(色副搬送波) に基づいてPLL 回路(APC回路=自動位相
制御回路) で作成した搬送波とを使用している。
【0003】一方、カラー映像信号を磁気テープから再
生する場合は、FM変調した輝度信号を復調するととも
に、色信号を元の周波数に戻すために、バースト信号
と、水晶発振器により作成された高精度の安定した信号
とを位相比較して得られた信号で、電圧制御発振器を制
御する回路(APC回路) から得られた搬送波と、前記水晶
発振器で作成した信号とを使用している。このようにし
て、記録, 再生された輝度信号と色信号はシリンダの回
転ムラ又は偏心に起因して発生する低周波数域の時間軸
変動 (以下ジッタという) と、ヘッドが磁気テープと接
触して起こる磁気テープの振動に起因して発生する高周
波数域のジッタとが生じる。
【0004】そのため、このようなジッタを除去する方
法として、従来は図1に示すようなタイムベースコレク
タ回路が用いられている。このタイムベースコレクタ回
路は、映像信号の再生時に復調された輝度信号Yと、AP
C 回路で周波数変換され、元の周波数に戻った色信号C
との夫々が端子I1 ,I2 へ入力される。輝度信号Yは
クランプ回路1で、アナログ/デジタルコンバータ2の
入力に適した直流電位にクランプされた後、アナログ/
デジタルコンバータ2へ入力される。
【0005】色信号Cはデコーダ回路5で色差信号R−
Y,B−Yに復調された後、クランプ回路6で輝度信号
Yと同様にクランプされる。クランプされた色差信号R
−Y,B−Yはスイッチ回路7で交互に選択されてアナ
ログ/デジタルコンバータ8へ入力される。輝度信号Y
はまた同期分離回路12へ入力されて水平同期信号HSYC
が分離される。分離された水平同期信号HSYC は、比較
器13、LPF(ローパスフィルタ) 14、VCO(電圧制御発振
器) 15、分周器16からなるAFC 回路の比較器13へ入力さ
れ、比較器13で水平同期信号HSYC の周波数と分周器16
の出力信号の周波数とが比較され、VCO 15の発振周波数
は水平同期信号HSYC の周波数の整数倍にロックされ
る。
【0006】更にVCO 15の出力は分周器16で所定周波数
に分周され、アナログ/デジタルコンバータ2,8のク
ロックと、メモリ3,9のライトクロックとなって夫々
に与えられる。アナログ/デジタルコンバータ2,8の
クロック及びメモリ3,9のライトクロックはジッタを
含んだ輝度信号の同期信号に基づいてAFC 回路で作成さ
れているためジッタに追従している。
【0007】そしてメモリ3,9及びデジタル/アナロ
グコンバータ4,10には、水晶発振器等で構成された基
準信号発生器18で作成されたVCO 15の平均周波数と一致
している安定したクロックを分周器17で所定周波数に分
周して得たクロックを、メモリ3,9のリードクロック
とし、またデジタル/アナログコンバータ4,10のクロ
ックとして夫々に与えられる。これらによりデジタル/
アナログコンバータ4の出力端子O1 は、ジッタが除去
された輝度信号が出力され、またデジタル/アナログコ
ンバータ10の出力信号を再び変調するエンコーダ11の出
力端子O2 にはジッタが除去された色信号が出力され
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし乍ら、ジッタに
追従したクロックを作成するAFC 回路は、水平同期信号
SYC の周期のサンプリング系であり、フィードバック
制御であるため、前述した磁気テープの振動に起因する
高周波数域のジッタに十分追従し得ないため、その部分
が残留ジッタとなる。これを解決するために、AFC 回路
をフィードフォワード型にして、ジッタに対する追従性
を良くし、高周波数域の残留ジッタを除去することが考
えられるが、図1に示したタイムベースコレクタ回路と
同様の色信号Cのジッタ補正系では、色信号Cを復調し
た後に補正するため、入力される色信号Cに含まれてい
る、再生時のAPC 回路では除去できなかった位相エラー
(変調ノイズ) を除去し得ず、輝度信号Yに含まれるジ
ッタを補正する機能のみとなる。
【0009】そして、再生時のAPC 回路で除去できない
変調ノイズは、APC 回路が水平同期信号の周期のサンプ
リング系及びフィードバック系であるため高周波数域の
ジッタに追従し得ず残留するという問題がある。本発明
は斯かる問題に鑑み、輝度信号の高周波数域のジッタを
除去できるとともに、色信号の再生時にAPC 回路で除去
し得なかった変調ノイズも除去し得る色信号用タイムベ
ースコレクタ回路を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る色信号用タ
イムベースコレクタ回路は、映像信号から分離した輝度
信号及び色信号を補正する色信号用タイムベースコレク
タ回路において、前記輝度信号を入力すべき第1可変遅
延線と、輝度信号から分離した同期信号に同期して鋸歯
状波電圧を発生する鋸歯状波電圧発生回路と、該鋸歯状
波電圧発生回路の出力電圧を前記同期信号に基づいて作
成した信号の周期に同期してサンプリングする第1サン
プル回路とを備え、第1サンプル回路の出力信号に関連
して前記第1可変遅延線を遅延制御すべく構成してお
り、前記色信号を入力すべき第2可変遅延線と、色信号
から分離したバースト信号と基準信号を移相した信号と
基づいて作成した信号とを位相比較する位相比較器
と、位相比較後の信号のレベルを前記同期信号に基づく
信号の周期でサンプリングする第2サンプル回路とを備
え、第2サンプル回路の信号レベルに関連して前記第2
可変遅延線を遅延制御すべく構成していることを特徴と
する。
【0011】
【作用】輝度信号から分離した同期信号に同期して鋸歯
状波電圧を発生させる。発生させた鋸歯状波電圧を、同
期信号に基づいて作成され、低周波数域のジッタに追従
している信号の周期でサンプリングすると、高周波数域
のジッタが発生したときには、サンプリングした電圧が
変化する。サンプリングした電圧に応じて、第1可変遅
延線を遅延制御すると、輝度信号が遅延して輝度信号に
含まれるジッタが除去される。
【0012】同期信号に基づく信号に同期して色信号か
らバースト信号を分離する。分離したバースト信号と
準信号を移相した信号とに基づいて作成され低周波数域
のジッタに追従している信号との位相を比較し、比較し
た後の信号のレベルを、同期信号に基づく信号の周期で
サンプリングすると、高周波数域のジッタが発生したと
きには、サンプリングした信号レベルが変化する。サン
プリングした信号レベルに応じて、第2可変遅延線を遅
延制御すると、色信号が遅延して色信号に含まれるジッ
タが除去される。これにより、輝度信号及び色信号に含
まれる高周波数域のジッタを除去でき、輝度信号と色信
号との位相差が生じない。
【0013】
【実施例】以下本発明をその実施例を示す図面により詳
述する。図2は本発明に係る色信号用タイムベースコレ
クタ回路の構成を示すブロック図であく信号入力端子I
1 には再生された輝度信号Yが、信号入力端子I2 には
APC(自動位相制御) 回路で元の周波数に変換された色信
号Cが入力される。輝度信号Yは、例えばIC化された全
帯域通過フィルタ(APF) を数段直列に接続してなる可変
遅延線29へ入力され、また同期分離回路21へ入力され
る。
【0014】同期分離回路21で輝度信号Yから水平同期
信号HSYC が分離され、分離された水平同期信号HSYC
は比較器22、LPF(ローパスフィルタ) 23、VCO(電圧制御
発振器) 24及び分周器25からなるPLL(AFC)回路の比較器
22へ入力され、VCO 24の発振周波数を水平同期信号H
SYC の周波数の整数倍にロックする。このとき、LPF 23
の時定数が、再生された輝度信号Yに含まれる低周波数
域のジッタ及び高周波数域のジッタのうち低周波数域の
ジッタに追従するように定められているため、VCO 24の
出力信号及びその出力信号を分周した信号は高周波数域
のジッタに追従しない。
【0015】一方、同期分離回路21により分離された水
平同期信号HSYC は鋸歯状波電圧発生回路27へ入力さ
れ、鋸歯状波電圧発生回路27は水平同期信号HSYC に同
期し所定の傾きで電圧が上昇する鋸歯状波電圧を発生さ
せる。この鋸歯状波電圧には、輝度信号Yに含まれるジ
ッタが含まれる。発生した鋸歯状波電圧及びVCO 24の出
力信号を分周器25で分周して作成したサンプリングパル
スがサンプルホールド回路26へ入力される。
【0016】サンプルホールド回路26は、サンプリング
パルスの周期で鋸歯状波電圧をサンプルホールドする。
つまり、輝度信号Yに含まれる低周波数域のジッタに追
従しているサンプリングパルスの周期で、ジッタが含ま
れる鋸歯状波電圧をサンプルホールドすることにより、
鋸歯状波電圧にジッタが含まれた場合は、サンプルホー
ルドした電圧が変化してエラー信号が得られる。
【0017】そして、こようにジッタを抽出する過程で
はフィードバック系がないため高周波数域のジッタにも
追従する。抽出した高周波数域のジッタによるエラー信
号はアンプ28で、可変遅延線29の遅延特性に適合させる
べく増幅あるいは減衰させるとともに動作点 (直流) を
定めた後、可変遅延線29の制御電圧として可変遅延線29
へ与えられる。それにより可変遅延線29を通過した輝度
信号Yが遅延して低周波数域のジッタを残したまま高周
波数域のジッタが除去されて同期信号差替え回路30へ入
力される。
【0018】そして輝度信号Yに含まれている同期信号
を、同期信号差替え回路30でVCO 24と分周器25とで作成
した同期信号に差替えた後、高周波数域のジッタを含ま
ず、整形された同期信号を備えた輝度信号Yを信号出力
端子O1 へ出力する。なお、同期分離回路21で分離し水
平同期信号HSYC はバーストゲート作成回路31へ入力さ
れ、バーストゲート作成回路31は水平同期信号に同期し
たゲート信号を作成する。
【0019】信号入力端子I2 に入力された色信号Cは
可変遅延線29と同様に構成された可変遅延線49及びバー
スト分離回路41へ入力される。バースト分離回路41はバ
ーストゲート作成回路31が出力するゲート信号に同期し
て色信号Cからバースト信号が分離される。分離された
バースト信号は、位相比較器42, LPF 43, 可変移相器44
で構成されているPLL 回路の位相比較器42へ入力され
る。それにより、バースト信号と、基準信号発生器45か
ら出力されるバースト信号と平均周波数が等しい基準信
号を可変移相器44で移相させた信号とが90度の位相差で
ロックする。
【0020】このとき、LPF 43の時定数は再生時のAPC
回路における周波数変換過程で除去できなかった高周波
数域のジッタによるバースト信号の位相変化に対して可
変移相器44が追従しないように定められている。そのた
め位相比較器42の出力信号には、高周波数域のジッタに
よるバースト信号の位相変化に応じたエラー信号が抽出
される。抽出されたエラー信号は、高周波数域のジッタ
が通過し、バースト信号と基準信号とを乗算したときの
上側の周波数成分が十分減衰するフィルタ特性のLPF 16
を介してサンプルホールド回路47へ入力される。
【0021】それによりサンプルホールド回路47は、入
力されたエラー信号のレベルを、水平同期信号HSYC
基づいてバーストゲート作成回路31が出力するゲート信
号に同期してサンプルホールドする。なお、基準信号発
生器45で発生させた基準信号の代わりに、映像信号再生
時のAPC 回路で使用する水晶発振器等により作成した信
号を用いることもできる。また輝度信号と同様にエラー
信号を抽出する過程でフィードバック系がないため、高
周波数域のジッタに追従する。
【0022】そしてサンプルホールド回路47でサンプル
ホールドされたエラー信号はアンプ48で、可変遅延線49
の遅延特性に適合させるべく増幅あるいは減衰させると
ともに動作点 (直流) を定めた後、可変遅延線49の制御
電圧として可変遅延線49へ与えられる。それにより、可
変遅延線49を通過した色信号CはAPC 回路で除去できな
かった高周波数域の変調(PM)ノイズが除去されて同期信
号差替え回路50へ入力される。そして色信号Cに含まれ
ている同期信号を同期信号差替え回路50で、基準信号発
生器45が発生した同期信号に差替えた後、高周波数域の
ジッタを含まず、整形された同期信号を備えた色信号C
を信号出力端子O2 へ出力する。
【0023】図3は本発明に係る色信号用タイムベース
コレクタ回路の他の実施例を示すブロック図である。可
変遅延線29及び49はCMOSインバータで構成されている。
信号入力端子I1 (I2 ) に入力された輝度信号Y (色
信号C) はFM変調回路60(70)へ入力され、FM変調した輝
度信号が可変遅延線29(49)を介してFM復調回路61(71)へ
入力される。FM復調回路61(71)で復調された輝度信号は
同期信号差替え回路30(50)へ入力される。それ以外の構
成は図2に示した色信号用タイムベースコレクタ回路の
構成と同様であり、同一構成部分には同一符号を付して
いる。
【0024】CMOSインバータからなる可変遅延線29,49
は、CMOSインバータの電源電圧を変更すると、その遅延
量が変化することを利用するものであり、インバータの
段数により遅延量可変範囲を定め得る。しかしCMOSイン
バータからなる可変遅延線では、振幅方向に情報を与え
ることができないので、輝度信号Y又は色信号Cを、そ
れに直接入力することができない。そのためFM変調回路
60,70 で、輝度信号Y、色信号CをFM変調した後に、可
変遅延線29,49 へ入力する。
【0025】そして、可変遅延線29,49 を通過後は再び
FM復調回路61,71 で夫々の輝度信号Y、色信号Cを復調
する。そして、高周波数域のジッタを除去する動作は、
図2に示した色信号用タイムベースコレクタ回路の動作
と同様であり、同様の効果が得られる。なお、輝度信号
系においては、映像信号の再生時のFM輝度信号を利用し
て、FM変調回路及びFM復調回路を省略することもでき
る。
【0026】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、再
生した輝度信号及び色信号に含まれる高周波数域のジッ
タを確実に除去できる。そのため表示される画像の像曲
り及び色むらを補正し得て、高画質の画像を表示できる
色信号用タイムベースコレクタ回路を提供できる優れた
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の色信号用タイムベースコレクタ回路の回
路図である。
【図2】本発明に係る色信号用タイムベースコレクタ回
路の回路図である。
【図3】本発明に係る色信号用タイムベースコレクタ回
路の他の実施例を示す回路図である。
【符号の説明】
21 同期分離回路 21 比較器 23 LPF(ローパスフィルタ) 24 VCO(電圧制御発振器) 26 サンプルホールド回路 27 鋸歯状波電圧発生回路 29 可変遅延線 41 バースト分離回路 42 位相比較器 45 基準信号発生器 46 LPF(ローパスフィルタ) 47 サンプルホールド回路 49 可変遅延線 I1 , I2 信号入力端子 O1 ,O2 信号出力端子

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 映像信号から分離した輝度信号及び色信
    号を補正する色信号用タイムベースコレクタ回路におい
    て、 前記輝度信号を入力すべき第1可変遅延線と、輝度信号
    から分離した同期信号に同期して鋸歯状波電圧を発生す
    る鋸歯状波電圧発生回路と、該鋸歯状波電圧発生回路の
    出力電圧を前記同期信号に基づいて作成した信号の周期
    に同期してサンプリングする第1サンプル回路とを備
    え、第1サンプル回路の出力信号に関連して前記第1可
    変遅延線を遅延制御すべく構成しており、前記色信号を
    入力すべき第2可変遅延線と、色信号から分離したバー
    スト信号と基準信号を移相した信号とに基づいて作成し
    た信号とを位相比較する位相比較器と、位相比較後の信
    号のレベルを前記同期信号に基づく信号の周期でサンプ
    リングする第2サンプル回路とを備え、第2サンプル回
    路の信号レベルに関連して前記第2可変遅延線を遅延制
    御すべく構成していることを特徴とする色信号用タイム
    ベースコレクタ回路。
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