JP3080198B2 - CuInSe2薄膜の製造方法 - Google Patents

CuInSe2薄膜の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽電池等の光起電力
素子や光学素子などに用いられるCuInSe2 薄膜の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、CuInSe2 薄膜を製造する方
法としては、成分元素の同時蒸着、金属間化合物の蒸着
といった真空蒸着法(特開昭 57-502196号公報)、銅、
インジウム、セレンを順次蒸着し、水素含有ガスまたは
水素含有ガスにセレンまたは硫黄を含む雰囲気で熱処理
する固相セレン化法(特開平1-231313号公報)、銅およ
びインジウムの層を順次または同時に基板上に蒸着し、
その後セレン含有ガス、好ましくはH2 Seの存在下、
熱処理を施してCuInSe2 を得る方法、銅層の上に
積層されたインジウム層の上に元素状セレンを電気めっ
きして、不活性雰囲気中で熱処理する方法(特開昭 61-
237476号公報)、またはスプレーパイロシス法により形
成する方法(特開平 2-73674号公報)などが知られてい
る。
【0003】しかしながら、上記従来技術における成分
元素の同時蒸着法は、高価な装置を使用するために製造
コストが高くなってしまうという問題点があった。ま
た、この方法においては、一般的に基板を 300〜 450℃
の温度に加熱した状態で組成制御が行われるため、非常
に煩雑な操作を要する上、再現性に問題があった。一
方、基板加熱を行わずに各元素を蒸着し、蒸着後に熱処
理を施した場合には、加熱時に化合物薄膜が基板から剥
離しやすくなってしまうという問題点があった。
【0004】固相セレン化法は、銅とセレンとの反応が
低温においても極めて迅速に進行するため、中間生成物
であるCux Seの生成が避けられなかった。そのた
め、高温熱処理を行ったとしても、Cux Seからなる
中間層が存在する異相混合状態のものしか得ることがで
きず、また膜の結晶性も非常に劣るものであった。
【0005】銅、インジウムだけを積層した後、セレン
を含む雰囲気下で熱処理する気相セレン化法は、多くの
研究機関によってその優位性が認められ、注目を集めて
いる方法である。この方法におけるCu、Inの成膜法
としては、大きく分類して二通りの方法がある。一つ
は、真空装置を使用する蒸着法やスパッタ法等であり、
基板としてMoを使用するのが一般的である。もう一つ
は電着法による成膜であって、基板としてはMoやTi
材が使用されている。
【0006】しかしながら、この方法における最大の問
題点は、基板とCuInSe2 の密着性が悪く、剥離す
る傾向にあるということで、特に電着膜の密着性は、蒸
着等で形成した膜よりも著しく劣っているため実用化が
困難であった。そこで、電着膜の密着性向上を目的とし
て、あらかじめ基板表面にInあるいはPbを緩衝層と
して電着した後にCuおよびInを電着するといった方
法が考えられたが、電着膜の密着不良の最大原因は、M
oやTiが非常にめっきしずらい高い活性を有する金属
であるためであり、上記のように単なる緩衝層を電着し
ても本質的な解決には至らなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように従来のC
uInSe2 薄膜の製造方法によると、得られるCuI
nSe2 薄膜と基板との密着性が悪かったため、薄膜の
特性が劣化してしまっていた。また、化合物半導体薄膜
作製の再現性が非常に悪く、この傾向は特に電着法で顕
著に見られた。一方、比較的密着性の良好な真空プロセ
スを採用すると、製造コストが高くなり、また低コスト
化を図れる電着法によると、密着性を向上させる適切な
基板の処理方法がなかった。
【0008】そこで本発明は、上述従来の技術の問題点
を解決し、基板と半導体薄膜との密着性および再現性が
良好であり、製造コストが安価な電着−セレン化法によ
る新規なCuInSe2 薄膜の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するために鋭意研究の結果、電着前の基板にエッ
チング処理を施して基板表面の清浄化および粗雑化を図
ることにより、低コストで密着性に優れたCuInSe
2 薄膜を得ることができることを見い出し、本発明を提
供することができた。
【0010】すなわち、本発明は、基板上にCuおよび
Inを電着法で成膜し、気相状態のSeと反応させるこ
とによってCuInSe2 薄膜を製造する方法であっ
て、CuおよびInの電着前に、二段階に分けたエッチ
ング処理によって基板表面の清浄化および粗雑化を行
い、エッチング処理後に、基板表面にInを置換析出さ
せる安定化処理を施すことを特徴とするCuInSe2
薄膜の製造方法を提供するものである。
【0011】また、本発明法においては、前記二段階の
エッチング処理における第一段エッチング処理の処理液
が、弗素含有化合物と蓚酸との混合液であり、エッチン
グ処理における処理温度が30〜70℃であることが好まし
く、また、第二段エッチング処理の処理液が弗素含有化
合物と硝酸との混合液であり、エッチング処理における
処理温度が10〜40℃であることが好ましい。
【0012】
【作用】一般に電着を行う場合には、基板と電着膜との
密着性を向上させるために、電解脱脂、基板表面の活性
化等の処理が施されていたが、TiやMo材のように活
性の高い金属からなる基板の場合、吸着酸素等に起因す
る基板表面における酸化物生成を避けることが困難であ
った。そのため、該基板に良好な電着膜を成膜すること
は極めて困難であった。一方、このような難電解性基板
に対して、目的金属の電着前に単なる緩衝層を電着する
方法もあるが、CuInSe2 膜を形成する場合などの
ように加熱処理を必要とするものは、その加熱処理の際
に約3倍の体積膨脹が生じるため、目的析出物の基板か
らの剥離が避けられなかった。また、Ti材からなる基
板の処理方法としては、弗酸によるエッチング処理が良
く用いられるが、これはあくまでエッチングによる基板
表面の清浄化と平滑化が目的であった。
【0013】そこで本発明法では、まず、基板に弗素含
有化合物と蓚酸とを混合した処理液によってエッチング
処理(第一段エッチング処理)を施すことにより、弗素
系化合物による基板表面の清浄化と蓚酸による表面の粗
雑化とを同時に図っている。この第一段エッチング処理
においては、弗素含有化合物と蓚酸との比率、および処
理温度の設定が重要である。すなわち、弗素含有化合物
の比率が高すぎると平滑化が優先するため、粗雑化が達
成できなくなり、逆に蓚酸の比率が高すぎると粗雑化が
優先するため、後の電着に悪影響を及ぼしてしまうので
ある。
【0014】また、蓚酸の水に対する溶解度は温度に非
常に敏感であるため、温度に応じて添加量を調整する必
要がある。すなわち、エッチング処理温度が低いと蓚酸
の溶解度も低くなるため、弗素含有化合物の量は少なく
しなければならないのである。ただし、エッチング処理
温度が低すぎると、実質的にエッチングが不可能となる
上、蓚酸による粗雑化がほとんど期待できなくなる。
【0015】したがって、本発明法における第一段エッ
チング処理の条件としては、処理温度は30〜70℃、エッ
チング処理液における弗素含有化合物と蓚酸との重量比
率は0.05〜 0.3、および蓚酸濃度は 300g/l以下が好
ましい。
【0016】次に、上記基板に第二段エッチング処理を
施すが、この第二段エッチング処理の目的は、第一段エ
ッチング処理で得られた基板表面の調質にある。したが
って、弗素含有化合物によるエッチングが主となるが、
これだけを使用するとエッチング速度が速すぎて第一段
エッチング処理によって形成された粗雑面までもが平滑
になってしまう。そのため、第二段エッチング処理にお
いては、Tiを不働体化させる作用があり、弗素含有化
合物によるエッチングに対する抑制効果を示す硝酸を抑
制剤として混合したものを処理液として使用する。
【0017】また、第二段エッチング処理の条件として
は、処理温度は10〜40℃、エッチング処理液における弗
素含有化合物と硝酸との重量比は0.05〜 0.2、および硝
酸濃度は50〜 200g/lが好ましい。なお、上記第一段
および第二段エッチング処理における処理時間は、目的
に応じて任意に設定することができるが、通常20〜 120
秒で十分と考えられる。
【0018】上述第一段および第二段エッチング処理を
施した基板は十分に電着可能であるが、Tiなどの高い
活性を示す金属からなる基板を用いた場合、水素過電圧
が低いために電着の際に水素が発生し、発生した水素が
析出物に吸蔵されたりピンホールの原因となり、セレン
化時における剥離や膜の緻密性を損なう原因となる可能
性がある。そこで、本発明法においては基板表面の安定
化を図るため、安定化剤として、水素過電圧が高く、か
つCuInSe2 薄膜の特性に対して影響を及ぼすこと
のない元素であるInを、置換析出法によって基板表面
に析出させている(安定化処理)。なお、Inを電着法
によって基板表面に析出させようとしても付着力が極め
て弱く、電解中にはがれてしまう。
【0019】また、上記安定化処理においては、Ti表
面を常に活性な状態に保持するため、Inにエッチング
剤である弗素含有化合物を添加し、さらにIn析出が均
一になるようにクエン酸および硫酸アルミニウムを緩衝
剤として添加したものを安定化処理液として用いてい
る。すなわち、安定化処理液としては、弗素含有化合物
10〜30g/l、クエン酸 2〜10g/l、硫酸インジウム
2〜30g/l、硫酸アルミニウム 2〜20g/lといった
組成のものが好ましく、この処理液を用いた安定化処理
は、処理温度は30〜70℃、処理時間は30秒から 3分が適
当である。
【0020】次に、上記第一段エッチング処理、第二段
エッチング処理および安定化処理を施した基板に、常法
によってCuおよびInを電着し、気相状態のSeと反
応させることにより、CuInSe2 薄膜を得る。な
お、上記安定化処理に用いたInは加熱処理時に反応す
るため、あらかじめ置換析出されたIn量を測定してお
くことにより、最終生成物の組成制御が可能となる。
【0021】上記のような構成からなる本発明のCuI
nSe2 薄膜の製造方法によると、表面粗雑化によるア
ンカー効果による物理的接着が可能になり、ガス吸蔵の
ない電着膜が得られるようになる。そのため、基板との
密着性が高いCuInSe2薄膜を得ることができるの
である。また、本発明法によると、真空プロセスなどの
高価な装置を必要としないため、低コストで製造するこ
とができる。
【0022】以下、実施例により本発明をさらに詳細に
説明する。しかし本発明の範囲は以下の実施例により制
限されるものではない。
【0023】
【実施例1】まず、基板とするTi板の表面を、無機溶
剤および有機溶剤によって脱脂を行い、純水で十分に洗
浄した後、アルカリ溶液中で電解脱脂を行い、純水で十
分に洗浄した。次いで、酸性弗化アンモニウム(NH4
F・HF)10g/l、蓚酸 100g/lからなるエッチン
グ処理液を用いて第一段エッチング処理を行い(エッチ
ング温度50℃、処理時間 1分間)、純水で十分に洗浄し
た。
【0024】次に、酸性弗化アンモニウム10g/l、硝
酸10vol%の組成からなるエッチング処理液を用いて第二
段エッチング処理を行い(エッチング温度25℃、処理時
間 1分間)、純水で十分に洗浄した。次いで、この処理
基板を弗化カリウム(KF)20g/l、クエン酸5g/
l、硫酸アルミニウム(Al2 (SO4 3 ) 6g/
l、硫酸インジウム(In2 (SO4 3 ) 5g/lの
組成からなる安定化処理液に浸漬して安定化処理を行っ
た(処理温度50℃、処理時間 1分間)。以上の処理を施
した基板の表面を調べたところ、基板の表面全体にIn
が均一に析出していた。
【0025】次に、最終的に量論組成に電着させるCu
−In膜の膜厚を 1μmとしたとき、上記基板上におけ
るInの析出量がCu/In(モル比)= 0.1に相当し
ていることを確認した後、該基板上にCuおよびIn
を、両者のモル比が 0.9、両者の膜厚の合計が 1μmと
なるように電着した(得られたCu膜とIn膜との膜厚
の合計は約 1μmであった)。なお、上記Cuの電着は
シアン系の浴を用いて行い、Inの電着は硫酸系の浴を
用いて行った。このようにして得た基板の電着面を観察
したところ、ピンホール等がなく均一であった。
【0026】次に、上記基板を反応管内に設置し、N2
+H2 混合ガスを 500cc/minで導入しながら 5℃/min
の速度で 400℃まで昇温し、この温度で30分保持した
後、Seガスを導入して2時間保持した。2時間後、S
eガスの導入を停止し、反応管内に残留したSeあるい
は過剰に付着したSeを除去するため、1時間該温度
(400℃)に保持し、その後冷却した。
【0027】上記のようにして製造した基板上における
膜の構造について、XRDを用いて解析を行った。その
結果、基板上における膜はCuInSe2 の単一層であ
り、その組成はCu/In/Se=24/26/50(at%)
であり、ほぼ化学量論比になっていた。また、得られた
CuInSe2 薄膜の表面にはピンホールや剥離等がな
く、均一であった。
【0028】
【実施例2】第一段エッチング処理において、酸性弗化
アンモニウム(NH4 F・HF)に代えて弗酸(HF)
を用い、エッチング処理温度を30℃としたこと以外は実
施例1と同様にしてエッチング処理、安定化処理および
成膜を行った。
【0029】その結果、安定化処理後の基板にはInが
均一に析出していた。また、成膜後に得られた薄膜の組
成は、Cu/In/Se=23/26/51(at%)と化学量
論組成であり、このCuInSe2 薄膜の表面には斑や
剥離がなく、均一であった。
【0030】
【実施例3】第二段エッチング処理において、酸性弗化
アンモニウム(NH4 F・HF)に代えて酸性弗化カリ
ウム(KF・nHF)を用い、エッチング処理温度を35
℃としたこと以外は実施例1と同様にしてエッチング処
理、安定化処理および成膜を行った。その結果、得られ
たCuInSe2 薄膜は、その表面に斑やピンホールが
なく、均一なものであった。
【0031】
【実施例4】安定化処理において、弗素含有化合物に代
えて弗化アンモニウムを用い、安定化処理温度を65℃と
したこと以外は実施例1と同様にしてエッチング処理、
安定化処理および成膜を行った。その結果、得られたC
uInSe2 薄膜は、その表面に斑や剥離がなく、均一
なものであった。
【0032】
【比較例1】第一段エッチング処理において、エッチン
グ処理液の蓚酸濃度を 400g/l、処理温度を80℃とし
たこと以外は実施例1と同様にしてエッチング処理、安
定化処理および成膜を行った。その結果、エッチング処
理後の基板表面は、目視上からも凹凸が激しく、また基
板表面におけるInの析出が不均一であった。さらに、
成膜後に得られた薄膜の組成は、Cu/In/Se=24
/27/49(at%)であり化学量論比にはなっていたが、
このCuInSe2 薄膜には斑が多く、ピンホールも多
く存在していた。
【0033】
【比較例2】第二段エッチング処理において、エッチン
グ処理液の硝酸濃度を30vol%、処理温度を60℃としたこ
と以外は、実施例1と同様にしてエッチング処理、安定
化処理および成膜を行った。その結果、エッチング処理
後の基板表面は凹凸が激しく、部分的にInの析出して
いないところがあった。さらに、成膜後に得られた薄膜
の組成は、Cu/In/Se=26/24/50(at%)であ
り化学量論比にはなっていたが、このCuInSe2
膜には斑やピンホールが多く、一部に剥離も観察され
た。
【0034】
【比較例3】安定化処理液から弗素含有化合物を除いた
こと以外は、実施例4と同様にしてエッチング処理、安
定化処理および成膜を行った。その結果、エッチング処
理後の基板にはInの置換析出がほとんど観察されず、
成膜後に得られたCuInSe2 薄膜にはピンホールが
多く、剥離も観察された。
【0035】
【比較例4】安定化処理液からクエン酸と硫酸アルミニ
ウムを除いたこと以外は、実施例2と同様にしてエッチ
ング処理、安定化処理および成膜を行った。その結果、
エッチング処理後の基板におけるInの析出が若干不均
一になっていた。また、成膜後に得られたCuInSe
2 薄膜にはピンホールはないものの斑があり、剥離傾向
にあった。なお、電着を繰り返すと、この傾向がより顕
著になった。
【0036】
【比較例5】第一段エッチング処理を実施しないこと以
外は、実施例1と同様にエッチング処理、安定化処理お
よび成膜を行った。その結果、安定化処理後のInの置
換析出膜およびCuInSe2 薄膜には両方とも斑があ
った。また、成膜後に得られたCuInSe2 薄膜は剥
離しやすかった。
【0037】
【比較例6】第二段エッチング処理を実施しないこと以
外は、実施例1と同様にエッチング処理、安定化処理お
よび成膜を行った。その結果、安定化処理後のInの置
換析出膜は凹凸が激しく、斑の多い不均一なものであっ
た。また、成膜後に得られたCuInSe2 薄膜にはI
n析出膜の状態が残存し、不均一なものであった。
【0038】
【比較例7】安定化処理を実施しないこと以外は、実施
例1と同様にエッチング処理、安定化処理および成膜を
行った。その結果、CuおよびInの電着後に得られた
電着膜は、ピンホールが多く、不均一なものであり、こ
の不均一性はセレン化処理を施してもそのまま残存して
いた。また、成膜後に得られたCuInSe2 薄膜は簡
単に剥離した。
【0039】
【発明の効果】本発明法によると、CuおよびInの電
着前に基板の清浄化、粗雑化および安定化を行うことに
より、アンカー効果による物理的接着が可能になり、ま
た電着時に発生する水素ガスによる影響のない膜が形成
できるようになった。そのため、基板との密着性に優
れ、均一かつ再現性の良いCuInSe2 薄膜の製造が
可能になった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 光根 裕 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同和鉱業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−94669(JP,A) 特開 昭61−237476(JP,A) 特開 昭59−14682(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 31/04 - 31/078

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にCuおよびInを電着法で成膜
    し、気相状態のSeと反応させることによってCuIn
    Se2 薄膜を製造する方法であって、CuおよびInの
    電着前に、二段階に分けたエッチング処理によって基板
    表面の清浄化および粗雑化を行い、エッチング処理後
    に、基板表面にInを置換析出させる安定化処理を施す
    ことを特徴とするCuInSe2 薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記二段階のエッチング処理における第
    一段エッチング処理の処理液が、弗素含有化合物と蓚酸
    との混合液であり、このエッチング処理における処理温
    度が30〜70℃であることを特徴とする請求項1記載のC
    uInSe2薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記二段階のエッチング処理における第
    二段エッチング処理の処理液が、弗素含有化合物と硝酸
    との混合液であり、このエッチング処理における処理温
    度が10〜40℃であることを特徴とする請求項1記載のC
    uInSe2薄膜の製造方法。
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