JP3079973B2 - アルミニウム合金とステンレス鋼のクラッド板およびその製造方法 - Google Patents

アルミニウム合金とステンレス鋼のクラッド板およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム合金
とステンレス鋼で構成された2層、あるいは3層等複数
層のクラッド板およびその製造方法に関し、さらに詳し
くは、常温における厳しい条件での加工の際に、クラッ
ド板の接合面で剥離を生じないアルミニウム合金とステ
ンレス鋼のクラッド板およびその製造方法に関する。
【従来の技術】クラッド板の製造方法は、爆着法と圧延
法に大別される。爆着法は、クラッドする材料を重ね合
わせた爆着素材を準備し、火薬の爆発によって生じる強
い圧力を利用して、瞬時に圧着する方法である。爆着法
によって得られるクラッド板の接合界面は、波打ち状と
なっている。そのため、爆着法では、機械的なアンカー
効果により、接合強度の高いクラッド板が得られる。し
かし、製造可能な寸法および形状が限定されるので、構
造材やプラント材などとしての用途に要求される大型の
クラッド板が製造できないこと、製造コストが高いこと
などの問題がある。一方、圧延法は、クラッドする材料
を重ね合わせた圧延素材を準備し、この圧延素材を圧延
によって接合可能な温度に加熱した後、ロール圧延によ
ってクラッド板を製造する方法である。圧延法について
は、製造コストが安いこと、クラッド板に対する寸法の
制限が比較的少ないこと、大型のクラッド板の製造が可
能なことなどの利点がある。なお、圧延法では、圧延前
の加熱は必ずしも必要としないが、圧延による接合性を
高めるために、上記のように、圧延素材を加熱した後に
圧延する手法がしばしば用いられる。この圧延法によっ
て、アルミニウム合金とステンレス鋼あるいは普通鋼と
のクラッド板が製造されている。しかし、マグネシウム
(Mg)を含有する強度の高いアルミニウム合金とステ
ンレス鋼の組み合わせの場合には、両者を直接接合する
と良好な接合が得られなかった。この理由は必ずしも明
確ではないが、圧延前の加熱時に、アルミニウム合金の
表面にマグネシウムに富んだ強固な酸化皮膜が形成さ
れ、この酸化皮膜がステンレス鋼との接合面の金属接合
を阻害すること、あるいはアルミニウム合金中のマグネ
シウムが接合界面における金属間化合物の生成を促進
し、接合界面が脆化することなどが原因と考えられる。
したがって、マグネシウムを含むアルミニウム合金とス
テンレス鋼等との圧延によるクラッド板の製造方法にお
いては、マグネシウムを含まない純アルミニウムをイン
サート材として利用することにより、金属間化合物の生
成を防止するとともに、良好な接合を得る手段が採られ
ている。例えば、特開平5−69163号公報には、マ
グネシウムを含むアルミニウム合金と普通鋼板の間に純
アルミニウム板を挟み、350〜550℃に加熱した後
に熱間圧延し、クラッド板を製造する方法(圧延後の純
アルミニウム層の厚さ:0.2〜4mm)、特開平1−
266981号公報には、ステンレス鋼板を純アルミニ
ウムで被覆(インサート材に相当)した後、クラッドす
るアルミニウムまたはアルミニウム合金を重ね合わせ
て、熱間圧延する方法が開示されている。インサート材
として純アルミニウムを使用する上記の方法によれば、
マグネシウムを含むアルミニウム合金とステンレス鋼等
との接合は可能であり、ある程度の接合強度を得ること
ができる。しかし、マグネシウム3〜5重量%(以下、
化学組成の%表示は重量%を表す)を含む強度の高いア
ルミニウム合金とステンレス鋼等とのクラッド板を製造
した場合、このアルミニウム合金の強度に見合う接合強
度を得ることができなかった。すなわち、上記のインサ
ート材として純アルミニウムを用いる従来の方法では、
接合部の強度が不十分なために、高い接合強度が要求さ
れる場合には、その要求を充たすことができなかった。
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解決するためになされたものであって、接合部におけ
る板厚方向の引張り強度およびせん断強度の高い、マグ
ネシウム(Mg)を3〜5%含むアルミニウム合金とス
テンレス鋼で構成された2層あるいは3層等、複数層の
クラッド板およびその熱間圧延法による製造方法を提供
することを目的とする。
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決することを目的として、マグネシウム3〜5%
を含むアルミニウム合金とステンレス鋼のクラッド板の
接合強度に及ぼす要因について詳細に検討を重ねた結
果、次の知見を得た。 (a)クラッド板の板厚方向の引張強度は、ステンレス
鋼とインサート材との間の接合界面強度およびインサー
ト材の強度の影響を受ける。接合界面強度がインサート
材の強度より高い場合には、板厚方向の引張強度は、イ
ンサート材の引張り強度に支配される。(純アルミニウ
ムをインサート材として用いた場合、板厚方向の引張強
度が本発明の目標値である純アルミニウムの引張強度1
37N/mm2 以上になることはない) (b)Mg:3〜5%を含むアルミニウム合金とステン
レス鋼のクラッド板製造用のインサート材としては、M
g:0.8〜1.3%を含有するアルミニウム合金が最
適である。このインサート材の引張強度は、焼鈍状態で
180N/mm2程度である。また、このインサート材は、
クラッド板の耐食性を損なうことがない。本発明は、上
記の知見を基になされたものであって、(1)「接合さ
れた一面が、重量%でMg:3〜5%を含むアルミニウ
ム合金、接合された他の面がステンレス鋼で構成された
アルミニウム合金とステンレス鋼のクラッド板におい
て、アルミニウム合金とステンレス鋼との間に、重量%
でMg:0.8〜1.3%を含むアルミニウム合金によ
って形成された厚さが0.07〜0.33mmの中間層
を有するアルミニウム合金とステンレス鋼のクラッド
板。」および(2)「重量%でMg:3〜5%を含むア
ルミニウム合金と、ステンレス鋼を、熱間圧延によって
圧着してアルミニウム合金とステンレス鋼のクラッド板
を製造する方法において、アルミニウム合金とステンレ
ス鋼の間に、インサート材として重量%でMg:0.8
〜1.3%含み、厚さが0.1〜0.5mmのアルミニ
ウム合金を介在させた圧延素材を作製し、この圧延素材
を300〜500℃に加熱した後圧延することにより、
アルミニウム合金とステンレス鋼のクラッド板を製造す
る方法。」を要旨とする。
【発明の実施の形態】本発明のアルミニウム合金とステ
ンレス鋼のクラッド板の製造工程は次のとおりである。
まず、クラッドするアルミニウム合金板およびステンレ
ス鋼板の接合面に対して、熱間圧延によって金属接合が
生じるように前処理を施す。この前処理は、接合面の清
浄化および接合面への凹凸の形成を目的としており、通
常、回転ブラシによるブラッシングおよび溶剤による脱
脂等の処理を行う。次に、図1に示すように、アルミニ
ウム合金板2とステンレス鋼板3の前処理が施された面
の間に、Mgを含むアルミニウム合金からなるインサー
ト材4を挟み、さらに、圧延時に始めにロールに噛み込
む先端部5を真ちゅう等のリベット6で固定することに
より、圧延素材1を組み立てる。ここで、図1におい
て、(a)は、アルミニウム合金とステンレス鋼の2層
構造のクラッド板製造用の圧延素材の例、(b)は、ス
テンレス鋼の間にアルミニウム合金を挟んだ3層構造の
クラッド板製造用圧延素材の例を示す。(b)の3層構
造の場合には、図に示すように、インサート材4を、ス
テンレス鋼板3とアルミニウム合金板2のそれぞれの接
合面(2箇所)に介在させる。この圧延素材を加熱し、
ロール圧延等による熱間圧延を行って、クラッド板を製
造する。なお、熱間圧延後のクラッド板には、インサー
ト材を主体とする接合層が存在する。以下、この層を中
間層と呼ぶことにする。以下、本発明のクラッド板の製
造方法およびクラッド板について具体的に説明する。 アルミニウム合金:本発明では、ステンレス鋼とクラッ
ドするアルミニウム合金(以下、単にアルミニウム合金
と記す)としては、強度の高い合金を対象としている。
アルミニウム合金に含まれる元素として、マグネシウム
を選んだのは、アルミニウム合金の強度の向上および耐
食性の向上の両面において有効な元素だからである。ま
た、このアルミニウム合金のマグネシウム含有率を3〜
5%としたのは、3%未満ではマグネシウムの添加によ
る素材の強度向上効果が不十分であり、5%を越えると
アルミニウム合金が応力腐食割れを生じやすくなるため
である。このようなアルミニウム合金としては、JIS
A5000系が好適である。なお、このアルミニウム
合金には、Mgのほかに、Mn、Cu、Crなどの合金
元素が含まれていても差し支えない。 ステンレス鋼:アルミニウム合金とクラッドするステン
レス鋼については、本発明の目的とする接合強度の高い
クラッド板を得る観点からは、特に特定の材質に限られ
るものではない。フェライト系、オーステナイト系、マ
ルテンサイト系等いずれの材質でもよい。どのようなス
テンレス鋼を選ぶかは、クラッド板の用途に合わせて選
択するのが好ましい。 インサート材およびクラッド板の中間層:(化学組成)
本発明のインサート材としてのアルミニウム合金(以
下、単にインサート材と記す)は、クラッド板の接合強
度が高く、かつ耐食性を満足するものでなければならな
い。インサート材のマグネシウム(以下、Mgと記す)
を0.8〜1.3%としたのは、次の理由による。Mg
含有率0.8%未満の場合には、Mgの添加によるイン
サート材の強度向上効果が不十分であり、接合部で金属
接合が生じても板厚方向の引張強度が本発明の目標値で
ある137N/mm2 を超えることがないためである。
また、Mg含有率が1.3%を越えると、接合部で金属
接合が起こりにくく、本発明の目標とする高い接合強度
のクラッド板が得られないためである。一般に、インサ
ート材の表面に酸化皮膜が生じると、インサート材とス
テンレス鋼板との間で十分な金属接合が得られず、接合
強度が低くなる。しかし、Mg含有率:0.8〜1.3
%のインサート材を用いた本発明のクラッド板の場合に
は、インサート材表面の酸化皮膜の形成が軽微なためそ
の懸念がなく、板厚方向の引張強度137N/mm2
十分にクリアすることができる。さらに、高い板厚方向
の引張強度を必要とする場合には、インサート材のMg
含有率としては、0.8〜1.1%とするのが望まし
い。なお、インサート材としてのアルミニウム合金に
は、上記のMgのほかに、Mn、Cuなどの合金元素が
含まれていても差し支えない。 (板厚、層厚)熱間圧延前のインサート材の板厚は0.
1〜0.5mm、クラッド板の中間層の層厚(厚さ)は
0.07〜0.33mmの範囲が望ましい。板厚0.1
mm未満の場合には、熱間圧延中にインサート材が引き
裂かれ、圧延後のクラッド板において健全な接合層が形
成されない。板厚0.1mm以上の場合には、本発明の
クラッド板の製造方法によれば、通常厚さ0.20mm
程度以上の中間層が形成され、良好な接合強度が得られ
る。一方、クラッド板の中間層の厚さが0.33mmを
越えると、クラッド材に板厚方向の引張り応力が働いた
場合、中間層にネッキング効果が生じ、板厚方向の引張
強度が低くなる。そのために、クラッド板の板厚方向の
引張強度が137N/mm2 を下回るようになる。した
がって、クラッド板の中間層の厚さは0.33mm以
下、この中間層の厚さとするためのインサート材の板厚
は、0.5mm以下とする必要がある。 熱間圧延条件: (加熱温度)圧延条件としての加熱温度の下限を350
℃としたのは、350℃未満では、熱間圧延の際にイン
サート材とステンレス鋼の間の接合界面で生じるAlと
Feの相互拡散による金属接合が起こりにくく、目標と
する接合強度が得られないためである。一方、加熱温度
が500℃を越えると、接合界面にFe−Al系の脆弱
な金属間化合物が生成し、接合強度が低くなる傾向があ
る。したがって、加熱温度は、350〜500℃とし
た。 (加熱雰囲気)クラッドするアルミニウム合金板、ステ
ンレス鋼板およびインサート材の表面に極力酸化皮膜が
形成されないように加熱することが望ましい。非酸化性
の雰囲気での加熱が望ましいが、本発明の上記加熱温度
範囲の場合には、大気雰囲気中における加熱でも差し支
えない。 圧下率:圧延素材を熱間圧延することによって生じる金
属接合は、圧下率のほかに、アルミニウム合金およびス
テンレス鋼板の材質、圧延時の温度、接合面の粗さ等の
表面状態などの影響をうける。したがって、目標の接合
強度を得るための圧下率は、それぞれの条件に合わせて
選択する必要がある。通常、圧下率{(圧延素材の板厚
−圧延後の板厚)/圧延素材の板厚×100}は、十分
な金属接合を得るために30%以上とするのが好まし
い。本発明のクラッド板では、アルミニウム合金、イン
サート材とステンレス鋼が重ね合わされた状態で圧延さ
れる。そのために、この3者の中では、圧縮強度の低い
アルミニウム合金およびインサート材の圧下率が大き
く、ステンレス鋼の方が小さい。例えば、圧下率35%
の場合には、アルミニウム合金の圧下率は60%程度、
インサート材は30%程度、ステンレス鋼は10%程度
となる。
【実施例】圧延素材の作製に用いたアルミニウム合金
板、ステンレス鋼板およびインサート材の大きさおよび
材質は下記のとおりである。 (アルミニウム合金板) 大きさ:厚さ 29mm、幅 70mm、長さ 200
mm 材 質:JIS A5083(Mg:4.5%) (ステンレス鋼板) 大きさ:厚さ 22mm、幅 70mm、長さ 200
mm 材 質:SUS 304 (Cr:18%、Ni:8%) (インサート材) 大きさ:厚さ 0.08〜1.0mm、幅 70mm、
長さ 200mm 化学組成:表1(計7種類)
【表1】 アルミニウム合金板およびステンレス鋼板の接合面につ
いては、ブラッシングを施した後、アセトンによって脱
脂し、表面への凹凸の形成と清浄化をおこなった。この
面をインサート材に対面させて、アルミニウム合金板と
ステンレス鋼板を重ね合わせ、さらに圧延の際、はじめ
にロールに噛み込む先端部を真ちゅう製のリベットによ
って2箇所固定した。得られた圧延素材(厚さ 51.
08〜52mm)を大気雰囲気下で250〜550℃の
温度に加熱し、直ちに圧下率32〜40%で1回の熱間
圧延を行うことによりクラッド板(厚さ 30.8〜3
4.9mm)を作製した。次に、得られたクラッド板1
0類の供試材を対象に、接合部のせん断強度および板厚
方向の引張強度の測定、さらに供試材縦断面の顕微鏡観
察による中間層の厚さ測定を行った。せん断強度の測定
は、JIS G 0601に規定されている方法によっ
た。図2に、せん断強度測定用の試験片を示す。試験片
には、供試材のアルミニウム合金(合わせ材)2’およ
び中間層4’を削ることによって、ステンレス鋼(母
材)3’の上に、厚さ3mm、幅4.5mmの突起部7
を形成させた。この試験片を用いて、アルミニウム合金
2’をステンレス鋼3’から接合面と平行にはく離させ
るせん断試験を行った。板厚方向の引張強度について
は、JIS Z 2241に準拠した試験を行った。図
3に、引張試験に用いた試験片を示す。試験片として
は、供試材の板厚方向から切りだした、アルミニウム合
金2’、中間層4’およびステンレス鋼3’からなる試
験片を用いた。引張試験における引張速度は、27mm
/分である。供試材の縦断面の中間層の厚さは、供試材
の縦断面をバフ研磨仕上げした後、光学顕微鏡による観
察によって測定した。表2に、各試験No.毎の供試
材、試験条件および試験結果をまとめて示した。表2に
は接合性の総合評価結果も併記した。なお、表2の総合
評価は、引張強度が137N/mm2 以上(日本海事協
会の規格値。137N/mm2 未満では、実使用環境で
接合界面でのはく離もしくは中間層部で破断する可能性
がある)、せん断強度78N/mm2 以上(日本海事協
会の規格値)の2条件をすべて満たすものを本目的に合
致した接合性良好なものとし、表中には記号”○”とし
て表示した。それ以外は接合性不良と判断し、表中に
は”×”として示した。
【表2】 表2から明かなように、インサート材のMg含有率、イ
ンサート材の板厚、加熱温度およびクラッド板の中間層
の厚さが本発明のクラッド板あるいはその製造方法の範
囲内にある試験No.1〜8の本発明例については、せ
ん断強度が100N/mm2 以上、板厚方向の引張強度
が140N/mm2 で、総合評価も良好である。これに
対して、インサート材のMg含有率が本発明の範囲外の
供試材No.9〜12、インサート材の板厚あるいはク
ラッド板の中間層の厚さが本発明の範囲外の供試材N
o.13〜15、また、熱間圧延前の加熱温度が本発明
の範囲外の供試材No.16、17の比較例について
は、せん断強度と板厚方向の引張強度のいずれかまたは
両者の値が低く、総合評価が不良となっている。また、
接合に必要な圧下率の下限は、影響因子が多く一概には
決められないが、本実施例の場合には、試験No.18
の結果から35%程度と推定された。上記の実施例から
明かなように、本発明のアルミニウム合金とステンレス
鋼のクラッド板あるいは本発明の製造方法によってえら
れるクラッド板は、接合部のせん断強度および板厚方向
の引張強度が高く、優れた接合特性を備えていることが
確認された。なお、上述の実施例では、ステンレス鋼と
して、オーステナイト系のSUS304の例を示した
が、フェライト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステ
ンレス鋼等他のステンレス鋼を用いても、オーステナイ
ト系ステンレス鋼と同様、良好な接合部を備えたクラッ
ド板が得られることは言うまでもない。また、本発明の
方法によれば、実施例に示した2層構造のクラッド板の
他に、ステンレス鋼−アルミニウム合金−ステンレス鋼
の3層等複数層の構造のクラッド板を製造することが可
能であり、本発明は、これらのクラッド板およびその製
造方法を含むことは前述のとおりである。
【発明の効果】本発明のマグネシウムを3〜5重量%含
有するアルミニウム合金とステンレス鋼で構成された2
層あるいは3層等複数層のクラッド板は、接合部のせん
断強度および板厚方向の引張強度が大きいために、常温
における厳しい成形、加工の際にも接合面で剥離を生じ
ない優れた特性を有する。また、本発明のクラッド板の
製造方法は、熱間圧延法を採用しているため、安い製造
コストで、大型のクラッド板を製造することができると
いう特長を備えている。さらに、本発明のクラッド板
は、アルミニウム合金で形成された中間層のマグネシウ
ム含有率が低いので、クラッド板の耐食性も良好であ
る。このように、本発明は、優れた接合強度を有するア
ルミニウム合金とステンレス鋼とのクラッド板を安価に
提供できるという特長を有し、産業上への寄与が極めて
大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の圧延素材の外観図である。
(a)は、アルミニウム合金とステンレス鋼の2層構
造、(b)は、ステンレス鋼−アルミニウム合金−ステ
ンレス鋼の3層構造のクラッド板製造用圧延素材の例を
示す。
【図2】図2は、せん断強度測定用のせん断試験用試験
片の平面図および側面図である。
【図3】図3は、板厚方向の引張強度測定用の引張強度
試験用試験片の中心軸を含む断面図および側面図であ
る。 符号の説明 1 :圧延素材 2 :アルミニウム合金(Mg含有率3〜5重量%) 2’:熱間圧延後のアルミニウム合金(Mg含有率3〜
5重量%) 3 :ステンレス鋼 3’:熱間圧延後のステンレス鋼 4 :インサート材(アルミニウム合金) 4’:中間層(主にアルミニウム合金) 6 :リベット
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B23K 103:20 (56)参考文献 特開 平3−8587(JP,A) 特開 平5−77353(JP,A) 特開 平8−118044(JP,A) 特開 平8−39269(JP,A) 特開 昭56−95481(JP,A) 実開 昭59−160223(JP,U) 特公 昭50−7545(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 20/04,20/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】接合された一面が重量%でMg:3〜5%
    を含むアルミニウム合金、接合された他の面がステンレ
    ス鋼で構成されたアルミニウム合金とステンレス鋼のク
    ラッド板において、前記アルミニウム合金と前記ステン
    レス鋼との間に、重量%でMg:0.8〜1.3%を含
    むアルミニウム合金によって形成された厚さが0.07
    〜0.33mmの中間層を有することを特徴とするアル
    ミニウム合金とステンレス鋼のクラッド板。
  2. 【請求項2】重量%でMg:3〜5%を含むアルミニウ
    ム合金とステンレス鋼で構成されたクラッド板を製造す
    る方法において、アルミニウム合金板とステンレス鋼板
    との間に、インサート材として重量%でMg:0.8〜
    1.3%を含み、厚さが0.1〜0.5mmのアルミニ
    ウム合金を介在させた圧延素材を作製し、この圧延素材
    を300〜500℃に加熱した後、熱間圧延することを
    特徴とするアルミニウム合金とステンレス鋼のクラッド
    板の製造方法。
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