JP4059700B2 - アルミニウム積層板又はアルミニウム合金積層板、並びにアルミニウム積層板又はアルミニウム合金積層板の作製方法 - Google Patents

アルミニウム積層板又はアルミニウム合金積層板、並びにアルミニウム積層板又はアルミニウム合金積層板の作製方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウムに対して積層するアルミニウム合金積層体板、アルミニウム合金に対して積層するアルミニウム又は組成が相違するアルミニウム合金積層体板、アルミニウム又はアルミニウム合金に対して積層する鋼板、ステンレス板材、又は銅板から選ばれる金属積層板又はそれらの作製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、異種金属板の接合、例えば、ステンレス鋼板とアルミニウム合金板の接合では、爆発圧接法によるものが、殆どであったが、近年、真空中で母材と合わせて板を密着させて高周波誘導加熱により加熱し、ローラにより圧延する方法が提案されている(特開平10−180465号公報)。この方法では接合面を放電により清浄化することが必要とされる。また、この圧延方法の改良では、低融点金属の皮膜を形成する(特開平10−277755号公報)など、比較的に煩雑な操作が要求されている。
また、アルミニウムとステンレス鋼のクラッド板の圧延接合法では、板厚許容差を0.05mmに抑えることが要求され、そのために板厚を測定し、圧延時の温度制御を行なうことが必要とされている(特開平10−99977号公報)。
また、アルミニウム側のワークロールは駆動回転させ、ステンレス鋼板側のワークロールをアイドリング状態にして圧延温度の調整を行なう方法などが提案されている(特開平10−6039号公報)。これらも煩雑な操作を必要とするものであり、また大掛かりな設備を必要とするものである。
このようなことから、このような煩雑な操作を必要としないアルミニウム積層板又はアルミニウム合金積層板、並びにアルミニウム積層板又はアルミニウム合金積層板の作製方法の開発が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、新規なアルミニウムに対して積層するアルミニウム合金積層体板、アルミニウム合金に対して積層するアルミニウム又は組成が相違するアルミニウム合金積層体板、アルミニウム又はアルミニウム合金に対して積層する鋼板、ステンレス板材、又は銅板から選ばれる金属積層板又はそれらの作製方法に関するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題について研究し、アルミニウムに対して積層するアルミニウム合金、アルミニウム合金に対して積層するアルミニウム又は組成が相違するアルミニウム合金、アルミニウム又はアルミニウム合金に対して積層する鋼板、ステンレス板材、又は銅板から選ばれる金属を摩擦肉盛することにより肉盛材を形成し、金属板と接合され、この肉盛材を切削加工して厚さを一定としたアルミニウム積層板又はアルミニウム合金積層板を、圧延加工することによって、目的とする厚さとして、前記金属板からなるアルミニウム積層板又はアルミニウム合金積層板が得られることを見いだして、前記課題を解決したものである。摩擦肉盛法は、摩擦熱を利用した固相表面改質技術であり、素材を溶融せずに希釈の少ない高速成膜を可能とするものであり、厚膜層の形成も容易に行なうことができる方法であり、本発明者らも良好な肉盛法及び肉盛材の開発を行なってきた(軽金属学会第98回春期大会講演概要、(2000)、283)。しかしながら、摩擦肉盛法は、製品の必要とする部分に必要とする厚さの肉盛を容易に形成することにより問題を解決することには有効であるが、積層板のように板材の表裏で異なる性質を持たせること、すなわち、広範囲の部分わたり肉盛層を形成するためには、多大な労力を必要とされてきた。このようなことから、肉盛層を作製し、他の金属加工方法と組み合わせて、加工を行うことは行われていない。すなわち、摩擦肉盛した後に、圧延処理することは行なわれていない。本発明者らは、積層したい板材の表面にアルミニウム又はアルミニウム合金を摩擦肉盛して肉盛材を作製し、この肉盛材の肉盛開始部及び終了部を切除し、肉盛眉の厚さを一定の厚さにしたものを、熱間圧延することにより、アルミニウム又はアルミニウム合金積層板を比較的に簡単な装置により作製することができること、又これらの積層板は、強度、伸び或いは引張試験の結果では、従来行われてきた他の積層板の試験結果に比較して良好な結果が得られることを見いだし、新たに、アルミニウムに対して積層するアルミニウム合金積層体板、アルミニウム合金に対して積層するアルミニウム又は組成が相違するアルミニウム合金積層体板、アルミニウム又はアルミニウム合金に対して積層する鋼板、ステンレス板材、又は銅板から選ばれる金属積層板又はそれらの作製方法を完成させたものである。
【0005】
本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)アルミニウム積層しようとするアルミニウム合金、アルミニウム合金積層しようとするアルミニウム又は組成が相違するアルミニウム合金板、又はアルミニウム若しくはアルミニウム合金積層しようとする鋼板、ステンレス板材、又は銅板から選ばれる金属の表面に、積層しようとする前記アルミニウム又はアルミニウム合金の棒状物を前記アルミニウム合金板、前記アルミニウム若しくは組成が相違するアルミニウム合金板又は前記金属板と接触させた状態で回転させることにより、積層しようとする前記アルミニウム又はアルミニウム合金を摩擦肉盛し、前記アルミニウム合金板、前記アルミニウム板若しくは組成が相違するアルミニウム合金板、又は前記金属板を前記摩擦肉盛された部分の大きさに合わせて切断し、さらに摩擦肉盛された部分の表面を切削加工して摩擦肉盛された部分を特定の厚さにした後、熱間圧延することにより得られることを特徴とするアルミニウムを積層したアルミニウム合金板、アルミニウム合金を積層したアルミニウム板若しくは組成が相違するアルミニウム合金板、又はアルミニウム板若しくはアルミニウム合金板を積層した鋼板、ステンレス板材、又は銅板から選ばれる金属板。
(2)(1)記載のアルミニウムを積層したアルミニウム合金板、アルミニウム合金を積層したアルミニウム板若しくは組成が相違するアルミニウム合金板、又はアルミニウム若しくはアルミニウム合金を積層した鋼板、ステンレス板材、又は銅板から選ばれる金属板からなる二層の積層体板表面に、アルミニウム合金又はアルミニウム若しくは組成が相違するアルミニウム合金の棒状物を接触させた状態で回転させることにより、前記アルミニウム又はアルミニウム合金の一層を摩擦肉盛し、三層からなる、アルミニウムを積層したアルミニウム合金板、三層からなる、アルミニウム合金を積層したアルミニウム若しくは組成が相違するアルミニウム合金板、又は三層からなる、アルミニウム若しくはアルミニウム合金を積層した鋼板、ステンレス板材、又は銅板から選ばれる金属板を前記摩擦肉盛された部分の大きさに合わせて切断し、さらに摩擦肉盛された部分の表面を切削加工して摩擦肉盛された部分を特定の厚さにした後、熱間圧延することにより得られることを特徴とする三層からなる、アルミニウムにアルミニウム合金を積層した積層体、三層からなる、アルミニウム合金にアルミニウム若しくは組成が相違するアルミニウム合金を積層した積層体、三層からなる、アルミニウム若しくはアルミニウム合金を鋼板、ステンレス板材、又は銅板から選ばれる金属板に積層した積層体。
(3)アルミニウム積層しようとするアルミニウム合金、アルミニウム合金積層しようとするアルミニウム又は組成が相違するアルミニウム合金板、又はアルミニウム若しくはアルミニウム合金積層しようとする鋼板、ステンレス板材、又は銅板から選ばれる金属の表面に、前記アルミニウム又はアルミニウム合金の棒状物を前記アルミニウム合金板、前記アルミニウム若しくは組成が相違するアルミニウム合金板、又は前記金属板と接触させた状態で回転させることにより、前記アルミニウム又はアルミニウム合金を摩擦肉盛し、前記アルミニウム合金板、前記アルミニウム若しくは組成が相違するアルミニウム合金板、又は前記金属板を、前記摩擦肉盛された部分の大きさに合わせて切断し、さらに摩擦肉盛された部分の表面を切削加工して摩擦肉盛された部分を特定の厚さにした後、熱間圧延することにより得られることを特徴とするアルミニウムを積層したアルミニウム合金板、アルミニウム合金を積層したアルミニウム若しくは組成が相違するアルミニウム合金板、又はアルミニウム若しくはアルミニウム合金を積層した鋼板、ステンレス板材、又は銅板から選ばれる金属板の製造方法。
(4)(1)記載のアルミニウムを積層したアルミニウム合金板、アルミニウム合金を積層したアルミニウム若しくは組成が相違するアルミニウム合金板、又はアルミニウム若しくはアルミニウム合金を積層した鋼板、ステンレス板材、又は銅板から選ばれる金属板に摩擦肉盛されたアルミニウム若しくはアルミニウム合金からなる二層の積層体板表面に、アルミニウム合金又はアルミニウム若しくは組成が相違するアルミニウム合金の棒状物を接触させた状態で回転させることにより、一層からなるアルミニウム合金又はアルミニウムを摩擦肉盛し、三層からなる、摩擦肉盛された部分に積層したアルミニウム合金板、 三層からなる、アルミニウム合金を積層したアルミニウム若しくは組成が相違するアルミニウム合金板、又は三層からなる、アルミニウム若しくはアルミニウム合金を積層した鋼板、ステンレス板材、又は銅板から選ばれる金属板に摩擦肉盛されたアルミニウム若しくはアルミニウム合金板を、前記摩擦肉盛された部分の大きさに合わせて切断し、さらに摩擦肉盛された部分の表面を切削加工して摩擦肉盛された部分を特定の厚さにした後、熱間圧延することにより得られることを特徴とする三層からなる、アルミニウム合金、アルミニウム及びアルミニウム合金を積層した積層体、三層からなる、アルミニウム合金にアルミニウム若しくは組成が相違するアルミニウム合金を積層した積層体、三層からなる、アルミニウム若しくはアルミニウム合金を鋼板、ステンレス板材、又は銅板から選ばれる金属板に積層した積層体の製造方法。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のアルミニウムに対して積層するアルミニウム合金、アルミニウム合金に対して積層するアルミニウム又は組成が相違するアルミニウム合金、アルミニウム又はアルミニウム合金に対して積層する鋼板、ステンレス板材、又は銅板から選ばれる金属を摩擦肉盛することにより肉盛材を形成する。
これらの板材は、前記金属板から適宜選ばれる。例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金は、軽量、或いは腐食に対して強いという工業材料として好ましい特性を有しているが、強度という点では使用する意図に反して特性が十分でないという場合には、例えば、ステンレス鋼板を積層することにより、アルミニウムやアルミニウム合金の持つ特性にアルミニウムが有していない強靱な特性や耐食性などの特性を付与することができる。
このように、アルミニウム、アルミニウム合金が有していない特性に着目し、板材として用いることにより、アルミニウムやアルミニウム合金が有していない、望ましい積層板の特性を付与することを可能とすることができる。
【0007】
本発明では、前記のように、アルミニウム或いはアルミニウム合金に対して積層したい金属板を選択し、その金属板の表面にアルミニウム又はアルミニウム合金の摩擦肉盛を行う。
本発明では、従来板材の表面に肉盛を行うに際し、広範囲の板材の表面に肉盛を行う必要があり、そのためには、摩擦肉盛を行うこととし、その摩擦肉盛の操作は、以下のようにして行なう。
積層板の板材に、肉盛金属からなる回転部材を接触させ、回転させて、摩擦熱を発生させる。回転には、特定の回転操作を行なうことができるものであれば、使用することができる。
使用する金属を回転部材として、回転軸に固定される。回転軸はローターに固定され、ステ−ターの励磁により高速回転が得られるようになっている。回転部材は、使用時に押し下げて使用することができる。
回転部材の大きさを変化させることにより接合の面積を調節することができる。回転部材の直径が大きなものを用いれば、大きな接合面積のものを得ることができる。このようなことから、回転部材の大きさは、接合の面積などを考慮して適宜決定することができる。
板材の摩擦肉盛を行なうに際しては、回転部材を板材の表面に接触させ、回転部材を所要の速度で回転させ、その際に発生する摩擦による発生熱を利用するものである。摩擦により発生する熱量は、板材と回転部材との摩擦係数、回転速度、及び回転部材を板材に押し付ける時の圧力の積として与えられる。
回転部材の回転速度は、一般的には、1000〜6000rpm程度の範囲のものである。回転部材が板材を押さえつける圧力は、0.5〜5kg/mm程度であれば、十分である。
摩擦肉盛にはヒーテイングを行うことが有効である。ヒーテイング温度は、融点以下の温度に加熱することが行われ、アルミニウム或いはアルミニウム合金積層板を作製する場合には、約500℃程度とすることが効果的である。
本発明では、以上述べたことから明らかなように、板材の表面の全面的に摩擦肉盛を行うことが重要である。
摩擦肉盛をどの程度の厚さに行うかは、求める積層板材の厚さを考慮して適宜定めることができる。
又、はじめに、摩擦肉盛を行った後、その表面に他の金属による摩擦肉盛を行うこともできる。このようにすると、三層或いはそれ以上の積層板を得ることもできる。その結果、より高度な特性を有する複合材を製造することが可能となる。
【0008】
得られる積層板材の厚さは、求める用途に応じて定め、その厚さにするために圧延装置の操作条件を定めるか、圧延装置の前までに、どの程度の厚さとするかを定め、その結果に応じて前記の摩擦肉盛をどの程度とするかが定められる。
【0009】
通常、使用されている積層板の厚さから考えて、基材として、10mm以下、さらには5mm以下のものが用いられる。薄さの限界は、肉盛加工ができるものであれば、問題ない。1mm程度の厚さであっても差し支えない。この厚さに応じて、圧延装置の前までに、どの程度の厚さとするかが検討される。さらに、摩擦肉盛をどの程度とするかが定められる。
【0010】
このようにして摩擦肉盛を行なった後に、肉盛開始部と終了部を切除し、特定の厚さになるように切削加工する。その厚さは適宜定める。
次に熱間圧延を行なうことにより、目的とする厚さの金属積層板を得ることができる。厚さは1mm以下、使用する目的に応じて0.5mm程度のものも得ることができる。このようにして製造されるアルミニウム積層板、アルミニウム合金積層板は、接着強度は、他の製法による金属積層板の接着強度と比較して、十分に強度を有するものであり、また、表面に酸化皮膜の形成などもなく、又、圧延中及び圧延後ともに、肉盛層と基材部の剥離は存在しないし、腐食の可能性も存在しないものである。また、両面には、割れや、さけ傷等による欠如は存在しない。本発明のアルミニウム、アルミニウム合金板積層板は、各種の工業用用途に対して、従来から知られている他の製法により得られる、アルミニウム、アルミニウム合金板積層板とより、優れているものである。
【0011】
【実施例】
以下に実施例により、本発明の内容を、更に具体的に説明する。
アルミニウム合金板材の積層板の製法について、更に詳細に説明する。他の金属或いは金属合金板材の場合についても、板材の特性を考慮して、同様に行なうことができる。本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0012】
実施例1
肉盛金属として市販の2017アルミニウム合金丸棒(BE−T4、直径20mm)を、長さ100mmに機械加工して用いた。基材には、5052アルミニウム合金板(H34、板厚5mm)を幅50mm、長さ150mmに機械加工したものを用いた。
用いた2017アルミニウム合金丸棒の化学的組成は、以下のとおりである。
Si 0.44、Fe 0.25、Cu 3.8、Mn 0.68、Mg 0.56、Cr 0.02、Zn 0.02、Al残部。
金属特性は、以下のとおり。
引張強さ 414MPa、 伸び26.3%、
硬度125.5 HV0.1.
用いた5052アルミニウム合金板材の化学的組成及び特性は以下のとおりである。
Si 0.09、Fe 0.26、Cu 0.03、Mn 0.04、Mg 2.47、Cr 0.21、Zn 0.00、Ti 0.02、Al 残部。
金属特性は、以下のとおり。
引張強さ 237MPa、伸び 16.0%、
硬度 79.7HV0.1.
【0013】
摩擦肉盛には、NC制御全自動摩擦圧接機を使用した。
具体的には、NC制御の自動摩擦圧接機にアルミニウム丸棒を回転側に固定し、以下の肉盛条件によった。
摩擦圧力 P(MPa)25、30、35、40
回転速度 N(rpm)1200
横断速度 f(mm/s)9
【0014】
ヒーテイング工程として、丸棒と板材基板が接触後、摩擦開始位置で3秒間、500℃程度に予熱した。その後、基材を固定したテーブルに送りを与えて、肉盛を行なった。
得られた肉盛材は、肉盛開始部及び終了部を切除し、肉盛層の厚さが0.7mmとなるように切削加工したものを圧延に供した。
【0015】
圧延は、熱間圧延(623K)として、板厚1mmまで圧延した。
次に、圧延をしたままのものと、圧延後に肉盛金属として用いた2017アルミニウム合金に対して、T4処理(773×15min→14days×R.T)となる熱処理を行ったものについて、外観観察、横断面の組織観察、硬さ試験及び引張試験を行なった。
【0016】
図1は、熱間圧延後のアルミニウム積層板の摩擦表面の状態を示す図である。2017アルミニウム合金肉盛層側、5052アルミニウム合金基材側ともに一様に圧延されており、圧延中及び圧延後ともに、肉盛層と基材部の剥離は存在しなかった。また、両面には、割れ、さけ傷等による欠如は存在しなかった。
【0017】
図2は、熱間圧延したままのアルミニウム合金積層板断面の微視的組織を示す図である。肉盛層の組織は、いずれの場所も基材部に比較して微細であり、両者の接合界面は明瞭に識別することができる。肉盛層と基材部では、圧延前と圧延後の比率に明瞭な差異は認められなかった。
【0018】
図3は、肉盛層表面の硬さの測定結果を示す図である。圧延をしたままのものと、圧延後の熱処理直後では、その硬さに明瞭な相違は認められなかった。肉盛した2017アルミニウム合金は熱処理型合金であり、熱処理後の時間の経過とともに硬さの回復が認められ、14日間で2017−T4合金母材と同等の硬さまで回復した。
【0019】
図4は、積層板横断面の硬さの分布の測定結果を示す図である。熱間圧延をしたままの積層板は、肉盛層側及び基材側ともに硬さには、明瞭な変化は認められなかった。肉盛層である2017アルミニウム合金側は、熱間圧延後の自然時効によって母材と同等の硬さを示したが、基材の5052アルミニウム合金側は母材に比較して硬さは低下した。このことは、5052アルミニウム合金が溶体化処理によって軟化したためと考えられる。
【0020】
図5は、作製したアルミニウム合金積層板の引張試験結果を示す。引張試験は、圧延方向に対して平行に試験片を採取して行なった。積層板の引張強さ及び伸びは、圧延の前段階である肉盛条件の影響は小さく、各条件ともにほぼ一定値を示した。
圧延のままの積層板は、引張強さ287MPaであり、基材とした5052アルミニウム合金母材より高い値が得られた。また、伸びは、6.8%であり、5052アルミニウム合金母材より低い値であった。圧延後、熱処理した積層板は、圧延のままの積層板に比較して引張強さは低い値を示したが、伸びは基材の5052アルミニウム合金より高い値を示した。このことは熱処理により2017アルミニウム合金側の引張強さは向上するが、5052アルミニウム合金側は熱処理によって軟化するために、引張強さが低下し、伸びが向上したものと考えられる。又、引張試験後の横断面の観察結果より肉盛層と基材の接合界面に剥離は認められなかった。
【0021】
【発明の効果】
本発明では、アルミニウム又はアルミニウム合金に対して積層する板材表面に、アルミニウム或いはアルミニウム合金を摩擦肉盛して、熱間圧延によりアルミニウム又はアルミニウム合金積層板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱間圧延後のアルミニウム積層板の摩擦表面の状態を示す図
【図2】熱間圧延したままのアルミニウム合金積層板断面の微視的組織を示す図
【図3】積層板横断面の硬さの分布の測定結果を示す図
【図4】積層板横断面の硬さの分布の測定結果を示す図
【図5】アルミニウム合金積層板の引張試験結果を示す図

Claims (4)

  1. アルミニウム積層しようとするアルミニウム合金、アルミニウム合金積層しようとするアルミニウム又は組成が相違するアルミニウム合金板、又はアルミニウム若しくはアルミニウム合金積層しようとする鋼板、ステンレス板材、又は銅板から選ばれる金属の表面に、積層しようとする前記アルミニウム又はアルミニウム合金の棒状物を前記アルミニウム合金板、前記アルミニウム若しくは組成が相違するアルミニウム合金板又は前記金属板と接触させた状態で回転させることにより、積層しようとする前記アルミニウム又はアルミニウム合金を摩擦肉盛し、前記アルミニウム合金板、前記アルミニウム板若しくは組成が相違するアルミニウム合金板、又は前記金属板を前記摩擦肉盛された部分の大きさに合わせて切断し、さらに摩擦肉盛された部分の表面を切削加工して摩擦肉盛された部分を特定の厚さにした後、熱間圧延することにより得られることを特徴とするアルミニウムを積層したアルミニウム合金板、アルミニウム合金を積層したアルミニウム板若しくは組成が相違するアルミニウム合金板、又はアルミニウム板若しくはアルミニウム合金板を積層した鋼板、ステンレス板材、又は銅板から選ばれる金属板。
  2. 請求項1記載のアルミニウムを積層したアルミニウム合金板、アルミニウム合金を積層したアルミニウム板若しくは組成が相違するアルミニウム合金板、又はアルミニウム若しくはアルミニウム合金を積層した鋼板、ステンレス板材、又は銅板から選ばれる金属板からなる二層の積層体板表面に、アルミニウム合金又はアルミニウム若しくは組成が相違するアルミニウム合金の棒状物を接触させた状態で回転させることにより、前記アルミニウム又はアルミニウム合金の一層を摩擦肉盛し、三層からなる、アルミニウムを積層したアルミニウム合金板、三層からなる、アルミニウム合金を積層したアルミニウム若しくは組成が相違するアルミニウム合金板、又は三層からなる、アルミニウム若しくはアルミニウム合金を積層した鋼板、ステンレス板材、又は銅板から選ばれる金属板を、前記摩擦肉盛された部分の大きさに合わせて切断し、さらに摩擦肉盛された部分の表面を切削加工して摩擦肉盛された部分を特定の厚さにした後、熱間圧延することにより得られることを特徴とする三層からなる、アルミニウムにアルミニウム合金を積層した積層体、三層からなる、アルミニウム合金にアルミニウム若しくは組成が相違するアルミニウム合金を積層した積層体、三層からなる、アルミニウム若しくはアルミニウム合金を鋼板、ステンレス板材、又は銅板から選ばれる金属板に積層した積層体。
  3. アルミニウム積層しようとするアルミニウム合金、アルミニウム合金積層しようとするアルミニウム又は組成が相違するアルミニウム合金板、又はアルミニウム若しくはアルミニウム合金積層しようとする鋼板、ステンレス板材、又は銅板から選ばれる金属の表面に、前記アルミニウム又はアルミニウム合金の棒状物を前記アルミニウム合金板、前記アルミニウム若しくは組成が相違するアルミニウム合金板、又は前記金属板と接触させた状態で回転させることにより、前記アルミニウム又はアルミニウム合金を摩擦肉盛し、前記アルミニウム合金板、前記アルミニウム若しくは組成が相違するアルミニウム合金板、又は前記金属板を前記摩擦肉盛された部分の大きさに合わせて切断し、さらに摩擦肉盛された部分の表面を切削加工して摩擦肉盛された部分を特定の厚さにした後、熱間圧延することにより得られることを特徴とするアルミニウムを積層したアルミニウム合金板、アルミニウム合金を積層したアルミニウム若しくは組成が相違するアルミニウム合金板、又はアルミニウム若しくはアルミニウム合金を積層した鋼板、ステンレス板材、又は銅板から選ばれる金属板の製造方法。
  4. 請求項1記載のアルミニウムを積層したアルミニウム合金板、アルミニウム合金を積層したアルミニウム若しくは組成が相違するアルミニウム合金板、又はアルミニウム若しくはアルミニウム合金を積層した鋼板、ステンレス板材、又は銅板から選ばれる金属板に摩擦肉盛されたアルミニウム若しくはアルミニウム合金からなる二層の積層体板表面に、アルミニウム合金又はアルミニウム若しくは組成が相違するアルミニウム合金の棒状物を接触させた状態で回転させることにより、一層からなるアルミニウム合金又はアルミニウムを摩擦肉盛し、三層からなる、摩擦肉盛された部分に積層したアルミニウム合金板、三層からなる、アルミニウム合金を積層したアルミニウム若しくは組成が相違するアルミニウム合金板、又は三層からなる、アルミニウム若しくはアルミニウム合金を積層した鋼板、ステンレス板材、又は銅板から選ばれる金属板に摩擦肉盛されたアルミニウム若しくはアルミニウム合金板を、前記摩擦肉盛された部分の大きさに合わせて切断し、さらに摩擦肉盛された部分の表面を切削加工して摩擦肉盛された部分を特定の厚さにした後、熱間圧延することにより得られることを特徴とする三層からなる、アルミニウム合金、アルミニウム及びアルミニウム合金を積層した積層体、三層からなる、アルミニウム合金にアルミニウム若しくは組成が相違するアルミニウム合金を積層した積層体、三層からなる、アルミニウム若しくはアルミニウム合金を鋼板、ステンレス板材、又は銅板から選ばれる金属板に積層した積層体の製造方法。
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