JP3079735U - 走行式クレーンの衝突防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】安全作業に支障を来さずに全ての作業域で簡単
な操作で走行式クレーン同士の衝突を避け得る装置を提
供する。 【解決手段】同一軌条２上を走行する互いに隣接した複
数台の走行式クレーン１の一方に、レーザーコントロー
ラ９により制御されて他方の走行式クレーン向けてレー
ザー光１２を放射するレーザー光源７とレーザー光の反
射光を受光するレーザー受光器８、レーザーコントロー
ラからの信号により該クレーンの作動を制御する制御装
置１０、及び該制御装置の出力を他方の走行式クレーン
へ送信する無線送信器１１を搭載し、他方の走行式クレ
ーンに、レーザー光を反射する反射板１３、無線送信器
からの信号を受信する無線受信器１４、及び無線受信器
からの信号により他方の走行式クレーンの作動を制御す
る制御装置１５を搭載した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、軌条を走行する複数台の走行式クレーンの衝突防止装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、図１に示したような、建築工事現場などに敷設された軌条ａ上を走行す る車輪ｂを備えた走行式クレーンｃが知られている。工事の規模から複数台の走 行式クレーンｃ、ｃを設置する場合もあり、この場合は、軌条ａ付近にリミット スイッチｄ、ｄを設けてこれがクレーンにより作動されたとき警報装置やクレー ンの走行停止装置を作動させ、走行クレーン同士の作業半径ｅが重ならないよう に衝突を防止することが行われている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の場合、各リミットスイッチｄは、図２に示すように、クレーンのア ームが動く作業半径ｅが重合しない位置に台車を止めるように設置される。この ような設置式のものでは、図３のように、作業できないデッドスペースｆ、ｆが 生じ、このスペースｆの作業やその半径ｅを越えて越境作業が必要になった場合 は、リミットスイッチｄを無効にして作業を行わなければならず、安全作業に支 障を来す。また、リミットスイッチｄの設置位置を変更することは、配線や距離 の測定が必要で面倒である。

【０００４】 本考案は、安全作業に支障を来さずに全ての作業域で簡単な操作で走行式クレ ーン同士の衝突を避け得る装置を提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案では、同一軌条上を走行する互いに隣接した複数台の走行式クレーンの 一方に、レーザーコントローラにより制御されて他方の走行式クレーン向けてレ ーザー光を放射するレーザー光源と該レーザー光の反射光を受光するレーザー受 光器、該レーザーコントローラからの信号により該クレーンの作動を制御する制 御装置、及び該制御装置の出力を他方の走行式クレーンへ送信する無線送信器を 搭載し、他方の走行式クレーンに、該レーザー光を反射する反射板、該無線送信 器からの信号を受信する無線受信器、及び該無線受信器からの信号により該他方 の走行式クレーンの作動を制御する制御装置を搭載することで、上記の目的を達 成するようにした。各走行式クレーンの制御装置に警報発信器を接続しておくこ とで、上記目的を一層適切に達成できる。

【０００６】

【考案の実施の形態】

図面に基づき本考案の実施の形態を説明すると、図４に於いて符号１は、２本 の軌条２上を走行する２台の走行式クレーンを示し、各クレーン１には走行台車 ３とこれに搭載された旋回室４から延びるアーム５を備え、旋回室４内のオペレ ータにより荷作業が行われる。

【０００７】 作業の安全の確保のために、隣接する各クレーン１の移動を作業半径６を考慮 して相互の接近を制御する必要があるが、本考案の場合、図５の構成の装置を搭 載してその制御を行うようにした。すなわち、一方の走行式クレーン１ａに、レ ーザーコントローラ９により制御されて他方の走行式クレーン１ｂに向けてレー ザー光１２を放射するレーザー光源７と、該レーザー光１２の反射光を受光する レーザー受光器８と、該レーザーコントローラ９からの信号により該クレーン１ ａの走行や旋回、俯仰などの作動を制御する制御装置１０及び該制御装置１０の 出力を他方の走行式クレーンへ送信する無線送信器１１を搭載し、他方の走行式 クレーン１ｂに、該レーザー光１２を反射する青色等の反射板１３と、該無線送 信器１１からの信号を受信する無線受信器１４、及び該無線受信器１４からの信 号により他方の走行式クレーン１ｂの走行、旋回などの作動を制御する制御装置 １５を搭載した。

【０００８】 該レーザーコントローラ９は、該レーザー光源７の出力を制御すると共に該レ ーザー受光器８で検出した反射板１３からの反射光量をもとに両クレーン１ａ、 １ｂ間の距離を算出するもので、その算出データの信号は制御装置１０に入力さ れてクレーンの走行や旋回の作動をオペレータ１７の意思に係わらず止め、或い は該制御装置１０に接続した警報装置１６を作動させてオペレータ１７へ警報を 発する。該制御装置１０には無線送信器１１を接続し、該制御装置１０の出力信 号を無線受信器１４を介して他方の走行式クレーン１ｂの走行や旋回などの作動 を制御する制御装置１５へ入力することで、他方の走行式クレーン１ｂの走行、 旋回等の作動を停止させることができる。この制御装置１５にも警報装置１８を 接続してオペレータ１７へ警報することが好ましい。

【０００９】 走行式クレーン１の作動中は、該レーザー光源７から反射板１３へ常時レーザ ー光を放射させておき、レーザー受光器８の受光照度が両クレーン１が許容近接 範囲に接近したことを示す照度になったとき両クレーン１のオペレータ１７に予 備警報を発し、更に接近して衝突区域に入ったときは大きな衝突警報を発し、そ れでも両クレーン１が接近したときは強制的にクレーンの作動が停止される。

【００１０】 両クレーン１はその走行範囲に機械的な制限を受けることがないので、従来の リミットスイッチを使用したときのように作業にデッドスペースが生じず、作業 性が向上し、レーザーコントローラ９に於けるレーザー受光量の設定を変更する ことで接近距離を任意に調節できる。

【００１１】

【考案の効果】

以上のように、本考案によれば、同一軌条上を走行する複数台の走行式クレー ンの一方に、レーザーコントローラにより制御されたレーザー光源とレーザー受 光器、該レーザーコントローラの信号で該クレーンの作動を制御する制御装置、 該制御装置の出力を他方の走行式クレーンへ送信する無線送信器を搭載し、他方 の走行式クレーンに、該レーザー光の反射板、該無線送信器からの信号を受信す る無線受信器、及び該無線受信器からの信号により該他方の走行式クレーンの作 動を制御する制御装置を搭載したので、安全作業に支障を来さず、全ての作業域 で簡単な操作で走行式クレーン同士の衝突を避けることができる等の効果があり 、各制御装置に警報発信器を接続することでより的確に衝突を避けれる効果があ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】走行式クレーンの側面図

【図２】従来の装置の側面図

【図３】図２の作業状態の平面図

【図４】本考案の実施の形態の全体側面図

【図５】図４の要部の説明図

【符号の説明】

１・１ａ・１ｂ 走行式クレーン、２ 軌条、７ レー
ザー光源、８ レーザー受光器、９ レーザーコントロ
ーラ、１０・１５ 制御装置、１１ 無線送信器、レー
ザー光、１３ 反射板、１４ 無線受信器、１６・１８
警報装置、

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】同一軌条上を走行する互いに隣接した複数
   台の走行式クレーンの一方に、レーザーコントローラに
   より制御されて他方の走行式クレーン向けてレーザー光
   を放射するレーザー光源と該レーザー光の反射光を受光
   するレーザー受光器、該レーザーコントローラからの信
   号により該クレーンの作動を制御する制御装置、及び該
   制御装置の出力を他方の走行式クレーンへ送信する無線
   送信器を搭載し、他方の走行式クレーンに、該レーザー
   光を反射する反射板、該無線送信器からの信号を受信す
   る無線受信器、及び該無線受信器からの信号により該他
   方の走行式クレーンの作動を制御する制御装置を搭載し
   たことを特徴とする走行式クレーンの衝突防止装置。
2. 【請求項２】上記各走行式クレーンの制御装置に警報発
   信器を接続したことを特徴とする請求項１に記載の走行
   式クレーンの衝突防止装置。