JP3079565B2 - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

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JP3079565B2 JP02323846A JP32384690A JP3079565B2 JP 3079565 B2 JP3079565 B2 JP 3079565B2 JP 02323846 A JP02323846 A JP 02323846A JP 32384690 A JP32384690 A JP 32384690A JP 3079565 B2 JP3079565 B2 JP 3079565B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (a)産業上の利用分野 本発明は、入力された複数の演奏情報を、純正調など
の音律にピッチ修正する電子楽器に関する。
(b)従来の技術 電子楽器の音律は一般的に平均律に調律されている
が、和音などを発音する際、うなりをなくし響きを美し
くするために純正調などの音律にピッチ修正して発音す
ることのできる電子楽器が提案されている。
(c)発明が解決しようとする課題 しかし、従来の電子楽器における平均律から純正調へ
のピッチ修正は、入力された全ての演奏情報(発音され
る楽音の音高)に基づいてコードを検出し、その結果に
基づいて全ての楽音のピッチを制御するようにしてい
た。このため、指定された演奏情報の数が多い場合や、
非和声音が含まれていた場合には正しいコード検出がで
きない場合もあった。また、入力された演奏情報の中に
はコードとして入力された演奏情報もあれば、旋律とし
て入力された演奏情報もあり、これらについて同一のコ
ードをあてはめてピッチ修正した場合、響きが悪くなっ
たり、旋律の音程が不安定になったりする欠点があっ
た。また、ベースラインなどは他の楽音とは離れた音域
で発音されているが、従来はこのベースラインもコード
検出に含まれ、検出されたコードに基づいてピッチ制御
が行われていたため、ベースライン独自の流れを損なっ
てしまう欠点があった。
このことはピッチに限らず、楽音の他の要素、とたえ
ば、音色やビブラート等の効果に関しても同様であっ
た。
この発明は、入力された演奏情報をそれぞれの特性毎
にグルーピングし、各グループ単位で独自に楽音の特性
制御を行うようにしたことにより上記課題を解決した電
子楽器を提供することを目的とする。
(d)課題を解決するための手段 この発明は、音高を含む演奏情報が入力される演奏情
報入力手段と、前記演奏情報入力手段から入力された複
数の演奏情報を複数のグループに分割するグルーピング
手段と、前記グルーピング手段によって分割された各グ
ループの優先順位を判定する優先順位判定手段と、前記
グルーピング手段によって分割された各グループ毎に、
各演奏情報で指定された楽音の特性の修正量を仮に決定
し、優先順位の高いグループに属する演奏情報で指定さ
れた楽音の特性の修正量に基づいて優先順位の低いグル
ープに属する演奏情報で指定された楽音の特性の修正量
を変更することによって修正量を確定し、該修正量で各
演奏情報で指定された楽音の特性を修正する楽音特性修
正手段と、各演奏情報の楽音を前記楽音特性修正手段で
修正された特性で発音する楽音信号形成手段と、を備え
たことを特徴とする。
(e)作用 この発明の電子機器では、演奏情報入力手段から入力
された複数の演奏情報を複数のグループの分割したの
ち、各グループ毎に楽音の特性の修正を行う。演奏情報
は音高,音色,発音チャンネルのなどの情報を含んでい
る。複数の演奏情報のグループ化はグルーピング手段が
行うが、グルーピングは演奏情報に含まれる上記音高,
音色,発音チャンネルなどの条件に基づいて行えばよ
い。楽音の特性の修正は各グループ毎に行う。楽音の特
性の修正は従来より一般的な手法を用いればよい。たと
えば、修正される楽音の特性としてピッチを採り上げた
場合、たとえば、和音を検出し、検出された和音に基づ
いて純正調などの響きの良い音律へのピッチ制御を行え
ば良い。
また、この発明では、複数のグループに特性が同じ楽
音が含まれる場合、たとえば、同一音名の楽音や同じ音
色の楽音が含まれる場合にはこれらに対して同一の修正
を行う。すなわち、複数のグループにオクターブが異な
り同一音名の楽音(演奏情報)が含まれる場合、これら
をセント単位で異なるずれ量のピッチに修正した場合に
は明らかな唸りが生じてしまう。そこで、これらの楽音
については異なるグループであっても同一のピッチ修正
を行うことが好ましいが、この場合、どのグループのピ
ッチ修正値に基づいて他のグループの楽音のピッチを修
正するかが問題となる。この場合に、各グループの優先
順位を判定して優先順位の高いグループのピッチ修正値
に基づいてピッチ修正するようにする。このようにする
ことにより、旋律などの重要度の高い楽音のピッチが安
定するようになる。
(f)実施例 図面を参照してこの発明の実施例である電子楽器を説
明する。この実施例の電子楽器は鍵盤を備えた電子鍵盤
楽器であり、鍵盤は6オクターブ(61鍵)を備えてい
る。この音域の全てのキーオンを複数のグループに分割
して各グループ毎にピッチ制御を行う。グループ分けは
音域や発音チャンネルなどを基準として行う。また、同
一音名の楽音(オクターブ違いの楽音)が複数のグルー
プに含まれる場合、これらの音高を同じ修正量でピッチ
修正する。この場合、どのグループで決定されたピッチ
修正量で修正するかはグループ毎の優先順位に基づき、
優先順位の高いグループで決定されたピッチ修正量を用
いる。
第1図は同電子楽器の構成を示すブロック図である。
この電子楽器はCPU10が全体の動作を制御する。CPU10は
バス11を介してプログラムメモリ18,ピッチテーブル12,
ワーキングメモリ13,キーボード14,スイッチ群15および
トーンジェネレータ16と接続されている。プログラムメ
モリ18は後述するフローチャートで示されるプログラム
を記憶したメモリでありROMで構成されている。ピッチ
テーブル12もROMで構成されており、第2図(B)に示
すピッチ修正量を記憶したテーブルである。ワーキング
メモリ13は第2図(A),(C)等で示されるレジスタ
などが設定されるメモリであり、RAMで構成されてい
る。キーボード14は上述したように5オクターブ(61
鍵)を有するキーボードである。スイッチ群15は音色選
択スイッチなどのスイッチを備えている。トーンジェネ
レータ16はキーボード14から入力される演奏情報に対応
して同時に複数の楽音を発音することができるものであ
り、16チャンネル程度の発音チャンネルを備えている。
各発音チャンネルでは、CPU10から送られてきた情報に
基づいて発音する楽音の音高,ピッチ等を設定して楽音
波形信号を形成する。トーンジェネレータ16にはサウン
ドシステム17が接続されており、このサウンドシステム
17はトーンジェネレータ16が形成した楽音信号を増幅し
てスピーカなどから出力する。
第2図は前記ピッチテーブル12,ワーキングメモリ13
に設定されるテーブルおよびレジスタの構成を示す図で
ある。同図(A)は指定された楽音の音高を各グループ
毎に分けて記憶し、その楽音のピッチ修正量を記憶する
テーブルである。各テーブルはグループナンバiで識別
され、各グレープに属する楽音は音高の低いものから順
にjのポインタで識別する。
同図(B)はピッチテーブルを示す図である。このテ
ーブルは基準音(和音の根音)からの音程に基づいて平
均律からどの程度ピッチを修正するかの値を記憶したテ
ーブルである。このテーブルのピッチ修正量は平均律か
ら略純正調へのピッチ修正量を示している。
同図(C)はqueueレジスタを示している。このレジ
スタはグループ1〜グループ6の各グループ毎に設けら
れており、過去5回の割り込み動作のタイミングにおけ
る各グループの構成音数を記憶する。割り込み動作は3
秒毎に実行される。
同図(D)はピッチ修正量テーブルptableを示す図で
ある。このテーブルには、現在の各音名のピッチ修正量
が記憶されている。オクターブが異なる同音名の楽音に
は必ず同じピッチ修正量であるため、各音名毎にピッチ
修正量を記憶することにより、全ての楽音のピッチ修正
量を記憶することができる。
第3図を参照してこの電子楽器のグループ分けの方式
を説明する。この電子楽器のキーボード14は5オクター
ブ(61鍵)のキーを備えている。この電子楽器ではこの
音域を1オクターブ毎に6個のグループに分割する。実
際には、基準となる楽音の音高から高音側へ1オクター
ブの範囲にある楽音は同一グループに分類されるため同
図に示すようにオクターブの境界を越えた範囲でも同一
のグループとなる場合がある。例えば、同図(A)のグ
ループ1,グループ3などである。したがって、キーのオ
ン/オフイベントがあった時にはその都度グループ分け
をやり直す。
同図(A)のキーオンパターンから同図(B)のキー
オンパターンへ移行した場合には図示するように2の楽
音はグループ1からグループ2に所属が変わっている。
このように、グループ分けは先ず最低音を基準としてそ
こから1オクターブの範囲のものを同一のグループとし
て分類し、このグループに含まれなかった残りの楽音の
うち最低音のものを再度基準としてグループ分けを行
う。この動作を繰り返して全ての楽音を何れかのグルー
プに所属させる。グループの識別番号は最低音の属する
オクターブ番号が付される。
第4図(A),(B)に押鍵状態が第3図(A),
(B)のように進行した場合のqueueレジスタの曲内容
の変化を示す。第4図(A)は演奏開始時に第3図
(A)に示すような押鍵がされた場合のグループ構成を
示している。この状態から第3図(B)に示すような押
鍵状態に移行した場合に第4図(B)のような記憶状態
に変化する。
第5図は前記queueレジスタの内容等に基づいて各グ
ループの優先順位が決定された場合に、ピッチ補正がど
のように行われるかを説明するための図である。同図最
上段に、各グループ(グループ1,2,3,)の構成音を示し
ている。グループ1はG2,C2で構成されている。グルー
プ2はE4,C4,G3を構成音としている。グループ3はC5を
構成音としている。これらのグループにおいてC2,C4,C5
がそれぞれのグループに同一音名として存在しており、
また、グループ1およびグループ2にG2,G3が存在して
いる。Cのピッチ修正量はグループ1〜3の何れが優先
であるかによって55の表に示されるようなピッチ修正量
となる。また、同様にグループ2,3の何れが優先である
かによってGのピッチ修正量もテーブル56に示すような
ものになる。すなわち、同一音名の楽音が複数のグルー
プに存在する場合には、それらのグループのうち最も優
先順位の高いグループのピッチ修正量にそろえられる。
第6図〜第11図は同電子楽器の動作を示すフローチャ
ートである。第6図はメインルーチンを示している。こ
の電子楽器の電源がオンされると、まずイニシャル処理
を実行する(n1)。イニシャル処理とはレジスタのリセ
ットなどの動作である。こののちキーオン,キーオフイ
ベントの有無を判断し(n2,n3)、それぞれのイベント
があれば対応する動作を実行する。キーオン対応処理は
以下のとおりである。キーオンされたキーのキーコード
のNOTE(N)に記憶し(n5)、Nに1を加算する(n
6)。トーンジェネレータ16にキーオン情報を送信して
キーオン処理を実行する(n7)。キーオンされているキ
ーのキーコードNOTE(k)(k=1〜N)を小さい順に
ソートする(n8)。次に、ピッチ制御動作(n9)を実行
する。キーオフ対応処理は以下のとおりである。NOTE
(N)から該当するキーコードを削除してそれ以後のデ
ータをシフトする(n10)。Nから1を減算する(n1
1)。トーンジェネレータ16にキーオフ情報を送信して
キーオフ処理を実行し(n12)、他に同一音名のキーオ
ンがなければこの音名に対するピッチ修正量を0にする
(n13)。これらの処理ののち、その他処理(n4)を実
行する。
第7図は割り込み動作を示すフローチャートである。
この動作は約3秒毎の割り込みによって実行され、queu
eレジスタの内容を更新していく動作である。割込み動
作がスタートすると、まずqueueレジスタの各グループ
の記憶内容を1ブロック古い方にシフトする(n16)。
こののち最新のものが記憶されるブロックにnkeyの内容
を記憶する(n17)。nkeyレジスタはそのときの各グル
ープの構成音数を記憶しているレジスタである。
第8図は前記n9のピッチ制御動作を示すフローチャー
トである。この動作においては、まずグループ分け処理
を実行し(n20)、分けられた各グループの優先順位を
決定する(n21)。次に、各グループ毎に以下の動作を
実行する。各グループの発音数をカウントし(n23)、
各グループの構成音についてそのとき決定されているピ
ッチ修正量をptableから読み出し、メモリ(i)pitch
(k)に代入する(n24)。さらに、発音数が2以上の
グループについては各構成音より和音を検出し(n25,n2
6)、和音が検出されたグループについてはその最高音
を基準として新たなピッチ修正量を設定する(n28〜n3
1)。すなわち、最高音のキーコードを検索し(n28)、
このキーコードと同じ音名のピッチ修正量をdとし(n2
9,n30)、ptableからdだけシフトした値をメモリ
(i)pitch(k)に書き込む(n31)。全てのグループ
について以上の動作を実行したのち、ピッチ補助動作を
実行する(n34)。
第9図は前記グループ分け処理を示すフローチャート
である。先ずグループポインタiおよび構成音ポインタ
jに1をセットする(n40)。次に、全てのグループの
キーコード,ピッチ修正量および構成音数を記憶するレ
ジスタ(メモリ(i)key(k)、メモリ(i)pitch
(k)、nkey(i))をクリアする(n41)。このキー
オンされている最低音のキーコードを12で除算すること
によってグループナンバを算出する(n42)。次に、こ
の楽音(最低音)から1オクターブ以内にある他の楽音
を検索する(n44,n47)。該当するものがあった場合に
はこのグループのキーコード記憶エリア(メモリ(j)
key(k+1))にこれを記憶する(n44)。この検索を
完了したのち、このグループに属する楽音の数をnkeyレ
ジスタにセットする(n48)。以上の動作を繰り返し
て、全ての楽音について処理を終えたのちリターンす
る。
第10図は優先順位決定動作を示すフローチャートであ
る。この動作においては、発音が継続しており、かつそ
の発音数が少ないグループ程高い優先順位にセットする
ようにしている。まずn50〜n54の動作において各グルー
プの平均発音数を算出し、それを小さい順にソートして
いる。平均発音数の算出は発音数が0のタイミングのデ
ータは加算しないようにし、実際に発音されたタイミン
グにおける平均発音数を算出するようにしている。ま
た、n55〜n63においては平均発音数が同じグループにつ
いて、queueレジスタに記憶されている過去5回のタイ
ミングのうち発音されているタイミング数の多いものを
検索して大きい順に並べ変えている。以上の処理によっ
て優先順位を決定し、優先順位の高い順にPRIレジスタ
にそのグループナンバを記憶するようにしている(n6
5)。なお、上記動作を作っても優先順位が同一のグル
ープが存在する場合には、グループナンバが大きいもの
を優先にすればよい。こののち、優先順位順にそのグル
ープナンバをpri(j)に記憶する(n67)。
第11図はピッチ補正動作を示すフローチャートであ
る。この動作においては優先順位の高いグループに含ま
れている音名に基づいて優先順位の低いグループのピッ
チ修正値を書き換え、さらに、音源に対してこのピッチ
修正値を送信する動作を行う。優先順位の高いグループ
から順に以下の動作を実行する(n71〜n73)。構成音の
音名を割り出し(n74)、これと同じ音名の楽音が優先
順位が下位のグループに含まれているか否かを検索する
(n76)。含まれている場合にはそのグループにおいて
和音が検出されているか否かを判断する(n77)。和音
が検出されている場合にはそのグループが全ての構成音
のピッチ修正値を今回の検索に用いられた上記グループ
の和音構成音のピッチ修正値に書き換える(n78)。下
位グループの和音が検出されていない場合には該当する
楽音(同音名の楽音)のみピッチ修正値を書き換える
(n79)。全ての下位グループについてこの動作を実行
する(n80,n81)。以上の動作を上記グループから下位
グループに向けて順次実行していき(n82)、全てのグ
ループについてこの動作を終えたのち、n83に進む(n7
2)。
n83ではptableをクリアし、このテーブルに対して各
グループの全ての楽音のピッチ修正量を転記する(n8
4)。このピッチずれ情報をそれぞれ割当てられている
音源の発音チャンネルに対して出力する(n85)。
以上の実施例ではグループ分けを音域に基づいてする
ようにしていたが、複数段の鍵盤を有する電子楽器にお
いては、鍵盤毎にグループ分けすることもできる。第21
図(A)〜(D)のフローチャートに基づいて複数段の
鍵盤を有する電子楽器の実施例について説明する。この
動作は、それぞれ上述したフローチャート(第6図〜第
11図)の一部に挿入されるものである。
同図(A)の動作は第6図のフローチャート(メイン
ルーチン)の符号Aの位置に挿入される動作である。こ
の動作は音色スイッチのオン対応動作である。音色スイ
ッチがオンされたことを判断すると(n100)、そのとき
指定されている鍵盤ナンバkの音色番号レジスタTC
(k)にその音色番号を記憶する(n101)。指定された
音色が減衰系の場合にはtcpr(k)に0を記憶し(n10
2,n103)、減衰系でない場合にはtcpr(k)に1を記憶
する(n104)。
同図(B)は第10図のn53とn54の間に挿入される動作
であり、同図(C)はリターンの手前n67の次に挿入さ
れる動作である。この動作により、平均発音数や発音継
続の程度による優先順位付けに先立って音色による優先
順位付けが行われる。すなわち、全てのグループについ
て音色を判断し、減衰系の音色からなるグループを優先
して上位のグループに並べる(n110,n111)。
同図(D)は第11図の符号E(n76からn80にスキップ
する動作)に挿入されるフローチャートである。この動
作においては同一音名の楽音を含まないグループ同士で
あっても、その鍵盤ナンバ(音色)が同一のグループに
関しては(n120)、優先順位の高いグループのピッチ修
正値を優先順位の低いグループに転写する動作を行って
いる(n121〜n123)。
さらに、第13図は楽音の発音系統(発音チャンネル)
によってグループ分けを行う場合の動作を示している。
この動作は前記実施例において第9図に代えて実行され
る動作である。先ず、チャンネルナンバiおよびグルー
プ内の構成音ポインタjに1をセットする(n130)。次
にn131においてチャンネルナンバ1〜8のデータを順次
読み込む。データが終了したときにはn132の判断でn140
以下の動作に進む。n133〜n138においては、隣接するチ
ャンネルに楽音が割当られている時これらを1つのグル
ープとしている。楽音が割り当てられていないチャンネ
ルがあったとき、そこでグループが区切られる(n133,n
138)。
n140〜n145においては各チャンネルに対応して設けら
れているuse chレジスタに対し、グループナンバが割
当られた発音チャンネル(n135の動作参照)に対応する
ものに関しては1をセットする動作を実行する。これ
で、グループに属するものとそうでないものとを識別す
る。次にn147〜n151の動作に進みグループナンバがセッ
トされていないチャンネルのグループレジスタに対して
そのグループナンバをセットする(n149)。
このように音域,音色,発音数などに基づいてグルー
プ分けし、それぞれのグループ毎にピッチ修正を行うこ
とにより同じ種類の楽音,バッキング,ベースラインな
ど)毎に纏まりを持ったピッチ設定ができるようにな
る。
なお、この実施例ではキーオンイベントがあった時の
みピッチ制御処理を実行しているが、キーオフイベント
があったときもピッチ制御処理をするようにしてもよ
い。また、queueレジスタの更新は一定時間毎に行うよ
うにしているが、この割り込み時間はテンポに応じて変
化させるようにしてもよい。また、音色によりグループ
分割は減衰系,持続系の2種類に分割しているが、これ
以外の分割方式、例えば、リード系,オルガン系,ピア
ノ系などの分類方式も適用することができる。さらに、
特定のグループに関してはピッチ修正を行わず平均律の
まま発音するようにしてもよい。また、音色,音域,チ
ャンネルなどを種々組み合わせたパラメータを用いてグ
ループ分け,優先順位の決定をするようにすることもで
きる。
(g)発明の効果 以上のようにこの発明の電子楽器によれば、入力され
た演奏情報を複数のグループに分割してそれぞれのグル
ープ毎に楽音の特性を修正するようにしたことにより、
発音される楽音の種類に応じた特性の修正を行うことが
でき、その楽音の種類として安定した発音を保つことが
できる。例えば音域や音色毎にグルーピングすることに
よって旋律と伴奏等を分割して特性制御をすることがで
き、それぞれの機能にあったピッチや音色を保つことが
可能になる。また、グループ間で優先順位を定め、優先
順位の高いグループの特性修正値を優先させることによ
り、同じ音高や音名の楽音が複数存在した場合に唸りを
生じることがなくなり、また、同じ音色の楽音間で音色
のずれが生じることが無くなる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例である電子楽器のブロック
図、第2図は同電子楽器に設定されるテーブル,レジス
タを示す図、第3図は同電子楽器におけるグループ分け
の概念を示す図、第4図は同電子楽器におけるqueueレ
ジスタの記憶内容を説明する図、第5図は同電子楽器に
おける優先順位に基づくピッチ修正の方式を示す図であ
る。第6図〜第11図は同電子楽器の動作を示すフローチ
ャートである。 また、第12図および第13図はそれぞれ同電子楽器の他の
実施例の動作を示すフローチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−269398(JP,A) 特開 昭60−52894(JP,A) 特開 平3−145688(JP,A) 特開 平2−311898(JP,A) 特公 昭62−42518(JP,B2) 特公 昭63−18199(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10H 1/00 101 - 102 G10H 1/18 - 1/30 G10H 1/36 - 1/46

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】音高を含む演奏情報が入力される演奏情報
    入力手段と、 前記演奏情報入力手段から入力された複数の演奏情報を
    複数のグループに分割するグルーピング手段と、 前記グルーピング手段によって分割された各グループの
    優先順位を判定する優先順位判定手段と、 前記グルーピング手段によって分割された各グループ毎
    に、各演奏情報で指定された楽音の特性の修正量を仮に
    決定し、優先順位の高いグループに属する演奏情報で指
    定された楽音の特性の修正量に基づいて優先順位の低い
    グループに属する演奏情報で指定された楽音の特性の修
    正量を変更することによって修正量を確定し、該修正量
    で各演奏情報で指定された楽音の特性を修正する楽音特
    性修正手段と、 各演奏情報の楽音を前記楽音特性修正手段で修正された
    特性で発音する楽音信号形成手段と、 を備えたことを特徴とする電子楽器。
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