JP3078864U - 装身具用部材およびその装身具用部材を用いた装身具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多種多様なバリエーションに富んだ回転
体装飾体と、この装飾体を遊動可能に収容して趣味感に
富んだ装身具を提供すること。 【解決手段】 底部に球止孔を有した筒体内部に宝石、
金属材、ガラス材、または合成樹脂材等の素材を略球状
に形成した回転装飾体を遊動可能に収容し、該筒体の開
口部には前記回転装飾体の離脱を防止する係止爪部を設
けて装身具用部材を制作し、それを用いて指輪等を制作
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、指輪、ペンダント、ブレスレットまたはネックレス、イアリングまた はピアス、ブローチ等のの装身具に使用される装身具用部材と、該装身具用部材 を用いた前記装身具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より指輪等の装身具には、ダイアモンドやルビー等の宝石やミラーボール等 の装飾体が多種多様に施されているが、その貴重性ゆえに離脱を確実に防止しな ければならず、大部分の装身具では前記装飾体を本体に確実に固定している。例 えば、図１に示すように、指輪１の場合には、略リング状に形成された腕部６の 中央に複数本の爪部４を形成し、該爪部４によりダイアモンド３を周囲から挟持 、固定して、その離脱を防止している（いわゆるティファニーセッティング）。 かかる石留め技法には、爪留め、覆輪留め、五光留め等、やはり多種多様のもの があるが、その貴重性ゆえにいずれも宝石等を確実に固定するものであり、この ような事情は、ペンダントやブローチ等の他の装身具においても全く同様である 。

【０００３】 一方で、イアリングまたはピアスにおいては、チェーン状に形成されたぶらさが り部の先端に宝石等を固定するぶら下がりタイプのものや、ブレスレットやネッ クレスにおいては、真珠等を糸で連通して数珠状に形成する場合があるが、前者 の場合でも宝石自体は石座に固定されており、後者の場合は真珠等には模様もな く、その動きが肉眼では全く判別できないため、いずれも静的なものでバリエー ションと趣味感の点でやや面白味に欠けるものとなっていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

このように、従来からある指輪等の装身具における宝石等の装飾体は、装身具本 体に確実に固定されており、その形状は全体的変化に乏しかったため、消費者の 購買意欲を刺激することがやや困難であったともいえる。

【０００５】 本考案は、指輪等の装身具において、宝石等の装飾体の固定部分を遊動可能に形 成することにより、形状の変化に富み、バリエーションと趣味感に富んだ装身具 を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決する手段として、請求項１に記載された考案は、底部に球止孔を 有した筒体内部に宝石、金属材、ガラス材、または合成樹脂材等の素材を略球状 に形成した回転装飾体を遊動可能に収容し、該筒体の開口部には前記回転装飾体 の離脱を防止する係止爪部を設けた装身具用部材であることを特徴とする。請求 項２に記載された本考案は、請求項１に記載の装身具用部材において、前記筒体 は、回転装飾体の直径をｘとした場合、筒体の内径ｙはｘ＋１であり、高さｚは ｘ＋２、球止孔の内径および係止爪部１５の先端部間の寸法ｓはｘ−１の関係で 形成されたものであることを特徴とする。請求項３に記載された考案は、請求項 １乃至請求項２にいずれか１に記載の装身具用部材において、前記回転装飾体は 、トルマリン、シマメノウ等の表面に模様が表れる宝石であることを特徴とする 。請求項４に記載された考案は、請求項１ないし３のいずれか１に記載の装身具 用部材において、前記回転装飾体には、周面に少なくとも１箇所以上設けられた 孔部内に金属材または合成樹脂材等により形成した装飾片を装着したことを特徴 とする。請求項５に記載された考案は、請求項１ないし４のいずれか１に記載の 装身具用部材において、前記回転装飾体は、チタン鋼球または磁性鋼球等の金属 材であることを特徴とする。請求項６に記載された考案は、請求項１ないし５の いずれか１に記載の装身具用部材において、前記回転装飾体は、金属材またはガ ラス材からなるミラーボールであることを特徴とする。したがって、回転装飾体 を遊動可能に収容し、動的でバリエーションと趣味感に富んだ装身具用部材を提 供できる。

【０００７】 また、請求項７に記載された考案は、前記請求項１乃至請求項６に記載の装身具 用部材が、略リング状に形成された腕部の中央に一体的に形成された指輪等の装 身具であることを特徴とする。請求項８に記載された考案は、前記請求項１乃至 請求項６に記載の装身具用部材が、略十字架状に形成したクロス部分中央に一体 的に形成されたペンダント等の装身具であることを特徴とする。請求項９に記載 された考案は、前記請求項１乃至請求項６に記載の装身具用部材を少なくとも１ 以上連結され、全体がチェーン状に形成されたブレスレットまたはネックレス等 の装身具であることを特徴とする。したがって、回転装飾体を遊動可能に収容し た装身具用部材を装身具の一部取付けることにより変化に富み、消費者の購買意 欲を刺激させる装身具を提供できる。

【０００８】

【考案の実施の形態】

本考案に係る装身具用部材の第１の実施の形態を図２〜９に基づいて説明すると 、図２は回転装飾体を収容した装身具用部材の断面図、図３は筒体と回転装飾体 の寸法比率を示す一部破断側面図、図４は筒体の平面図である。また、図５は第 １回転装飾体の側面図、図６は第２回転装飾体の平面図、図７はその断面図、図 ８は第３回転装飾体の側面図である。さらに、図９は、本考案に係る装身具用部 材を使用して形成した指輪の正面図、図９は、前記指輪内に指を挿入した状態を 示す正面図である。

【０００９】 この装身具用部材１０は、筒体１１内に回転装飾体３１を遊動可能に収容したも のである。回転装飾体３１は、天然石や合成石等の宝石、ゴールド、プラチナ等 の貴金属又はチタンまたは磁性鋼等の金属材、ガラス材、または硬質プラスチッ ク等の合成樹脂材等の素材を、研磨またはカッティング等により略球状あるいは ミラーボール状にして形成される。その大きさは用途により相違するが、装身具 として身につけること、指等で滑らかに回転させることができること等を考慮す ると、直径３ｍｍ〜１０ｍｍ程度が好ましい。

【００１０】 筒体１１は、略全体を筒状に形成し、その一端にはロストワックスキャスティン グなどの製法で底部１２を一体的に形成し、該底部１２の中央には前記回転装飾 体３１の一部が露出する球止孔１３を設けてある。また、前記底部１２の他端に は開口部１４を形成し、該開口部１４の内周面には、花びら状の先端を内側にか しめることで、係止爪部１５が形成されている。さらに、球止孔１３の内周面に は、回転装飾体３１の傷付き防止と回転装飾体３１の座りを良くするためのテー パ部１６が設けられている。

【００１１】 ここで、回転装飾体３１が、筒体１１内に収容されてスムーズに遊動し、かつ後 記するように装身具指輪７０等においても、通常は球止孔１３から下方にやや露 出しており、押し上げられると開口部１４から上方に露出するためには、回転装 飾体３１の直径をｘｍｍとした場合、筒体１１の内径ｙｍｍは約１ｍｍ程度大き く、すなわちｘ＋１の関係であり、高さｚｍｍ（底部１２から係止爪部１５まで の内部寸法）は約２ｍｍ程度大きく、すなわちｘ＋２の関係で形成されることが 好ましい。また、同様に、回転装飾体３１が筒体１１まら離脱することを確実に 防止するためには、球止孔１３の内径およびそれぞれの係止爪部１５の先端部間 における寸法ｓは、約１ｍｍ前後程度小さく、すなわちｘ−１の関係で形成され ることが好ましい。

【００１２】 なお、筒体１１は、回転装飾体３１に対し前記寸法の関係を有している限り、そ の外側及び内側の形状に特に限定はなく、例えば、円筒形であっても角筒形であ っても差し支えないものである。また、係止爪部１５の形状は、前記花びら状の ものに限定されるわけではなく、小径のリング部材をロー付け等して先端に固着 することで、小径でシンプルな環状の係止爪部とすることもできる。

【００１３】 一方、回転装飾体３１には、以下に図示されるような種々の形態が考えられる。 例えば、第１回転装飾体４１は、略球状の、例えば、トルマリン、シマメノウ等 の表面に縞模様４３が表れる宝石４２、ゴールド色とプラチナ色を組み合わせて 模様を表面に表した貴金属、または人の興味を引くイラストなどの模様を表面に 表した合成樹脂材等により形成されるものである。

【００１４】 また、例えば、第２回転装飾体５１は、略球状の宝石５２の中央軸心方向に孔部 を貫通し、孔部５３内に貴金属材または合成樹脂材等により形成した装飾軸５４ を挿入して、先端にはいわゆる星型形状のワンポイント５５を形成したものであ る。このワンポイント５５の形状には、例えば、星座、ハート等の各種模様、イ ニシアル等の文字を形成することができる。なお、第２回転装飾体５１では、装 飾軸５４のみを挿入して端部のない軸のみのワンポイントとしても良く、また、 孔部５３は、通孔の状態でも、第２回転装飾体５１の途中まで形成されるもので あっても良い。

【００１５】 さらに、例えば、第３回転装飾体６１は、全体としては略球状だが、表面に多数 の細かなファセット面が形成されたミラーボール６２からなるものである。かか るミラーボール６２は、貴金属を使用したプラチナ球、金球または銀球や、他の 金属材、ガラス材で形成することができる。

【００１６】 加えて、例えば、第４回転装飾体は、略球状のチタンや磁性を帯びた鋼材、例え ば磁性鉄等から形成されたものである（図示せず）。第４回転装飾体においては 、特に模様は必要とされないが、もちろん前記までの実施形態同様に模様を付加 することは可能である。

【００１７】 このような装身具用部材１０は、図９及び図１０に示されるように、例えば、略 リング状に形成された腕部７１の中央にロー付け等されて取り付けられることで 第１の実施の形態である装身具指輪７０を形成することができる。

【００１８】 かかる装身具指輪７０は、リング状の腕部７１内に指７３を挿入すると、通常は 球止孔１３から下方にやや露出している回転装飾体３１が、指７３により押し上 げられて、開口部１４から上方に露出するため、あたかも装身具指輪７０に宝石 が石留めされているような形態として使用できる。もちろん、係止爪部１５で係 止されている回転装飾体３１は、筒体１０から離脱することはない。

【００１９】 また、装身具指輪７０は、回転装飾体３１を他方の指等で触れる場合には、３６ ０度の自由な方向に筒体３１内で回転するので、回転装飾体３１の表面に施され ている模様やワンポイント、ミラーボールの輝きの変化を楽しむこともできる。

【００２０】 さらに、第４回転装飾体では、磁性球を回転させることで、磁力効果とマッサー ジ効果により血流を促すことができる等、装飾的なものだけでなく健康的な効果 を期待することもできる。

【００２１】 次に、図１０は、装身具用部材１０を使用した第２の実施の形態である装身具用 ペンダント８０を示すものである。すなわち、全体を十字架８１に形成した中央 クロス部分に、装身具用部材１０を一体的に形成したものである。この装身具用 ペンダント８０は、先端の取り付けられた輪環８２にチェーン８３を捜通して首 からぶら下げることができ、装着時に揺動することで、球止孔１３から露出して いる回転装飾体３１の一部分が体に触れる摩擦抵抗により、わずかに回転し、そ の表面に施されている模様の変化等を楽しむことができる。

【００２２】 さらに、図１１は、装身具用部材１０を使用した第３の実施の形態である装身具 用ブレスレット９０を示すものである。すなわち、ほぼ同一径からなる複数の装 身具用部材１０を輪環９３により連結し、連設または一つ置き等に配列して、前 面を鎖状とし、裏面をバングルとして装身具用ブレスレット９０を形成したもの である。かかる場合には、複数の回転装飾体３１が直接肌に触れるので、例えば 、前記磁性球からなる回転装飾体３１を使用することにより、複数の磁性球によ る磁力効果により血流を促進する効果が期待できる等のメリットがある。本実施 形態においては、もちろん、全体を鎖状とした装身具用ブレスレットを形成する ことや、より長尺のものとしてネックレスを形成することができる。

【００２３】 以上、本考案の実施形態のいくつかについて説明したが、本考案は、上記した実 施形態に限定されることなく、均等の範囲内で種々の変形が可能である。例えば 、前記までの実施形態では、装身具用指輪、装身具用ペンダントおよび装身具用 ブレスレットについて説明したが、本考案は、他の装身具である、例えば、イア リングまたはピアス、ブローチ等の装身具用部材として使用することができるの は当然である。

【００２４】

【考案の効果】

本考案によれば、指輪等の装身具において、従来は固定されていた宝石等の装飾 体を遊動可能に取り付けることができるので、形状や模様の変化に富み、バリエ ーションと趣味感に富んだ装身具を提供できる。また、その製造も簡単でコスト 面においても経済的である。さらには、磁性球を使用した回転装飾体を使用し、 磁力効果により血流を良くすることができる等、健康的な効果を期待することも できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の宝石を固定した指輪を示す斜視図であ
る。

【図２】本考案にかかる装身具用部材の内部に第１回転
装飾体を収容して一部破断した正面図である。

【図３】筒体と回転装飾体の寸法比率を示す一部破断側
面図である。

【図４】筒体の平面図である。

【図５】本考案にかかる第１回転装飾体の側面図であ
る。

【図６】本考案にかかる第２回転装飾体の平面図であ
る。

【図７】図６の断面図である。

【図８】本考案にかかる第３回転装飾体の側面図であ
る。

【図９】本考案にかかる指輪の正面図である。

【図１０】本考案にかかる指輪の腕部内に指を挿入して
回転装飾体を上昇させた状態の正面図である。

【図１１】本考案にかかるペンダントの正面図である。

【図１２】本考案にかかるブレスレットの正面図であ
る。

【符号の説明】

１ 指輪 ３ ダイアモンド ４ 爪部 ６ 腕部 １０ 装身具用部材 １１ 筒体 １２ 底部 １３ 球止孔 １４ 開口部 １５ 係止爪部 １６ テーパー部 ４１ 第１回転装飾体 ４２ 宝石 ４３ 縞模様 ５１ 第２回転装飾体 ５２ 宝石 ５３ 孔部 ５４ 装飾軸 ５５ ワンポイント ６１ 第３回転装飾体 ６２ ミラーボール ７０ 装身具用指輪 ７１ 腕部 ７３ 指 ８０ 装身具用ペンダント ８１ 十字架 ８２ 輪環 ８３ チェーン ９０ 装身具用ブレスレット ９２ バングル ９３ 輪環

Claims (9)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 底部に球止孔を有した筒体内部に宝石、
   金属材、ガラス材、または合成樹脂材等の素材を略球状
   に形成した回転装飾体を遊動可能に収容し、該筒体の開
   口部には前記回転装飾体の離脱を防止する係止爪部を設
   けたことを特徴とする、指輪、ペンダント、ブレスレッ
   トまたはネックレス、イアリングまたはピアス、ブロー
   チ等の装身具用部材。
2. 【請求項２】 前記筒体は、回転装飾体の直径をｘとし
   た場合、筒体の内径ｙはｘ＋１であり、高さｚはｘ＋
   ２、球止孔の内径および係止爪部１５の先端部間の寸法
   ｓはｘ−１の関係で形成されたものであることを特徴と
   する請求項１に記載の装身具用部材。
3. 【請求項３】 前記回転装飾体は、トルマリン、シマメ
   ノウ等の表面に模様が表れる宝石であることを特徴とす
   る請求項１ないし２のいずれか１に記載の装身具用部
   材。
4. 【請求項４】 前記回転装飾体には、周面に少なくとも
   １箇所以上設けられた孔部内に金属材または合成樹脂材
   等により形成した装飾片を装着したことを特徴とする請
   求項１乃至請求項３にいずれか１に記載の装身具用部
   材。
5. 【請求項５】 前記回転装飾体は、チタン鋼球または磁
   性鋼球等の金属材であることを特徴とする請求項１ない
   し４のいずれかに１記載の装身具用部材。
6. 【請求項６】 前記回転装飾体は、金属材またはガラス
   材からなるいわゆるミラーボールであることを特徴とす
   る請求項１ないし５のいずれか１に記載の装身具用部
   材。
7. 【請求項７】 前記請求項１乃至請求項６に記載の装身
   具用部材が、略リング状に形成された腕部の中央に一体
   的に形成された指輪等の装身具。
8. 【請求項８】 前記請求項１乃至請求項６に記載の装身
   具用部材が、略十字架状に形成したクロス部分中央に一
   体的に形成されたペンダント等の装身具。
9. 【請求項９】 前記請求項１乃至請求項６に記載の装身
   具用部材を少なくとも１以上連結され、全体がチェーン
   状に形成されたブレスレットまたはネックレス等の装身
   具。