JP3078387B2 - 石油樹脂粉末及びその製造方法 - Google Patents

石油樹脂粉末及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は石油を分解して得られる
不飽和炭化水素であるC5 或いはC9 留分を主体として
重合せしめた所謂石油樹脂を乳剤化し、さらにはこれを
粉末化することによって、貯蔵、包装、輸送などが合理
化され、かつ、使用に便利な石油樹脂粉末を提供するも
のであり、需要の拡大、新用途の開拓が期待される新規
石油樹脂粉末及びその製造方法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】アスファルト(瀝青物)は天然に産出
し、多くの分野に使用されてきた材料であるが、石油の
利用の拡大に伴い安価に大量に提供されるようになった
ことから、現在一般に使用されているものは、ほとんど
が石油アスファルトである。
【0003】アスファルトはその安価さと接着力、結合
力、防水性、制振性、電気絶縁性等の特性を利用して道
路舗装、水利工事、防水工事、電気絶縁材料、各種被覆
材料など、多くの分野で大量に使用されているが、アス
ファルトが暗褐色乃至黒色なために利用範囲が制約され
ることになる。
【0004】一方、石油化学におけるナフサ分解の際に
エチレン、プロプレン、芳香族炭化水素などと同時に生
成する不飽和炭化水素留分、具体的には脂肪族系C5
分、芳香族系C9 留分、或いはこれらを組み合わせたも
のを主体として重合させた所謂石油樹脂は淡色乃至ほと
んど無色であるため、床用バインダー、塗料、接着剤、
印刷インキ、サイズ剤、ゴム加工用、トラフィックペイ
ントなど、いろいろな分野で使用されるようになった。
【0005】近年、道路舗装においても自然や町並みの
周辺環境との調和が強く要望されるようになり、上記石
油樹脂を利用した着色舗装材が開発され、特に景観を重
視する公園、遊歩道、サイクリングロード、商店街など
をはじめとして、一般車道にまで目的に応じた使用がみ
られるようになった。
【0006】このような着色舗装の場合には、粒径の異
なる砂利を適当な割合に混合し、これに石粉などの粉
末、石油樹脂、顔料などを混合、加熱し、所定の場所に
散布、展圧するこによって施工される。ここでバインダ
ーとして使用される石油樹脂は溶融点(軟化点)が高い
ために、骨材粒子を均一に被覆し、相互の結合、固着を
有効にするためには、適当な粘度になるまで高温に維持
して使用する必要がある。
【0007】更にプラントでの移送、混合攪拌などの作
業性、効率などから、常時加熱溶融状態で貯蔵する必要
があり、輸送に当たっても加熱装置を有するタンクロー
リーなどを使用する必要がある。
【0008】これらの難点を除去し、取り扱いを容易に
するために、石油樹脂に軟化剤などを添加して針入度や
接着性を調製し、乳化剤を使用して乳化した明色アスフ
ァルト乳剤といわれるものが開発されたが、添加した乳
化剤や安定剤等の影響による物性の低下や水分の除去蒸
発によってはじめて成膜、粘着が完成するために手軽に
施工できる反面、工期がかかる問題があった。
【0009】また、加熱、溶融などの処理が必要でなく
なった反面、乳剤中の固形分濃度が50〜60%程度の
ために樹脂分と略同量の水を同時に貯蔵、或いは輸送す
ることになり、貯蔵設備や輸送費などがアップすること
となった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
における問題点を解決し、取り扱いや貯蔵、輸送が容易
で、石油樹脂の性質に影響を与えることのない石油樹脂
粉末及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、まず従来
の界面活性剤や安定剤などの添加剤を多量に使用して強
制乳化させることに起因する石油樹脂乳剤の諸物性の低
下を防止し、取り扱いやすく物性の優れた乳剤を製造す
るために、親水性と親油性を併有する無機質粒子(両親
媒性粒子と呼ぶ)を使用して石油樹脂を乳化することに
着目して研究を重ねた結果、両親媒性粒子の適当な選
択、石油樹脂との混合割合、温度、pHなどの乳化条
件、乳化装置の選定等によって、実質的にソープレスの
石油樹脂乳剤を効果的に製造しうることを見出すと共
に、更に、この石油樹脂乳剤から利用価値の優れた石油
樹脂乾燥粉末を製造しうることを見出し、本発明に到達
するに到った。
【0012】石油樹脂は大別すると脂肪族系、芳香族
系、脂肪族/芳香族共重合系、脂肪族/脂環族共重合
系、シクロペンタジエン系、さらにこれらを水添した水
添系樹脂に分類される。
【0013】これらの石油樹脂は単独で使用されること
は少なく、その他の樹脂、油脂などと混合して目的に応
じた物性に調整されることが多い。これらのいずれの樹
脂も本発明においては利用できるが、特に粉末化に当た
っては、軟化点の低い(軟らかい)石油樹脂或いは石油
樹脂を主成分とする樹脂に有効に用いられる。
【0014】軟化点が高いものであれば、樹脂の塊状粗
大粒に、常用の粉砕作用などを加えることによってある
程度までの微細化は可能であるが、軟化点が低くなるに
従って微細化は困難になってくる。本発明により軟化点
が50℃以下のような非常に軟らかい樹脂に対しても微
細化が可能となる。さらに平均粒子径がおよそ20〜3
0ミクロンの粉末を得ることが可能であるため、顔料、
骨材などとの混合性に優れ、加熱溶融する際の熱容量の
低減も出来るという特徴を持つ。
【0015】本発明で用いる両親媒性粒子は、親水性無
機質粒子を疎水性化剤又は高分子物質で処理して水及び
有機溶媒の両者に対し親和性を付与することによって得
られ、両親媒性を有しているか否かは、水と有機溶媒の
混合物中に添加混合して静置した場合、水と有機溶媒の
界面に集まるか否かによって知ることができる。
【0016】本発明で使用される両親媒性粒子の基材
は、親水性無機質粒子であって、水に難溶ないし不溶性
の、実質的には水に溶解しない物質が包含される。かか
る物質としては、例えば二酸化珪素、アルミナ、二酸化
チタンなどの酸化物、重質または軽質炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム等の炭酸塩、カオリン、クレー、タル
クなどのケイ酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウムなどの水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム
などの硫酸塩をあげることが出来る。
【0017】これら無機質材料の両親媒性化には、通常
単独で用いられるが、二種以上組み合わせて用いても良
いし、またそれぞれを両親媒性化した後、二種以上を混
合して用いることもできる。しかしながら、それらの工
業的に入手しうる無機質材料の粒子径などを考慮すれ
ば、実質的に特に好ましい材料は、二酸化珪素、炭酸カ
ルシウム、タルクなどである。
【0018】両親媒性粒子を使用して石油樹脂を乳化す
る場合、一般には使用する両親媒性粒子の粒子径と生成
した石油樹脂エマルションの粒径との間に相関関係があ
り、両親媒性粒子の粒径が大きくなるに従い、生成した
エマルションの樹脂の粒径も大きくなる。
【0019】石油樹脂を乳化する場合には、乳剤の長期
の保存において沈降、凝集などが生じないような安定性
を確保する必要性からも出来るだけ微小な両親媒性粒子
を使用することが必要である。このためには両親媒性粒
子を製造するための親水性材料として0.6ミクロン以
下のものを用いることが必要であり、工業的に安定に供
給されるためには0.05ミクロン程度までの無機質粒
子が使用される。
【0020】両親媒性粒子を使用して得られた乳剤中の
樹脂粒子の表面には両親媒性粒子による無機質層が形成
され、分散樹脂粒子同志の融着、合一を阻害するので、
エマルションの安定化に役立っている。
【0021】しかしながら、これらの乳剤を更に乾燥し
て乾燥粉末を製造する場合には、実質的に乳剤の長期安
定性を考慮する必要はなく、両親媒性粒子によって石油
樹脂が水中に乳化、または懸濁出来る程度の粒径を有す
る両親媒性粒子であれば良く、5ミクロン程度の無機質
材料を用いて製造した両親媒性粒子でも懸濁は可能であ
る。これ以上大きな粒子を使用した場合には懸濁液中の
石油樹脂の平均粒径が100ミクロン以上となり、懸濁
液の沈降、凝集などの現象が生じ、安定性が著しく悪く
なるため実用上両親媒性粒子を製造するに用いる無機質
材料の粒径は5ミクロン以下のものを用いる必要があ
る。
【0022】また、石油樹脂の乳化に使用する両親媒性
粒子の量は、少なくなるに従って出来る乳剤の安定性が
低下する傾向がある。長期安定性を確保しなければなら
ない乳剤に関しては、石油樹脂に対して20重量%以上
の添加量が必要であり、40重量%以上添加すると乳剤
の粘度が著しく上昇してしまうために実用上は25〜3
5重量%が好ましい。粉末化を行う際には、両親媒性粒
子の粒径の制限と同様に実質的に長期安定性を考慮する
必要がないので20重量%以下でも差し支えない。3重
量%程度でも懸濁は可能であるが、実用上は5〜35重
量%添加するのが好ましい。
【0023】また、親水性無機質材料の表面改質に用い
られる親油性物質としては、無機質粒子の表面に疎水部
分を形成する物質であることが重要であり、例えばシラ
ン化合物、チタネート系カップリング剤、ダイマー酸と
ポリアミンの縮合物の如き油溶性ポリアミン縮合物、ま
たはポリエチレングリコール(メタ)アクリレートと
(メタ)アクリル酸又はフマル酸との共重合物の如きア
クリル酸系重合物またはその共重合物,ホモゲノールL
−18(花王(株)製)の如き油溶性陰イオン界面活性
剤類等があげられるが、これらは単独で使用しても良い
し、二成分以上を組み合わせて使用することもできる。
親油性物質の使用量は、親水性無機質材料に対し0.0
5〜2.0重量%添加するのが好ましい。
【0024】両親媒性粒子を使用して得られた石油樹脂
の懸濁液から乾燥粉末を製造するに当たっては、水分を
蒸発させるために高温にさらすことになるため、その軟
化点によっては、樹脂が表面を被っている両親媒性粒子
の隙間からにじみだし、粒子間の融着を生ずることにな
る。
【0025】このため本発明においては、乾燥に先立っ
て予め両親媒性粒子エマルション中にアラビアゴム、ゼ
ラチン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコー
ル、またはポリ酢酸ビニルの部分鹸化物、カルボキシメ
チルセルロースなどの水溶性高分子化合物を石油樹脂に
対して適当量添加して乾燥すれば容易に粉末を得ること
が出来る。
【0026】水溶性高分子化合物の種類と添加量は、膜
厚を左右し、得られる粉末の強度などの性能に影響を及
ぼす。従って水溶性高分子化合物の種類と添加量は、所
望する強度などの性能によって選定すればよい。両親媒
性無機質粒子で被覆された石油樹脂分散粒子の表面を被
覆するには、乳剤の固形分に対して1重量%以上必要で
あり、乳剤の固形分が40〜50重量%、平均粒径が2
0〜30ミクロンの懸濁液の場合、5〜15重量%程度
の添加量が好ましい。
【0027】以上のように両親媒性粒子を使用して石油
樹脂を乳化すれば安定な石油樹脂乳剤が得られ、更にこ
れらの少量の水溶性高分子化合物を添加して、スプレー
ドライヤー等の乾燥装置で乾燥することにより針入度の
大きな軟らかい石油樹脂でも粉末化することが出来る。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を挙げて詳しく説明す
るが、本発明は、これらの実施例によって何等制限され
るものではない。なお、実施例において部は重量部を示
す。
【0029】実施例1 炭酸カルシウム(平均粒径0.1ミクロン)100部
を、アクリル酸とポリエチレングリコールメタアクリレ
ート1:1の割合で常法によって共重合せしめ、アンモ
ニアで中和してえられた平均分子量13000の共重合
物1部を溶解した水900部に添加してディスパーで充
分に攪拌して、炭酸カルシウム表面に該共重合樹脂を付
着せしめた後、フィルタープレスでろ過、脱水し、常法
によって乾燥して両親媒性粒子を製造した。
【0030】このようにして製造した両親媒性粒子15
部を水100部に懸濁し、ディスパーで充分に攪拌しな
がら温度を60℃に保つ。一方、油脂類を混入して針入
度400に調製した石油樹脂混合物100部を140℃
に加熱し、両者を同量宛同じにハレル型ホモジナイザー
を通して混合乳化せしめた。
【0031】この乳化液に、予め10%になるように調
整した鹸化度88%程度のポリビニールアルコール(日
本合成化学工業(株)製:ゴーセノールGH−17)水
溶液を乳化液中の固形分に対してポリビニールアルコー
ルとして8%になるように添加し、充分攪拌しながら噴
霧乾燥機(大川原化工機製:FOC−25)によって熱
風入口温度150℃、出口温度100℃の条件下で乾燥
し、石油樹脂の微小乾燥粉末を得た。
【0032】実施例2 炭酸カルシウム(平均粒径0.5ミクロン)100部を
ダイマー酸とポリアミンの縮合物(富士化成工業社;商
品名トーマイド296)1部をジクロロメタン60部に
溶解した溶液に添加し、充分攪拌した後、溶剤を加熱溜
去して両親媒性粒子を製造した。
【0033】この粒子15部を水100部に懸濁し、デ
ィスパーで充分に攪拌しながら温度を60℃に保つ。一
方、油脂類を混入して針入度400に調製した石油樹脂
混合物100部を140℃に加熱し、両者を同量宛同じ
にハレル型ホモジナイザーを通して混合乳化せしめた。
【0034】この乳化液に予め10%になるように調整
したヒドロキシエチルセルロースール(例えばヘキスト
合成化学工業(株)製:ナトロゾール 250LR)水
溶液を乳化液中の固形分に対してヒドロキシエチルセル
ロースールとして8%になるように添加し、凍結乾燥機
(東京理化器械(株)製:FD−5N)によってトラッ
プ温度−50℃、真空度5×10-3Torrの条件下で乾燥
し、石油樹脂の微小乾燥粉末を得た。
【0035】実施例3 炭酸カルシウム(平均粒径3.0ミクロン)を実施例2
と同様に処理して両親媒性粒子を製造した。
【0036】この粒子15部を水100部に懸濁し、デ
ィスパーで充分に攪拌しながら温度を60℃に保つ。一
方、油脂類を混入して針入度400に調製した石油樹脂
混合物100部を140℃に加熱し、両者を同量宛同じ
にハレル型ホモジナイザーを通して混合乳化せしめた。
【0037】この乳化液に予め10%になるように調整
した鹸化度88%程度のポリビニールアルコール(日本
合成化学工業(株)製:ゴーセノールGH−17)水溶
液を乳化液中の固形分に対してポリビニールアルコール
として8%になるように添加し、更に着色顔料として酸
化第二鉄(チタン工業製:マピコレッドR−110A)
を2%添加して充分攪拌しながら実施例1と同様に噴霧
乾燥機によって乾燥し、石油樹脂の赤色系微小乾燥粉末
を得た。
【0038】比較例1 炭酸カルシウム(平均粒径6.0ミクロン)を、実施例
1と同様にして製造した両親媒性粒子15部を水100
部に懸濁し、ディスパーで充分に攪拌しながら温度を6
0℃に保つ。一方、油脂類を混入して針入度400に調
製した石油樹脂混合物100部を140℃に加熱し、両
者を同量宛同じにハレル型ホモジナイザーを通して混合
乳化せしめた。
【0039】比較例2 炭酸カルシウム(平均粒径0.5ミクロン)を、実施例
1と同様にして製造した両親媒性粒子3部を水100部
に懸濁し、ディスパーで充分に攪拌しながら温度を60
℃に保つ。一方、油脂類を混入して針入度400に調製
した石油樹脂混合物100部を140℃に加熱し、両者
を同量宛同じにハレル型ホモジナイザーを通して混合乳
化せしめた。
【0040】比較例3 炭酸カルシウム(平均粒径0.5ミクロン)を、実施例
1と同様にして製造した両親媒性粒子20部を水100
部に懸濁し、ディスパーで充分に攪拌しながら温度を6
0℃に保つ。一方、油脂類を混入して針入度400に調
製した石油樹脂混合物100部を140℃に加熱し、両
者を同量宛同じにハレル型ホモジナイザーを通して混合
乳化せしめた。
【0041】この乳化液に予め10%になるように調整
した鹸化度88%程度のポリビニールアルコール(例え
ば日本合成化学工業(株)製:ゴーセノールGH−1
7)水溶液を乳化液中の固形分に対してポリビニールア
ルコールとして2%になるように添加し、充分攪拌しな
がら噴霧乾燥機(大川原化工機製:FOC−25)によ
って熱風入口温度150℃、出口温度100℃の条件下
で乾燥し、石油樹脂の微小乾燥粉末を得た。
【0042】比較例4 炭酸カルシウム(平均粒径0.5ミクロン)を、実施例
1と同様にして製造した両親媒性粒子30部を水100
部に懸濁し、ディスパーで充分に攪拌しながら温度を6
0℃に保つ。一方、油脂類を混入して針入度400に調
製した石油樹脂混合物100部を140℃に加熱し、両
者を同量宛同じにハレル型ホモジナイザーを通して混合
乳化せしめた。
【0043】この乳化液を充分攪拌しながら噴霧乾燥機
(大川原化工機製:FOC−25)によって熱風入口温
度150℃、出口温度100℃の条件下で乾燥し、石油
樹脂の微小乾燥粉末を得た。
【0044】実施例1〜3及び比較例3、4の石油樹脂
の微小粉末の粉末化状態を調べると共に、比較例1及び
2の乳剤について乳化状態及び乳剤の安定性を試験し
た。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】(註1)乳化状態の判定評価は球状の石油
樹脂粒子が水中に分散し、且つ2m/m目のフルイを通
し残渣のない場合を○とした。 (註2)100mlのメスシリンダーに100mlの乳剤を
入れ、7日間20℃の室内に放置した場合の水層の分離
状態を観察評価し、5%以下の場合を○、分離しても攪
拌すれば乳化状態に戻るものを△、攪拌しても乳化状態
に戻らないものを×とした。 (註3)粉末化状態の判定評価は、2m/mのフルイを
通し残渣が5%以下の場合を○とした。
【0047】本発明の石油樹脂又は、石油樹脂を主成分
とする粉末は、粒径の異なる砂利、石粉などの粉末、顔
料などを適当な割合に混合したものに、5〜10%の割
合で混合したものを加熱し又は加熱することなく所定の
場所に散布し展圧することにより施工することができ
る。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、粉末化状態が良好で、
従って貯蔵安定性が良好で骨材、顔料との混合性に優れ
た石油樹脂又は石油樹脂を主成分とする樹脂の粉末を得
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関口 勲 東京都多摩市聖ケ丘2−26−9 (72)発明者 岩崎 善雄 東京都大田区山王2−30−10 (56)参考文献 特開 平3−275755(JP,A) 特開 平4−304268(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 3/12 C08L 57/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径5ミクロン未満の無機質粒子より製
    造された両親媒性無機質粒子によって被覆された石油樹
    脂又は石油樹脂を主成分とする樹脂粒子の外側を水溶性
    高分子で被覆されたことを特徴とする石油樹脂粉末。
  2. 【請求項2】 粒径5ミクロン未満の無機質粒子より製
    造された両親媒性無機質粒子の懸濁水と加熱熔融した石
    油樹脂又は石油樹脂を主成分とする樹脂とを高速攪拌し
    て得られる石油樹脂乳剤に、該乳剤中の固形分に対して
    1重量%以上の水溶性高分子物質を添加した後、乾燥す
    ることを特徴とする石油樹脂粉末の製造方法。
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