JPH0657094A - 石油樹脂粉末及びその製造方法 - Google Patents

石油樹脂粉末及びその製造方法

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JPH0657094A
JPH0657094A JP22945592A JP22945592A JPH0657094A JP H0657094 A JPH0657094 A JP H0657094A JP 22945592 A JP22945592 A JP 22945592A JP 22945592 A JP22945592 A JP 22945592A JP H0657094 A JPH0657094 A JP H0657094A
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JP
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petroleum resin
resin powder
water
emulsion
weight
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Application number
JP22945592A
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English (en)
Inventor
Takayuki Nakajima
孝之 中島
Masao Kano
正雄 加納
Kazuo Sato
和夫 佐藤
Chiaki Yamashita
千明 山下
Yoshio Iwasaki
善雄 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kowa Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kowa Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 取扱いが容易な、且つ貯蔵、輸送等が容易な
石油樹脂粉末を提供することを目的とする。 【構成】 けん化度80%、重合度500のポリビニル
アルコールの8%の水溶液を50℃に加温し、これと同
量の140℃に加熱溶融した、油脂を混入して針入度2
00に調整した石油樹脂を、同量宛ハレル型ホモジナイ
ザーに通じ混合乳化せしめて安定な乳剤を得た。ついで
この乳剤を噴霧乾燥機に通じ、直径100mmの回転板を
用い回転数を15000回/分とし、入口熱風温度15
0℃の条件下に粉末石油樹脂を得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は石油を分解して得られる
不飽和炭化水素であるC5 或いはC9 留分を主体として
重合せしめた所謂石油樹脂を乳剤化し、さらにはこれを
粉末化することによって、貯蔵、包装、輸送などが合理
化され、かつ、使用に便利な石油樹脂粉末を提供するも
のであり、需要の拡大、新用途の開拓が期待される新規
石油樹脂粉末ならびにその製造方法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】アスファルト(瀝青物)は天然に産出
し、多くの分野に使用されてきた材料であるが、石油の
利用の拡大に伴い安価に大量に提供されるようになった
ことから、現在一般に使用されているものは、ほとんど
石油アスファルトである。
【0003】アスファルトはその安価さと接着力、結合
力、防水性、制振性、電気絶縁性等の特性を利用して道
路舗装、水利工事、防水工事、電気絶縁材料、各種被覆
材料など、多くの分野で大量に使用されているが、アス
ファルトはその色が暗褐色乃至黒色なために利用範囲が
制約されている。
【0004】一方、石油化学におけるナフサ分解の際に
エチレン、プロピレン、芳香族炭化水素などと同時に生
成する不飽和炭化水素留分、具体的には脂肪族系C5
分、芳香族系C9 留分、或いはこれらを組み合わせたも
のを主体として重合させた所謂石油樹脂は淡色乃至ほと
んど無色であるため、床用バインダー、塗料、接着剤、
印刷インキ、サイズ剤、ゴム加工用、トラフィックペイ
ントなど、いろいろな分野で使用されるようになった。
【0005】近年、道路舗装においても自然や町並みの
周辺環境との調和が強く要望されるようになり、上記石
油樹脂を利用した着色舗装材が開発され、特に景観を重
視する公園、遊歩道、サイクリングロード、商店街など
をはじめとして、一般車道にまで夫々の目的に応じて使
用されるようになった。
【0006】このような着色舗装の場合には、粒径の異
なる砂利を適当な割合に混合し、これに石粉などの粉
末、石油樹脂、顔料などを混合、加熱し、所定の場所に
散布、転圧することによって施工される。ここでバイン
ダーとして使用される石油樹脂は溶融点(軟化点)が高
いために、骨材粒子を均一に被覆し、相互の結合、固着
を有効にするために、適当な粘度になるまで高温に維持
して使用する必要がある。
【0007】更にプラントでの移送、混合攪拌などの作
業性、効率などから、常時加熱溶融状態で貯蔵する必要
があり、輸送に当たっても加熱装置を有するタンクロー
リーなどを使用する必要がある。
【0008】これらの難点を除去し、取り扱いを容易に
するために、石油樹脂に軟化剤などを添加して針入度や
接着性を調整し、乳化剤を使用して乳化した明色アスフ
ァルト乳剤といわれるものが開発されたが、添加した乳
化剤や安定剤等の影響による物性の低下等の問題があっ
た。
【0009】本発明者等は、これら従来の乳化剤や安定
剤を多量に使用した乳剤等の欠点を除去するため、親水
性と親油性を併有する無機質粒子(両親媒性粒子と呼
ぶ)を使用して石油樹脂を水中に乳化分散せしめること
により乳剤を得ることができること、更には該乳剤に水
溶性高分子物質を添加した後乾燥することにより石油樹
脂粉末を得ることができることを見出だし、特許を出願
した(特願平4−78813号)。しかしながら、両親
媒性粒子を加える場合、石油樹脂粒子中にかなりの無機
質粒子が含有されることとなり、使用目的によってはこ
れが支障となる場合があるのではないかと考えられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決し、取り扱いや貯蔵、輸送が容易で、石油樹脂の性
質に影響を与えることのない石油樹脂粉末ならびにその
製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の発
明における両親媒性粒子を用いることなく、安価に石油
樹脂粉末を得る方法について検討を重ねた結果、石油樹
脂を水溶性高分子を用いて乳化して乳剤を得、これを乾
燥することにより水溶性高分子で被覆された安定な石油
樹脂粉末を得ることができることを見いだし、本発明を
完成するに到った。
【0012】本発明は、特許請求の範囲に記載された次
の7の発明よりなるものである。
【0013】(1)水溶性高分子で被覆してなる石油樹
脂粉末。
【0014】(2)石油樹脂に対し3重量%以上の水溶
性高分子を含有する石油樹脂乳剤を乾燥してなる石油樹
脂粉末。
【0015】(3)石油樹脂に対し3〜15重量%のポ
リビニルアルコールを含有する石油樹脂乳剤を乾燥して
なる石油樹脂粉末。
【0016】(4)けん化度が45〜95%のポリビニ
ルアルコールを使用した前記3記載の石油樹脂粉末。
【0017】(5)石油樹脂に対し3重量%以上の水溶
性高分子を含有する石油樹脂乳剤を乾燥させることを特
徴とする石油樹脂粉末の製造方法。
【0018】(6)石油樹脂に対し3〜15重量%のポ
リビニルアルコールを含有する石油樹脂乳剤を乾燥する
ことを特徴とする石油樹脂粉末の製造方法。
【0019】(7)けん化度が45〜95%のポリビニ
ルアルコールを使用する前記6記載の石油樹脂粉末の製
造方法。
【0020】以下、本発明を詳しく説明する。本発明に
おいて用いられる石油樹脂としては、前記石油樹脂自
体、水素添加石油樹脂、或いは石油樹脂の軟化点やその
他の物性を調節するため、ロジン等の天然樹脂、油脂類
或いは合成樹脂等を配合した石油樹脂を主成分とするも
の、或いは顔料等を混合したものを用いることができ
る。
【0021】本発明で用い得る水溶性高分子としては、
被膜形成能を有するポリビニルアルコール、(メタ)ア
クリル酸重合体、並びにフマル酸重合体、(メタ)アク
リル酸とフマル酸の共重合体及びそれらの水溶性塩等の
合成水溶性高分子、又はゼラチン、アラビアゴム、カゼ
イン等の天然の水溶性高分子が用いられる。これらの水
溶性高分子の中では、特にけん化度45〜95%のポリ
ビニルアルコールが好ましい。
【0022】これらの水溶性高分子の使用量としては、
石油樹脂に対し3重量%以上15重量%以内の範囲内の
量、好ましくは5重量%乃至12重量%の範囲内の量で
用いられる。3重量%以下では被膜の形成が不充分なた
め安定な粉末は得られず、また、15重量%を超えて用
いると15重量%程度用いたものに比し被膜強度は大き
くなるが、相対的に石油樹脂量の少ない粉末となり、石
油樹脂の優れた特性を充分に活用できなくなるばかりで
なく不経済である。
【0023】石油樹脂粉末を製造する場合は、先づ乳化
物(乳剤)を製造した後、噴霧乾燥させる必要があるの
で、使用する水の量は出来るだけ少ない程好ましいが、
石油樹脂に対し石油樹脂と等量以下の量で用いる場合、
乳化物の粘度が高くなり取扱いが困難であるため、石油
樹脂とほぼ等量の水を用いるのが好ましい。
【0024】石油樹脂の乳化に際し、石油樹脂とほゞ等
量の水を用いる場合、用いる水溶性高分子の量は石油樹
脂に対し10重量%が限度である。水溶性高分子の量が
10重量%より大きくなると、即ち水溶液中の水溶性高
分子の量が10重量%以上になると、乳化物の粘度が大
となって取扱いが困難となる傾向があるからである。
【0025】石油樹脂粉末の安定性に関しては石油樹脂
に対して3〜15重量%の範囲内の水溶性高分子を用い
るのが適切である。乳化物の粘度が高くなり取扱いが困
難となる場合は、先づ石油樹脂に対して1〜10重量%
の高分子の水溶液を用いて乳化した後、得られた乳剤に
高濃度の水溶性高分子の水溶液を追加して、乳剤中の高
分子の割合が、石油樹脂の量の3〜15重量%の割合と
なるようにすればよい。乳化した後、水溶性高分子の水
溶液を追加する場合、簡単に均一に混合できるからであ
る。
【0026】以下、実施例を挙げて本発明を詳しく説明
するが、本発明は実施例により何等制限されるものでは
ない。
【0027】実施例1〜5、比較例1,2 表1に示すけん化度及び重合度を有するポリビニルアル
コールを表1に示す濃度で溶解した50℃に加温した水
溶液と、ポリビニルアルコールを溶解した水とほぼ同じ
量の140℃に加熱溶融した、油脂を混入して針入度2
00に調整した石油樹脂混合物とを、夫々同量宛ハレル
型ホモジナイザーに通して混合して乳化させた。つい
で、乳剤を噴霧乾燥機(大川原化工機製)によって乾燥
した。この場合、直径100mmの回転板を用い回転数を
15000回転/分とし、入口熱風温度は150℃とし
た。得られた粉末の状態を表1に示す。
【0028】
【表1】 〇 : 良 好 △ : やゝブロッキングする傾向あり × : ブロッキングする傾向大
【0029】得られた淡黄色の石油樹脂粉末は、平均粒
子径40μであり、指圧により容易に破砕可能であっ
た。しかしながら、PVAを石油樹脂に対し3重量%未
満用いたものはブロッキングの傾向が強く、3〜8重量
%用いたものはやゝブロッキングの傾向があった。PV
Aを9〜15重量%用いて得られた石油樹脂粉末は、サ
ラサラした状態でブロッキングの傾向は見られなかっ
た。
【0030】実施例6 つぎに、ポリビニルアルコールの重合度の影響を調べる
ため、表1に示される粉末状態が最も好ましいと思われ
るけん化度73及び80のポリビニルアルコールと同じ
けん化度を有する重合度1800のポリビニルアルコー
ルを用いて実施例1〜5と同じ条件で実施例1〜5で用
いたのと同じ石油樹脂を乳化乾燥してその粉末状態を調
べた。結果を表2に示す。
【0031】
【表2】 表2に示す結果から、ポリビニルアルコールの重合度は
あまり影響のないことがわかった。
【0032】実施例7 つぎに表3に示す天然の水溶性高分子を用いて実施例1
〜5と同一条件で実施例1〜5で用いたのと同じ石油樹
脂を乳化乾燥して得た粉末の状態を調べた。結果を表3
に示す。
【0033】
【表3】 カゼインはpH=10に調整して溶解した。ゼラチン、
アラビアゴム水溶液のpHは7.0〜7.5であった。
表3の結果から、天然の水溶性高分子を用いても良好な
粉末を製造し得ることがわかった。
【0034】
【発明の効果】以上の結果から、水溶性高分子を加えて
石油樹脂を乳化させ、噴霧乾燥することにより安定な石
油樹脂粉末粒子を提供することができる。本発明で得ら
れた石油樹脂粉末は、その取扱いが容易であり、貯蔵、
輸送が合理化され、加熱あるいは加圧により従来の石油
樹脂の使用分野で利用できるほか、新しい用途の開拓が
期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 千明 東京都三鷹市下連雀1−27−4 (72)発明者 岩崎 善雄 東京都大田区山王2−30−10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性高分子で被覆してなる石油樹脂粉
    末。
  2. 【請求項2】 石油樹脂に対し3重量%以上の水溶性高
    分子を含有する石油樹脂乳剤を乾燥してなる石油樹脂粉
    末。
  3. 【請求項3】 石油樹脂に対し3〜15重量%のポリビ
    ニルアルコールを含有する石油樹脂乳剤を乾燥してなる
    石油樹脂粉末。
  4. 【請求項4】 けん化度が45〜95%のポリビニルア
    ルコールを使用した請求項3記載の石油樹脂粉末。
  5. 【請求項5】 石油樹脂に対し3重量%以上の水溶性高
    分子を含有する石油樹脂乳剤を乾燥させることを特徴と
    する石油樹脂粉末の製造方法。
  6. 【請求項6】 石油樹脂に対し3〜15重量%のポリビ
    ニルアルコールを含有する石油樹脂乳剤を乾燥すること
    を特徴とする石油樹脂粉末の製造方法。
  7. 【請求項7】 けん化度が45〜95%のポリビニルア
    ルコールを使用する請求項6記載の石油樹脂粉末の製造
    方法。
JP22945592A 1992-08-06 1992-08-06 石油樹脂粉末及びその製造方法 Pending JPH0657094A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19990046020A (ko) * 1999-03-11 1999-06-25 황덕장 수지분말제조방법및그장치

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KR19990046020A (ko) * 1999-03-11 1999-06-25 황덕장 수지분말제조방법및그장치

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