JP3077572B2 - 連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造方法

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JP3077572B2 JP07269626A JP26962695A JP3077572B2 JP 3077572 B2 JP3077572 B2 JP 3077572B2 JP 07269626 A JP07269626 A JP 07269626A JP 26962695 A JP26962695 A JP 26962695A JP 3077572 B2 JP3077572 B2 JP 3077572B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶鋼の連続鋳造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造法で鋳片を製造する場合には、
しばしば、中心偏析と呼ばれる内部欠陥が問題となる。
この中心偏析は、鋳片の厚み方向中心部(最終凝固部)
でC、S、PおよびMnなどの溶鋼成分が正偏析する現
象である。この現象は厚板素材において特に深刻な問題
であり、偏析部分における靭性の低下や水素誘起割れの
原因となることが知られている。
【0003】このような中心偏析は、凝固末期における
デンドライト(樹枝状晶)樹間の未凝固溶鋼(以下、残
溶鋼という)が、溶鋼の凝固収縮あるいは凝固シェルの
バルジング等の原因により、最終凝固部の凝固完了点に
向かってマクロ的に移動し、かつ、C、S、PおよびM
nなどが濃化した溶鋼が局部的に集積するために起こる
ことがわかっている。
【0004】従って、中心偏析防止対策としては、凝固
完了点付近をロール、金型などを用いる何らかの方法で
圧下するなどして残溶鋼の移動や濃化溶鋼の集積を阻止
する方法があり、種々の技術思想に基づく方法が提案さ
れてきた。
【0005】例えば、特開昭63−252655号公報
では、鋳片表面に噴射される二次冷却水量を増量するこ
とにより、鋳片の最終凝固部の表面温度を700〜80
0℃の範囲とし、凝固シェル厚さを厚くすることにより
ロール間バルジングを抑制し、さらに軽圧下ロール群で
毎分0.2〜0.4%の歪み速度の圧下力を鋳片に加え
ることにより濃化溶鋼の流動を阻止し、中心偏析を防止
する方法が提案されている。
【0006】上記の圧下ロール群による軽圧下では、鋳
片長手方向に対して点状にしか圧下できないので、凝固
収縮やバルジングを十分に防止することができない。ま
た、各圧下が集中荷重として働くので凝固界面に内部割
れが発生し易く、圧下量を大きくとれない欠点がある。
【0007】鋳片の凝固完了点近傍を平面上の金型で連
続的に鍛圧加工する方法では、設備コストが非常に高く
なるという欠点がある。これを解消する方法として、特
開昭61−42460号公報の連続鋳造方法が提案され
ている。
【0008】上記特開昭61−42460号公報の方法
は、凝固完了点の上流側に設置した電磁撹拌装置あるい
は超音波印加装置を用いて溶鋼流動によりデンドライト
を切断し、凝固完了点付近に等軸晶域が形成されるよう
にした上で、凝固完了点直前に配置した圧下ロール対に
より3mm以上の大圧下を与えて強制的に凝固完了点を
形成し、内部割れを発生させることなく中心偏析を解消
するようにしたものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の中心偏析改善方法は、ロール圧下または金型圧下
のいずれの手段を採用しても、鋳片の幅方向の凝固不均
一がある場合、鋳片幅方向で均一な圧下ができないた
め、凝固が遅れた鋳片幅方向両端部で中心偏析が悪化す
るという欠点を有している。図4により、この問題を詳
述する。
【0010】図4は、鋳型内への溶鋼の供給箇所が1箇
所であり、かつ溶鋼流動の方向制御装置を設けない従来
の湾曲型連続鋳造装置における凝固の進行状況を説明す
る図である。図4(a) は鋳型およびその周辺部の要部の
縦断面図、図4(b) は浸漬ノズル、鋳片およびその凝固
の進行を示す斜視図、図4(c) は図4(b) に示す〔C〕
位置での鋳片の横断面図、図4(d) は鋳片の凝固が完了
した後の鋳片の横断面図である。
【0011】図4において、1’−2は2孔浸漬ノズ
ル、1’aは溶鋼吐出孔、2は鋳型、5は溶鋼、6’は
鋳片、Wは鋳型幅、Aは中心偏析、Bは未凝固領域(残
溶鋼部)、SHは凝固シェル、CE’は凝固完了点、F
odは溶鋼下降流、Fouは鋳片6’の中心を上昇する
溶鋼上昇流、Foは大きな溶鋼循環下降流である。
【0012】図4(b) において、矢印をつけた波状の線
は、鋳片6’の該当部における厚み方向中央部での凝固
速度分布を示すものである。
【0013】溶鋼5の凝固は、鋳片6’の幅方向に冷却
が均一であっても、図4(b) に示すような残溶鋼の流動
が上昇流(Fou)となっている幅方向中央部では速
く、下降流(Fod)となっている幅方向端部では遅
く、幅方向で不均一に進行する。
【0014】このように鋳片6’の幅方向に凝固不均一
があるとき、図4(c) に示すように、幅中心部(1/4
幅〜3/4幅)に比較して幅端部(1/4幅〜エッジ
側、3/4幅〜エッジ側)において凝固の進行が遅い場
合、鋳片6’の幅方向で均一な圧下ができないため、凝
固が遅れた鋳片幅方向の両端部で図4(d) に示す中心偏
析Aが悪化する。
【0015】この鋳片6’の幅方向の凝固不均一は、図
4(a) に示す従来の方法において、通常、二つの溶鋼吐
出孔1’aを鋳片6’の幅方向の外側に向けて若干下向
きに形成した2孔浸漬ノズル1’−2を使用しているた
めに生ずる。すなわち、この2孔浸漬ノズル1’−2か
ら鋳型2内に溶鋼5を吐出すると、鋳片6’の短辺に沿
って下降する下降流Fod(図4(b))と鋳片6’の中心
を上昇する上昇流Fou(図4(b))からなる大きな循環
下降流Fo(図4(a))が未凝固領域B内に形成され、こ
の循環下降流Foにより鋳片6’内の均一な冷却が不可
能になることによる。
【0016】これにより、未凝固領域Bの最終凝固部に
おける凝固シェルSHの厚さが、図4(c) に示すように
鋳片6’の幅方向の中央部では厚く、両端部では薄くな
る。
【0017】このため、凝固完了点CE’の形状が、図
4(b) に示すように鋳片6’の幅方向の中央部で鋳込上
流側に凹み、両端部で鋳込下降流側に突出して不均一と
なる。
【0018】この状態で、鋳片6’が未凝固圧下を受け
ると、鋳片6’の幅方向両端部で凝固収縮に見合った圧
下量が得られず、この両端部に濃化溶鋼が流入、集積し
て、図4(d) に示す中心偏析Aが生ずることになるので
ある。
【0019】特開平5−185186号公報には、この
ような鋳片幅方向の凝固不均一を解消して中心偏析を改
善する方法が提案されている。これを図5により説明す
る。
【0020】図5は鋳片および鋳型の横断面図である。
図示するように、鋳型2の長辺2aの鋳片6’の幅方向
中央部に長辺2aの長さの50〜80%の範囲にわた
り、深さ1.0〜5.0mmの凹部2bを形成し、鋳片
6’の幅方向中央部に形成された凸部により、鋳片6’
の幅方向にわたって均等な残溶鋼部Bの厚みを確保する
ものである。
【0021】しかし、この方法で十分な効果を得るため
には、鋳片凸部を3mm以上に設定することが必要であ
るため、鋳片のパスラインの設定が困難となり、また段
差部での鋳片バルジングにより鋳片の内部割れが誘発さ
れやすい。
【0022】その他の中心偏析改善方法として、電磁撹
拌を特定範囲で加える方法(特開昭63−157749
号公報)や超音波振動を鋳片に印加する方法(特開平1
−113157号公報)があるが、いずれも鋳片幅方向
に凝固不均一がある場合には根本的な解決には至らなか
った。
【0023】本発明は、上述のような問題点を解決すべ
くなされたものである。本発明の目的は、溶融金属の流
動(方向および流速)、特に鋳片両短辺に沿う下降流に
起因する鋳片幅方向の凝固不均一を解消し、最適な未凝
固領域、すなわちクレータエンド形状を形成させること
により、中心偏析のない鋳片を得ることができる連続鋳
造方法を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、次の連
続鋳造方法にある。
【0025】溶鋼を鋳型内に供給する浸漬ノズルを鋳型
幅方向に2本以上配置し、鋳型内に供給した溶鋼を冷却
しつつ引き抜いて鋳片を連続的に製造する方法であっ
て、鋳型幅方向の両端側に位置するそれぞれの浸漬ノズ
ルの吐出孔は鋳型幅方向で内側を向くように配置し、か
つ、上記両端側の浸漬ノズル以外の浸漬ノズルの吐出孔
は鋳型幅方向で鋳型の内側および外側を向くように配置
して溶鋼を注入し、各吐出流が衝突した後に形成される
下降流に対して、電磁気力により制動力または駆動力を
作用させつつ鋳造し、さらに鋳片の未凝固領域を連続的
に圧下することを特徴とする連続鋳造方法。
【0026】溶鋼の鋳型内への供給箇所の望ましい上限
は10箇所程度である。
【0027】この発明は、鋳片の中心に見られる微量元
素の偏析を防止して均質な製品を得るために、溶鋼の鋳
型内への供給箇所を鋳片幅方向に2箇所以上設け、電磁
気力を用いて溶鋼流動(方向および流速)を制御するこ
とにより、凝固完了点の形状を適切にするとともに、鋳
片の未凝固領域における凝固シェル厚みを鋳片幅方向に
均一化しつつ、この未凝固領域を連続的に圧下するもの
である。
【0028】
【発明の実施の形態】図1に基づいて、本発明方法を実
施するための装置の構成例を説明する。
【0029】図1は、本発明方法を実施する湾曲型連続
鋳造装置の構成例を示す図である。
【0030】図1(a) は側面方向の縦断面概略図、図1
(b) は鋳型周辺部のみの正面方向の縦断面概略図であ
る。この例では図示するように、二つの溶鋼供給箇所
(2本の浸漬ノズル1)、鋳型2、鋳型2内の溶鋼5の
メニスカス近傍の電磁ブレーキ3、鋳型2直下の電磁ブ
レーキ4、サポートロール群7、圧下ロール群8および
ピンチロール9を備えている。電磁ブレーキ3および4
は、2本の浸漬ノズル1から鋳型2内に供給された溶鋼
5の流動の方向および流速を制御するために設ける装置
である。
【0031】この装置では、溶鋼5が浸漬ノズル1によ
り鋳型内に供給され、鋳型2内の一次冷却により凝固シ
ェルSHが形成される。鋳片6は続くサポートロール群
7でのスプレー水等による二次冷却により凝固が促進さ
れ、圧下ロール群8の範囲内で完全凝固し、ピンチロー
ル9で引き出される。
【0032】このとき、凝固末期において未凝固領域B
を持つ鋳片6を圧下ロール群8で圧下し、その凝固収縮
量に応じた圧下を加えことにより、濃化溶鋼の流入およ
び集積を阻止し、中心偏析を防止する。
【0033】以下、図2および図3により本発明方法を
詳細に説明する。
【0034】図2は、図1に示す連続鋳造装置の場合に
おける凝固の進行状況を説明する図である。図2(a) は
鋳型およびその周辺部の要部の縦断面図、図2(b) は浸
漬ノズル、鋳片およびその凝固の進行を示す斜視図、図
2(c) は図2(b) に示す〔C〕位置での鋳片の横断面図
である。
【0035】図2(a) に示すように、浸漬ノズル1を2
本使用する場合には、それぞれ1つの溶鋼吐出孔1aを
有する片孔浸漬ノズル1−1とすると共に、各吐出孔1
aが内側に向いて対向するように配設する。符号3およ
び4は、図1に示す電磁ブレーキである。
【0036】図2(a) および図2(b) において、f1 は
鋳片6の幅方向端部(短辺近傍)での溶鋼上昇流、F1
は鋳片6の幅方向中央部での比較的強い下降流、f3 は
下降流F1 とは反対のメニスカスに向かう上昇流、V1
は鋳片6の幅方向中央部の凝固が鋳込方向(下流)に向
かって凸状に進む速度分布を意味する。
【0037】本発明方法では図2(a) に示すように、供
給時の溶鋼5の流動パターンは、鋳片6の幅方向中央部
で比較的強い下降流F1、短辺近傍で上昇流f1とな
り、鋳片6の幅方向中央部の凝固が鋳込方向(下流)に
向かって凸状に進む速度分布V1を得ることができるよ
うに鋳造する。
【0038】すなわち、鋳片6の幅方向中央部での比較
的強い下降流F1 の作用によって、図2(b) に示すよう
に、幅方向中央部で下流側に向かって1つの凸状を有す
る凝固完了点CEが形成され、図4(b) に示すような、
鋳片幅方向の中央部で鋳込上流側に凹み、両端部で鋳込
下流側に突出して不均一となるような凝固完了点CE’
が形成されないように鋳造するのである。
【0039】図2(c) は、上記の効果により、鋳片6の
最終凝固部において凝固シェルSHの厚さが鋳片幅方向
中央部で薄く、両端部で厚くなる状況を示す鋳片6の横
断面図である。
【0040】本発明方法では、いろいろな鋳込条件下で
も、上記のような鋳込状況を効果的に達成するために電
磁気力を用いる。
【0041】すなわち、スループット(スループット=
鋳型幅×鋳型厚み×鋳込速度)が大きくなると、浸漬ノ
ズル1からの吐出流速が大きくなり、各吐出流が衝突し
た後に形成される下降流F1 が大きくなりすぎ、鋳片幅
方向の中央部で鋳込下流側に極端に突出して不均一とな
るような凝固完了点が形成されてしまう。また、図2
(b) に示す鋳造状況の場合、下降流F1 が凝固シェルS
Hの下(地)側に衝突し、凝固シェルSHの再溶解によ
りブレークアウト等のトラブルも生じる。
【0042】上記の問題を解決するために下降流F1 に
電磁気力を作用させ、下降流F1 が或る値以上の流速に
ならないよう制御する。望ましいF1 の流速範囲は鋳造
速度の0.3〜2.5倍程度である。
【0043】直流磁場による電磁ブレーキを利用する場
合、静磁場と下降流F1 との相互作用により渦電流が誘
起され、この誘起された渦電流と印加磁場との相互作用
により、下降流F1 と反対向きにローレンツ力が作用
し、下降流F1 に制動力を与えることになる。
【0044】交流による移動磁場を電磁ブレーキとして
利用する場合、移動磁場の方向に電磁力が働き、下降流
F1 に対し駆動と制動とを選択できる。
【0045】このように下降流F1 の流速を電磁気力に
よって制御することにより、図2(c) に示すように、未
凝固領域Bの最終凝固部における凝固シェルSHの厚さ
が鋳片6の幅方向中央部で薄く、両端部で厚くなり、未
凝固領域Bの横断面形状は最適な紡錘型となる。
【0046】また、下降流F1 とは反対のメニスカスに
向かう上昇流f3(図2(a) .図2(b) 参照)が大きくな
ると、上昇流f3 起因の局所的な凝固遅れによる縦割れ
の発生または湯面変動によるパウダーの巻き込み等の操
業トラブルが発生する。これらの操業トラブルを防止す
るため、メニスカス近傍にも電磁気力を作用させること
も重要である。
【0047】電磁気力を作用させる最適位置は、浸漬ノ
ズルの本数、浸漬深さ、吐出孔形状および吐出角度等に
より、メニスカスから凝固が完了する凝固完了点までの
所定位置に決められる。
【0048】次に、本発明方法において、浸漬ノズルを
3本以上使用する場合の例を説明する。
【0049】図3は浸漬ノズルを5本使用する場合の凝
固の進行状況を説明する図である。
【0050】図3(a) は鋳型およびその周辺部の要部の
縦断面図、図3(b) は浸漬ノズル、鋳片およびその凝固
の進行を示す斜視図である。このように浸漬ノズルを3
本以上使用する場合、鋳片6の幅方向両端部の2本のみ
を片孔浸漬ノズル1−1とし、その各吐出孔1aは内側
に向けて配設する。一方、中間部の他の浸漬ノズルは通
常の2孔浸漬ノズル1’−2とし、吐出孔1’aの方向
は鋳型2の幅方向と一致させるように配設する。
【0051】図3において、f2 は鋳片6の幅方向端部
での溶鋼上昇流、F2 は鋳片6の幅方向中央部で比較的
均一化された下降流、V2 は鋳片6の幅方向中央部の凝
固が鋳込方向に向かって滑らかな凸状で進む速度分布を
意味する。
【0052】図3(a) に示すように、この場合の溶鋼流
動パターンでは、複数の対向する吐出孔1aおよび1′
aからの吐出流が衝突し、図2の場合よりも流速が減速
され、下降流F2 は鋳片幅方向に比較的均一化された下
降流となり、鋳片6の幅方向中央部の凝固が下流に向か
って滑らかな凸状で進む速度分布V2 が得られる。鋳片
6の幅方向中央部での比較的均一化された下降流F2 の
作用によって、図3(b) に示すように、鋳片幅方向中央
部で下降流に向かって滑らかな凸状の凝固完了点CEが
形成される。したがってこの場合も同様に、図4(b) に
示すような、鋳片幅方向の中央部で鋳込上流側に凹み、
両端部で鋳込下流側に突出して不均一となるような凝固
完了点CE’は形成されない。
【0053】溶鋼の鋳型内への供給箇所、すなわち浸漬
ノズルを複数とする場合の望ましい上限は10箇所程度
である。
【0054】電磁気力利用の理由は前述と同じである
が、使用する浸漬ノズルの本数が多ければ下降流F2 は
より均一化されるため、必要な電磁気力は小さくなる。
この理由で電磁場発生装置は比較的小設備となるため、
作業性向上や製造コスト低下が図れる。
【0055】本発明方法では、前記の図1のような構成
からなる装置であれば、湾曲型連続鋳造装置だけでな
く、垂直型に適用しても上記と同じ効果を得ることがで
きる。
【0056】さらに本発明方法では、次の条件を満たす
ことが望ましい。
【0057】〔浸漬ノズル〕 本体内径:30〜150 mmφ 吐出孔形状:2孔および片孔の場合 20〜150mm ×20〜150 mm角 吐出角:2孔および片孔の場合 下向き15°〜上向き15° ノズル間距離: 100〜2000mm 〔電磁ブレーキ〕 メニスカス近傍:範囲 50mm×200mm〜300mm ×3000mm 磁場強度 0.15〜0.50Tesla 鋳型直下:範囲 50mm×200mm〜300mm ×3000mm 磁場強度 0.15〜1.0Tesla 〔鋳型〕 鋳型幅: 400〜3000mm 鋳型厚み:90〜350mm 〔鋳造速度〕 0.4〜3.0 m/min 〔未凝固圧下〕 圧下ゾーン長さ: 1.0〜10m 圧下勾配: 0.2〜30mm/m
【0058】
【実施例】図1および図2のように浸漬ノズルを2本と
した方法ならびに図1に示す装置において図3のように
浸漬ノズルを5本とした方法を用いて、厚板用の炭素鋼
鋳片を鋳造した。
【0059】上記試験の具体的鋳造条件を次に示す。
【0060】(1)装置仕様、鋳造条件 連続鋳造機:湾曲型連鋳機(湾曲半径:12.5 m) 鋳片サイズ:厚み250 mm×幅2000mm 鋼種:〔C〕=0.15〜0.20% 厚板用40キロ鋼 溶鋼過熱度:20℃ 鋳造速度: 1.0 m/min 凝固末期未凝固圧下:圧下ゾーン長5m 圧下勾配 1.0mm/m (2)溶鋼供給系の仕様 (イ)本発明例1(図2(a) に示す構造の場合) ノズル本体内径:85mmφ 吐出孔形状:80×80mm角 吐出角:下向き5゜ ノズル間距離:1500mm (ロ)本発明例2(図3(a) に示す構造の場合) ノズル本体内径:85mmφ 吐出孔形状:80×80mm角 吐出角:下向き5゜ ノズル間距離:400mm (3)電磁ブレーキの仕様 (イ)本発明例1(図2(a) に示す構造の場合) メニスカス近傍:範囲 200mm×2300mm 磁場強度 0.3Tesla 鋳型直下:範囲 500mm×2300mm 磁場強度 0.4Tesla (ロ)本発明例2(図3(a) に示す構造の場合) メニスカス近傍:範囲 200mm×2300mm 磁場強度 0.15Tesla 鋳型直下:範囲 500mm×2300mm 磁場強度 0.25Tesla 比較例として、下記構造の従来の2孔浸漬ノズル1本に
よる連続鋳造を行い、この場合も圧下ロール群により、
本発明例と同じ条件で凝固末期の未凝固軽圧下を行っ
た。
【0061】ノズル本体内径:85mmφ 吐出孔形状:80×80mm角 評価は、得られたスラブを鋳込方向に直角な断面で切断
し、厚み方向中心部より試験片を採取し、このサンプル
の表面を200μmメッシュの粗さに分け、おのおのの
メッシュの中での〔P〕の平均濃度Pを調べ、母溶鋼の
〔P〕濃度P0と比較し、偏析度分布を調査した。表1
にこの結果を示す。
【0062】
【表1】
【0063】本発明例では、鋳型内へ供給された溶鋼流
動を制御することにより鋳片の凝固完了点形状を改善
し、鋳片の未凝固領域における圧下を効果的に行い、表
1から明らかなように、比較例と比べて鋳片エッジに近
い部分の中心偏析が大幅に改善され、幅方向に均一な組
成の鋳片を製造することができた。
【0064】
【発明の効果】本発明方法によれば、鋳片の未凝固領域
における鋳片幅方向中央部に適正な下降流を形成するこ
とにより、鋳片の凝固完了点形状を制御して最適に改善
し、鋳片の未凝固領域における圧下を効果的に行うこと
ができる。この結果、鋳片幅方向全域において均一組成
で、かつ中心偏析のない鋳片の製造が達成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための湾曲型連続鋳造装
置の構成例を示す図である。(a) は側面方向の縦断面概
略図、(b) は鋳型周辺部のみの正面方向の縦断面概略図
である。
【図2】図1に示す連続鋳造装置の場合における凝固の
進行状況を説明する図である。(a) は鋳型およびその周
辺部の要部の縦断面図、(b) は浸漬ノズル、鋳片および
その凝固の進行を示す斜視図、(c) は(b) に示す〔C〕
位置での鋳片の横断面図である。
【図3】浸漬ノズルを5本使用する場合の凝固の進行状
況を説明する図である。(a) は鋳型およびその周辺部の
要部の縦断面図、(b) は浸漬ノズル、鋳片およびその凝
固の進行を示す斜視図である。
【図4】従来の湾曲型連続鋳造装置における凝固の進行
状況を説明する図である。(a)は鋳型およびその周辺部
の要部の縦断面図、(b) は浸漬ノズル、鋳片およびその
凝固の進行を示す斜視図、(c) は(b) に示す〔C〕位置
での鋳片の横断面図、(d) は鋳片の凝固が完了した後の
鋳片の横断面図である。
【図5】鋳片幅方向の凝固不均一を解消する従来方法を
示す鋳片および鋳型の横断面図である。
【符号の説明】
1:浸漬ノズル、1−1:片孔浸漬ノズル、1’−2:
2孔浸漬ノズル、1a,1’a :溶鋼吐出孔、2:鋳
型、 2a:鋳型長辺、 2b:凹部、3:メニスカス
近傍に設置した電磁ブレーキ、4:鋳型直下に設置した
電磁ブレーキ、5:溶鋼、 6,6’:鋳片、7:サポ
ートロール群、 8:圧下ロール群、9:ピンチロー
ル、 A:中心偏析、B:未凝固領域(残溶鋼
部)、CE,CE’:凝固完了点、SH:凝固シェル、
W:鋳型幅、f1 ,f2 ,f3 ,Fou:溶鋼上
昇流、F1 ,F2 ,Fod:溶鋼下降流、Fo:溶鋼循
環下降流、V1 ,V2 :凝固速度分布
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/11 B22D 11/04 B22D 11/103 B22D 11/128

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶鋼を鋳型内に供給する浸漬ノズルを鋳型
    幅方向に2本以上配置し、鋳型内に供給した溶鋼を冷却
    しつつ引き抜いて鋳片を連続的に製造する方法であっ
    て、鋳型幅方向の両端側に位置するそれぞれの浸漬ノズ
    ルの吐出孔は鋳型幅方向で内側を向くように配置し、か
    つ、上記両端側の浸漬ノズル以外の浸漬ノズルの吐出孔
    は鋳型幅方向で鋳型の内側および外側を向くように配置
    して溶鋼を注入し、各吐出流が衝突した後に形成される
    下降流に対して、電磁気力により制動力または駆動力を
    作用させつつ鋳造し、さらに鋳片の未凝固領域を連続的
    に圧下することを特徴とする連続鋳造方法。
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