JP3075953B2 - 耐パンチング性及び耐プレッシャーマーク性に優れたガードフィルムフリー型プレコート鋼板 - Google Patents

耐パンチング性及び耐プレッシャーマーク性に優れたガードフィルムフリー型プレコート鋼板

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特にオーディオ製品や
クッキング製品等の家電製品に要求される鮮映性の高い
プレコート鋼板のガードフィルムフリー化およびパンチ
ング機械加工における耐孔開け性(耐パンチング性)を
両立付与したプレコート鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、家電や自動車分野における塗装鋼
板の低コスト化ニーズは高く、ポストコートのプレコー
ト化が一段と進む中、連続パンチング加工による耐孔開
け性(以下、単に耐パンチング性という。)及び耐プレ
ッシャーマーク性を両立したガードフィルムフリー型プ
レコート鋼板の市場要求が高まりつつある。特にオーデ
ィオやクッキング製品の外板に多用される高機能性が要
求されるプレコート鋼板(以下、単にプレコートとい
う。)にあっては、需要家での製品成形過程において生
ずる表側トップ塗装外観の取扱い疵の防止にあたり、プ
レコートの製造側としては、該塗装面側に膜厚が数10
〜数100μm程度のガードフィルムを別途貼付して市
場提供しているためコスト高になっており、他方このフ
ィルムの後処置として行うゴミ焼却等から広い意味での
地球環境的視野においてもプレコートのフィルムノンガ
ード化の要請が一段と高まりつつあるのが現状である。
【0003】またこの情勢にあって需要家での最終商品
段階では、このフィルム剥ぎ作業の省力化を含めたプレ
コートの低コスト化要求が強く、今後市場対応が必要な
プレコートについては、このフィルムのノンガード化が
要求されていくことは不可避な情勢にあると言っても過
言でない。ところが、製造側でのこの要求を満たすため
の製品製造技術としては、このガードフィルムフリー型
プレコートを高生産性のライン下で製造する必要がある
が、切り板製品になるまでの間はコイル製品として一旦
床置され在庫されることが多く、問題はこの期間でのコ
イル自重による塗装面への圧痕転写疵(プレッシャーマ
ーク)を解決する必要があり、改善課題としてコイル製
品の床置方法を含めてプレコート塗膜の課せられる。
【0004】同様な耐PM性の付与についてはプレコー
ト製造側の一次製品以外にもあって、需要家での最終加
工製品の輸送時の梱包材による製品外観維持は必須条件
であり、そのための耐PM性の付与要求は根強いものが
ある。ガードフィルムフリーではコイル単重によっては
床との接触部分の塗膜に板巾方向に線状又は帯状の圧痕
マークが少なからず発生し、これがコイル長手方向に一
定ピッチで発生し生産性の大幅低下を招くため、この点
での塗膜の耐圧痕疵対策(以下、単に耐PM性とい
う。)が最大の解決課題である。
【0005】又、さらにはこの耐PM性を付与したプレ
コートにあっては他の塗膜性能に支障なく機械加工によ
る連続孔明性(耐パンチング性)が基本的にクリアーす
ることが要求され、塗膜への耐パンチング性と耐PM性
の両立付与が必須である。この耐パンチング性とは、塗
膜との擦過によるパンチング用金型の耐損耗性とこれに
伴って生じる鋼板の孔部周辺へのバリ発生、或は粉末化
した剥離塗膜が金型に圧着されてこれが塗装面への押疵
を発生するため、塗膜密着性を含めてこれらを両立する
ことが重要な課題である。こうした意味では、従来技術
で耐パンチング性および耐PM性を両立付与したプレコ
ート鋼板或いはその製造方法において開示された技術は
殆ど見当たらないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来技術
にあって、本願発明は塗膜密着性を含めた耐パンチング
性と耐PM性を両立付与したガードフィルムフリー型の
プレコートを安価で市場提供しようとするものであり、
生産者から需要家での最終商品化に至るまで一貫してパ
ンチング性を含めた加工取り扱い傷が発生しないプレコ
ートでなければならないし、そのためには以下のような
塗装下地処理及び塗膜改質にあたっての技術課題が挙げ
られる。下地原板側として、下地クロメート皮膜の素
地原板に対する密着性の向上および塗膜密着性の向上
(耐パンチング性の付与)が必要である。一方塗膜側で
は加工製品の保管及び輸送環境に即応した塗膜への耐
弾力性及び耐圧強度の付与(耐PM性の付与)、金型
寿命を低下させる恐れのある塗膜中骨材の軟質化(耐P
M性の付与)、他の塗膜性能を犠牲にしない等、これ
らを全ての塗膜性能を満足するプレコートでなければな
らない。
【0007】すなわち、基本的に下地クロメート皮膜の
素地密着性を上げて、かつ適度に硬くて弾力性に富んだ
塗膜の設計が要求される。そのためには、先ず下地めっ
き原板の表面に形成する下地クロメート皮膜の密着性を
上げて剥離塗膜のパンチング金型への付着を抑制する必
要があり、そのためにはクロメート皮膜の前処理として
特定金属でなるフラッシュめっき皮膜が効果的であるこ
と、かつ塗膜のガラス転移点(以下、単にTgとい
う。)を特定範囲に制御し、且つ耐衝撃性を高めて弾力
性に富む形の塗膜設計が耐パンチング性向上の上で基本
的に必要であるが、そのためには塗膜中の骨材の硬さ制
御が必要で、本願発明にあってはバインダーの主樹脂と
殆ど溶解または反応しない樹脂タイプの有機骨材の適用
が必須で、従来技術で多用される結晶化度の高い無機系
骨材(シリカ粒)などは硬いため、塗膜からの系外排除
が前提となる。また安定した表側トップ塗膜の耐PM性
を得るためには、特に裏面塗膜の表面状態、例えば裏面
塗膜の外観光沢をトップ塗膜の光沢度以下に制御するこ
とが必要である、などの知見に基づき本願発明を提案す
るに至ったものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上のような従来技術の
欠点を解消し又、最近の市場ニーズであるプリペイント
鋼板の低コスト化に対応した商品として本願発明は次の
ような技術思想に基き、意匠性の高いトップ塗膜の耐パ
ンチング性と耐PM性を両立付与した鮮映性黒色プレコ
ートの塗膜設計について適性化を図ったものである。 原板として、めっき表面粗さを特定する(塗膜外観の
鮮映化)。 下地クロメート皮膜の素地に対する密着性向上には、
クロメート皮膜の組成及び付着量の適性化が必要のほ
か、特にクロメート皮膜の下層に特定の金属皮膜が必要
である(パンチング時の塗膜剥離防止)。 トップ塗膜への弾力性付与による耐パンチング性の付
与 有機系樹脂骨材の粒径および配合量の適正化 トップ塗膜への耐PM性の付与 樹脂Tg、バインダー樹脂の分子量および配合量の適正
化 裏面塗膜の光沢制御によるトップ塗膜の耐PM性の安
定性化
【0009】以下、本願発明鋼板の皮膜構成について先
ず説明する。本願発明鋼板の皮膜構成の概要について
は、先ずめっき原板の表面に表裏とも成分を特定したク
ロム組成物を特定量塗布形成する。次にその上層に塗膜
を形成するが、表側(トップ塗膜)は適宜なプライマー
塗膜とその上層にトップ塗膜として成分構成を特定して
なる耐パンチング性と耐PM性を両立付与した2C2B
の塗膜でなる。またその裏面については表面光沢度を特
定した1C1Bの塗膜でなる。
【0010】以下、これらの皮膜構成の詳細について詳
述する。本願発明の塗装鋼板とするには、まず基板とし
てめっき原板が必要であるが、表面状態として室内在庫
1年程度の在庫中の多少のめっき錆は問題なく使用可能
であり、本願発明の適用によって、発錆していない原板
と遜色のない効果が得られる利点があることを付言して
おく。なお本願発明に適用される原板としては、亜鉛系
めっき鋼板としては公知のめっき方法によって得られる
何れであってもよく、例えば電気めっき系では、Znめ
っき、合金元素がNi,Cr,Feの何れか1種以上か
らなるZn系合金めっき鋼板が用いられてよい。また、
電気分散めっき系においては、Zn−Ni,Zn−Fe
をベースにSiO2,TiO2,ZrO2,BaCrO4
の金属酸化物を均一分散析出させてなるZn系分散合金
めっき鋼板が用いられてよい。さらに、溶融めっき系に
おいて溶融亜鉛めっき鋼板、Zn−Al系合金めっき鋼
板及びそれらの熱拡散による合金化処理した亜鉛めっき
鋼板が適用されてよい。
【0011】次に、該めっき原板の表面にNi,Co,
Fe,Zr,Sb,V,Mo,Wの少なくとも一種以上
からなる金属皮膜が3〜50mg/m2形成され、その上層
に総Cr量比でCr3+が10〜50%、一次平均粒径3
〜50mμの気相シリカが総Cr量比で0.5〜2.0
でなるクロメート組成物が総Cr付着量として10〜1
50mg/m2形成してなることを特徴とする。またその上
層に一定のプライマー塗膜を設けたのち、最上層に塗膜
のガラス転移点(Tg)が5〜70℃、平均分子量が1
5000〜50000のメラミン硬化型高分子ポリエス
テル樹脂が固形分重量比で30〜90%、この樹脂に殆
ど融合しない一次平均粒径2〜50μmの有機樹脂粒子
が骨材として固形分重量比で1〜50%及び滑剤として
融点が80〜130℃のポリエチレンワックスが固形分
重量比で1〜5%含有してなることを特徴としたトップ
塗膜が形成してなることを特徴とした耐パンチング性及
び耐PM性に優れたガードフィルムフリー型のプレコー
ト鋼板である。さらには、裏面塗膜の表面光沢度が少な
くとも表側トップ塗膜の50〜100%に制御してなる
ことを特徴とする耐パンチング性及び耐PM性に優れた
ガードフィルムフリー型のプレコート鋼板である。
【0012】その骨子は次の通り。 耐パンチング性の安定維持にあたってパンチ孔エッヂ
周辺部の塗膜密着性を上げるために下地クロメート皮膜
の素地に対する密着性を向上させる必要があり、その機
能としてクロメート皮膜の下層に特定の金属皮膜を設け
た点。 塗膜の耐PM性の付与にあたっては樹脂のTgと分子
量を特定範囲に設け、これによって塗膜に適宜な硬さと
弾力性を付与した点。 金型摩耗を抑制して耐パンチング性を向上するにあた
り、塗膜骨材として平均粒径を特定した有機樹脂粒子を
適用した点。 裏面塗膜の表面光沢度を少なくとも表側トップ塗膜と
同等以下に制御することによって、トップ塗膜の耐PM
性を安定して得る点。 尚、本願発明のトップ塗膜設計にあっては、必要に応じ
た塗膜の着色化は特段黒色にこだわることはなく自由に
行われてよく、またメタリック化および外観光沢等、ト
ップ塗膜としての意匠性の付与についても特段制限され
るものではないことを付言しておく。
【0013】
【作用】以下に本願発明鋼板の皮膜構成因子に対する作
用限界について述べる。 (1)クロメート皮膜下層の金属皮膜 本願発明でいう金属の作用は、クロメート皮膜の下層に
あってクロメート皮膜の素地に対する密着性向上及びク
ロメート皮膜の上層塗膜との密着性向上にある。特に、
このクロメート皮膜の素地に対する密着性の向上はプリ
ペイント鋼板としての連続パンチング作業時の塗膜剥離
を抑制し、耐パンチング性を飛躍的に向上させる上で必
須の皮膜である。この機能を発揮する金属系としては、
Ni,Co,Fe,Zr,Sb,V,Mo,Wの少なく
とも一種以上からなり、皮膜の適性付着量として3〜5
0mg/m2形成されればよい。なお本願発明にあって該金
属皮膜を得る手段としては公知技術の範疇でよく、化学
めっきや電気めっきといった手法が用いられてよい。
【0014】また該金属皮膜の作用効果については、E
SCAによるクロメート皮膜の状態分析及び水に対する
クロメート皮膜の溶出性から以下のように類推される。
すなわち、該金属皮膜は下地原板と金属同志で結合する
こと、また該金属皮膜が存在することによってクロメー
ト皮膜は難溶化すること及びクロメート皮膜中のCr6+
分が減少してCr3+分が増す事実があり、これは該金属
皮膜とその上層でウエット状態にあるクロメート皮膜と
の間で何等かのCr還元反応が生じていることを裏付け
るもので、その還元反応を引き起す源としては該金属皮
膜がカソードとなって素地めっき層のアノード溶解が起
り、その際発する電子の授受によってCr6+が還元さ
れ、Cr3+形態を増す形のクロメート皮膜に形態変化し
たものと推定される。
【0015】つまり、クロメート皮膜中のCr3+の比率
が増すことは、それ自身がゲル状の難溶性皮膜となって
金属や有機物との親和性が高まることを意味しており、
これがクロメート皮膜自身の該金属皮膜を介しての素地
との密着性を高めることになったと考えられ、と同時に
上層塗膜との密着性の向上をももたらしたと推定され
る。以上の点から、該金属皮膜の適性付着量としては3
〜50mg/m2がよく、好ましくは5〜30mg/m2がよ
い。3mg/m2未満では上記主旨の効果はあまり発揮でき
ないし、又50mg/m2超では耐食性の低下があって、プ
リペイント鋼板としての商品価値及びコストの問題もあ
って得策でない。
【0016】(2)クロメート皮膜 本願発明のクロメート組成物は、総Cr量比でCr3+
10〜50%、一次平均粒径3〜50mμの気相シリカ
が総Cr量比で0.5〜2.0でなるクロメート組成物
が総Cr付着量として10〜150mg/m2形成される。 組成物として、Cr3+量が総Cr量比で10%未満で
は、プリペイント鋼板として十分な塗膜密着性が得られ
ず、安定した耐パンチング性を得ることは難しい。また
50%超にあってはクロメート皮膜の凝集破壊を招きや
すくなって安定して高位の塗膜密着性が得られず、優れ
た耐パンチング性が得られないこと及び処理浴のゲル化
からロール塗布による鋼板への均一塗布性に支障が生
じ、又、付着量の制御が難しくなるなど、塗膜性能及び
生産の安定性からいってもあまり得策でない。従って、
適性Cr3+量としては総Cr量比で10〜50%であっ
て、好ましくは30〜40%がよい。
【0017】気相シリカを用いる目的は、主として塗
膜密着性の向上及び裏面塗膜の掻き傷防止にある。該シ
リカはクロメート液中で二次凝集して数百mμ〜μオー
ダーに粒成長する特性があり、この粒成長がある一定範
囲に収まるように制御することが必要で、これがクロメ
ート皮膜として塗膜のアンカー効果を発揮せしめるもの
である。この機能を十分発揮させるには該シリカの平均
一次粒径は3〜50mμがよく、好ましくは10〜30
mμがよい。また同様の主旨から該シリカの配合比も重
要な制御要素であり、本願発明にあっては総Cr量比で
0.5〜2.0がよく、中でも0.7〜1.5が好まし
い。
【0018】このようにしてなる該クロメート組成物
の本願発明におけるクロメート皮膜としての適性付着量
の範囲は総Cr付着量として10〜150mg/m2形成さ
れてよく、好ましくは30〜90mg/m2がよい。総Cr
付着量が10mg/m2未満では耐食性や塗膜密着性といっ
た塗膜性能が十分満足されず、プリペイント鋼板として
の商品価値は期待できない。また150mg/m2超では加
工応力の集中から加工部に塗膜剥離が生じやすくなり、
耐パンチング性の低下があってコスト面からもあまり得
策でない。
【0019】(3)トップ塗膜 バインダー用の主樹脂の高分子ポリエステル樹脂の適
性分子量 本願発明にあってトップ塗膜に耐PM性を付与するにあ
たっては、先ず塗膜を適宜に硬くして加圧力に耐えるよ
うにすることが前提で、そのためにはバインダー樹脂の
高分子ポリエステル樹脂の分子量範囲を特定する必要が
ある。該樹脂の分子量が15000未満にあっては、架
橋密度が上がり過ぎて塗膜に加工割れが生じ易くなり、
またパンチングのような機械衝撃を受けると塗膜剥離が
発生し易くなる。一方、50000以上にあってはユズ
肌やワキの発生など塗装外観上の欠陥が生じ易くなり、
コストを含めてあまり得策でない。従って、本願発明に
あって該樹脂の分子量範囲としては15000〜500
00にあって、中でも20000〜30000が好まし
い。
【0020】高分子ポリエステル樹脂の適性配合比 本願発明にあって該バインダー樹脂の配合量は固形分重
量比として30〜90%がよい。30%未満では塗膜強
度が低下して塗膜の耐疵付性や加工性の低下があり、
又、均一な塗装外観も得られ難くなる。一方、90%を
超えては所望の塗膜外観(着色、光沢度)の制御が難し
くなり、また塗膜の伸び加工性の低下から塗膜が割れ易
くなり、外観を含めた塗膜性能の低下が大きくコストを
含めて余り得策でない。従って、該樹脂の適性配合量に
ついては30〜90%にあって、好ましくは40〜70
%がよい。
【0021】塗膜Tg(ガラス転移点) 本願発明の塗膜Tgはトップ塗膜の耐PM性をより安定
して得るためには特に制御すべき基本因子である。該T
gが5℃未満では耐PM性が十分でなく、又、70℃を
超えては塗膜の耐PM性は飽和状態にあるものの塗膜が
硬質化しやすく加工割れを起こして優れた耐パンチング
性は得られにくくなるし、またユズ肌やワキ等が生じ易
くなって少なくとも均一な塗装外観が得られにくくな
り、歩留りやコストを含めて得策でない。従って、塗膜
Tgは本願発明にあって5〜70℃がよく、中でも20
〜60℃が好ましい。
【0022】有機樹脂粒子骨材の適性粒径及び適性配
合量 本願発明にあって、該有機樹脂骨材は塗膜に適宜な硬さ
と弾力性を付与し、塗膜の耐パンチング性及び耐スリ疵
性付与のためにある。該樹脂骨材にあって、塗膜への弾
力性付与の観点からバインダー樹脂に不溶ないし難溶性
であって、かつ塗膜の外観光沢を十分安定して制御し得
る機能をもった樹脂粒子性状でなければならない。その
ためには、粒径と配合については十分な設計が必要であ
る。
【0023】まず該樹脂粒子骨材の平均粒径が2μm未
満にあっては、塗膜への弾力性が過剰に付与されるた
め、耐パンチング性は十分付与されるものの、塗膜は軟
質化し耐PM性や耐傷付性は逆にやや低下して不安定化
し、あまり好ましくない。また塗膜外観にあっては艶や
光沢の調整機能が低下し、コストを含めてあまり得策で
ない。一方、平均粒径が50μmを超えては突起の大き
い塗膜外観となり、就中塗膜光沢度の安定制御が難しく
なり、又、耐傷付性の低下もあって生産性を含めて余り
得策でない。従って、該有機樹脂粒子骨材の粒径範囲と
しては2〜50μmがよく、中でも3〜30μmが好ま
しい。
【0024】次に該樹脂粒子骨材の配合量については、
固形分重量比で1%未満では該骨材による塗膜への弾力
性が不足し、良好な耐PM性が維持されるものの耐パン
チング性の両立までは難しく、耐傷付性の低下や外観光
沢の制御が不安定化することもあって好ましくない。ま
た50%を超えては十分な耐PM性および耐パンチング
性の両立はできても塗膜外観の艶制御が難しくなり、あ
まり好ましくない。従って、該樹脂粒子骨材の配合量と
しては1〜50%がよく、好ましくは3〜20%がよ
い。尚、本願発明にあっては、該樹脂粒子骨材としてポ
リメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリアマイ
ド、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、アルキルシ
リコーン、メラミン−フォルムアルデヒド、ポリウレタ
ン及びポリ弗化ビニリデンが適用されてよく、その効果
に差異はない。
【0025】ポリエチレン滑剤の適性配合量 ポリエチレン滑剤は塗膜の耐スリ疵性やプレス加工にお
ける加工性の向上を主旨とする。該滑剤が固形分重量比
として、1%未満では上記塗膜性能の低下は避けられ
ず、又、剥離塗膜の圧着による押疵発生があって耐パン
チング性は十分でない。また5%を超えては塗膜焼付時
の水冷模様が目立ち、均一な塗装外観が得られ難い。従
って、該滑剤の適性配合量は1〜5%にあって、好まし
くは1.5〜3%がよい。
【0026】次に該滑剤の融点が80℃未満では塗膜表
面に形成される潤滑膜の強度が十分でないため耐疵付性
の低下や肝心の耐PM性、更には焼き付け後の塗膜表面
に水冷模様が発生して商品価値を低下するなど、あまり
好ましくない。一方、該滑剤の融点が130℃を超えて
は塗料中での均一分散性にやや欠けるため、塗膜表面で
の均一な潤滑膜形成は難しくなり、外観ムラや耐疵付性
の不安定化を招き好ましくない。従って本願発明にあっ
て該滑剤の融点は80〜130℃がよく、好ましくは1
00〜120℃がよい。尚、本願発明にあっては、滑剤
としてポリエチレンの他にシリコーン系及び弗素系の滑
剤が用いられてもよく、その効果に差異はない。
【0027】(4)裏面塗膜の表面光沢度 本願発明にあって裏面塗膜の表面光沢は、トップ塗膜の
耐PM性をより安定して得るための制御因子である。裏
面塗膜の光沢度がトップ塗膜の光沢度に対して50%未
満ではトップ塗膜の耐PM性が低下し、また100%を
超えも同様にトップ塗膜の耐PM性は低下する。すなわ
ち、トップ塗膜の耐PM性を安定して得るには、裏面光
沢度として本願発明の範囲を維持することが肝要であっ
て、好ましくは60〜90%がよい。
【0028】
【実施例】以下、実施例及び比較例をもとに本発明の効
果について更に詳述する。板厚0.7mm、板巾914mm
の亜鉛系又はアルミニウムめっき鋼板の両面に対し、ラ
イン速度70m/分で先ず従来技術のロール塗布法によ
る下地クロメート処理を行う。このクロメート皮膜は、
表1〜表8に特定する本願発明のクロメート組成物を固
形皮膜として特定量になるように調整され、乾燥されて
直ちに塗装工程に入る。該下地処理された鋼板の表側は
2C2B塗装で裏面は1C1B塗装されるが、これらに
用いられる塗装系はいづれも有機溶剤系メラミン硬化型
の高分子ポリエステル樹脂系塗料であって、所定条件で
塗装焼付される。表側のトップ塗膜において、プライマ
ー塗装系が日本ペイント製のフレキコート600EUプ
ライマーで固形皮膜として5μmが塗装されたのち、そ
の上層には機能性を付与させたトップ塗膜として表1〜
表8に本願発明が成分特定する塗料組成物を固形皮膜と
して19μmになるようカーテン塗装され、標準条件で
焼付けされ水冷乾燥される。なお、この時のトップ塗膜
の表面光沢度は80%に制御した。
【0029】一方、鋼板の裏面塗装については塗膜の艶
出しを調整した日本ペイント製のNP02塗料を用い、
公知のロール塗装法により、塗膜厚が固形皮膜として2
μmになるよう塗装制御され、所定板温で焼付し水洗乾
燥される。こうして製造された本願発明によるプレコー
ト鋼板の塗膜性能については、表1〜表8に対応して表
9〜表16にまとめて示すが、以下にその効果を記載す
るように、意匠性の高いトップ塗膜に要求される耐プレ
ッシャーマーク性(耐PM性)及び耐パンチング性を両
立したプレコート鋼板として、これを安定生産できるよ
うにした従来技術にない画期的なプレコート鋼板を安価
に市場提供するに至ったものである。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】
【表6】
【0036】
【表7】
【0037】
【表8】
【0038】
【表9】
【0039】
【表10】
【0040】
【表11】
【0041】
【表12】
【0042】
【表13】
【0043】
【表14】
【0044】
【表15】
【0045】
【表16】
【0046】(1)クロメート皮膜下層の金属皮膜の効
果について クロメート皮膜と素地との密着性を上げ、かつクロメー
ト皮膜を難溶化して上層塗膜の密着性をも上げてプリペ
イント鋼板としての耐パンチング性を高位に安定させる
ための金属皮膜の効果について、本願発明の実施例をN
o.1〜No.7及びNo.10〜No.21に示し、その比較
例をNo.8〜No.9に示す。これらの実施例から明らか
なように、本願発明の該金属皮膜をクロメート皮膜の下
層に設けることによって、塗膜の他の性能を阻害するこ
となく耐パンチング性と耐PM性(耐プレッシャーマー
ク性)を高位に安定して両立することが可能となった。
【0047】(2)クロメート皮膜の効果について 本願発明にあって、クロメート皮膜の役割は加工による
自らの凝集破壊を抑制し、また上記金属皮膜との相乗作
用によって発揮されるクロメート皮膜の素地に対する密
着性の向上がパンチング作業時の塗膜剥離を抑制し、プ
リペイント鋼板に対して安定した耐パンチング性を付与
するためにある。加えて該金属皮膜によるクロメート皮
膜の難溶化とそのクロム形態の変化によって塗装耐食性
寿命を向上させるためにある。このような本願発明の効
果について、実施例のうちCr3+の適性比についてNo.
3及びNo.22〜No.26に示し、その比較例をNo.2
7〜No.28に示す。又、気相シリカの平均一次粒径の
適性範囲については本願発明の実施例をNo.3及びNo.
29〜No.32に、その比較例をNo.33〜No.34に
示す。
【0048】更に該気相シリカの配合比について本願発
明の実施例をNo.3及びNo.35〜No.38に、その比
較例をNo.39〜No.40に示す。また本願発明が特定
するクロメート付着量の範囲については、実施例をNo.
3及びNo.41〜No.48に、その比較例をNo.49〜
No.50に示す。これらの実施例から明らかなように、
本願発明が特定するクロメート皮膜を用いることによっ
て、塗膜の他の性能を阻害することなく耐パンチング性
と耐PM性(耐プレッシャーマーク性)を高位に安定し
て両立させることが可能となった。
【0049】(3)主樹脂の作用効果について 塗膜への耐PM性付与に対する主樹脂の作用効果につい
て、本願発明による実施例をNo.3の他に比較例を含め
てNo.51〜No.71に示す。樹脂分子量の適正範囲に
ついて実施例をNo.3及びNo.51〜No.56に示し、
比較例をNo.57〜No.58に示す。また、塗膜Tgの
適正範囲について実施例をNo.3及びNo.59〜No.6
3に、比較例をNo.64〜No.65に示す。更に適正配
合量について実施例をNo.3及びNo.66〜No.69
に、比較例をNo.70〜No.71に示す。これらの実施
例から明らかなように、塗膜の他の性能を阻害すること
なく塗膜に耐PM性を付与するためには塗膜のTgを本
願発明の範囲に設計することが肝要であること、加えて
塗膜の外観均一性や耐パンチング性を安定して得られる
ようにするためには本願発明がいう樹脂分子量及び配合
量との適正設計が必要であることが分かる。
【0050】(4)塗膜中の樹脂粒子骨材の適正配合に
ついて 該樹脂骨材は塗膜にあってその耐スリ疵性付与のために
あるが、本願発明にあってはパンチング等の機械加工に
おける孔開け性において、金型摩耗を抑制することを主
眼とし、そのためには該骨材の粒径及びその配合量を適
正範囲に制御することが肝要である。本願発明にあって
該樹脂骨材の適正粒径範囲について実施例をNo.3及び
No.72〜No.78に、比較例をNo.79〜No.80に
示す。またその適正配合量については実施例をNo.3及
びNo.81〜No.88に、比較例をNo.89〜No.90
に示す。これらの実施例から明らかなように、他の塗膜
性能を低下させることなく耐パンチング性と耐PM性を
塗膜に両立させるには、該樹脂粒子骨材の粒径及び配合
量を本願発明がいう適正範囲内に制御することが必要な
ことが分かる。
【0051】(5)ポリエチレン滑剤の適正配合につい
て この滑剤は粉末状であってその狙いは塗膜へのスベリ性
付与によって耐スリ疵性を適宜に上げることにあり、そ
の配合の適正化が必要である。本願発明による実施例を
No.3及びNo.91〜No.94に、比較例をNo.95〜
No.96に示す。この実施例から明らかなように、塗膜
に潤滑性を付与することによって安定したプレス加工等
での鋼板ハンドリング疵が解消され、特に塗膜への耐P
M性の付与によってガードフィルムフリーを特徴とする
本願発明の鋼板にあっては、該滑剤の適正配合が肝要で
ある。また該滑剤の配合にあっては、上限を外れると塗
膜外観に焼付後の水冷模様が発生し易くあまり好ましく
ないことが分かる。
【0052】更に該滑剤の融点についてであるが、本願
発明による実施例をNo.3及びNo.97〜No.99に、
比較例をNo.100〜No.101に示す。この実施例か
ら明らかなように、本願発明の該滑剤の融点範囲が適正
領域を外れると、下限未満では良好な耐スリ疵性の他、
本願発明が主旨とする耐PM性をも安定して得ることは
難しくなり、また上限を超えては塗膜に水冷模様が発生
し外観上商品価値を大きく損なうことが分かる。
【0053】(6)裏面塗膜の光沢度について 本願発明にあって、トップ側塗膜の耐PM性を安定して
得るためには裏面塗膜の光沢度を適正範囲に制御するこ
とが好ましい。この場合の裏面光沢度の制御はトップ塗
膜の光沢度対比で行なわれる。この点について、本願発
明の実施例をNo.3及びNo.102〜No.105に、又
その比較例についてはNo.106〜No.107に示す。
これより明らかなように、本願発明がいう裏面光沢度の
制御範囲を逸脱すると、高生産性のライン下において商
品価値の高いトップ塗膜面への耐PM性の安定維持は難
しくなり、コストを含めてあまり得策ではない。
【0054】(7)下地鋼板の各種めっき系の適用事例 本願発明が適用できる下地鋼板のめっき系について実施
例をNo.3およびNo.108〜No.118に示す。この
実施例から明らかなように、本願発明は下地鋼板のめっ
き系が異なってもその塗膜機能は何等支障となるもので
ないことが分かる。
【0055】(注) *1.めっき系 EZ :電気亜鉛めっき ZN :電気Zn−Ni合金めっき(Ni;11.5
%) EC :電気Zn−Cr−Ni合金めっき(Cr;10
%,Ni;2%) EF :電気Zn−Fe合金めっき(Fe;15%) ZNS:電気Zn−Ni−SiO2(Ni;12%,S
iO2;3%) ZNT:電気Zn−Ni−TiO2(Ni;12%,T
iO2;3%) ZNB:電気Zn−Ni−BaSO4(Ni;12%,
BaSO4;3%) ZFS:電気Zn−Fe−SiO2(Fe;10%,S
iO2;3%) GZ :溶融Znめっき GA :溶融Zn−Alめっき(Al;5%) GF :合金化溶融Znめっき(Fe;8〜11%) AL :溶融Alめっき
【0056】*2.金属皮膜 公知技術での化学めっき方法による。付着量(mg/m2
は化学分析方法により測定。 *3.クロメート皮膜 気相シリカの粒径は一次平均粒径を指し、表示単位はm
μ。また比率の表示単位は総クロム量に対する比率とし
てwt%で示す。付着量は総Cr量として表示し、蛍光
X線分析方法による。 *4.トップ塗膜性状 メラミン樹脂硬化による高分子ポリエステル樹脂を使
用。 Tgは硬化塗膜のガラス転移点を指し、TMAで実測
したもの。 配合量はすべて塗膜固形分に対する重量比でいう。 有機骨材とは樹脂粒子骨材をいう。粒径は一次平均粒
径を指す。
【0057】*5.裏面塗膜の光沢度 60度鏡面反射によるトップ側塗膜の光沢度対比をい
う。 *6.耐PM性評価 トップ塗膜面に裏面塗膜を重ね合わせた試験片上に荷重
80Kg/cm2、RH95%、40℃の湿潤雰囲気に168
hrs静置したのち、試験片を取り出し塗装面の圧痕状態
を目視評価。 ◎:初期外観と変化なし ○:透かすと極く僅
かな圧痕転写 △:正面から見て僅かな圧痕転写 ×:明瞭な圧痕転写
【0058】*7.耐パンチング性 連続パンチング孔開け装置;電動式クランクプレス機に
よる連続孔開け、秒速4個 金型:表面硬質加工による金型を使用。肉厚1mm×巾
4.5mmの刃が4連セット 耐孔開け性評価:パンチング孔30万個目を対象に、そ
の孔周辺へのバリ発生状態を目視評価。 ◎:バリなし、○:僅かに押疵あるもバリなし、△:バ
リ数個発生、×:バリ頻発 塗膜粉末の発生性:◎:なし、○:僅かに発生するも押
疵なし、△:金型に付着し、押疵が散発、×:金型にか
なり付着し、押疵も頻発
【0059】*8.塗装耐食性 無塗油の角筒プレス(50W×50L×50H[mm])
加工部側面の塗膜膨れ発生状況を目視評価。 CCT60サイクル(24hrs/サイクル) SST 6hrs →放置1hrs →乾燥70℃、RH60%、4hrs →
放置2hrs →→湿潤49℃、RH98%、4hrs →放置2hrs
→冷却−20℃、4hrs →→放置1hrs ◎:膨れなし、○:僅かに膨れ、△:細かな部分膨れ、
×:全面に膨れ *9.塗膜外観(変色、塗膜欠陥の目視評価) ◎:外観均質、○:透かして極く僅かに不均一模様、
△:部分的に不均一、×:全面不均一
【0060】
【発明の効果】以上のように、本願発明は市場における
プレコート鋼板のガードフィルムフリー化要求に対し、
最大の課題である塗膜の耐プレッシャーマーク性(耐P
M性)及び耐パンチング性の両立について検討を行った
結果、以下の技術思想でなる特定範囲のめっき表面粗さ
に制御しためっき原板を基板とし、その上層にクロメー
ト皮膜の下層皮膜として特定の金属皮膜を設けることに
よるクロメート皮膜の素地密着性及び該金属皮膜による
クロメート皮膜の難溶化形態への変化によって塗膜密着
性を飛躍的に向上し、これが懸案の耐パンチング性を高
位に安定化させ得たこと、さらにはトップ塗膜構成およ
び裏面塗膜の光沢度制御を両立させることにより、他の
塗装性能を低下させることなく、これを工業的レベルで
ノンガードフィルム型の鮮映性黒色プレコート鋼板を市
場提供するに至ったものである。
【0061】すなわち、 (1)クロメート皮膜の下地皮膜として特定の金属皮膜
を形成することにより、上層クロメート皮膜の素地密着
性が大巾に改善されると同時に、該金属皮膜生成によっ
てクロメート皮膜が難溶型に形態し塗膜密着性が高位に
安定したことにより、課題であったプレペイント鋼板と
しての耐パンチング性が安定して得られるようになった
(クロメート皮膜及び塗膜の密着性向上によるパンチン
グ時の塗膜剥離防止の達成)。 (2)塗膜中の骨材を樹脂粒子型の骨材に限定し、その
粒径および配合量を特定することによって塗膜に弾力性
を付与し、これによってパンチング等の機械加工におけ
る金型摩耗を抑制および鋼板への耐孔明性が安定して得
られるようになった(金型摩耗抑制による耐パンチング
性の達成)。 (3)トップ塗膜のTg、樹脂の分子量及びその配合の
適正化、滑剤の融点とその配合の適正化および裏面塗膜
の外観光沢の適正制御の各塗膜構成要素技術の両立によ
り、コイル製品および切り板製品の積載のいずれであっ
ても良好な耐プレッシャーマーク性が安定して得られる
ようになった(耐PM性付与による塗膜のノンガードフ
ィルム化の達成)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B05D 7/24 302 B05D 7/24 302V 303 303E B32B 15/08 B32B 15/08 G (56)参考文献 特開 平7−178870(JP,A) 特開 平7−40503(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05D 1/00 - 7/26 B32B 15/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛系めっき鋼板又は溶融アルミニウム
    めっき鋼板の表面にNi,Co,Fe,Zr,Sb,
    V,Mo,Wの少なくとも一種以上からなる金属皮膜が
    3〜50mg/m2形成され、その上層に総Cr量比でCr
    3+が10〜50%、一次平均粒径3〜50mμの気相シ
    リカが総Cr量比で0.5〜2.0でなるクロメート組
    成物が総Cr付着量として10〜150mg/m2形成して
    なることを特徴とし、さらにその上層に一定膜厚のプラ
    イマー塗膜を形成したのち、最上層の塗膜として塗膜の
    ガラス転移点(Tg)が5〜70℃、平均分子量が15
    000〜50000のメラミン硬化型高分子ポリエステ
    ル樹脂が固形分重量比で30〜90%、この樹脂に殆ど
    融合しない一次平均粒径2〜50μmの有機樹脂粒子が
    骨材として固形分重量比で1〜50%及び滑剤として融
    点が80〜130℃のポリエチレンワックスが固形分重
    量比で1〜5%含有してなることを特徴としたトップ塗
    膜を形成してなることを特徴とした耐パンチング性及び
    耐プレッシャーマーク性に優れたガードフィルムフリー
    型プレコート鋼板。
  2. 【請求項2】 裏面塗膜の表面光沢度が少なくとも表側
    トップ塗膜の50〜100%に制御してなることを特徴
    とする請求項1記載の耐パンチング性及び塗膜密着性に
    優れたガードフィルムフリー型プレコート鋼板。
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