JP3075897U - 自動車玩具 - Google Patents

自動車玩具

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JP3075897U
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Abstract

(57)【要約】 【課題】走行形態に新たなバリエーションを加えること
ができ、遊びの範囲を拡大することができるとともに、
飽きにくい自動車玩具。 【解決手段】以下の要件を備えたこと。 (イ)駆動輪5と前輪とを備え、駆動輪5には駆動源が
連係していること (ロ)前輪3、4を備えた部分には、前輪3を逆転させ
るバック走行機構が設けられていること

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は走行途中でバック走行する自動車玩具に関する。
【0002】
【従来技術】
従来からゼンマイ等を駆動源とする自動車玩具として多種多様なものが提案さ れ、趣向の変わったものとして、走行中に方向を変えるものや、走行中にロボッ トに形態が変化するものなどが知られているが、これらは構造が複雑で値段も高 価であった。したがって、一般には、簡単な構造で手軽に遊べるものの方が安価 で手に入れやすいので人気がある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、簡単な構造のものは、その走行速度や走行距離が一定であるた め、遊びも単純になりがちである。また、駆動源を交換可能とすることにより、 走行速度や走行距離を変えることができるものも実施されている。どちらにして も自動車玩具の既成概念に縛られた遊び方でしかなく、走行形態のバリエーショ ンに乏しいために飽きやすく、面白みに欠けるという欠点があった。
【0004】 本考案は、前進走行途中でバック走行するという劇的に変化する走行態様を簡 単な構造によって実現し、これにより走行形態に新たなバリエーションを加える ことができ、遊びの範囲を拡大することができるとともに、飽きにくい自動車玩 具を提供することをその課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本考案に係る自動車玩具は、以下の要件を備えたこ とを特徴とする。 (イ)駆動輪と前輪又は後輪とを備え、駆動輪には駆動源が連係していること (ロ)前輪又は後輪を備えた部分には、前輪又は後輪を逆転させるバック走行機 構が設けられていること
【0006】 前記バック走行機構は以下の要件を備えるようにするのが好ましい。 (イ)弾性部材の弾発力により前輪又は後輪を逆転させる駆動部材と、上記弾性 部材を変形させる位置に上記駆動部材を係止する係止手段と、前進走行途中で駆 動部材と係止手段との係止を解除する係止解除手段とから構成されること (ロ)係止解除時には上記弾性部材の弾発力により駆動部材が前輪又は後輪をバ ック方向に回転させるようにしたこと
【0007】 また、前記バック走行機構は以下の要件を備えるようにしてもよい。 (イ)前輪又は後輪に作動連結される歯車と噛合するラック部材と、ラック部材 を一方に付勢するバネと、ラック部材を上記バネのバネ力に抗して移動させた位 置でラック部材に係止する係止手段と、前進走行途中でラック部材と係止手段と の係止を解除する係止解除手段とから構成されること (ロ)係止解除時には上記バネにより移動したラック部材に噛合する歯車の回転 によって前輪をバック方向に回転させるようにしたこと
【0008】 前記係止解除手段は、前進走行に追従して回転する歯車に連動し、前進走行時 に前記係止手段に係合して係止解除方向に作動させるのが望ましい。
【0009】 また、前記駆動輪を備えた部分を浮かせるための跳ね上げ部材をバネに抗して 前記係止手段に係止可能に設け、跳ね上げ部材と係止手段との係止解除は、前記 ラック部材と係止手段との係止解除と同時に行なわれるようにするのが好ましい 。
【0010】 前記バック走行機構には、バック走行のタイミングを設定するタイミング設定 手段が連係しているのが望ましい。
【0011】 前記駆動源はプルバック式ゼンマイとするのがよい。
【0012】
【考案の実施の形態】
図1は自動車玩具の斜視図で、同図において符号1は前部材、2は後部材を示 す。前部材1には第1の前輪3と第2の前輪4が、後部材2には駆動輪5が取り 付けられているとともに、前部材1と後部材2とは一体的に連結されている。な お、後部材2には駆動輪5の駆動源としてプルバック式ゼンマイのユニット6が 収納されている。また、自動車玩具は前部材1と後部材2とを別個にせず、一体 のものとして形成してもよい。なお、前部材1は右部材1aと左部材1bとから 構成されている。また、前部材1の適宜位置には重錘(図示せず)を取り付けて おくのが好ましい。
【0013】 前部材1には、前輪を逆転させるバック走行機構が設けられている。すなわち 、バック走行機構は、図2に示すように、第1の前輪3に作動連結される歯車と 噛合するラック部材(駆動部材)7と、ラック部材7を一方に付勢する引っ張り バネ(弾性部材)8と、ラック部材7を上記バネ8のバネ力に抗して移動させた 位置でラック部材7に係止する係止手段9と、ラック部材7と係止手段9との係 止を解除するように作動する係止解除手段10(図3参照)とから構成されてい る。
【0014】 第1の前輪3の回転軸には歯車11が固定され、該歯車11は右部材1aに設 けられた2つの減速歯車12、13に噛合されている。2番目の減速歯車13に は小径歯車14が形成され、この小径歯車14はラック部材7のラック部15と 噛合可能に設けられている。ラック部材7はU字形に形成され、前後にスライド 可能に配置され、引っ張りバネ8により常時前方に移動するように付勢されてい る。また、ラック部材7の上部には操作つまみ16が形成され、操作つまみ16 は前部材1の中央に形成された長孔17から外部に突出している。さらに、ラッ ク部材7の下面には係止溝18が形成されている。
【0015】 次に、係止手段9は水平部9aと垂直部9bとから略L字形に形成され、屈曲 部の軸29を中心に前部材1に回動可能に配置されている。水平部9aの先端と 垂直部9bの下端にはそれぞれ第1の係止爪19と第2の係止爪20が形成され ている。水平部9aは右部材1aの底面に配置された圧縮バネ21により常時上 方に付勢されている。また、水平部9aの中間部には係合凸部22が形成されて いる。この係合凸部22は左部材1bに入り込んでいる。
【0016】 上記ラック部材7は操作つまみ16を後方に移動させて引っ張りバネ8のバネ 力に抗してラック部材7を後方にスライドさせたときに、係止溝18に係止手段 9の水平部9aの第1の係止爪19が係止するように構成されている。そして、 係止したときには、ラック部材7と小径歯車14とは噛合せず、このため第1の 前輪3は空転するようになっている。
【0017】 図3に示されるように、係止解除手段10は左部材1bに設けられている。す なわち、係止解除手段10はラックプレート状に形成され、上面にはラック部2 3が形成されている。これに対し、第2の前輪4の回転軸24には歯車25が固 定され、該歯車25は左部材1bに設けられた2つの減速歯車26、27に噛合 されている。2番目の減速歯車27には小径歯車28が形成され、この小径歯車 28はラック部23と噛合している。係止解除手段10は前後にスライド可能に 配置され、前後端にはバネ30、31が取り付けられている。また、係止解除手 段10の下面には係合段部32が形成されている。なお、2番目の減速歯車27 の一部は左部材1bの上部に露出している。
【0018】 次に、前部材1の後端下部の支軸33には跳ね上げ部材34が上下方向に回動 自在に軸着されている。そして、前部材1の下面には下方にバネ付勢された押し 下げ部材35が配置され、跳ね上げ部材34の上面に係合し、跳ね上げ部材34 が下方に回動するように付勢している。なお、支軸33の後部には係止溝36が 形成されている。この係止溝36は上記係止手段9の垂直部9bの第2の係止爪 20に係止可能に形成されている。跳ね上げ部材34は上記押し下げ部材35の バネ37に抗して上方に回動させたときに、上記係止溝36に第2の係止爪20 が係止し、この状態で跳ね上げ部材34はほぼ水平に保持される。
【0019】 上記ラック部材7は操作つまみ16を後方に移動させて引っ張りバネ8のバネ 力(弾発力)に抗してラック部材7を後方にスライドさせてラック部材7の係止 溝18に係止手段9の水平部9a材の第1の係止爪19を係止させるとともに、 跳ね上げ部材34を押し下げ部材35のバネ37に抗して上方に回動させてその 係止溝36に係止手段9の垂直部9bの第2の係止爪20を係止させておく。
【0020】 次に、図4に示されるように、プルバック式ゼンマイユニット6のゼンマイを 巻き上げて自動車玩具を前進走行させると、第2の前輪4の歯車25の回転は減 速歯車の2番目の減速歯車27に伝達されるから、図5に示すように、係止解除 手段10は後方にスライドする。そして、走行途中で係合段部32が係止手段9 の係合凸部22に係合し、係止手段9を下方に回動するように押圧する。これに より、係止手段9はバネ21に抗して下方に回動するので、第1の係止爪19と ラック部材7との係止及び第2の係止爪20と跳ね上げ部材34との係止が同時 に解除される。
【0021】 第2の係止爪20と跳ね上げ部材34との係止が解除されると、跳ね上げ部材 34は押し下げ部材35により押し下げられて下方に回動するので、その先端は 走行面に打ち当たり後部材2を跳ね上げる。この状態のとき、第2の前輪4も走 行面から浮き、そのため、駆動輪5は走行面から離れて空転すると同時に、全体 が傾くので、第1の前輪3が走行面に着地し、第2の前輪4は浮き気味になる。 自動車玩具は第1の前輪3と跳ね上げ部材34の先端とによって支持される。
【0022】 また、第1の係止爪19と係止手段9との係止が解除されると、図2に示すよ うに、ラック部材7が引っ張りバネ8の弾発力により前方にスライドするので、 そのラック部15に噛合した小径歯車14も回転し、同時に上記歯車1に噛合連 結する第1の前輪3が逆方向に回転するので、第1の前輪3と跳ね上げ部材34 の先端とによって支持された自動車玩具は急激にバック走行する(図6参照)。 このとき、前部材1に重錘があると、第1の前輪3はスリップしにくい。
【0023】 なお、上述のように、係止解除手段10が係止手段9との係止を解除するタイ ミングは係止解除手段10が後方にスライドしてその移動端に至る直前である。 そこで、図4に示されるように、前部材1の左部材1bの側面に前後に長い長孔 38を形成し、係止解除手段10に形成した突起39を上記長孔38にのぞかせ ることにより、長孔38の後端に突起39がきたときに係止解除されることを視 認することができるようにすれば、長孔38の縁に1、2、3等の目盛り(図4 参照)を記しておくことにより、突起39と目盛りによりタイミング設定手段を 構成することができ、歯車27を回転させ又は直接に突起39を前後に移動させ ることによりバック走行のタイミングを設定することができる。したがって、決 められた位置でバック走行できるからどうかの優劣を競うという走行ゲームなど を楽しむことができる。
【0024】 また、ラック部材7の引っ張りバネ8を強くしておけば、跳ね上げ部材34が なくても、バック走行ができる。この場合、バック走行することにより、駆動輪 5のプルバック式ゼンマイは巻き上げられるから、バック走行のエネルギーが小 さくなると、再びゼンマイの力で前進走行する。このようにして、前後に走行さ せるエネルギーがバランスするまで往復動させることができる。
【0025】 さらに、上述のバック走行機構は、前輪をバック方向に回転させる例であるが 、駆動輪を前輪とし、後輪をバック方向に回転させる構成であってもよい。
【0026】
【考案の効果】
請求項1に係る考案によれば、目に見て楽しいだけでなく、走行形態にバック 走行という新たなバリエーションを加えることができ、遊びの範囲を拡大するこ とができるとともに、飽きにくい自動車玩具を提供することができる。
【0027】 請求項2に係る考案によれば、弾性部材を変形させた位置に駆動部材を係止手 段により係止させておき、前進走行途中で係止解除手段により駆動部材と係止手 段との係止を解除すると、弾性部材の弾発力により駆動部材が前輪又は後輪をバ ック方向に回転させるので、自動車玩具は確実にバック方向に走行することがで きる。
【0028】 請求項3に係る考案によれば、ラック部材をバネに抗して移動させるとともに 、係止手段に係止しておき、走行途中で係止解除手段がラック部材と係止手段と の係止を解除するように作動するので、ラック部材がバネのバネ力によって移動 するとともに、歯車が回転し、歯車と作動連結される前輪がバック方向に回転す る。したがって、自動車玩具は確実にバック方向に走行することができる。
【0029】 請求項4に係る考案によれば、前記係止解除手段の係止解除の作動が前進走行 の途中で行なわれるようにすることができる。
【0030】 請求項5に係る考案によれば、バック走行と跳ね上げ部材の作動による駆動輪 の空転とを同時に行なうことができるので、迫力のあるバック走行を実現できる 。
【0031】 請求項6に係る考案によれば、バック走行のタイミングを設定することができ るから、決められた位置でバック走行できるからどうかの優劣を競うという走行 ゲームなどを楽しむことができる。
【0032】 請求項7に係る考案によれば、前記走行駆動源はプルバック式ゼンマイである から、電源などを必要としない。したがって、手軽であり、電池切れなどの問題 がなく、いつでもどこでも遊ぶことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る自動車玩具の斜視図
【図2】前部材の右部材の内部の構造説明図
【図3】前部材の左部材の内部の構造説明図
【図4】自動車玩具をプルバックさせる状態の説明図
【図5】係止が解除した状態の説明図
【図6】上記自動車玩具がバック走行する態様を示す斜
視図
【符号の説明】
1 前部材 2 後部材 3 第1の前輪 4 第2の前輪 5 駆動輪 7 ラック部材 9 係止手段 10 係止解除手段

Claims (7)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の要件を備えたことを特徴とする自
    動車玩具。 (イ)駆動輪と前輪又は後輪とを備え、駆動輪には駆動
    源が連係していること (ロ)前輪又は後輪を備えた部分には、前輪又は後輪を
    逆転させるバック走行機構が設けられていること
  2. 【請求項2】 前記バック走行機構は以下の要件を備え
    たことを特徴とする請求項1記載の自動車玩具。 (イ)弾性部材の弾発力により前輪又は後輪を逆転させ
    る駆動部材と、上記弾性部材を変形させる位置に上記駆
    動部材を係止する係止手段と、前進走行途中で駆動部材
    と係止手段との係止を解除する係止解除手段とから構成
    されること (ロ)係止解除時には上記弾性部材の弾発力により駆動
    部材が前輪又は後輪をバック方向に回転させるようにし
    たこと
  3. 【請求項3】 前記バック走行機構は以下の要件を備え
    たことを特徴とする請求項1記載の自動車玩具。 (イ)前輪又は後輪に作動連結される歯車と噛合するラ
    ック部材と、ラック部材を一方に付勢するバネと、ラッ
    ク部材を上記バネのバネ力に抗して移動させた位置でラ
    ック部材に係止する係止手段と、前進走行途中でラック
    部材と係止手段との係止を解除する係止解除手段とから
    構成されること (ロ)係止解除時には上記バネにより移動したラック部
    材に噛合する歯車の回転によって前輪又は後輪をバック
    方向に回転させるようにしたこと
  4. 【請求項4】 前記係止解除手段は、前進走行に追従し
    て回転する歯車に連動し、前進走行時に前記係止手段に
    係合して係止解除方向に作動させるものである、請求項
    3記載の自動車玩具。
  5. 【請求項5】 前記駆動輪を備えた部分を浮かせるため
    の跳ね上げ部材をバネに抗して前記係止手段に係止可能
    に設け、跳ね上げ部材と係止手段との係止解除は、前記
    ラック部材と係止手段との係止解除と同時に行なわれる
    ようにした、請求項3又は4に記載の自動車玩具。
  6. 【請求項6】 前記バック走行機構には、バック走行の
    タイミングを設定するタイミング設定手段が連係してい
    る、請求項1、2、3又は4に記載の自動車玩具。
  7. 【請求項7】 前記駆動源はプルバック式ゼンマイであ
    る、請求項1、2、3、4、5又は6に記載の自動車玩
    具。
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