JP3075834U - 救命フロート付ベルト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】従来のライフジャケットや救命ベストのように
上半身を包み込まずに、単にベルトによってウエスト部
分に取り付けることにより、上半身の運動性を阻害せ
ず、かつ、暑苦しさのない極めてシンプルな救命フロー
ト付ベルトを提供することを目的とする。 【構成】身体Ａのウエストに捲着すべきウエストベルト
１の上縁部２に接合体５によって上下に開閉自在な前面
フロート３および背面フロート４を遊動状態に取り付け
る構成とする

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ヨット、カヌー、フィッシング等において着用する救命ベルトに関 するものである。

【０００２】

【従来技術】

従来技術としては、上半身に着用するライフジャケットや救命ベストがあり、 いずれも上半身を包み込む状態で着用する構造であるか、またウエストベルトに 上下に開閉し且つ遊動的にフロートを取り付けた構造のものであっても、ウエス トベルトの前面及び背面が分厚いフロートで構成され、そのフロートの上部に、 落水時にフロート自体の浮力によって上方に跳ね上がって浮力体となり、平常時 はフロートの自重によって下方に垂下する浮力補助具等の上下に開閉する補助フ ロートを遊動的に取り付けた構造となっていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来技術によるライフジャケット及び救命ベストや、ベルト式浮力補助具また はフラップ式ライフジャケットにおいては、腹部や腰部または背部が発泡スチロ ールやポリウレタンフォーム等の浮力体によって覆われる構造となっている関係 上分厚く、しかも浮力体が断熱効果を持っているために体温が発散せず、その上 、体の上半身を包み込むように着用するために、上半身が窮屈になり運動性が阻 害され、従ってカヌーやヨット又はフィッシング等上半身や腕の自由な運動を要 求される場合には使用しにくく、又夏の高温時や気温の高い所では暑苦しいとい った問題点があった。また胴部に取り付けた浮力体全体が落水時のショックで胸 部方向にずり上がらないようにするために、浮力体の裏面、即ち身体と接する面 に摩擦係数の大きい丁度スキーに装着するシール状の摩擦体を設けているか、又 は摩擦係数の大きな素材を使用しているが、この摩擦効果を発揮させるにはウエ ストベルトをきつく締めて、浮力体を身体に密着させなければならないことから 、窮屈さや暑苦しさが倍増するという問題点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するために、従来技術においては常識とされていた上半身を包 み込むライフジャケット方式を変革し、またベルト式浮力補助具においても、従 来のベルトとフロートとを一体的なものとせず、ウエストベルトからフロートを 除去して単にベルトのみとし、浮力体である前面フロートと背面フロートとを、 平常時においては身体に触れないようにするために浮力体の自重で下方に垂れ下 がるように遊動自在の状態でウエストベルトに結合し、落水等非常時に該前面フ ロートおよび背面フロートがそれ自体の浮力で上方に開いて立ち上がりその浮力 によって身体を浮上させる構成とする。

【０００５】

【作用】

前記の手段によれば、前面腹部に位置する浮力体である前面フロートおよび背 部に位置する背面フロート又はウエストベルトと一体構成となっていた浮力体で ある各構成フロートは、平常時には腹部および背面に位置してそれぞれの自重に より下方に垂れ下がり、折り畳まれた状態にあるために両腕の自由な運動を阻害 せず、また上半身の捻じれ運動の障害ともならず、従って上半身の動きがスムー ズに行なえるほか、ウエストベルトにフロートを取り付けない構造であるがため に、夏季等気温が高い場合でもライフジャケットのように上半身やウエスト部分 を包み込まないために暑くなく快適に着用できる。又落水時には前面フロートお よび背面フロートの各々は、遊動的であるがために、身体上方にその浮力で自動 的に跳ね上がり、身体を前後からサンドイッチ状に挟み込み、よって安定した姿 勢で水に浮かぶことが出来る。更に従来技術と異なり、ウエストベルトに浮力体 を遊動自在に取り付けるという単純な構造であるが故に、ウエストベルトの位置 が必然的に身体の胸骨下部と骨盤上部、即ち身体のウエスト部分に緊縛できるた めに、落水時において浮力体である前面フロート及び背面フロートの浮力に引っ 張られて浮力体全体が身体の上方にずり上がる心配がなく、従ってずり上がりを 防止するための摩擦体を取り付け或は摩擦係数の大きい素材を使用する必要がな くなる。

【０００６】

【実施例】

本考案の実施例を図面により説明すれば、Ａは身体である。、１はウエストベ ルト、２はウエストベルト１の上縁部、３は前面フロート、４は背面フロートで あって、それぞれ前面フロート３及び背面フロート４は接合体５によってウエス トベルト１の上縁部２に垂下可能状態、即ち上下遊動自在に取り付けたものであ る。６は前面フロート３及び背面フロート４をそれぞれを連通する固定バンドで あって、前面フロート３及び背面フロート４とを任意に身体に密着固定させるた めのものである。

【０００７】

【考案の効果】

本考案によれば、上半身全体を浮力体で包み込む従来のライフジャケットや救 命ジャケットと異なり、身体の胴の細まった部分、即ちウエスト部分にフロート を持たない単なるウエストベルトによって緊縛着用することが出来るために、落 水時に沈下しようとする身体と浮上しようとする浮力体との相反する作用によっ て浮力体全体が身体の上方にずり上がってバランスを崩すことがなく、従って安 定的に着用できることに加えて、上半身やウエスト部分に浮力体であるフロート が密着して締め付けられることがなく、従って上半身の運動性が阻害されること がない。又落水時のみに遊動状態で取り付けた前面フロートと背面フロートが自 らの浮力で上方に開き、有効かつ安定的な姿勢での浮力を得ることができ。又、 極めてシンプルな構造であるが故に夏季等の高温時にも上半身のほとんどの部分 が開放され暑苦しさがなく快適に着用できる効果があるほか、製造費用も格段に 抑制できる効果がある。

【０００８】

【図面の簡単な説明】

【図１】左右に展開した正面図である。

【図２】側面図であって身体に装着した状態を示す。

【符号の説明】 矢印は前面フロート及び背面フロートの移動方向を示
す。 Ａ、身体 １、ウエストベルト ２、ウエストベト１の上縁部 ３、前面フロート ４、背面フロート ５．接合体 ６．固定バンド

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 身体Ａのウエストに捲着すべきウエスト
   ベルト１の上縁部２に上下に開閉自在な前面フロート３
   および背面フロート４を遊動状態に取り付けたことを特
   徴とする救命フロート付ベルト。