JP3075815U - インドア試験用携帯電話電波品質測定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 屋内における携帯電話の電波品質調査を
手作業によることなく効率的に行い、また調査員の精神
的負担も解消させることのできる電波品質測定装置を提
供する。 【解決手段】 携帯電話発呼のオンオフ動作指令値入力
手段（操作スイッチ群20）と、通信状態を簡易的に表示
する小型ディスプレイ21とを備えた操作部2と、前記オ
ンオフ動作指令値に基づく携帯電話の発呼制動制御、通
信状態及び接続中の電波品質を検出する制御の各制御を
行う制御手段と、検出した測定値を記録できるメモリと
を小型の筺体に収納させた本体部1とから構成され、該
本体部1と前記操作部2とを、接続線4を介して分離させ
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、屋内における携帯電話の電波品質を測定する装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

携帯電話は、通話エリア内に設置されたアンテナに対して、電波を良好に送受 信できるかどうかで通話状態が決定され、このため、各携帯電話サービス会社は 、通話状態の改善を図るために、通話エリア内の種々の場所で電波品質を測定調 査するものとなっている。

【０００３】 このような電波品質の測定調査として、当初は、調査員が通話エリア内の各所 で、実際の携帯電話で発呼し、その通信状態及び電波品質を地図に記していくと いう地道な作業が行われていた。

【０００４】 しかし、通話エリアが拡大していき、このような手作業ではとうてい測定調査 が追いつかず、また調査員の労力も相当なものとなっていた。

【０００５】 このため、近時、カーナビゲーションシステムと汎用型パソコンを利用した車 載型の電波品質測定装置が開発され、利用されている。この装置は、パソコンの 制御で、そこに接続した携帯電話を発呼させ、かつそのときの通信状態（例えば 発呼成功、正常切断、異常切断、話し中、圏外など）及び電波品質を測定し、そ の測定値をカーナビゲーションシステムで受信した地図上に記していくというも のであり、所定ポイントにおける電波品質の測定値が自動的に記録されていくこ と、移動が自動車ごとなので行動範囲が広がることなどのメリットにより、当初 の測定調査方法に比べて格段に作業能率が向上するものとなった。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、電波品質を調査する測定ポイントは、屋外にとどまらず、屋内でも 必要となる。特に多層階ビルなどでは、それぞれ多数のテナントが入居している のが通常であり、各フロアの複数ポイントで電波品質を測定調査する必要がある 。

【０００７】 しかし、上述した車載搭載型測定装置は、カーナビゲーションシステムと連動 する装置構成としていること、汎用型パソコンで携帯電話の発呼制動制御及び測 定制御をすることなどから、装置構成が大がかりとなっていて、加えて、各装置 構成が特に統一立てて配置されておらず、各装置相互は単にケーブルで接続され るだけの構成となっているので、当然のことながら持ち運びができるような装置 構成ではない。このため、この装置を屋内の調査には用いることができず、結局 、屋内用の調査は、当初から行われていた手作業によって行わなければならなか った。

【０００８】 また、屋内の調査が従来の手作業によらなければならない結果、その調査は、 建物の複数箇所で何度も電話をかけたり切ったりしているので、挙動不審な人物 に見られがちであり、特に携帯電話サービス会社から委託を受けて調査を行って いる調査員の場合は、ビルの警備員などから任意で質問を受けることはもとより 、それに回答してもなかなか理解されず（この点、携帯電話会社サービスの社員 であれば、社標や名刺の提示などでまだ理解されやすい）、このため調査員の精 神的負担も多大なものがあった。

【０００９】 この考案は、以上のような問題に鑑み創案されたもので、屋内における携帯電 話の電波品質調査を手作業によることなく効率的に行い、また調査員の精神的負 担も解消させることのできる電波品質測定装置を提供しようとするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

このため、この考案に係るインドア試験用携帯電話電波品質測定装置は、 携帯電話発呼のオンオフ動作指令値入力手段と、通信状態を簡易的に表示する 小型ディスプレイとを備えた操作部と、 前記オンオフ動作指令値に基づく携帯電話の発呼制動制御、通信状態及び接続 中の電波品質を検出する制御の各制御を行う制御手段と、検出した測定値を記録 できるメモリとを小型の筺体に収納させた本体部とからなり、 該本体部と前記操作部とを、接続線を介して分離させたことを特徴とする。

【００１１】 本願において、前記操作部のハンディ型とは、例えば、通常の大人が手で握っ て持てる程度の大きさを指す。また、前記筺体における小型とは、例えば、通常 の大人が背負うことのできるデイバッグにすっぽり入ることのできる程度の大き さを指す。

【００１２】 本願に係るインドア試験用携帯電話電波品質測定装置は、操作部と本体部とを 、接続線を介して分離させている。そして、操作部は、携帯電話発呼のオンオフ 動作指令値入力手段と、通信中の電波品質状態を簡易的に表示するディスプレイ とから構成することでハンディ型に形成させ、一方、本体部は、基本的に、前記 オンオフ動作指令値に基づく携帯電話の発呼制動制御、通信状態及び接続中の電 波品質を検出する制御の各制御を行う制御手段と、検出した測定値を記録できる メモリとから構成することで小型の筺体に収納させている。このため、むだな機 構が一切なく、実にコンパクトな構成が達成され、それがゆえ、操作部を手に持 ちながら、本体部を例えばデイバッグに収納した状態で持ち運びができることに なる。また、そのような状態で、手に持った操作部に対して、オンオフ動作指令 値を入力するように操作すれば、携帯電話が自動的に発呼され、そのポイントに おける通信状態及び電波品質が制御手段の制御により自動的に検出できる。なお 、この測定値は具体的な数値db単位でももちろん良い。

【００１３】 ここで、前記ディスプレイは、操作部がハンディ型なので、そのサイズも当然 小さいものとなり、そこに表示される情報も少量となる。一方、このディスプレ イは、通信状態を表示するものであるが、通信状態のうち通話不可能の場合には 、あきらかに通話圏外である他に、異常切断、話し中など種々の要因による場合 があり、そのような場合に電波品質を正確に測定するためには正常に接続できる まで何度も測定を行う必要があり（これをリトライという）、このため通話不可 能な理由が圏外であるのか否かを確認する必要がある。この確認を、このディス プレイで行うことになるが、それら通話不可能な理由の表示を長々とさせたので は、操作部のコンパクトさが達成できない。このため、その表示として、通信状 態を任意の段階に分け、各段階を簡易的な記号または数字で表示させるものとす れば、ごく少数の文字（最低１文字）で通信状態を確認でき、操作部をよりコン パクトにすることができるものとなる。

【００１４】 また、前記測定装置において、異なる携帯電話サービス会社の携帯電話をそれ ぞれ接続させ、各携帯電話の電波品質を同時に測定させる構成とすれば、その測 定ポイントにおける通信状態の比較ができ、アンテナの向きや設置ポイントなど の改善を容易に行うことができるほか、自社の測定値が他社のものと比較して良 好な場合はセールス情報として有効に利用できる。

【００１５】

【考案の実施の形態】

本考案の具体的実施形態例を図１及び図２に基づき説明する。なお、以下の形 態例はあくまで本考案の一形態例であり、本考案が下記構成に限定されるもので ないことは当然である。

【００１６】 図１は本形態例の装置構成の概略を示した説明図であり、図中、1は本体部、2 は操作部、3は携帯電話、4は接続ケーブルを各示す。図示のように、本体部1と 操作部2とは、接続ケーブル4を介して接続される分離型となっている。

【００１７】 前記本体部1は、図２に示すように、制御部であるＣＰＵ10と、測定データ格 納メモリ11と、各携帯電話変換用インタフェイス12と、データ出力端末用インタ フェイス13と、操作部用インタフェイス14と、バッテリ電源15とからなる。本体 部1は、これら手段が集約されて縦200mm×横150mm×厚み50〜60mmという小型の 筺体に収納されており、通常のデイバッグであればすっぽり収納可能な大きさに 形成されている。このように、小型の筺体に収納されており、しかも前記バッテ リ電源15はリチウム電池が用いられているので、本体部1の重さも1.2kgと軽量と なっている。

【００１８】 ＣＰＵ10は、前記操作部2からの発呼オンオフ動作指令値に基づき、各携帯電 話3に対して発呼・切断制御を行うとともに、通信状態を各携帯電話3から検出し て操作部2に出力し、接続状態である場合は電波品質状態を各携帯電話3から検出 して格納メモリ11に記録させる。なお、本形態例では、複数の携帯電話変換用イ ンタフェイス12ａ〜12dが形成されており、以上の制御については各携帯電話3に 対する同時制御が行えるようになっている。

【００１９】 測定データ格納メモリ11は、検出した測定値を格納する記録手段であり、必要 があれば、解析用の端末（図示なし）に、格納された測定値を出力することにな る。携帯電話変換用インタフェイス12は、各携帯電話3と本体部1との間でデータ を信号変換させて入出力させるための手段であり、本形態例では、４箇所設けら れている。データ出力端末用インタフェイス13は、解析用の端末（図示なし）に 、前記メモリ11に格納された測定値を出力させるための手段である。操作部用イ ンタフェイス14は、前記操作部2に対する信号の入出力のための手段であり、そ こには接続ケーブル4のコネクタ（図示なし）が接続される。

【００２０】 前記操作部2は、操作ボタン群20とディスプレイ21とからなり、操作ボタン群2 0は５個のボタンからなり、またディスプレイ21はカナ文字１６桁×１行、すな わち最大１６文字表示の簡易形式であることから、それらは縦60mm×横130mm× 厚み20mmの薄型筺体に形成されており、十分片手で握って持てるハンディ型とな っている。

【００２１】 操作ボタン群20の一は電源スイッチ、他の一は発呼オンオフスイッチ、他の一 は測定ポイント切替スイッチ、他の一は携帯電話の選択切替スイッチである。上 述のように、本形態例は４つの携帯電話3a〜3dのすべての電波品質を同時に測定 できる制御となっており、選択切替スイッチで４つすべての携帯電話3a〜3dの発 呼が選択できる。なお、本形態例では、構成の簡易化を徹底させるため、測定ポ イントの自動検出化機構（例えばカーナビゲーションシステム）は採用しておら ず、代わりに、予め測定するポイントを決め、そのポイントを計画通りの順番で 測定するものとしており、このため、決められた順番とポイントとを一致させる 必要があることから、前記測定ポイント切替スイッチが設けられているものであ る。

【００２２】 ディスプレイ21は、各携帯電話3の通信状態を表示するものであり、それによ り、操作者の電波品質測定作業の確認を行わせるものである。本形態例では、通 信状態を７段階に分け、各段階を０から６の数字に置き換えて表示させる。その 一例として、０は通話イベントなし、１は発呼成功、２は正常切断、３は発呼失 敗、４は異常切断、５は話し中、６は圏外となる。表示が３〜５の場合は、リト ライする必要があり、原則として、接続可能となるまで、その測定ポイントにお いて測定作業が続行されることになる。このように、通信状態を７段階に分け、 １文字の数字に置き換えて表示させているので、最大１６文字しか表示できない 簡易型ディスプレイ21であっても、４つの携帯電話3の通信状態を一度に表示さ せることができるものとなっている。

【００２３】 以上のように、本形態例は、きわめてコンパクトな構成よりなる。このため、 操作部2を手に持ちながら、本体部1を例えばデイバッグに収納した状態で持ち運 びができ、その状態で、手に持った操作部2のボタン群20を操作すれば、各携帯 電話3が自動的に発呼され、その通信状態をディスプレイ21で確認しながら、そ の測定ポイントにおける電波品質を正確に検出できることになる。すなわち、屋 内用の測定装置としては最適な装置構成であり、また外部からは操作部2と接続 ケーブル4が多少見えるぐらいであることから、よもや携帯電話3を発呼している ようには見えず、操作者（調査者）も他者の目を気にせず安心して測定すること ができる。さらに、本形態例では、複数の携帯電話3の電波品質を測定できるも のとなっており、異なる携帯電話サービス会社の携帯電話3をそれぞれ接続させ る構成とすれば、その測定ポイントにおける自社を含めた複数社の電波品質の比 較ができ、他社の測定値が自社に比して良好な場合は、その他社のアンテナの向 きや設置ポイントなどを参考にすることで、電波品質の改善を容易に行うことが できる一方、自社の測定値が他社のものと比較して良好な場合は、自社のセール ス情報として有効に利用できるというメリットがある。

【００２４】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案に係るインドア試験用携帯電話電波品質測定装 置によれば、装置構成がきわめてコンパクトとなるので、屋内に持ち運ぶことが 可能であり、また操作部の入力手段に対する操作で、発呼・切断、通信状態及び 電波品質の測定まで自動的に処理が行われるので、きわめて効率的に測定作業が 行えるものとなる。

【００２５】 また、本体部及び携帯電話をバッグ等に収納すれば、外部からは、操作部と接 続ケーブルが多少見えるぐらいであることから、よもや携帯電話を発呼している ようには見えず、調査者も他者の目を気にせず安心して測定することができる。 このため、調査者は挙動不審な人物と見られることもなくなり、調査者の精神的 負担も格段に減少する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の具体的形態例の概略を示す説明図であ
る。

【図２】本体部の内部の装置構成を示す説明図である。

【符号の説明】

1 本体部 2 操作部 3 携帯電話 4 接続ケーブル

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 携帯電話発呼のオンオフ動作指令値入力
   手段と、通信状態を簡易的に表示する小型ディスプレイ
   とを備えた操作部と、 前記オンオフ動作指令値に基づく携帯電話の発呼制動制
   御、通信状態及び接続中の電波品質を検出する制御の各
   制御を行う制御手段と、検出した測定値を記録できるメ
   モリとを小型の筺体に収納させた本体部とからなり、 該本体部と前記操作部とを、接続線を介して分離させた
   ことを特徴とするインドア試験用携帯電話電波品質測定
   装置。
2. 【請求項２】 小型ディスプレイの表示として、通信状
   態を任意の段階に分け、各段階を簡易的な記号または数
   字で表示させたことを特徴とする請求項１のインドア試
   験用携帯電話電波品質測定装置。
3. 【請求項３】 異なる携帯電話サービス会社の携帯電話
   をそれぞれ接続させ、各携帯電話の電波品質を同時に測
   定させることを特徴とする請求項１または請求項２のイ
   ンドア試験用携帯電話電波品質測定装置。