JP3075234U - 天然石風抗菌性コンクリートタイル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 厨房、食品工場または食品保管庫などの壁面
や床面の美観をできるだけ長期間維持するとともに、衛
生管理を確実にするための手段を低コストで提供する。 【解決手段】 ポルトランドセメントに、抗菌剤、水性
エマルジョン樹脂および耐アルカリ性ガラス繊維を配合
したセメントモルタルに、天然石材料を含む骨材を添加
してなる表面層と、ポルトランドセメントと砂とからな
る基盤層の二層から天然石風抗菌性コンクリートタイル
を構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は天然石風の外観を持ち、かつ抗菌性を有するコンクリートタイルに関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、例えば食堂やレストランの厨房、食品工場あるいは食品保管庫において 床面や壁面に美観と抗菌性を与えるための手段として、表面を着色材や抗菌剤を 含有する塗料で塗装することが行われていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

表面塗装により床面や壁面に美観や抗菌性を与える方法は厨房、食品工場また は食品保管庫などにおいては衛生管理上清掃に多量の水や高温の水蒸気を使用し たり、各種薬品の使用があったり、あるいは大型重量物が運搬されるなどのため 、床面、壁面の劣化が促進され表面の剥離、亀裂などの欠陥が早期に発生し、美 観を損ね、ひいては雑菌の温床になるなどの問題があった。

【０００４】 本考案は、上記従来の技術が有するこのような問題点に鑑みてなされたもので あり、壁面や床面に使用されるコンクリートタイルに天然石風の美観を与えると ともに、高強度、耐衝撃性、耐磨耗性などの耐久性を与え、かつ抗菌性、耐薬品 性に優れた天然石風抗菌性コンクリートタイルをできるだけ低コストで提供する ことを目的にしたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案における天然石風抗菌性コンクリートタイル は、ポルトランドセントに抗菌剤、水性エマルジョン樹脂および耐アルカリ性ガ ラス繊維を配合したセメントモルタル１に、天然石材料を含む骨材２を混合して なる表面層Ａと、ポルトランドセメントと砂からなる基盤層Ｂの二層から構成さ れる。

【０００６】 抗菌剤はコンクリートタイルのバルクに存在する部分は抗菌作用に寄与するこ とは少ないので表面層Ａにのみ配合して原材料費を節減するようにするとともに 、表面の剥離や亀裂を防ぐため耐アルカリ性ガラス繊維と水性エマルジョン樹脂 を表面層Ａに配合した。 特に、水性エマルジョン樹脂を表面層に配合することにより、表面層Ａと基盤 層Ｂの接着をより強固にし、衝撃等により表面層Ａの剥離、脱落または亀裂を防 止できるようにした。

【０００７】

【考案の実施の形態】

考案の実施の形態について図面を参照して説明する。 図１において表面層Ａはポルトランドセメントに抗菌剤、水性エマルジョン樹 脂、および耐アルカリ性ガラス樹脂を配合したセメントモルタル１と天然石材料 を含む骨材２から構成される。 基盤層Ｂはポルトランドセメントと砂からなっている。

【０００８】 高価な材料は表面層Ａにのみ配合し、基盤層Ｂはポルトランドセメントと砂と からなり比較的安い材料で作られているため材料費を少なくすることができる。 また、水性エマルジョン樹脂としてはポリアクリル酸エステルとそのコポリマ ー、ポリ酢酸ビニール、やゴムラテックス、その他各種熱可塑性樹脂エマルジョ ンや熱硬化性樹脂エマルジョン等が使用できる。 また、天然石材料としては、みかげ石や大理石等の天然石の砕石や玉石があり 骨材として砂も使用される。 また、耐アルカリ性ガラス繊維のほか、スチールファイバー、カーボンファイ バーなども使用できる。 抗菌剤は無機系、有機系などいろいろあるが、銀イオン無機系が長期間効能を 発揮することができる。

【０００９】

【実施例】

厚さを３０ｍｍの天然石風抗菌性コンクリートタイルを製造する場合、表面層 Ａの厚さはおおむね１０ｍｍ、基盤層の厚さは２０ｍｍとする。 この場合、配合する天然石は径が１０ｍｍ以下であることが好ましい。 また、表面層Ａの原料の配合は以下のとおりにする。 セメントモルタル１は、ポルトランドセメントの重量に対し、０．５〜３％の 抗菌剤、０．５〜２％のガラス繊維、水性エマルジョン樹脂５〜２０％および必 要に応じ、３〜５％の着色剤を配合して製造される。

【００１０】 以上の如く、製造されたセメントモルタル重量で４０部に対し、骨材２として 天然石材料を含む骨材２を重量で６０部混合して表面層Ａが形成される。 このときの天然石材料として大理石やみがげ石などの天然石の砕石、玉石、ま たは玉砂利が使用され、場合によっては擬石用砕石やセラミックスなども使用さ れる。

【００１１】 また、骨材２としては砂も使用される。 基盤層Ｂの配合は重量比でポルトランドセメントと対し川砂との重量比を１： ２とする。図１に本考案の天然石風抗菌性コンクリートタイルの断面図を示す。 また、本考案の天然石風抗菌性コンクリートタイルの製造工程を示すフローチ ャートを図２に示す。

【００１２】 上記の配合で表面層Ａの材料と基盤層Ｂの材料を適量の水を加えたのち別々に ミキサーで混練し、型枠にまず基盤層Ｂの材料を流し込み、その上に表面層Ａの 材料を流し込み合体する。

【００１３】 次に３０ｃｍ×３０ｃｍの面積の天然石風抗菌性コンクリートタイルの場合、 １５０ｋｇの荷重で加圧し成型する。

【００１４】 その後図２に示すごとく蒸気ボイラーで約８時間加熱養生し、そのあと適宜自 然養正を行う。

【００１５】 養生後、平面研削盤で表面層Ａの表面Ｓを研削したのち自動研磨機で表面Ｓを 研磨して、仕上げ製品とする。

【考案の効果】

本考案の天然石風抗菌性コンクリートタイルは美観的に優れ、その上抗菌性を 半永久的に保持するため、塗装による場合のように定期的に塗り替える必要がな く、壁面、床面を美観的衛生的に管理することが容易である。

【００１６】 また、本考案の天然石風抗菌性コンクリートタイルは高強度、耐衝撃性、耐磨 耗性などの耐久性とともに、抗菌性、耐薬品性にも優れている。

【００１７】 また、本考案は高価な原材料は表面層Ａにのみ使用し、基盤層Ｂは比較的安価 な原材料を使用しているため製造原価を軽減でき経済的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る天然石風抗菌性コンクリートタイ
ルの断面図である。

【図２】本考案に係る天然石風抗菌性コンクリートタイ
ルの製造工程を示すフローチャートである。

【符号の説明】

Ａ 表面層 Ｂ 基盤層 Ｓ 表面 １ セメントモルタル ２ 骨材

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ Ｃ０４Ｂ 24:26 14:34） 111:20

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ポルトランドセメントに、抗菌剤、水性
   エマルジョン樹脂、および耐アルカリ性ガラス繊維を配
   合したセメントモルタルに、天然石材料を含む骨材を配
   合してなる表面層と、ポルトランドセメントおよび砂と
   からなる基盤層の二層から構成されることを特徴とする
   天然石風抗菌性コンクリートタイル。
2. 【請求項２】 表面層の天然石材料が大理石又はみかげ
   石の砕石や玉石であることを特徴とする請求項１記載の
   天然石風抗菌性コンクリートタイル。