JP3074879B2 - 塗装性の優れる熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
塗装性の優れる熱可塑性樹脂組成物Info
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Description
優れた樹脂組成物に関する。
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹
脂は、耐衝撃性及び成形加工性に優れているため自動
車、家庭電化製品などの各分野で広く利用されている。
一般に、ABS樹脂は、特公昭39−336号公報に開
示されているように、シアン化ビニルの割合を15〜4
0重量%の範囲としたグラフト共重合体及び共重合体を
配合して用いる。また、ABS樹脂は、耐薬品性や塗装
性に優れていることから、塗装して利用する用途も拡大
している。
ニル化合物の割合が大きな効果をもつことが知られてお
り、シアン化ビニル化合物の割合を増加する方法によ
り、耐薬品性や塗装性を改良できることが考えられる。
しかし、単純にシアン化ビニル化合物の割合を増加する
だけでは、塗装性能の中で、塗装時のシンナーによるス
トレスクラックの防止やレベリング不良の改良に対して
有効であっても、塗膜の密着性は大きく劣るものであっ
た。しかも、塗膜の耐水性や耐湿性および薬品や溶剤に
対する塗膜剥がれなどの不良現象が甚だしくなる欠点を
新たに生じるものであった。
に、容易に塗膜が剥離するという密着不良や耐衝撃性の
低下を生ずるなど実用的に利用できるものではなかっ
た。このように、塗装特性としては、ストレスクラック
防止、塗膜の密着性だけでなく、さらに、塗膜の鮮映
性、塗膜の耐水性や耐湿性、薬品や溶剤に対する塗膜剥
がれの不良現象の改良及び塗装後の耐衝撃性など多岐に
及ぶ特性が要求されているのである。
アン化ビニルの割合を規定する方法としては、例えば、
特公昭60−28311号公報、及び特公昭60−28
312号公報において、グラフト共重合体のシアン化ビ
ニルの割合を32〜37重量%、共重合体のシアン化ビ
ニルの割合を20〜37重量%としたり、20〜32重
量%と32〜37重量%の異なるシアン化ビニルの割合
を持つグラフト共重合体を配合する方法が開示されてい
る。
合体のシアン化ビニルの割合が低いため、充分な効果を
あげるに至らず、また、耐衝撃性についても、グラフト
共重合体と共重合体のシアン化ビニルの割合が大きく異
なる場合には、著しい低下がみられることがあり、優れ
た塗装性能と耐衝撃性を保持する改良を示すものではな
かった。また、特公昭63−30953号公報では、2
0〜35重量%のシアン化ビニルを含むグラフト共重合
体に、38〜65重量%とそれより高いシアン化ビニル
の割合をもつ共重合体を配合する方法により、塗装性を
改良することを開示している。
ラックには効果があるが、グラフト共重合体のシアン化
ビニル化合物の割合が低いため、塗装性能の実用特性を
すべて満足するには不十分であり、塗膜の耐水性や耐湿
性および薬品や溶剤に対する塗膜剥がれなどの不良現象
の改良効果に乏しいものであった。また、特開昭59−
226050号公報では、スチレン系樹脂にポリスチレ
ン、高耐衝撃性ポリスチレンを添加して塗装性の改良を
行っている。しかし、この方法では耐薬品性の劣る成分
が添加されるため、塗膜の鮮映性、塗膜の耐水性や耐湿
性および塗膜の耐薬品性の改良が充分でなかった。
ル系グラフト共重合体及び共重合体を配合した組成物に
おいて、グラフト共重合体と該グラフト共重合体より低
いシアン化ビニル化合物の割合をもつ共重合体を特定の
割合で配合することにより、成形品の塗装性能である鮮
映性、塗膜の密着性、耐水性、耐湿性および耐薬品性に
優れ、かつ耐衝撃性の優れた樹脂組成物を提供するもの
である。
について鋭意検討した結果、芳香族ビニル系グラフト共
重合体及び共重合体を配合した組成物において、グラフ
ト共重合体と該グラフト共重合体より低いシアン化ビニ
ル化合物の割合をもつ共重合体を特定の割合で配合する
ことにより、成形品の塗装性能である鮮映性、塗膜の密
着性、耐水性、耐湿性及び耐薬品性に優れ、かつ耐衝撃
性の優れた樹脂組成物が得られることを見出し、本発明
に至った。
10〜40重量部の存在下に、芳香族ビニル化合物30
〜60重量部、シアン化ビニル化合物15〜40重量
部、α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル0〜2
0重量部及び必要に応じてこれらと共重合可能な不飽和
単量体の中から選ばれた1種以上の単量体0〜20重量
部をグラフト共重合させたグラフト共重合体において、
単量体の総計に対するシアン化ビニル化合物の割合(G
N)が36〜50重量%の範囲であるグラフト共重合体
40〜90重量部と(B)芳香族ビニル化合物30〜7
0重量部、シアン化ビニル化合物30〜50重量部、
α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル0〜20重
量部及び必要に応じてこれらと共重合可能な不飽和単量
体の中から選ばれた1種以上の単量体0〜20重量部を
共重合させた共重合体において、単量体の総計に対する
シアン化ビニル化合物の割合(FN)が、25〜40重
量%である共重合体10〜60重量部からなる組成物に
おいて成分(A)のGNと成分(B)のFNとの差であ
る(GN−FN)が、+4以上であり、かつ成分(A)
のグラフトしていない共重合体の重量(Gw)と成分
(B)の共重合体の重量(Bw)との比である(Bw)
/(Gw)が、0.1〜2.0の範囲となることを特徴
とする塗装性及び耐衝撃性の優れた樹脂組成物に関す
る。
る。本発明に用いる(A)成分におけるゴム状重合体
は、本発明の組成物の耐衝撃性を改良するためにエラス
トマーの性質を持つ重合体である。このような重合体と
しては、例えば、ジエン系重合体、例えば、ポリブタジ
エン、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリ
ロニトリルゴム、ブタジエン−イソプレンゴム、ポリイ
ソブチレン、炭素数1〜13のアルキルをもつポリアル
キルアクリレート、例えば、エチルアクリレート、プロ
ピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレートなどが挙げられる。
リアルキルメタクリレート、例えば、ブチルメタクリレ
ート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレー
ト、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタ
クリレートなどが挙げられる。さらに、ゴム状重合体の
柔軟性を損なわない範囲において、エチレングリコール
ジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、ジエチレングリコールジメタクリレート、プロピレ
ングリコールジメタクリレート、ジシクロペンタジエン
アクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレー
ト、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレ
ートなどの多官能性化合物を用いて架橋した共重合体と
してもよい。
レン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン
ゴム、スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体、スチ
レン−ブタジエン系ブロック共重合体の水素添加重合
体、スチレン−イソプレン系ブロック共重合体、スチレ
ン−イソプレン系ブロック共重合体の水素添加重合体、
シリコーンゴム等も使用することができる。
重合または重合体を乳化剤などにより乳化する方法など
により得られる。該ゴム状重合体の平均粒子径は、組成
物の表面光沢、耐衝撃性および耐薬品性を向上させるた
めに、0.03〜1.0μmの範囲であることが好まし
い。さらに好ましくは0.08〜0.5μm、最も好ま
しい範囲は0.1〜0.35μmである。0.03μm
未満であると耐衝撃、耐薬品性に劣る。1.0μmを越
えると表面光沢や耐衝撃性に劣る。
する単量体としては、芳香族ビニル化合物、シアン化ビ
ニル化合物、α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステ
ル及び必要に応じてこれらと共重合可能な不飽和単量体
の中から選ばれた1種以上の単量体を用いる。
チレン、α−メチルスチレン、クロル化スチレン、ブロ
ム化スチレンなどのハロゲン化スチレン、ビニルトルエ
ン、ジメチルスチレンなどのアルキル化スチレン、ビニ
ルナフタレン等が用いられ、これらは混合して用いても
良い。これらの中でスチレンが好ましい。また、シアン
化ビニル化合物としては、例えば、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル等が用いられる。これらの中では、
アクリロニトリルが好ましい。
エステルとしては、炭素数1〜10のアルキル基を持つ
アルキルアクリレート、例えば、メチルアクリレート、
エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルア
クリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ヒドロ
キシエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレー
ト、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレートなど
や炭素数1〜10のアルキル基を持つアルキルメタクリ
レート、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレ
ート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ヒドロキシ
エチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、シ
クロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレー
ト、ベンジルメタクリレートなどが挙げられる。
和単量体としては、N−置換マレイミド類、α、β−不
飽和カルボン酸、無水マレイン酸などを用いてもよい。
N−置換マレイミド類としては、マレイミド、N−メチ
ルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フ
ェニルマレイミドなどが挙げられる。α、β−不飽和カ
ルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸などが挙
げられる。
重合体10〜40重量部、好ましくは20〜40重量部
に、グラフト共重合に用いる単量体90〜60重量部、
好ましくは、80〜60重量部を用いる。また、各単量
体の割合は、芳香族ビニル50〜64重量%、好ましく
は40〜55重量%、シアン化ビニル36〜50重量
%、好ましくは37〜45重量%、α、β−不飽和カル
ボン酸アルキルエステル0〜20重量%、好ましくは0
〜15重量%及び他の共重合可能な不飽和単量体0〜2
0重量%であり、単量体合計で100重量%となる構成
である。
ビニル化合物の割合(GN)が36〜50重量%の範囲
となるグラフト共重合体である。グラフト共重合体は、
単量体を混合してか、あるいは段階的に60〜90重量
部の割合でグラフト共重合させることにより得られる。
ると、得られた組成物の耐衝撃性が充分ではなく、40
重量部を越えると塗膜の鮮映性、成形加工性や熱安定性
が低下する。各単量体の割合は、芳香族ビニルが64重
量%を越えると鮮映性や耐薬品性が低下し、50重量%
未満であると成形加工時の熱安定性が損なわれたり、塗
膜の付着性が低下する。また、シアン化ビニルが、36
重量%未満であると塗装時のストレスクラック、レベリ
ングが悪く鮮映性が低下する。50重量%を越えると、
成形加工時の熱安定性が損なわれたり、塗膜の付着性が
低下する。α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル
は、塗装性を低下しない範囲において0〜20重量%、
好ましくは0〜15重量%の割合で用いる。
対してグラフトした単量体の割合を示すグラフト率は、
30〜70%の範囲となることが好ましい。30%未満
であると塗膜の鮮映性や耐衝撃性に劣り、70%を越え
ると耐衝撃性に劣る。また、ゴム状重合体に対してグラ
フトしていない共重合体の割合(Fw)は、以下の方法
により測定し、次式によって求めた。
表す)を溶媒、例えば、アセトン、メチルエチルケト
ン、テトラヒドロフランなどに浸せき溶解した後、遠心
分離し、溶解した成分をデカンテーションにて分取し、
貧溶媒、例えば、メタノール、エタノールなどに再沈し
て共重合体を得て、重量(この値をbで表す)を測定し
た。そして、次式によりFwを求めた。
は、乳化重合、懸濁重合、塊状重合および溶液重合等の
公知の重合方法によって製造される。本発明に用いる
(B)成分である共重合体は、芳香族ビニル化合物、シ
アン化ビニル化合物、α、β−不飽和カルボン酸アルキ
ルエステル及び必要に応じてこれらと共重合可能な不飽
和単量体の中から選ばれた1種以上の単量体を共重合さ
せた共重合体である。
例えば、スチレン、α−メチルスチレン、クロル化スチ
レン、ブロム化スチレンなどのハロゲン化スチレン、ビ
ニルトルエン、ジメチルスチレンなどのアルキル化スチ
レン、ビニルナフタレン等が用いられ、これらは混合し
て用いてもよい、これらの中でスチレンが好ましい。ま
た、シアン化ビニル化合物としては、例えば、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル等が用いられる。これら
の中では、アクリロニトリルが好ましい。
しては、炭素数1〜10のアルキル基を持つアルキルア
クリレート、例えば、メチルアクリレート、エチルアク
リレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、ヒドロキシエチ
ルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、フェニ
ルアクリレート、ベンジルアクリレートなどや炭素数1
〜10のアルキル基を持つアルキルメタクリレート、例
えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−
エチルヘキシルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタ
クリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニル
メタクリレート、ベンジルメタクリレートなどが挙げら
れる。これらの中では、メチルメタクリレート、メチル
アクリレート、フェニルメタクリレート、フェニルアク
リレート、シクロヘキシルメタクリレートが好ましい。
和単量体としては、N−置換マレイミド類、α、β−不
飽和カルボン酸、無水マレイン酸などを用いてもよい。
N−置換マレイミド類としては、マレイミド、N−メチ
ルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フ
ェニルマレイミドながが挙げられる。これらの中では、
N−フェニルマレイミドが好ましい。α、β−不飽和カ
ルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸などが挙
げられる。
0〜75重量%、好ましくは60〜70重量%、シアン
化ビニル25〜40重量%、好ましくは30〜40重量
%、α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル0〜2
0重量%、好ましくは0〜15重量%及び他の共重合可
能な不飽和単量体0〜20重量%であり、単量体合計で
100重量%となる構成である。すなわち、単量体の総
計に対するシアン化ビニル化合物の割合(FN)が、2
5〜40重量%である共重合体である。共重合体は、単
量体を混合してか、あるいは段階的に共重合させること
により得られる。
75重量%を越えると鮮映性や耐薬品性が低下し、60
重量%未満であると成形加工時の熱安定性が損なわれた
り、塗膜の付着性が低下する。シアン化ビニルの割合
は、25重量%未満であると塗装時のストレスクラッ
ク、レベリングが悪く鮮映性が低下し、40重量%を越
えると、成形加工時の熱安定性が損なわれたり、塗膜の
付着性が低下する。α、β−不飽和カルボン酸アルキル
エステルは、塗装性を低下しない範囲において、0〜2
0重量%、好ましくは0〜15重量%の割合で用いる。
これらの共重合体は、乳化重合、懸濁重合、塊状重合お
よび溶液重合等の公知の重合方法によって製造される。
グラフト共重合体(A)40〜90重量部と共重合体
(B)60〜10重量部からなり、合計で100重量部
となる組成物となる。また、上記配合割合において、成
分(A)のシアン化ビニルの割合(GN)と成分(B)
のシアン化ビニルの割合(FN)との差である(GN−
FN)が、+4以上となる組合せであり、かつ成分
(A)のグラフトしていない共重合体の重量(Gw)と
成分(B)の共重合体の重量(Bw)との比である(B
w)/(Gw)が、0.1〜2.0の範囲となることが
必要である。
衝撃性および耐薬品性が低下し、また90重量部を越え
ると、塗装性が劣り、熱変形温度や機械強度性が低下す
る。このような意味において、さらに好ましくは50〜
80重量部である。成分(B)は、塗装性や成形加工性
を優れたものにするために、さらに、好ましくは40〜
10重量部の範囲で用いる。
(GN)と成分(B)のシアン化ビニルの割合(FN)
との差である(GN−FN)のさらに好ましい範囲は+
5〜+10である。+5未満であると、成形品での塗膜
の付着性や耐水性及び耐湿性などが劣る。+10を越え
ると耐衝撃性に劣る。また、成分(A)のグラフトして
いない共重合体の重量(Gw)と成分(B)の共重合体
の重量(Bw)との比である(Bw)/(Gw)は、さ
らに好ましくは0.3〜1.5である。0.3未満であ
ると塗膜の付着性、耐水性および耐湿性が劣り、1.5
を越えるとソルベントクラック防止性および鮮映性に劣
る。
重合体のシアン化ビニルの割合(FN)の異なる共重合
体の1種以上を組み合わせて用いてもよい。その場合に
は、用いた成分(B)の共重合体の1種以上が、成分
(A)のGNと成分(B)のシアン化ビニル化合物の割
合(FN)との差である(GN−FN)が、+4以上で
あり、かつ成分(A)のグラフトしていない共重合体の
重量(Gw)と該共重合体の重量(Bw)との比である
(Bw)/(Gw)が、0.1〜2.0の範囲となるこ
とが必要である。
れるものではなく、公知の技術、例えば、ヘンシェルミ
キサー、タンブラー、ブレンダー等で粉体及び粒状物を
混合し、これを押出機、ニーダー、ミキサー等で溶融混
合する方法、予め溶融させた樹脂に他の樹脂を逐次混合
する方法等の各種の方法で製造することができる。本発
明の樹脂組成物には、その物性を損なわない範囲におい
て、所望に応じて、各種添加剤、染料、顔料、光安定
剤、酸化防止剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助
剤、有機充填剤、無機充填剤等を予め混合してもよい。
が、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
ス(膨潤度25、固形分換算30重量%)1000重量
部、乳化剤〔アルケニルコハク酸カリウム(アルケニル
基C13〜C15である)〕2重量部の重合槽に仕込み、撹
拌しながら、窒素気流中で70℃に昇温し、これに、ス
チレン420重量部、シアン化ビニル280重量部、ク
メンハイドロパーオキサイド2重量部、t−ドデシルメ
ルカプタン0.7重量部の混合液と蒸留水500重量部
にソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート1.0重
量部、硫酸第1鉄(FeSO4 ・7H2 O)0.01重
量部、エチレンジアミン4酢酸・2Na塩0.4重量部
を溶解させた水溶液を6時間にわたって添加することに
より重合を行った。
重合を終えた。重合率は96%であった。得られた共重
合体ラテックスは、凝集塩析した後、洗浄、乾燥して、
白色固体を得た。このグラフト共重合体のシアン化ビニ
ルの割合(GN)は、反応率から39.5重量%であっ
た。また、グラフトしていない共重合体の割合(Fw)
は55重量%であった。
ス(膨潤度20、固形分換算30重量%)1000重量
部、乳化剤(不均化ロジン酸カリウム)2重量部を重合
槽に仕込み、撹拌しながら、窒素気流中で70℃に昇温
し、これに、スチレン380重量部、アクリロニトリル
220重量部、クメンハイドロパーオキサイド2重量
部、t−ドデシルメルカプタン0.5重量部の混合液と
蒸留水500重量部にソジウムホルムアルデヒドスルホ
キシレート1.0重量部、硫酸第1鉄(FeSO4 ・7
H2 O)0.01重量部、エチレンジアミン4酢酸・2
Na塩0.3重量部を溶解させた水溶液を6時間にわた
って添加することにより重合を行った。得られた共重合
体ラテックスは、凝集塩析した後、洗浄、乾燥して白色
固体を得た。このグラフト共重合体のシアン化ビニルの
割合(GN)は、反応率から36.1重量%であった。
また、グラフトしていない共重合体の割合(Fw)は5
6重量%であった。
(膨潤度15、固形分換算40重量%)1000重量
部、スチレン280重量部、アクリロニトリル220重
量部を用いた以外は、参考例1と同様にして重合を行っ
た。重合率は95%であった。このグラフト共重合体の
シアン化ビニルの割合(GN)は、反応率から43.2
重量%であった。また、グラフトしていない共重合体の
割合(Fw)は41重量%であった。
ルフォン酸ナトリウム)3重量部を重合槽に仕込み、撹
拌しながら、窒素気流中で70℃に昇温し、これに、第
1段目の重合として、ブチルアクリレート300重量
部、トリアリルイソシアヌレート1.5重量部、過硫酸
アンモニウム0.07重量部、乳化剤(ドデシルベンゼ
ンスルフォン酸ナトリウム)0.5重量部の混合液を2
時間にわたって添加することにより重合を行った。
て、スチレン300重量部、アクリロニトリル220重
量部、メチルメタクリレート80重量部、過硫酸アンモ
ニウム0.1重量部、t−ドデシルメルカプタン0.1
重量部の混合液を6時間にわたって添加することにより
重合を行った。1時間撹拌を継続し、重合を終えた。重
合率は96%であった。得られた共重合体ラテックス
は、凝集塩析した後、洗浄、乾燥して白色固体を得た。
このグラフト共重合体のシアン化ビニルの割合(GN)
は、反応率から36.0重量%であった。また、グラフ
トしていない共重合体の割合(Fw)は51重量%であ
った。
ロニトリル240重量部とした以外は、参考例4と同様
にして重合を行った。重合率は98%であった。このグ
ラフト共重合体のシアン化ビニルの割合(GN)は、反
応率から39.0重量%であった。また、グラフトして
いない共重合体の割合(Fw)は49重量%であった。
(膨潤度25、固形分換算30重量%)1000重量
部、スチレン350重量部、アクリロニトリル150重
量部を用いた以外は、参考例2と同様にして重合を行っ
た。重合率は98%であった。このグラフト共重合体の
シアン化ビニルの割合(GN)は、反応率から29.8
重量%であった。また、グラフトしていない共重合体の
割合(Fw)は43重量%であった。
ス(膨潤度25、固形分換算40重量%)1000重量
部、スチレン330重量部、アクリロニトリル170重
量部を用いた以外は、参考例2と同様にして、重合を行
った。重合率は95%であった。このグラフト共重合体
のシアン化ビニルの割合(GN)は、反応率から33.
2重量%であった。また、グラフトしていない共重合体
の割合(Fw)は45重量%であった。
酸カリウム2.0重量部を加えて溶解させ、アクリロニ
トリル30重量部、スチレン70重量部およびt−ドデ
シルメルカプタン0.5重量部の混合液と蒸留水500
重量部にソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート
0.2重量部を加え、水溶液を6時間にわたって添加す
ることにより重合を行った。添加終了後、さらに1時間
撹拌を継続し、重合を終えた。重合率は95%であっ
た。得られた共重合体ラテックスは、凝集塩析した後、
洗浄、乾燥して、白色固体を得た。
る以外は、参考例8と同様な操作を行い共重合体を得
た。
る以外は、参考例8と同様な操作を行い共重合体を得
た。
る以外は、参考例8と同様な操作を行い共重合体を得
た。
チルアクリレート10重量部とする以外は、参考例8と
同様な操作を行い共重合体を得た。
チルアクリレート10重量部とする以外は、参考例8と
同様な操作を行い共重合体を得た。
共重合体(B−2)40重量部を配合し、ヘンシェルミ
キサーで予備混合した。次に、押出機を用いて溶融混合
し、ペレット化した。次に、このペレットを射出成形機
により形成することにより、試験片を作製し、物性を評
価した。その結果を表1,表2に示す。なお、以下の実
施例及び比較例で示した特性は、次の方法によって測定
した。
D−638に準じて測定した。 (2)アイゾット衝撃強度 :ASTM D−256
の方法に準じて測定した。(ノッチ付き 厚み1/4イ
ンチ) (3) 塗装試験 :平板試験片(100×100mm
厚み3mm)に、ウレタン系塗料(ハイウレタン No
5000:日本油脂製)を膜厚が約40μm(乾燥後)
となるようにスプレー塗装、乾燥を行った後、塗装表面
の外観観察、鮮映性測定、付着試験、耐水性試験及び耐
湿性試験を行った。
いもの。 △ : ストレスクラックがややみられるもの。 × : ストレスクラックが著しいもの。 (3−B)鮮映性測定 表面の写像の状態を測定するため、写像測定装置(スガ
試験機製)を用いて鮮映性を測定した。(測定値を百分
率で表し、100が最も優れた値を示す)。
00に準じて測定した。塗装後、23℃×60%RHに
て1時間放置した後、マルチクロスカッターにて、1×
1mmの基盤目を100個作成し、JISセロハンテー
プを使用して剥離試験を行った。試験結果は、剥離しな
い基盤目数/基盤目数で表示した。 (3−D)耐水性試験 :上記試験片を、50℃の温水
に100時間浸漬した後、23℃×60%RHにて24
時間放置してから(3−C)と同様な基盤目法により、
剥離試験を行った。試験結果は、剥離しない基盤目数/
基盤目数で表示した。
0×12.7×3mm)に、23℃にて、非イオン系海
面活性剤エマルゲン109P(花王製)を接触させて、
24時間放置した時のクラック発生の有無を調べた。 (5)落錘衝撃試験 :成形片の塗膜面を上向きにし
て、試料支持台の中央に置き、半径6.35±0.03
mmの半球型の先端を持つ重りを落下させて、衝撃エネ
ルギー(荷重×高さ:kg・cm)を測定した。
て、以下の操作を実施例1と同様に行い、各物性を評価
し、表1,表2に示した。
て、以下の操作を実施例1と同様に行い、各物性を評価
し、表3に示した。以上の実施例1〜8及び比較例1〜
5の総合評価を表4に示す。表4の総合評価から、本発
明の組成物は、塗装性および耐衝撃性に優れ、良好な物
性バランスを示すことが明確にわかる。
共重合体と共重合体を配合した組成物において、グラフ
ト共重合体と該グラフト共重合体より低いシアン化ビニ
ルの割合をもつ共重合体を特定の割合で配合することに
より、成形品の塗装性能である鮮映性、塗膜の密着性、
耐水性、耐湿性および耐薬品性に優れ、かつ耐衝撃性に
優れた樹脂組成物が得られるという効果がある。
Claims (2)
- 【請求項1】 (A)ゴム状重合体10〜40重量部の
存在下に、芳香族ビニル化合物30〜60重量部、シア
ン化ビニル化合物15〜40重量部、α、β−不飽和カ
ルボン酸アルキルエステル0〜20重量部及び必要に応
じてこれらと共重合可能な不飽和単量体の中から選ばれ
た1種以上の単量体0〜20重量部をグラフト共重合さ
せたグラフト共重合体において、単量体の総計に対する
シアン化ビニル化合物の割合(GN)が36〜50重量
%の範囲であるグラフト共重合体40〜90重量部と
(B)芳香族ビニル化合物30〜70重量部、シアン化
ビニル化合物30〜50重量部、α、β−不飽和カルボ
ン酸アルキルエステル0〜20重量部及び必要に応じて
これらと共重合可能な不飽和単量体の中から選ばれた1
種以上の単量体0〜20重量部を共重合させた共重合体
において、単量体の総計に対するシアン化ビニル化合物
の割合(FN)が、25〜40重量%である共重合10
〜60重量部からなる組成物において、 成分(A)のGNと成分(B)とFNとの差である(G
N−FN)が、+4以上であり、かつ成分(A)のグラ
フトしていない共重合体の重量(Gw)と成分(B)の
共重合体重量(Bw)との比である(Bw)/(Gw)
が、0.1〜2.0の範囲となることを特徴とする塗装
性及び耐衝撃性の優れた樹脂組成物。 - 【請求項2】 成分(B)の共重合体において、共重合
体のシアン化ビニルの割合(FN)の異なる共重合体の
1種以上を組み合わせて用いた共重合体であり、用いた
成分(B)の共重合体の1種以上が、成分(A)のGN
と成分(B)のシアン化ビニル化合物の割合(FN)と
の差である(GN−FN)が、+4以上であり、かつ成
分(A)のグラフトしていない共重合体の重量(Gw)
と該共重合体の重量(Bw)との比である(Bw)/
(Gw)が、0.1〜2.0の範囲となることを特徴と
する請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03339406A JP3074879B2 (ja) | 1991-11-29 | 1991-11-29 | 塗装性の優れる熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03339406A JP3074879B2 (ja) | 1991-11-29 | 1991-11-29 | 塗装性の優れる熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0616896A JPH0616896A (ja) | 1994-01-25 |
JP3074879B2 true JP3074879B2 (ja) | 2000-08-07 |
Family
ID=18327178
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03339406A Expired - Lifetime JP3074879B2 (ja) | 1991-11-29 | 1991-11-29 | 塗装性の優れる熱可塑性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3074879B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2308902B1 (en) | 2008-07-08 | 2013-09-11 | Toray Industries, Inc. | Method for manufacturing thermoplastic copolymers |
-
1991
- 1991-11-29 JP JP03339406A patent/JP3074879B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0616896A (ja) | 1994-01-25 |
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