JP3074577B2 - 生コンクリート - Google Patents

生コンクリート

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JP3074577B2
JP3074577B2 JP24290791A JP24290791A JP3074577B2 JP 3074577 B2 JP3074577 B2 JP 3074577B2 JP 24290791 A JP24290791 A JP 24290791A JP 24290791 A JP24290791 A JP 24290791A JP 3074577 B2 JP3074577 B2 JP 3074577B2
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淳 坂本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、β−1,3−グルカン
を含有し、高流動性、高充填性、高分離抵抗性を有する
生コンクリートに特殊な材料を混合した生コンクリート
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生コンクリートに繊維や軽量骨材を混合
して製造した繊維コンクリートや、軽量コンクリートの
技術がすでに広く利用されている。
【0003】
【本発明が解決しようとする問題点】前記した従来の技
術には次のような問題点がある。 <イ>繊維コンクリートでは、繊維が一部に集中し塊り
状(ファイバーボール)となってしまって、曲げ、引張
強度や靭性の増加に貢献しない。したがって繊維を広く
一様に分散させる必要があるが、そのためには繊維を少
量づつ入れたり、長時間の混練作業が必要になるなど、
経済的に不利な条件があった。 <ロ>繊維によって比重が異なるが、そのために比重の
大きい繊維はコンクリートの下部に沈下し、小さい繊推
は上部に浮上するといった分離の問題があった。 <ハ>繊維の周囲にブリージングによる水膜が生じ、そ
こが隙間となってコンクリートと繊維との付着が低下す
ることがあった。 <ニ>軽量骨材は多孔質である。そのために従来の軽量
骨材を混合した軽量コンクリートでは、ホンプで圧送す
る場合にその圧送圧によって骨材の孔内へ水が侵入して
しまう。そのためにコンクリートの移動に必要な水分が
モルタルから骨材へ奪われてスムーズな移動が困難とな
る場合があった。 <ホ>軽量骨材による吸水を防止するためには、混合の
前に骨材に吸水処理を行う必要があり、工程、作業量が
増加していた。なおかつ、過度に吸水させた骨材を使用
すると、ポンプ圧送性は改善されるが、骨材中の水が凍
結することから、今度は耐凍結融解性の低下をまねいて
いた。 <ヘ>従来の軽量コンクリートをポンプ圧送する際に、
こうした吸水による不都合を避けるためには圧力を低下
させる必要があり、その結果圧送できる距離を犠牲にし
なければならなかった。
【0004】
【本発明の目的】本発明はこのような問題を改善するた
めになされたもので繊維が良好に混合され、十分な強度
を得ることのできる繊維コンクリートを提供することを
目的とする。また本発明は、多孔質の軽量骨材を使用し
て高い圧力を与えても、モルタル内の水が骨材に奪われ
ることがなく、良好な品質のコンクリートを長距離圧送
できる、軽量コンクリートを提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
状況の下で完成されたものである。すなわち、本発明
は、セメント系硬化材に、β−1、3−グルカンと、高
性能減水剤とを含有する生コンクリートに、繊維および
(または)軽量骨材を混合した生コンクリートである。
次に、繊維および(または)軽量骨材を混合する以前
の、基礎となる生コンクリートについて説明する。 <セメント>本発明において用いるセメントとしては、
例えば、ケイ石、ケイ藻土、高炉スラグ、フライアッシ
ュ、シリカフュームなどの改質材料を含むポルトランド
セメントにて代表される種々のセメントを挙げることが
できる。上記の改質材料は超微粉末例えばシリカフュー
ム等のシリカ質の超微粉末(200,000cm/g
以上)を併用するとより好ましい効果が得られる。すな
わち、このような超微粉末は一般に使用されるセメント
類の大きさに比べて1オーダ以上小さいため大きな表面
積を有し、そのために粘性が増加し、流動性ならびに充
填性を確保するために必要な分離低減剤の使用量を減少
できる。分離低減剤の使用量が減少する結果、完成した
コンクリートの圧縮強度の向上をはかることができる。
【0006】<β−1,3−グルカン>β−1,3−グ
ルカンは、グルコースが主にβ−1,3−結合によって
結合されている多糖類であって、具体的には、カードラ
ン、パラミロン、パキマン、スクレログルカン、ラミナ
ラン、酵母グルカン等を挙げることができる。本発明に
おいては、特に、カードランが好ましく用いられる。カ
ードランは、例えば、ニュー フード インダストリー
(New FoodIndustry)、第20巻第1
0号第49〜57頁(1978年)に記載されているよ
うに、β−1,3−グルコシド結合を主体とし、通常、
加熱凝固性を有する多糖類、即ち、水分の存在下で加熱
することによって、凝固する(ゲルを形成する)性質を
有する多糖類である。
【0007】かかる多糖類として、例えば、アルカリゲ
ネス属又はアグロバクテリウム属の微生物によって生産
される多糖類が挙げられる。具体的には、アルカリゲネ
ス・フエカリス・バール・ミクソゲネス菌体10C3K
によって生産される多糖類(アグリカルチュラル・バイ
オロジカル・ケミストリー(Agricultural
Biological Chemistry)、第3
0巻第196頁(1966年)や、或いはアルカリゲネ
ス・フエカリス・バール・ミクソゲネス菌体10C3K
の異変株NTK−u(IFO 13140)によって生
産される多糖類(特公昭48−32673号)、アグロ
バクテリウム・ラジオバクター(IFO13127)及
びその変位株U−19(IFO 12126)によって
生産される多糖類(特公昭48−32674号)等を用
いることができる。カードランは、上述したように、微
生物によって生産される多糖類であるが、本発明におい
ては、これを未精製のままにて用いてもよく、或いは必
要に応じて、高度に精製して用いてもよい。
【0008】パラミロンも、既に述べたように、β−
1,3−グルカンの1種であって、微生物であるユーグ
レナ(Euglena)が細胞内に蓄積する貯蔵多糖の
1種である。このようなパラミロンは、例えば、カーボ
ハイドレートリサーチ(Carbohydrate R
esearch)、25,231−242(197
9)、特開昭64−37297号あるいは特開平1−3
7297号公報によって既に知られている。しかし、カ
ードランと異なって、パラミロンの粉末は、加熱凝固を
もたないので、加熱凝固性をもたせるために、必要に応
じて、アルカリ処理してもよい。パラミロンも、本発明
においては、これを未精製のままにて用いてもよく、或
いは必要に応じて、高度に精製して用いてもよい。微生
物起源のβ−1,3−グルカン、特に、カードランやパ
ラミロンを後述のアルカリで処理すれば、二価又はそれ
以上の多価金属イオン、例えば、カルシウムイオン、マ
グネシウムイオン、銅イオン、鉄イオン、コバルトイオ
ン等の存在下に金属イオン架橋ゲルを形成する性質を有
するβ−1,3−グルカンを得ることができる。このよ
うな金属イオン架橋ゲル形成能を有するグルカンは、微
生物起源のβ−1,3−グルカンをアルカリ水溶液に溶
解させ、そのアルカリ水溶液を水溶性有機溶剤に接触さ
せて、β−1,3−グルカンを析出させ、好ましくはp
H6〜7に中和することによって得ることができる。
【0009】金属イオン架橋ゲル形成性β−1,3−グ
ルカンを得る別の方法として、上記β−1,3−グルカ
ンのアルカリ水溶液を凍結さけ、その凍結物を水溶性有
機溶剤に接触させて、β−1,3−グルカンを析出さ
せ、中和するることによって得ることができる。このよ
うにして得られたグルカンは、必要に応じて、脱水し、
粉末状に乾燥してもよい。上記方法において、グルカン
を析出させるための水溶性有機溶剤としては、メタノー
ルのようなアルコールが好ましく用いられ、また、グル
カンを溶解させるためのアルカリ水溶液としては、例え
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモ
ニウム等の水溶液が好ましく用いられる。このようにし
て得られるβ−1,3−グルカンは、前述したように、
金属イオン架橋ゲル形成能を有するので、例えば、本発
明において、通常、カルシウムイオンの存在する組成物
に成形助剤として特に好ましく用いられる。本発明にお
いて、β−1,3−グルカンは分離低減剤として作用す
る。すなわち、β−1,3−グルカンはコンクリートの
粘性を増大させ、その結果内部に含まれている水及び骨
材の流動性、打設時における分離を防止することができ
る。
【0010】<高性能減水剤>本発明のコンクリートに
使用する高性能減水剤としては、通常のコンクリートに
使用できるものが挙げられ、本願明細書では高性能AE
減水剤及び流動化剤を含むものとする。具体的には、ナ
フタリンスルホン酸ホルマリン高縮合物で代表されるナ
フタリン系と、スルホン化メラミンホルマリン縮合物で
あるメラミン系、カルボン酸系、リグニン系のものが挙
げられる。これらの材料は粘性の増大したコンクリート
の流動性ならびに充填性を改善するために使用されるも
のであり通常の減水剤の2倍程度の減水が可能である。
さらに本発明のコンクリートに使用する生コンクリート
は、単に水量の減少、適当量の空気の連行等を目的に、
種々の混和剤を含有せしめてもよい。その例としては、
AE剤、AE減水剤、減水剤などが挙げられ、通常のコ
ンクリート用のものが使用できる。
【0011】<混合方法>このコンクリートの混合方法
は特殊なものではなく、従来公知の一般的な方法を採用
することができる。例えばセメント、骨材をミキサーに
投入し、一方、水には各種の添加材を混合し、これをミ
キサー内に供給するような方法である。
【0012】<配合例>本発明の基礎となる生コンクリ
ートの好ましい組成分配合を以下に例示する。なお以下
の記載において、結合材料とはセメントとその改質材料
との混合物をいう。結合材料(ポルトランドセメント、
フライアッシュおよび高炉スラグの合計量としてコンク
リートの単位体積当たり250〜700kg/m)に
対して、β−1,3−グルカンを0.01〜1.0重量
%、より好ましくは0.2〜1.0重量%、高性能減水
剤を0.2〜6.0重量%、より好ましくは0.5〜
3.0重量%の範囲とする。またシリカヒューム等のシ
リカ質の超微粉末を結合材料の一部と置換して用いる場
合は、結合材料中のシリカ質粉末が6〜30重量%とな
るようにするのが好ましい。たとえば単位結合材料(ポ
ルトラントセメント、フライアッシュおよび高炉スラグ
の合計量としてコンクリートの単位体積当たり350〜
800kg/m)に対しシリカヒュームの単位量は5
0〜100kg/mとし、β−1,3−グルカンを
0.02〜1.0重量%、高性能減水剤を0.5〜3重
量%の範囲とする。
【0013】
【軽量コンクリートの製造】本発明のコンクリートの基
礎となる生コンクリートに、適量の軽量骨材を混入す
る。該軽量骨材としては「アサノライト」(日本セメン
ト株式会社製)、「メサライト」(三井金属鉱業株式会
社製)などが好ましく、これらを混入すると上記のコン
クリートは分離抵抗性がきわめて高いから、内部に混入
した軽量骨材が混合作業によって内部に一様に分散し、
また、骨材だけが上部に浮き上がってしまうことがな
い。また、この軽量コンクリートをポンプで圧送して現
場の型枠内へ供給した場合、この圧送工程においても、
分離抵抗性が高いためモルタル内の水が圧力によって骨
材の孔内に押し込まれることがなく、最後までモルタル
は最初の設計通りの水を含有した状態で送られる。
【0014】
【繊維コンクリートの製造】前記した基礎となるコンク
リートに、適量の繊維を混入する。該繊維としては比重
の大小にかかわらず使用できる。これらを混入すると分
離抵抗性が高いから、内部に混入した繊維が混合と共に
一様に分散し、繊維が一箇所に集中することがない。練
り混ぜ、運搬、締め固めの工程において、分離抵抗性が
高いために鋼繊維のような比重の大きい繊維でもコンク
リートと分離して下方に沈下することもない。あるいは
比重の小さいアラミド繊維、ビニロン繊維などはコンク
リートの上部へ浮き上がることがなく、常にコンクリー
ト内に一様に分散した状態を維持し続ける。そのために
均等質で曲げ強度などの強度特性が向上した、また靭性
の高いコンクリートを得ることができる。
【0015】
【本発明の作用】本発明のコンクリートの基礎となる生
コンクリートは、打設時に振動機による締固めを必要と
しないか、するとしても型枠に固定した振動機をわずか
かける程度で、短時間で骨材の分離もなく、容易に型枠
の隅々にまでコンクリートを充填できるものである。そ
のために型枠が複雑な形状であってもよく、コンクリ
ートの流動性などによって型枠の形状が制限をうけず、
また振動装置が届かない密閉空間、広い空間での打設
を行うことができる。振動を必要としないから、作業者
の健康の維持、環境の保全が大幅に改善される。また、
コンクリート打設終了後にもブリージング等の材料分離
は生じないため、繊維や軽量骨材を混合しても分散性が
良好であり、均等質で耐久性の大きい生コンクリートを
得ることができる。
【0016】
【実験例1】表1の配合の本発明のコンクリートの基礎
となる生コンクリートの流動性、充填性、分離抵抗性の
試験を行った。
【表1】 その特性の試験のために、図1に示すような、多数本の
鉄筋21が最小間隔35mmで配置してある型枠2内
に、上記のコンクリート1を打設した。型枠2は、高さ
が500mm、幅が825mmで斜面22によって天上
部の一部が被覆されているものを使用した。この実験に
よると、型枠2内にコンクリート1を単に流し込むだけ
で、振動をまったく与えずに約99秒後には型枠内に密
実にコンクリート1を充填することができた。(図1〜
図4)
【0017】次に同一の組成物の強度、および耐久性を
検討する試験を行った。その結果のデータを表2に示
す。
【表2】 以上の数値は通常のコンクリートと同等以上であり、耐
久性の低下は認められなかった。耐塩分浸透性、耐海水
性、化学抵抗性、耐中性化性能等は通常のコンクリート
よりも十分に優れていた。 <圧縮強度の比較>振動を与えないで製造したコンクリ
ート部材の圧縮強度を、一般のコンクリート部材の圧縮
強度と比較した。図5に示すコンクリート壁用の型枠
に、次の2種類のコンクリートを打設し、28日後に図
示する位置からコアサンプルを採取して圧縮強度試験を
行った。 <1>上記の分離低減剤、高性能減水剤などの混和剤を
添加した生コンクリート(本発明で使用する生コンクリ
ート)を用い、かつ生コンクリートには振動を与えなか
った。 <2>上記の混和剤を添加せず、しかし振動を与えた。 その結果を図6に示すが、本発明で使用するコンクリー
トを使用した場合に、振動をまったく与えていないにも
かかわらず、コンクリート製品のすべての位置で圧縮強
度に変化がなく、かつ振動を与えた比較例よりも圧縮強
度が大きいことが分かった。
【0018】
【実験例2】一般に市販されている普通ポルトランドセ
メント(粉末度3250cm/g程度)、高炉スラグ
微粉末(4300cm/g程度)およびフライアッシ
ュ(3000cm/g程度)量を変えた次表の5種類
の配合についてコンクリートの練りまぜ試験を行い、ス
ランプフローの測定ならびに充填試験を行った。充填試
験には図7に示すようなU字型の容器を使用した。この
容器の一側をコンクリートA充填室、他側をB測定室と
し、両室の下部には連通窓を開設してある。この連通窓
に35mm間隔で鉄筋を設け、試験開始まではシャッタ
ーによって閉鎖している。試験時には充填室Aに試験対
象のコンクリートを充填し、シャッターを引き揚げ、測
定室Bへのコンクリートの上昇寸法Hを測定して充填性
の判断基準とするものである。
【0019】その結果は表3下段右欄に示す通りであ
り、このような粒度の結合材の組み合わせに対してこの
評価試験方法によると、良好な流動性ならびに充填性を
得るための単位結合材量(セメント+高炉スラグ微粉末
+フライアッシュ)の最低量は、400kg/m(2
00+200+0)以上となる。これは、鉄筋の純間隔
が35mmの多段配筋の場合における充填性を対象にし
たものであるが、鉄筋の純間隔がこれより大きい場合に
は単位結合材量の最低量は、350kg/m程度まで
低減可能である。
【表3】
【0020】
【実験例3】実験例2においてフライアッシュの代わり
にシリカフュームを用いた場合の配合ならびに試験結果
を表4に示す。この表で、配合No.1は基準配合であ
る。それに対してNo.2〜No.5は、フライアッシ
ュを全く使用せずシリカフュームで代替させる場合であ
る。この結果、必要な結合材(C+B+SF)の量は4
50kg/m程度でよいことが分かった。なぜならこ
の程度の結合材量ではスランプフローで示す流動性は若
干低下するが、その一方で充填性は極めて良好で、充填
高さは十分に保たれているという特徴が判明した。
【表4】
【0021】
【実施例1】
【吸水率の比較】次に、上記のコンクリートにおける
「骨材」と「人工軽量骨材」に置き換えた生コンクリー
トを製造した。人工軽量骨材とは、例えば「アサノライ
ト」(日本セメント株式会社製)、「メサライト」(三
井金属鉱業株式会社製)などが市販されている。こうし
た軽量コンクリートの性能を比較するために、水、セメ
ント、細骨材、軽量骨材(アサノライト)、高性能減水
剤とを表5の比率で混合したコンクリート(比較例)
と、それに高炉スラグ微粉末(B)、フライアッシュ
(F)、分離低減剤(BP)を表5の比率で混合して吸
水率の変化について比較した。
【表5】 上記の配合の両コンクリートをコンクリートポンプで圧
送する直前と、圧送後のコンクリートを一定量採取し、
モルタル分を洗流し人工軽量骨剤を取り出しした。そし
て表面乾燥状態で重量を測定した。その結果を示すと表
6の通りである。
【表6】
【0022】
【スランプの比較】次に、圧送前と圧送後のスランプの
変化について比較した。圧送前後のスランプの変化が大
きいということは、全体の水の量は変化していないのだ
から、それだけモルタル内の水が、骨材内の孔内に水が
強制的に押し込まれたということを示すものである。た
だし本発明の軽量コンクリートは、流動性がきわめて良
好であって、スランプコーンを引き揚げた時に、通常の
コンクリートのような山型を維持しない。そこでスラン
プフローを測定することによって、圧送前後の変化がな
いことを確認した。その結果を表7に示す。
【表7】 表7から明らかなように、本発明のコンクリートであれ
ば、圧送によってコンクリートに大きな圧力が加わって
も、分離抵抗性が大きいためにコンクリート内部の水が
分離しにくく、骨材に水が取られる心配がない状態であ
ることが分かる。
【0023】
【実施例2】
【繊維の分散度の比較】表8に示す配合によって、従来
のコンクリートに繊維を混入したコンクリートと、繊維
を混入した本発明の繊維コンクリートとの繊維分散度を
比較した。
【表8】 この繊維混入量を1.0%、2.0%および3.0%と
なるように変えてその分散度を各々比較したのが第8図
である。この図から明らかなように、本発明のコンクリ
ートは、混入する繊錐の量が増加しても、その分散度は
殆ど変化しない。このことは常に一定の状態で繊維がコ
ンクリート内に分散していることを示すものである。
【0024】
【圧縮強度の比較】次に、従来の繊維コンクリートと本
発明の繊維コンクリートとの曲げ強度を比較した。とも
に同量の鋼繊維を2%混合し、供試体(100×100
×400mm)を作成した。この供試体を水平に設置
し、300mmの間隔で支持し、3等分点に垂直荷重を
あたえた。その結果の荷重とたわみの関係を第9図に示
す。この図から従来の繊維補強コンクリートに比較し
て、本発明の織維コンクリートはより大きな荷重に耐え
られ、また、大きな変形まで耐えられることができるこ
とが分かった。
【0025】
【本発明の軽量コンクリート効果】本発明の軽量コンク
リートは、上記したような構成であるから、次のような
効果を達成できる。 <イ>コンクリート自体の分離抵抗性が高いためにコン
クリート内部で水が分離しにくい。そのためにコンクリ
ートを圧送するときに大きな圧力が作用しても、水が骨
材の孔に侵入することがなく、モルタル内での水分が減
少しない。 <ロ>骨材による吸水が少ないから、混合前に骨材に吸
水処理をほどこす必要がなく、工程の簡略化、作業員の
他の作業への転用をはかることができる。しかも、骨材
を吸収することによる耐凍結融解抵抗性の低下の問題が
解消される。 <ハ>骨材の孔への水の進入がないから、大きな圧力で
加圧することができ、圧送距離を長くすることができ
る。 <ニ>軽量骨材は比重が小さいから、締め固めの振動に
よって分離して表面に浮き上がる現象が生じやすかっ
た。しかし本発明の軽量コンクリートはきわめて流動性
がよく、分離抵抗性も大きいことから、振動を与えなく
とも過密な鉄筋の間に均等に、一様に流入させることが
できる。したがって振動による材料分離を生じる心配が
ない。
【0026】
【本発明の繊維コンクリート効果】本発明の繊維コンク
リートは、上記したような構成であるから、次のような
効果を達成できる。 <イ>本発明の繊維コンクリートは分離抵抗性が大きい
ために、繊維をコンクリート内部に均一に分散させるこ
とができる。したがってコンクリート内部にファイバー
ボールなどの欠陥を生じ難く、品質の良好なコンクリー
トを提供することができる。 <ロ>コンクリートの分離抵抗性が大きいために、比重
の大きな繊維も、小さい繊維もコンクリート内部で沈降
したり浮上したりせず、均一な分散状態のコンクリート
が得られる。 <ハ>ブリージングが発生しないために、繊維の周囲に
ブリージング水による隙間が生じない。そのために繊維
とコンクリートとの付着性能が低下することがない。 <ニ>以上のような各種の原因によって、曲げ強度など
の強度特性に優れ、また、靭性の高いコンクリートを得
ることができるので、鉄筋を使用しない薄い部材を簡単
に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンクリートに使用するコンクリート
の流動性試験の説明図
【図2】本発明のコンクリートに使用するコンクリート
の流動性試験の説明図
【図3】本発明のコンクリートに使用するコンクリート
の流動性試験の説明図
【図4】本発明のコンクリートに使用するコンクリート
の流動性試験の説明図
【図5】圧縮試験のサンプルの一図
【図6】圧縮試験の比較図
【図7】充填試験装置の説明図
【図8】本発明の繊維コンクリートと従来の繊維コンク
リートの繊維分散度の比較図
【図9】曲げ荷重とたわみ量の関係を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C04B 24:38 14:24) 111:00 (72)発明者 新藤 竹文 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大 成建設株式会社内 (72)発明者 坂本 淳 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大 成建設株式会社内 (72)発明者 ソムヌック タングテルムシリクル 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大 成建設株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−315547(JP,A) 特開 平2−217345(JP,A) 特開 平3−199151(JP,A) 特開 平3−285857(JP,A) 特開 平4−367550(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 28/04 C04B 14/38 C04B 24/38 C04B 111:00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セメント系硬化材に、β−1,3−グルカ
    ンおよび高性能減水剤を添加した生コンクリートに、繊
    維および(または)軽量骨材を混入した生コンクリート
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112028514A (zh) * 2020-09-03 2020-12-04 广东省建筑设计研究院有限公司 一种超高性能混凝土的增韧方法

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