JP3073691B2 - 道路またはトンネル用照明器具 - Google Patents

道路またはトンネル用照明器具

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JP3073691B2
JP3073691B2 JP08067473A JP6747396A JP3073691B2 JP 3073691 B2 JP3073691 B2 JP 3073691B2 JP 08067473 A JP08067473 A JP 08067473A JP 6747396 A JP6747396 A JP 6747396A JP 3073691 B2 JP3073691 B2 JP 3073691B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透光性カバーに光触
媒膜を形成した道路またはトンネル用照明器具に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、道路またはトンネル内を照明する
道路またはトンネル用の照明器具が用いられている。こ
の種の照明器具では、近年の自動車の増加により排気ガ
ス中に含まれるカーボン粒子またはディーゼルエンジン
車から排出される不完全燃焼のオイルミストなど汚れの
原因が増加し大きな問題となっている。
【0003】また、これらの照明器具は、道路上の高所
あるいはトンネル内の暗い場所に取付けられているた
め、汚れのクリーニングその他のメインテナンスに多大
な費用がかかっている。
【0004】一方、最近半導体膜と近紫外光を利用し、
有機物を酸化、分解させる技術が注目されてきている。
例えば特開平1−169866号公報には光源の外囲器
の外表面に光触媒膜を形成し、大気中の有機物を分解す
るようにした蛍光ランプが記載されている。
【0005】また特開平7−111104号公報には、
紫外線を放射する光源と光触媒を示す半導体物質を内面
に存在させた反射又は透過カバーとを有する照明器具が
記載されている。この照明器具では、蛍光ランプより放
射される光に含まれる410nm以下の可視光線の一部
および紫外線により光触媒作用によって空気中の悪臭や
有害気体を分解するものである。
【0006】この光触媒作用の原理は、半導体のバンド
ギャップ(禁制帯域)よりも大きなエネルギーを有する
波長域の光が放射されると半導体に電子および電子のホ
ールが発生し、発生したホールおよび電子が移動して膜
表面で反応を起こす。例えばTiO2は約3.0eVの
バンドギャップを有する半導体であり、このバンドギャ
ップよりも大きなエネルギーを有する波長410nm以
下の可視光線の一部および近紫外線が照射されると、T
iO2に電子およびホールが生じ、表面において電子移
動反応を起こす。そして、この電子移動反応では、ホー
ルはバンドギャップ分のエネルギーに相当する電子を引
き抜く力、すなわち酸化力をもっているため、このホー
ルの酸化力によってTiO2の表面に付着あるいは接触
した物質を変化させると考えられている。
【0007】このように、TiO2は410nm以下の
光を受けると特に強い酸化力を生じるため、TiO2
面に付着した物質、たとえばアセトアルデヒド、メチル
メルカプタン、アンモニアなどを酸化分解するので消臭
などの環境改善に有用である。
【0008】このような光触媒膜を照明器具の外表面に
形成すれば、光触媒作用によって汚れ防止の効果が期待
できると考えられる。すなわち、照明器具の透光性カバ
ーの外表面に形成したTiO2は、照明器具から可視光
線を透過するとともに紫外線を吸収し、TiO2の表面
に付着した有機物、たとえば油、ゴム、繊維、タバコの
ヤニやカーボン微粒子などの物質を酸化、分解するた
め、照明器具の汚れの防止やクリーニングを容易にする
ことが可能になると考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の光触媒機能
付き照明器具は、透光性カバーに光触媒膜が形成されて
いるが、その光触媒作用が消臭を目的としているものな
ので、道路またはトンネル用照明器具の汚れが除去でき
るか不確かなものであった。すなわち、道路またはトン
ネル用照明器具は、自動車の排気ガス中に含まれるカー
ボン粒子またはディーゼルエンジン車から排出されるオ
イルミスト等が付着するので、消臭の場合とは分解する
物質と必要な酸化力が異なる。
【0010】また、防雨、防湿構造が設けられた道路ま
たはトンネル用照明器具であっても、道路またはトンネ
ル内に設置後に透光性カバーの内表面が汚れ、可視光線
の透過率が低下し、照度が低下してしまうおそれがある
ことが分かった。その原因の一つとして次のことが考え
られる。即ち、照明器具の点灯、消灯に伴う器具内の温
度変化によって器具内外の気圧差が大きくなり、若干量
吸気することによって器具内部に水分が侵入する。この
水分や、器具内部の樹脂部品等から飛散する物質が透光
性カバーの内表面に付着する。これによって道路または
トンネル用照明器具の照度を低下させる、ということで
ある。
【0011】本発明は、透光性カバーの汚れを効率よく
分解し、メインテナンス費用を大幅に削減することが容
易にできる道路またはトンネル用照明器具を提供するこ
とを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の道路またはト
ンネル用照明器具は、300nmないし410nmの波
長領域内の放射束が可視光線1000lm当たり0.0
5W以上である光源を収納し、該光源を包囲するように
構成された開口を有する器具本体と、300nmないし
410nmの波長領域内における少なくとも一部の透過
率が80%以上であり、該光源を覆って該器具本体の該
開口に水密かつ開閉可能に配設される透光性カバーと、
該透光性カバーに略均一な膜厚で形成された酸化チタン
を主成分とする光触媒膜を具備している。そして、該透
光性カバーの閉塞時において、該光源から該透光性カバ
ーの内側面に照射される300nmないし410nmの
波長領域内の放射照度が0.05mW/cm2以上とな
る位置関係に該光源が該器具本体内に配設され、該透光
性カバーに付着した汚れ物質が該光源の光照射によって
酸化、分解されるように構成されている。
【0013】請求項2の道路またはトンネル用照明器具
は、300nmないし410nmの波長領域内の放射束
が可視光線1000lm当たり0.05W以上である光
源と、該光源を包囲するように構成された開口を有する
器具本体と、該器具本体の該開口に取付けられた300
nmないし410nmの波長領域内における少なくとも
一部の光を透過する透光性カバーと、該透光性カバーの
内外両面に形成された酸化チタンを主成分とする光触媒
膜を具備している。そして、該透光性カバーに付着した
汚れ物質が該光源の光照射によって酸化、分解されるよ
うに構成されている。
【0014】請求項3の道路またはトンネル用照明器具
は、請求項1または2に記載の道路またはトンネル用照
明器具において、該光触媒膜(18)の酸化チタンはアナタ
ーゼ形となっている。
【0015】排気ガスに含まれる成分などによる照明器
具の汚れ防止を行うためには、まず透光性カバーを器具
本体の開口に水密に配設し、外側から汚れの原因となる
物質が器具内部に侵入しないようにする。加えて、光源
としてできるだけ410nm以下の波長の光が多いもの
を使用するのが望ましい。しかし、この光の放射束を増
やした場合、可視光線の光束が減少し、照明効果が損な
われる。また実使用状態での汚れの付着速度はその条件
により異なり、汚れを分解するのに必要な放射照度も異
なってくる。
【0016】ここで、300nmないし410nmの波
長領域内の放射束を可視光線1000lm当たり0.0
5W以上と規定した理由としては、実験により光源各種
の排気ガスの汚れの分解能力を求め、能力の高いものを
選定した。なおランプは明るさの効率を落とさずに、放
射束をガラスまたはプラスチック外囲器を変化させ実験
を行った。300nmないし410nmの波長領域内の
光は、いわゆる近紫外線および一部の可視光線を含んで
いる。可視光線は380nmないし780nmの波長領
域の光である。
【0017】実験結果は以下の通りである。放射束
(W)は可視光線1000lm当たりの300nmない
し410nmの波長領域内の光を測定した。 1.蛍光ランプ(カルシウムハロ蛍光体)放射束0.6-0.
8W/1000lm 効果大。 2.蛍光ランプ(3波長蛍光体) 放射束0.4-0.
5W/1000lm 効果大。 3.蛍光ランプ(プラスチックグローブ)放射束0.035W
/1000lm 効果小。 4.高圧水銀灯 放射束3-5W
/1000lm 効果大。 5.メタルハライドランプ 放射束2-3W
/1000lm 効果大。 6.高圧ナトリウムランプ 放射束0.1-0.
2W/1000lm 効果大。 7.圧ナトリウムランプ 放射束0.01W
以下/1000lm 効果小。
【0018】これらの結果より自動車の排気ガスによる
ガラスの汚れを分解し、また照明の効率を落とさないよ
うにするためには1000lm当たり0.05W以上の
放射束があれば十分である。
【0019】酸化チタンの結晶構造としては、ルチル形
よりもアナターゼ形の方が汚れを分解する効果が高く、
また屈折率が低いため膜による光の反射が少なく光りの
損失も少ない。
【0020】光触媒膜は、透光性カバーにチタンアルコ
レートをディップコーティングによって付着させ、乾
燥、焼成させる方法等によって膜厚を略均一に形成する
ことができる。
【0021】なお、光触媒膜は、TiO2に加えて、た
とえばZnO、WO3、LaRhO3、FeTiO3、F
23、CdFe24、SrTiO3、CdSe、Ga
As、CaP、CeO2、TbO2、MgO、Er23
るいはRuO2などの光触媒作用を有する化合物もしく
は微粒子を混合したもの、またはゼオライトなどを混合
したものでもよい。
【0022】さらに、TiO2の微粒子をバインダ成分
にて透光性カバーに分散させて形成しも同様の効果を
得ることができる。
【0023】汚れ物質の分解能力は、光触媒膜に照射さ
れる300nmないし410nmの波長領域内の放射照
度に比例して大きくなるが、この良好な範囲は実験に
り、透光性カバーの閉塞時において、0.05mW/c
2以上であることが分かった。
【0024】また、透光性カバーの外表面に形成された
光触媒膜には300nmないし410nmの波長領域内
の光を到達させなければならない。300nmないし4
10nmの波長領域内の光は、内表面に光触媒膜が形成
されている場合、これにほとんど吸収されずに一部が透
過するような放射照度に調整すればよい。放射照度は、
光源の選択、光源と透光性カバーとの間の距離等を設定
すること等によって調整できる。
【0025】光源が点灯すると、透光性カバーに形成さ
れた光触媒膜に可視光線とともに300nmないし41
0nmの波長領域内の光がそれぞれ照射される。光触媒
膜は、光触媒活性によって透光性カバーの面の汚れ物質
を酸化、分解する。また、透光性カバーの両面に光触媒
膜を形成した場合には、透光性カバーの内表面に付着す
る器具内部に侵入した水分や器具内部からの飛散物質等
からなる汚れ物質も酸化、分解する。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
を図1ないし図5に示す道路用照明器具を参照して説明
する。
【0027】図1は道路用照明器具を示す縦断面図、図
2はその斜視図、図3はその一部を切り欠いた背面図、
図4は平面図である。これら図1ないし図4に示す道路
用照明器具1は、ポール2の先端に取付けられ、たとえ
ば高速道路、サービスエリア、パーキングエリアあるい
は一般道路に沿って配設されている。
【0028】そして、この道路用照明器具1は、平面ほ
ぼ長円形状の器具本体3を有し、この器具本体3の基端
には支柱であるポール2に取り付けるためのポール支持
部4が形成されている。また、器具本体3の先端側には
下面へ向けた開口5が形成され、器具本体3の内面には
この開口5に対向して照射された光を開口5方向へ向け
て反射する複数の反射板6、7、7が取り付けられると
ともに、これらの基端側にはランプソケット8がランプ
ソケット取付板9を介して取り付けられており、このラ
ンプソケット取付板9にも基端側へ照射された光を反射
する反射板10が取り付けられている。なお、ランプソ
ケット8には、300nmないし410nmの波長領域
内の光を1000lm当たり0.05W以上放射する光
源11として、HIDランプである高圧水銀ランプが着
脱自在に取り付けられる。
【0029】また、開口5にはほぼ半球状の硬質ガラス
製の透光性カバー12として、グローブが枠体13に保
持されて器具本体3の先端側に設けられた蝶番14によ
り開閉可能に取り付けられ、器具本体3の基端側に設け
られたラッチ15にて、枠体13が器具本体3に保持さ
れる。さらに、器具本体3には、枠体13を器具本体3
に閉塞した状態で水密にシールするパッキング16が取
り付けられている。
【0030】図5はグローブとしての透光性カバー12
を示す概略断面図である。光触媒膜18は、透光性カバ
ー12の両面にそれぞれほぼ同じ膜厚で形成されてい
る。
【0031】光触媒膜18は、有機チタン化合物を主成
分としてアルコール等の溶剤に溶解してチタンアルコレ
ート溶液を調整した後、ディップコーティング、すなわ
ちチタンアルコレート溶液中に透光性カバー12を浸漬
して一定速度で引き上げた後、約600℃で焼成してほ
ぼ同じ膜厚で両面に形成される。こうして得られた光触
媒膜は可視光透過率が高いので、透光性カバー12にこ
うした光触媒膜を形成しても可視光線の照射量が低下す
ることがない。
【0032】また、光触媒膜18は、平均粒径1μm以
下、望ましくは0.05μmないし0.2μmのTiO
2微粒子をバインダー成分等で分散させて形成してもよ
い。なお、光触媒膜18と透光性カバー12との間に可
視光線および300nmないし410nmの波長領域内
の光の透過率が高い中間層を形成してもよい。
【0033】次に、本実施の形態の作用について説明す
る。まず、高圧水銀ランプの光源11を点灯させると、
光源11から可視光線および300nmないし410n
mの波長領域内の光が照射される。
【0034】そして、光源11からの可視光線および3
00nmないし410nmの波長領域内の光は、反射板
6、7、7で反射され、あるいは直接透光性カバー12
に到達する。可視光線は、透光性カバー12および光触
媒膜18を透過し、被照射物、たとえば路面が照射さ
れ、所望の照度が得られる。
【0035】また、透光性カバー12に到達した300
nmないし410nmの波長領域内の光は、内表面の光
触媒膜18にて一部が吸収され、残りが透光性カバー1
2を透過して外表面の光触媒膜18に吸収される。
【0036】光触媒膜18内のTiO2は、300nm
ないし410nmの波長領域内の光を吸収して内部にホ
ールを生じさせ、このホールが約3.0eVのバンドギ
ャップ分のエネルギーだけ電子を引き抜く力、すなわち
酸化力を持ち、透光性カバー12の表面に付着した物質
を酸化させる。そして、この光触媒膜18は、光触媒作
用により光触媒膜18に付着した有機物等をより効率的
に酸化、分解し、透光性カバー12の汚れを除去する。
また、透光性カバー12には汚れが付着しにくくなる。
【0037】したがって、透光性カバー12の外表面
に、オイルミスト等の油脂成分やカーボン、埃およびゴ
ミ等が堆積しても、これら有機物の付着を効果的に防止
して、透光性カバー12を介して照射される光束の低下
を防止でき、透光性カバー12を拭くなどの掃除が不要
になり、メインテナンス費用が削減できる。また、透光
性カバー12の内表面が水分や内部部品からの飛散物質
によって汚れても、内表面の光触媒膜18によって効率
的に酸化、分解し、透光性カバー12の汚れを除去す
る。
【0038】次に、第2の実施の形態を図6ないし図8
に示すトンネル用照明器具を参照して説明する。図6は
トンネル用照明器具を示す斜視図、図7は正面図、図8
は側面図であり、これら図6ないし図8に示すトンネル
用照明器具21は、たとえばトンネル内に配設されてい
る。
【0039】トンネル用照明器具21は耐腐食性を有す
るステンレス製の箱状の器具本体22を有している。こ
の器具本体22の下面には開口23が形成され、器具本
体22の背面には取付用の板状の取付脚24が形成され
ている。また、器具本体22内には開口23に対向し
て、反射された光を開口23方向へ向けて反射する曲面
状の反射板(図示しない)が取り付けられるとともに、
この反射板の長手方向の一端側にはランプソケット26
が取り付けられている。このランプソケット26には、
300nmないし410nmの波長領域内の放射束を可
視光線1000lm当たり0.05W以上放射する光源
27として、高圧ナトリウムランプが着脱自在に取り付
けられる。
【0040】また、開口23にはパッキン25がはめ込
まれており、このパッキン25の内周縁に形成された溝
部に平板状の強化ガラス製の透光性カバー28として照
明カバーがはめ込まれている。このように、透光性カバ
ー28は、蓋体29にパッキン25を介して水密に保持
されている。蓋体29は、開口23の一側に設けられた
蝶番31により開閉可能に取り付けられ、開口23の他
側に設けられたラッチ32にて、透光性カバー28およ
び蓋体29が開口23を閉塞した状態で、蓋体29が器
具本体22に保持される。さらに、器具本体22には、
蓋体29を器具本体22に閉塞した状態で水密にシール
するパッキング(図示しない)が取り付けられている。
なお、器具本体22内の所望位置に光源27を始動点灯
させる始動回路及び安定器が収納された安定器ボックス
33が配設される。
【0041】さらに、透光性カバー28の外表面側に
は、第1の実施の形態の図5に示す場合と同様に、光触
媒膜が両面に形成されている。そして、本実施の形態
も、光源27としての高圧ナトリウムランプを点灯させ
ることにより、第1の実施の形態と同様の作用および効
果を奏する。
【0042】さらに、第3の実施の形態を図9ないし図
11に示すトンネル用照明器具のうちの非常駐車帯用照
明器具を参照して説明する。
【0043】図9は、非常駐車帯用照明器具を示す斜視
図、図10は正面図、図11は一部を切り欠いた側面図
で、これら図9ないし図11に示す非常駐車帯用照明器
具41は、例えばトンネル内の非常駐車帯に配設されて
いる。
【0044】非常駐車帯用照明器具41は、中空の細長
直方体の器具本体42を有し、この器具本体42の下面
に開口43が形成され、器具本体42の背面には取付用
の板状の取付脚44が形成されている。
【0045】また、器具本体42内には開口43に対向
して、照射された光を開口43方向へ向けて反射する板
状の反射板45が取り付けられるとともに、この反射板
45の長手方向の両端にはそれぞれ対向して対をなすラ
ンプソケット46、46が2つずつ取り付けられてお
り、これらランプソケット46、46間には、光源4
7、47として直管型の蛍光ランプが着脱自在に取り付
けられる。なお、直管型の蛍光ランプに代えて、環状型
あるいはコンパクト型の蛍光ランプを用いても同様の効
果を得ることができる。
【0046】なお、蛍光ランプの場合、バルブ内に水銀
およびアルゴンなどの不活性ガスの希ガスが封入され
る。またバルブ内面には蛍光体層が形成されており、こ
の蛍光体層は水銀から放出された紫外線により励起され
て3波長域の可視光線を発光する蛍光体等で構成されて
いる。
【0047】3波長発光形の蛍光体としては、たとえば
610nm付近にピーク波長を有する赤系蛍光体として
23:Eu3+、540nm付近にピーク波長を有する
緑色蛍光体として(La,Ce,Tb)PO4、450
nm付近にピーク波長を有する青色蛍光体としてBaM
2Al1627:Eu2+が用いられている。
【0048】なお、蛍光ランプは、3波長発光形に限ら
ず、ハロりん酸カルシウム蛍光体あるいはその他に用い
られている蛍光体を用いても同様の効果が得られる。
【0049】また、開口43には平板状の強化ガラス製
の照明カバーが透光性カバー48として枠体49に保持
されて開口43の一側に設けられた蝶番51により開閉
可能に取り付けられ、開口43の他側に設けられたラッ
チ52にて、透光性カバー48および枠体49が開口4
3を閉塞した状態で、枠体49が器具本体42に保持さ
れる。
【0050】そして、この第3の実施の形態も、光源4
7としての蛍光ランプを点灯させることにより、第1の
実施の形態と同様の作用および効果を奏する。なお、こ
の第3の実施の形態では、3波長の可視光線および30
0nmないし410nmの波長領域内の光を発光する蛍
光ランプを用いているため、高演色性も得られる。
【0051】図12は第2の実施の形態の可視光線透過
率を示したグラフである。Aは光触媒膜18が形成され
た照明器具、Bは光触媒膜を形成しない従来の照明器具
であり、経過時間と可視光線透過率との関係を示してい
る。光触媒膜18を有した照明器具は、3ヶ月経過後で
も透過率85%以上であるのに対し、光触媒膜を形成し
ない照明器具は3ヶ月経過後で75%近くまで透過率が
低下した。
【0052】図13は、光触媒膜を形成していない透光
性カバーの分光透過率を示すグラフである。透光性カバ
ーはソーダライムガラスで形成されており、300nm
ないし410nmの少なくとも一部の波長領域内の光、
すなわち350nm以上の光の透過率が80%以上であ
る。
【0053】
【発明の効果】請求項1の発明では、透光性カバーを器
具本体の開口に水密に配設して、外側からの汚れの原因
となる物質が器具内部に侵入しないようにするととも
に、光触媒作用によって、照明効果を損なうことなく透
光性カバーの面の汚れを確実に除去するので、照度の低
下を抑制することができ、清掃作業等に掛かるメインテ
ナンス費用を大幅に削減することが容易にできる。
【0054】請求項2の発明は、透光性カバーの両面に
光触媒膜を形成したので、各膜面に付着した物質の酸
化、分解を促進して汚れを除去し、一層確実に照度の低
下を抑制することができ、清掃作業とにかかるメインテ
ナンス費用を大幅に削減することが容易にできる。
【0055】請求項3の発明は、請求項1又は2の効果
に加え、光触媒膜の酸化チタンがアナターゼ形であるの
で、結晶構造としては光触媒作用が効率的に行えるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の道路用照明器具を
示す縦断面図である。
【図2】同上斜視図である。
【図3】同上一部を切り欠いた背面図である。
【図4】同上平面図である。
【図5】同上透光性カバーを示す断面図である。
【図6】同上第2の実施の形態のトンネル用照明器具を
示す斜視図である。
【図7】同上正面図である。
【図8】同上側面図である。
【図9】同上第3の実施の形態のトンネル用照明器具を
示す斜視図である。
【図10】同上正面図である。
【図11】同上一部を切り欠いた側面図である。
【図12】第2の実施の形態の可視光線透過率を示した
グラフである。
【図13】透光性カバーの分光透過率を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 道路用照明器具 3 器具本体 11 光源 12 透光性カバー 18 光触媒膜 21 トンネル用照明器具 22 器具本体 27 光源 28 透光性カバー 42 器具本体 47 光源 48 透光性カバー 62 器具本体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本田 久司 東京都品川区東品川四丁目3番1号 東 芝ライテック株式会社内 (72)発明者 石崎 有義 東京都品川区東品川四丁目3番1号 東 芝ライテック株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−111104(JP,A) 特開 平9−231819(JP,A) 特開 昭63−248443(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F21V 3/04 F21S 2/00 F21S 8/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 300nmないし410nmの波長領域
    内の放射束が可視光線1000lm当たり0.05W以
    上である光源(11,27,47)を収納し、該光源(11,27,47)を
    包囲するように構成された開口(5,23,43)を有する器具
    本体(3,22,42)と、 300nmないし410nmの波長領域内における少な
    くとも一部の透過率が80%以上であり、該光源(11,2
    7,47)を覆って該器具本体(3,22,42)の該開口(5,23,43)
    に水密かつ開閉可能に配設される透光性カバー(12,28,4
    8)と、 該透光性カバー(12,28,48)に略均一な膜厚で形成された
    酸化チタンを主成分とする光触媒膜(18)と、 を具備しており、該透光性カバーの閉塞時において、該
    光源(11,27,47)から該透光性カバー(12,28,48)の内側面
    に照射される300nmないし410nmの波長領域内
    の放射照度が0.05mW/cm2以上となる位置関係
    に該光源(11,27,47)が該器具本体(3,22,42)内に配設さ
    、該透光性カバー(12,28,48)に付着した汚れ物質が該
    光源(11,27,47)の光照射によって酸化、分解されるよう
    に構成されていることを特徴とする道路またはトンネル
    用照明器具。
  2. 【請求項2】 300nmないし410nmの波長領域
    内の放射束が可視光線1000lm当たり0.05W以
    上である光源(11,27,47)と、 該光源(11,27,47)を包囲するように構成された開口(5,2
    3,43)を有する器具本体(3,22,42)と、 該器具本体(3,22,42)の該開口(5,23,43)に取付けられた
    300nmないし410nmの波長領域内における少な
    くとも一部の光を透過する透光性カバー(12,28,48)と、 該透光性カバー(12,28,48)の内外両面に形成された酸化
    チタンを主成分とする光触媒膜(18)と、 を具備しており、該透光性カバー(12,28,48)に付着した
    汚れ物質が該光源(11,27,47)の光照射によって酸化、分
    解されるように構成されていることを特徴とする道路ま
    たはトンネル用照明器具。
  3. 【請求項3】 該光触媒膜(18)の酸化チタンはアナター
    ゼ形である請求項1又は2に記載の道路またはトンネル
    用照明器具。
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