JP3072793B2 - 転舵装置と駆動伝達装置 - Google Patents

転舵装置と駆動伝達装置

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JP3072793B2
JP3072793B2 JP21231091A JP21231091A JP3072793B2 JP 3072793 B2 JP3072793 B2 JP 3072793B2 JP 21231091 A JP21231091 A JP 21231091A JP 21231091 A JP21231091 A JP 21231091A JP 3072793 B2 JP3072793 B2 JP 3072793B2
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  • Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)
  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
  • Retarders (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は車両をスピンターン
させて例えば駐車場や袋小路等の狭い場所でも車両を旋
回させることのできる転舵装置と、車両をスピンターン
させるための駆動伝達装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、乗用車やトラック等の四輪車以上
の車両においては、アッカーマン方式の転舵機構が設け
られている。
【0003】かかる転舵機構は、ハンドルを操作した際
に操向車輪である前輪のうち、内側となる内輪が外側と
なる外輪より操向角が大きくなるように前輪を操向させ
るものである。これは、いずれの車輪もスリップさせな
いでスムーズに車両を旋回させるもので、操縦性は高い
ものとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
転舵機構では、前輪だけを操向させているので旋回半径
が大きくなり、広い場所を必要とする。このため、駐車
場や袋小路等の狭い場所で車両を旋回させることができ
ず、駐車やUターン等を行なうときに非常に不便である
という問題があった。
【0005】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、駐車場や袋小路等の
狭い場所で車両を旋回させることができるとともに、高
い操縦性が得られる転舵装置と、車両をスピンターンさ
せるための駆動伝達装置とを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するため、前輪および後輪の各車輪をそれぞれ独立
して転舵できるように取り付け、各車輪の車軸が車体の
中心位置に向くように各車輪を転舵させるスピン転舵機
と、前記前輪をアッカーマン方式で転舵させるアッカ
ーマン転舵機構とを設けた転舵装置であって、 前記スピ
ン転舵機構は、左右両側にシリンダロッドを有するシリ
ンダと、前記左右のシリンダロッドの先端に後端が枢着
された一対のタイロッドと、各タイロッドの先端に後端
が枢着されるとともに先端を左右の各前輪に取り付けた
一対のナックルアームとを有し、 前記アッカーマン転舵
機構は、先端が前記シリンダの一端に枢着され、後端が
車体のフレームに枢着されたアイドラアームと、後端を
支点にしてハンドル操作によって回動するとともに先端
がシリンダの他端に枢着された左右に移動可能に取り付
けられたピットマンアームとを有し、前記ハンドルの操
作によるピットマンアームの回動によってシリンダを左
右に移動させることによって、左右の前輪を転舵させる
ことを特徴とする。
【0007】また、この発明は、車輪駆動軸を設けた2
つの相対向したサイドギアとこれらサイドギアに噛合し
たプラネタリアギアとを有する差動装置を備えた駆動伝
達装置であって、前記プラネタリアギアに回転力を伝達
して該プラネタリアギアを車輪駆動軸回りに回転させる
第1伝達手段と、前記サイドギアの一方に回転力を伝達
するとともに、前記プラネタリアギアを介して一方のサ
イドギアの回転を他方のサイドギアに逆回転にして伝達
する第2伝達手段と、エンジンの回転力を前記第1伝達
手段と第2伝達手段のどちらか一方に伝達させる切換手
段とを備えていることを特徴とする。
【0008】
【作用】この発明は、上記構成により、各車輪は、シリ
ンダとナックルアームとタイロッドとから構成される
ピン転舵機構によってその車軸が車体の中心位置に向く
ように転舵されるので、車両はその中心位置を中心にし
て旋回することができる。また、前輪はシリンダとナッ
クルアームとタイロッドとピットマンアームとアイドラ
アームとによるアッカーマン方式で転舵させることがで
きるので、高い操縦性が得られる。
【0009】また、この発明は、切換手段によってエン
ジンの回転力を第1伝達手段に伝達させると、差動装置
のプラネタリアギアが車輪駆動軸回りに回転し、この回
転により左右駆動輪が差動可能に回転する。また、切換
手段によってエンジンの回転力を第2伝達手段に伝達さ
せると、差動装置の一方のサイドギアが第2伝達手段に
より直接回転される。そして、他方のサイドギアがプラ
ネタリアギアを介して回転されるので、左右駆動輪は互
いに逆回転する。
【0010】
【実施例】以下、この発明に係る転舵装置と駆動伝達装
置の実施例を図面に基づいて説明する。
【0011】図1において、1,2はキングピン3,4を
支点にして転舵する前輪で、これら前輪1,2は異なる
方向にそれぞれ転舵できるようになっている。5は両端
でキングピン3,4を回転自在に保持したアクスルビー
ムであり、そして、このアクスルビーム5に車体6の重
量がかかるようになっている。
【0012】7,8は前輪1,2を転舵させるためのナッ
クルアームで、ナックルアーム7,8の先端部7a,8aが
キングピン3,4に取り付けられるとともに、前輪1,2
のホイール9,10に取り付けられている。ナックルアー
ム7,8の後端はタイロッド11,12の先端に枢着され、タ
イロッド11,12の後端がシリンダ13のシリンダロッド14,
15に枢着されている。そして、ナックルアーム7,8と
タイロッド11,12とでリンク機構Rが構成され、シリン
ダロッド14,15の前進によってそのリンク機構Rを介し
て前輪1,2が、図5に示すように、ホイールスピンド
ル(車軸)17,18が車体6の中心Pを向くように転舵さ
れるようになっている。
【0013】シリンダ13の一端(図1において右側)に
はアイドラアーム20の先端が枢着され、アイドラアーム
20の後端は車体6の図示しないフレームに枢着されてい
る。また、シリンダ13の他端にはピットマンアーム21の
先端が枢着されていて、ピットマンアーム21がその後端
部21aを支点にして回動するようになっており、ピット
マンアーム21が回動すると、シリンダ13がその回動に応
じて左右に移動する。
【0014】ピットマンアーム21は、ハンドル22を回転
操作するとギアボックス23内のギアによってその後端部
21aを支点にして回動するもので、これはハンドル22を
時計方向に回転すると左方向に回動し、ハンドル22を反
時計方向に回転すると右方向に回動するようになってい
る。
【0015】ピットマンアーム21の回動によってシリン
ダ13が左に移動すると、図4に示すように、前輪1,2
は右へ転舵される。この場合、内輪となる前輪2は外輪
となる前輪1より大きく転舵される。
【0016】また、シリンダ13が右に移動すると、前輪
1,2は左へ転舵される(図示せず)。この場合、前輪1
が前輪2より大きく転舵される。そして、ピットマンア
ーム21とリンク機構Rとシリンダ13とアイドラアーム20
等とでアッカーマン転舵機構が構成される。
【0017】また、図1において、30,31は後輪で、こ
の後輪30,31の車軸32,33が自在継手34,35を介してアク
スルシャフト36,37に接続されている。38は差動装置、3
9は走行駆動シャフトであり、走行駆動シャフト39の回
転が差動装置38を介してアクスルシャフト36,37に伝達
されて後輪30,31を回転させるものである。なお、アク
スルシャフト36,37には車体6の重量がかかるようにな
っている。
【0018】後輪30,31の車軸32,33は、ナックルアーム
40,41の先端部によって回転自在に保持され、ナックル
アーム40,41の後部はタイロッド42,43の先端に枢着さ
れ、タイロッド42,43の後端がシリンダ44のシリンダロ
ッド45,46に枢着されている。そして、ナックルアーム4
0,41とタイロッド42,43とでリンク機構Qが構成されて
いる。このリンク機構Qにより、シリンダロッド45,46
が前進すると、図5に示すように、後輪30,31は自在継
手34,35を中心に回動して車軸32,33が車体6の中心Pを
向くように転舵するようになっている。
【0019】そして、シリンダ13,44とリンク機構R,Q
とでスピン転舵機構が構成される。
【0020】図2は走行時において駆動輪の差動が可能
に且つスピンターン時には互いに後輪30,31が逆回転す
るように後輪30,31を駆動させる駆動伝達装置を示した
ものである。図2において、50は変速装置51を介してエ
ンジン52によって回転駆動されるドライブシャフトで、
このドライブシャフト50の中間部と先端部にはギア53,5
4がドライブシャフト50の回転に対してフリーの状態で
取り付けられている。そして、ギア53の下面(図2にお
いて)およびギア54の上面には歯53a,54aがそれぞれ形
成されている。
【0021】また、ドライブシャフト50のギア53,54間
には上下動可能(図2において)に噛合クラッチ部55が
取り付けられ、噛合クラッチ部55の上下面(図2におい
て)には各ギア53,54に形成した歯53a,54aと噛合する歯
56,57が形成されている。そして、噛合クラッチ部55と
ギア53,54などとで切換クラッチ(切換手段)が構成さ
れる。
【0022】噛合クラッチ部55は、ドライブシャフト50
のギア53,54間に形成されたスプライン50aによって上下
動することができるとともに、ドライブシャフト50と一
体的に回転するものである。噛合クラッチ部55の移動は
切換レバー58の操作によって行なうものであり、噛合ク
ラッチ部55を上に移動させて歯56をギア53に形成した歯
53aに噛合させると、噛合クラッチ部55の回転とともに
ギア53が回転する。
【0023】切換レバー58には、ロックギア59が固定さ
れ、噛合クラッチ部55を下降させて、図3に示すよう
に、噛合クラッチ部55の歯57をギア54の上面に形成した
歯54aに噛合させると、走行駆動シャフト60に固定され
ているギア61と、ドライブシャフト50の回転に対しフリ
ーの状態で取り付けられているギア53とにロックギア59
が噛合してギア61をロックするようになっている。一
方、噛合クラッチ部55の歯57とギア54の歯54aとの噛合
により噛合クラッチ部55とともにギア54が回転する。
【0024】走行駆動シャフト60の先端にはピニオン62
が取り付けられ、ピニオン62と差動装置38のリングギア
63とが噛合している。そして、ギア61と走行駆動シャフ
ト60とピニオン62とで第1伝達手段が構成される。
【0025】64はプラネタリギア、65,66はプラネタリ
アギア64に噛合したサイドギアで、走行駆動シャフト60
の回転がピニオン62,リングギア63,プラネタリアギア64
を介してサイドギア65,66に伝達するようになってい
る。
【0026】差動装置38は、リングギア63,プラネタリ
アギア64,サイドギア65,66等からなるものである。
【0027】スピンターン駆動シャフト67には、ギア54
に噛合しているギア69と、サイドギア66と噛合している
ピニオン68が取り付けられている。これら構成により、
スピンターン駆動シャフト67が回転すると、ピニオン68
によりサイドギア66が回転する。また、スピンターン駆
動シャフト67の回転よってサイドギア66が回転するとプ
ラネタリアギア64によりサイドギア65は逆方向に回転し
ていく。
【0028】そして、スピンターン駆動シャフト67とピ
ニオン68とギア69とで第2伝達手段が構成される。
【0029】次に、上記から構成される転舵装置の作用
について説明する。
【0030】直進する場合には、図1に示すように、シ
リンダ13,44のシリンダロッド14,15,45,46を後退させて
おき、ハンドル22を操作しない状態にしておく。これに
より、前輪1,2および後輪30,31は図1に示すように転
舵されない。一方、図2に示すように、切換レバー58を
操作して噛合クラッチ部55の歯56とギア53の下面に形成
した歯53aとを噛合させる。すると、ドライブシャフト5
0の回転はギア53に伝達され、ギア61を介して走行駆動
シャフト60が回転する。
【0031】この場合、ギア54はドライブシャフト50の
回転に対してフリーとなっているので、ドライブシャフ
ト50によって回転はしない。
【0032】走行駆動シャフト60の回転はピニオン62,
リングギア63,プラネタリアギア64およびサイドギア65,
66を介してアクスルシャフト36,37に差動可能に伝達さ
れ、これにより後輪30,31が回転して車両は直進してい
くこととなる。
【0033】この状態からハンドル22を時計方向に回転
すると、図4に示すように、ピットマンアーム21が反時
計方向に回動してシリンダ13が図1に示す位置から図4
に示す左方向の位置へと移動する。この移動により、前
輪1,2は図4に示すように右方向へ転舵される。
【0034】同様に、ハンドル22を反時計方向に回転さ
せると、ピットマンアーム21が時計方向に回動してシリ
ンダ13が右方向の位置へと移動し、前輪1,2は左方向
へ転舵される(図示せず)。
【0035】すなわち、前輪1,2は、ハンドル22を回
転操作することによりアッカーマン方式で転舵され、高
い操縦性が得られることとなる。
【0036】スピンターンを行なう場合には、前輪1,
2を図1に示す状態にして、シリンダ13,44のシリンダ
ロッド14,15,45,46を前進させる。すると、図5に示す
ように、前輪1,2および後輪30,31がその車軸17,18,3
2,33が車両の中心Pを向くように転舵される。
【0037】そして、図3に示すように、切換レバー58
を操作して噛合クラッチ部55をギア53から切り離して、
噛合クラッチ部55の歯57をギア54の上面に形成した歯54
aへ噛合させる。このとき、走行駆動シャフト60に固定
されているギア61と、ドライブシャフト50の回転に対し
フリーの状態で取り付けられているギア53とにロックギ
ア59が噛合してギア61がロックされる。また、ギア53は
噛合クラッチ部55が切り離されているので走行駆動シャ
フト60の回転によって回転しない。
【0038】ギア54は、上面に形成した歯54aと噛合ク
ラッチ部55の歯57との噛合によりドライブシャフト50の
回転とともに回転し、この回転がギア68,スピンターン
駆動シャフト67およびピニオン68を介してサイドギア66
に伝達され、アクスルシャフト37が回転する。また、サ
イドギア66が回転するとプラネタリアギア64によりサイ
ドギア65が逆方向に回転し、アクスルシャフト36は逆方
向に回転していく。
【0039】すなわち、後輪32,33は図5に示す矢印方
向に回転していき、車両は中心Pを支点にしてスピンタ
ーンすることとなる。この実施例では、スピンターンを
させる場合、車両を一旦停車させる必要があるが、後輪
を差動させながら走行する事ができることを特徴として
いる。
【0040】このように、車両はその中心Pを支点にし
てスピンターンすることができるので、駐車場,袋小路,
通路,空地,園地等で従来より狭い場所で車両を簡単に旋
回させることができ、非常に便利である。また、前進の
走行形態で旋回させることができるので、一般車両とし
て安全性,走行性が向上することとなる。
【0041】さらに、狭い通路の交差箇所での進路変更
においては、スピンターンを行なえばハンドル操作の切
り返しをなくすことができ、起動性が高まることとな
る。
【0042】図6は、伝達駆動装置の他の実施例を示し
たもので、この実施例では、走行時に差動はできない
が、一旦停車させることなくスピンターンを可能とする
ものである。
【0043】図6において、71はドライブシャフト50に
設けたドライブピニオン、72,73はドライブピニオン71
と噛合したリングギアで、これはドライブシャフト74に
回転自在に取り付けられている。75はリングギア72,73
間のドライブシャフト74に設けたスプラインクラッチ
で、これはドライブシャフト74とともに回転するように
なっているとともに図示しない切換レバーによって左右
に移動できるようになっている。
【0044】スプラインクラッチ75を右に移動させる
と、スプラインクラッチ75のスプライン75aとリングギ
ア72の内側に設けたスプライン72aとが噛合してリング
ギア72とともにスプラインクラッチ74が回転するように
なっている。同様に、スプラインクラッチ75を左に移動
させると、スプラインクラッチ75のスプライン75bとリ
ングギア73の内側に設けたスプライン73aとが噛合して
リングギア73とともにスプラインクラッチ75が回転す
る。そして、スプラインクラッチ75の回転とともにドラ
イブシャフト74が回転していく。
【0045】76,81はドライブシャフト74の両端部に回
転自在に設けたサイドギア、77,82はドライブシャフト7
4の回転をサイドギア76,81に伝達させるためのギアクラ
ッチである。78,83はサイドギア76,81に噛合されたセン
タドライブギア、79,84はセンタドライブギア78,83に噛
合したアクスルドライブギアで、これはアクスルシャフ
ト80,86に設けられていてアクスルシャフト80,86ととも
に一体的に回転するものである。
【0046】アクスルシャフト80,86には、アクスルシ
ャフト80,86とともに回転するデファレンシャルサイド
ギア91,92が互いに所定距離離間した位置に設けられ、
デファレンシャルサイドギア91,92間にはデファレンシ
ャルサイドギア91,92と噛合したプラネタリギア93,94が
設けられている。プラネタリギア93,94の軸93a,94aはリ
ングギア95の支持部96,97に回転自在に取り付けられて
いる。そして、リングギア95はアクスルシャフト86に回
転自在に設けられているとともにブレーキピニオン98と
噛合している。99はドラムブレーキである。
【0047】次に、上記実施例の動作について説明す
る。
【0048】前進する場合、サイドクラッチ77によって
サイドギア76とドライブシャフト74とを連結させる。ま
た、サイドクラッチ82によってサイドギア81とドライブ
シャフト74とを連結させる。そして、切換レバーにより
スプラインクラッチ75を右に移動させて、スプラインク
ラッチ75のスプライン75aとリングギア72のスプライン7
2aとを噛合させる。この噛合により、ドライブシャフト
50の回転が、ドライブピニオン71,リングギア72,スプラ
インクラッチ75,ドライブシャフト74およびサイドクラ
ッチ77を介してサイドギア76に伝達すると同時にサイド
クラッチ82を介してサイドギア81に伝達する。
【0049】サイドギア76,81の回転方向は、ドライブ
シャフト50が例えば矢印で示すように時計方向の回転で
ある場合には、矢印Fの方向に回転する。この回転は、
センタドライブギア78,83、アクスルドライブギア79,84
を介してアクスルシャフト80,86に伝達し、アクスルシ
ャフト80,86は矢印F方向と同方向に回転する。これに
より車両は前進することとなる。
【0050】後退する場合には、サイドクラッチ82によ
ってサイドギア81とドライブシャフト74とを連結させ、
サイドクラッチ77によってサイドギア76とドライブシャ
フト74とを連結させる。そして、切換レバーによりスプ
ラインクラッチ75を左に移動させて、スプラインクラッ
チ75のスプライン75bとリングギア73のスプライン73aと
を噛合させる。この噛合により、ドライブシャフト50の
回転が、ドライブピニオン71,リングギア73,スプライン
クラッチ75,ドライブシャフト74およびサイドクラッチ7
7,82を介してサイドギア76,81に伝達し、サイドギア76,
81の回転は矢印G方向に回転する。
【0051】この回転は、センタドライブギア78,83,ア
クスルドライブギア79,84を介してアクスルシャフト80,
86に伝達し、アクスルシャフト80,86およびデファレン
シャルサイドギア91,92は矢印G方向と同方向に回転す
る。これにより車両は後退していくこととなる。
【0052】スピンターンする場合には、ドラムブレー
キ99を作動させてブレーキピニオン98を固定する。この
固定によりリングギア95が固定されるので、デファレン
シャルピニオン93,94はデファレンシャルサイドギア91,
92の回転により軸93a,94aを支点にして回転することに
なる。
【0053】スピンターン時は、先ずサイドクラッチ82
を切り、ドラムブレーキ99を作動させる。サイドクラッ
チ77によってサイドギア76とドライブシャフト74とを連
結させておく。そして切換レバーによりスプラインクラ
ッチ75を右に移動させてスプラインクラッチ75のスプラ
イン75aとリングギア72のスプライン72aとを噛合させ
る。この噛合によりドライブシャフト50の回転がドライ
ブピニオン71、リングギア72、スプラインクラッチ75、
ドライブシャフト74、およびサイドクラッチ77を介して
サイドギア76に伝達される。
【0054】サイドギア76の回転方向は、ドライブシャ
フト50が例えば矢印で示すように時計方向の回転である
場合には、矢印Fの方向に回転する。この回転はセンタ
ドライブギア78、アクスルドライブギア79を介してアク
スルシャフト80に伝達し、アクスルシャフト80は矢印F
方向と同方向に回転する。
【0055】そしてアクスルシャフト80の回転により、
デファレンシャルサイドギア91は、矢印F方向と同方向
に回転する。
【0056】他方、ドラムブレーキ99が作動してブレー
キピニオン98およびリングギア95が固定されているの
で、プラネタリギア93,94は、デファレンシャルサイド
ギア91の回転により軸93a,94を支点にして回転し、デ
ファレンシャルギア92が矢印方向と逆方向に回転し、ア
クスルシャフト86は、アクスルシャフト80と逆方向に回
転する。したがって、車輪1,2,30,31が図5に示す状
態に転舵されていれば、車両は中心Pを支点にして反時
計方向にスピンターンする。
【0057】また、クラッチ77を切り、クラッチ82を入
れておけば、車両は逆方向である時計方向にスピンター
ンする。
【0058】この実施例では、後輪の差動はできない
が、車両を一旦停車することなく、走行状態からスピン
ターンさせることが可能である。ただし、旋回時に地面
に輪立ちが生じる恐れがあるので、これが問題らならな
い用途である農業用、林業用、土木用、工事用等の運
搬、作業および果樹園の薬液噴霧用の特殊車に適してい
る。
【発明の効果】この発明によれば、駐車場,袋小路,通
路,空地,園地等で従来より狭い場所で車両を簡単に旋回
させることができ、非常に便利である。また、前進の走
行形態で旋回させることができるので、安全性,走行性
が向上することとなる。
【0059】さらに、狭い通路の交差箇所での進路変更
においては、スピンターンを行なえばハンドル操作の切
り返しをなくすことができ、起動性が高まることとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る転舵装置の構成を示した平面
図、
【図2】後輪を回転させるための伝達機構を示した平面
図、
【図3】後輪を回転させるための伝達機構を示した平面
図、
【図4】前輪を転舵させた状態を示した転舵装置の平面
図、
【図5】スピンターンを行なわせる場合の前輪および後
輪を転舵させたときの状態を示した平面図、
【図6】他の実施例の伝達機構を示した平面図である。
【符号の説明】
1,2 前輪 13,44 シリンダ 20 アイドラアーム 21 ピットマンアーム 30,31 後輪 R リンク機構 Q リンク機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 000238441 武田 康雄 香川県香川郡香川町浅野937−21 (72)発明者 井本武 香川県高松市一宮町368の4 (72)発明者 伊賀淳 香川県高松市高松町534−2 (72)発明者 山下淳 愛媛県松山市福角町甲51−128 (72)発明者 佐藤員暢 徳島県名西郡石井町藍畑字竜王52−30 (72)発明者 疋田光伯 香川県木田郡牟礼町牟礼1632−20新八栗 台団地 (72)発明者 武田康雄 香川県香川郡香川町浅野937−21 (56)参考文献 実開 昭63−160270(JP,U) 実開 昭52−171034(JP,U) 特公 昭48−39412(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 7/14 B60K 23/04 F16H 1/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前輪および後輪の各車輪をそれぞれ独立し
    て転舵できるように取り付け、各車輪の車軸が車体の中
    心位置に向くように各車輪を転舵させるスピン転舵機構
    と、前記前輪をアッカーマン方式で転舵させるアッカー
    マン転舵機構とを設けた転舵装置であって、 前記スピン転舵機構は、左右両側にシリンダロッドを有
    するシリンダと、前記左右のシリンダロッドの先端に後
    端が枢着された一対のタイロッドと、各タイロッドの先
    端に後端が枢着されるとともに先端を左右の各前輪に取
    り付けた一対のナックルアームとを有し、 前記アッカーマン転舵機構は、先端が前記シリンダの一
    端に枢着され、後端が車体のフレームに枢着されたアイ
    ドラアームと、後端を支点にしてハンドル操作によって
    回動するとともに先端がシリンダの他端に枢着された左
    右に移動可能に取り付けられたピットマンアームとを有
    し、 前記ハンドルの操作によるピットマンアームの回動によ
    ってシリンダを左右に移動させることによって、左右の
    前輪を転舵させることを 特徴とする転舵装置。
  2. 【請求項2】車輪駆動軸を設けた2つの相対向したサイ
    ドギアとこれらサイドギアに噛合したプラネタリアギア
    とを有する差動装置を備えた駆動伝達装置であって、 前記プラネタリアギアに回転力を伝達して該プラネタリ
    アギアを車輪駆動軸回りに回転させる第1伝達手段と、 前記サイドギアの一方に回転力を伝達するとともに、前
    記プラネタリアギアを介して一方のサイドギアの回転を
    他方のサイドギアに逆回転にして伝達する第2伝達手段
    と、 エンジンの回転力を前記第1伝達手段と第2伝達手段の
    どちらか一方に伝達させる切換手段とを備えていること
    を特徴とする駆動伝達装置。
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