JP3071611B2 - 感光性組成物 - Google Patents

感光性組成物

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JP3071611B2
JP3071611B2 JP5183023A JP18302393A JP3071611B2 JP 3071611 B2 JP3071611 B2 JP 3071611B2 JP 5183023 A JP5183023 A JP 5183023A JP 18302393 A JP18302393 A JP 18302393A JP 3071611 B2 JP3071611 B2 JP 3071611B2
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は平版印刷版、IC回路や
フォトマスクの製造に適する感光性組成物に関するもの
である。更に詳しくは、ポジ型に作用する感光性物質と
アルカリ性水溶液又は水を主体とするアルカリ性溶媒に
可溶性(以下アルカリ水可溶性という)の高分子化合物
とを含有する感光性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】o−ナフトキノンジアジド化合物とノボ
ラック型フェノール樹脂からなる感光性組成物は、非常
に優れた感光性組成物として平版印刷版の製造やフォト
レジストとして工業的に用いられてきた。しかし、主体
として用いられるノボラック型フェノール樹脂の性質
上、基板に対する密着性が悪いこと、皮膜がもろいこ
と、耐摩耗性が劣り、平版印刷版に用いたときの耐刷性
が十分でないこと等の改良すべき点があり、応用面での
限界があった。かかる問題を解決するため種々のポリマ
ーがバインダーとして検討されてきた。たとえば、特公
昭52−41050号公報に記載されているポリヒドロ
キシスチレン又はヒドロキシスチレン共重合体を用いる
ことにより皮膜性が改良されたが、耐摩擦性が劣るとい
う問題点が残っていた。皮膜性、基板への密着性、耐摩
耗性の改良を目的として特開昭63−226641号に
は、活性イミノ基を有するアルカリ可溶性ポリマーをバ
インダーとして用いることが開示されている。しかしな
がら、適正な現像条件の範囲を広く保つためには、従来
より用いているノボラック型の樹脂と併用せざるを得な
かったため、必ずしも充分な耐刷性は得られなかった。
【0003】また、従来のフェノール樹脂を用いた感光
性組成物は通常 pH13以上の高いpHを有するアルカ
リ水溶液で現像しなければならなかったが、このような
高 pHの現像液は取り扱いの安全上また現像廃液の処理
適性のうえから決して好ましいものではなかった。 pH
13よりも低い pHを有するアルカリ水溶液で現像を可
能にするためには、用いられるアルカリ可溶性バインダ
ーの pKa は従来のフェノール樹脂の pKa よりも低い
ことが望ましい。特公平1−53451号公報中にはア
クリル酸誘導体の重合単位を重合して得られる高分子化
合物をバインダーとして用いることが提案されている。
また特開平3−68946号公報中には湿し水不要感光
性平版印刷版において、カルボン酸基を有するN−フェ
ニルアクリルアミド誘導体の重合単位を重合して得られ
る高分子化合物をバインダーとして用いることが提案さ
れている。いずれのバインダーを用いても pH12.5以
下のアルカリ水溶液で現像可能ではあったが、現像によ
りポジ画像が全部溶解したり、また非常に軟調な画像を
与えたり、また少しの現像条件の変動により画像形成性
が大きく変動するなどの問題を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】従って、本発明の目
的は、比較的低い pHを有するアルカリ水溶液でも現像
でき、かつ、現像条件の変動による画像形成性の変化の
少ない良好なポジ画像を与える感光性組成物を提供する
ことである。また、本発明の他の目的は、高耐刷性の平
版印刷版を与える感光性組成物を提供することである。
本発明の更に他の目的は、基板に対する密着性が良く、
柔軟な皮膜を与える感光性組成物を提供することであ
る。さらにまた、本発明の目的は、上記のような感光性
組成物を含む感光層を有する感光性平刷印刷版、及び該
感光性平刷印刷版から平刷印刷版を製造する方法を提供
することである。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは種々研究
を重ねた結果、特定の構造を有するカルボン酸誘導体を
重合して得られるバインダーが本発明の目的を達成する
ことを見い出した。即ち、本発明は、少なくとも1つの
下記一般式〔1〕で示される重合単位を重合して得られ
る高分子化合物と、ポジ型に作用する感光性物質とを含
有することを特徴とする感光性組成物を提供するもので
ある。
【0006】
【化2】
【0007】式中、Aは、水素原子、ハロゲン原子、又
はアルキル基を表わし、Xは、酸素原子、NH、又はN-R5
(ここでR5 はアルキル基を示す)を表わし、R1 、R
2 、R3 、及びR4 は、それぞれ独立して、水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール
基、置換アリール基、−OR6 、−OCO −R7、−NHCO−
R8、−NHCONHR9、−OCONH −R10 、−COOR11、−CONHR
12 、−COR1 3 、−CONR14R15 、−CN、もしくは−CHO
基を表わすか、又は、R1 、R2 、R 3 、及びR4 は、
そのうちの2個がそれが結合している炭素原子ととも環
を形成してもよく、R6 〜R15はアルキル基、置換アル
キル基、アリール基、又は置換アリール基を表わし、L
は、2価の有機基を表わす。
【0008】また、本発明は、上記の感光性組成物を含
む感光層を基板上に有する感光性材料を画像露光した
後、pH12.5以下のアルカリ水溶液で現像することを
特徴とする画像形成方法を提供するものである。上記の
高分子化合物が、 pH12.5以下のアルカリ水溶液で現
像でき、耐摩耗性が優れる上、適正な現像条件の範囲が
広い(現像許容性が広い)感光性組成物を与えることは
まさに驚くべきことであった。上記式中、Aは、水素原
子、ハロゲン原子、又はアルキル基を表わす。ハロゲン
原子としては、クロル、ブロムの各原子が好ましい。ア
ルキル基としては、炭素数1〜6個、好ましくは1〜4
個のものを用いることができる。上記式中、R1
2 、R3 、及びR4 は、それぞれ独立して、水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、芳香
族基、置換芳香族基、−OR6 、−OCO −R7、−NHCO−
R8、−NHCONHR9、−OCONH −R10 、−COOR11、−CONHR
12、−COR13 、−CONR14R15 、−CN、もしくは−CHO 基
を表わす。ハロゲン原子としてはふっ素、塩素、臭素の
各原子が好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜2
0個のものが用いられ、より好ましくは1〜8個のアル
キル基が用いられる。アリール基としては、フェニル、
ナフチルなどの炭素数6〜20個のものが用いられ、よ
り好ましくは6〜10個までのものが用いられる。置換
アルキル基および置換アリール基の置換基としては、炭
素数6〜10個のアリール基、炭素数1〜10個のアル
コキシ基、ハロゲン原子、炭素数2〜11個のアルコキ
シカルボニル基、炭素数2〜11個のアシルオキシ基、
ホルミル基などをあげることができる。また、置換アリ
ール基の置換基としては、上記したもののほかにも炭素
数1〜10個のアルキル基をあげることができる。
【0009】R1 、R2 、R3 、及びR4 は、そのうち
の2個が結合して環を形成してもよい。このような環と
しては、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル等の炭素
数4〜14個の脂肪族環、アリール環、およびピリジ
ル、フリル、ピロール、インドールなどのヘテロ原子1
〜4個を含むヘテロ環をあげることができる。R5 とし
ては、炭素数1〜6個のアルキル基、より好ましくは1
〜4個のアルキル基をあげることができる。R6 〜R15
は、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、又は置
換アリール基を表わす。アルキル基としては、炭素数1
〜20個のものが用いられ、より好ましくは1〜8個の
アルキル基が用いられる。アリール基としては、フェニ
ル、ナフチルなどの炭素数6〜20個のものが用いら
れ、より好ましくは6〜10個のものが用いられる。置
換アルキル基および置換アリール基の置換基としては、
炭素数6〜10個のアリール基、炭素数1〜10個のア
ルコキシ基、ハロゲン原子、炭素数2〜11個のアルコ
キシカルボニル基、炭素数2〜11個のアシルオキシ
基、ホルミル基などをあげることができる。置換アリー
ル基の置換基としては、上記したもののほかにも、炭素
数1〜10個までのアルキル基をあげることができる。
【0010】また、上記中、Lは2価の有機基を表す。
有用な2価の有機基には、例えばメチレン、エチレンな
どの炭素数1〜20個のアルキレン基、例えばフェニレ
ン、ナフチレンなどの炭素数6〜20個のアリーレン
基、例えばビニリデン基のような炭素数2〜10個のア
ルケニレン基が含まれ、これらのアルキレン基、アリー
レン基、アルケニレン基には、更に置換基を有していて
もよい。好適な置換基にはハロゲン原子(例えば塩素原
子、臭素原子など)、シアノ基などが含まれる。上記の
ような、いずれも置換基を有していてもよいアルキレン
基、アリーレン基およびアルケニレン基は、その内の2
以上の基が組み合わされてLで規定される2価の有機基
を構成することもできる。更にLで規定される有機基の
片末端、両末端、中間、片末端と中間又は両末端と中間
に、エステル基(−COO −)、アミド基(−CONH−)、
カーバメート基(−NHCO2 −)、ウレア基(−NHCONH
−)、エーテル基(−O −)、イミノ基(−NH−)、チ
オエーテル基(−S −)、スルホンアミド基(−SO2NH2
−)が含まれ、又は介在してもよい。特に好適なLは、
下記一般式〔2〕で示される2価の有機基である。 −(L1) a −(L2) b −(L3) c −L4− 〔2〕 ここで、L1 は−COO −または−CONH−を示し、L2
−(CH2)l −O−(但し、lは2〜15の整数を示
す。)又は−(CH2)m −(但し、mは2〜15の整数を
示す。)を示し、L3 は−CO−又は=CO−(CH2)n −CO
O −(但し、nは2〜15の整数を示す。)を示し、L
4 は炭素数6〜10個のアリーレン基、−(CH2) p
(但し、pは2〜15の整数)又はNHを示し、aは0
又は1、bは0、1又は2、cは0又は1の整数をそれ
ぞれ示す。
【0011】上記式中、Aとしては、水素原子もしくは
メチル基が好ましく、Xとしては、NHが好ましい。R
1 〜R4 としては、水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、1から8個の炭素数を有するアルキル基;ハロゲン
原子、アリール基又はアルコキシ基で置検された全炭素
数1〜15のアルキル基;−OR6 基;−OCOR7 基;−OC
ONHR9 基(ここでR6 、R7 、R9 はそれぞれ独立して
1から8個の炭素数と有するアルキル基;アリール基;
ハロゲン原子、アリール基又はアルコキシ基で置換され
た全炭素数1〜15の置換アルキル基;もしくはハロゲ
ン原子、アルキル基又はアルコキシ基で置換された全炭
素数6〜15の置換アリール基が好ましい)が好まし
く、またR1 〜R4 は、そのうちの2個が結合して環を
形成することも好ましい。好ましい環の具体例として
は、カルボキシル基が結合しているアリール基と縮環し
た形で言うと、ナフタレン、テトラリン、インデン、イ
ンダノン、テトラロン、ベンゾフラン、インドールであ
る。次に、上記の一般式〔I〕で示される重合単位の具
体例を以下に示す。ただし、本発明はこの具体例に限定
されるものではない。
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】
【化5】
【0015】
【化6】
【0016】
【化7】
【0017】一般式〔I〕で示される重合単位は下記一
般式〔3〕で示される化合物を、下記一般式〔4〕で示
される酸ハライド化合物又は、一般式〔5〕で示される
イソシアネート基を含有する重合単位と反応させること
により容易に合成することができる。
【0018】
【化8】
【0019】一般式〔3〕〜〔5〕においてA,L,
X,R1 〜R4 は、一般式〔I〕のそれと同義である。
また一般式〔5〕において、L1 、L2 、L3 、a、
b、cは一般式〔2〕のそれと同義である。本発明にお
ける高分子化合物は一般式〔1〕で表わされる単一の重
合単位を重合して得られる重合体、または、一般式
〔1〕で表わされる重合単位Aと一般式〔1〕で表わさ
れるがAとは異なった構造単位を有するBとを重合して
得られる共重合体でも良い。また、公知のビニル系単量
体の一種以上を組み合わせて重合して得られる多元系共
重合体であっても良い。ただし、本発明においては、一
般式〔1〕で示される重合単位は、高分子化合物中の全
重合単位のモル数を基準として、10モル%〜100モ
ル%含まれていることが適当であり、より好ましくは2
0モル%〜100モル%含まれる。
【0020】上記一般式〔1〕で示される重合単位と組
み合わせて用いることができるビニル系単量体として
は、(i) 例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、
ブタジエン、イソプレン等のエチレン系不飽和オレフィ
ン類、(ii)例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−
メチルスチレン、p−クロロスチレン等のスチレン類、
(iii) 例えばアクリル酸、メタクリル酸等のアクリル酸
類、(iv)例えばイタコン酸、マレイン酸、無水マレイン
酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸類、(v) 例えばマレイ
ン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジ−2
−エチルヘキシル、フマル酸ブチル、フマル酸ジ−2−
エチルヘキシル等の不飽和ジカルボン酸のジエステル
類、(vi)例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリ
ル酸ドデシル、アクリル酸2−クロロエチル、アクリル
酸フェニル、α−クロロアクリル酸メチル、メタクリル
酸メチル、エタクリル酸エチル等のα−メチレン脂肪族
モノカルボン酸エステル類、(vii) 例えばアクリロニト
リル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、(viii)例
えばアクリルアミド等のアミド類、(ix)例えばアクリル
アニリド、p−クロロアクリルアニリド、m−ニトロア
クリルアニリド、m−メトキシアクリルアニリド等のア
ニリド類、(x) 例えばメチルビニルエーテル、エチルビ
ニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、β−クロロ
エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、(xi)塩化
ビニル、ビニリデンクロライド、ビニリデンシアナイ
ド、(xii) 例えば1−メチル−1−メトキシエチレン、
1,1−ジメトキシエチレン、1,2−ジメトキシエチ
レン、1,1−ジメトキシカルボニルエチレン、1−メ
チ、ル−1−ニトロエチレン等のエチレン誘導体類、(x
iii)例えばN−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾー
ル、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリデン、N
−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、等のビニル
系単量体、(xiv) ヒドロキエチルアクリレート、ヒドロ
キシエチルメタクリレート等のアルコール性水酸基を有
する単量体をあげることができる。
【0021】一般式〔1〕で示される重合単位と組み合
わせて用いることのできるその他の単量体としては、特
開昭63−226641号公報に記載されているような
活性イミノ基を有する単量体、特開平4−204448
号公報に記載されているようなスルホンアミド基を有す
る単量体、米国特許第4,910,119号明細書、特開平
3−68946号公報、特公昭52−34933号公報
に記載されているようなN−(ヒドロキシフェニル)メ
タクリルアミド、N−(ヒドロキシフェニル)アクリル
アミド等の水酸基を有する単量体、もしくは特公昭52
−41052号公報に記載されているようなカルボキシ
ル基含有の単量体を挙げることができる。一般式〔I〕
で示される重合単位を重合して得られる高分子化合物
は、一般には、ラジカル連鎖重合法を用いて製造するこ
とができる("Textbook of PolymerScience" 3rd ed,
(1984) F.W.Billmeyer, A Wiley-Interscience Publica
tion参照)。一般式〔I〕で示される重合単位を重合し
て得られる高分子化合物の分子量は広範囲であってよい
が、ポリスチレンを標準としてゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーもしくは光散乱法を用いて測定した
時、重量平均分子量Mwで500〜2,000,000の範
囲であることが好ましく、2,000〜1,000,000の
範囲であることがさらに好ましい。上記一般式〔1〕で
示される重合単位を重合して得られる高分子化合物は、
組成物の全重量を基準として、好ましくは20〜95重
量%、さらに好ましくは50〜90重量%の量で感光性
組成物中に含まれる。
【0022】本発明に使用されるポジ型に作用する感光
性物質としては、o−ナフトキノンジアジド化合物が好
ましく、例えば、特公昭43−28403号公報に記載
されている1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロ
ライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステル、も
しくは1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロライ
ドと2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンとのエ
ステルであるものが好ましい。その他の好適なo−ナフ
トキノンジアジド化合物としては、米国特許第3,046,12
0 号および同第1,188,210 号明細書中に記載されている
1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロライドとフ
ェノール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステルがある。
その他の有用なo−ナフトキノンジアジド化合物として
は、数多くの特許に報告され、知られているものを用い
ることができる。たとえば、特開昭47−5303号、
同昭48−63802号、同昭48−63803号、同
昭48−96575号、同昭49−38701号、同昭
48−13354号、特公昭41−11222号、同昭
45−9610号、同昭49−17481号公報、米国
特許第2,797,213 号、同第3,454,400 号、同第3,544,32
3 号、同第3,573,917 号、同第3,674,495 号、同第3,78
5,825 号、英国特許第1,227,602 号、同第1,251,345
号、同第1,267,005 号、同第1,329,888 号、第1,330,93
2 号、ドイツ特許第854,890 号などの各明細書中に記載
されているものをあげることができる。またo−ナフト
キノンジアジド化合物以外のポジ型に作用する感光性物
質としては、例えば特公昭56−2696号公報に記載
されているオルトニトロカルビノールエステル基を有す
るポリマー化合物も本発明に使用することができる。
【0023】更に光分解により酸を発生する化合物と、
酸により解離するC−O−C基又はC−O−Si基を有
する化合物との混合物も感光性物質として本発明に使用
することができる。例えば光分解により酸を発生する化
合物と、アセタール又はO,N−アセタール化合物との
組合せ(特開昭48−89003号)、オルトエステル
又はアミドアセタール化合物との組合せ(特開昭51−
120714号)、主鎖にアセタール又はケタール基を
有するポリマーとの組合せ(特開昭53−133429
号)、エノールエーテル化合物との組合せ(特開昭55
−12995号)、N−アシルイミノ炭酸化合物との組
合せ(特開昭55−126236号)、主鎖にオルトエ
ステル基を有するポリマーとの組合せ(特開昭56−1
7345号)、シリルエステル化合物との組合せ(特開
昭60−10247号)及びシリルエーテル化合物との
組合せ(特開昭60−37549号、特開昭60−12
1446号)などが挙げられる。これらのポジ型に作用
する感光性物質は、組成物の全重量を基準として、好ま
しくは5〜80重量%、より好ましくは10〜50重量
%の量で、感光性組成物中に含まれる。本発明の感光性
組成物には種々の添加剤を加えることができる。たとえ
ば、耐刷性、焼き出し性、バーニング性、耐薬品性、現
像性なの諸性能の改良を目的として、フェノールホルム
アルデヒド樹脂、クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フ
ェノール変性キシレン樹脂、ポリヒドロキシスチレン、
ポリハロゲン化ヒドロキシスチレン等の公知のアルカリ
可溶性の高分子化合物を含有させることができる。かか
るアルカリ可溶性の高分子化合物は、組成物の全重量を
基準として前述のような一般式〔1〕で示される構造単
位を有するポリマーに対して0〜200重量%、より好
ましくは0〜100重量%の範囲で用いられる。
【0024】本発明の感光性組成物中には、感度を高め
るために環状酸無水物、露光後直ちに可視像を得るため
の焼き出し剤、画像着色剤として染料やその他のフィラ
ーなどを加えることができる。環状酸無水物としては米
国特許第4,115,128 号明細書に記載されているように無
水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ
無水フタル酸、3,6−エンドオキシ−Δ1 −テトラヒ
ドロ無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マ
レイン酸、クロル無水マレイン酸、α−フェニル無水マ
レイン酸、無水コハク酸、ピロメリット酸等がある。こ
れらの環状酸無水物を組成物の全重量を基準として、1
〜15重量%含有させることによって感度を最大3倍程
度に高めることができる。露光後直ちに可視像を得るた
めの焼き出し剤としては、露光によって酸を放出する感
光性物質と塩を形成し得る有機染料の組合せを代表とし
てあげることができる。具体的には特開昭50−362
09号公報、特開昭53−8128号公報に記載されて
いるo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲ
ニドと塩形成性有機染料の組合せや特開昭53−362
23号公報、特開昭54−74728号公報に記載され
ているトリハロメチル化合物と塩形成性有機染料の組合
せをあげることができる。画像着色剤としては、前記の
塩形成性有機染料以外に他の染料も用いることができ
る。塩形成性有機染料も含む好適な染料としては、種々
の油溶性染料および塩基染料をあげることができる。具
体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#
130、オイルピンク#312、オイルグリーンBG,
オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブ
ラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−
505(以上、オリエント化学工業株式会社製)、クリ
スタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオ
レット(CI42535)、ローダミンB(CI451
70B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メ
チレンブルー(CI52015)などをあげることがで
きる。
【0025】また、塗布性を改良するためのアルキルエ
ーテル類(例えばエチルセルロース、メチルセルロー
ス)、フッ素系界面活性剤類(例えば特開昭62−17
0950号公報に記載のものが好ましい)やノニオン系
界面活性剤(特にフッ素系界面活性剤が好ましい)、塗
膜の柔軟性及び耐摩耗性を付与するための可塑剤(例え
ばブチルフタリル、ポリエチレングリコール、クエン酸
トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フ
タル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリク
レジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレ
イン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸又はメタク
リル酸のオリゴマー及びポリマー、この中で特にリン酸
トリクレジルが好ましい)、画像部感脂性を向上させる
ための感脂化剤(例えば、特開昭55−527号公報記
載のスチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコールに
よるハーフエステル化物、特公昭57−23253号公
報に記載のオクチルフェノールホルムアルデヒドノボラ
ック樹脂、あるいはp−ヒドロキシスチレンの50%脂
肪酸エステル化物等)、等が好ましく用いられる。これ
らの添加剤の添加量はその使用目的によって異なるが、
一般に組成物中の全固形分に対して、0.01〜30重量
%である。本発明の感光性組成物を上記の各成分を溶解
する溶媒に溶かして支持体上に塗布し、塗膜を乾燥する
ことにより、感光層を形成することができる。
【0026】ここで使用する溶媒としては、エチレンジ
クロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、
エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレング
リコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トル
エン、酢酸エチルなどがあり、これらの溶媒を単独ある
いは混合して使用することができる。そして、上記成分
の溶液中の濃度(固形分)は、2〜50重量%が好まし
い。また、塗布量は用途により異なるが、例えば感光性
平版印刷版についていえば、一般的に固形分として0.5
〜3.0g/m2 が好ましい。塗布量が少なくなるにつれ
て感光性は大になるが、感光層の塗膜の物性は低下す
る。本発明の感光性組成物はIC製作のフォトレジスト
としても用いることができるが、感光性平版印刷の感光
層として特に適している。以下感光性平版印刷版の態様
について詳しく説明する。
【0027】支持体は、寸度的に安定な板状物であるこ
とが望ましい。かかる寸度的に安定な板状物としては、
従来印刷物の支持体として使用されてきたものを好適に
使用することができる。かかる支持体としては、紙;プ
ラスチックス(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリスチレンなど)がラミネートされた紙;アルミニウ
ム(アルミニウム合金も含む。)、亜鉛、銅などのよう
な金属板;二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロ
ピオン酸セルロース、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロ
ース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカ
ーボネート、ポリビニルアセタールなどのようなプラス
チックフィルム;上記の如き金属がラミネートもしくは
蒸着された紙もしくはプラスチックフィルムなどが含ま
れる。これらの支持体のうち、アルミニウム板は寸度的
に著しく安定であり、しかも安価であるうえ、本発明の
感光層等との接着性が特に良好なので好ましい。更に、
特公昭48−18327号公報に記載されているような
ポリエチレンテレフタレートフィルム上にアルミニウム
シートが結合された複合体シートも好ましい。
【0028】金属、特にアルミニウム支持体の場合に
は、砂目立て処理、陽極酸化処理などの表面処理がなさ
れていることが好ましい。さらに表面の親水性を高める
ために、珪酸ソーダ、弗化ジルコニウム酸カリウム、リ
ン酸塩等の水溶液への浸漬処理を行ってもよい。米国特
許第2,714,066 号明細書に記載されているように、砂目
立てした後に珪酸ナトリウム水溶液に浸漬処理されたア
ルミニウム板、特公昭47−5125号公報に記載され
ているようにアルミニウム板を陽極酸化処理した後に、
アルカリ金属珪酸塩の水溶液に浸漬処理したものが好適
である。また、米国特許第3,658,662 号明細書に記載さ
れているようなシリケート電着や、特公昭46−274
81号公報、特開昭52−58602号公報、特開昭5
2−30503号公報に開示されているような電解グレ
インと、上記陽極酸化処理及び珪酸ソーダ処理を組合せ
た表面処理も有用である。また、特開昭56−2889
3号公報に開示されているような、ブラシグレイン、電
解グレイン、陽極酸化処理、更に珪酸ソーダ処理を順に
行ったものも好適である。
【0029】アルミニウム板には、感光層を塗設する前
に必要に応じて有機下塗層が設けられる。この有機下塗
層に用いられる有機化合物としては、例えば、カルボキ
シメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2
−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホス
ホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、
ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホ
スホン酸、メチレンジホスホン酸およびエチレンジホス
ホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフ
ェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸および
グリセロリン酸などの有機リン酸エステル、置換基を有
してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン
酸、アルキルホスフィン酸およびグリセロホスフィン酸
などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニンなど
のアミノ酸類、およびトリエタノールアミンの塩酸塩な
どのヒドロキシル基を有するアミンの塩酸塩などを単独
で、あるいは、二種以上組み合わせて用いることができ
る。
【0030】この有機下塗層は次のような方法で設ける
ことが出来る。即ち、水またはメタノール、エタノー
ル、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれら
の混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液をアル
ミニウム板上に塗布し、乾燥して設ける方法や、水また
はメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの
有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物
を溶解させた溶液に、アルミニウム板を浸漬して上記有
機化合物を吸着させ、しかる後、水などによって洗浄
し、乾燥して有機下塗層を設ける方法である。前者の方
法では、上記の有機化合物の0.005〜10重量%の濃
度の溶液を種々の方法でアルミニウム板上に塗布でき
る。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗
布、カーテン塗布などいずれの方法を用いてもよい。ま
た、後者の方法では、アルミニウム板を、0.01〜20
重量%、好ましくは0.05〜5重量%の濃度の上記有機
化合物の溶液中に、20〜90℃、好ましくは25〜5
0℃の浸漬温度で、0.1秒〜20分、好ましくは2秒〜
1分浸漬することにより有機下塗層を設けることができ
る。
【0031】上記の溶液は、アンモニア、トリエチルア
ミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩酸、リン
酸などの酸性物質により pHを調節し、 pH1〜12の
範囲で使用することもできる。また、感光性平版印刷版
の調子再現性改良のために黄色染料を添加することもで
きる。有機下塗層の乾燥後の被覆量は、2〜200mg/
2 が適当であり、好ましくは5〜100mg/m2 であ
る。上記の被覆量が2mg/m2 より少ないと十分な耐刷
性能が得られない。また、200mg/m2 より大きくて
も同様である。上記のようにして形成された感光層を有
する感光性平刷印刷版は、画像露光した後、pH12.5
以下のアルカリ水溶液で現像することができる。感光性
平版印刷版の露光に使用される光源としては、カーボン
アーク灯、水銀灯、キセノンランプ、タングステンラン
プ、メタルハライドランプなどがある。
【0032】感光性平版印刷版の感光層の表面は、真空
焼枠を用いた密着露光の際の真空引きの時間を短縮し、
且つ焼きボケを防ぐ為、マット化することが好ましい。
具体的には、特開昭50−125805号、特公昭57
−6582号、同61−28986号の各公報に記載さ
れているようなマット層を設ける方法、特公昭62−6
2337号公報に記載されているような固体粉末を熱融
着させる方法などがあげられる。本発明の感光性平版印
刷版の画像露光に使用される光源としては、カーボンア
ーク灯、水銀灯、キセノンランプ、タングステンラン
プ、メタルハライドランプなどがある。
【0033】本発明の感光性平版印刷版の現像液として
は pH12.5以下のアルカリ水溶液を使用することが
でき、より好ましくは pH8〜11のアルカリ水溶液が
使用される。このような pH値とするために使用される
塩基性化合物としては、第3リン酸ナトリウム、第3リ
ン酸カリウム、第3リン酸アンモニウム、第2リン酸ナ
トリウム、第2リン酸カリウム、第2リン酸アンモニウ
ムなどのリン酸塩、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナト
リウム、炭酸水素カリウムなどの炭酸塩、ホウ酸ナトリ
ウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウムなどのホウ
酸塩、および水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸
化リチウム、水酸化アンモニウムなどのアルカリ金属水
酸化物が挙げられる。特に好ましいものとしては炭酸塩
と炭酸水素塩の組合せである。これらは単独または混合
して用いられる。
【0034】また別の塩基性化合物として、モノメチル
アミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチ
ルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイ
ソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、n−ブチル
アミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、
トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、
ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレン
ジアミン、ピリジンなどのような水溶性有機アミン化合
物が挙げられる。このうち特にモノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが好ま
しく、無機アルカリ金属塩などと組み合せて使用しても
よい。これらの塩基性化合物の水溶液中の濃度は、前述
のように pH12.5以下、より好ましくは pH8〜1
1となるような範囲で使用されるが、一般的には0.0
5〜10重量%の範囲から選ぶことができる。
【0035】また必要に応じて、現像液中にアニオン界
面活性剤を加えてもよい。アニオン界面活性剤としては
例えば、ラウリルアルコールサルフェートのナトリウム
塩、オクチルアルコールサルフェートのナトリウム塩、
ラウリルアルコールサルフェートのアンモニウム塩、第
2ナトリウムアルキルサルフェートなどの炭素数8〜2
2の高級アルコール硫酸エステル塩類、例えばセチルア
ルコール燐酸エステルのナトリウム塩などのような脂肪
族アルコール燐酸エステル塩類、例えばドデシルベンゼ
ンスルホン酸のナトリウム塩、イソプロピルナフタレン
スルホン酸のナトリウム塩、メタニトロベンゼンスルホ
ン酸のナトリウム塩などのようなアルキルアリールスル
ホン酸塩類、例えば C17H33CON(CH3)CH2CH2SO3Naなどの
ようなアルキルアミドのスルホン酸塩類、例えばナトリ
ウムスルホこはく酸ジオクチルエステル、ナトリウムス
ルホこはく酸ジヘキシルエステルなどの二塩基性脂肪酸
エステルのスルホン酸塩類などが含まれる。アニオン界
面活性剤は、使用時の現像液の総重量に対して0.1〜5
重量%の範囲で含有させておくことが適当である。0.1
重量%よりも少なくなるとその使用効果が低くなり、5
重量%よりも多くなると、画像部の色素の溶出(色抜
け)が過多になったり、画像の耐摩耗性などの機械的、
化学的強度が劣化するなどの弊害が出てくる。
【0036】更に、ベンジルアルコール等の水と混合し
うるような有機溶媒を現像液に加えしもよい。有機溶媒
としては、水に対する溶解度が約10重量%以下のもの
が適しており、好ましくは5重量%以下のものから選ば
れる。たとえば1−フェニルエタノール、2−フェニル
エタノール、3−フェニルプロパノール−1,4−フェ
ニルブタノール−1,4−フェニルブタノール−2,2
−フェニルブタノール−1,2−フェノキシエタノー
ル、2−ベンジルオキシエタノール、o−メトキシベン
ジルアルコール、m−メトキシベンジルアルコール、p
−メトキシベンジルアルコール、ベンジルアルコール、
シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘクサノール、
4−メチルシクロヘクサノール及び3−メチルシクロヘ
クサノール等をあげることができる。有機溶媒の含有量
は、使用時の現像液の総重量に対して1〜5重量%が好
適である。その使用量は界面活性剤の使用量と密接な関
係があり、有機溶媒の量が増すにつれ、アニオン界面活
性剤の量は増加させることが好ましい。これはアニオン
界面活性剤の量が少ない状態で、有機溶媒の量を多く用
いると有機溶媒が溶解せず、従って良好な現像性の確保
が期待できなくなるからである。
【0037】また、さらに必要に応じ、消泡剤及び硬水
軟化剤のような添加剤を含有させることもできる。硬水
軟化剤としては、例えば、 Na2P2O7、Na5P3O3 、Na3P3O
9 、Na2O4P(NaO3P)PO3Na2 、カルゴン(ポリメタ燐酸ナ
トリウム)などのポリ燐酸塩、例えばエチレンジアミン
テトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ジエ
チレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、ナトリ
ウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリ
ウム塩、そのナトリウム塩;ヒドロキシエチルエチレン
ジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム
塩;ニトリロトリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウ
ム塩;1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸、そ
のカリウム塩、そのナトリウム塩;1,3−ジアミノ−
2−プロパノールテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナ
トリウム塩などのようなアミノポリカルボン酸類の他2
−ホスホノブタントリカルボン酸−1,2,4,そのカ
リウム塩、そのナトリウム塩;2−ホスホノブタノント
リカルボン酸−2,3,4,そのカリウム塩、そのナト
リウム塩;1−ホスホノエタントリカルボン酸−1,
2,2,そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1−ヒド
ロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム
塩、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン
酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような
有機ホスホン酸類を挙げることができる。このような硬
水軟化剤の最適量は使用される硬水の硬度およびその使
用量に応じて変化するが、一般的には、使用時の現像液
中に0.01〜5重量%、より好ましくは0.01〜0.5重
量%の範囲で含有させられる。
【0038】本発明の感光性平版印刷版は、特開昭54
−8002号、同55−115045号、特開昭59−
58431号の各公報に記載されている方法で製版処理
してもよいことは言うまでもない。即ち、現像処理後、
水洗してから不感脂化処理、またはそのまま不感脂化処
理、または酸を含む水溶液での処理、または酸を含む水
溶液で処理後不感脂化処理を施してもよい。さらに、こ
の種の感光性平版印刷版の現像工程では、処理量に応じ
て現像液が疲労してくるので、補充液又は新鮮な現像液
を用いて処理能力を回復させてもよい。この場合、米国
特許第4,882,246 号に記載されている方法で補充するこ
とが好ましい。また、上記のような製版処理は、特開平
2−7054号、同2−32357号に記載されている
ような自動現像機で行なうことが好ましい。また、本発
明の感光性平版印刷版を画像露光し、現像し、水洗又は
リンスしたのちに、不必要な画像部の消去を行なう場合
には、特公平2−13293号公報に記載されているよ
うな消去液を用いることが好ましい。更に製版工程の最
終工程で所望により塗布される不感脂化ガムとしては、
特公昭62−16834号、同62−25118号、同
63−52600号、特開昭62−7595号、同62
−11693号、同62−83194号の各公報に記載
されているものが好ましい。
【0039】更にまた、本発明の感光性平版印刷版を画
像露光し、現像し、水洗又はリンスし、所望により消去
作業をし、水洗したのちにバーニングする場合には、バ
ーニング前に特公昭61−2518号、同55−280
62号、特開昭62−31859号、同61−1596
55号の各公報に開示されているような整面液で処理す
ることが好ましい。以下に本発明を合成例及び実施例に
より、さらに詳細に説明するが、本発明の範囲はこれら
により限定されるものではない。なお、パーセント表示
は、他に指定のない限り、すべて重量%を示す。
【0040】
【実施例】
〔合成例1〕 具体例2の化合物の合成 4−(6−メタクリロイルオキシヘキシルオキシ)安息
香酸16.8gを、還流冷却管及び攪拌棒を備えた200
mlの三ツ口フラスコにとり、N,N−ジメチルホルム
アミドを1滴添加した。更にその中に塩化チオニル7.9
gを少しずつ加えた後、攪拌しながら70℃で2時間加
熱した。反応液を室温にまで冷却した後、減圧下にて過
剰の塩化チオニルを留去し、塩化物を調製した。次に、
還流冷却管及び攪拌棒を備えた上記とは別の300ml
の三ツ口フラスコにアントラニル酸6.3gをとり、テト
ラヒドロフラン(THF)90mlを注ぎ入れた。この
フラスコの中へ先に調製した塩化物を滴下し、3時間攪
拌しながら加熱還流した。次に、反応液を500mlの
水にあけ、酢酸エチル350mlを用いて抽出を行った
後、酢酸エチルを減圧にて留去した。残査をTHFに溶
かし、ヘキサン400mlにあけて結晶を析出させた。
結晶をろ取し、乾燥した。収量13.4g、融点115〜
118℃。 元素分析:C:67.83 % H:6.43% N:3.31%
【0041】〔合成例2〕 具体例9の化合物の合成 2−イソシアネートエチルメタクリレート21.7gを、
300mlの三ツ口フラスコに取り、トルエン50ml
を加えた。THF100mlに溶かした2−アミノ−5
−クロロ安息香酸を上記の三ツ口フラスコ中へ滴下し、
室温にて6時間攪拌を行った。次に、反応液を1リット
ルのヘキサン中にあけ、結晶を析出させた。結晶をろ取
した後、エタノール200mlを用いて再結晶した。融
点201〜203℃の白色結晶が10.0g得られた。 元素分析:C:51.45 % H:4.60% N:8.62%
【0042】〔合成例3〜10〕以下の表1に示す原料
から、合成例1と同様の方法で、表1に示す化合物を合
成した。
【0043】
【表1】 表1 ─────────────────────────────────── 合成例 原料 生成物 ─────────────────────────────────── 3 4-[2-(メタクロイルオキシ) エチルオキシ]- 具体例1の化合物 安息香酸 2−アミノ−安息香酸 ─────────────────────────────────── 4 4-[[2-( メタクロイルオキシ) エチルオキシ]- 具体例3の化合物 カルボニル] 安息香酸 2−アミノ−安息香酸 ─────────────────────────────────── 5 モノメタクリロイルジエチレングリコール− 具体例17の化合物 p−フタレートモノエステル 2−アミノ−安息香酸 ─────────────────────────────────── 6 4-[[2-( アクリロイルオキシ) エチルオキシ]- 具体例18の化合物 カルボニル] 安息香酸 2−アミノ−安息香酸 ─────────────────────────────────── 7 4-[2-(メタクロイルオキシ) エチルオキシ]- 具体例19の化合物 安息香酸 3,5-ジクロロ-2- ヒドロキシ- 安息香酸 ─────────────────────────────────── 8 3-[2-(メタクロイルオキシ) エチルカルボニル]- 具体例20の化合物 プロピオン酸 3,5-ジメチル-2- ヒドロキシ- 安息香酸 ─────────────────────────────────── 9 4−ビニル安息香酸 具体例12の化合物 2-アミノ-5- エトキシ- 安息香酸 ─────────────────────────────────── 10 4-[[2-( アクリロイルオキシ) エチルオキシ]- 具体例21の化合物 カルボニル] 安息香酸 2−アミノ−安息香酸 ───────────────────────────────────
【0044】〔合成例11〕合成例1で製造した化合物
15.7g、ジメチルホルムアミド(DMF)30gを1
00mlの3口フラスコに取り、窒素気流下攪拌しなが
ら65℃に保った。2,2′−アソビス(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)を9.2mg加え、攪拌を続けた。2
時間後、更に2,2′−アソビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)を23.0mg加えた。4時間攪拌を続けた
後、室温まで冷却し、反応液をメタノール500ml中
に注いだ。析出した固体をろ取し、乾燥した。光散乱法
により測定したところ、この固体は重量平均分子量5.3
万の高分子化合物であった。 収量14.3g
【0045】〔合成例12〜22〕合成例11と同様の
方法にて、合成例2〜10で製造した化合物を用いて、
表2に示すような種々の高分子化合物を合成した。
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】実施例1〜4及び比較例1〜2 厚さ0.30mmのアルミニウム板をナイロンブラシと40
0メッシュのパミストンの水懸濁液を用いその表面を砂
目立てした後、よく水で洗浄した。10%水酸化ナトリ
ウム水溶液に70℃で60秒間、アルミニウム板を浸漬
してエッチングした後、流水で水洗後、20%HNO3で中
和洗浄し、水洗した。これをVA =12.7Vの条件下で
正弦波の交番波形電流を用いて1%硝酸水溶液中で16
0クローン/dm2 の陽極時電気量で電解粗面化処理を行
った。その表面粗さを測定したところ、0.6μ(Ra
示)であった。引き続いて、アルミニウム板を30%の
H2SO4 水溶液中に浸漬し55℃で2分間デスマットした
後、20%H2SO4 水溶液中、電流密度2A/dm2 におい
て2.7g/m2の酸化皮膜重量になるように陽極酸化し
た。
【0050】その後、アルミニウム板を70℃の珪酸ソ
ーダの2.5%水溶液に1分間浸漬し、水洗し、乾燥し
た。このように処理したアルミニウム板の表面に下記組
成の下塗り液(A)を塗布し80℃で、30秒間乾燥し
て、基板(I)を作製した。乾燥後の被覆量は30mg/
m2であった。 下塗り液(A) フェニルホスホン酸 0.10g メタノール 40g 純水 60g
【0051】次に、この基板(I)上に次の感光液
(A)をロッドコーティングで25ml/m2の量で塗設
し、100℃で1分間乾燥してポジ型感光性平版印刷版
を得た。乾燥後の塗布量は約1.9g/m2であった。 感光液(A) 1,2−ナフトキノンジアミド−5−スルホニル 0.75g クロリドと2,3,4−トリヒドロキシベンゾ フェノンとのエステル化反応物 合成例で製造した高分子化合物 2.0g 2−(p−ブトキシフェニル)−4,6−ビス 0.02g (トリクロルメチル)−s−トリアジン ナフトキノン−1,2−ジアジド− 0.03g 4−スルホン酸クロライド クリスタルバイオレット 0.01g オイルブルー#603 0.015g (オリエント化学工業株式会社製) エチレンジクロリド 18g 2−メトキシエチルアセテート 12g これらの感光性平版印刷版をそれぞれ2kWのメタルハラ
イドランプで1mの距離よりポジ透明原画を通して40
秒間露光した。
【0052】露光した感光性平版印刷版を次に示す条件
で現像処理を行った。すなわち、まず富士写真フィルム
(株)製自現機スタブロン900NPに下記の現像原液
−1を水で4倍に希釈した現像液(pH10)と富士フィ
ルム(株)製フィニシャーFP−2をそれぞれ仕込み、
現像液温30℃、現像時間30秒の条件にて現像処理を
行った。 現像原液−1 炭酸ナトリウム・1水塩 6g 炭酸水素ナトリウム 3g エチレンジアミンテトラ酢酸 2g ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 1g 水 100g
【0053】現像処理後画像が得られるかどうかを評価
した。感光膜が現像できずそのまま残ったものは画像形
成性を×(現像不良)、感光膜が全部溶解し、残らなか
ったものは×(過現像)と評価し、ポジ画像が得られた
ものについては画像形成性を○と評価した。画像が得ら
れたものについては常法に従って処理して、平版印刷版
を得た。こうして得られた平版印刷版をオフセット印刷
機にかけて印刷し耐刷性のテストを行なった。耐刷性の
劣るものは少ない枚数で画像部が摩耗してインキが付着
しなくなり、正常な印刷物が得られなくなる。また適性
現像条件の範囲の広さ(現像許容性)を調べるため、露
光した感光性平刷印刷版を前記の現像液に5分間浸漬し
て現像した場合と、30分間浸漬して現像した場合との
調子再現性の変化を調べた。ほとんど変化がなかったも
のを○、大きく変化したものを×、その中間を△で表示
した。これらの結果を表3に示す。また比較例として、
合成例で製造した高分子化合物に代えて、下記C1又は
C2のポリマーを用いて感光性平刷印刷版を製造し、実
施例と同様の方法で画像形成性を評価した。その結果を
表3に示す。
【0054】
【表5】 表 3 ──────────────────────────────────── 実施例 高分子化合物 画像形成性 現像許容性 耐刷枚数 ──────────────────────────────────── 1 合成例11で製造した高分子化合物 ○ ○ 10万 2 合成例12で製造した高分子化合物 ○ ○ 8万 3 合成例13で製造した高分子化合物 ○ ○ 13万 4 合成例14で製造した高分子化合物 ○ ○ 7万 比較例 1 C1 ×(過現像) 2 C2 ×(現像不良) ───────────────────────────────────
【0055】比較例のポリマー
【0056】
【化9】
【0057】実施例5〜6及び比較例3 厚さ0.24mmのJIS A1050アルミニウム板を、
平均粒径約21μのパミストンと水の懸濁液をアルミニ
ウム表面に供給しながら、毛長100mm、毛径0.95m
m、植毛密度70本/cm2 の第1回転ナイロンブラシ、
及び、毛長80mm、毛径0.295mm、植毛密度670本
/cm2 の第2回転ナイロンブラシにより、ブラシグレイ
ニング処理した。ブラシロールの回転はいずれも250
rpm であった。ブラシグレイニングにひき続き、アルミ
ニウム板をよく水洗した後、10%水酸化ナトリウムに
60℃で25秒間浸漬してエッチングし、さらに流水で
水洗後、20%硝酸で中和洗浄し、水洗した。これら
を、VA =12.7Vの条件下で正弦波の交番波形電流を
用いて、1%硝酸水、溶液中で160クローン/dm2
陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。その表面粗さ
を測定したところ、0.79μ(Ra 表示)であった。引
き続いて、アルミニウム板を1%水酸化ナトリウム水溶
液に40℃で、30秒間浸漬後、30%の硫酸水溶液中
に浸漬し、60℃で40秒間デスマット処理した後、2
0%硫酸水溶液中、電流密度2A/dm2 において1.6g
/m2の酸化皮膜重量になるように直流で陽極酸化した。
【0058】その後、アルミニウム板を40℃の珪酸ソ
ーダの2.5%水溶液に1分間浸漬し、乾燥させた。この
ように処理したアルミニウム板の表面に実施例1〜4と
同様の条件で下塗り液(A)を塗布し、乾燥して、基板
(II) を作製した。次に、この基板 (II) 上に感光液
(A)を実施例1〜4と同様の方法で塗布し、乾燥して
ポジ型感光性平版印刷版を得た。これらの感光性平版印
刷版をそれぞれ2kWのメタルハライドランプで1mの距
離よりポジ透明原画を通して40秒間露光した。露光し
た感光性平版印刷版を次に示す条件で現像処理を行っ
た。すなわちまず富士写真フィルム(株)製自現機スタ
ブロン900NPに下記の現像原液−2を水で4倍に希
釈した現像液(pH10.5)と富士フィルム(株)製フィ
ニシャーFP−2をそれぞれ仕込み、現像液温30℃、
現像時間30秒の条件にて現像処理を行った。 現像原液−2 炭酸ナトリウム・1水塩 9g 炭酸水素ナトリウム 1.5g ジエチレントリアミンペンタ酢酸 2g メタニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム 1g 水 100g 現像処理後画像が得られるかどうか、実施例1〜4と同
様の方法で評価した。
【0059】画像が得られたものについては常法に従っ
て処理して、平版印刷版を得た。こうして得られた平版
印刷版をオフセット印刷機にかけて印刷し、耐刷性のテ
ストを行なった。また適性現像条件の範囲の広さ(現像
許容性)を実施例1〜4と同様の方法で評価し、これら
の結果を表4に示した。比較例として、合成例で製造し
た高分子化合物に代えて、C1の高分子化合物を用いて
感光性平刷印刷版を製造し、実施例1〜4と同様の方法
で画像形成性を評価したその結果を表4に示す。
【0060】
【表6】 表 4 ──────────────────────────────────── 実施例 高分子化合物 画像形成性 現像許容性 耐刷枚数 ──────────────────────────────────── 5 合成例15で製造した高分子化合物 ○ ○ 9万 6 合成例17で製造した高分子化合物 ○ △ 8万 比較例 3 C1 ×(過現像) ────────────────────────────────────
【0061】実施例7〜8及び比較例4 アルミニウム板を実施例5〜6と同様の条件で処理した
基板(II)を作製した。次にこの基板(II)上に次の感
光液(B)をホワイラーを用いて塗布し、100℃で1
分間乾燥してポジ型感光性平版印刷版を得た。乾燥後の
塗布量は約1.7g/m2であった。 感光液(B) 1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホニルクロリド 0.45g とピロガロール−アセトン樹脂とのエステル化物(米 国特許第3,635,709 号明細書の実施例1に記載されて いるもの) 合成例で製造した高分子化合物 1.2 g ナフトキノンジアジド−1,2−ジアジド−4−スルホ 0.01g ン酸クロライド テトラヒドロ無水フタル酸 0.02g 安息香酸 0.02g ピロガロール 0.05g 4−〔p−N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル) 0.01g アミノフェニル〕−2,6−ビス(トリクロロメチル) −S−トリアジン(以下トリアジンAと略) N−(1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スル 0.01g ホニルオキシ)−シクロヘキサン−1,2−ジカルボ ン酸イミド ビクトリアピュアーブルーBOH〔保土谷化学(株)製〕 0.045g の対アニオンを1−ナフタレンスルホン酸に変えた染料 メガファックF−177(大日本インキ化学工業(株) 0.015g 製フッ素系界面活性剤) メチルエチルケトン 25 g プロピレングリコールモノメチルエーテル 10 g
【0062】次に、これらの感光性平版印刷版をそれぞ
れ真空焼枠中で透明ポジティブフィルムを通して1mの
距離から3kWのメタルハライドランプにより1分間露光
を行なったのち、30℃、30秒間SiO2/Na2O(モル比
2.0)の珪酸ナトリウムの3.5%水溶液(pH=12.4)
で現像した。現像処理後画像が得られるかどうか、実施
例1〜4と同様の方法で評価した。画像が得られたもの
については、常法に従って処理して、平版印刷版を得
た。こうして得られた平版印刷版をオフセット印刷機に
かけて印刷し、耐刷性のテストを行なった。また適性現
像条件の範囲の広さ(現像許容性)を、実施例1〜4と
同様の方法で評価し、これらの結果を表5に示す。比較
例として、合成例で製造した高分子化合物に代えて、C
2の高分子化合物を用いて感光性平刷印刷版を製造し
た。実施例1〜4と同様の方法で、画像形成性を評価し
た。その結果を表5に示す。
【0063】
【表7】 表 5 ──────────────────────────────────── 実施例 高分子化合物 画像形成性 現像許容性 耐刷枚数 ──────────────────────────────────── 7 合成例18で製造した高分子化合物 ○ ○ 8万 8 合成例19で製造した高分子化合物 ○ ○ 10万 比較例 4 C2 ×(現像不良) ────────────────────────────────────
【0064】実施例9〜10 アルミニウム板を実施例1〜4と同様の条件で処理した
基板(I)を作製した。次にこの基板上に感光液(B)
を実施例7〜8と同様の方法で塗布、乾燥して、ポジ型
感光性平版印刷版を得た。乾燥後の塗布量は約2.0g/
m2であった。これらの感光性平版印刷版をそれぞれ、2
kWのメタルハライドランプで1mの距離よりポジ透明原
画を通して40秒間露光した。露光した感光性平版印刷
版を次に示す条件で現像処理を行った。すなわち、まず
富士写真フィルム(株)製自現機スタブロン900NP
に下記の現像原液−2を水で2倍に希釈した現像液(pH
10)と富士フィルム(株)製フィニシャーFP−2を
それぞれ仕込み、現像液温30℃、現像時間30秒の条
件にて現像処理を行った。 現像原液−2 ベンジルアルコール 10g トリエタノールアミン 10g イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム 10g 水 500g 現像処理後画像が得られるかどうか、実施例1〜4と同
様の方法で評価した。また、適性現像条件の範囲の広さ
(現像濃度許容性)を調べるため、露光した感光性平刷
印刷版を前記の現像原液−2を水で1.5倍に希釈した現
像液で現像した場合と、2倍に希釈した現像液で現像し
た場合との調子再現性の変化を調べた。ほとんど変化が
なかったものを○、大きく変化したものを×、その中間
の評価を△で表示した。これらの結果を表6に示す。
【0065】
【表8】 表 6 ───────────────────────────────── 実施例 高分子化合物 画像形成性 現像濃度許容性 ───────────────────────────────── 9 合成例13で製造した高分子化合物 ○ △ 10 合成例17で製造した高分子化合物 ○ ○ ───────────────────────────────── 表3〜6から明らかなように、本発明の感光性組成物に
より、良好な画像形成性と広い適性現像条件の範囲を有
する感光性平刷印刷版が得られ、さらに、これらの感光
性平刷印刷版から製造された平刷印刷版は高い耐刷性を
有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 慶侍 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士 写真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−188473(JP,A) 特開 昭63−268780(JP,A) 特開 平5−230139(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/033 C08F 20/20 G03F 7/00 G03F 7/039

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの下記一般式〔1〕で示
    される重合単位を重合して得られる高分子化合物と、ポ
    ジ型に作用する感光性物質とを含有することを特徴とす
    る感光性組成物。 【化1】 式中、Aは、水素原子、ハロゲン原子、又はアルキル基
    を表わし、Xは、酸素原子、NH、又はN-R5(ここでR5
    はアルキル基を示す)を表わし、R1 、R2 、R3 、及
    びR4 は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原
    子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換ア
    リール基、−OR6 、−OCO −R7、−NHCO−R8、−NHCONH
    R9、−OCONH −R10 、−COOR11、−CONHR12 、−CO
    R1 3 、−CONR14R15 、−CN、もしくは−CHO 基を表わす
    か、又は、R1 、R2 、R 3 、及びR4 は、そのうちの
    2個がそれが結合している炭素原子ととも環を形成して
    もよく、R6 〜R15はアルキル基、置換アルキル基、ア
    リール基、又は置換アリール基を表し、Lは、2価の有
    機基を表わす。
  2. 【請求項2】 基板上に請求項1記載の感光性組成物を
    含む感光層を有する感光性材料を画像露光した後、 pH
    12.5以下のアルカリ水溶液で現像することを特徴とす
    る画像形成方法。
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