JPH11327130A - ポジ型感光性組成物 - Google Patents

ポジ型感光性組成物

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JPH11327130A
JPH11327130A JP13051198A JP13051198A JPH11327130A JP H11327130 A JPH11327130 A JP H11327130A JP 13051198 A JP13051198 A JP 13051198A JP 13051198 A JP13051198 A JP 13051198A JP H11327130 A JPH11327130 A JP H11327130A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高感度であって、硬調な画像形成性を示し、か
つ焼きぼけがなく、白灯安全性に優れ、現像許容性が広
いポジ型感光性組成物を提供すること。 【解決手段】(1)(a−1)フルオロ脂肪族基を側鎖
に有する付加重合可能なモノマーと、(b)酸性水素原
子を有する付加重合可能なモノマーとが共重合している
フッ素高分子、及び(2)(a−2)フルオロ脂肪族基
を側鎖に有する付加重合可能なモノマーと、(c)ポリ
(オキシアルキレン)鎖を有する(メタ)アクリレート
とが共重合しているフッ素高分子を含有するポジ型感光
性組成物が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性平版印刷版
の製造に適するポジ型感光性組成物に関し、特に感度低
下が少なく硬調な画像形成を与えるポジ型感光性組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】o−キノンジアジド化合物を含有してな
る感光性組成物は、非常に優れたポジ型感光性組成物と
して平版印刷版の製造やフォトレジストとして工業的に
用いられてきた。従来このo−キノンジアジド系のポジ
型感光性組成物の感度を高める方法について種々の提案
がなされてきたが、感度が高められ、かつ硬調な画像形
成性を示し、しかも焼きぼけがなく、白灯安全性に優
れ、現像許容性が広いポジ型感光性組成物は得られてい
ない。
【0003】感度を上昇させる方法の一つとして、o−
キノンジアジド化合物を含む感光性組成物に非感光性の
化合物を添加する技術が提案されているが、上記の問題
を解決していない。例えば、感度を上昇させるため特開
昭52−80022号公報には環状酸無水物の添加が提
案されている。しかしこの方法は、感度上昇の効果は認
められるが、大きな感度上昇が認められる程度に酸無水
物を添加すると画像が軟調となり、白灯安全性、現像許
容性が大きく劣化する。
【0004】これらの問題点を解決するために界面活性
剤を添加する方法がいくつか提案されている。例えば特
開昭59−121044号公報には高感度化したポジ型
感光性組成物に両性界面活性剤及び有機ホウ素系活性剤
を添加することにより現像許容性を広くする方法が示さ
れている。また特開昭62−251740号公報には高
感度化したポジ型感光性組成物に非イオン性界面活性剤
を添加することにより現像許容性を広くする方法が示さ
れている。しかしながら、いずれの方法もある程度の現
像許容性改善の効果はあったが十分なものではなく、十
分な効果を得ようとすると感度低下を招く。また焼きぼ
け、白灯安全性に関しては大きな効果が得られない。
【0005】また、o−キノンジアジド化合物よりも高
感度を示す系として、米国特許第4491628号、欧
州特許第249139号等に記載されているアルカリ可
溶性基を酸分解基で保護した化学増幅系の感光物が提案
され広く用いられている。しかしこの系においても、硬
調な画像形成性を示し、かつ現像許容性の広い満足すべ
きものが得られていないのが実状である。
【0006】ここで、画像が硬調であるとはステップウ
ェッジを通して露光し現像したときに画像が残存し始め
る段数と完全に膜が残存している段数との差が小さいこ
とを意味する。なお、ステップウェッジとは一段ごとに
濃度が0.15ずつ変化する短冊形のフィルムであり、
露光量と露光後現像した後の感光層残膜量との関係を得
る際に用いられる。また、焼きぼけとはキノンジアジド
の分解により生じた窒素及び感光層と原稿フィルムの間
に混入したゴミによりリスフィルムが浮き上がり完全な
密着露光が出来なくなるために生じるものであり、一般
的にクリアー感度を同一にしたとき、画像が硬調である
ほど焼きぼけを解消しやすい。また、白灯安全性とは、
印刷版を蛍光灯等の白灯下に曝したときの画像の感度の
安定性を示すものであり、焼きぼけと同様に、画像が硬
調なものほど白灯安全性が良い。また、クリアー感度と
は、露光現像後に画像が出来始めるときの感度を意味す
る。また、現像許容性とは、現像液の濃度が変化したと
きに、露光し現像した後の画像感度がどれだけ変動する
かをみるものであり、感度の変動が小さいものほど現像
許容性が良いという。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高感度であ
って、硬調な画像形成性を示し、かつ焼きぼけがなく、
白灯安全性に優れ、現像許容性が広いポジ型感光性組成
物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を進めた結果、ポジ型感光性組成物に2種類の特定のフ
ッ素ポリマーを添加することにより、上記目的が達成さ
れることを見いだした。すなわち本発明は、下記構成の
ポジ型感光性組成物である。 (1)(a−1)フルオロ脂肪族基を側鎖に有する付加
重合可能なモノマーと、(b)酸性水素原子を有する付
加重合可能なモノマーとが共重合しているフッ素高分
子、及び (2)(a−2)フルオロ脂肪族基を側鎖に有する付加
重合可能なモノマーと、(c)ポリ(オキシアルキレ
ン)鎖を有する(メタ)アクリレートとが共重合してい
るフッ素高分子を含有することを特徴とするポジ型感光
性組成物。 以下、前者のフッ素高分子を「フッ素高分子(1)」、
後者のフッ素高分子を「フッ素高分子(2)」ともい
う。
【0009】本発明の感光性組成物に含有される特定の
異なった2種類のフッ素高分子が、即ち、上記フッ素高
分子(1)とフッ素高分子(2)が、相乗的に作用して
画像の硬調化に極めて有効であり、フッ素高分子を含有
することにより軟調であった画像が硬調化し、焼ぼけ、
白灯安全性及び現像許容性が改善される。
【0010】加えて、本発明のポジ型感光性組成物は、
上記特定の2種類のフッ素系高分子を含有することによ
り、該感光性組成物からなる感光層の表面接触角が高く
なり、感度の低下やヘドロの発生を生じさせることな
く、着肉性の向上が達成されると共に、高いマット形成
能が得られる等の利点を有する。
【0011】ここで、感光層の表面接触角は、感光層塗
布まで行ったPS版(マットをつけない状態)上に、空
気中で純水を静かに滴下し、その接触角を接触角計によ
り測定した値である。本発明における好ましい表面接触
角は、107〜125°である。
【0012】更に、上記特定の2種類のフッ素高分子を
含有する本発明のポジ型感光性組成物からなる感光層上
に、マット形成剤を溶解又は分散させた水性液を噴霧
(スプレー)し、乾燥することにより、焼きボケがでな
い範囲で高いマット(表面粗さ)を形成することができ
る。この高いマットの存在により、真空密着時間が格段
に短縮する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のポジ型感光性組成物につ
いて説明する。まず、ポジ型感光性組成物に含有される
2種類のフッ素高分子について説明する。
【0014】フッ素高分子(1)の共重合成分である
(a−1)フルオロ脂肪族基を側鎖に有する付加重合可
能なモノマーのフルオロ脂肪族基は、飽和されかつ1価
又は2価のものが好ましい。上記フルオロ脂肪族基は、
直鎖状、分岐鎖状、環状、又はこれらの組み合わせ(例
えばアルキルシクロ脂肪族基)であってもよい。またフ
ルオロ脂肪族基は炭素原子にのみ結合した酸素及び/又
は3価の窒素ヘテロ原子を含むことができるが、このヘ
テロ原子はフルオロ炭素間に不安定な結合を与えるもの
でなく、かつフルオロ脂肪族基の不活性特性を阻害しな
いものである。
【0015】上記フルオロ脂肪族基は、フッ素高分子を
感光層表面に配向させる効果を発揮するために、炭素数
が好ましくは3〜20、より好ましくは6〜12であっ
て、しかも好ましくは40重量%以上、より好ましくは
50重量%以上の炭素原子に結合したフッ素原子を有す
る。フッ素原子はフルオロ脂肪族基の末端に局在化して
いる方が効果が大きい。炭素原子数が2以下の十分にフ
ッ素化された(a−1)フルオロ脂肪族基含有モノマー
のフッ素高分子(1)中の含有率を高くすることによっ
てフッ素含有率を高くしても、フッ素原子が局在化して
いないため、十分な効果が得られない。また、フルオロ
脂肪族基の炭素原子数が21以上では、フッ素含有量が
高い場合は、得られた共重合体の溶剤に対する溶解性が
低くなり、一方フッ素含有量が低い場合は、フッ素原子
の局在化が十分でなくなり、十分な効果が得られない。
【0016】好適なフルオロ脂肪族基は、式Cn2n+1
−(ここで、nは1以上、好ましくは3以上、さらに好
ましくは3〜20、特に好ましくは6〜12の整数)で
示されるような完全にフッ素化されたパーフルオロ脂肪
族基(以下、「Rf基」ともいう)である。
【0017】フッ素高分子(1)の(a−1)フルオロ
脂肪族基を側鎖に有する付加重合可能なモノマーとして
は、ラジカル重合可能な不飽和基を持つモノマーが好ま
しく、例えばアクリレート系モノマー、メタクリレート
系モノマー、アクリルアミド系モノマー、メタクリルア
ミド系モノマー、スチレン系モノマー、及びビニル系モ
ノマーを挙げることができる。パーフルオロ脂肪族基を
側鎖に有するアクリレート系及びメタクリレート系モノ
マーの具体例としては、例えば、下記一般式(I) Rf−R′−OOC−C(R″)=CH2 −−− (I) (ここでR′は、例えば、単結合、アルキレン、スルホ
ンアミドアルキレン、又はカルボンアミドアルキレンで
あり、R″は水素原子、メチル基、ハロゲン原子、又は
パーフルオロ脂肪族基)で表される化合物が挙げられ
る。
【0018】これらの具体例としては例えば米国特許第
2803615号、同第2642416号、同第282
6564号、同第3102103号、同第328290
5号、及び同第3304278号、特開平6−2562
89号、特開昭62−1116号、特開昭62−487
72号、特開昭63−77574号、特開昭62−36
657号に記載のもの及び日本化学会誌1985(No.
10)1884〜1888頁記載のものを挙げることが
できる。また、これらのモノマーのほかにも、Reports
Res. Lab. Asahi Glass Co., Ltd. 34巻1984年、27-34
頁記載のパーフルオロ脂肪族基が結合したマクロマーも
用いることができる。
【0019】また(a−1)フルオロ脂肪族基を側鎖に
有するモノマーとしては、下記構造式で示される様なパ
ーフルオロアルキル基の長さの異なる混合物であっても
よい。
【0020】
【化1】
【0021】フッ素高分子(1)中に存在する(a−
1)フルオロ脂肪族基を側鎖に有するモノマー成分の量
は、フッ素高分子(1)の重量に基づいて、好ましくは
3〜70重量%であり、より好ましくは7〜40重量%
の範囲である。
【0022】次に成分(b)の酸性水素原子を有する付
加重合可能なモノマーとは、pKaが1.0〜11.0
の範囲である酸性基を1個以上有しておればよく、付加
重合しうる基を有しているものであればいずれの構造の
ものも用いることができる。この成分(b)の中で、良
好なものは以下に示す3種類のモノマーである。 (1)酸性水素原子が窒素原子に結合した酸性基を有す
る付加重合可能なモノマー、(2)フェノール性水酸基
を有する付加重合可能なモノマー、(3)−COOH基
を有する付加重合可能なモノマー。以下にこれらのモノ
マーについて順に説明する。
【0023】成分(b)としての、酸性水素原子を持
ち、該酸性水素原子が窒素原子に結合した酸性基含有ビ
ニル単量体の好ましい構造の例としては下記構造〔1〕
〜〔2〕で示されるモノマーを挙げることができる。
【0024】
【化2】
【0025】式中、Aは水素原子、ハロゲン原子または
アルキル基を表す。Wは酸素、または−NR3−であ
り、R3は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。
1は置換基を有していてもよいアルキレン基、アリー
レン基、R2は水素原子、アルキル基、アリール基を表
す。R4はアルキル基、アリール基を表す。
【0026】構造〔1〕〜〔2〕で示されるモノマーの
好ましい範囲としては、Aは水素原子、ハロゲン原子ま
たは炭素数1〜4のアルキル基であり、R3は水素原
子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のア
リール基を表す。R1は置換基を有していてもよい炭素
数1〜12のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレ
ン基、R2は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、
炭素数6〜20のアリール基を表す。R4は炭素数1〜
20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基を表
す。
【0027】前記構造〔1〕および〔2〕において、A
のより好ましいものとしては水素原子、またはメチル基
である。R2 、R3 またはR4 で表されるより好ましい
アルキル基としてはメチル、エチル、イソプロピルなど
の炭素数1〜20のアルキル基があり、R2 、R3 また
はR4 で表されるより好ましいアリール基としてはフェ
ニル、ナフチルなどの炭素数6〜18のアリール基があ
る。R1で表されるアリーレン基、アルキレン基は置換
基を有していても良く、置換基としてはフッ素、クロ
ロ、ブロモなどのハロゲン原子、メトキシ、エトキシ、
などのアルコキシ基、フェノキシなどのアリールオキシ
基、シアノ基、アセトアミドなどのアミド基、エトキシ
カルボニル基のようなアルコキシカルボニル基などのほ
か炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜18のアリ
ール基などを挙げることができる。
【0028】成分(b)としての、上記構造〔1〕〜
〔2〕で示される酸性水素原子を持ち、該酸性水素原子
が窒素原子に結合した酸性基を有する付加重合可能なモ
ノマーとしては、以下に具体例(M−1)〜(M−8)
および(M−35)を挙げることができるが、本発明が
これに限定されるものではない。
【0029】
【化3】
【0030】
【化4】
【0031】成分(b)としての、フェノール性水酸基
を有する付加重合可能なモノマーは、下記構造〔3〕、
〔4〕または〔5〕で示されるモノマーを挙げることが
できる。
【0032】
【化5】
【0033】(式中、Aは水素原子、ハロゲン原子また
は炭素数1〜4のアルキル基を表す。R3は水素原子、
炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリー
ル基を表す。Y、Zは同一であっても良くまた異なって
いても良く、炭素数6〜20のアリーレン基を表す。X
は連結基であり、炭素、窒素、酸素、硫黄、ハロゲン、
水素原子から選ばれる原子からなる2価の有機基を表
す。mは0または1の整数を、nは1から3の整数を表
す。)で示される。フェノール水酸基を有するモノマー
において、Aは水素原子、ハロゲン原子またはメチル
基、エチル基などが好ましく、より好ましいものは水素
原子、メチル基である。R3は水素原子、メチル基、エ
チル基などのアルキル基が好ましく、特に水素原子が好
ましい。Y、Zは置換基を有していても良いフェニレン
やナフチレンであり、フェニレンが特に好ましい。置換
基としてはメチル、エチルなどのアルキル基、塩素など
のハロゲン原子、メトキシ基などのアルコキシ基が有利
に用いられる。Xはアルキレン、エステル結合、アミド
結合、スルホンアミド結合の他、−OCO−、−OCO
N−、およびそれらの組み合わせなどが好ましく、mは
0または1の整数を、nは1または2の整数が好まし
い。なお、前記構造〔3〕〜〔5〕において、〔3〕及
び〔4〕のモノマーがより好ましい。
【0034】成分(b)としての、上記構造〔3〕〜
〔5〕で示されるフェノール性水酸基を有する付加重合
可能なモノマーとしては、以下に具体例(M−9)〜
(M−25)を挙げることができるが、本発明がこれに
限定されるものではない。
【0035】
【化6】
【0036】
【化7】
【0037】
【化8】
【0038】成分(b)としての、カルボキシル基を有
する付加重合可能なモノマーとしては、モノマーの分子
中に1個以上の−COOH基を有しておればよく、付加
重合しうる基を有しているものであれば、いずれの構造
のものも用いることができる。以下に具体例(M−2
6)〜(M−34)を挙げることができるが、本発明が
これに限定されるものではない。
【0039】
【化9】
【0040】本発明で用いられるフッ素共重合ポリマー
中に用いられる前記構造〔1〕〜〔5〕で示される酸性
水素原子及びカルボキシル基を有するモノマーの量は、
該共重合ポリマーの重量に基づいて5〜80重量%であ
り、好ましくは10〜70重量%の範囲である。
【0041】本発明のフッ素ポリマーは、更に必要に応
じて、(a−1)及び(b)以外の第3のモノマー成分
として、下記式〔6〕〜
〔9〕で示されるモノマー成分
を含有していてもよい。これらのモノマー成分は、本発
明の感光性組成物、特に印刷版の低露光部における現像
抑制効果をもたらし、その結果画像の硬調化を増大させ
るのに有効に機能する。
【0042】
【化10】
【0043】上記式〔6〕〜
〔9〕中、Wは、酸素又は
−NR3−であり、R3は水素原子、アルキル基又はアリ
ール基を表す。R5は置換基を有していてもよいアルキ
ル基及び置換基を有していてもよいアリール基、R6
アルキル基又はアリール基を表す。Uはシアノ基、アリ
ール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキ
シメチル基、又は窒素原子を含むヘテロ環をあらわす。
Aは前記式〔1〕〜〔4〕の場合と同義のものをあらわ
す。構造〔6〕〜
〔9〕で示されるモノマーの好ましい
範囲としては、Wは酸素、又は−NR3−であり、R3
水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜2
0のアリール基を表す。R5は置換基を有していてもよ
い炭素数1〜8のアルキル基及び置換基を有していても
よいアリール基、R6は炭素数1〜20のアルキル基、
炭素数6〜20のアリール基を表す。Uはシアノ基、ア
リール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオ
キシメチル基、窒素原子を含むヘテロ環、もしくは−C
2 OCOR6(R6 は前記と同義)をあらわす。
【0044】R5が置換基を有していてもよいアルキル
基のとき、その置換基としてはフッ素原子、塩素原子、
臭素原子等のハロゲン原子;水酸基;メトキシ、エトキ
シ等のアルコキシ基;フェノキシ等のアリールオキシ
基;シアノ基、アセトアミド等のアミド基;エトキシカ
ルボニル基等のアルコキシカルボニル基等を挙げること
ができる。R5が置換基を有していてもよいアリール基
のときその置換基としては上記の他、メチル基をあげる
ことができる。
【0045】上記式〔6〕〜
〔9〕で示される具体的化
合物の好ましい例を以下に示す。メチル(メタ)アクリ
レート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−ク
ロロエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジ
エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、グリシジル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アク
リレート、テトラヒドロフリル(メタ)アクリレート、
フェニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェニル
(メタ)アクリレート、クレジル(メタ)アクリレー
ト、ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)
アクリレート、メトキシベンジル(メタ)アクリレート
等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル
アミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロ
ピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アク
リルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N
−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシ
ル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)ア
クリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル
アミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、N−フ
ェニル(メタ)アクリルアミド、N−ニトロフェニル
(メタ)アクリルアミド、N−トリル(メタ)アクリル
アミド、N−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N
−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジシクロ
ヘキシル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル
アミド類;
【0046】N−メチルマレイミド、N−エチルマレイ
ミド、N−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイミ
ド、N−ペンチルマレイミド、N−n−ヘキシルマレイ
ミド、N−ラウリルマレイミド、N−ステアリルマレイ
ミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマ
レイミド、N−クロロフェニルマレイミド、N−トリル
マレイミド、N−ヒドロキシマレイミド、N−ベンジル
マレイミド等のN−置換マレイミド類;酢酸アリル、カ
プロン酸アリル、ステアリン酸アリル、アリルオキシエ
タノール等のアリル化合物;エチルビニルエーテル、プ
ロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチ
ルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エ
トキシエチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニル
エーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ベンジル
ビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテ
ル、フェニルビニルエーテル、トリルビニルエーテル、
ジエチルアミノエチルビニルエーテル等のヒニルエーテ
ル類;ビニルアセテート、ビニルブチレート、ビニルカ
プロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルメトキシ
アセテート、ビニルフェニルアセテート、ビニルアセト
アセテート、安息香酸ビニル、クロル安息香酸ビニル等
のビニルエステル類;スチレン、α−メチルスチレン、
メチルスチレン、ジメチルスチレン、クロルメチルスチ
レン、エトキシメチルスチレン、ヒドロキシスチレン、
クロルスチレン、プロムスチレン等のスチレン類;N−
ビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、アクリロニト
リル等が挙げられる。
【0047】また第3のモノマー成分として、所望によ
り用いてもよい、上記式〔5〕〜〔8〕で示されるモノ
マー以外のモノマー成分として、Polymer Handbook 2nd
ed., J.Brandrup, Wiley Interscience (1975) Chapte
r 2 Page 1〜483記載のものを用いることが出来る。
【0048】これらの第3のモノマー成分うち特に好ま
しいのは、式〔5〕及び〔7〕で示されるモノマー成分
である。また、これらのモノマー成分は、1種単独であ
るいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0049】本発明のフッ素共重合ポリマー中に含有さ
れる第3のモノマー成分の量は、フッ素高分子(1)の
重量に基づき、好ましくは5〜80重量%であり、より
好ましくは10〜70重量%の範囲である。
【0050】本発明のフッ素高分子(1)は、それ自体
公知の方法で製造することができる。例えば(a−1)
フルオロ脂肪族基を有する(メタ)アクリレート、
(b)酸性水素原子を有する付加重合可能なモノマー、
及び第3のモノマーとしての脂肪族炭化水素基もしくは
芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリレートを、有
機溶媒中、汎用のラジカル重合開始剤を添加し、加熱し
て、共重合させることにより製造できる。所望により、
その他の付加重合性不飽和化合物を添加して上記と同じ
方法で共重合することにより製造することができる。
【0051】以下、フッ素高分子(1)の具体的例を示
す。なお、式中の数字は各モノマー成分のモル比率を示
す。
【0052】
【化11】
【0053】
【化12】
【0054】
【化13】
【0055】
【化14】
【0056】本発明で用いるフッ素高分子(1)の重量
平均分子量は、好ましくは3,000〜200,00
0、より好ましくは4,000〜100,000であ
る。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーにより測定され、ポリスチレン換算値
である。また、本発明の感光性組成物で用いるフッ素高
分子(1)の好ましい含有量は、塗布液の固形分に対し
て、0.1〜10重量%であり、より好ましくは0.3
〜5重量%である。
【0057】次にフッ素高分子(2)について説明す
る。本発明に使用されるフッ素高分子(2)は、(a−
2)フルオロ脂肪族基を側鎖に有する付加重合可能なモ
ノマーと、(c)ポリ(オキシアルキレン)(メタ)アク
リレートとが共重合している高分子である。(a−2)
フルオロ脂肪族基を側鎖に有する付加重合可能なモノマ
ーは、フッ素高分子(1)で用いられる(a−1)フル
オロ脂肪族基を側鎖に有する付加重合可能なモノマーと
同様なモノマーを用いることができ、上記したモノマー
の種類に関する記載は好ましい態様を含めてそのまま適
用することができる。
【0058】(a−2)フルオロ脂肪族基を側鎖に有す
る付加重合可能なモノマー成分がフッ素高分子(2)に
占める重量割合は、好ましくは7〜50重量%、より好
ましくは20〜40重量%である。
【0059】フッ素高分子(2)の共重合成分である
(c)ポリ(オキシアルキレン)鎖を有する(メタ)アクリ
レートについて説明する。上記ポリ(オキシアルキレン)
鎖は、−(OR)x−で示される。ここで、Rは、好まし
くは炭素数2〜4のアルキレン基、例えば−CH2CH2−、
−CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−
等を挙げることができる。xはオキシアルキレン単位の
数を示し、通常2〜50、好ましくは5〜30の数であ
る。
【0060】上記のポリ(オキシアルキレン)鎖は、ポ
リ(オキシプロピレン)鎖のようにすべて同一のオキシ
アルキレン単位から構成されていてもよく、また互いに
異なる2種以上のオキシアルキレンが不規則に結合した
ものであってもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)
鎖は、直鎖状のオキシアルキレン単位(例えばオキシエ
チレン単位)あるいは分岐鎖状のオキシアルキレン単位
(例えばオキシプロピレン単位)から構成されていても
よく、直鎖状のオキシアルキレン単位のブロックと分岐
鎖状のオキシプロピレン単位のブロックが結合して構成
されていてもよい。
【0061】ポリ(オキシアルキレン)鎖は、1個又は
複数個の連結基を介して結合していてもよい。連結基が
3価以上のものであれば、該連結基に3個以上のポリ
(オキシアルキレン)鎖が結合することができる。この
場合、連結基を介して結合した複数個のポリ(オキシア
ルキレン)鎖を有する(メタ)アクリレートが得られ、
フッ素高分子(2)の共重合成分である(c)ポリ(オ
キシアルキレン)鎖を有する(メタ)アクリレートとし
て用いることができる。上記連結基として、下記式で示
される基、
【0062】
【化15】
【0063】フッ素高分子(2)の共重合成分である
(c)ポリ(オキシアルキレン)鎖を有する(メタ)ア
クリレートのポリ(オキシアルキレン)鎖は、硬調化お
よびフッ素高分子(2)の溶媒に対する溶解度を向上さ
せるためのものである。所望の溶解度を得るためには、
ポリ(オキシアルキレン)鎖の分子量は250〜2,5
00が好ましく、本発明の目的の達成の観点からは、6
00〜2,500であることがより好ましい。ポリ(オ
キシアルキレン)基の分子量が250〜600では、フ
ッ素高分子(2)の溶媒に対する溶解度は得られるが、
(c)ポリ(オキシアルキレン)鎖含有(メタ)アクリ
レート成分の数が多くなり、フッ素高分子(2)中で、
フルオロ脂肪族基が局在化していないため効果の発現が
不十分となる。反対にポリ(オキシアルキレン)鎖の分
子量が大きい程、(c)ポリ(オキシアルキレン)鎖含
有(メタ)アクリレート成分の数が少なくなり、フッ素
高分子(2)中で、フルオロ脂肪族基が局在化するため
効果が十分に発現する。しかし分子量が2,500以上
では溶解度が低下する。
【0064】本発明に使用されるフッ素高分子(2)
は、前述したように、(a−2)フルオロ脂肪族基を側
鎖に有する付加重合可能なモノマーと、(c)ポリ(オ
キシアルキレン)鎖を有する(メタ)アクリレートとの
共重合体である。フッ素高分子(2)は、(a−2)フ
ルオロ脂肪族基含有モノマー成分を、フッ素高分子
(2)の重量に基づいて、7〜50重量%含有すること
が好ましく、より好ましくは、20〜40重量%であ
る。(a−2)フルオロ脂肪族基含有モノマー成分が7
重量%より少ないと表面配向性が低下し、硬調化効果が
不十分となる。50重量%より多いと表面配向性は十分
にあるけれど、塗布液への溶解性が劣化する。また、フ
ッ素高分子(2)は、(c)ポリ(オキシアルキレン)
鎖を有する(メタ)アクリレートを、フッ素高分子
(2)の重量に基づいて、50〜80重量%含有するこ
とが好ましく、より好ましくは、60〜70重量%であ
る。
【0065】また、フッ素高分子(2)は、フッ素高分
子(1)に共重合成分として含有される第3のモノマー
成分を、所望により含有することができる。第3のモノ
マー成分の含有量は、フッ素高分子(2)の重量に基づ
いて、70重量%以下、好ましくは40重量%以下であ
る。
【0066】好ましいフッ素高分子(2)は、硬調化、
溶剤溶解性及び塗膜のピンホールの発生の観点から、前
記パーフルオロ脂肪族基含有アクリレート成分が上記
(a−2)モノマー成分の50〜100重量%を占め、
かつ(c)ポリ(オキシアルキレン)鎖を有するアクリ
レートモノマー成分が上記(a−2)モノマー成分の全
重量に対して25重量%以上存在するものである。特に
好ましいフッ素高分子(2)は、パーフルオロ脂肪族基
含有アクリレート成分とポリ(オキシアルキレン)鎖を
有するアクリレート成分とからのみなる共重合体であ
る。
【0067】フッ素高分子(2)の重量平均分子量は、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定さ
れ、ポリスチレン換算値で、2,500〜100,00
0が好ましく、4,000〜100,000が特に好ま
しい。重量平均分子量が、2,500より小さいと硬調
化効果が十分でなく、100,000より大きいと溶剤
に対する溶解性が低下するので好ましくない。
【0068】フッ素高分子(2)は、例えばパーフルオ
ロ脂肪族基含有(メタ)アクリレートと、ポリ(オキシ
アルキレン)鎖を有する(メタ)アクリレート(例えば
モノアクリレート又はジアクリレート)とを、それ自体
公知のラジカル共重合法によって製造することができ
る。
【0069】フッ素高分子(2)の製造に使用されるポ
リ(オキシアルキレン)鎖を有するアクリレート及びこ
の目的のために有用な他のアクリレートは、市販のヒド
ロキシポリ(オキシアルキレン)、例えば商品名“プル
ロニック”〔Pluronic〕(旭電化工業(株)製)、アデカポ
リエーテル(旭電化工業(株)製、“カルボワックス”〔C
arbowax(グリコ・プロブクツス)(Glyco Products)c
o.製)〕、“トリトン”〔Toriton〕(ローム・アンド
・ハース(Rohm and Hass) Co.製)]及びP.B.G.(第一工
業製薬(株)製)として販売されているものを公知の方
法でアクリル酸、メタクリル酸、アクリルクロリド又は
無水アクリル酸と反応させることによって製造できる。
【0070】フッ素高分子(2)を製造するために用い
ることができる他のフルオロ脂肪族基含有エチレン系不
飽和モノマーは、米国特許第2,592,069号、同
第2,995,542、同第3,078,245号、同
第3,081,274号、同第3,291,843号及
び同第3,325,163号に記載されている。これら
米国特許に記載されているフルオロ脂肪族基含有エチレ
ン系不飽和モノマーは、フッ素高分子(1)を製造する
ために用いることができる。 なお、上記フルオロ脂肪
族基含有エチレン系不飽和モノマーを製造するのに適し
たエチレン系不飽和モノマーは米国特許第3,574,
791号に記載されている。
【0071】フッ素高分子(2)は、本発明のポジ型感
光性組成物(溶媒を除いた固形分)に対して、好ましく
は0.01〜5重量%、より好ましくは0.05〜3重
量%の範囲で用いられる。
【0072】以下、フッ素高分子(2)の具体的例を示
す。なお、式中の数字は各モノマー成分のモル比率を示
す。
【0073】
【化16】
【0074】次に本発明のポジ型感光性組成物を調製す
るに際して用いられる他の成分について説明する。
【0075】ポジ型感光性組成物としては、露光の前後
で現像液に対する溶解性又は膨潤性が変化するものなら
ば使用できるが、代表的なものとしては、o−キノンジ
アジド化合物が挙げられる。例えば、アルカリ可溶性樹
脂とo−キノンジアジド化合物とを含有するポジ型感光
性組成物の場合、o−キノンジアジド化合物は、少なく
とも1つのo−キノンジアジド基を有する化合物で、活
性光線によりアルカリ水溶液に対する溶解性を増すもの
が好ましい。
【0076】この様なものとしては、種々の構造のもの
が知られており、例えば、J.KOSAR著「Light-Sensitive
Systems」(John Wiley & Sons, Inc, 1965年発行)P.33
6〜P.352に詳細に記載されている。特に種々のヒドロキ
シル化合物と、o−ベンゾキノンジアジドのスルホン酸
あるいはo−ナフトキノンジアジドのスルホン酸とのエ
ステルが好適である。
【0077】上記のo−キノンジアジド化合物として
は、例えば、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5
−スルホニルクロライドとフェノール・ホルムアルデヒ
ド樹脂又はクレゾール・ホルムアルデヒド樹脂とのエス
テル;米国特許第3,635,709号明細書に記載さ
れている1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−ス
ルホニルクロライドとピロガロール・アセトン樹脂との
エステル;特公昭63−13528号公報に記載されて
いる1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホ
ニルクロライドとレゾルシン−ベンズアルデヒド樹脂と
のエステル;特公昭62−44257号公報に記載され
ている1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スル
ホニルクロライドとレゾルシン−ピロガロール・アセト
ン共縮合樹脂とのエステル;特公昭56−45127号
公報に記載されている末端にヒドロキシル基を有するポ
リエステルに1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5
−スルホニルクロライドをエステル化させたもの;特公
昭50−24641号公報に記載されているN−(4−
ヒドロキシフェニル)メタクリルアミドのホモポリマー
又は他の共重合しうるモノマーとの共重合体に1,2−
ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロライ
ドをエステル化させたもの;特公昭54−29922号
公報に記載されている1,2−ナフトキノン−2−ジア
ジド−5−スルホニルクロライドとビスフェノール・ホ
ルムアルデヒド樹脂とのエステル;特公昭52−360
43号公報に記載されているp−ヒドロキシスチレンの
ホモポリマー又は他の共重合しうるモノマーとの共重合
体に1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホ
ニルクロライドをエステル化させたもの;1,2−ナフ
トキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロライドと
ポリヒドロキシベンゾフェノンとのエステルを挙げるこ
とができる。
【0078】その他、本発明に使用できる公知のo−キ
ノンジアジド化合物としては、特開昭63−80254
号、特開昭58−5737号、特開昭57−11153
0号、特開昭57−111531号、特開昭57−11
4138号、特開昭57−142635号、特開昭51
−36129号、特公昭62−3411号、特公昭62
−51459号、特公昭51−483号等の各明細書中
に記載されているもの等を挙げることができる。前記の
o−キノンジアジド化合物の含有量は、本発明のポジ型
感光性組成物の固形分に対して、好ましくは5〜60重
量%、より好ましくは10〜40重量%である。
【0079】o−キノンジアジド以外の感光性組成物と
しては、例えばアルカリ可溶性基を酸分解基で保護した
化合物と光酸発生剤との組み合わせからなる化学増幅系
の感光物を用いることができる。
【0080】化学増幅系で用いられる光酸発生剤として
は、公知のものを用いることができる。例えば S.I.Sch
lesinger, Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974) 、T.S.Bal
et al,Polymer,21,423(1980)等に記載のジアゾニウム
塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号、特開平3-
140,140号等に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker et a
l,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen et al, Te
h,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo, Oct(198
8)、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号等に記載の
ホスホニウム塩、J.V.Crivello et al, Macromorecule
s,10(6), 1307(1977)、Chem.& Eng.News,Nov.28,p31(19
88)、欧州特許第104,143号、米国特許第339,049号、同
第410,201号、特開平2-150,848号、特開平2-296,514号
等に記載のヨードニウム塩、
【0081】J.V.Crivello et al, Polymer J.17,73(19
85)、J.V.Crivello et al, J.Org.Chem.,43,3055(197
8)、W.R.Watt et al, J.Polymer Sci.,Polymer Chem.E
d.,22,1789(1984)、J.V.Crivello et al, Polymer Bul
l.,14,279(1985)、J.V.Crivello etal, Macromorecule
s,14(5),1141(1981)、J.V.Crivello et al, J.PolymerS
ci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第370,
693号、米国特許3,902,114号,欧州特許第233,567号、
同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、
同410,201号、同339,049号、同4,760,013号、同4,734,4
44号、同2,833,827号、獨国特許第2,904,626号、同3,60
4,580号、同3,604,581号等に記載のスルホニウム塩、
【0082】J.V.Crivello et al, Macromorecules,10
(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.PolymerSci.,P
olymer Chem.Ed., 17,1047(1979)等に記載のセレノニウ
ム塩、C.S.Wen et al, Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASI
A,p478 Tokyo,Oct(1988)等に記載のアルソニウム塩等の
オニウム塩、米国特許第3,905,815号、特公昭46-4605
号、特開昭48-36281号、特開昭55-32070号、特開昭60-2
39736号、特開昭61-169835号、特開昭61-169837号、特
開昭62-58241号、特開昭62-212401号、特開昭63-70243
号、特開昭63-298339号等に記載の有機ハロゲン化合
物、K.Meier et al, J.Rad.Curing,13(4),26(1986)、T.
P.Gill et al, Inorg.Chem.,19,3007(1980)、D.Astruc,
Acc.Chem.Res.,19(12),377(1896)、特開平2-161445号等
に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、
【0083】S.Hayase et al, J.Polymer Sci.,25,753
(1987)、E.Reichmanis et al, J.Pholymer Sci.,Polyme
r Chem.Ed.,23,1(1985)、Q.Q.Zhu et al, J.Photoche
m.,36,85,39,317(1987)、B.Amit et al, Tetrahedron L
ett.,(24)2205(1973)、D.H.R.Barton et al, J.Chem So
c.,3571(1965)、P.M.Collins et al, J.Chem.SoC.,Perk
inI,1695(1975)、M.Rudinstein et al, Tetrahedron Le
tt.,(17),1445(1975)、J.W.Walker et al, J.Am.Chem.S
oc.,110,7170(1988)、S.C.Busman et al, J.Imaging Te
chnol.,11(4),191(1985)、H.M.Houlihan et al, Macorm
olecules,21,2001(1988)、P.M.Collins et al, J.Chem.
Soc.,Chem.Commun.,532(1972)、S.Hayase etal, Macrom
olecules,18,1799(1985)、E.Reichmanis et al, J.Elec
trochem.Soc.,Solid State Sci.Technol.,130(6)、F.M.
Houlihan et al, Macromolcules,21,2001(1988)、欧州
特許第0290,750号、同046,083号、同156,535号、同271,
851号、同0,388,343号、米国特許第3,901,710号、同4,1
81,531号、特開昭60-198538号、特開昭53-133022号等に
記載のo−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生
剤、
【0084】M.TUNOOK et al, Polymer Preprints Japa
n,35(8)、G.Berner et al, J.Rad.Curing,13(4)、W.J.M
ijs et al,Coating Technol.,55(697),45(1983), Akz
o、H.Adachi et al, Polymer Preprints,Japan,37(3)、
欧州特許第0199,672号、同84515号、同199,672号、同04
4,115号、同0101,122号、米国特許第4,618,564号、同4,
371,605号、同4,431,774号、特開昭64-18143号、特開平
2-245756号、特願平3-140109号等に記載のイミノスルフ
ォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生す
る化合物、特開昭61-166544号等に記載のジスルホン化
合物等を挙げることができる。
【0085】上記活性光線又は放射線の照射により分解
して酸を発生する化合物の中で、特に有効に用いられる
ものについて以下に説明する。 トリハロメチル基が置換した下記一般式(PAG1)
で表されるオキサゾール誘導体又は一般式(PAG2)
で表されるS−トリアジン誘導体。
【0086】
【化17】
【0087】式中、R11は置換もしくは未置換のアリー
ル基、アルケニル基、R12は置換もしくは未置換のアリ
ール基、アルケニル基、アルキル基、−CY3を示す。
Yは塩素原子又は臭素原子を示す。具体的には以下の化
合物を挙げることができるがこれらに限定されるもので
はない。
【0088】
【化18】
【0089】
【化19】
【0090】下記の一般式(PAG3)で表されるヨ
ードニウム塩、又は一般式(PAG4)で表されるスル
ホニウム塩、もしくはジアソニウム塩。
【0091】
【化20】
【0092】ここで式Ar1、Ar2は、同一又は異なっ
て、置換もしくは未置換のアリール基を示す。好ましい
置換基としては、アルキル基、ハロアルキル基、シクロ
アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基、カ
ルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ
基、メルカプト基及びハロゲン原子が挙げられる。
【0093】R13、R14、R15は、同一又は異なって、
置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。
好ましくは炭素数6〜14のアリール基、炭素数1〜8
のアルキル基及びそれらの置換誘導体である。好ましい
置換基としては、アリール基に対しては炭素数1〜8の
アルコキシ基、炭素数1〜8のアルキル基、ニトロ基、
カルボキシル基、ヒドロキシ基及びハロゲン原子であ
り、アルキル基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ
基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基である。
【0094】Z-は対アニオンを示し、例えば BF4 -、As
F6 -、PF6 -、SbF6 -、SiF6 2-、ClO4 -、CF3SO3 -等のパーフ
ルオロアルカンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロベ
ンゼンスルホン酸アニオン、ナフタレン−1−スルホン
酸アニオン等の結合多核芳香族スルホン酸アニオン、ア
ントラキノンスルホン酸アニオン、スルホン酸基含有染
料等を挙げることができるがこれらに限定されるもので
はない。
【0095】また、R13、R14、及びR15のうちの2
つ、並びにAr1及びAr2は、それぞれ単結合又は置換
基を介して結合して環構造を形成してもよい。
【0096】具体例としては以下に示す化合物が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0097】
【化21】
【0098】
【化22】
【0099】一般式(PAG3)、(PAG4)で示さ
れる上記オニウム塩は公知であり、例えばJ. W. Knapcz
yk et al, J. Am. Chem. Soc., 91, 145(1969)、A. L.
Maycok et al, J. Org. Chem., 35, 2532, (1970) 、B.
Goethas et al, Bull. Soc. Chem. Belg., 73, 546,
(1964)、H. M. Leicester, J. Ame. Chem. Soc., 51,35
87(1929)、J. V. Crivello et al, J. Polym. Chem. E
d., 18, 2677(1980)、米国特許第2,807,648号
及び同4,247,473号、特開昭53−101,3
31号等に記載の方法により合成することができる。
【0100】下記一般式(PAG5)で表されるジス
ルホン誘導体又は一般式(PAG6)で表されるイミノ
スルホネート誘導体。
【0101】
【化23】
【0102】式中Ar3、Ar4は各々独立に置換もしく
は未置換のアリール基を示す。R16は置換もしくは未置
換のアルキル基、アリール基を示す。Aは置換もしくは
未置換のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基
を示す。具体例としては以下に示す化合物が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0103】
【化24】
【0104】
【化25】
【0105】これらの活性光線又は放射線の照射により
分解して酸を発生する化合物の配合量は、本発明のポジ
型感光性組成物の全重量(固形分)を基準として、通常
0.001〜40重量%、好ましくは0.01〜20重
量%、更に好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。
これらの光酸発生剤の含有量は、感光性組成物の全固形
分に対して通常0.1〜30重量%より好ましくは1〜
10重量%である。
【0106】また、上記光酸発生剤と組み合わせて用い
られるアルカリ可溶基を酸分解基で保護した化合物は、
例えば−C−O−C−又は−C−O−Si−結合を有す
る化合物であり、以下の例をあげることができる。 a)少なくとも1つのオルトカルボン酸エステル及び/
又はカルボン酸アミドアセタール群を含み、その化合物
が重合性を有することができ、上記の群が主鎖中の架橋
要素として、又は側方置換基として生じ得る化合物。 b)主鎖中に反復アセタール及び/又はケタール群を含
むオリゴマー性又は重合体化合物。 c)少なくとも1種のエノールエステル又はN−アシル
アミノカーボネート群を含む化合物。 d)β−ケトエステル又はβ−ケトアミドの環状アセタ
ール又はケタール。
【0107】e)シリルエーテル群を含む化合物。 f)シリルエノールエーテル群を含む化合物。 g)アルデヒド又はケトン成分が、現像剤に対して、
0.1〜100g/リットルの溶解性を有するモノアセ
タール又はモノケタール。 h)第三級アルコール系のエーテル。 i)第三級アリル位又はベンジル位アルコールのカルボ
ン酸エステル及び炭酸エステル。
【0108】a)の化合物は、ドイツ特許公開第2,6
10,842号及び同第2,928,636号に記載さ
れている。b)の化合物を含む混合物は、ドイツ特許第
2,306,248号及び同第2,718,254号に
記載されている。c)の化合物は、ヨーロッパ特許公開
第0,006,626号及び同第0,006,627号
に記載されている。d)の化合物は、ヨーロッパ特許公
開第0,202,196号に記載されている。e)の化
合物は、ドイツ特許公開第3,544,165号及び同
第3,601,264号に記載されている。f)の化合
物は、ドイツ特許公開第3,730,785号及び同第
3,730,783号に記載されている。g)の化合物
は、ドイツ特許公開第3,730,783号に記載され
ている。h)の化合物は、例えば米国特許第4,60
3,101号に記載されている。i)の化合物は、例え
ば米国特許第4,491,628号、及びJ. M. Freche
tらの論文(J. Imaging Sci. 30,59−64(1986))に記
載されている。これらの酸分解性基で保護された化合物
の含有量は、本発明のポジ型感光性組成物の固形分に対
して、好ましくは通常1〜60重量%、より好ましくは
5〜40重量%である。
【0109】本発明のポジ型感光性組成物は、水不溶で
アルカリ性水溶液に可溶の合成樹脂(以下、アルカリ可
溶性樹脂という)を含有することができる。アルカリ可
溶性樹脂としては、例えばフェノール・ホルムアルデヒ
ド樹脂、クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂、フェノー
ル・クレゾール・ホルムアルデヒド共縮合樹脂、フェノ
ール変性キシレン樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリ
ハロゲン化ヒドロキシスチレン、N−(4−ヒドロキシ
フェニル)メタクリルアミドの共重合体、ハイドロキノ
ンモノメタクリレート共重合体の他、特開平7−282
44号公報記載のスルホニルイミド系ポリマー、特開平
7−36184号公報記載のカルボキシル基含有ポリマ
ー等が挙げられる。その他特開昭51−34711号公
報に開示されているようなフェノール性水酸基を含有す
るアクリル系樹脂、特開平2−866号に記載のスルホ
ンアミド基を有するアクリル系樹脂や、ウレタン系の樹
脂等、種々のアルカリ可溶性の高分子化合物も用いるこ
とができる。これらのアルカリ可溶性高分子化合物は、
重量平均分子量が500〜200,000で数平均分子
量が200〜60,000のものが好ましい。上記アル
カリ可溶性の高分子化合物は、1種類あるいは2種類以
上を組合せて使用してもよく、本発明のポジ型感光性組
成物(固形分)の80重量%以下の配合量で用いられる。
【0110】更に、米国特許第4,123,279号明
細書に記載されているように、t−ブチルフェノールホ
ルムアルデヒド樹脂、オクチルフェノールホルムアルデ
ヒド樹脂等の炭素数3〜8のアルキル基を置換基として
有するフェノールとホルムアルデヒドとの縮合物を併用
することは、画像の感脂性を向上させる上で好ましい。
上記米国特許明細書に記載されているアルカリ可溶性樹
脂は、通常、組成物全重量の90重量%以下の配合量で
用いることができる。
【0111】本発明のポジ型感光性組成物には、更に必
要に応じて、感度を高めるための環状酸無水物、フェノ
ール類、有機酸類、露光後直ちに可視像を得るための焼
き出し剤、画像着色剤としての染料、その他のフィラー
等を加えることができる。
【0112】上記環状酸無水物として、米国特許第4,11
5,128号明細書に記載されている無水フタル酸、テトラ
ヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,
6−エンドオキシ−Δ4−テトラヒドロ無水フタル酸、
テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無
水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水コハ
ク酸、無水ピロメリット酸等を挙げることができる。フ
ェノール類として、ビスフェノールA、p−ニトロフェ
ノール、p−エトキシフェノール、2,3,4−トリヒ
ドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノ
ン、2,4,4′−トリヒドロキシベンゾフェノン、
4,4,4″−トリヒドロキシ−トリフェニルメタン、
4,4′,3″,4″−テトラヒドロキシ−3,5,
3′,5′−テトラメチルトリフェニルメタン等を挙げ
ることができる。
【0113】有機酸類として、特開昭60−88942
号公報、特開平2−96755号公報等に記載されてい
る、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル硫酸類、
ホスホン酸類、ホスフィン酸類、リン酸エステル類、カ
ルボン酸類等があり、具体的には、p−トルエンスルホ
ン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスル
フィン酸、エチル硫酸、フェニルホスホン酸、フェニル
ホスフィン酸、リン酸フェニル、リン酸ジフェニル、安
息香酸、イソフタル酸、アジピン酸、p−トルイル酸、
3,4−ジメトキシ安息香酸、フタル酸、テレフタル
酸、1,4−シクロヘキセン−2,2−ジカルボン酸、
エルカ酸、ラウリン酸、n−ウンデカン酸、アスコルビ
ン酸等を挙げることができる。
【0114】上記の環状酸無水物類、フェノール類、及
び/又は有機酸類の本発明のポジ型感光性組成物中に占
める割合は、0.05〜15重量%が好ましく、より好
ましくは、0.1〜8重量%である。
【0115】露光後、直ちに可視像を得るための焼き出
し剤としては、露光によって酸を放出する感光性化合物
と、酸と塩を形成して色調を変える有機染料との組み合
わせを挙げることができる。
【0116】露光によって酸を放出する感光性化合物と
しては、例えば、特開昭50−36209号公報に記載
されているo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸
ハロゲニド;特開昭53−36223号公報に記載され
ているトリハロメチル−2−ビロンやトリハロメチル−
s−トリアジン;特開昭63−58440号公報に記載
されているトリハロメチル化合物;特開昭55−624
44号公報に記載されている種々のo−ナフトキノンジ
アジド化合物;特開昭55−77742号公報に記載さ
れている2−トリハロメチル−5−アリール−1,3,
4−オキサジアゾール化合物;ジアゾニウム塩等を挙げ
ることができる。これらの化合物は、単独又は組み合わ
せて使用することができ、その配合量は、組成物全重量
(固形分)に対し、0.3〜15重量%の範囲が好まし
い。
【0117】本発明のポジ型感光性組成物中には、光分
解して酸性物質を発生する化合物の光分解生成物と相互
作用することによってその色調を変える有機染料が少な
くとも1種類以上用いられる。このような有機染料とし
て、ジフェニルメタン系、トリアリールメタン系、チア
ジン系、オキサジン系、フェナジン系、キサンテン系、
アントラキノン系、イミノナフトキノン系、アゾメチン
系の色素を用いることができる。具体的には次のような
ものである。
【0118】ブリリアントグリーン、エオシン、エチル
バイオレット、エリスロシンB、メチルグリーン、クリ
スタルバイオレット、ベイシックフクシン、フェノール
フタレイン、1,3−ジフェニルトリアジン、アリザリ
ンレッドS、チモールフタレイン、メチルバイオレット
2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、チモールス
ルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレン
ジ、オレンジIV、ジフェニルチオカルバゾン、2,7−
ジクロロフルオレセイン、パラメチルレッド、コンゴー
レッド、ベンゾプルプリン4B、α−ナフチルレッド、
ナイルブルー2B、ナイルブルーA、フエナセタリン、
メチルバイオレット、マラカイトグリーン、パラフクシ
ン、オイルブルー#603〔オリエント化学工業(株)
製〕、オイルピンク#312〔オリエント化学工業
(株)製〕、オイルレッド5B〔オリエント化学工業
(株)製〕、オイルスカーレット#308〔オリエント
化学工業(株)製〕、オイルレッドOG〔オリエント化
学工業(株)製〕、オイルレッドRR〔オリエント化学
工業(株)製〕、オイルグリーン#502〔オリエント
化学工業(株)製〕、スピロンレッドBEHスペシャル
〔保土谷化学工業(株)製〕、ビクトリアピュアーブル
ーBOH〔保土谷化学工業(株)製〕、パテントピュア
−ブルー〔住友三国化学工業(株)製〕、スーダンブル
ーII〔BASF社製〕、m−クレゾールパープル、クレ
ゾールレッド、ローダミンB、ローダミン6G、ファー
ストアッシドバイオレットR、スルホローダミンB、オ
ーラミン、4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフ
トキノン、2−カルボキシアニリノ−4−p−ジエチル
アミノフェニルイミノナフトキノン、2−カルボステア
リルアミノ−4−p−ジヒドロオキシエチル−アミノ−
フェニルイミノナフトキノン、p−メトキシベンゾイル
−p′−ジエチルアミノ−o′−メチルフェニルイミノ
アセトアニリド、シアノ−p−ジエチルアミノフェニル
イミノアセトアニリド、1−フェニル−3−メチル−4
−p−ジエチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロ
ン、1−β−ナフチル−4−p−ジエチルアミノフェニ
ルイミノ−5−ピラゾロン等。
【0119】特に好ましい有機染料は、トリアリールメ
タン系染料である。トリアリールメタン系染料では、特
開昭62−293247号公報、特願平4−11284
4号明細書に示されているような対アニオンとしてスル
ホン酸化合物を有するものが特に有用である。これらの
染料は単独又は組み合わせて使用することができる。配
合量は、本発明のポジ型感光性組成物の総重量(固形分)
に対して、0.3〜15重量%が好ましい。また必要に
応じて他の染料、顔料と併用でき、その使用量は染料及
び顔料の総重量に対して70重量%以下、より好ましく
は50重量%以下である。
【0120】その他本発明の組成物中には、画像のイン
キ着肉性を向上させるための、疎水基を有する各種樹
脂、例えばオクチルフェノール・ホルムアルデヒド樹
脂、t−ブチルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、t
−ブチルフェノール・ベンズアルデヒド樹脂、ロジン変
性ノボラック樹脂、及びこれら変性ノボラック樹脂のo
−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル等;塗膜の
可撓性を改良するための可塑剤、例えばフタル酸ジブチ
ル、フタル酸ジオクチル、ブチルグリコレート、リン酸
トリクレジル、アジピン酸ジオクチル等、種々の目的に
応じて各種添加剤を加えることができる。これらの添加
量は、組成物全重量(固形分)に対して、0.01〜30
重量%の範囲が好ましい。
【0121】更に本発明のポジ型感光性組成物には、塗
布後形成される被膜の耐摩耗性を更に向上させるための
公知の樹脂を添加できる。これらの樹脂としては、例え
ばポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、エポ
キシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ナイロン、ポリエステル樹
脂、アクリル樹脂等があり、単独又は混合して使用する
ことができる。添加量は組成物全重量に対して、2〜4
0重量%の範囲が好ましい。
【0122】また、本発明のポジ型感光性組成物には、
現像のラチチュードを広げるために、特開昭62−25
1740号公報や、特開平4−68355号公報に記載
されているような非イオン性界面活性剤、特開昭59−
121044号公報、特開平4−13149号公報に記
載されているような両性界面活性剤を添加することがで
きる。
【0123】非イオン性界面活性剤の具体例としては、
ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテ
ート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリ
セリド、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げら
れ、両性界面活性剤の具体例としては、アルキルジ(ア
ミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリ
シン塩酸塩、アモーゲンK(商品名、第一工業(株)
製、N−テトラデシル−N,N−ベタイン型)、2−ア
ルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチル
イミダゾリニウムベタイン、レボン15(商品名、三洋
化成(株)製、アルキルイミダゾリン系)等が挙げられ
る。上記非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤の本発
明のポジ型感光性組成物に占める割合は、固形分換算
で、0.05〜15重量%が好ましく、より好ましく
は、0.1〜5重量%である。
【0124】本発明のポジ型感光性組成物には、塗布面
質を向上するための界面活性剤、例えば、特開昭62−
170950号公報に記載されているようなフッ素系界
面活性剤を配合することができる。好ましい配合量は、
感光性組成物(固形分)の0.001〜1.0重量%であ
り、更に好ましくは0.005〜0.5重量%である。
【0125】また、本発明のポジ型感光性組成物には、
以下の黄色系染料を添加することができる。即ち、一般
式〔I〕、〔II〕あるいは〔III〕で表わされ、417
nmの吸光度及び436nmの吸光度が70%以上であ
る黄色系染料である。
【0126】
【化26】
【0127】式〔I〕中、R21及びR22は、同一又は異
なって、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリ
ール基又はアルケニル基を示す。またR21とR22は、そ
れらが結合している炭素原子と共に環を形成してもよ
い。R23、R24、R25は、同一又は異なって、水素原
子、炭素数1〜10のアルキル基を示す。G1、G2は、
同一又は異なって、アルコキシカルボニル基、アリール
オキシカルボニル基、アシル基、アリールカルボニル
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホ
ニル基、アリールスルホニル基又はフルオロアルキルス
ルホニル基を示す。またG1とG2は環を形成してもよ
い。さらにR21、R22、R23、R24、R25、G1、G2
うち、1つ以上に1つ以上のスルホン酸基、カルボキシ
ル基、スルホンアミド基、イミド基、N−スルホニルア
ミド基、フェノール性水酸基、スルホンイミド基、又は
その金属塩、無機あるいは有機アンモニウム塩を有す
る。YはO、S、NR(Rは水素原子もしくはアルキル
基又はアリール基)、Se、−C(CH3)2−、−CH
=CH−より選ばれる2価原子団を示し、n1は0、1
を示す。
【0128】
【化27】
【0129】式中、R26及びR27は、同一又は異なっ
て、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール
基、置換アリール基、ヘテロ環基、置換ヘテロ環基、ア
リル基又は置換アリル基を表わし、また、R26とR
27は、それらが結合している炭素原子と共に環を形成し
てもよい。n2は、0、1又は2を表わす。G3及びG4
は、同一又は異なって、水素原子、シアノ基、アルコキ
シカルボニル基、置換アルコキシカルボニル基、アリー
ルオキシカルボニル基、置換アリールオキシカルボニル
基、アシル基、置換アシル基、アリールカルボニル基、
置換アリールカルボニル基、アルキルチオ基、アリール
チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル
基、フルオロアルキルスルホニル基を表わす。ただし、
3 とG4が同時に水素原子となることはない。また、
3とG4は、それらが結合している炭素原子と共に非金
属原子から成る環を形成してもよい。さらにR26
27、G3、G4のうち、1つ以上に1つ以上のスルホン
酸基、カルボキシル基、スルホンアミド基、イミド基、
N−スルホニルアミド基、フェノール性水酸基、スルホ
ンイミド基、又はその金属塩、無機あるいは有機アンモ
ニウム塩を有する。
【0130】
【化28】
【0131】R28、R29、R30、R31、R32、R33は、
同一又は異なって、水素原子、アルキル基、置換アルキ
ル基、アリール基、置換アリール基、アルコキシル基、
ヒドロキシル基、アシル基、シアノ基、アルコキシカル
ボニル基、アリールオキシカルボニル基、ニトロ基、カ
ルボキシル基、クロル基、ブロモ基を表わす。
【0132】本発明のフッ素高分子(1)及び(2)含
有するポジ型感光性組成物から感光性平版印刷版を得る
場合には、まず該ポジ型感光性組成物の被膜が適当な支
持体上に設けられる。本発明のポジ型感光性組成物は、
下記の有機溶剤の単独あるいは混合したものに溶解又は
分散され、支持体に塗布され乾燥される。
【0133】上記有機溶剤としては、従来用いられてい
るものがいずれも使用できるが、沸点40℃〜200
℃、特に60℃〜160℃の範囲のものが、乾燥の際に
おける有利さから選択される。勿論、本発明のポジ型感
光性組成物が溶解するものを選択するのがよい。
【0134】上記有機溶剤としては、例えばメチルアル
コール、エチルアルコール、n−又はイソ−プロピルア
ルコール、n−又はイソ−ブチルアルコール、ジアセト
ンアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケト
ン、メチルアミルケトン、メチルヘキシルケトン、ジエ
チルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、
メチルシクロヘキサノン、アセチルアセトン等のケトン
類、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、
メトキシベンゼン等の炭化水素類、エチルアセテート、
n−又はイソ−プロピルアセテート、n−又はイソ−ブ
チルアセテート、エチルブチルアセテート、ヘキシルア
セテート等の酢酸エステル類、メチレンジクロライド、
エチレンジクロライド、モノクロルベンゼン等のハロゲ
ン化物、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、
ジオキサン、ジメチルジオキサン、テトラヒドロフラン
等のエーテル類、エチレングリコール、メチルセロソル
ブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブ、
ジエチルセロソルブ、セロソルブアセテート、ブチルセ
ロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、メトキシメト
キシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエー
テル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチ
レングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリ
コールジエチルエーテル、プロピレングリコール、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリ
コールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ
エチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ
ブチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール
等の多価アルコールとその誘導体、ジメチルスルホキシ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶剤等が単独あ
るいは組み合わせて好適に使用される。そして、本発明
のポジ型感光性組成物の固形分の濃度を2〜50重量%
とするのが適当である。
【0135】本発明のポジ型感光性組成物の塗布方法と
しては、例えばロールコーティング、ディップコーティ
ング、エアナイフコーティング、グラビアコーティン
グ、グラビアオフセットコーティング、ホッパーコーテ
ィング、ブレードコーティング、ワイヤドクターコーテ
ィング、スプレーコーティング等の方法が用いらる。塗
布量は、乾燥後の重量にして0.3〜4.0g/m2が好
ましい。塗布量が小さくなるにつれて画像を得るための
露光量は小さくて済むが、膜強度は低下する。塗布量が
大きくなるにつれ、露光量を必要とするが感光膜は強く
なり、例えば、印刷版として用いた場合、印刷可能枚数
の高い(高耐刷の)印刷版が得られる。
【0136】支持体上に塗布されたポジ型感光性組成物
の乾燥は、通常加熱された空気によって行われる。加熱
は30℃〜200℃特に、40℃〜140℃の範囲が好
適である。乾燥の温度は乾燥中一定に保たれる方法だけ
でなく段階的に上昇させる方法も実施し得る。
【0137】また、乾燥風は除湿することによって好結
果が得られる場合もある。加熱された空気は、塗布面に
対し0.1m/秒〜30m/秒、特に0.5m/秒〜2
0m/秒の割合で供給するのが好適である。
【0138】上記のようにして設けられた本発明のポジ
型感光性組成物からなる感光層の表面に、マット形成剤
を溶解又は分散させた水性液を噴霧(スプレー)してマ
ット層を設けることにより、高いマットを形成すること
ができ、真空焼き枠を用いた密着露光の際の真空密着時
間を短縮し、且つ焼きボケを良好に防ぐことができる。
感光層が支持体の両面にある場合には、両面の感光層上
にマット層を形成することが好ましい。
【0139】感光性印刷版の表面に塗布する塗布液は、
マット形成剤を溶解又は分散させた水性液であり、感光
層を構成する感光材料に物理的、化学的な悪影響を与え
ることなく、現像時に容易に除去され得るものであっ
て、かつ使用される現像液と反応を生じないものであれ
ば、いかなるものでもよい。
【0140】マット形成剤としては、具体的には、特開
昭51−111102号公報に記載されるような、アラ
ビアゴム、膠、ゼラチン、カゼイン、セルロース類(例
えばビスコース、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロース、カルボキシメチルセルロース等)、澱粉類
(例えば可溶性デンプン、変性デンプン等)、ポリビニ
ルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル
酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルメチルエーテル、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂(特にノボラック型フェ
ノール樹脂が好ましい)、ポリアミド(例えば、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、t
−ブタノール、アミルアルコール、ヘキサノール等の炭
素数1〜6のアルコールに可溶のポリアミドが含まれ
る)、ポリビニルブチラール等の樹脂、更には、特開平
57−34558号公報に記載されるような、アクリル
酸エステルとアクリル酸又はメタクリル酸の共重合体、
スチレン、アクリル酸エステル、アクリル酸又はメタク
リル酸の共重合体、アクリル酸エステル、スチレン、ア
クリルニトリル等とアクリル酸又はメタクリル酸、マレ
イン酸、イタコン酸等の共重合体、ポリビニルアルコー
ル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン等のビニル
系ポリマー等が挙げられる。
【0141】これらの樹脂を適宜選択し、従来公知の方
法により水へ溶解せしめ、あるいは分散させて水性液と
する。溶媒としては、主成分の水のほか、感光層成分を
溶解しない低沸点の有機溶媒を含んでいてもよい。
【0142】また、露光時に形成したマット中を光が通
過する際、光散乱によりマット形成部の感光層が十分に
光分解しないことがあるため、これを防止する水溶性の
黄色染料を水性液中に添加してもよい。
【0143】更に水性液には、感光層や付着した液滴に
影響を及ばさない、他の水溶性物質や微細な粒子の無機
物質の粉末、重合体の粉末等の充填剤を含んでいてもよ
い。充填剤としては、例えば、二酸化珪素、酸化亜鉛、
酸化チタン、酸化ジルコニウム、ガラス粒子、アルミ
ナ、重合体粒子(例えばポリメチルメタアクリレート、
ポリスチレン、フェノール樹脂等の粒子)等が含まれ
る。これらは2種以上併用することができる。
【0144】水性液の調製法の例として、例えば、前記
の樹脂(マット形成剤)を通常のラテックスの合成法と
同様にして、原料のモノマーを界面活性剤で水中に乳化
しておき、過硫酸カリウム等の重合開始剤を用いて乳化
重合された水洗分散物としてもよく、またアクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の一部をナト
リウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩として共重合
体の水溶液とすることでもよい。水性液における樹脂の
濃度は、好ましくは10〜30重量%、より好ましくは
13〜22重量%である。
【0145】このような水性液(水溶液又は水分散液)
を感光層の表面へ噴霧するには、得アースプレー法、エ
アーレススプレー法、静電エアースプレー法、静電霧化
静電塗装法等の公知の方法を採用することができる。感
光層の表面へ噴霧されたマット形成剤の水性液は、次い
で乾燥される。乾燥は通常の方法、例えば温風を吹き付
ける方法等により行われる。
【0146】このようにして感光層の表面に付着される
樹脂(マット形成剤)は、高さが好ましくは1〜20μ
m、より好ましくは2〜10μm、大きさ(巾)が好ま
しくは5〜200μm、より好ましくは10〜30μ
m、量は好ましくは1〜1000個/mm2、好ましくは
5〜500個/mm2、より好ましくは30〜50個/mm2
の範囲である。
【0147】感光性平版印刷版等に使用される支持体
は、寸度的に安定な板状物であり、これ迄印刷版の支持
体として使用されたものが含まれ、好適に使用すること
ができる。かかる支持体としては、紙、プラスチックス
(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン
等)がラミネートされた紙、例えばアルミニウム(アル
ミニウム合金も含む)、亜鉛、鉄、銅等のような金属の
板、例えば二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロ
ピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酪酸酢酸セルロ
ース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカ
ーボネート、ポリビニルアセタール等のようなプラスチ
ックスのフイルム、上記のような金属がラミネートもし
くは蒸着された紙もしくはプラスチックフィルム等が含
まれるが、特にアルミニウム板が好ましい。アルミニウ
ム板には純アルミニウム板及びアルミニウム合金板が含
まれる。アルミニウム合金としては種々のものが使用で
き、例えばけい素、銅、マンガン、マグネシウム、クロ
ム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル等の金属とアルミニ
ウムの合金が用いられる。これらの組成物は、いくらか
の鉄及びチタンに加えてその他無視し得る程度の量の不
純物をも含むものである。
【0148】支持体は、必要に応じて表面処理される。
例えば感光性平版印刷版の場合には、支持体の表面に、
親水化処理が施される。また金属、特にアルミニウムの
表面を有する支持体の場合には、砂目立て処理、珪酸ソ
ーダ、弗化ジルコニウム酸カリウム、燐酸塩等の水溶液
への浸漬処理、あるいは陽極酸化処理等の表面処理がな
されていることが好ましい。また、米国特許第2,71
4,066号明細書に記載されているように、砂目立て
したのち珪酸ナトリウム水溶液に浸漬処理したアルミニ
ウム板、米国特許第3,181,461号明細書に記載
されているようにアルミニウム板を陽極酸化処理を行っ
た後にアルカリ金属珪酸塩の水溶液に浸漬処理したもの
も好適に使用される。上記陽極酸化処理は、例えば、燐
酸、クロム酸、硫酸、硼酸等の無機酸、若しくは蓚酸、
スルファミン酸等の有機酸又はこれらの塩の水溶液又は
非水溶液の単独又は2種以上を組み合わせた電解液中で
アルミニウム板を陽極として電流を流すことにより実施
される。
【0149】また、米国特許第3,658,662号明
細書に記載されているようなシリケート電着も有効であ
る。これらの親水化処理は、支持体の表面を親水性とす
る為に施される以外に、その上に設けられる感光性組成
物との有害な反応を防ぐ為や、感光層との密着性を向上
させる為に施されるものである。アルミニウム板を砂目
立てするに先立って、必要に応じて表面の圧延油を除去
すること及び清浄なアルミニウム面を表出させるために
その表面の前処理を施してもよい。前者のためには、ト
リクレン等の溶剤、界面活性剤等が用いられている。ま
た、後者のためには水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等のアルカリ・エッチング剤を用いる方法が広く行われ
ている。
【0150】砂目立て方法としては、機械的、化学的及
び電気化学的な方法のいずれの方法も有効である。機械
的方法としては、ボール研磨法、ブラスト研磨法、軽石
のような研磨剤の水分散スラリーをナイロンブラシで擦
りつけるブラシ研磨法等があり、化学的方法としては、
特開昭54−31187号公報に記載されているような
鉱酸のアルミニウム塩の飽和水溶液に浸漬する方法が適
しており、電気化学的方法としては塩酸、硝酸又はこれ
らの組合せのような酸性電解液中で交流電解する方法が
好ましい。このような粗面化方法の内、特に特開昭55
−137993号公報に記載されているような機械的粗
面化と電気化学的粗面化を組合せた粗面化方法は、感脂
性画像の支持体への接着力が強いので好ましい。上記の
如き方法による砂目立ては、アルミニウム板の表面の中
心線表面粗さ(Ra)が0.3〜1.0μmとなるよう
な範囲で施されることが好ましい。
【0151】このようにして砂目立てされたアルミニウ
ム板は必要に応じて水洗及び化学的にエッチングされ
る。エッチング処理液は、通常アルミニウムを溶解する
塩基あるいは酸の水溶液より選ばれる。この場合、エッ
チングされた表面に、エッチング液成分から誘導される
アルミニウムと異なる被膜が形成されないものでなけれ
ばならない。好ましいエッチング剤を例示すれば、塩基
性物質としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リ
ン酸三ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三カリ
ウム、リン酸二カリウム等;酸性物質としては硫酸、過
硫酸、リン酸、塩酸及びその塩等であるが、アルミニウ
ムよりイオン化傾向の低い金属例えば亜鉛、クロム、コ
バルト、ニッケル、銅等の塩はエッチング表面に不必要
な被膜を形成するから好ましくない。これ等のエッチン
グ剤は、使用濃度、温度の設定において、使用するアル
ミニウムあるいは合金の溶解速度が浸漬時間1分あたり
0.3グラムから40g/m2になるように行なわれるの
が最も好ましいが、これを上回るあるいは下回るもので
あっても差支えない。
【0152】エッチングは上記エッチング液にアルミニ
ウム板を浸漬したり、該アルミニウム板にエッチング液
を塗布すること等により行われ、エッチング量が0.5
〜20g/m2の範囲となるように処理されることが好ま
しい。上記エッチング剤としては、そのエッチング速度
が早いという特長から塩基の水溶液を使用することが望
ましい。この場合、スマットが生成するので、通常デス
マット処理される。デスマット処理に使用される酸は、
硝酸、硫酸、りん酸、クロム酸、ふっ酸、ほうふっ化水
素酸等が用いられる。
【0153】エッチング処理されたアルミニウム板は、
必要により水洗及び陽極酸化される。陽極酸化は、この
分野で従来より行なわれている方法で行なうことができ
る。具体的には、硫酸、りん酸、クロム酸、蓚酸、スル
ファミン酸、ベンゼンスルホン酸等あるいはそれらの2
種類以上を組み合せた水溶液又は非水溶液中でアルミニ
ウムに直流又は交流の電流を流すと、アルミニウム支持
体表面に陽極酸化被膜を形成させることができる。
【0154】陽極酸化の処理条件は使用される電解液に
よって種々変化するので一般には決定され得ないが一般
的には電解液の濃度が1〜80重量%、液温5〜70
℃、電流密度0.5〜60アンペア/dm2、電圧1〜10
0V、電解時間30秒〜50分の範囲が適当である。こ
れらの陽極酸化処理の内でも、とくに英国特許第1,4
12,768号明細書に記載されている硫酸中で高電流
密度で陽極酸化する方法及び米国特許第3,511,6
61号明細書に記載されている燐酸を電解浴として陽極
酸化する方法が好ましい。
【0155】上記のように粗面化され、さらに陽極酸化
されたアルミニウム板は、必要に応じて親水化処理して
もよく、その好ましい例としては米国特許第2,71
4,066号及び同第3,181,461号に開示され
ているようなアルカリ金属シリケート、例えば珪酸ナト
リウム水溶液又は特公昭36−22063号公報に開示
されている弗化ジルコニウム酸カリウム及び米国特許第
4,153,461号明細書に開示されているようなポ
リビニルホスホン酸で処理する方法がある。
【0156】感光性平版印刷版には感光層を塗設する前
に有機下塗層を設けることが非画像部の感光層残りを減
らす上で好ましい。かかる有機下塗層に用いられる有機
化合物としては例えば、カルボキシメチルセルロース、
デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホ
ン酸等のアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有し
てもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、ア
ルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホ
スホン酸及びエチレンジホスホン酸等の有機ホスホン
酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリ
ン酸、アルキルリン酸及びグリセロリン酸等の有機リン
酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフ
チルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸及びグリセロ
ホスフィン酸等の有機ホスフィン酸、グリシンやβ−ア
ラニン等のアミノ酸類、及びトリエタノールアミンの塩
酸塩等のヒドロキシル基を有するアミンの塩酸塩等から
選ばれるが、2種以上混合して用いてもよい。
【0157】その他ポリ(p−ビニル安息香酸)等下記
一般式〔IV〕で示される構造単位を分子中に有する高分
子化合物群の中から選ばれる少なくとも1種の化合物を
用いることができる。
【0158】
【化29】
【0159】前記一般式〔IV〕において、R41は水素原
子、ハロゲン原子又はアルキル基を表すが、好ましく
は、水素原子、塩素原子、又は炭素数1〜4個のアルキ
ル基を表す。特に好ましくは水素原子又はメチル基を表
す。R42とR43は、同一又は異なって、水素原子、水酸
基、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、芳香
族基、置換芳香族基、−R44、−COOR45、−CON
HR46、−COR47もしくは−CNを表すか、又はR42
とR43が結合して環を形成してもよい。ここでR44〜R
47は各々アルキル基又は芳香族基を表す。より好ましい
42とR43は、同一又は異なって、水素原子、水酸基、
塩素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、フェニル基、
−R44、−COOR45、−CONHR 46、−COR47
−CNであり、ここでR44〜R47は炭素数1〜4個のア
ルキル基又はフェニル基である。特に好ましいR42とR
43は、同一又は異なって、水素原子、水酸基、メチル基
又はメトキシ基である。
【0160】Xは水素原子、金属原子、NR484950
51を表し、ここで、R48〜R51は、同一又は異なっ
て、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、芳香族
基、置換芳香族基を表すか、又はR48とR49が結合して
環を形成してもよい。より好ましいXは、水素原子、一
価の金属原子、NR48495051であり、ここで、R
48〜R51は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜4個
のアルキル基又はフェニル基である。特に好ましいX
は、水素原子、ナトリウム、カリウム又はNR4849
5051を表し、ここで、R48〜R51は、各々独立して、
水素原子、メチル基、エチル基を表す。nは1〜3の整
数を表すが、好ましくは1又は2を表し、より好ましく
は1を表す。
【0161】この有機下塗層は次のような方法で設ける
ことが出来る。即ち、水又はメタノール、エタノール、
メチルエチルケトン等の有機溶剤もしくはそれらの混合
溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液をアルミニウ
ム板上に塗布、乾燥して設ける方法と、水又はメタノー
ル、エタノール、メチルエチルケトン等の有機溶剤もし
くはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた
溶液に、アルミニウム板を浸漬して上記有機化合物を吸
着させ、しかる後、水等によって洗浄、乾燥して有機下
塗層を設ける方法である。前者の方法では、上記の有機
化合物の0.005〜10重量%の濃度の溶液を種々の
方法で塗布できる。例えば、バーコーター塗布、回転塗
布、スプレー塗布、カーテン塗布等いずれの方法を用い
てもよい。また、後者の方法では、溶液の濃度は0.0
1〜20重量%、好ましくは0.05〜5重量%であ
り、浸漬温度は20〜90℃、好ましくは25〜50℃
であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、好ましくは2秒
〜1分である。
【0162】これに用いる溶液は、アンモニア、トリエ
チルアミン、水酸化カリウム等の塩基性物質や、塩酸、
リン酸等の酸性物質によりpHを調節し、pH1〜12
の範囲で使用することもできる。また、感光性平版印刷
版の調子再現性改良のために黄色染料を添加することも
できる。
【0163】さらにこの溶液には、下記一般式(10)
で示される化合物を添加することもできる。 一般式(10) (HO)m −R1 −(COOH)n 但し、R1 は置換基を有してもよい炭素数14以下のア
リーレン基を表し、m,nは独立して1から3の整数を
表す。上記一般式(1)で示される化合物の具体的な例
として、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息
香酸、サリチル酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、
2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3
−ナフトエ酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、10−
ヒドロキシ−9−アントラセンカルボン酸などが挙げら
れる。有機下塗層の乾燥後の被覆量は、1〜100mg/
m2が適当であり、好ましくは2〜70mg/m2である。上
記の被覆量が1mg/m2より少ないと十分な耐刷性能が得
られない。また、100mg/m2より大きくても同様であ
る。
【0164】支持体の裏面には、必要に応じてバックコ
ートが設けられる。かかるバックコートとしては特開平
5−45885号公報記載の有機高分子化合物及び特開
平6−35174号公報記載の有機又は無機金属化合物
を加水分解及び重縮合させて得られる金属酸化物からな
る被覆層が好ましく用いられる。これらの被覆層のう
ち、Si(OCH3)4、Si(OC25)4、Si(OC
37)4、Si(OC49)4等の珪素のアルコキシ化合物が
安価で入手し易く、それから得られる金属酸化物の被覆
層が耐現像液に優れており特に好ましい。
【0165】かくして得られたPS版は透明原画を通し
てカーボンアーク灯、水銀灯、メタルハライドランプ、
キセノンランプ、タングステンランプ等を光源とする活
性光線により露光された後、現像処理される。
【0166】本発明の感光性平版印刷版の現像液として
好ましいものは、(イ)非還元糖から選ばれる少なくと
も1種の糖類、及び(ロ)少なくとも1種の塩基を含有
し、pHが9.0〜13.5の範囲にある現像液であ
る。以下この現像液について詳しく説明する。なお、本
明細書中において、特にことわりのない限り、現像液と
は現像開始液(狭義の現像液)と現像補充液とを意味す
る。
【0167】この現像液は、その主成分が、非還元糖か
ら選ばれる少なくとも一つの化合物と、少なくとも1種
の塩基からなり、液のpHが9.0〜13.5の範囲で
あることが好ましい。かかる非還元糖とは、遊離のアル
デヒド基やケトン基を持たず、還元性を示さない糖類で
あり、還元基同士の結合したトレハロース型少糖類、糖
類の還元基と非糖類が結合した配糖体及び糖類に水素添
加して還元した糖アルコールに分類され、何れも好適に
用いられる。トレハロース型少糖類には、サッカロース
やトレハロースがあり、配糖体としては、アルキル配糖
体、フェノール配糖体、カラシ油配糖体等が挙げられ
る。また糖アルコールとしてはD,L−アラビット、リ
ビット、キシリット、D,L−ソルビット、D,L−マ
ンニット、D,L−イジット、D,L−タリット、ズリ
シット及びアロズルシット等が挙げられる。更に二糖類
の水素添加で得られるマルチトール及びオリゴ糖の水素
添加で得られる還元体(還元水あめ)が好適に用いられ
る。これらの中で特に好ましい非還元糖は糖アルコール
とサッカロースであり、特にD−ソルビット、サッカロ
ース、還元水あめが適度なpH領域に緩衝作用があるこ
とと、低価格であることで好ましい。
【0168】これらの非還元糖は、単独もしくは2種以
上を組み合わせて使用でき、それらの現像液中に占める
割合は0.1〜30重量%が好ましく、更に好ましく
は、1〜20重量%である。この範囲以下では十分な緩
衝作用が得られず、またこの範囲以上の濃度では、高濃
縮化し難く、また原価アップの問題が出てくる。尚、還
元糖を塩基と組み合わせて使用した場合、経時的に褐色
に変色し、pHも徐々に下がり、よって現像性が低下す
るという問題点がある。
【0169】非還元糖に組み合わせる塩基としては従来
より知られているアルカリ剤が使用できる。例えば、水
酸化ナトリウム、同カリウム、同リチウム、燐酸三ナト
リウム、同カリウム、同アンモニウム、燐酸二ナトリウ
ム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同
カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カ
リウム、同アンモニウム、硼酸ナトリウム、同カリウ
ム、同アンモニウム等の無機アルカリ剤が挙げられる。
また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチル
アミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチ
ルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルア
ミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モ
ノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロ
パノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、
ピリジン等の有機アルカリ剤も用いられる。
【0170】これらのアルカリ剤は単独もしくは2種以
上を組み合わせて用いられる。これらの中で好ましいの
は水酸化ナトリウム、同カリウムである、その理由は、
非還元糖に対するこれらの量を調整することにより広い
pH領域でpH調整が可能となるためである。また、燐
酸三ナトリウム、同カリウム、炭酸ナトリウム、同カリ
ウム等もそれ自身に緩衝作用があるので好ましい。これ
らのアルカリ剤は現像液のpHを9.0〜13.5の範
囲になるように添加され、その添加量は所望のpH、非
還元糖の種類と添加量によって決められるが、より好ま
しいpH範囲は10.0〜13.2である。
【0171】現像液には更に、糖類以外の弱酸と強塩基
からなるアルカリ性緩衝液が併用できる。かかる緩衝液
として用いられる弱酸としては、解離定数(pKa)が
10.0〜13.2のものが好ましい。このような弱酸
としては、Pergamon Press社発行のIONISATION CONSTAN
TS OF ORGANIC ACIDS IN AQUEOUS SOLUTION等に記載さ
れているものから選ばれ、例えば2,2,3,3−テト
ラフルオロプロパノール−1(PKa12.74)、ト
リフルオロエタノール(同12.37)、トリクロロエ
タノール(同12.24)等のアルコール類、ピリジン
−2−アルデヒド(同12.68)、ピリジン−4−ア
ルデヒド(同12.05)等のアルデヒド類、サリチル
酸(同13.0)・3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸
(同12.84)、カテコール(同12.6)、没食子
酸(同12.4)、スルホサリかル酸(同11.7)、
3,4−ジヒドロキシスルホン酸(同12.2)、3,
4−ジヒドロキシ安息香酸(同11.94)、1,2,
4−トリヒドロキシベンゼン(同11.82)、ハイド
ロキノン(同11.56)、ピロガロール(同11.3
4)、o−クレゾール(同10.33)、レゾルシノー
ル(同11.27)、p−クレゾール(同10.2
7)、m−クレゾール(同10.09)等のフェノール
性水酸基を有する化合物、
【0172】2−ブタノンオキシム(同12.45)、
アセトキシム(同12.42)、1,2−シクロヘプタ
ンジオンジオキシム(同12.3)、2−ヒドロキシベ
ンズアルデヒドオキシム(同12.10)、ジメチルグ
リオキシム(同11.9)、エタンジアミドジオキシム
(同11.37)、アセトフェノンオキシム(同11.
35)等のオキシム類、アデノシン(同12.56)、
イノシン(同12.5)、グアニン(同12.3)、シ
トシン(同12.2)、ヒポキサンチン(同12.
1)、キサンチン(同11.9)等の核酸関連物質、他
に、ジエチルアミノメチルホスホン酸(同12.3
2)、1−アミノ−3,3,3−トリフルオロ安息香酸
(同12.29)、イソプロピリデンジホスホン酸(同
12.10)、1,1−エチリデンジホスホン酸(同1
1.54)、1,1−エチリデンジホスホン酸1−ヒド
ロキシ(同11.52)、ベンズイミダゾール(同1
2.86)、チオベンズアミド(同12.8)、ピコリ
ンチオアミド(同12.55)、バルビツル酸(同1
2.5)等の弱酸が挙げられる。
【0173】これらの弱酸の中で好ましいのは、スルホ
サリチル酸、サリチル酸である。これらの弱酸に組み合
わせる塩基としては、水酸化ナトリウム、同アンモニウ
ム、同カリウム及び同リチウムが好適に用いられる。こ
れらのアルカリ剤は単独もしくは2種以上を組み合わせ
て用いられる。上記の各種アルカリ剤は濃度及び組み合
わせによりpHを好ましい範囲内に調整して使用され
る。
【0174】現像液には、現像性の促進や現像カスの分
散及び印刷版画像部の親インキ性を高める目的で必要に
応じて種々界面活性剤や有機溶剤を添加できる。好まし
い界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニ
オン系及び両性界面活性剤が挙げられる。
【0175】界面活性剤の好ましい例としては、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリ
スチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪
酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、
ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレ
ングリコールモノ脂肪酸エステル類、しょ糖脂肪酸部分
エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分
エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部
分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル
類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシ
エチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン
脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、
N.N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリ
オキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン
脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシド等の非イ
オン性界面活性剤、
【0176】脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキ
シアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、
ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキ
ルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩
類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテ
ル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム
塩、N−アルキルスルホ琥珀酸モノアミド二ナトリウム
塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキ
ルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル
塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステ
ル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル
塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫
酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エス
テル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸
化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸
化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等
のアニオン界面活性剤、アルキルアミン塩類、テトラブ
チルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩
類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチ
レンポリアミン誘導体等のカチオン性界面活性剤、カル
ボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホべタイ
ン類、アミノ硫酸エステル類、イミダゾリン類等の両性
界面活性剤が挙げられる。
【0177】以上挙げた界面活性剤の中で、ポリオキシ
エチレンとあるものは、ポリオキシメチレン、ポリオキ
シプロピレン、ポリオキシブチレン等のポリオキシアル
キレンに読み替えることもでき、それらの界面活性剤も
また包含される。
【0178】更に好ましい界面活性剤は分子内にパーフ
ルオロアルキル基を含有するフッ素系の界面活性剤であ
る。かかるフッ素系界面活性剤としては、パーフルオロ
アルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン
酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等のアニオ
ン型、パーフルオロアルキルベタイン等の両性型、パー
フルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩等のカチオ
ン型及びパーフルオロアルキルアミンオキサイド、パー
フルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオ
ロアルキル基及び親水性基含有オリゴマー、パーフルオ
ロアルキル基及び親油性基含有オリゴマー、パーフルオ
ロアルキル基、親水性基及び親油性基含有オリゴマー、
パーフルオロアルキル基及び親油性基含有ウレタン等の
非イオン型が挙げられる。上記の界面活性剤は、単独も
しくは2種以上を組み合わせて使用することができ、現
像液中に0.001〜10重量%、より好ましくは0.
01〜5重量%の範囲で添加される。
【0179】現像液には、種々の現像安定化剤を用いる
ことができる。それらの好ましい例として、特開平6−
282079号公報記載の糖アルコールのポリエチレン
グリコール付加物、テトラブチルアンモニウムヒドロキ
シド等のテトラアルキルアンモニウム塩、テトラブチル
ホスホニウムブロマイド等のホスホニウム塩及びジフェ
ニルヨードニウムクロライド等のヨードニウム塩が好ま
しい例として挙げられる。更には、特開昭50−513
24号公報記載のアニオン界面活性剤又は両性界面活性
剤、また特開昭55−95946号公報記載の水溶性カ
チオニックポリマー、特開昭56−142528号公報
に記載されている水溶性の両性高分子電解質を挙げるこ
とができる。
【0180】更に、特開昭59−84241号公報のア
ルキレングリコールが付加された有機ホウ素化合物、特
開昭60−111246号公報記載のポリオキシエチレ
ン・ポリオキシプロピレンブロック重合型の水溶性界面
活性剤、特開昭60−129750号公報のポリオキシ
エチレン・ポリオキシプロピレンを置換したアルキレン
ジアミン化合物、特開昭61−215554号公報記載
の重量平均分子量300以上のポリエチレングリコー
ル、特開昭63−175858号公報のカチオン性基を
有するフッ素界面活性剤、特開平2−39157号公報
の酸又はアルコールに4モル以上のエチレンオキシドを
付加して得られる水溶性エチレンオキシド付加化合物
と、水溶性ポリアルキレン化合物等が挙げられる。
【0181】現像液には更に必要により有機溶剤が加え
られる。かかる有機溶剤としては、水に対する溶解度が
約10重量%以下のものが適しており、好ましくは5重
量%以下のものから選ばれる。例えば、1−フェニルエ
タノール、2−フェニルエタノール、3−フェニル−1
−プロパノール、4−フェニル−1−ブタノール、4−
フェニル−2−ブタノール、2−フェニル−1−ブタノ
ール、2−フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシ
エタノール、o−メトキシベンジルアルコール、m−メ
トキシベンジルアルコール、p−メトキシベンジルアル
コール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、2
−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサ
ノール及び4−メチルシクロヘキサノール、N−フェニ
ルエタノールアミン及びN−フェニルジエタノールアミ
ン等を挙げることができる。有機溶剤の含有量は使用液
の総重量に対して0.1〜5重量%である。その使用量
は界面活性剤の使用量と密接な関係があり、有機溶剤の
量が増すにつれ、界面活性剤の量は増加させることが好
ましい。これは界面活性剤の量が少なく、有機溶剤の量
を多く用いると有機溶剤が完全に溶解せず、従って、良
好な現像性の確保が期待できなくなるからである。
【0182】現像液には更に還元剤を加えることができ
る。これは印刷版の汚れを防止するものであり、特に感
光性ジアゾニウム塩化合物を含むネガ型感光性平版印刷
版を現像する際に有効である、好ましい有機還元剤とし
ては、チオサリチル酸、ハイドロキノン、メトール、メ
トキシキノン、レゾルシン、2−メチルレゾルシン等の
フェノール化合物、フェニレンジアミン、フェニルヒド
ラジン等のアミン化合物が挙げられる。更に好ましい無
機の還元剤としては、亜硫酸、亜硫酸水素酸、亜リン
酸、亜リン酸水素酸、亜リン酸二水素酸、チオ硫酸及び
亜ジチオン酸等の無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、
アンモニウム塩等を挙げることができる。これらの還元
剤のうち汚れ防止効果が特に優れているのは亜硫酸塩で
ある。これらの還元剤は使用時の現像液に対して好まし
くは、0.05〜5重量%の範囲で含有される。
【0183】現像液には更に有機カルボン酸を加えるこ
ともできる。好ましい有機カルボン酸は炭素原子数6〜
20の脂肪族カルボン酸及び芳香族カルボン酸である。
脂肪族カルボン酸の具体的な例としては、カプロン酸、
エナンチル酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸及びステアリン酸等があり、特に好ま
しいのは炭素数8〜12のアルカン酸である。また炭素
鎖中に二重結合を有する不飽和脂肪酸でも、枝分かれし
た炭素鎖のものでもよい。芳香族カルボン酸としてはベ
ンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等にカルボキ
シル基が置換された化合物で、具体的には、o−クロロ
安息香酸、p−クロロ安息香酸、o−ヒドロキシ安息香
酸、p−ヒドロキシ安息香酸、o−アミノ安息香酸、p
−アミノ安息香酸、2,4−ジヒドロシ安息香酸、2,
5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息
香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒド
ロキシ安息香酸、没食子酸、1−ヒドロキシ−2−ナフ
トエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロ
キシ−1−ナフトエ酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ
酸等があるがヒドロキシナフトエ酸は特に有効である。
【0184】上記脂肪族及び芳香族カルボン酸は水溶性
を高めるためにナトリウム塩やカリウム塩又はアンモニ
ウム塩として用いるのが好ましい。本発明で用いる現像
液の有機カルボン酸の含有量は格別な制限はないが、
0.1重量%より低いと効果が十分でなく、また10重
量%以上ではそれ以上の効果の改善が計れないばかり
か、別の添加剤を併用する時に溶解を妨げることがあ
る。従って、好ましい添加量は使用時の現像液に対して
0.1〜10重量%であり、より好ましくは0.5〜4
重量%である。
【0185】現像液には、更に必要に応じて、防腐剤、
着色剤、増粘剤、消泡剤及び硬水軟化剤等を含有させる
こともできる。硬水軟化剤としては例えば、ポリ燐酸及
びそのナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩、
エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペ
ンタ酢酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、ヒドロ
キシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ニトリロトリ酢
酸、1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸及び
1,3−ジアミノ−2−プロパノールテトラ酢酸等のア
ミノポリカルボン酸及びそれらのナトリウム塩、カリウ
ム塩及びアンモニウム塩、アミノトリ(メチレンホスホ
ン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン
酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン
酸)、トリエチレンテトラミンヘキサ(メチレンホスホ
ン酸)、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ(メチ
レンホスホン酸)及び1−ヒドロキシタエン−1,1−
ジホスホン酸やそれらのナトリウム塩、カリウム塩及び
アンモニウム塩を挙げることができる。
【0186】このような硬水軟化剤はそのキレート化と
使用される硬水の硬度及び硬水の量によって最適値が変
化するが、一般的な使用量を示せば、使用時の現像液に
0.01〜5重量%、より好ましくは0.01〜0.5
重量%の範囲である。この範囲より少ない添加量では所
期の目的が十分に達成されず、添加量がこの範囲より多
い場合は、色抜け等、画像部への悪影響がでてくる。現
像液の残余の成分は水である。現像液は、使用時よりも
水の含有量を少なくした濃縮液としておき、使用時に水
で希釈するようにしておくことが運搬上有利である。こ
の場合の濃縮度は、各成分が分離や析出を起こさない程
度が適当である。
【0187】本発明の感光性平版印刷版の現像液として
はまた、特開平6−282079号公報記載の現像液も
使用できる。これは、SiO2/M2O(Mはアルカリ金
属を示す)のモル比が0.5〜2.0の珪酸アルカリ金
属塩と、水酸基を4以上有する糖アルコールに5モル以
上のエチレンオキシドを付加して得られる水溶性エチレ
ンオキシド付加化合物を含有する現像液である。糖アル
コールは糖のアルデヒド基及びケトン基を還元してそれ
ぞれ第一、第二アルコール基としたものに相当する多価
アルコールである。糖アルコールの貝体的な例として
は、D,L−トレイット、エリトリット、D,L−アラ
ビット、リビット、キシリット、D,L−ソルビット、
D,L−マンニット、D,L−イジット、D,L−タリ
ット、ズルシット、アロズルシット等であり、更に糖ア
ルコールを縮合したジ、トリ、テトラ、ペンタ及びヘキ
サグリセリン等も挙げられる。上記水溶性エチレンオキ
シド付加化合物は上記糖アルコール1モルに対し5モル
以上のエチレンオキシドを付加することにより得られ
る。さらにエチレンオキシド付加化合物には必要に応じ
てプロピレンオキシドを溶解性が許容できる範囲でブロ
ック共重合させてもよい。これらのエチレンオキシド付
加化合物は単独もしくは2種以上を組み合わせて用いて
もよい。これらの水溶性エチレンオキシド付加化合物の
添加量は現像液(使用液)に対して0.001〜5重量
%が適しており、より好ましくは0.001〜2重量%
である。
【0188】この現像液にはさらに、現像性の促進や現
像カスの分散及び印刷版画像部の親インキ性を高める目
的で必要に応じて、前述の種々の界面活性剤や有機溶剤
を添加できる。
【0189】このような組成の現像液で現像処理された
PS版は水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、ア
ラビアガムや澱粉誘導体等を主成分とするフィニッシャ
ーや保護ガム液で後処理を施される。本発明のPS版の
後処理にはこれらの処理を種々組み合わせて用いること
ができる。
【0190】近年、型版・印刷業界では製版作業の合理
化及び標準化のため、PS版用の自動現像機が広く用い
られている。この自動現像機は、一般に現像部と後処理
部からなり、PS版を搬送する装置と、各処理液槽及び
スプレー装置からなり、露光済みのPS版を水平に搬送
しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレーノズ
ルから吹き付けて現像及び後処理するものである。ま
た、最近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイド
ロール等によってPS版を浸漬搬送させて現像処理する
方法や、現像後一定量の少量の水洗水を版面に供給して
水洗し、その廃水を現像液原液の希釈水としで再利用す
る方法も知られている。
【0191】このような自動処理においては、各処理液
に処理量や稼動時間等に応じてそれぞれの補充液を補充
しながら処理することができる。また、実質的に未使用
の処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用で
きる。このような処理によって得られた平版印刷版はオ
フセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用いられ
る。
【0192】
【実施例】以下本発明を合成例及び実施例に基づいてさ
らに説明する。ただし本発明は、これらの実施例に限定
されるものではない。
【0193】合成例1(フッ素高分子(1)P−9の合
成) (a−1)のモノマーとして下記モノマー(a'−1)
25.6g、(b)のモノマーとして下記モノマー(b
−3)26.4g、第3のモノマーとしてメタアクリル
酸ラウリル20.4g、及びジメチルアセトアミド16
0gを500mlの3口フラスコに取り窒素気流下攪拌
しながら65℃に保った。2,2′−アゾビス(2,4
−ジメチルバレロニトリル)を2.30g加え攪拌を続
けた。4時間後75℃まで昇温し1時間保った。反応終
了後、室温にまで冷却し、反応液を400ml中の水中に
注いだ。析出した固体をろ取し、乾燥した。収率68.
4g、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより
この固体は重量平均分子量3.5万の高分子化合物(フ
ッ素高分子(1)、P−9)であった。
【0194】
【化30】
【0195】(合成例2〜3)合成例1と同様の方法で
表1に示すポリマーを合成した。
【0196】
【表1】
【0197】実施例1〜2、比較例1〜4 これら実施例、及び比較例のパーセントは、特に断りの
ない限り、すべて重量%である。厚さ0.24mmのJI
S A1050アルミニウム板の表面をナイロンブラシ
と400メッシュのパミストンの水懸濁液を用い砂目立
てした後、よく水で洗浄した。10%水酸化ナトリウム
に70℃で60秒間浸漬してエッチングした後、流水で
水洗後20%HNO3 で中和洗浄、水洗した。これを、
A=12.7Vの条件下で正弦波の交番波形を用い
て、1%硝酸水溶液中で160クーロン/dm2 の陽極
時電気量で電解粗面化処理を行った。その表面粗さRa
を測定したところ、0.6mμであった。ひきつづいて
30%のH2SO4 水溶液中に浸漬し55℃で2分間デ
スマットした後、20%H2SO4 水溶液中で電流密度
14A/dm2 、陽極酸化被膜量が2.5g/m2 相当
になるように陽極酸化し、水洗した後、ひきつづき珪酸
ナトリウム2.5%水溶液で30℃、20秒処理し、水
洗して基板を作成した。
【0198】このように処理した基板の表面に下記組成
の下塗り液(I)を塗布し70℃、10秒間乾燥して、
基板〔A〕を作成した。乾燥後の被覆量は、5mg/m2
あった。 下塗り液(I) 構造式(A)の化合物 0.42g 構造式(B)の化合物 0.013g メタノール 100g 純水 1g
【0199】
【化31】
【0200】次にこの基板〔A〕上に表2に示す感光液
をロッドコーティングで12ml/m2 塗設し、100
℃で1分間乾燥してポジ型感光性平版印刷版を得た。乾
燥後の塗布量は1.15g/m2 であった。
【0201】
【表2】
【0202】
【化32】
【0203】
【表3】
【0204】このようにして作成した感光層の表面に下
記の様にしてマット層形成用樹脂液を吹き付けてマット
層を設けた。マット層形成樹脂液として、メチルメタク
リレート/エチルアクリレート/アクリル酸(仕込重量
比65:20:15)共重合体の一部をナトリウム塩
(場合によってはカリウム塩あるいはアンモニウム塩と
した)とした12%水溶液を準備し、回転霧化静電塗装
機で霧化頭回転数25,000rpm、樹脂液の送液量
は、40ml/分、霧化頭への印加電圧は、−90k
V、塗布時の周囲温度は25℃、相対湿度は50%と
し、塗布後2.5秒で塗布面に蒸気を吹き付けて湿潤さ
せ、ついで湿潤した3秒後に温度60℃、湿度10%の
温風を5秒間吹き付けて乾燥させた。このマット層の塗
布量は150mg/m2 であった。
【0205】このようにして作成した感光性平版印刷版
を以下の方法で評価した。感度は、富士写真フイルム
(株)製ステップウェッジ(各段の濃度差が0.15)
を通して、1mの距離から3kWのメタルハライドラン
プにより1分間露光を行ったのち、富士写真フイルム
(株)製PSプロセッサー900Vを用いて、30℃1
2秒間、表4に示す水溶液で現像し、クリアーの段数で
表わした。段数が高い程感度が高いことを示す。
【0206】
【表4】
【0207】階調は、上述の感度評価したサンプルのク
リアー段数とベタ段差の差を表わした。この値が低い程
硬調であることを示す。現象許容性は、上述の現像液を
基準にして、pHを上下に0.2増減させた液を用いた
以外は上述の感度と同一な露光、現像を行い、pHによ
るベタ段数の変化を表わした。この値が小さい程現像許
容性は良好であることを示す。これらの結果を表5に示
す。
【0208】
【表5】
【0209】表5から明らかなように、実施例1、2は
クリア感度の大きな低下なく硬調化し、現像許容性も良
好である。
【0210】実施例3〜4、比較例5〜8 実施例1〜2及び比較例1〜4と同一の感光性平版印刷
版を作成し、以下の方法で評価した。感度は、富士写真
フイルム(株)ステップウェッジ(各段の濃度差が0.
15)を通して、1mの距離から3kWのメタルハライ
ドランプにより1分間露光を行ったのち、富士写真フイ
ルム(株)製PSプロセッサー900Vを用いて、30
℃で12秒間、SiO2 /K2 Oのモル比が1.16、
SiO2 濃度が1.4%の水溶液で現像し、クリアーの
段数で表わした。段数が高い程感度が高いことを示す。
階調は、上述の感度評価したサンプルのクリアー段数と
ベタ段差の差を表した。この値が低い程硬調であること
を示す。
【0211】現像許容性は、上述の現像液を基準にし
て、pHを上下に0.2増減させた液を用いた以外は上
述の感度と同一な露光、現像を行い、pHによるベタ段
数の変化を表した。この値が小さい程現像許容性は良好
であることを示す。これらの結果を表6に示す。
【0212】
【表6】
【0213】表6から明らかなように、現像液を変化さ
せても実施例3、4は大きな感度低下なく硬調化し、現
像許容性も良好である。
【0214】実施例5〜6、比較例9〜12 厚さ0.24mmのJIS A 1050アルミニウム
板を、平均粒径2.1μmのパミストンと水の懸濁液を
アルミニウム表面に供給しながら、以下に示す回転ナイ
ロンブラシにより、ブラシグレイニング処理した。第1
ブラシは毛長100mm、毛径0.95mm、植毛密度
70本/cm2 であり、第2ブラシは毛長80mm、毛
径0.295mm、植毛密度670本/cm2であっ
た。ブラシロールの回転はいずれも250rpmであっ
た。ブラシグレイニングにひき続きよく水洗した後、1
0%水酸化ナトリウムに60℃で25秒間浸漬してエッ
チングし、さらに流水で水洗後20%硝酸で中和洗浄、
水洗した。これらをVA=12.7Vの条件下で正弦波
の交番波形電流を用いて、11%硝酸水溶液中で160
クーロン/cm2 の陽極時電気量で電解粗面化処理を行
った。その表面粗さRaを測定したところ、0.79μ
mであった。引き続いて、1%水酸化ナトリウム水溶液
に40℃、30秒間浸漬後、30%の硫酸水溶液中に浸
漬し、60℃で40秒間デスマット処理した後、20%
硫酸水溶液中、電流密度2A/dm2 において1.6g
/m2 の酸化被膜重量になるように直流で陽極酸化し、
水洗して基板を調製した。
【0215】このように処理した基板の表面に下記組成
の下塗り液(I)を塗布し80℃、30秒間乾燥して、
基板〔A〕を作成した。乾燥後の被覆量は10mg/m
2 であった。 下塗り液(I) β−アラニン 0.10g メタノール 40 g 純 水 60 g 次に実施例1〜2及び比較例1〜4と同一の感光層及び
マット層を設けた。このようにして作成した感光性平版
印刷版を実施例3〜4及び比較例5〜8と同一の方法で
評価した。この結果を表7に示す。
【0216】
【表7】
【0217】表7から明らかなように、支持体を変えて
も実施例5、6は大きな感度低下なく硬調化し、現像許
容性も良好である。
【0218】
【発明の効果】本発明のポジ型感光性組成物は、高感度
で硬調な画像が形成され、特に感光性平版印刷版の製造
に適する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 和男 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)(a−1)フルオロ脂肪族基を側
    鎖に有する付加重合可能なモノマーと、(b)酸性水素
    原子を有する付加重合可能なモノマーとが共重合してい
    るフッ素高分子、及び (2)(a−2)フルオロ脂肪族基を側鎖に有する付加
    重合可能なモノマーと、(c)ポリ(オキシアルキレ
    ン)鎖を有する(メタ)アクリレートとが共重合してい
    るフッ素高分子を含有することを特徴とするポジ型感光
    性組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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