JP3071445B2 - 溶鋼の真空精錬における窒素の低減方法 - Google Patents

溶鋼の真空精錬における窒素の低減方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は溶鋼の真空精錬における溶鋼中の窒素濃度
(以下〔N〕と記す)の低減方法に関する。
(従来技術) 一般に、鋼材品質に対する要求は、益々厳しく従来の
〔P〕、〔S〕等の低減に加えて、最近特に、低
〔C〕、〔O〕、〔N〕の低下をも含めた高純度鋼が要
求されている。この要求に呼応するために、鋼材の溶製
において、溶銑予備処理あるいは二次精錬等を駆使し
て、〔P〕、〔S〕、〔C〕、〔O〕の低減化に努め、
かなり高純度な鋼の溶製が可能になっている。
低〔N〕化に関しても、いくつかの方策が提案されて
いる。例えば、真空脱ガス処理により低窒素鋼を溶製す
るために、真空槽内の溶鋼面へ、鉄鉱石、Mn鉱石等の固
体酸素源、あるいは、酸素ガスを吹き付けて脱炭反応を
起こし、発生したCOガス気泡中へ窒素を吸収させ、脱窒
を促進する方法が特開昭60−184618号公報、特開昭60−
184619号公報等に記載されている。しかし、これらの方
法では、極低〔N〕領域まで脱窒を促進するほどの脱炭
反応を進行させるためには、溶鋼中の過剰酸素濃度を高
める必要がある。しかしながら、溶鋼中の酸素濃度を高
めることは、脱酸後の酸化物系介在物の増加という品質
上好ましくない結果をもたらす。さらに、酸素濃度を10
0ppm以上に高めた場合には脱窒反応の界面抵抗が著しく
増大し、脱窒反応の進行が期待できないという結果をも
たらす。
一方、還流管中の溶鋼あるいは取鍋内の溶鋼にAr等の
不活性ガスを吹き込むことにより、ガス気泡−溶鋼界面
を通じた脱窒反応を進行させようという提案もある。こ
ういった提案では、真空脱ガス槽の内部は真空雰囲気で
あり、真空槽内の溶鋼自由表面においては脱窒反応が生
じているものとされていた。しかしながら、本発明者ら
が、真空槽内の窒素分圧について調査したところ、真空
槽内の溶鋼自由表面における窒素分圧は、かなり高いこ
とが明らかになった。たとえば、1600℃において20ppm
の窒素濃度と平衡する窒素分圧は、0.002atmであるが、
実際の真空槽内の溶鋼自由表面における窒素分圧は、こ
れよりも高い0.0021atm程度のレベルであり、従って、
〔N〕が20ppm以下の低窒素濃度領域では、溶鋼自由表
面においてはかえって吸窒反応が進行していることにな
る。
この問題の解決として、特開昭63−157814号公報で
は、真空槽内の溶鋼表面にArガスを吹き付けることを提
案している。この方法では、脱ガス処理開始から処理終
了まで、15.3〜30.6N/ton・minのArガスを終始吹き付
けることにより、〔N〕が20ppm以下の低窒素鋼を安定
溶製できるとしている。しかしながら、高価なArガスを
長時間、大量に消費することは、経済的な観点からは極
めて不利である。また、Arガス流量が過大な場合は、真
空槽内のスプラッシュ増加による地金付着量の増大とい
う問題も生じる。
(発明の目的) 本発明は、上記問題点を解決し、効率的かつ、経済的
に溶鋼の脱窒処理を行なうことを目的に発明されたもの
である。
(問題解決に関する知見) 本発明者らは、還流式真空脱ガス装置において、脱ガ
ス処理中の溶鋼中の〔N〕について詳細に調査した結
果、〔N〕はAl等による脱酸の直前まで、処理時間の経
過とともに低下するが、最終脱酸の直後に吸窒を生じ、
再び上昇することを知った。そこで本発明者らは、Al等
による脱酸の直前から、溶鋼表面にArガスを吹きつける
ことによって窒素分圧を減少させることによって窒素濃
度の上昇が抑制できることを知見した。
(発明の構成) 本発明は溶鋼内に浸漬管を浸漬して、該溶鋼を循環す
るか、もしくは吸い上げ、吐出する真空脱ガス装置にお
いて、Ar等による最終脱酸の直前から、脱ガス処理終了
までの間、真空槽内の溶鋼表面に5〜15N/ton・minの
Arガスを吹き付けることを特徴とする、溶鋼の真空精錬
における窒素の低減方法を提供する。
(発明の具体的な開示) 第1図は本発明者らが、還流式真空脱ガス装置におい
て、脱ガス処理中の溶鋼の〔N〕について詳細に調査し
た結果を示す。この図において明らかな通り、脱ガス処
理開始の〔N〕が30ppmであったものが、Al等による最
終脱酸の直前まで、処理時間の経過と共に〔N〕は低下
し続け、一旦、15ppm以下のレベルになったのち、最終
脱酸の直後に吸窒を生じ、再び26ppm程度の高い〔N〕
レベルに戻った。このことは脱ガス処理の前半では、脱
炭反応により発生したCOガス気泡中への窒素吸収および
還流用のArガス気泡中への窒素吸収による脱窒反応が促
進されるが、処理時間の経過につれ、〔C〕レベルの低
下によるCOガス発生量の減少に伴ない、脱窒そのものが
律速されることに加えて、Al等による脱酸によって界面
抵抗が低下し、かつ真空槽内の容鋼自由表面における窒
素分圧が高いために、却って、吸窒反応が進行すること
を示すものと考えられる。
そこで、本発明者らは、吸窒が認められた最終脱酸の
直前から脱ガス処理終了までの間、真空槽内の溶鋼表面
にArガスを吹き付けることにより、溶鋼自由表面におけ
る窒素分圧を下げ、低窒素濃度領域でも、脱窒反応を進
行させることを考え、本発明をなすにいたった。この
際、Arガスの吹き付け流量は5〜15N/ton・minとする
ことが肝要である。吹き付けガス流量が5N/ton・min
より少ない場合には、溶鋼自由表面の窒素分圧の低減効
果が不十分となり、脱窒反応の進行が期待できない。一
方、吹き付けガス流量が15N/ton・minを越えると、真
空槽内のスプラッシュが増大し、地金付着量の増大を招
く。
次に本発明方法を具体的に述べる。第2図に、本発明
方法を実施するための還流式脱ガス装置概念を示す。取
鍋1内の溶鋼2は、脱ガス処理開始と同時に、真空槽3
内に吸引される。その後、Arガス4を浸漬管5の一方に
設けたノズル6から吹き込むことにより、溶鋼2を還流
させる。この状態で、所望の〔C〕レベルまで脱炭反応
を行わせたのち、Alによる最終脱酸の直前から、脱ガス
処理終了までの間、真空槽胴部に設けられたガス吹き付
けノズル7により、10N/ton・min程度のArガスを溶鋼
表面に吹き付けた。ガス吹き付けノズルの位置は真空槽
の中心軸に対して軸対象となる4箇所とした。第3図に
示すように、本発明方法によるArガス吹き付けにより、
真空槽内の窒素分圧は著しく低減されることが確認でき
た。第3図から明らかなように、吹き付けガス流量が5N
/ton・minより少ない場合は、真空槽内の溶鋼自由表
面の窒素分圧の低減効果は小さく、また、15N/ton・m
inより吹き付けガス流量を増しても、窒素分圧の低減に
はほとんど寄与しないことがわかる。本法を適用した場
合と適用しなかった場合の脱ガス中の〔N〕の挙動を第
4図に比較して示すが、従来脱ガス処理終了時点で20pp
m以下までは脱窒反応は進行しなかったが、本発明を適
応することにより、15ppm以下まで〔N〕を低減するこ
とが可能になった。
次に、本発明の実施例について述べる。実施例を表1
に要約して示す。本実施例は全て還流式脱ガス装置を用
い、溶鋼は転炉で溶製したものである。処理溶鋼量は18
5tonであり、脱ガス時間は20分である。実施例1は、Al
による最終脱酸直前の、脱ガス処理開始後15分経過時点
から5分間にわたって、2.7Nm3/min(15N/ton・min)
のArガスを真空槽内溶鋼面全体に吹き付けた例である。
脱ガス処理前の〔N〕30ppmの溶鋼を脱ガス処理するこ
とにより、13ppmまで〔N〕を低減できた。実施例2
は、脱ガス処理開始から、2.0Nm3/min(10N/ton・mi
n)のArガスを、実施例1同様にAlによる最終脱酸直前
の、脱ガス処理開始後15分経過時点から5分間にわたっ
て、真空槽内溶鋼面全体に吹き付けた例である。この場
合には、脱ガス処理前の〔N〕29ppmの溶鋼を脱窒処理
することにより、15ppmまで〔N〕を低減できた。この
場合には、実施例1よりも脱窒速度はやや小さく、Arガ
ス流量の影響がうかがえた。
比較例1は、通常処理の場合を示し、脱ガス処理前
〔N〕29ppmの溶鋼を脱ガス処理しても、〔N〕は26ppm
までしか低減できなかった。
比較例2は、Alによる最終脱酸後の脱ガス処理開始後
17分経過時点から3分間にわたって、2.0Nm3/min(10.0
N/ton・min)のArガスを、真空槽内溶鋼面全体に吹き
付けた例である。この場合には、脱ガス処理前〔N〕30
ppmの溶鋼を脱ガス処理しても、20ppmまでしか〔N〕を
低減することができなかった。
比較例3は、脱ガス処理開始からAlによる最終脱酸直
前までの15分間にわたって、2.0Nm3/min(10.0N/ton
・min)のArガスを、真空槽内溶鋼面全体に吹き付けた
例である。この場合には、脱ガス処理前〔N〕31ppmの
溶鋼を脱ガス処理しても、23ppmまでしか〔N〕を依減
することができなかった。
比較例4は、Alによる最終脱酸直前の、脱ガス処理開
始後15分経過時点から5分間にわたって、0.8Nm3/min
(4.0N/ton・min)のArガスを、真空槽内溶鋼全体に
吹き付けた例である。この場合には、脱ガス処理前
〔N〕30ppmの溶鋼を脱ガス処理しても、21ppmまでしか
〔N〕を低減することができなかった。
比較例5は、Alによる最終脱酸直前の脱ガス処理開始
後15分経過時点から5分間にわたって、3.7Nm3/min(2
0.0N/ton・min)のArガスを、真空槽内溶鋼面全体に
吹き付けた例である。この場合には、脱ガス処理前
〔N〕30ppmの溶鋼を脱窒処理することにより、12ppmま
で〔N〕を低減することができたが、処理後の真空槽内
に多大な地金付着が認められた。
(発明の効果) 以上述べたように、本発明による溶鋼の真空精錬にお
ける窒素の低減方法を用いることにより、20ppm以下の
低窒素鋼を効率的、かつ経済的に溶製することが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、還流式脱ガス装置における、従来法による脱
ガス処理中の溶鋼中〔N〕の変化を示すグラフである。 第2図は、本法を適用した際の脱ガス装置の一例を示す
図式的断面図である。 1……取鍋、2……溶鋼、3……真空槽、4……Arガ
ス、 5……浸漬管、6……ガス吹き込みノズル、 7……ガス吹き付けノズル 第3図は、真空槽内の溶鋼表面へのガス吹き付け量と、
溶鋼表面における窒素分圧の関係を示すグラフである。 第4図は、本法を適用した場合と適用しなかった場合の
〔N〕の変化を示すグラフである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−110523(JP,A) 特開 昭55−125215(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21C 7/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶鋼内に浸漬管を浸漬して、該溶鋼を循環
    するか、もしくは吸い上げ、吐出する真空脱ガス装置に
    おいて、Al等による最終脱酸の直前から、脱ガス処理終
    了までの間、真空槽内の溶鋼表面に5〜15N/ton・min
    のArガスを吹き付けることを特徴とする、溶鋼の真空精
    錬における窒素の低減方法。
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