JP3070999B2 - プラントの水質診断装置 - Google Patents

プラントの水質診断装置

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JP3070999B2
JP3070999B2 JP3262039A JP26203991A JP3070999B2 JP 3070999 B2 JP3070999 B2 JP 3070999B2 JP 3262039 A JP3262039 A JP 3262039A JP 26203991 A JP26203991 A JP 26203991A JP 3070999 B2 JP3070999 B2 JP 3070999B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプラントの水質診断装置
に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、火力発電プラントにおいては、発電機に結合された
タービンに蒸気を噴出させてタービンを回転させ、ター
ビンの回転という仕事を完了した蒸気を冷却して水に戻
し、戻された水をイオン交換樹脂を通過させてイオン物
質を除去すると共に脱気し、イオン物質や溶存酸素等を
除去した清浄水を再びボイラーで加熱して蒸気にし、こ
の蒸気を再度タービンに噴出させるという、水の循環シ
ステムを有している。ここで、前記蒸気の冷却は通常海
水で行われている。
【0003】このような火力発電プラントにおける水循
環システムにおいて重要なことは、循環する水質の管理
である。つまり、循環する水の質が低劣であるとボイラ
ー、タービン、配管等の腐食等を生じ、水循環系の寿命
が短くなるという不都合を生じるからである。
【0004】そこで、従来の発電プラントにおける水循
環システムにおける水の品質管理として、まず水の導
電率、水のpH、水中の溶存酸素濃度、ヒドラジ
ンの濃度、水中の溶存水素濃度、水中の全鉄濃度、
水の濁度、水中の塩素濃度、および水中のナトリ
ウムイオンの濃度等の管理を挙げることができる。
【0005】このような水の品質管理は、火力発電プラ
ントの運転中は勿論のこと、一旦火力発電プラントを停
止した後にその運転を再開するときに特に必要である。
火力発電プラントの運転中において、循環水の品質の低
下が発見されたときには、配管やボイラーの腐食等を迅
速に防止するために、循環水の品質低下の原因を迅速に
追求する必要があり、また停止していた火力発電プラン
トの運転を再開するときには、水循環系中を正常な循環
水に置き換え、運転の停止中に循環系中に滞留していた
滞留水により生じていたかも知れない循環系中の故障部
分の迅速な発見とその修理とを図らねばならないからで
ある。
【0006】そのような必要を満たすために前記水の
導電率を管理するのは、蒸気を冷却するために使用され
た海水が水循環系に混入する可能性を監視する等のため
である。もし海水が循環水中に混入するとすれば塩素イ
オン等のイオン物質の濃度が上昇するはずであり、イオ
ン物質の濃度が上昇すると循環水の導電率の上昇が起こ
るはずであるからである。また、次に説明する水のpH
の監視と合わせて、アンモニウムイオンの検出を行うこ
とができるからである。
【0007】水のpHを監視するのは、循環水のpH
を弱アルカリ性に維持することにより鉄の腐食を防止す
るためなどであり、水中の溶存酸素濃度を監視するの
は、配管やボイラーあるいはタービン等の腐食を防止す
るためなどであり、ヒドラジンの濃度の監視は、循環
水中から脱酸素のために添加されたヒドラジンの消費の
程度をチェックすることにより、循環水中の溶存酸素の
存在の監視をするためなどである。水中の溶存水素濃
度の監視は、タービンにおける腐食発生などの異常状態
の診断に利用することができる。水中の全鉄濃度およ
び水の濁度の監視はスケール発生の有無を検出するこ
とができる。水中の塩素濃度および水中のナトリウ
ムイオンの濃度の監視は海水の混入のチェックをするこ
とができる。
【0008】このような水質管理項目は、水の循環系の
各所に配置された検出器等により得られるデータを、集
中監視装置等の壁面に設けられた計器に表示し、記録装
置に記録していた。
【0009】監視員は計器に表示された各種の検出デー
タから、異常データを発見し、各種の異常データを総合
的に判断して、異常発生の原因、異常発生箇所等を探知
して対処していた。しかしながら、このような監視員の
経験に頼る監視方式では、異常状態を検出することがで
きたとしても、その異常発生箇所の探知、異常発生の原
因の追及ないし対処の検討に時間がかかり、また、熟練
した監視員に頼らざるを得ないという問題がある。
【0010】本発明は前記事情に基づいて完成されたも
のである。すなわち、本発明の目的は、火力発電プラン
トにおける水循環系の各部で検出されたリアルタイムの
水質データおよび一定期間に蓄積された水質データに基
づき、発電プラント運転におけるその異常状態発生の原
因およびその対策を、自動診断して、火力発電プラント
の運転員に迅速に知らせることのできる、プラントの水
質診断装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決すること
を目的とする本発明は、火力発電プラントにおける給水
系、蒸気系および復水系からなる水循環系の水流量を測
定して水流量データを出力するプロセス信号発生手段
と、 前記水循環系における1以上の部位における水質を
検出する水質検出手段と、 前記プロセス信号発生手段お
よび前記水質検出手段から出力されるリアルタイムおよ
び過去の水流量データおよび水質データを記憶する第1
記憶手段と、 前記第1記憶手段から水流量データおよび
水質データを読み出し、前記水流量データおよび水質デ
ータを、予め設定された閾値と比較し、前記水質データ
が前記閾値を超えた場合には、前記閾値を超えた水質に
関する異常データを出力する異常警報発生手段と、 前記
プロセス信号発生手段からの水流量データおよび水質検
出手段からの水質データに基づき前記水循環系をグラフ
ィック表示し、更に、前記異常警報発生手段からの異常
データに基づき、水質異常が生じた箇所及び前記水質異
常の内容を前記グラフィックス表示中に表示する表示デ
ータを出力するプロセス状態図作製手段と、 前記第1記
憶手段から水質データを読み出し、前記水質データを時
系列に従って表示する水質履歴データを出力するトレン
ド図作製手段と、 前記第1記憶手段からリアルタイムお
よび過去の水流量データおよび水質データを読み出し、
水質の異常を生じた原因を診断し、その内容を表示する
ように、前記水流量データおよび水質データを処理して
運転支援データを出力する診断処理手段と、前記プロセ
ス状態図作製手段からの表示データ、トレンド図作製手
段からの水質履歴データ、および診断処理手段から出力
される運転支援データを記憶する第2記憶手段と、 前記
プロセス表示データ、水質履歴データ、および運転支援
データを前記第2記憶手段から読み出して表示する表示
装置とを有することを特徴とするプラントの水質診断装
置に関する。
【0012】
【作用】本発明の水質診断装置は、前記構成を有するの
で、リアルタイムに循環水中のヒドラジン濃度、鉄含有
量、塩素イオン濃度、導電率、pH、溶存酸素濃度、ナ
トリウム濃度および溶存水素濃度を検出し、これらのリ
アルタイムのデータと一定期間の過去の蓄積データとか
らリアルタイムで水の循環系における各部の水質、水質
の履歴、循環系におけるリアルタイムの発電プラントに
関する運転支援およびその異常状態発生の原因を診断す
ることができる。
【0013】
【実施例】次に本発明の一実施例を図面を参照しながら
説明する。
【0014】本発明の水質診断装置が適用される火力発
電プラントの一例としての概要を図1に示す。
【0015】(A)火力発電プラントにおける水循環系 −水循環系の構成− 図1に示すように、復水系は、仕事を終えた蒸気を、海
水を導通する冷却管STで凝結して液としての水に変換
する蒸気凝結器Cと、凝結した水を貯留する凝結水貯留
槽HWと、凝結水貯留槽HWから排出される水を送水す
る復水ポンプCPと、復水ポンプCPにより送水された
水中のイオン物質をイオン交換樹脂で除去するを復水脱
塩装置DEMIと、イオン物質の除去された水(脱塩
水)を送水する復水ブースターポンプCBPと、送水さ
れた水を加温する低圧加熱器LPHTRと、低圧加熱器
LPHTRで加熱された加温水中から酸素を除去する脱
気装置DEAと、これらを直列に結合する配管とを有す
る。なお、凝結水貯留槽HWには補給水タンクTから蒸
留水が配管を通じて供給されるようになっている。
【0016】また、この復水系においては、復水ポンプ
CPと復水脱塩装置DEMIとを結合する配管から分岐
する分岐管に第1バルブV1 を備え、復水ポンプCPと
復水脱塩装置DEMIとを結合する配管から、復水脱塩
装置DEMIをバイパスする側管に第2バルブV2 が設
けられ、復水ブースターポンプCBPと低圧加熱器LP
HTRとを結合する配管から凝結水貯留槽HWへ戻る側
管に第3バルブV3 が設けられ、脱気装置DEAから分
岐する配管に第4バルブV4 が設けられ、脱気装置DE
Aと高圧加熱器HPHTRとを結合する配管から凝結水
貯留槽HWへ戻る側管に第5バルブV5 が設けられてい
る。
【0017】前記復水脱塩装置DEMIと復水ブースタ
ーポンプCBPとを結合する配管には、アンモニアを水
循環系に注入するアンモニア注入管(図示せず。)およ
びヒドラジンを水循環系に注入するヒドラジン注入管
(図示せず。)が結合されている。給水系は、前記脱気
装置DEAから排出される水を細径に絞り込まれた配管
に送出することにより高圧水を作り出す高圧給水ポンプ
BFPと、高圧給水ポンプBFPから送り出された高圧
水を予備加熱する高圧加熱器HPHTRと、高圧加熱器
HPHTRで予備加熱された高圧水をさらに高温に予備
加熱する節炭器ECOと、節炭器ECOで高温に予備加
熱された高圧高熱水を高圧蒸気に変換するウォターウォ
ールWWと、このウォターウォールWWで蒸気に変換さ
れた高圧蒸気と蒸気に変換されなかった高圧高熱水を分
離するウォターセパレータWSとを有する。
【0018】この給水系には、また、節炭器ECOと高
圧加熱器HPHTRとを結ぶ配管から凝結水貯留槽HW
へ戻る側管に第6バルブV6 が取りつけられ、この第6
バルブV6 と高圧加熱器HPHTRとを結ぶ配管から分
岐した分岐管に第7バルブV7 が取りつけられ、ウォタ
ーセパレータWSから凝結水貯留槽HWへ戻る側管に第
8バルブV8 が取りつけられ、第8バルブV8 とウォタ
ーウォールWWとを結ぶ配管から分岐する分岐管に第9
バルブV9 が設けられている。
【0019】蒸気系は、前記ウォターウォールWWで変
換された高圧蒸気の温度を更に高めるスーパーヒータS
Pと、スーパーヒータSPで高温に高められた高圧蒸気
を噴出して発電機を駆動する高圧タービンHPと、高圧
タービンHPを経由した蒸気を再度加熱する再加熱器R
Hと、再加熱器RHで再加熱された高圧蒸気を噴出して
発電機を駆動する中圧タービンIPと、中圧タービンI
Pを経由した高圧蒸気を噴出して発電機を駆動する低圧
タービンLPとを有する。
【0020】−水循環系におけるプラント運転時の水の
動き− 上記構成の水の循環系では、火力発電プラントの運転時
に、以下のように水が循環する。すなわち、低圧タービ
ンLPでの仕事を終えた蒸気は蒸気凝結器Cに供給さ
れ、蒸気凝結器Cにおいて蒸気は冷却管STで冷却さ
れ、凝結して液体としての水に変換される。蒸気から水
に変換されて得られた凝結水は、凝結水貯留槽HWに一
旦貯留され、復水ポンプCPにより凝結水貯留槽HWか
ら復水脱塩装置DEMIに送水される。復水脱塩装置D
EMIにより凝結水はイオン交換され、イオン物質の除
去された精製水が復水ブースターポンプCBPにより低
圧加熱器LPHTRに送水される。低圧加熱器LPHT
Rで精製水は予備加熱され、脱気装置DEAに送水され
る。脱気装置DEAでは精製水が脱気され、主として酸
素ガスが除去される。
【0021】主として酸素ガスの除去された脱気精製水
は高圧給水ポンプBFPにより高圧水として高圧加熱器
HPHTRに送出される。高圧加熱器HPHTRではこ
の脱気精製水は予備加熱される。予備加熱された脱気精
製水は節炭器ECOにて更に高温度に予備加熱される。
予備加熱された高圧の脱気精製水は、ウォターウォール
WWにて高温高圧の蒸気に変換される。
【0022】ウォターウォールWWで変換された高温高
圧の蒸気は、スーパーヒータSPでさらに高温度に加熱
され、得られる高温高圧の蒸気が高圧タービンHPに噴
出され、高圧タービンHPを経由し、温度の低下した高
圧蒸気は再加熱器RHにて再度高温度に加熱され、その
後に中圧タービンIPに供給され、中圧タービンIPを
駆動する。中圧タービンIPを経由した蒸気は低圧ター
ビンLPに供給される。これらの高圧タービンHP、中
圧タービンIPおよび低圧タービンLPにより発電機が
駆動され、電力が出力する。低圧タービンLPを経由し
た蒸気は、蒸気凝結器Cに戻され、前述したのと同じサ
イクルを繰り返す。
【0023】−火力発電プラントの起動時における水の
動き− 火力発電プラントは、定期点検時、電力需要の減少時、
異常状態の発生時等にはその運転が停止される。運転が
停止されている間、この水循環系の主要な配管中にはな
お多くの循環水が残留している。この残留水は、火力発
電プラントの停止期間の長さに応じてその水質が劣化す
る。あるいは、配管中に汚れが発生する。そこで、この
火力発電プラントの運転を再開するときには、この水循
環系を洗浄する必要がある。
【0024】その洗浄操作は以下のようにして行われ
る。すなわち、第1バルブV1 を解放するとともに第2
バルブV2 および復水脱塩装置DEMIの入口を閉鎖
し、補給水タンクTから蒸気凝結器C中に補給水を補給
する。補給水は蒸気凝結器Cから凝結水貯留槽HWに貯
留される。その後、復水ポンプCPを駆動することによ
り、補給水を第1バルブV1 から外部に排出する。補給
水タンクTから供給される補給水を、蒸気凝結器C、凝
結水貯留槽HWおよび復水ポンプCPを経由して、第1
バルブV1 から系外に排出することによって、蒸気凝結
器C、凝結水貯留槽HW、復水ポンプCPおよびこれら
を連結する配管内が補給水で洗浄されることになる。
【0025】上記洗浄操作を一定時間行った後に、第2
バルブV2 および第3バルブV3 を解放すると共に第1
バルブV1 および低圧加熱器LPHTRの入口を閉鎖
し、凝結水貯留槽HW、復水ポンプCP、第2バルブV
2 を有する側管、復水ブースターポンプCBPおよび第
3バルブV3 を有する側管で形成される循環系で、水を
循環させる。循環を一定時間かけて行った後、復水脱塩
装置DEMIの入口を開放すると共に第2バルブV2
閉鎖し、凝結水貯留槽HW、復水ポンプCP、復水脱塩
装置DEMI、復水ブースターポンプCBPおよび第3
バルブV3 を有する側管で形成された循環系を循環させ
る。このとき、復水脱塩装置DEMIにより循環する水
は脱塩水となり、洗浄されることになる。
【0026】以後、同様の操作を繰り返すことにより、
低圧加熱器LPHTR、脱気装置DEA、高圧加熱器H
PHTR、節炭器ECO、ウォターウォールWW、ウォ
ターセパレータWSおよびこれらを結合する配管中の洗
浄が行われる。
【0027】(B)水質診断装置 以上に説明した水循環系における水質は、水質診断装置
により診断される。そして、リアルタイムに診断結果
が、表示手段に表示される。 −水質診断装置の構成− 図2は、水質診断装置の一例を示す説明図である。図2
に示すように、この水質診断装置は、前記水循環系にお
けるプロセス信号発生手段1と、このプロセス信号発生
手段1から出力される電圧値信号をデジタル信号に変換
するAD変換器2と、水循環系に設置されると共に水の
品質を検出してこれを電圧値データとして出力する水質
検出手段3と、水質検出手段3から出力される電圧値デ
ータをデジタル値に変換するAD変換器2と、AD変換
器2を介して水質検出手段3およびプロセス信号発生手
段1からのデータを工学値データに変換するデータ収録
部4と、プロセス信号発生手段1、水質検出手段3およ
び後述する異常警報発生手段7から出力されるデータを
基にして水循環系をグラフィック表示すると共に、各水
質検出部位における水質データおよびプロセスデータを
一括表示し、水循環系における水循環部位を例えば水色
で表示するように、データを処理するプロセス状態図作
成手段5と、プロセス信号発生手段1、および水質検出
手段3から出力されるデータを入力し、指定された水質
項目に関しその変化を時経列にグラフ表示するように、
データを処理するトレンド図作成手段6と、プロセス信
号発生手段1、および水質検出手段3から出力されるデ
ータを入力し、異常な水質に関し、その異常な水質の項
目およびその発生箇所、発生日時、異常の内容等を表示
するように、データを処理する異常警報発生手段7と、
プロセス信号発生手段1、および水質検出手段3から出
力されるデータを入力し、かつ、過去の水質データを後
述する第1記憶手段9から入力し、火力発電プラントの
運転を支援する診断情報や異常な水質を生じた原因を診
断し、その内容を表示するように、データを処理する診
断処理手段8と、プロセス信号発生手段1、および水質
検出手段3から出力されるリアルタイムのデータおよび
過去のデータ等を格納する第1記憶手段9と、プロセス
状態図作成手段5、トレンド図作成手段6、異常警報発
生手段7および診断処理手段8から出力される各データ
を、4分割された表示画面の各画素に対応する番地に格
納する第2記憶手段10と、第2記憶手段から画像デー
タを読み出して表示手段12に出力する表示駆動手段1
1と、表示駆動手段11から出力される画像データを入
力し、プロセス状態図作成手段5から出力されるデータ
を基にし、火力発電プラントにおける給水系、蒸気系お
よび復水系を循環する水の循環系における各部での現在
の水質に関する水質情報を表示するプロセス状態図、ト
レンド図作成手段6から出力されるデータを基にし、前
記循環系の各部における水質の履歴に関する水質履歴情
報を表示するトレンド図、異常警報発生手段7から出力
されるデータを基にし、水質に関する運転支援情報、お
よび診断処理手段8から出力されるデータを基にした異
常状態の発生原因を診断し、水質管理に関する水質情報
を、画面上の4領域に独立に表示する表示手段12と、
前記各手段を制御し、演算する制御演算手段13と、制
御演算手段13に動作を指令し、あるいは所定のデータ
を入力するための入力手段14とを備える。
【0028】なお、この実施例においては、図3に示す
ように、表示手段12としてCRT画面が採用され、C
RT画面の左側のほぼ上半分の領域にプロセス状態が表
示され、CRT画面の右側のほぼ上半分に水質履歴情報
であるトレンド図が表示され、CRT画面の左側のほぼ
下半分の領域に運転支援情報である診断内容が表示さ
れ、CRT画面の右側のほぼ下半分の領域に水質情報で
ある診断内容が表示される。
【0029】−水質監視装置における各手段− 上記各手段を更に詳述する。 (A) プロセス信号発生手段1 プロセス信号発生手段1としては、水循環系における復
水ブースターポンプCBPの入口における水流量を測定
する復水系流量測定装置、および節炭器ECO入口にお
ける水流量を測定する給水系流量測定装置を挙げること
ができる。この復水系流量測定装置および給水系流量測
定装置により測定された水流量は、電圧値データとして
AD変換器に出力される。
【0030】(B) 水質検出手段3 水質検出手段3による検出項目は、 水の導電率、 水のpH、 水中の溶存酸素濃度、 ヒドラジンの濃度、 水中の溶存水素濃度、 水中の全鉄濃度 水の濁度、 水中の塩素濃度、および 水中のナトリウムイオンの濃度である。
【0031】水の導電率を測定する水質検出手段3は、
導電率計である。この導電率を監視することにより、冷
却水である海水の循環系への混入のチェックを行うこと
ができると共に、循環系における水中のアンモニア濃度
を監視することができる。この導電率は、図1に示す水
循環系において、凝結水貯留槽HW内、復水ポンプCP
の出口、復水脱塩装置DEMIの出口、低圧加熱器LP
HTR内、脱気装置DEA入口および脱気装置DEA
内、高圧加熱器HPHTR内、節炭器ECO内、ウォタ
ーセパレータWSの出口等から分岐管を介して設けられ
た水質検出手段3のひとつである導電率計により測定さ
れる。導電率計により計測された水の導電率についての
電圧値データはAD変換器2に出力されるようになって
いる。尚、前記表示手段12におけるCRT画面ではM
SまたはKMSで表示される。
【0032】水のpHを測定する水質検出手段3は、p
H計である。このpHを監視することにより鉄の腐食を
監視することができる。このpHは、復水ポンプCPの
出口、復水ブースターポンプCBPの出口、節炭器EC
Oの入口等から分岐管を介して設けられたpH計により
測定される。pH計で測定された水のpHの値は、電圧
値データとしてAD変換器2に出力されるようになって
いる。なお、前記表示手段12におけるCRT画面で
は、pHの値はPHで示される。
【0033】水中の溶存酸素量を測定する水質検出手段
3は、溶存酸素計である。溶存酸素濃度を監視すると、
循環系における腐食を防止することができる。溶存酸素
濃度が増加すると鉄の腐食が進行する傾向が認められて
いるからである。この溶存酸素濃度は、復水ポンプCP
出口、低圧加熱器LPHTR内、脱気装置DEA内およ
び脱気装置DEA出口、高圧給水ポンプBFP出口、高
圧加熱器HPHTR内、節炭器ECO入口等から分岐管
を介して設けられた溶存酸素計で測定される。溶存酸素
計で測定された水中の溶存酸素濃度は、電圧値データと
してAD変換器2に出力されるようになっている。尚、
前記表示手段12におけるCRT画面では、溶存酸素濃
度は、DOで示される。
【0034】水中のヒドラジン濃度を測定する水質検出
手段3は、ヒドラジン濃度計である。ヒドラジンの濃度
を監視することにより、溶存酸素濃度の監視の助けにな
る。ヒドラジンは、溶存酸素を消費するために循環系中
に注入される。この注入量は、節炭器ECOにおいてわ
ずかにヒドラジンが残存するように決定される。もし、
ヒドラジンの注入量に不足を生じると、水中の溶存酸素
を完全に除去することができなくなり、溶存酸素が存在
するままの水を例えば蒸気にし、タービンに噴射する
と、タービンの酸化ないし腐食が促進されて、発電プラ
ントの運転可能な寿命が短縮されるという不都合が生じ
るからである。そこで、火力発電プラントにおいては、
節炭器ECOに至るまでにヒドラジンの全てが溶存酸素
に消費されて、節炭器ECOではわずかにヒドラジンが
残存するように、所定量のヒドラジンを配管中に注入す
るのが望ましい。そこで、ヒドラジン濃度計は、脱気装
置DEAの入口、および節炭器ECO入口等から分岐す
る分岐管を介して設けられる。ヒドラジン濃度計で測定
されたヒドラジン濃度は、電圧値データとしてAD変換
器2に出力されるようになっている。なお、前記表示手
段12におけるCRT画面では、ヒドラジン濃度はN2
H4にて表示される。
【0035】溶存水素の濃度を測定する水質検出手段3
は、溶存水素濃度計である。水素濃度を監視することに
より、タービンにおける異常状態発生を検知することが
できる。水中の溶存水素の濃度を測定するための溶存水
素濃度計は、再加熱器RH内、中圧タービンIPの出
口、節炭器ECO、スーパーヒータSP内に設けられ
る。溶存水素濃度計で測定された水中の溶存水素の濃度
は、電圧値データとしてAD変換器2に出力されるよう
になっている。なお、前記表示手段12におけるCRT
画面では、溶存水素の濃度はDHにて表示される。
【0036】全鉄濃度を測定する水質検出手段3は、全
鉄分析計である。この全鉄濃度の測定は、次に説明する
水の濁度と合わせて配管中におけるスケールの発生を監
視することができる。全鉄分析計は、復水ポンプCP出
口、低圧加熱器LPHTR内、節炭器ECO等からサン
プリングされた水中の鉄イオンを、バッチ処理にて分析
する。全鉄分析計は、例えば、サンプリングした試料水
を試料計量槽で計量し、この一定量の試料水を加熱槽に
導きチオグリコール酸溶液を加えて加熱して懸濁鉄を溶
解すると共に第2鉄イオンを第1鉄イオンに還元した後
に冷却器を介して反応槽に導き、酢酸アンモニウム緩衝
液を加えてpHの調製後、TPTZ試薬を加えて発色さ
せた試料水を測定槽に導き吸光度を測定し、得られた測
定データを電圧値データとしてAD変換器2に出力する
ようになっている。全鉄分析計で分析された全鉄濃度
は、前記表示手段12におけるCRT画面ではTFEに
て表示される。
【0037】ところで、前記全鉄分析計による全鉄濃度
はバッチ処理であるから、得られるデータは時間的に不
連続であり、また、前記濁度計によるデータは直接に鉄
分濃度を測定する原理によるものではないから、水中に
存在するイオン状の鉄や粒子径のバラツキにより誤差を
生じるから精度の高い分析をすることができない。
【0038】全鉄分析計および濁度計のこのような不都
合を解消するために後述する演算システムのデータも採
用する。すなわち、濁度計からのデータXは経時的に連
続して第1記憶手段9に格納される。この濁度計から出
力されるデータは、水循環系中の水の濁度(透明度)を
示すものであって、直接には鉄分濃度を示すものではな
い。もっとも、濁度とマニュアル分析(手分析)により
得られる鉄分濃度とは相関関係にある。
【0039】第1記憶手段9には、濁度計のデータと水
中の鉄分濃度についてのマニュアル分析によるデータと
の相関関数が予め格納されている。この相関関数は、例
えば、次の一次回帰線式 Y=a+bX (ただし、Yはマニュアル分析によるデータ[全鉄濃度
換算値]、Xは濁度計によるデータ、aおよびbは発電
プラントなどにおける水により相違する係数である。) この相関関数に従うと、濁度計からの出力データと水中
の鉄分濃度についてのマニュアル分析によるデータとの
相関性は少なくとも相関係数γ=0.7程度である。第
1記憶手段9内に格納されている濁度計からのデータと
前記相関関数とを読み出して制御演算手段13により、
このデータを相関関数に代入して、鉄分濃度換算値Lを
算出する。算出された鉄分濃度換算値Lは第1記憶手段
9に格納される。全鉄分析計から出力されるデータYも
この第1記憶手段9に格納される。このデータYは、鉄
分濃度を示す。
【0040】制御演算手段13は、図5に示すように、
経時的に連続して出力される濁度計の出力Xと全鉄分析
計の出力Yとの同期を取る。両出力が同期したときに
は、第1記憶手段9から同期したときの鉄濃度換算値L
を読み出し、この鉄濃度換算値Lで全鉄分析計から得ら
れた鉄分濃度値Yを除算することによって補正ファクタ
Zを算出する。この補正ファクタZは、第1記憶手段9
に格納される。この補正ファクタZは、次に両出力が同
期するまで更新されずに第1記憶手段9内に保管され
る。又、補正鉄分濃度の精度の向上を図るのであれば、
前記両出力が同期する毎に算出される補正ファクタZを
例えば3同期分第1記憶手段9に格納しておき、3同期
分の補正ファクタZの重み平均あるいは加重平均を制御
演算手段13で演算し、得られる平均補正ファクタZを
第1記憶手段9に格納するようにしても良い。制御演算
手段13は、補正ファクタZを読み出してこの補正ファ
クタZ’と鉄分濃度換算値Lとを乗算して鉄分濃度を第
1記憶手段9に格納する。
【0041】制御演算手段13は、濁度計からの出力デ
ータXと全鉄分析計からの出力データYとが同期してい
ないときには、第1記憶手段9に格納してあるところ
の、直前に同期したときのデータから得られた補正ファ
クタZ’あるいは平均補正ファクタZ’を読み出し、制
御演算手段13で、この補正ファクタZ’と鉄分濃度換
算値Lとを乗算し、得られる鉄分濃度を第1記憶手段9
に格納する。
【0042】濁度を測定する水質検出手段3は、濁度計
である。この濁度の測定により、循環水中の固形分とし
ての鉄の濃度を測定することができ、前記全鉄濃度と合
わせて、配管中におけるスケールの発生を監視すること
ができる。濁度計は、復水ポンプCP出口、低圧加熱器
LPHTR内、節炭器ECO等から引き出された分岐管
に設けられる。濁度計としては、吸光光度式あるいは散
乱光式のいずれの方式によっても良い。この濁度計から
は、測定データが電圧値データとしてAD変換器2に出
力される。濁度計で分析された濁度は、前記表示手段1
2におけるCRT画面ではTVにて表示される。
【0043】水中の塩素濃度を測定する水質検出手段3
は、塩素濃度計である。塩素濃度の測定により、次に述
べるナトリウムイオンの検出と合わせて、循環水中への
海水の混入を検出することができる。塩素濃度計は、復
水ポンプCP出口から引き出された分岐管の端部に設け
られる。塩素濃度計により測定された水中の塩素濃度
は、電圧値データとしてAD変換器2に出力される。
【0044】水中のナトリウム濃度を測定する水質検出
手段3は、ナトリウムイオン濃度計である。ナトリウム
イオン濃度の測定により前記塩素濃度の測定と合わせ
て、循環水中への海水の混入を検出することができる。
ナトリウムイオン濃度計は、復水脱塩装置DEMI出口
から引き出された分岐管の端部に設けられる。ナトリウ
ムイオン濃度計により測定された水中のナトリウムイオ
ン濃度は、電圧値データとしてAD変換器2に出力され
る。
【0045】(C) AD変換器2 AD変換器2は、前記プロセス信号発生手段1から出力
されるプロセス信号である電圧値データをデジタルデー
タに変換し、また水質検出手段3から出力される電圧値
データとしての各種水質に関するアナログデータをデジ
タルデータに変換する。このAD変換器2は、変換した
デジタルデータをデータ収録部に出力する。
【0046】(D) データ収録部4 データ収録部4は、AD変換器2から出力されたデジタ
ルデータを工学値データに変換し、第1記憶手段9に転
送してこれを記憶する。
【0047】(E) プロセス状態図作成手段5 プロセス状態図作成手段5は、表示手段12におけるC
RT画面の所定領域例えばCRT画面の左上半分の領域
に、水循環系をグラフィック表示すると共に、水質検出
手段3で検出された前記各種の水質データおよびプロセ
ス信号発生手段1で検出された水循環系における水の流
量を一定時間毎に表示することができるように、第1記
憶手段9から必要なデータを読み出し、水循環系を簡略
な図形として表示するグラフィックデータ、水循環系に
おける水循環部位をカラー表示するためのカラー表示信
号、水循環系における水流量を示すプロセスデータ、水
循環系における各部での水質を表示する水質データを第
2記憶手段10に出力する。さらに、このプロセス状態
図作成手段5は、異常警報発生手段7から出力される異
常状態にある水質に関するデータを入力し、異常状態に
ある水質をCRT画面上で赤色反転表示する表示データ
を第2記憶手段10に出力する。
【0048】(F) トレンド図作成手段6 トレンド図作成手段6は、表示手段12におけるCRT
画面の所定領域例えば右上半分の領域に、指定された水
質についての一定期間の変化を縦軸横軸のグラフに表示
することができるように、第1記憶手段9に格納されて
いる指定された水質に関する一定期間に渡るデータを読
み出し、その水質をグラフ図形に表示するグラフィック
表示データに変換してこれを第2記憶手段10に出力す
る。
【0049】(G) 異常警報発生手段7 この異常警報発生手段7は、前記水質検出手段3および
プロセス信号発生手段1から出力され、第1記憶手段9
に格納されているデータをリアルタイムに読み出し、予
め設定されている各データについての閾値と比較し、第
1記憶手段9から読み出したデータが閾値を越えるとき
には、その閾値を越えるデータ(異常データ)が発生し
た日時、その異常データが示す水質項目、その異常デー
タの発生した部署の名称、および異常内容を表示するア
ラーム情報表示データを水質情報として格納する。ま
た、異常データをプロセス状態図作成手段5に出力し、
前述したように、CRT画面において、プロセス状態図
において異常状態の水質を赤色反転表示するようにす
る。
【0050】(H) 診断処理手段8 この診断処理手段8は、(1) 起動工程水質診断システ
ム、(2) 海水漏洩診断システム、(3) 薬注関係診断シス
テム、および(4) エアリーク判定補助診断システムから
なり、診断結果は運転支援情報あるいは水質情報のいず
れかのメッセージとして表示手段12に表示するように
指令する。
【0051】以下において、前記(1) 〜(4) の各診断シ
ステムについて説明する。 (1) 起動工程水質診断システム 起動工程水質診断システムは、頻繁に起動および停止の
行われる発電プラントでの起動工程における水質の監視
および判定を行う機能を有する。発電プラントを停止し
た後に再びこれを起動するとき、水循環系の各所各部署
には溜り水が残留しているので、これらを除去すると共
に水循環系内を十分に洗浄する必要がある。このように
水循環系が十分に洗浄されたか否かをこの起動工程水質
診断システムによりチェックされるのである。
【0052】水質判定に用いられる計測データは、水の
導電率、水の鉄含有量、水の濁度、およびヒドラジン濃
度である。この起動工程水質診断システムにおいては、
以下の処理手順により、起動工程における水質を判定す
る。
【0053】<導電率による水質チェック>図4の処理
手順により示されるように、水質検出手段3である導電
率計から出力され、検出された導電率が設定値と比較さ
れた結果、導電率が設定値を越えるときには、設定値を
超える導電率を計測した導電率計を指摘するメッセージ
を表示手段12にて表示する指令を出力すると共に、更
に一定時間後に、その導電率計測部署における水の導電
率を測定する。
【0054】導電率を設定値と比較した結果、導電率が
設定値以下であるときには、次に、第1記憶手段9か
ら、測定された現在から過去に向けての一定期間におけ
る導電率が読み出される。そして、読み出された導電率
の中で設定値を越えるものがあるかを判断する。この処
理は、現在から過去に向けての一定期間内に測定された
導電率が安定して設定値内にあるか否かをチェックし
て、起動工程時に洗浄ラインが十分に洗浄されたかを確
かめる。
【0055】過去一定期間内に測定された導電率のいず
れかひとつが設定値を越えるときには、図4にも示すよ
うに、一定時間後の導電率の測定開始に戻る。過去一定
期間内に測定された導電率のいずれも設定値を越えない
ときには、導電率水質OKの判断を出力する。この出力
は第1記憶手段9に格納される。
【0056】<鉄含有量による水質チェック>前記導電
率により水質をチェックする処理手順を実行するのと平
行に、洗浄ライン中における水中の鉄含有量がチェック
される。発電プラント停止中に水循環系内の溜り水によ
り発生した錆び等の存在をこの鉄含有量による水質チェ
ックで判断する。
【0057】水循環系における水中の鉄含有量は、全鉄
濃度計、濁度計および演算鉄システムにより算出され
る。測定された鉄分濃度は、第1記憶手段9に予め格納
されている設定値と比較される。読み出された鉄分濃度
が設定値よりも大きいときには、鉄分濃度が設定値より
も大きい旨を第2記憶手段10を介して表示手段12に
表示すると共に、次の鉄分濃度を読み出す。
【0058】読み出された鉄分濃度が設定値よりも小さ
いときには、次に、第1記憶手段9から、測定された現
在から過去に向けての一定期間における鉄分濃度が読み
出される。そして、読み出された鉄分濃度の中で設定値
を越えるものがあるかを判断する。この処理は、現在か
ら過去に向けての一定期間内に測定された鉄分濃度が安
定して設定値内にあるか否かをチェックして、その洗浄
ライン内の鉄分濃度に関する水質が安定していることを
確かめる。
【0059】過去一定期間内に測定された鉄分濃度のい
ずれかひとつが設定値を越えるときには、図6に示すよ
うに、次の導電率の読み出しに戻る。過去一定期間内に
測定された鉄分濃度のいずれも設定値を越えないときに
は、鉄分濃度水質OKの判断を出力し、これを第1記憶
手段9に出力する。
【0060】<ヒドラジン量による水質のチェック>前
記導電率により水質をチェックする処理手順を実行する
のと平行に、洗浄ライン中における水中のヒドラジン量
がチェックされる。洗浄ラインにおける各所に配置され
たヒドラジン計から出力されたヒドラジン濃度は第1記
憶手段9に一旦格納される。図7に示すように、格納さ
れたヒドラジン濃度と第1記憶手段9に予め記憶されて
いた設定値とが読み出され、設定値と測定されたヒドラ
ジン濃度とが比較される。
【0061】ヒドラジン濃度が設定値よりも大きいとき
には、設定値よりも大きなヒドラジン濃度を計測したヒ
ドラジン計を指摘するメッセージを表示手段12にて表
示する指令を出力すると共に、次のヒドラジン濃度を第
1記憶手段9から読み出して同じ比較操作を繰り返す。
【0062】読み出されたヒドラジン濃度が設定値より
も小さいときには、次に、第1記憶手段9から、測定さ
れた現在から過去に向けての一定期間におけるヒドラジ
ン濃度が読み出される。そして、読み出されたヒドラジ
ン濃度の中で設定値を越えるものがあるかを判断する。
この処理は、現在から過去に向けての一定期間内に測定
されたヒドラジン濃度が安定して設定値内にあるか否か
をチェックして、その洗浄ライン内のヒドラジン濃度に
関する水質が安定していることを確かめる。
【0063】過去一定期間内に測定されたヒドラジン濃
度のいずれかひとつが設定値を越えるときには、図7に
示すように、次の導電率の読み出しに戻る。過去一定期
間内に測定されたヒドラジン濃度のいずれも設定値を越
えないときには、ヒドラジン濃度水質OKの判断を出力
し、これを第1記憶手段9に出力する。
【0064】<総合判定>導電率による水質、鉄分濃度
による水質およびヒドラジン濃度による水質のいずれも
がOKであり、後述する海水漏洩診断システムによりチ
ェックされた内容が「海水漏洩なし」の結果で有り、後
述する薬注関係診断システムによる薬品注入関係のデー
タに異常のないときには、その洗浄ラインにおける水質
は通常運転可能な水質であると判定し、その旨を表示手
段12に表示する指令を第2記憶手段10を介して出力
する。
【0065】(2) 海水漏洩診断システム この海水漏洩診断システムは、水循環系への海水の漏洩
の有無の診断を行い、海水の漏洩量、漏洩箇所、復水脱
塩装置DEMIの運用についてのアドバイス等を出力す
る機能を有する。海水漏洩診断システムにおける水質デ
ータは、凝結水貯留槽HWに設置された導電率計から出
力される導電率、復水ポンプCPの出口における、後述
する減算結果としての導電率、復水ポンプCPの出口に
おける塩素濃度、および復水脱塩装置DEMI入口にお
けるナトリウムイオン濃度である。
【0066】導電率の減算は水質検出手段3である導電
率計から出力され、検出された導電率と、プロセス信号
発生手段1における補給水流量測定装置によって測定さ
れた補給水の供給量とを入力し、補給された補給水に基
づく導電率の上昇分を導電率計で計測された導電率から
減算してその減算値を第1記憶手段9に格納する。減算
処理は、制御演算手段13で実行される。
【0067】ここで、補給された補給水に基づく導電率
を減算するのは次の理由による。すなわち、補給水タン
クTは、蓋によって閉鎖されてはいるけれども厳密な意
味では気密状態になっていず、外気に対して解放状態で
補給水を貯蔵している。したがって、補給水を補給水タ
ンクT中に長時間貯留していると、外気中の炭酸ガスが
補給水中に溶解する。この炭酸ガスの溶解によって、補
給水中には炭酸イオンが増加する。この炭酸イオンは、
補給水が復水系に補給されると、復水系中の水の導電率
を増加させる。水の導電率の測定データは海水漏洩を判
断する基礎データとして活用される。そこで、復水系中
の導電率の上昇が、補給水の流入によるものでなく海水
漏洩にのみに依存するように、補給水の供給量による導
電率の上昇分を減算するのである。
【0068】したがって、補給水の流入量とその流入量
による復水系中の水の導電率の上昇値とが、予め実験的
に決定されたデータとして第1記憶手段に格納されてい
る。更にまた、補給水の送水を補給水タンクTから導電
率計の設置されている部署までに水が流れていくまでに
所定の時間が経過するので、補給水の流入開始後その所
定時間の経過時に測定された導電率から、補給水に基づ
く導電率を減算する。このような所定の遅延時間は、導
電率計を設置した部署について固有の時間であるから、
この固有の遅延時間は第1記憶手段9に格納され、随時
に読み出されてて診断処理手段8に入力される。
【0069】海水漏洩診断においては、凝結水貯留槽H
Wに設置された導電率計から出力される導電率につき上
限および下限の二種の設定値を設け、復水ポンプCPの
出口における減算結果としての導電率につき上限および
下限の二種の設定値を設け、復水ポンプCPの出口にお
ける塩素濃度につき上限および下限の二種の設定値を設
け、および復水脱塩装置DEMI入口におけるナトリウ
ムイオン濃度につき上限および下限の二種の設定値を設
ける。そして、その上限を超えるデータについては、海
水漏洩ありと判定し、検出データが上限値と下限値との
間にあるときには海水漏洩の恐れありと判定し、検出デ
ータが下限値よりも小さいときには海水漏洩なしと判定
する。このような上限値および下限値は予め第1記憶手
段9に格納される。また、海水漏洩となる条件及び海水
漏洩とならない条件を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】この海水診断漏洩システムでは、復水ポン
プCPについての導電率計から出力される導電率を減算
処理した導電率と、凝結水貯留槽HWについての導電率
計から出力される導電率につき、予め設定されている上
限値および下限値と比較し、三種のランク付け[(1) 漏
洩有り、(2) 漏洩の恐れ有り、(3) 漏洩なし]をし、復
水ポンプCPの出口における塩素濃度についても予め設
定されている上限値および下限値と比較し、前記三種の
ランク付けを行い、復水脱塩装置DEMIにおけるナト
リウムイオン濃度についても予め設定されている三種の
ランク付けを行う。次いで、得られた4種のランクを表
1に示す判定基準に従って、海水漏洩の有無を判定し、
海水漏洩と判定するときには、海水が漏洩している旨の
表示を表示手段12に第2記憶手段10を介して出力す
ると共に、復水脱塩装置DEMIの運転指針たとえば、
連続運転可能時間等をも表示手段12に第2記憶手段1
0を介して出力する。
【0072】(3) 薬注関係診断システム この薬注関係診断システムは、水循環系に添加されるア
ンモニアおよびヒドラジンの、水循環系内への注入にお
ける異常の検出、薬品注入についてのアドバイス、およ
び計器異常についてのメッセージ等を表示装置に表示さ
せる機能を有する。
【0073】診断内容は、アンモニア注入量から導電率
を算出し、その導電率と復水ブースターポンプCBPの
出口における導電率とを比較してアンモニア注入状態を
診断するアンモニア注入診断、通常のヒドラジン濃度と
ヒドラジン注入量とからヒドラジンの注入状態を診断す
るヒドラジン注入診断、水循環系における各所で測定さ
れる導電率をクロスチェックすることにより導電率計の
正常および異常を診断する導電率のクロスチェック診
断、導電率をpH換算し、同一計測点のpH指示値と比
較することによりpH計を診断するpH計診断、および
補給水によるPHの補正、である。
【0074】アンモニア注入診断 このアンモニア注入診断は、発電プラントにおける水循
環系の水の導電率に影響を与えるのはアンモニア濃度で
あることに基づく。アンモニアは、アンモニア注入ポン
プにより注入され、アンモニア注入ポンプは2基備わ
り、通常はその1基が稼働する。
【0075】このアンモニア注入診断においては、水循
環系における水のアンモニア濃度[NH3 ]および導電
率[μs]を次の換算式にしたがって換算する。
【0076】 [NH3 ]=[ ({μS/1.36 ×105 }+1.8 ×10-52 −3.24×10-10 ]÷( 4.24×10-9) ・・・・・・・・・・(1) [μs]=1.36×10-5×{−1.8 ×10-5×(3.24×10-10 +4.0 ×1.8 ×4.24× 10-9×[NH3 ]}1/2 ・・・・・(2) そこで、図8に示すように、予め、水循環系の各所にお
ける導電率計で測定される各導電率を相互に比較して、
復水ブースターポンプ8CBPの出口における導電率が
許容範囲内で一致していることを確かめる。次いで、復
水脱塩装置DEMIの出口における導電率を前記換算式
(1) に従ってアンモニア濃度に換算する。これにアンモ
ニア注入ポンプにより注入されるアンモニアの量と復水
系流量測定装置により出力された流量より、アンモニア
濃度を算出し、加算することにより、アンモニア注入後
のアンモニア濃度を算出する。この算出されたアンモニ
ア濃度を、前記換算式(2) に従って導電率に換算する。
換算された導電率と復水ブースターポンプCBPの出口
における導電率計で測定された導電率とを比較する。そ
の比較の結果、両導電率が許容範囲内で一致するときに
は、アンモニア濃度異常なしの判定をし、その旨のメッ
セージを第2記憶手段10を介して表示手段12に表示
する指令を出力する。
【0077】一方、比較の結果、両導電率が許容範囲を
超えて不一致であるときには、アンモニア注入ポンプを
他のアンモニア注入ポンプに切り替える。そして前回と
同様に、再度水循環系中の水のアンモニア濃度を算出
し、得られるアンモニア濃度を導電率に換算し、換算し
て得られた導電率と別に導電率計で測定された水の導電
率とを比較する。その結果、換算して得られた導電率と
測定値である導電率とが許容範囲内で一致しているとき
には、アンモニア注入ポンプが異常であると判定し、ア
ンモニア注入ポンプのチェックをするべき旨のメッセー
ジを第2記憶手段10を介して表示手段12に表示する
指令を出力する。換算して得られた導電率と測定された
導電率とが許容範囲内で不一致であるときには、水循環
系に注入されるアンモニア水の濃度が異常であると判定
し、アンモニア水の濃度のチェックをするべき旨のメッ
セージを第2記憶手段10を介して表示手段12に表示
する指令を出力する。
【0078】ヒドラジン注入診断 このヒドラジン注入診断は、ヒドラジン注入ポンプによ
るヒドラジンの注入が適正か否かを診断する。このヒド
ラジン注入ポンプは第1ヒドラジン注入ポンプと第2ヒ
ドラジン注入ポンプとの2基が有り、通常はその内の1
基が稼働している。
【0079】水循環系における所定位置での水中のヒド
ラジン濃度がヒドラジン計で測定され、A/D変換器2
を介して第1記憶手段9に測定ヒドラジン濃度が格納さ
れる。なお、この第1記憶手段9には、通常運転時にお
ける最大の水中のヒドラジン濃度(最大ヒドラジン濃
度)と通常運転時における最小の水中のヒドラジン濃度
(最小ヒドラジン濃度)とが記憶されている。図9に示
すように、第1記憶手段9から読み出された測定ヒドラ
ジン濃度が、第1記憶手段9から読み出された最大ヒド
ラジン濃度および最小ヒドラジン濃度と比較される。
【0080】比較の結果、測定ヒドラジン濃度が最大ヒ
ドラジン濃度と最小ヒドラジン濃度との範囲内にある
と、ヒドラジンの注入が適正に実行されているものと判
断し、その旨のメッセージを第2記憶手段10を介して
表示手段12に表示する指令を出力する。
【0081】比較の結果、測定ヒドラジン濃度が最大ヒ
ドラジン濃度を超えると判定されるときには、第1ヒド
ラジン注入ポンプの動作を停止する一方、第2ヒドラジ
ン注入ポンプの動作を開始するべき旨のメッセージを第
2記憶手段10を介して表示手段12に表示する指令を
出力する。次いで、第2ヒドラジン注入ポンプにより水
循環系にヒドラジンを注入した後の水中のヒドラジン濃
度をヒドラジン計で測定し、第1記憶手段9に出力し、
記憶する。そして、第1記憶手段9から読み出した測定
ヒドラジ濃度が、第1記憶手段9から読み出された最大
ヒドラジン濃度および最小ヒドラジン濃度と比較され
る。
【0082】比較の結果、測定ヒドラジン濃度が最大ヒ
ドラジン濃度と最小ヒドラジン濃度との範囲内にある
と、ポンプに異常があると判定してポンプをチェックす
るべき旨のメッセージを第2記憶手段10を介して表示
手段12に表示する指令を出力する。比較の結果、測定
ヒドラジン濃度が最大ヒドラジン濃度よりも大きいとき
には、ポンプに異常はなく、ヒドラジンタンク内に貯留
するヒドラジン溶液の濃度に異常を有するものと判定
し、ヒドラジン溶液の濃度をチェックするべき旨のメッ
セージを第2記憶手段10を介して表示手段12に表示
する指令を出力する。
【0083】クロスチェック診断 このクロスチェック診断は、水循環系の各所の導電率を
測定する導電率計が正常に動作しているかを判定し、異
常な導電率計を表示する機能を有する。
【0084】このクロスチェック診断においては、水循
環系の各所の導電率を測定する導電率計から出力される
各導電率を相互に比較し、その差分を取り、その差分が
許容範囲内に有るかを判定する。差分が許容範囲外にあ
る導電率が発見されたときには、その導電率を出力する
導電率計を、第2記憶手段10を介して表示手段12に
表示する指令を出力する。
【0085】pH計診断 このpH計診断は、pH計の正常な動作を監視し、異常
なpH計の存在を診断する。このpH計診断において
は、水循環系における水の導電率を、次の換算式にした
がって、pH値に換算する。
【0086】[pH]=log(導電率)+8.565
6 そこで、図10に示すように、予め、水循環系の各所に
おける導電率計で測定される各導電率を相互に比較し
て、各導電率が許容範囲内で一致していることを確かめ
る。次いで、pH計により測定されたpH値を、前記換
算式に従って導電率に換算する。換算された導電率(換
算導電率)と導電率計で測定された導電率(測定導電
率)とを比較する。その比較の結果、両導電率が許容範
囲内で一致するときには、pH計異常なしの判定をし、
その旨のメッセージを第2記憶手段10を介して表示手
段12に表示する指令を出力する。
【0087】一方、比較の結果、両導電率が許容範囲を
超えて不一致であるときには、pH計が異常であると判
定し、異常なpH値を出力するpH計を示すメッセージ
を第2記憶手段10を介して表示手段12に表示する指
令を出力する。
【0088】補給水によるpHの補正診断 このPHの補正診断は、補給水タンクTから水循環系に
補給水を導入すると、導入した補給水による水循環系に
おける循環水のpHの低下を補正する機能を有する。水
質検出手段3である復水ポンプCPにおけるpH計から
出力され、検出されたpH値と、プロセス信号発生手段
1における補給水流量測定装置によって測定された補給
水の供給量とを入力し、補給された補給水に基づくpH
値の低下分をpH計で計測されたpH値に加算してその
加算値を第1記憶手段9に格納する。加算処理は、制御
演算手段13で実行される。加算の結果として得られた
正確なpH値は、前述した診断において適用される。
【0089】ここで、補給された補給水に基づくpH値
の低下分を加算する理由は、<導電率による水質チェッ
ク>において説明したのと同様である。この補正診断に
おいては、補給水の流入量とその流入量による復水系中
の水のpH値の低下値とが、予め実験的に決定されたデ
ータとして第1記憶手段9に格納されている。更にま
た、補給水の送水を補給水タンクTからpH計の設置さ
れている部署までに水が流れていくまでに所定の時間が
経過するので、補給水の流入開始後その所定時間の経過
時に測定されたpH値から、補給水に基づくpH値を加
算する。このような所定の遅延時間は、pH計を設置し
た部署について固有の時間であるから、この固有の遅延
時間は第1記憶手段9に格納され、随時に読み出されて
て診断処理手段8に入力される。
【0090】加算結果としてのpH値が設定値と比較し
た結果、加算後のpH値が設定値を越えるときには、設
定値を超えるpH値を計測したpH計を指摘するメッセ
ージを表示手段12にて表示する指令を出力する。
【0091】(I) 第1記憶手段9 第1記憶手段9は、プロセス信号発生手段1により測定
された各種のプロセスデータおよび水質検出手段2で検
出された各種の水質に関するデータを格納し、前記診断
処理手段で実行されて得られた各種の演算結果、予め設
定された各種の閾値ないし設定値等のデータを格納す
る。
【0092】(J) 第2記憶手段10 第2記憶手段10は、プロセス状態図作成手段5で作成
された画像データ、第1記憶手段9に格納されているリ
アルタイムの各種の水質データとプロセスデータ、トレ
ンド図作成手段6で作成された画像データ、異常警報発
生手段7で作成された画像データおよび診断処理手段8
で作成された各種の診断結果を画像として表示する画像
データを格納する。
【0093】(K) 表示駆動手段11 表示駆動手段は、第2記憶手段10に記憶されている画
像データを読み出して表示手段12に出力する。 (L) 表示手段12 表示手段12はたとえばCRTである。CRT画面にお
いてその左上半分は、プロセス状態図作成手段5で作成
された画像データに基づくプロセス状態図を表示する画
像が表示される。このプロセス状態図を表示する画像に
おいては、図1に示すような水循環系をグラフィック図
形で表示し、水循環系における水の存在するラインをた
とえば水色でカラー表示すると共に蒸気系ラインは黄色
でカラー表示し、水の存在しないラインは単なる黒色で
表示し、一方、水質検出手段3で検出された各種の水質
とプロセス信号発生手段1で計測ないし検知された各種
のプロセスデータが所定の色分けされたカラーで表示
し、特に異常を示す水質データは赤色地に白抜きで表示
する。前記水質データおよびプロセスデータは一定時間
毎にCRT画面上で更新表示される。なお、このプロセ
ス状態図を表示する画像は、入力手段14における入力
操作、たとえばキー操作あるいはマウスの操作により、
CRT画面一杯に拡大表示することもできる。
【0094】CRT画面においてその右上半分は、トレ
ンド図作成手段6により作成されたトレンド図を表示す
る画像が表示される。このトレンド図を表示する画像に
おいては、入力手段14で指示された水質データ、プロ
セスデータにつき一定期間の変化をグラフ表示される。
この一定期間は、任意に期間を変更することができ、ど
のような期間を選択するかは、入力手段14の入力操作
で任意に決定される。なお、このトレンド図を表示する
画像は、入力手段14における入力操作、たとえばキー
操作あるいはマウスの操作により、CRT画面一杯に拡
大表示することもできる。
【0095】CRT画面においてその左下半分には、診
断処理手段8により診断された各種の運転支援に関する
メッセージを表示する画像が表示される。診断メッセー
ジは診断処理をした年月日、時分秒、診断の種類および
診断内容が含まれている。このようなメッセージは表示
されると共に第1記憶手段9に格納され、一定の警報表
示数になると古いメッセージから順次に消去されるが、
入力手段14における入力操作例えばキー操作あるいは
マウス操作により再び第1記憶手段9から読み出され、
表示することができる。最新のメッセージは赤色表示さ
れ、メッセージ確認の入力を入力手段14により行うこ
とにより白色表示され、メッセージを出力する原因が解
除されることにより消去することもできる。なお、メッ
セージに関する作業容量はプリントアウトすることがで
きる。
【0096】CRT画面においてその右下半分は、診断
処理手段8により診断された各種の水質情報に関する診
断メッセージを表示する画像が表示される。診断メッセ
ージは、診断処理をした年月日、時分秒、診断の種類お
よび診断の内容が含まれている。診断メッセージの内容
の具体例を表2に示す。
【0097】
【表2】
【0098】以上に説明したところの、プロセス状態図
を表示する画像、トレンド図を表示する画像、運転支援
メッセージを表示する画像、および水質診断メッセージ
を表示する画像はそれぞれ独立に駆動表示される。 (M) 制御演算手段13は、前記各部各手段を制御し、ま
た前記各システムの実行を制御するコンピュータシステ
ムである。 (N) 入力手段14は例えばキーボードあるいはマウスで
ある。
【0099】
【発明の効果】本発明の水質診断装置によると、火力発
電プラントにおける水循環系の水質を自動分析し、異常
状態の発見、その原因及び対策等の診断を行うので、水
質分析の専門家でも困難であった海水漏洩の有無を早期
に発見することができ、水質分析の専門家にかかる分析
作業の負荷が軽減され、経験の浅いプラント運転員であ
っても発電プラントの操作をすることができるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、火力発電プラントにおける水循環系を
示す説明図である。
【図2】図2は、本発明の水循環系表示装置を備えた水
質監視装置を示すブロック図である。
【図3】図3は、水循環系表示装置のCRT画面を示す
説明図である。
【図4】図4は、起動工程水質診断システムにおける導
電率による水質のチェックをする処理手順を示す流れ図
である。
【図5】図5は、濁度計で測定された濁度と全鉄分析計
による全鉄濃度とにより補正された鉄含有量を算出する
手順を示す流れ図である。
【図6】図6は、起動工程水質診断システムにおける鉄
含有量による水質チェックをする処理手順を示す流れ図
である。
【図7】図7は、起動工程水質診断システムにおけるヒ
ドラジン量による水質チェックをする処理手順を示す流
れ図である。
【図8】図8は、薬注関係診断システムにおけるアンモ
ニア注入診断の処理手順を示す流れ図である。
【図9】図9は、薬注関係診断システムにおけるヒドラ
ジン注入診断の処理手順を示す流れ図である。
【図10】図10は、薬注関係診断システムにおけるク
ロスチェック診断の処理手順を示す流れ図である。
【符号の説明】
ST 冷却管 C 蒸気凝結器 HW 凝結水槽 CP 復水ポンプ DEMI 復水脱塩装置 CBP 復水ブースターポンプ LPHTR 低圧加圧器 DEA 脱気装置 V1 第1バルブ V2 第2バルブ V3 第3バルブ V4 第4バルブ V5 第5バルブ BFP 高圧ポンプ HPHTR 高圧加熱器 ECO 節炭器 WW ウォーターウォール WS ウォーターセパレーター V6 第6バルブ V7 第7バルブ V8 第8バルブ SP スーパーヒータ HP 高圧タービン RH 再加熱器 IP 中圧タービン LP 低圧タービン 1 プロセス信号発生手段 2 AD変換器 3 水質検出手段 4 データ収録部 5 プロセス状態図作成手段 6 トレンド図作成手段 7 異常警報発生手段 8 診断処理手段 9 第1記憶手段 10 第2記憶手段 11 表示駆動手段 12 表示手段 13 制御演算手段 14 入力手段
フロントページの続き (72)発明者 岡田 稔 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 太田 雅教 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 倉品 雅彦 東京都渋谷区恵比寿3丁目43番2号 日 機装株式会社内 (72)発明者 中東 久和 東京都渋谷区恵比寿3丁目43番2号 日 機装株式会社内 (72)発明者 青木 利明 東京都渋谷区恵比寿3丁目43番2号 日 機装株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−108967(JP,A) 特開 平2−102453(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 火力発電プラントにおける給水系、蒸気
    系および復水系からなる水循環系の水流量を測定して水
    流量データを出力するプロセス信号発生手段と、 前記水循環系における1以上の部位における水質を検出
    する水質検出手段と、 前記プロセス信号発生手段および前記 水質検出手段から
    出力されるリアルタイムおよび過去の水流量データおよ
    び水質データを記憶する第1記憶手段と、 前記第1記憶手段から水流量データおよび水質データを
    リアルタイムで読み出し、前記水流量データおよび水質
    データを、予め設定された閾値と比較し、前記水質デー
    タが前記閾値を超えた場合には、前記閾値を超えた水質
    に関する異常データを出力する異常警報発生手段と、 前記プロセス信号発生手段からの水流量データおよび水
    質検出手段からの水質データに基づき前記水循環系をグ
    ラフィック表示し、更に前記異常警報発生手段からの異
    常データに基づき、水質異常が生じた箇所及び前記水質
    異常の内容を前記グラフィックス表示中に表示する表示
    データを出力するプロセス状態図作製手段と、 前記第1記憶手段から水質データを読み出し、前記水質
    データを時系列に従って表示する水質履歴データを出力
    するトレンド図作製手段と、 前記第1記憶手段からリアルタイムおよび過去の水流量
    データおよび水質データを読み出し、水質の異常を生じ
    た原因を診断し、その内容を表示するように、前記水流
    量データおよび水質データを処理して運転支援データを
    出力 する診断処理手段と、前記プロセス状態図作製手段からの表示データ、トレン
    ド図作製手段からの水質履歴データ、および診断処理手
    段から出力される運転支援データを記憶する第2記憶手
    段と、 前記プロセス表示データ、水質履歴データ、および運転
    支援データを前記第2記憶手段から読み出して 表示する
    表示装置とを有することを特徴とするプラントの水質診
    断装置。
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