JP3070839B2 - 定圧研削法 - Google Patents

定圧研削法

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  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は定圧研削法に関し、
特に研削効率の向上を図った定圧研削法に関する。
【0002】
【従来の技術】砥石端面を用いた湿式定圧研削は、粒径
の比較的大きい1種類の砥石で滑らかな仕上がり面を得
ることができるため、自動化に好適であるとされ注目さ
れている。そして、このような研削砥石は従来、定速回
転で使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この場合、砥石を低速
で回転させたのでは研削量を大きくできないため、高速
回転で行おうとすると、短時間で目詰まりを生じて研削
効率が低下することから頻繁な目立てが必要となり、砥
石の寿命低下と研削工程の段取りの煩雑化をもたらすと
いう問題があった。
【0004】そこで、本発明はこのような課題を解決す
るもので、目詰まりによる研削効率の低下を防止して頻
繁な目立てを不要とし、もって砥石の寿命延長と研削工
程の簡素化を実現した定圧研削法を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の定圧研削法は、砥石の砥石面を一定圧で被
研削面に押しつけて研削を行う定圧研削法であって、上
記砥石の回転数を、カオス的挙動を示す方程式の時系列
解に基づいて非周期的に変動させるものである。ここ
で、カオス的とは、一見周期的であるが、非線形の決定
論的法則で支配される非周期的な現象を言い、例えばロ
ーレンツ方程式の解から生成される。
【0006】本発明においては、砥石の回転数がカオス
挙動を示す方程式の時系列解に基づいて非周期的に変
動させられることにより砥石面の移動速度がカオス的に
変動し、この結果、砥石の目詰まりが軽減されて研削効
率が向上する。したがって、頻繁な目立てが不要とな
り、砥石の寿命が延長されるとともに研削工程も簡素化
される。
【0007】砥石の目詰まりが防止される理由は次の通
りであると考えられる。すなわち、砥石面の移動速度が
カオス的に変動すると、砥石面のポケットに付着した切
り粉が遊離状態になって、その運動が複雑になる。この
結果、切り粉はポケットから脱出して砥石面と被研削面
との間に介在する。砥石面と被研削面との間に介在する
切り粉は、砥石面の移動速度がカオス的に変動するため
複雑に運動して容易に砥石面と被研削面との間より排出
され、砥石面への付着堆積が防止される。この結果、堆
積形目詰まりが軽減される。
【0008】また、砥石面の移動速度のカオス的変動
と、研削初期における被研削物の表面性状に含まれる凹
凸とが相乗的に作用して、切り粉が凝着した切れ刃砥粒
を脱落させる力変動を生じさせ、自己ドレッシングを誘
発して凝着形目詰まりを軽減する。
【0009】砥石面の移動速度のカオス的変動は、ポケ
ットにこぼれ落ちた脱落砥粒の運動を複雑化させてポケ
ットからの脱出を促進する。この脱落砥粒は二次的に遊
離砥粒として他の切れ刃砥粒に作用し、他の切れ刃砥粒
に凝着した切り粉を掻き出して、凝着形目詰まりを軽減
する。
【0010】砥石面の移動速度のカオス的変動は、周辺
の流体(空気あるいは研削油剤)の挙動を複雑化し、流
体の対流を多く引き起こして、研削加工によって生じた
熱を急速に流出さる。この結果、表面エネルギーが低
下し、切り粉と砥粒、切り粉と被研削材、あるいは切り
粉同士の凝着が防止される
【0011】本発明は定圧研削装置としても実現でき、
定圧研削装置は、カオス的に変動する経時データを生成
する手段と、経時データに応じて目標回転数を決定する
手段と、砥石の回転数を上記目標回転数に追従させる手
段と、上記砥石の砥石面を一定圧で被研削面に押し付け
る手段とを具備している。砥石の回転数がカオス的に変
動する結果、砥石面の移動速度がカオス的に変動させら
れ、上記定圧研削法におけると同様の作用効果が得られ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】図1には本発明の方法を実施する
研削装置の外観を示す。図1において、研削装置の細長
いベッド1上には長手方向のX軸方向へテーブル2が載
置されている。テーブル2上にはZ軸方向へ垂直にコラ
ム3が立設されて、図略の駆動機構によりテーブル2に
沿って移動可能である。コラム3には水平のY軸方向へ
延びる水平アーム4が支持されて、コラム3に沿って上
下方向へ移動可能である。また、水平アーム4にはこれ
に沿って移動可能に支持アーム5が設けられている。上
記X軸〜Z軸は互いに直交しており、支持アーム5は三
次元空間の所望位置に移動して位置決めされる。
【0013】支持アーム部の詳細を図2に示す。図2に
おいて、支持アーム5の下端にはACサーボモータ6が
設けてあり、その出力軸mにはL字形のブラケット9が
固定されて、出力軸m回りにα矢印方向へ回転可能とな
っている。ブラケット9にはACサーボモータ7が設け
てあり、その出力軸nは上記ACサーボモータ6の出力
軸mに直交するとともに、出力軸nには公知の空圧式定
圧機構のシリンダケース10が固定されて出力軸n回り
にβ矢印方向へ回転可能となっている。
【0014】シリンダケース10の上面にはACサーボ
モータ8が固定されており、下方へ向くその出力軸(図
示略)には、シリンダケース10から下方へ突出する回
転軸11が定圧機構を介して連結されており、回転軸1
1の先端に円盤状の砥石12が装着されている。砥石1
2は本実施形態では外径13mm、内径6mmのカップ
形のものが使用され、その砥粒はAl23、粒度は♯1
20である。砥石12はα矢印方向とβ矢印方向への旋
回によってその下面が常に被研削面に適正に接するよう
に姿勢制御されるとともに、定圧機構によって被研削面
に対して650g程度の一定力で押圧されている。
【0015】図1において、ベッド1に隣接してブロッ
ク状の加工物取付台13が配設されており、この取付台
13上に固定された被研削物(図示略)の上面に上記砥
石12の下面が一定圧で圧接して研削油剤を介在させつ
つ研削が行われる。なお、ベッド1の一端部には制御盤
14が設けられて、研削油剤循環装置や圧縮空気供給装
置を含む上記研削装置を制御する。
【0016】制御盤14にはコンピュータが内蔵されて
おり、砥石12を回転駆動する上記ACサーボモータ8
の回転数を制御する。その制御系の構成を図3に示す。
図3において、コンピュータ21から出力される経時的
な目標回転数は、バッファアンプとして機能するファン
クションジェネレータ22に記憶され、研削装置の作動
開始とともに再生されてサーボアンプ23に出力され
る。サーボアンプ23はACサーボモータ8に内蔵され
たエンコーダ(図示略)からのフィードバック信号を参
照しつつ、ACサーボモータ8の回転数を目標回転数に
追従させるように制御する。
【0017】図4には、コンピュータ21内での目標回
転数の生成手順を示す。図4において、ステップ100
の数値計算ルーチンでは、下式(1)〜(3)に示すロ
ーレンツ方程式を解いて、その時系列Z解を得る。この
時系列Z解はパラメータを適当に選ぶとカオス的挙動を
示す(ローレンツ・カオス)ことが知られており、上記
数値計算ルーチンは時系列Z解をCSV(コンマ・セパ
レーテッド・バリュー)形式データにしてステップ20
0の波形作成ルーチンへ与える。
【0018】
【数1】
【0019】上式において、σ、r、bの値の一例は、
σ=10、r=28、b=8/3である。
【0020】波形作成ルーチンは、ACサーボモータの
上限回転数とサーボアンプ出力の下限値とを考慮して、
目標回転数の最大値(本実施形態では12000rp
m)と最小値(本実施形態では4580rpm)を決定
し、この間を時系列Z解に比例する回転数として目標回
転数を決める。また、この波形作成ルーチンは、目標回
転数の平均周期が、ACサーボモータが追従できる適当
な値(本実施形態では1秒程度)になるように時系列Z
解の周期を時間軸方向へ拡大する。このようにして得ら
れた目標回転数の経時変動(波形)の一例を図5に示
す。波形作成ルーチンで得られた目標回転数波形はステ
ップ300でファンクションジェネレータ22(図3)
へ出力される。
【0021】本発明の効果を確認するために、砥石12
の回転数をカオス的に変動させつつ図6に示すように被
研削物を研削した。図6に示す直線的な研削範囲e〜h
は実際には重なっており、60mm、45mm、30m
m、15mmの各範囲e〜hをそれぞれ同一往復回研削
する。例えば各範囲e〜hについてそれぞれ5往復回研
削すると、60mmの範囲eは5往復回、45mmの範
囲fは10往復回、30mmの範囲gは15往復回、1
5mmの範囲hは20往復回研削されることになる。以
下の実験で被研削物としてはダイス鋼SKD11を焼き
入れ、焼き戻しして、硬度HRC56に調質したものを
使用し、被研削面はワイヤカット放電加工した。
【0022】本発明と比較するために、(1)4580
rpmの一定値での低速回転、(2)12000rpm
の一定値での高速回転、(3)4580rpmと120
00rpmの間で正弦波的(周期1秒)に回転数を変
動、(4)4580rpmと12000rpmの間でラ
ンダム(周期1秒)に回転数を変動、の4種類について
同様の研削を行った。その結果を図7と図8に示す。各
図において、横軸は研削加工に要する時間であり、各測
定点はそれぞれ5,10,15,20の研削往復回に対
応するものである。
【0023】図7は研削時の被研削体の除去体積を比較
したもので、砥石回転にカオス変動を与える本発明の方
法は除去体積が最も大きく、正弦波変動を与えたものが
それに次ぐ。そして、12000rpmの定回転やラン
ダム変動を与えたものがこの順に除去体積が小さく、4
580rpmの定回転は最も除去体積が小さい。
【0024】図8は研削効率を比較したものである。研
削効率は上記除去体積を消費電力量で除したもので、エ
ネルギーが有効使用されていることの指標となるもので
ある。図8より明かなように、砥石回転にカオス変動を
与える本発明の方法は、研削効率の点においても458
0rpmの定回転を上回って最も良い値を示す。正弦波
変動やランダム変動を与えたものでは研削効率は劣り、
12000rpmの定回転では研削効率が最も悪い。
【0025】以上より明らかなように、本発明の方法は
研削時の除去体積が大きい上に、研削効率も良く、エネ
ルギーの無駄が少ない。その理由としては既に説明した
原理によって砥石の目詰まりが効果的に防止されること
によると思われる。
【0026】なお、上記実施形態ではローレンツ・カオ
スに基づいて砥石回転を変動させたが、他のカオス状態
に基づくことも、もちろん可能である。また、砥石はそ
の下面(端面)を使用したが、周面を使用しても良い。
また、本発明は乾式研削にも適用することができる。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明の定圧研削法によ
れば、目詰まりによる研削効率の低下が防止される結
果、頻繁な目立てが不要となり、砥石の寿命延長と研削
工程の簡素化が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】研削装置の全体斜視図である。
【図2】支持アーム部の拡大斜視図である。
【図3】サーボモータ制御系のブロック構成図である。
【図4】コンピュータ内での目標回転数の生成手順を示
すフローチャートである。
【図5】目標回転数のカオス的変動の一例を示すグラフ
である。
【図6】研削範囲を示す説明図である。
【図7】研削時の除去体積を比較したグラフである。
【図8】研削効率を比較したグラフである。
【符号の説明】 2…テーブル、3…コラム、4…水平アーム、5…支持
アーム、8…ACサーボモータ、12…砥石、21…コ
ンピュータ、23…サーボアンプ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砥石の砥石面を一定圧で被研削面に押し
    つけて研削を行う定圧研削法であって、前記砥石の回転
    数を、カオス的挙動を示す方程式の時系列解に基づいて
    非周期的に変動させることを特徴とする定圧研削法。
  2. 【請求項2】 前記方程式はローレンツ方程式である
    求項1に記載の定圧研削法。
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