JP3070747B2 - フォトクロミック合わせガラス - Google Patents

フォトクロミック合わせガラス

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JP3070747B2 JP1275997A JP27599789A JP3070747B2 JP 3070747 B2 JP3070747 B2 JP 3070747B2 JP 1275997 A JP1275997 A JP 1275997A JP 27599789 A JP27599789 A JP 27599789A JP 3070747 B2 JP3070747 B2 JP 3070747B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、フォトクロミック組成物による調光機能
に加えて熱線反射機能をもったフォトクロミック合わせ
ガラスに関する。
(従来の技術) 従来のフォトクロミック合わせガラスとしては、例え
ば第6図に示すように、ポリビニルブチラールのような
透明樹脂膜3の表面にフォトクロミック剤を含んだイン
キ状フォトクロミック組成物2を印刷し、2枚のガラス
1,5の間で熱圧着されたものがある。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、このような従来のフォトクロミック調
光ガラスにあっては、変色前及び変色後のフォトクロミ
ックガラスの分光特性が第7図に示すように、近赤外部
及び赤外部における透過率が非常に高くなっているた
め、可視光線の透過は変色後、抑制されるものの、実際
に室内の温度を上昇させたり、人体に照射して熱暑感を
与えたりする近赤外部及び赤外部はそのまま透過してし
まうという問題点があった。
(課題を解決するための手段) この発明は、フォトクロミック組成物を透過してきた
あとの光のうち選択的に近赤外部及び赤外部を反射する
波長選択膜として機能する熱線反射膜を付着させたガラ
スを積層することにより上記問題点を解決し得ることを
知見したことに基づくものである。
従ってこの発明のフォトクロミック合わせガラスは2
枚のガラスの間に挟まれた少なくとも1枚以上の透明樹
脂膜を備え、該透明樹脂膜のうち1枚以上の透明樹脂膜
にフォトクロミック組成物が含有されかつガラスの片側
1枚の透明樹脂膜に接する内側面に熱線反射膜が付着さ
れ、光が入射する側からみて、フォトクロミック組成物
が上記熱戦反射膜の前に存在することを特徴とする。
(作 用) 以下、この発明を図面に基づいて説明する。
第1図は、この発明の一実施例を示す図である。まず
構成を説明すると、1は無機ガラス又はアクリル樹脂板
などの有機ガラスから成る透明材料、2はスピロナフト
オキサジンなどからなるフォトクロミック組成物、3は
ポリビニルブチラールなどの透明樹脂膜、4は透明な熱
線反射膜であり、5のガラス又はアクリル樹脂上に蒸着
又はスパッタリングにより形成されている。更に詳細に
説明すると、まず最初にフォトクロミック組成物層2を
形成する工程は、下記の表に示すような配合で調整した
フォトクロミックインクを透明樹脂膜3の表面にスクリ
ーン印刷し、その後加熱乾燥してたものを使用した。
フォトクロミック組成物は、上記の如く透明樹脂膜上
に印刷するかまたは浸漬、スプレーなどの操作によって
フォトクロミック組成物層として形成されるか、或いは
予めフォトクロミック組成物を樹脂に混練してフォトク
ロミック組成物を均一に分散させたシートを押し出し成
形して用いられる。
次に透明な熱線反射膜は、蒸着又はスパッタリングに
より形成される蒸着膜で、これは特別なものではない。
つまりよく洗浄したガラス表面に、銀、チタン、ステン
レス等の金属膜単層或いは金属膜と酸化錫、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、ITO(インジウムチンオキサイド)等の
金属酸化物を組合わせた多層膜をつけたものである。
以下蒸着、スパッタリング装置によりガラス表面に形
成した膜は例えば第2図に示してある通りである。尚第
2図に示すガラス表面に付着された熱反射膜において、
1は無機ガラス基板であり、2は酸化チタン180Å厚さ
の膜、3は銀の180Å膜、4は酸化チタンの180Å厚さの
膜の三重構造である。
この構成により効率良く赤外線が反射される事を確認
した。この反射特性を紫外部から赤外部まで測定してみ
た結果、第3図の分光反射特性図(入射角10゜)が得ら
れた。
赤外部を反射するのは、これが目的なので当然である
が紫外部も大幅に反射することが測定の結果判明した。
つまり熱線反射膜を通過した光は紫外部の光が極端に少
なくなるわけである。従って先に述べたように構成とし
て光の通過する順序からみてフォトクロミック層、その
次に熱線反射膜とする必要がある。この順序は平板であ
れば特に裏返しにすれば同じことであるが、自動車用ウ
インドゥに用いられるような曲面のものであれば、この
順序は重要な意味をもってくる。
例えば自動車用フロントガラスを例にとれば第4図に
示す構成になる。この合わせガラスは、先ず最初に自動
車に室内側のガラスであるガラス5の外側に熱線反射膜
4を付着させてからこの膜の外側に順次ポリビニルブチ
ラール膜3、フォトクロミック組成物層2、ガラス1を
積層して製造される。このようにして得られた曲面ガラ
スでは光線が入射してくる外側と透過して出る内側が明
確に区別される。従って外側のガラスの凹面に沿ってフ
ォトクロミック組成物層が存在し、内側のガラスのポリ
ビニルブチラール膜と接する凸面側に赤外線反射膜層を
形成する必要があり、これを逆に形成すると紫外線が遮
断されてフォトクロミックは殆ど着色しない。
第4図に示した構成の合わせガラスの可視光から赤外
部までの分光透過特性を太陽光で着色させつつその分光
特性を測定すると、第5図に示すようになり、フォトク
ロミック層での可視部の吸収と熱線反射膜の赤外部の反
射により十分な遮光効果が得られたことになる。
(発明の効果) 以上説明してきたように、この発明の合わせガラスは
一方のガラスの片面に熱線反射膜が付着され、光が入射
する側からみて、フォトクロミック組成物が上記熱線反
射膜の前に存在することにより、フォトクロミック組成
物による調光機能に加えて近赤外部および赤外部が反射
されることにより、遮光効果があり、室内の温度を上昇
させることがなく、また日光が人体に当たっても熱暑感
が与えられることがない。
また熱線反射膜は波長選択膜として機能するので、ア
ンテナ機能を有しており、電波の送受信、即ちテレビ、
ラジオ等に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一例のフォトクロミック合わせガラ
スの断面図、 第2図はこの発明のフォトクロミック合わせガラスにお
ける一例の熱線反射層を説明するためのガラスと熱線反
射膜部分の拡大断面図、 第3図は第2図に示す熱線反射膜を有する合わせガラス
の分光透過特性図、 第4図はこの発明の他の例のフォトクロミック合わせガ
ラスの断面図、 第5図は第4図のフォトクロミック合わせガラスの分光
透過特性図、 第6図は従来のフォトクロミック合わせガラスの断面
図、 第7図は第6図のフォトクロミック合わせガラスの分光
透過特性図である。 1,5……ガラス、2……フォトクロミック組成物 3……透明樹脂膜、4……透明熱線反射膜 6……酸化チタン膜、7……銀膜 8……酸化チタン膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03C 27/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2枚のガラスの間に挟まれた少なくとも1
    枚以上の透明樹脂膜を備え、該透明樹脂膜のうち1枚以
    上の透明樹脂膜にフォトクロミック組成物が含有されか
    つ一方のガラスの内側片面に、赤外部と紫外部の光線を
    反射する熱線反射膜が付着され、光が入射する側からみ
    て、フォトクロミック組成物が上記熱線反射膜の前に存
    在することを特徴とするフォトクロミック合わせガラ
    ス。
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