JP3070630U - 衣服カバ― - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 衣服カバー内への埃等の侵入を防止しつつ、
前面カバーを大きく開放して衣服の出し入れ作業を簡単
かつ適正に行い得るようにする。 【解決手段】 左側カバー１ａ及び右側カバー１ｂを有
する前面カバー１と、後面カバー２によってハンガーＨ
に掛けられた衣服Ｗを包み込む袋状に形成された衣服カ
バーにおいて、上記前面カバー１の上端部に、左側カバ
ー１ａの内側辺部と右側カバー１ｂの内側辺部とを一定
距離だけ離間させてなる離間部４を設けるとともに、上
記前面カバー１の上端部を除く部分に、左側カバー１ａ
の内側辺部と右側カバー１ｂの内側辺部とを重ね合わせ
てなる重合部を設け、かつ上記前面カバー１の上端部に
形成された離間部４を被覆する被覆部５を設け、この被
覆部５と、上記後面カバー２との間に上記フック部挿通
孔３を形成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、衣服ハンガーに掛けられた衣服を保護した状態で収納保管する際等 に使用される衣服カバーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の衣服カバーは、図５及び図６に示すように、ハンガーＨに掛けられた衣 服の前面を覆う前面カバー１１と、衣服の後面を覆う後面カバー１２とにより袋 状に形成されるとともに、その上部中央に上記ハンガーＨのフック部Ｋが挿通さ れるフック部挿通孔１３が形成され、このフック部挿通孔１３の上方に上記フッ ク部Ｋが導出された状態で、上記ハンガーＨに掛けられた衣服が包み込まれるよ うになっている。

【０００３】 上記衣服カバーの前面カバー１１は、図５において後面カバー１２の左側部を 覆う左側カバー１４と、後面カバー１２の右側部を覆う右側カバー１５とを備え 、これらの左右両カバー１４，１５の内側辺部が互いに重なり合った状態で衣服 の前面を覆うように構成されている。そして、図６に示すように、左右両カバー １４，１５の内側辺部が左右に広げられることにより、前面カバー１１の中央部 が開放された状態で、衣服カバーに対する衣服の出し入れが行われるようになっ ている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の衣服カバーにおいては、前面カバー１１を構成する左右両カバー１ ４，１５の内側辺部が所定幅に亘って重ね合わされることにより、内部に埃等が 侵入するのを効果的に防止できるという利点がある。この反面、上記左右両カバ ー１４，１５の上端部が互いに重なり合った状態で、それぞれ後面カバー１２に 縫着されているため、図６に示すように、前面カバー１１を開放する際に、ハン ガーＨが位置する上端部の開きが、上記左右両カバー１４，１５の上端縫着部に おいて抑制され、前面カバー１１を大きく開放することができないという欠点が ある。

【０００５】 このため、衣服カバーから衣服を出し入れする際に、上記前面カバー１１の上 端部を除く部分を左右に無理に押し開いた状態で、上記衣服の出し入れ作業を行 わなければならず、この作業が繁雑であるとともに、衣服の上着を出し入れする 際に、ハンガーＨに掛けられたズボンがずり落ちたり、衣服に皺が形成されたり する等の問題があった。

【０００６】 本考案は、上記の点に鑑みてなされたものであり、衣服カバー内への埃等の侵 入を防止しつつ、前面カバーを大きく開放して衣服の出し入れ作業を簡単かつ適 正に行うことができる衣服カバーを提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

請求項１に係る考案は、開閉自在な左側カバー及び右側カバーを有する前面カ バーと、後面カバーとによってハンガーに掛けられた衣服を包み込む袋状に形成 され、かつ上部中央に上記ハンガーのフック部が挿通されるフック部挿通孔が形 成された衣服カバーにおいて、上記前面カバーの上端部に、左側カバーの内側辺 部と右側カバーの内側辺部とを一定距離だけ離間させてなる離間部を設けるとと もに、上記前面カバーの上端部を除く部分に、左側カバーの内側辺部と右側カバ ーの内側辺部とを重ね合わせてなる重合部を設け、かつ上記離間部を被覆する被 覆部を前面カバーの内面側に設け、この被覆部と、上記後面カバーとの間に上記 フック部挿通孔を形成したものである。

【０００８】 上記構成によれば、前面カバーの上端部に、左右両カバーの内側辺部を互いに 離間させてなる離間部が設けられているため、この離間部を含めて上記左右両カ バーを左右に大きく開いた状態で、衣服の出し入れが容易に行われるとともに、 衣服の収納保管時には、前面カバーの上端部が上記被覆部によって被覆されて衣 服カバー内への埃等の侵入が防止されることになる。

【０００９】 請求項２に係る考案は、上記請求項１記載の衣服カバーにおいて、左右両カバ ーを閉止した状態に係止する一対の紐からなる係止部を備えたものである。

【００１０】 上記構成によれば、左右両カバーを閉止した状態で上記一対の紐を結ぶことに よって上記左右両カバーが閉止状態に安定して保持され、また上記紐の結び目を 解くことによって上記左右両カバーの閉止状態が容易に解除されることになる。

【００１１】

【考案の実施の形態】

図１及び図２は、本考案に係る衣服カバーの実施形態を示している。この衣服 カバーは、前面カバー１と、後面カバー２とによってハンガーＨに掛けられた衣 服Ｗを包み込む袋状に形成されるとともに、その上部中央には、上記ハンガーＨ のフック部Ｋが挿通されるフック部挿通孔３が形成されている。

【００１２】 上記前面カバー１は、図２において、後面カバー２の左側部を覆う左側カバー １ａと、後面カバー２の右側部を覆う右側カバー１ｂとを備え、これらの左右両 カバー１ａ，１ｂの内側辺部を除く周縁部、つまり上辺部、外側辺部及び下辺部 が、それぞれ後面カバー２の周縁部に縫着されている。そして、後述するように 、上記左右両カバー１ａ，１ｂの内側辺部が左右に押し広げられることにより、 前面カバー１の中央部が開放されるようになっている。

【００１３】 また、上記前面カバー１の上端部には、左側カバー１ａの内側辺部と、右側カ バー１ｂの内側辺部とを一定距離だけ離間させてなる離間部４が形成されるとと もに、この離間部４を被覆する被覆部５が上記前面カバー１の内面側に設けられ ている。

【００１４】 上記被覆部５は、図３に示すように、上辺部及び下辺部が補強用の布材によっ て縁取りされた扇形の素材からなり、その左右両辺部が前面カバー１と後面カバ ー２とによって挟持された状態で一体に縫着され、この被覆部５の上端部と、後 面カバー２の上端部との間に上記フック部挿通孔３が形成されている。

【００１５】 上記前面カバー１の上端部を除く部分には、左側カバー１ａの内側辺部と、右 側カバー１ｂの内側辺部とを互いに重合させてなる所定幅の重合部６が形成され ている。また、衣服カバーの外面側に位置する左側カバー１ａの上部内側辺部及 び衣服カバーの内面側に位置する右側カバー１ｂの上部外側辺部には、それぞれ 所定長さの紐７，７が縫着され、これらの紐７，７によって上記左右両カバー１ ａ，１ｂを閉止状態に係止する係止部が形成されている。

【００１６】 上記構成の衣服カバーに衣服Ｗを収納する際には、図４に示すように、上記紐 ７，７の結び目を解いた状態で、左右両カバー１ａ，１ｂの内側辺部を左右に押 し広げることにより、前面カバー１の中央部を開放する。そして、図１に示すよ うに、ハンガーＨに掛けられた衣服Ｗを、前面カバー１の開放部から衣服カバー 内に挿入し、ハンガーＨのフック部Ｈをフック部挿通孔３から上方に導出させた 後、左右両カバー１ａ，１ｂを閉止する。また、衣服カバー内に衣服Ｗを収納し た状態で長期保管する場合等には、上記紐７，７を結ぶことによって左右両カバ ー１ａ，１ｂを閉止状態に係止する。

【００１７】 また、上記衣服カバー内に収納された衣服Ｗを取り出す場合には、上記紐７， ７の結び目を解いて左右両カバー１ａ，１ｂの係止状態を解除した後、左右両カ バー１，１ｂをそれぞれ左右に押し広げて前面カバー１の中央部を開放した状態 で、この開放部から上記ハンガーＨに掛けられた衣服Ｗを単独で取り出し、ある いは上記ハンガーＨに衣服Ｗを掛けたままの状態で、これらを上記開放部から取 り出すようにする。

【００１８】 上記のように衣服カバーを構成する前面カバー１の上端部に、左側カバー１ａ の内側辺部と右側カバー１ｂの内側辺部とを一定距離だけ離間させてなる離間部 ４を設けたため、上記前面カバー１の上端部を除く部分に、左側カバー１ａの内 側辺部と右側カバー１ｂの内側辺部とを重ね合わせてなる重合部６を設けたにも 拘わらず、上記離間部４を始点にして左右前カバー１ａ，１ｂを左右に押し広げ ることにより、ハンガーＨが位置する上端部を中心にして前面カバー１の中央部 を大きく開放することができる。

【００１９】 したがって、上記前面カバー１の開放部からハンガーＨと衣服Ｗとを一体の状 態で出し入れする作業、あるいは衣服カバー内に設置されたハンガーＨに対して 衣服Ｗを単独で着脱する作業等を、無理なくスムーズに行うことができるととも に、上記衣服Ｗの上着を出し入れする際に、ハンガーＨに掛けられたズボンがず り落ちたり、衣服Ｗに皺が形成されたりするのを効果的に防止できるという利点 がある。

【００２０】 また、上記前面カバー１の内面側に上記離間部４を被覆する被覆部５を設けた ため、衣服カバーに対して衣服Ｗを出し入れする際に、上記左右両カバー１ａ， １ｂを左右に押し開く操作が、上記被覆部５によって阻害されるのを防止できる とともに、上記左右両カバー１ａ，１ｂが閉止された衣服Ｗの収納保管時に、前 面カバー１の上端部から衣服カバー内に埃等が侵入するのを、上記被覆部５によ り効果的に防止して衣服Ｗを適正に保護できるという利点がある。

【００２１】 しかも、上記のように被覆部５と、後面カバー２との間に、ハンガーＨのフッ ク部Ｋが挿通されるフック部挿通孔３を形成したため、上記後面カバー２にスリ ット状の挿通孔を形成した場合等に比べ、上記フック部挿通孔３の設置部の強度 を充分に確保することができる。したがって、上記フック部Ｋをフック部挿通孔 ３に挿通させてハンガーＨにより衣服カバーを吊下する際に、上記フック部挿通 孔３の設置部が破断するという事態を生じることなく、上記衣服カバーの吊下状 態を安定して保持できるという利点がある。

【００２２】 なお、上記左右両カバー１ａ，１ｂの閉止状態に係止する一対の紐７，７から なる上記係止部に代え、いわゆるテープファスナー、ホックまたはボタン等を設 けた構造とし、あるいは上記係止部を省略した構造とすることもできるが、上記 実施形態に示すように、上記一対の紐７，７からなる係止部を設けた場合には、 上記左右両カバー１ａ，１ｂの閉止状態を簡単かつ安定して保持することができ るという利点がある。

【００２３】 すなわち、上記一対の紐７，７を結んで左右両カバー１ａ，１ｂの閉止状態に 係止することにより、衣服が収納された衣服カバーを持ち運びする際等に、左右 両カバー１ａ，１ｂが不測に開放されるという事態の発生を効果的に防止するこ とができる。また、衣服Ｗの出し入れ時には、上記紐７，７の結び目を解くこと によって上記左右両カバー１ａ，１ｂの閉止状態を容易に解除し、上記衣服Ｗの 出し入れを容易に行うことができる。

【００２４】 上記実施形態では、左右両カバー１ａ，１ｂの下辺部を、その全長に亘って後 面カバー２の下辺部に縫着した例について説明したが、上記左右両カバー１ａ， １ｂの一部のみを後面カバー２の下辺部に縫着し、あるいは上記左右両カバー１ ａ，１ｂの下辺部と、後面カバー２の下辺部との縫着を省略した構造としてもよ い。

【００２５】 また、本考案に係る衣服カバーは、衣服Ｗの収納保管時等に使用される保存カ バーに限定されることなく、衣服カバーを上下方向の中央部で二つ折りにして使 用されるいわゆるキャリーバッグについても適用可能である。

【００２６】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案は、左右に開放し得るように構成された左側カバ ー及び右側カバーを有する前面カバーと、後面カバーとによってハンガーに掛け られた衣服を包み込む袋状に形成され、かつ上部中央に上記ハンガーのフック部 が挿通されるフック部挿通孔が形成された衣服カバーにおいて、上記前面カバー の上端部に、左側カバーの内側辺部と右側カバーの内側辺部とを一定距離だけ離 間させてなる離間部を設けるとともに、上記前面カバーの上端部を除く部分に、 左側カバーの内側辺部と右側カバーの内側辺部とを重ね合わせてなる重合部を設 け、かつ上記前面カバーの上端部に形成された離間部を被覆する被覆部を設け、 この被覆部と、上記後面カバーとの間に上記フック部挿通孔を形成したため、衣 服の出し入れ時に、ハンガーが位置する上端部を中心にして前面カバーを大きく 開放することができ、この開放部からハンガーと衣服とを一体の状態で出し入れ する作業等を、無理なくスムーズに行うことができるとともに、上記衣服の上着 を出し入れする際に、ハンガーに掛けられたズボンがずり落ちたり、衣服に皺が 形成されたりするのを効果的に防止できるという利点がある。

【００２７】 また、衣服の出し入れ時に、左右両カバーを左右に押し広げる操作が上記被覆 部によって阻害されるのを防止しつつ、衣服の収納保管時に、前面カバーの上端 部から衣服カバー内に埃等が侵入するのを、上記被覆部により効果的に防止して 衣服を適正に保護できるとともに、上記フック部挿通孔の設置部を上記被覆部に より補強して上記フック部挿通孔の設置部が破断するのを効果的に防止できる等 の利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る衣服カバーの実施形態を示す斜視
図である。

【図２】本考案に係る衣服カバーの実施形態を示す正面
図である。

【図３】被覆部の構造を示す説明図である。

【図４】衣服カバーの前面カバーを開放した状態を示す
正面図である。

【図５】衣服カバーの従来例を示す斜視図である。

【図６】従来の衣服カバーの前面カバーを開放した状態
を示す正面図である。

【符号の説明】

１ 前面カバー １ａ 左側カバー １ｂ 右側カバー ２ 後面カバー ３ フック部挿通孔 ４ 離間部 ５ 被覆部 ６ 重合部 ７ 紐 Ｈ ハンガー Ｋ フック部 Ｗ 衣服

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 左右に開閉自在な左側カバー及び右側カ
   バーを有する前面カバーと、後面カバーとによってハン
   ガーに掛けられた衣服を包み込む袋状に形成され、かつ
   上部中央に上記ハンガーのフック部が挿通されるフック
   部挿通孔が形成された衣服カバーにおいて、上記前面カ
   バーの上端部に、左側カバーの内側辺部と右側カバーの
   内側辺部とを一定距離だけ離間させてなる離間部を設け
   るとともに、上記前面カバーの上端部を除く部分に、左
   側カバーの内側辺部と右側カバーの内側辺部とを重ね合
   わせてなる重合部を設け、かつ上記離間部を被覆する被
   覆部を前面カバーの内面側に設け、この被覆部と、上記
   後面カバーとの間に上記フック部挿通孔を形成したこと
   を特徴とする衣服カバー。
2. 【請求項２】 左右両カバーを閉止した状態に係止する
   一対の紐からなる係止部を備えたことを特徴とする請求
   項１記載の衣服カバー。