JP3070602U - 小形電球 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［課題］ ガラスバルブ１内の不純ガスを排気するため
の排気管に金属製チューブを用いることでチップオフ部
７を金属で構成し、チップオフ部７の破損を防止し、ガ
ラスバルブ１内への封入ガスの封入圧を高めることを可
能にして小形電球の長寿命化を図る。 ［解決手段］ ガラスバルブ１は端部に圧潰封止部２を
形成し、この圧潰封止部２に１対のリード線３、３を気
密に貫通して封着し、ガラスバルブ１内においてリード
線３、３の内端間にフィラメント５を架設している。圧
潰封止部２の下端には、小形電球の製造工程において排
気管として使用した金属製チューブの切断跡であるチッ
プオフ部７を設けている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案はウェッジベース形の小形電球に関し、詳しくは排気管の改良に関する 。

【０００２】

【従来の技術】

車輌用計器類等の背面光源として使用される細径のガラスバルブよりなる超小 形電球はウェッジベース形（無口金形）の構造をなしており、図５を参照にして 説明すると、一端を閉塞し他端にガラス製排気管の封止切り跡であるチップオフ 部９を備えた圧潰封止部２を形成した細径のガラスバルブ１内に、先端にフィラ メント５を架設しビードガラス４により支持された一対のリード線３、３を封装 し、圧潰封止部２には受電端子６、６を添設して形成されている。

【０００３】 上記従来技術の小形電球は一端を閉塞し他端を開口したガラスバルブ内にフィ ラメント、ビードガラス及びリード線よりなるマウントとガラス製排気管を挿入 後、１対の加熱用バーナーでガラスバルブの開口端を加熱溶融して圧潰封止し、 ガラスバルブ内の不純ガスをガラス製排気管より抜き取り後アルゴン等の希ガス を封入し、さらにガラスバルブを液体窒素等により冷却しながら前記ガラス製排 気気管の切断予定部位を加熱溶融して切断し、ガラス製排気管よりなるチップオ フ部を形成するものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上述の排気管にガラス管を用いた小形電球であると、ガラスバルブの他端開口 部を圧潰封止する場合に、開口端近傍を加熱溶融後冷却し、さらに排気管切断の 際にも、切断予定部位近傍を加熱溶融しなければならない。小形電球及びチップ オフ部は、ガラスを材料とし、ガラス特有の脆弱性に加えて、前記加熱溶融によ り、加熱部近傍のクラックや残留歪が生じ易く、製品化された小形電球は容易に 破損し、耐久性が低く、品質上好ましくないという問題点があった。特に、ガラ ス製排気管切断跡であるチップオフ部は、取り扱いの際に外部応力が加わりやす く、また点灯時の内部に封入した希ガスの膨脹により内側からの圧力で破損しや すいという問題点があった。

【０００５】 そこで、本考案は上記従来技術の有する問題点を解決するために、ガラスバル ブ内の不純ガスを排気するための排気管に金属製円筒状チューブを用いることに より、チップオフ部を金属材料で構成し、ガラスバルブに残留歪みがなく、しか も点灯時の封入ガスの膨脹による内側からの圧力によってもチップオフ部が破損 することのない高信頼性、長寿命の小形電球を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案のうち請求項１記載の発明は、ガラスバルブ の端部を圧潰封止し、この圧潰封止部に１対のリード線を気密に貫通して封着し 、前記ガラスバルブ内に於ける前記リード線の内端間にフィラメントを架設し、 前記圧潰封止部下端には排気管よりなるチップオフ部を備えてなる小形電球にお いて、前記排気管よりなるチップオフ部が金属材料より構成されてなることを特 徴とする。

【０００７】

【考案の実施の形態】

以下、図を参照にして本考案の実施の形態について説明する。

【０００８】 図１は、小形電球の正面図、図２は断面図である。これらの図において、透明 なガラスよりなるガラスバルブ１の一端は閉塞され、他端には圧潰封止部２を形 成し、この圧潰封止部２により１対のリード線３、３が支持固定されている。ま た、内部リード線３、３は、ビードガラス４で絶縁的に連結固定され、リード線 ３、３のうちビードガラス４よりも上方部は外向彎曲形成され、リード線３、３ の上端部間にはフィラメント５が架設されている。圧潰封止部２より外部に気密 に導出された前記１対のリード線は圧潰封止部２の下端縁で夫々正背面方に折り 曲げられて圧潰封止部２の外側面に添設し、受電端子６、６を構成している。圧 潰封止部２の底面略中央には金属材料よりなるチップオフ部７を設けている。金 属材料としては、ガラスバルブ１の構成材料であるガラスと熱膨脹率が近似した ものが好ましい。

【０００９】 次に、小形電球の製造方法について説明する。図３に示すように、一端を閉塞 し他端を開口した細径のガラスバルブ１の他端開口よりマウントをガラスバルブ １の内部に挿入する。マウントは、１対のリード線３、３と、ビードガラス４及 びフィラメント５とより構成されている。また、ガラスバルブ１の他端開口より 、ビードガラス４の下方に位置するように、ガラスバルブ１の構成材料であるガ ラスと熱膨脹率が近似した金属よりなる排気管８を挿入配置する。ガラスバルブ １の開口側壁をバーナー１０、１０で加熱すると、ガラスチューブは軟化により 縮径する性質があるため、次第にしぼむ。ガラスバルブ１とバーナー１０、１０ を上下動させて加熱領域を上下方向に拡大すると、ガラスバルブ１の開口部には 肉溜りが形成され、この肉溜りが所定の大きさになると押圧治具で圧潰封止して 、図４に示すようにガラスバルブ１の下端に圧潰封止部２を形成する。排気管８ よりガラスバルブ１内の不純ガスを排気後、内部にアルゴンガス等の希ガスを封 入する。圧潰封止部２より下方に位置する排気管８の上部所定位置を、例えば鋏 等の切断工具を用いて圧潰しながら切断し、金属材料より構成されるチップオフ 部７を圧潰封止部２の下方に形成して小形電球を得る。

【００１０】 本実施の形態における小形電球のチップオフ部７は、金属製チューブよりなる 排気管８を切断工具を用いて圧潰しながら切断して形成するので、従来のように 切断の際に切断予定部位を加熱溶融したり液体窒素等による冷却をする必要性が 無くなり、生産効率が向上し、しかも残留歪等によるクラックや破損を生ぜず、 高信頼性の小形電球を提供し得る。又、排気管８を金属材料を用いて、チップオ フ部７を金属により構成したので、小形電球点灯時に膨脹する封入ガスの圧力に 対して耐久性が十分あり、封入ガスの増量が可能なため、高効率及び長寿命の小 形電球を提供し得る。

【００１１】

【考案の効果】

本考案は、排気管よりなるチップオフ部を金属材料により構成したので、チッ プオフ部形成の際に加熱溶融や冷却作業を必要としないため生産効率が向上し、 しかも得られた小形電球のチップオフ部にクラック等の破損が生ぜず、品質が向 上するという効果がある。

【００１２】 又、チップオフ部が金属材料で構成されているため、封入ガスの圧力に対して 耐圧性があり、封入ガスの封入圧を高めることができ、高効率、長寿命化の小形 電球を提供し得るという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】考案の実施の形態における小形電球の正面図で
ある。

【図２】断面図である。

【図３】小形電球の製造工程を説明する図である。

【図４】小形電球の製造工程を説明する図である。

【図５】従来の小形電球を示す正面図である。

【符号の説明】

１ ガラスバルブ ２ 圧潰封止部 ３ リード線 ７ チップオフ部 ８ 排気管

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガラスバルブの端部を圧潰封止し、この
   圧潰封止部に１対のリード線を気密に貫通して封着し、
   前記ガラスバルブ内に於ける前記リード線の内端間にフ
   ィラメントを架設し、前記圧潰封止部下端には排気管よ
   りなるチップオフ部を備えてなる小形電球において、前
   記排気管よりなるチップオフ部が金属材料より構成され
   てなることを特徴とする小形電球。