JP3070283B2 - 空気流量測定装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は熱式空気流量測定装置に
係り、特に自動車エンジンの吸入空気量を計測するに最
適の空気流量測定装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の熱式空気流量計の抵抗体の素子構
造としては、特開昭60−60521 号に示されるように、例
えばアルミナよりボビンの内側に金属リードを両側から
挿入し、接着剤にて固定する方法がとられている

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記従来技術ではボビ
ンの内径を小さくすると熱容量の増加に伴い応答性が遅
くなり、一方内径を大きくするとリードが偏心して接着
されるため特性バラツキが大きくなり特性精度が悪化す
るといった欠点があった。

【０００４】本発明は、熱式空気流量測定装置の発熱抵
抗体，感温抵抗体を形成するボビン形状を改良すること
により応答性を損なうことなく、特性精度を向上した熱
式空気流量計を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、発熱抵抗体又は感温抵抗体を形成するボビン内径の
一部に、内径軸方向に連続の凹み部を複数個設けるよう
にしたものである。

【０００６】

【作用】発熱抵抗体および感温抵抗体を形成するボビン
内径部に設けた凹み部に金属リードとボビンの接着用の
接着剤を介在させることにより接着・保持する。一方ボ
ビン内径は金属リードよりわずかに大きめの寸法とし、
かつそのすき間に接着剤を介在させてボビンの略中心に
金属リードが位置するように接着する。従って、ボビン
の熱容量を増加させることなく、かつ金属リードをボビ
ンの略中心に接着固定できるため、位置ずれによる熱伝
達特性のばらつきを抑え、かつ金属リードへの熱伝導ば
らつきも抑え得るため、応答性が良好でかつ特性精度も
良好な発熱抵抗体，感温抵抗体を得ることができる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図１，図２により説
明する。図１は本発明における空気流量を検出する発熱
抵抗体５あるいは吸入空気温度を検出する感温抵抗体６
を構成する横断面図、図２はその縦断面図である。

【０００８】例えばアルミナより成るボビン１１の内径
部には複数個の凹み部１２を軸方向に連続に設けてお
り、両側から挿入した電気的導通および機械的保持用の
金属リード１３−ａ，１３−ｂを接着剤１４例えばホウ
ケイ酸ガラス材により接着固定する。その後白金線１５
をボビン１１に巻きつけて抵抗体を形成し、その両端を
金属リード１３−ａ，１３−ｂに溶接等により接続す
る。更に保護用のオーバーコートガラス１６を塗布して
発熱抵抗体５および感温抵抗体６を形成する。

【０００９】次に本発明品を使用した空気流量計の動作
を図３により説明する。空気流量計の構造は、図１に示
すように、空気流量を検出する発熱抵抗体５，吸入空気
温度を検出する感温抵抗体６、及び、吸入空気量を電圧
信号に変換する駆動回路１７に接続するためのアルミワ
イヤ１８，導電性部剤１９，支持ピン２０で構成される
モジュール２と吸入空気が流れるボディ１から構成され
ている。ボディ１に吸入された空気は、主空気通路３と
バイイパス通路４に分流される。バイパス通路４内に配
置された発熱抵抗体５には一定温度に加熱するための電
圧が印加される。この加熱温度は、吸入空気の量に関係
なく発熱抵抗体５と空気温度の差が一定温度に保たれる
ようにはたらく。つまり、空気中に定温度に加熱された
熱線をおくと流量が多いほど熱線の温度は低くなり、こ
の温度変化は流速と空気の密度により決定される。逆に
温度を一定に保つためには流量が多くなるに従って電流
を大きくし、発熱量を増加させる必要がありこの電流と
流量の間には、一対一に対応した関数が成立する。本空
気流量計はこの出力電圧特性を利用し流量を測定するも
のである。また、空気の密度の情報源として空気温度を
感温抵抗体６で補正している。従って本発明のようにア
ルミナボビン１１の内径の一部に複数個の凹み部１２を
設けることにより、金属リード１３をボビン１１の略中
心に保持しながらボビン１１自体の熱容量を小さく抑え
ることができるため、応答性を損なうことなく、かつ、
空気流量に対する出力特性のばらつきを小さくできる。
尚本発明ではアルミナボビンに白金線を巻いた場合であ
るが白金膜を形成した場合でも同様の効果が期待でき、
またバイパス通路内に発熱抵抗体を配置した例を示した
が主通路内に配置した場合でも同様の効果が期待でき
る。

【００１０】

【発明の効果】本発明によれば、吸入空気量を検出する
発熱抵抗体又は吸気温度を検出する感温抵抗体のボビン
内径部複数個の凹み部を軸方向に連続に設けることによ
り、吸入空気流量が変動した時の追従性すなわち応答性
を損なうことなく、空気流量に対する出力特性の精度を
大巾に向上した空気流量測定装置を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す発熱抵抗体，感温抵抗体
の横断面図である。

【図２】本発明の実施例を示す発熱抵抗体，感温抵抗体
の縦断面図である。

【図３】本発明の一実施例を示す空気流量測定装置の断
面図である。

【符号の説明】

１…ボディ、２…モジュール、３…主空気通路、４…バ
イパス通路、５…発熱抵抗体、６…感温抵抗体、１１…
ボビン、１２…凹み部、１３…金属リード、１４…接着
剤、１５…白金線。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内燃機関に吸入される吸気通路中に設置さ
   れた発熱抵抗体、および吸入空気温度を検出する感温抵
   抗体と、前記吸気通路を形成するボディ、及び前記発熱
   抵抗体を定められた温度に加熱することにより空気流量
   に応じた出力電圧信号に変換する駆動回路から成る熱式
   空気流量測定装置において、前記発熱抵抗体又は感温抵
   抗体を形成するボビン内径部に複数個の凹み部を設けた
   ことを特徴とする空気流量測定装置。