JP3069613B2 - 血球のatpおよび2,3dpg濃度を長時間維持する赤血球の保存方法 - Google Patents

血球のatpおよび2,3dpg濃度を長時間維持する赤血球の保存方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本出願は、米国特許出願第07/417761の一部継続出願
であり、上記特許出願は1989年10月6日に出願されたも
ので、その内容を本明細書に引用して編入する。
発明の背景 ヒト赤血球の冷却貯蔵には2種の一般法がある:1)そ
のままの抗凝固剤溶液中に冷却貯蔵する;2)抗凝固剤溶
液および血漿から赤血球を分離し、赤血球貯蔵用に特別
に作られた溶液中に再懸濁した後冷却貯蔵する。
1)そのままの抗凝固剤中に保存する場合には、全血を
通常のとおりクエン酸塩、リン酸塩、デキストロース
(d−グルコース)およびアデニンを含有する溶液(CP
DA−1)、pH5.7中に取り出す。血液を約1500g(低回
転)で遠心し、血漿を除却し、赤血球懸濁液はヘマトク
リット約75%にする。赤小板は2回めの沈降により血漿
から除去できる。
2)保存溶液中への赤血球の再懸濁および貯蔵の場合、
血液を通常のとおりクエン酸塩、リン酸塩、グルコース
のみを含有する溶液、pH5.7中に取り出す。血液は上記
(1)で記載されたのと同じ速度で遠心するが、赤血球
は次にアドソールかまたはヌトリセル(表1参照)(pH
は各々5.7および5.8)のどちらかに再懸濁し、赤血球懸
濁液のヘマトクリットを約55%にする。
貯蔵中のヒト赤血球は形態学的および生化学的変化を
こうむり、この変化にはアデノシン三リン酸(ATP)お
よび2,3−ジホスホグリセリン酸塩(2,3DPG)の血球内
濃度の低下、血球の形態学的変化並びに漸次的溶血が含
まれる。ATP濃度は最初わずかに上昇した後、6週間の
貯蔵後で最初の水準の30−40%まで漸次的に減少する。
赤血球の細胞膜の流動性は、赤血球が脾臓および肝臓の
狭い流路を通過するのに不可欠であり、ATPの濃度にお
およそ相関する。2,3DPGの濃度は、約3または4日の貯
蔵の後に急速に低下し、約10日までにゼロに近づく。2,
3DPGは赤血球中のヘモグロビンが組織に酸素を運搬する
能力に関係する。貯蔵中におこる形態学的変化は最終的
には血球上の小棘を発達させる(エキノサイト−シ
ス)。これらの小棘は小胞として成長し始め、血球の表
面積の容積に対する比率および狭い流路を通過するとき
の変形能力は極端に変化する。このような血球は輸血後
脾臓および肝臓により循環から濾過して除去される。輸
血を許容可能にするために、輸血された赤血球の少なく
とも75%は、輸血後24時間循環されなければならない。
赤血球の保存期間はこのことを基礎として決定する。赤
血球のATP濃度および形態は、輸血用貯蔵血球の適性の
指標として役立つ。
輸血可能な赤血球の保存期間を延長させるために、AT
Pおよび可能な場合は2,3DPGの急速な減少を防ぐある種
の方法で、血球を貯蔵するかまたは処理する必要がある
(例えばハルメニング、米国特許第4112070号およびゴ
ールドステイン、米国特許第4427777号参照)。赤血球
の保存期間を延長させる溶液は公知である(例えばハル
メニング上記およびメリーマン、米国特許第4585735
号、これらの開示は本明細書で引用して全てを編入す
る)。このような溶液の典型的なものでは、クエン酸
塩、リン酸塩、グルコースおよびアデニン並びに場合に
よって血球のATP水準を維持することにより保存期間を
延長される機能があるその他の成分を含有する。ミナカ
ミら(ブルーワー,C.J.編入、エリスロサイト・ストラ
クチャー・アンド・ファンクション、ニューヨーク、リ
ス、149−166頁(1975年)中)は、4℃で測定した血球
内pH(本明細書では以降pHiとして示す)が約7.4であ
り、pHiが血液保存に関係すると考えられるパラメータ
ーであると示唆される場合、赤血球中のグルコース分解
活性が増強されると報告している。しかしながら人工的
に干渉する(例えばハルメニング、上記参照)ことな
く、または輸血用に認化されていないアンモニウムのよ
うな化合物を含有(例えばメリーマン上記、参照)しな
いで、長時間貯蔵中にATPおよび2,3DPGの両方を水準に
維持する溶液は、公知ではない。
長期間の貯蔵に関連するATPおよび2,3DPGの減少並び
に形態学的変化を幾分逆行させることができ、それによ
り赤血球を回復させることができる方法および溶液は考
案されている。しかしながら回復化溶液は、輸血には適
していない;これらは血球を輸血する前に除去しなけれ
ばならない。従って、この方法に関連する汚染の危険性
がある。米国の法律では、このように処理した血球は細
菌繁殖の危険性を最低限に抑えるために24時間以内に輸
血しなければいけないということを要求している。血球
を汚染の危険にさらさないで、類似の系統の回復化溶液
を除去できる装置が今では開発されている。しかしなが
ら、血球を回復させた後、血球は輸血に適した溶液で洗
浄しなければならない。しかしながら通常の洗浄溶液、
例えばグルコース−生理食塩水溶液は、24時間を越す貯
蔵には適していない。
赤血球を洗浄しなければならない実例は他にもある。
例えば、グリセリン中冷凍して貯蔵する赤血球は、使用
する前に洗浄して脱グリセリン化しなければならない。
モーレら(ボックス・サング、53巻19−22頁(1987年)
はリン酸塩緩衝塩化ナトリウム洗浄溶液を用いて凍結赤
血球を脱グリセロール化し、アデニン、アスコルベート
−2−リン酸塩、リン酸三ナトリウム、デキストロール
およびマンニトールを含有する溶液、pH11.0および容量
オスモル濃度446ミリオスモルに再懸濁することについ
て報告している。ATPおよび2,3DPGは共に21日間十分に
維持した。しかしながらアスコルベート−2−リン酸塩
は輸血用の溶液としての使用は認められていない。それ
に続く発表では、カルメンら(トランスフュージョン28
巻157−161頁(1988年))は、アスコルベート−2−リ
ン酸塩含有溶液中5週間しか貯蔵していない赤血球は初
期値の22.2%の水準までATPを喪失し、24時間の生存は7
5%以下になると報告している。
その他の処置に供した赤血球もまた輸血する前に洗浄
しなければならない。例えばゴールドステイン、上記
は、血球がその細胞機能を喪失しない条件下で、A型赤
血球からストロマのB型抗原決定基の末端ガラクトース
部分を除去することによりB型赤血球をO型赤血球に転
換し、それにより輸血に適したものにする方法を開示す
る。末端ガラクトースの酵素開裂は低いpHで行わなけれ
ばならない。酵素処理の後、赤血球を0.01Mリン酸カリ
ウム緩衝液で緩衝した等張塩化ナトリウム、pH7.4で、
一部は残留酵素を洗い流すため、および一部はpHを上げ
るために洗浄する。細胞の代謝実験により、この処理直
後のATP水準は90%以上を保ち、2,3DPG水準は80−90%
であることが示されるが、これらの水準はこの洗浄液中
に引き続いて貯蔵する間は維持できない。
赤血球の輸血には、ウイルス例えば非A非B型肝炎ウ
イルスおよびヒト免疫不全ウイルスに感染している供与
者から得られた血液により受容者がウイルス感染する危
険性がある。この危険性を軽減するために、血球をウイ
ルスを不活化する薬物で処理する方法が報告されてい
る。赤血球の毒性を取り除くが、次に赤血球を輸血に適
したものにするために不活化剤を除去する目的で洗浄し
なければならない。このような血球を続いて貯蔵できる
再懸濁溶液は入手できない。
特定の情況下では、冷蔵赤血球の保存期間がこの42日
を越すのが望ましい。選択的な手術に使用するために取
られたオートロガス単位は、手術と実施できる前に期限
が切れるかもしれない。エイズまたは肝炎に感染してい
るかどうかを明白にするために供与者の再検査を可能に
するために血液を数か月貯蔵すべきであるということも
提案されている。手間がかかり経費が高くつく凍結以外
は、このような能力のあるものが存在することは知られ
ていない。
輸血可能な赤血球が危急に必要とされているために、
ATPと2,3DPGの両方の血球内水準が高く、形態学的に良
好で、洗浄後の溶血が少ないということを維持する方法
および溶液を開発するだけでなく、現在用いられている
方法により成就されるものよりも良好な保存特性を有す
る、未洗浄赤血球の日常的回収および再懸濁の方法をも
開発するのが非常に重要である。さらに、輸血可能な赤
血球の洗浄と貯蔵の両方に適した溶液を開発する必要が
ある。
当業界では、赤血球を回収後貯蔵するが、洗浄はしな
い方法を開発することが非常に必要である;このような
方法は実質的に臨床において重要である。
また輸血可能な赤血球中のアデニン量は、腎毒性が懸
念されるため、減少させるか排除するのが望ましい。
本発明の要旨 本発明は、予め洗浄するか、または洗浄していない輸
血可能な赤血球の貯蔵保存期間を延長させるための改善
方法であって、以下の事を含む方法を提供する:上記血
球の血球内pHを正常な生理学的水準(pH7.4、22℃)に
匹敵するかまたはそれ以上の水準まで上昇させる;溶質
に関して低張で血球を透過せず、輸血用として臨床的に
可能な、生物学的に適合した緩衝化溶液中に上記血球を
貯蔵する。
本発明はまた、貯蔵する前に赤血球の血球中pHを上昇
させる方法をも提供する。
本発明はさらに、輸血可能な赤血球の保存期間を延長
する方法であって、実質的に塩化物を含有せず、少なく
とも1種の実質的に非透過性溶質を含有する、機能的に
低張で、生物学的に適合する緩衝溶液中上記血球を洗浄
および貯蔵することを含む方法を提供する。
本発明は、赤血球内の塩化物濃度を低下させることを
含む、輸血可能な赤血球の保存期間を延長させる改善方
法を提供する。
本発明は、輸血可能な赤血球の保存期間を延長させる
方法であって、上記血球の血球内pHを正常の生理学的水
準、pH7.4よりも高い水準まで上昇させる生物学的に適
合した緩衝溶液で上記血球を洗浄することを含む方法を
提供する。
また、赤血球の保存期間を延長する方法であって、血
球を生物学的に適合した緩衝溶液で低ヘマトクリットに
希釈し、それにより赤血球の保存期間が、同一緩衝液中
ヘマトクリット約55%で貯蔵した赤血球の保存期間に比
較して延長されることを含む方法も提供する。
本発明はまた、赤血球保存溶液の成分としてアデニン
の要求を減じるかまたは排除する。
本発明は、貯蔵溶液のアデニンを減少させまたは排除
し、赤血球を形態学的に改善し、溶血を減じ、ATPおよ
び2,3DPGの血球内水準を上昇させ、延長した期間中生理
学的濃度でまたはそれ以上で上記水準を維持する方法を
提供することにより、−予め洗浄したまたは洗浄しない
−赤血球の貯蔵方法を有意に改善する。
本発明の実施において、赤血球の保存期間は、従来の
技法を用いて貯蔵する赤血球の保存期間に比較して有意
に改善される。
図面の簡単な説明 図1は赤血球をリン酸塩洗浄液、pH7.4で洗浄後 または生理食塩水洗浄液、pH7.4で洗浄後 ARC32中4℃±2℃で延長して貯蔵している間の赤血球
内のATPのパーセンテージを表す。図中100%は新鮮赤血
球内の2,3DPG量である。
図2は赤血球をリン酸塩洗浄液、pH7.4で洗浄後 または生理食塩水洗浄液、pH7.4で洗浄後 ARC32中4℃±2℃で延長して貯蔵している間の赤血球
内の2,3DPGのパーセンテージを表す。図中100%は新鮮
赤血球内のATP量である。
図3は赤血球をリン酸塩洗浄液、pH7.4で洗浄後 または生理食塩水洗浄液、pH7.4で洗浄後 ARC32中4℃±2℃で延長して貯蔵している間の、また
は赤血球を生理食塩水洗浄液で洗浄後、pH5.7でCPDA−
1中4℃±2℃で延長して貯蔵している間 の赤血球のモルフォロジカル・インデックス(形態学的
指標)を表す。
図4は赤血球をリン酸塩洗浄液、pH7.4で洗浄後 または生理食塩水洗浄液、pH7.4で洗浄後 ARC32中4℃±2℃で延長して貯蔵している間の、また
は赤血球を生理食塩水で洗浄後、pH5.7のCPDA−1中4
℃±2℃で延長貯蔵している間 の赤血球の溶血のパーセンテージを表す。図3および図
4は、高pH溶液中の赤血球貯蔵の優越性を示すが、図1
−図4は塩化物濃度を低下させることが決定的に重要で
あることをも示している。
図5はARC8、pH7.5 またはリン酸塩緩衝生理食塩水洗浄液(154mM NaCl、2
mM NaH2PO4、7.7mM Na2HPO4)、pH7.31 で洗浄後、ARC8、pH7.5、4℃±2℃で6週間貯蔵した
赤血球のインデックス並びにATP および2,3DPG のパーセンテージの比較を表す。この図はリン酸塩緩衝
液を生理食塩水洗浄液に添加しても、塩化物濃度を低下
させ、かつpH7.4で強く緩衝する洗浄液と比較して、ATP
および2,3GTPの維持に関して、有益性を供し得ないこと
を示す。
図6は生理食塩水洗浄液、重量オスモル濃度286、pH
7.4またはクエン酸ナトリウム(122mM)、重量オスモル
濃度297、pH7.39のどちらかで洗浄後、続いてARC9C、pH
7.5中4℃±2℃で貯蔵した赤血球内のATP および2,3DPG の水準の比較を表す。この図はpH7.4で極わずかしか緩
衝能力のないクエン酸塩で洗浄しても、2,3DPGの維持に
関して生理食塩水洗浄液よりも優れており、これはこの
非透過性陰イオンにより誘起される塩化物シフトのため
である。
図7は血球をpH7.4に調整した等張クエン酸ナトリウ
ムを含有する洗浄液で連続的に洗浄したときの、血球外
pH および血球内pH の変化を示す。血球洗浄時に、拡散性のあるイオン、例
えば塩化物は希釈され、それにより濃度が低下する。血
球内pHおよび血球外pHの間の最大の差は、塩化物濃度
が、本来の値の約10%まで希釈された時に観察された。
図8は血球をpH7.4に調整した等張リン酸ナトリウム
で漸次的に洗浄したときの、血球外pH および血球内pH の変化を示す。リン酸塩は赤血球膜により十分に排除さ
れないので、この洗浄溶液は血球内pHと血球外pHの間の
差を生じない。しかしながら、リン酸ナトリウムはpH範
囲7.0−8.0で良好な緩衝能力を有するので、血球内pHの
水準は洗浄溶液のpHの水準まで上昇する。
図9は塩化物シフトを誘起するクエン酸塩の利点(図
7参照)並びに血球内および血球外の両方のpHを支持す
るリン酸塩の利点(図8参照)を組み合わせに溶液(AR
C8)で洗浄した細胞のpH効果を説明する。血球内pH 血球外pH 図10は最初に、pH7.4に調整したリン酸塩緩衝等張ク
エン酸ナトリウムで洗浄し、次に塩化ナトリウムで洗浄
したときの、血球外pH および血球内pH に及ぼす影響を示す。最初のクエン酸塩洗浄は血球内の
高いpHを確立する決定的な段階である。これはpH7.0−
8.0の範囲で強い緩衝液であるヘモグロビンのpHを上昇
するので、塩化物の再導入により塩化物シフトを逆転し
た後でさえもpHiはそれにより維持される。
図11は最初に等張グリセロリン酸ナトリウム、pH9.5
で洗浄し、次にARC8で洗浄したときの、血球外pH および血球内pH に及ぼす影響を示す。グリセロリン酸塩は塩化物シフト
を最大にし、同時に血球外pH、さらには血球内pHを上昇
させるので、7.0−8.0の範囲で良好な緩衝液であり、非
透過性で、赤血球洗浄に理想的な溶質になる。グリセロ
リン酸塩は現在、輸血可能な溶液中での使用が認められ
ていないので、pHiが高いという利点を失なわないで、A
RC8により洗い流される。
図12は有効な低張が貯蔵中の赤血球のモルフォロジカ
ル・インデックス(形態学的指標)および溶血に及ぼす
有益な効果を説明する。赤血球単位の半分を有効な重量
オスモル濃度126ミリオスモルのARC8(血球を透過する
グルコースの重量オスモル濃度を除外するので、従って
血球容積には影響しない)で洗浄し貯蔵した。赤血球単
位のもう一方の半分は、マンニトールを添加して有効な
重量オスモル濃度を308ミリオスモルで等張にしたARC8
中で貯蔵した。マンニトールが貯蔵中の赤血球の溶血を
防ぐという評判にもかかわらず、溶血と形態学は共に等
張溶液中劣っていた。
図13は4℃で測定した平均モルフォロジカル・インデ
ックス(形態学的指標)、血球内pH(pHi)および血球
外pH(pHx)、並びに洗浄および7週間のヘマトクリッ
ト55%での貯蔵を両方共に行った赤血球6単位の2,3DPG
およびATPの初期濃度のパーセンテージを示す。これは
本発明の原理を利用できる優れた貯蔵であることを説明
する。7週間ATPおよび2,3DPGを両方を延長して上昇さ
せ、並びにモルフォロジカル・インデックス(形態学的
指標)を90%以上にできる赤血球の貯蔵方法は報告され
ていない。
図14はクエン酸ナトリウム抗凝固剤、pH7.4、64mlに
取り、約7300g(高回転)で10分間回転し、ヘマトクリ
ット98%にし、ARC27、pH7.4、170mlに再懸濁した赤血
球単位を、ARC27中4℃での貯蔵週間の関数として、モ
ルフォロジカル・インデックス(形態学的指標)、溶血
のパーセンテージ、並びに2,3DPGおよびATPの初期血球
内濃度のパーセンテージを表す。赤血球単位の4℃での
初期pHiは7.87であった。塩化物濃度は34mMであった。
この図は、非透過性溶質および/またはpHが7.0−8.0の
範囲で良好な緩衝液で塩化物を洗い流すことにより達成
される利点は、再懸濁する前に高回転で赤血球ヘマトク
リットを最高にし、血漿の持ち越しを最低にすることに
より、洗浄しないでかなりの程度塩化物濃度の減少が達
成できることを示す。4℃で貯蔵中のATP、2,3DPGおよ
び形態学に関してこの品質を獲得できる赤血球の保存計
画は、広く用いられたり報告されたりしていない。比較
するために、従来の方法でアドソル中6週間保存した赤
血球に通常見られるモルフォロジカル・インデックス
(形態学的指標)およびATP水準を示す。アドソル中で
は2,3DPGは10−14日でゼロに近づく。
図15はARC30、2で希釈し、これの存在下貯蔵した
赤血球をヘマトクリット10%、4℃での数週間の貯蔵し
たときの機能として、モルフォロジカル・インデックス
(形態学的指標)、溶血のパーセンテージ、並びに2,3D
PGおよびATPの初期血球内濃度のパーセンテージを表
す。多量の緩衝液はATPおよび2,3DPGの維持を少なくと
も14週間まで延長する。
図16は非臨床使用のため、例えば貯蔵状態を貯蔵溶液
が輸血用として可能かどうかに関係なく最適にできるタ
イピング・パネル(typing panels)のため赤血球貯蔵
を説明する。この実施例では、赤血球は、糖分解の基質
として供せられるグルコースおよびアデニンに加えて、
非透過性溶質であるグルコン酸ナトリウム1.6重量%、
および血球を透過する優れた緩衝液である二塩基性リン
酸アンモニウム0.66重量%を含有する溶液中ヘマトクリ
ット8%で貯蔵した。ATPおよび2,3DPGを30週間維持す
ることは、赤血球貯蔵の分野で前例がなく、本発明の可
能性を説明する。
図17は図15でのように調製するが、ARC30中に存在す
る10分の1量のアデニンを含有する希釈溶液を用いて調
製した貯蔵赤血球の結果を説明する。ATPおよびモルフ
ォロジカル・インデックス(形態学的指標)の維持は図
15で示されるものに匹敵するが、2,3DPGの維持は著明に
良好であり、本発明により貯蔵される赤血球が通常用い
られる濃度のアデニンを必要とせず、それどころかアデ
ニンが存在しない方が有益であることを示している。
好ましい態様の説明 他に定義しない場合、本明細書で用いられる全ての技
術的および科学的用語は、通常の当業者により一般的に
理解されるのと同一の意味を有する。本明細書に記載し
た全ての刊行物は引用して編入する。
本明細書で用いられる、赤血球の改善した延長保存期
間または改善した貯蔵とは、生存可能な赤血球を延長し
期間低い溶血性で並びに血球のモルフォロジカル・イン
デックス(形態学的指標)およびATPおよび2,3DPGの水
準は、当業者に既知の通常の方法で貯蔵された血球中の
モルフォロジカル・インデックス、ATPおよび2,3DPGの
水準よりも大きい水準での保存を示す。
この用語は、約30−60日もしくはそれ以上、たいてい
の場合は90以上、または120−160日以上さえもの期間、
貯蔵に適用することを意味する。
本明細書で用いられる、低ヘマトクリットでの貯蔵と
は、55%より低いヘマトクリットでの貯蔵を意味する。
典型的な低ヘマトクリット貯蔵はヘマトクリット5−10
%で行う。
本明細書で用いられる、血球内pH(pHi)は、血球内
部のpHである;一方血球外pH(PHx)は上記血球を保持
する溶媒のpHである。他に指示しない場合、pHは室温、
約22℃で測定する。従ってpHiが約7.4であると述べる場
合、これは約22℃で測定したpHiである。溶液のpHは温
度に依存するパラメーターであり、温度依存性の程度
は、容易に測定でき、溶液中の特性の溶質の機能であ
る。約22℃での赤血球のpHi7.4は約4℃でのpHi約7.9に
等価であり、22℃でのpHx7.4は約4℃での約7.65に等価
である。貯蔵中の血球は4℃±2℃であるので、貯蔵中
の血球に関連するpHは4℃測定し、本文中にそのように
示す。
本明細書で溶いられる、透過性溶質は赤血球の細胞膜
を受動拡散により自由に通過する能力がある溶質であ
る。このような溶質はグルコースのような小さな非電解
質であってもよいし、また塩化物、酢酸塩もしくはリン
酸塩のような小さな陰イオンであってもよい。非透過性
溶質には、マンニトールおよびショ糖のような大きな非
電解質、またはクエン酸塩、グルコン酸塩、およびグリ
セロリン酸塩のような大きな陰イオンが含まれる。陽イ
オンは、その電荷のために細胞膜を透過しない。例外は
アンモニウムイオンであり、これは中性の分子、すなわ
ちアンモニアとして血球に入り、血球内で再びイオン化
状態になる。(例えばメリーマン,H.T.アメリカン・ジ
ャーナル・オブ・フィジオロジー225巻365−371頁(197
3年)参照) 本明細書で使用される生物学的に適合する溶液または
生物学的に適合する緩衝溶液は、それと接触する血球が
この中で生存し続けることができる溶液である。接触に
は、血球が何らかの方法で溶液にさらされる任意の方
法、および限定するものではないが緩衝溶液中の血球の
懸濁が含まれる。生物学的に適合する緩衝溶液は、細胞
膜の完全性を維持するのに適し、その溶液と接触する血
球の生物学的および生理学的反応を阻害または破壊しな
いpHおよび塩濃度を有する。典型的なものでは生物学的
に適合する緩衝溶液はpH5−9.0であり、等張またはわず
かに低張もしくは高張である。生物学的に適合する緩衝
溶液には、それに限定するものではないが、以下の表1
に記載したものが含まれる。
本明細書で使用される、赤血球の血球内pHを上昇させ
る生物学的に適合する溶液は、本発明に従って調製さ
れ、その溶液と接触する血球の血球内pHを上昇させる生
物学的に適合する緩衝溶液である。赤血球の血球内pHを
上昇させる生物学的に適合する緩衝溶液の実例には、本
発明に従って用いられ、限定するものではないが、実質
的に塩化物イオンを含有せず、pHは5−9.0、一般的に
は7.4−7.5の溶液が含まれる。以下の表2に記載する溶
液、例えばARC8は、溶液と接触する赤血球の血球内pHを
上昇させる生物学的に適合する緩衝溶液の実例である。
CDPA−1およびアドソルはバクスター・トラベノール
より、ヌトリセルはカッターより市販されている。
重量オスモル濃度は非透過性成分により寄与される有
効重量オスモル濃度である。
本明細書で用いられる有効重量オスモル濃度は、赤血
球膜を透過せず、従って赤血球の容積の決定に役立つ複
数の溶質の組み合わせ重量オスモル濃度を示す。
本発明により、塩化物濃度を低下でき、pHiを約22℃
で測定した時に約7.4−約8.5に上昇できる場合、赤血球
は何週間も、ATPおよび2,3DPGは正常の水準かまたはそ
れを上回り、形態は非常に良好で、イン・ビボで24時間
生存できるように貯蔵できるということが発見された。
本発明により、赤血球の保存期間は塩化物の初期希釈の
程度、pHiの上昇および貯蔵溶液中に適当な緩衝液を含
有することにより貯蔵中のpHiを維持できる程度に依存
することもまた発見された。
本発明により、pHiは任意の手段により上昇でき、そ
れにより、約22℃で測定した場合、約7.4を上回る水準
にまで上げられる。pHiの初期上昇をこの水準にまで到
達させるとりわけ有効な機構は、非透過性陰イオンまた
は非電解質を含有する溶液で血球を洗浄した場合に起こ
る塩化物シフトである。これらの情況下で塩化物を血球
から洗い出し、血球内塩化物と入れ替える対陰イオンが
不在で、中性の電荷を維持するためにOH-が血球内に入
り、それにより血球内Hが中和されpHiが上がる。本明
細書で示すように、種々の洗浄溶液はpHiおよびpHxの両
方を操作でき、ある情況下ではpHiを8.0を越すまで上昇
させる。
塩化物シフトにより生ずるpHi/pHxの差は、透過性陰
イオンを再び導入しない限り、貯蔵期間中ずっと維持さ
れる。このことは、血球外緩衝液によるpHxの維持は、p
Hiを有効な糖分解が進行できる水準で維持することを助
けることを意味する。
一方、一度pHiが上昇すると、強力な緩衝液である血
球内のヘモグロビンが、たとえ塩化物またはその他の透
過性陰イオンを再導入できても、pHiを維持する傾向が
あり、pHi/pHx差を効果的に排除する。
低温(例えば4℃)貯蔵中のpHiの維持には2個の因
子が重要である:pHiを上昇させる塩化物シフトの誘導お
よび懸濁溶液の緩衝能力を最大化。貯蔵中、pHiおよびp
Hx間の差は、透過性陰イオンが導入されない限り、貯蔵
期間中維持される。血球外pHすなわちpHxは、pHi/pHxに
反映し、その結果pHxの維持が間接的にpHiを維持するこ
との基礎を確立する。緩衝液の緩衝能力が、例えば緩衝
液の量を増やすことにより増強する場合、pHiは何週間
も維持できる。これは、今度はATPおよび2,3DPGの上昇
した水準の維持をもたらす。
塩化物シフトを最大にすること、および緩衝能力を最
大にすることという2個の目的は、種々の手段により貯
蔵赤血球により成就される。このように行うための1個
の有効な手段は、血球を低いヘマトクリットで貯蔵し、
緩衝液の血球に対する比率を非常に大きくすることであ
る。輸血可能な赤血球は14週間以上低ヘマトクリットで
冷却貯蔵した後に回収できる。タイピング・パネルでの
使用に適した血球は、少なくとも30週間冷却貯蔵した後
に使用するために回収できる。
懸濁液の有効重量オスモル濃度は、赤血球貯蔵時間延
長における重要なもう1個の因子である。有効重量オス
モル濃度とは、血球を透過せず、それにより血球容積に
影響を与える容質の重量オスモル濃度を示す。有効な低
張は実質的に貯蔵溶血を減少させることが示されている
(メリーマン、上記)。機構は解明されていないが、恐
らく浸透圧による隆起が血球表面の張力を増加させ、そ
れにより、通常貯蔵赤血球に関連する形状の変化に先ん
じる。その機構にかかわらず、貯蔵溶血は、血球を透過
しない血球外溶質の濃度をちょうど溶血には及ばない重
量オスモル濃度に制限することにより、何分の一にも減
少できる。
メリーマンにより報告されるように(上記)、巨大分
子安定剤として知られる溶質から成り、少なくとも1種
の赤血球を透過できる溶質を含有する溶液に赤血球を懸
濁する場合、膜面積が増加し、通常170ミリオスモル
で、約120μの容積で溶血し始める赤血球が、溶血し
ないで80ミリオスモルほどの低い重量オスモル濃度の溶
液に懸濁でき、容積は約170μに達することができ
る。本発明で溶いる溶質、主にリン酸塩、クエン酸塩お
よびグルコースは、全て巨大分子安定剤であり、グルコ
ースに関しては透過性溶質である。従って、膜の膨張現
象が赤血球貯蔵溶液の有効重量オスモル濃度を正常では
溶血すると考えられるよりも低い重量オスモル濃度まで
低下させることに優越性に見出すことができる。
赤血球を本発明により貯蔵する場合、アデニンは糖分
解の基質としてもはや必要とされない。なぜならば、糖
分解は多かれ少なかれ生理学的条件下で起こっていると
考えられ、ヌクレオチドは消費されるよりもむしろ再循
環されるからである。
本明細書で開示した洗浄赤血球の貯蔵のための本発明
の任意の態様を実施する場合、第一段階として、血液を
供与者から当業者に公知である適切な溶液、例えばCPDA
−1、CDPまたはクエン酸塩抗凝固剤に取り、血小板に
富む血漿を8時間以内に除去する。残った赤血球は当業
者に公知の標準洗浄液または希釈方法を用いて洗浄する
かまたは残留血漿量が有意に減少するまで希釈する。
本発明に従って洗浄赤血球を貯蔵する場合、血球の血
球内pHを上昇させる生物学的に適合した緩衝液で血球を
洗浄する。血球内pHを上昇させるために、血球は塩化物
イオンを実質的に含まず、pHが少なくとも約7.4で、少
なくとも1種の非透過性陰イオンまたは非電解質を塩化
物イオンの代わりに有する溶液で洗浄できる。
別法として、血球を洗浄するよりむしろ実質的に塩化
物陰イオンまたはその他の透過性陰イオンを含まず、非
透過性もしくは実質的に非透過性の陰イオンまたは非電
解性をそれの代わりに含有する緩衝液中に、またはその
緩衝液で赤血球を希釈してもよい。また、赤血球を貯蔵
する前に血球の血球中pHを上昇させる任意の処理方法が
本発明の範囲に含まれることをも意図する。
洗浄または処理赤血球を洗浄溶液とは異なる溶液中に
貯蔵しようとする場合、標準的な方法を用いて血球を沈
降させ、ヘマトクリットを一般的に約90より大きくし、
上清を除去し、血球懸濁液の最終的な用途に依存して、
望ましい貯蔵溶液の適当な容量中に再懸濁する。
本発明による実施態様においては、赤血球は洗浄され
ず、血液はドナーから血液凝固阻止剤、例えばCPDA−
1、CDP又は、pHを7.0又は、より高く(7.0ないし8.5、
好ましくは7.4−7.5)に調節したクエン酸溶液にとられ
る。血液凝固阻止剤中全血球の集収に続いて、赤血球
を、例えば全血液を比較的高い力(「ハードスピ
ン」)、例えば、しかし限定されない、約7268Gで10分
間遠心分離することにより血漿から分離され、これによ
り赤血球は約90%又はそれ以上のヘマトクリット値で詰
められる。パックされた細胞は、約7.4よりも大のpHiを
維持するのに充分な適当な容量の実際上低張の生物学的
に適合しうる緩衝液、例えばARC8に再び懸濁される。細
胞懸濁液の最終容量は、この分野の当業者に知られた輸
血しうる赤血球を蓄えるのに普通に用いられる量に類似
する、典型的には350ないし400mlに選択される。この方
法はこれまで報告されたいかなる方法よりも優れた非洗
細胞用貯蔵特性を生ずることができる。
本発明の別の実施態様においては、適当な血液凝固阻
止剤、例えばCDP、CPDA−1又はクエン酸塩血液凝固阻
止剤中、いかなるpHにても、血漿を除去して、血液を集
めたのち、赤血球を、適当な量、例えば、しかしこれに
限定されない。約21の有効な低張の生物学的に適合しう
る緩衝液、例えば、しかしこれに限定されない、少なく
とも約7.0のpHを有するABC8を添加することにより低ヘ
マトクリット値に希釈でき、血球を4℃で少なくとも14
週間にわたって貯蔵する。
このような貯蔵のための希釈は適当な手段により達成
しうる。例えば赤血球を伸長バッグに導入し、約21の少
くとも約7.0のpHを有する生物学的に適合しうる緩衝溶
液で希釈できる。4℃で貯蔵する間、バッグは、垂直位
置につるすことができる。血球はバッグの底におさま
る。必要ならば、貯蔵の間、血球をゆるやかに混合する
ことができる。血球を輸注する時に、おさまった血球
は、バッグの底から血球をから移送パックに排出するこ
とにより又は、輸注のために用いることができる非汚染
バッグ赤血球を生ずる別の方法によりバッグから移動で
きる。
輸注の前に、形態学的インデックス、溶血のパーセン
ト、血球内pH、及び貯蔵血球のATP及び2.3DPGレベルを
測定しうる。
形態学的インデックスは、この分野の当業者に知られ
た方法により測定しうる。例えば、ホグマン等の方法
(ホグマン、シー.エフ.等(1980)ヘマトロジア13:1
35−144)に従って光学顕微鏡内のパラホルムアルデヒ
ド固定血球の形態学の直接観察により測定でき、ここ
で、血球は、それが正常の円盤形から離れた範囲に従っ
て記録される。
溶血のパーセントは、この分野当業者に知られた方法
により測定されうる。例えば血球の試料を以下の式を用
いてヘモグロビノメーター(コールター・エレクトロニ
ックス、インコーポレーテッド、ハイアリー、フロリ
ダ)でパーセント溶血をアッセーできる。
ATP及び2.3DPGのレベルはこの分野の当業者に知られ
た方法により測定しうる。例えば、赤血球は、テクニカ
ル・ブレチンズ336−W及び35−(シグマ・ケミカル・
カンパニイ・セントルイス・ミズウリ)に記載された方
法に従って、分光測光器、例えばモデルD〜、(ベック
マン・インストルーメンツ・インコーポレーテッド.フ
ラートン.カリフォルニア)及びレコーダー、例えばモ
デル2000(ギルフォード・インストルーメント・ラボラ
トリーズ.インコーポレーテッド.オバーリン.オハイ
オ)を用いてATP及び2.3DPGについてアッセーできる。
血球内pHは、この分野の当業者に知られた方法により
測定しうる。かかる方法の一つで赤血球は十分な加速で
遠心分離して固い血球ペレットを形成する。上澄液を除
去してパックした血球はこれらを溶血するために次いで
凍結し、溶解される。溶血血液のpHは血球の血球内pHと
同じように測定される。一般に、温度にpH依存するので
このような測定は4℃で実施するか、又は温度に帰する
ことができる違いを修正する。
低ヘマトクリット値貯蔵系は又、タイピングに対して
赤血球の貯蔵用に用いることができる。このような血球
は現在約30−40日の貯蔵安定性で低ヘマトクリット値で
供給される。タイピングに対して、溶血は5%を越えて
はならない。赤血球が輸注されるべきでない場合、貯蔵
溶液の成分に課せられる制限はないので、本発明の通り
に実質的に貯蔵安定性を増加する全ての溶質を使用しう
る。これらの溶質は、リン酸アンモニウム、グルコン酸
ナトリウム又はグリセロリン酸ナトリウムを含む。リン
酸アンモニウムは血球に入り、すぐれた緩衝液である
が、浸透性効果はない。グリセロリン酸ナトリウム及び
グリコン酸ナトリウムは血球に侵入せず、従って塩化物
シフトを最大にする。例えばこれらの溶質を用いること
ができ、タイピングに用いられる血液の貯蔵安定性は少
くとも30週間延長できる。
APC8もレジュベネイション(rejuvenation)溶液とし
て作用する。ADSOLに42日間貯蔵し、次いでARC8で洗っ
た血球はさらに5週間の貯蔵時間を獲得し、これにより
レジュベネイションを達成するために37℃のインキュベ
ーションの必要を除き、次いで広く実施されるものとし
て凍結する。
本発明の方法を用いる好ましい実施態様では、血液は
7.0又はそれより高いpHに調整されたCDP又はクエン酸塩
血液凝固阻止剤に入れる。約8時間以内に、血液は少く
とも10分間で少くとも7000g沈降し、少くとも90%、好
ましくは95ないし98%のヘマトクリット値で固いパック
された赤血球を作る。赤血球を他の血液成分から分離
し、少くとも100ml、好ましくは150と200mlの間のARC8
に再び懸濁する。再懸濁が100ml以上のARC8中であると
き、溶液の成分の濃度は、100mlのARC8中に存在する各
々の同じ量があるよう減少すべきである。集められ、分
離され、この形式で貯蔵された血球は、6週間の貯蔵
後、通常の形式で集められ、貯蔵された血球よりもすぐ
れたATP、2.3DPG、形態学的インデックス、血球内ナト
リウム濃度及び溶血を有する。別法として血漿を除去
後、血球を約21のARC8に直接希釈し、低ヘマトクリット
値で貯蔵する。より特異的には、成分分離後、パックさ
れた赤血球を21のARC8溶液に加え、これで大体10倍希釈
液に達する。この10倍希釈液は塩化物シフトを最大に
し、血球外溶液の有効な浸透圧重量モル濃度を減ずる。
血球外溶液の容量を10倍より増したものも、貯蔵の増pH
のi及びpHxの両方を維持する緩衝液の実質的保有体を
供給する。この方法は、少くとも14週間の貯蔵を提供す
る。
以下の実施例は、説明の目的のみを含み、本発明の範
囲を限定する意図はない。
実施例1 洗浄血球の貯蔵 450mlの血液をドナーから63mlのCPDA−1に取った。
血小板リッチな血漿を除去した。残った血球を2つの等
しいアリコットに400mlバッグに分け、バッグを、pH7
で、標準等張食塩溶液(0.9%NaCl)又は、リン酸緩衝
液である洗浄液で満した。次いで血球を、ソルボールPC
3C臨床遠心機中、1471gで5分間遠心分離し、洗浄段階
をもう1度繰り返した。残った血漿の濃度は約102のフ
ァクターに減した。
洗浄後、血球を再び2つのアリコットに分けて、CPDA
−1、pH5.7またはARC32pH8中に約45のヘマトクリット
値まで再び懸濁した。再懸濁した血球は4℃+2℃で貯
蔵した。貯蔵した血球を定期的にサンプリングして、2.
3DPG及びATPのレベル、並びに形態学的インデックス並
びに百分率溶血を測定した。図1−4はこれらの測定の
結果を描く、貯蔵前にリン酸塩溶液で洗浄した血球は、
食塩水で洗浄した血球に比べて貯蔵の期間、ATP及び2.3
DPGとも実質的に高いレベルを有し(図1及び2)、よ
り高い形態学的インデックス(図3)及び有意に低い溶
血の百分率(図4)を有したことが判かる。さらに、図
2において、リン酸塩中洗浄した血球における2.3DPGの
レベルは、新鮮な血液血球におけるレベルよりも実質的
に高く、一方、食塩水洗浄血球での2.3DPGのレベルは、
貯蔵の期間、新鮮な血球中のレベルより下に速やかに減
じたことが判かる。食塩水中洗浄し、低pH溶液、本実施
例においてCPDA−1 pH5.7で貯蔵した血球は、形態学
的インデックスにおいてより速やかな減少を示し(図
3)、溶血において上る(図4)。
実施例2 洗浄血球の貯蔵 血液を実施例1のように取った。赤血球を2つのアリ
コットに分け、ソルボールRC3C臨床遠心機中、2つの10
分サイクル2995gを用いて2回洗浄した。残った血漿の
濃度はこれにより約103のファクターまで減じた。洗浄
溶液は、ARC8又は緩衝化食塩水(154mM NaCl、2.2mM
NaH2PO4、7.75mM Na2HPO4、pH7.31)であった。全血球
をARC8中約55のヘマトクリット値まで再び懸濁し、4℃
±2℃で貯蔵した。貯蔵した血球は、定期的にサンプリ
ングして2.2DPG及びATPのレベルを測定した。これらの
測定の結果は図5に示す。
実施例3 洗浄血球の貯蔵 血液を実施例1のようにとった。赤血球を2つのアリ
コットに分け、ソルボールRC3C臨床遠心機中、1度2995
gで洗浄した。残った血漿の濃度はこれにより約102のフ
ァクターまで減じた。洗浄溶液は、154mM NaCl又は112
mMクエン酸ナトリウム、共にpH7.5で等張浸透圧モル濃
度である。洗浄後、血球をARC9C中約70のヘマトクリッ
ト値まで再懸濁し、4℃±2℃で貯蔵した。貯蔵血球を
定期的にサンプリングし、2.3DPG及びATPのレベルを測
定した。これらの測定の結果は図6に示す。
実施例4 pH測定 標準等張食塩水、pH7.4でくり返し洗浄した新鮮な赤
血球の血球内及び血球外pHを測定し、等張クエン酸ナト
リウムpH7.4でくり返し洗浄した同じ血球のアリコット
の血球内及び血球外pHと比較した。食塩水洗浄血球の血
球内pHは7.3で血球外pHは7.47であった。対象的に塩化
物フリーのクエン酸ナトリウムで洗浄した血球の血球内
pHは8.11で血球外pH7.07であった。全てのpH測定は22℃
で行なった。
実施例5 血液の一単位は実施例1のようにとった。赤血球を等
張クエン酸ナトリウム溶液でpH7.4で繰り返し洗浄し
た。
各洗浄は2.5のファクターにより塩化物を含む拡散イ
オンの濃度を希釈した。各洗浄後、アリコットの血球外
及び血球内pHを測定した。図7に示すように、血球を引
き続いて洗浄するにつれて、血球内pHは増加し血球外pH
は減少した。血球内と血球外pH間に最大の違いは、塩化
物濃度が最初の値の約10%に減じた時点で観察された。
同じ実験は血球を洗浄するため等張リン酸ナトリウム
緩衝液、pH7.4を用いて実施された。この実験の結果は
図8に示す。
リン酸塩が血球に拡散するので等張リン酸ナトリウム
緩衝液の能力は、血球外と血球内pHの間の差を増加する
ため、限定される。しかしながらその緩衝能力ゆえに、
血球内pHがATP及び2.3DPGレベルの維持のため適当なレ
ベルに上るために、それは貯蔵のために適当な緩衝液で
ある。
図9は、リン酸塩の緩衝能力で塩化物シフトに対する
クエン酸塩の効果を結合した結果を示す。塩化物シフト
及び緩衝とも、血球懸濁液が徐々にARC8で希釈するとき
明白である。
実施例6 実施例5におけるように調製した血球をまず112mM
(等張)クエン酸ナトリウム溶液の溶液中pH7.4で洗浄
し、次いで154mM(等張)塩化ナトリウム溶液中、pH7.4
で洗浄した。ヘモグロビンがpH7.0−8.0の範囲において
すぐれた緩衝液であるのでpHi/pHx差が非侵入陰イオン
が含まれる溶液中、洗浄により最大となったのち、得ら
れる高い血球内pHは、血球が侵入イオンを含んだ溶液中
再懸濁したのちでも、維持されることが判った(図10参
照)。
即ち、血球内ヘモグロビンのpHの向上は、実施例2−
4に示されるように、長期間貯蔵の間、ATP及び2.3−DP
Gの血球内レベルの維持に貢献している、比較的高い血
球内pHを維持するのに重要である。
実施例7 実施例5におけるように調製した血球を、7.0ないし
8.0のpH範囲で非侵入で良好な緩衝液である等張(171m
M)ホスホグリセリン酸ナトリウムを含んだ溶液中、ま
ず洗浄した。第3洗浄に続き血球を輸注に受け入れられ
うるARC8中洗浄した。図11に示すように、このプロトコ
ールの結果、最初の高い血球内pH及び大きな血球内pH/
血球外pH差となり、ARC8で洗浄後高いpHiを維持する。
実施例8 浸透圧モル濃度の効果 赤血球の貯蔵で有効な低張圧の重要性を示すため、1
単位の血液をCPDA−1にとり、赤血球をおだやかなスピ
ンで分離した。得られる赤血球を次いで2つの等しいア
リコットに分けた。一つをARC8中洗浄し、貯蔵した。有
効浸透圧モル濃度126mosm。他をマンニトールで等張と
した(300mosm)ARC8中洗浄し貯蔵した。これらは貯蔵
の間ATP及び2.3DPG維持に有意差はなかった。しかしな
がら、図12に示すように、形態学的インデックス及び溶
血は、低張調製において著しく良好であった。
実施例9 洗浄血球の貯蔵 8単位の血液をCPDA−1にとり、赤血球を強いスピン
により分離した。次いで各単位の赤血球をハードスピン
を用いてARC8中2回洗浄し、ARC8中7週間貯蔵した。図
13から明らかなように、貯蔵期間を通じてpHi/pHx差が
維持され、2.3DPGは正常以上のままであり、ATPはよく
維持され、最も有意には、形態学的インデックスは、90
%以上のままである。
アドソール中貯蔵した通常の血球又はARC8中洗浄し貯
蔵した血球を受けたボランティアでの6対の研究で、単
一標識51クロニウムタッグを用いる平均24時間インビボ
生存は、アドソール中6週間貯蔵で単位で74.8±5.7
%、ARC8中洗浄及び6週間貯蔵で単位で87.1±6.3であ
った。
実施例10 非洗浄血球の貯蔵 1単位の血液を63mlの3.5%クエン酸ナトリウム、pH
7.4に、ハードスピンでとり、170mlARC27、pH7.4に再懸
濁した。pHiは7.9であった。塩化物濃度は34mMで希釈前
の約1/10であった。4℃での貯蔵の週の作用として2.3D
PG及びATPの最初の血球内濃度の形態学的インデックス
及びパーセンテージの変化は図14に示される。
実施例11 低ヘマトクリット値での貯蔵 血液を伸長したバッグ中、CPDA−1血液凝固阻止剤に
とり、約21のARC30、pH7.5に希釈した。4℃、10%のヘ
マトクリット値での貯蔵の作用として2.3DPG及びATPの
最初の血球内濃度の形態学的インデックス及びパーセン
トテージは図15に示される。14週でpHiは7.0以上のまま
であり、溶血は1%より小であった。
実施例12 赤血球をグルコン酸ナトリウムを含む溶液中、約8%
のヘマトクリット値で貯蔵した。これは非侵入で塩化物
シフト及びpH範囲7.0−8.0で良好な緩衝液、リン酸アン
モニウムを最大にし、又、血球に侵入する、即ち、その
緩衝能力を血球内及び血球外余白(space)に分配す
る。図16に示すように、30週の冷却貯蔵後でも、2,3DPG
は正常解糖を示す最初の値以上のままであった。ATPは
最初の60%、形態学的インデックスは70%で溶血は5%
よりも小であった。これらの血球はタイピングパネルで
の使用に受け入れられるであろう。
実施例13 赤血球を一度洗浄し、通常濃度の1/10の、0.2mMに減
じたアデニン濃度でARC8中貯蔵した。表3に示すよう
に、第2週で、この少量のアデニンは完全に消費される
が、ATP、2,3DPG及び形態学的インデックスは7週にわ
たり満足のいくように維持された。これらのデータか
ら、本発明に従って洗浄又は希釈した赤血球は解糖のた
めの外因性基質としてアデニンを必要としない。
実施例14 赤血球を実施例11のように分離し2のARC30中に希
釈したが、わずかに1μMの濃度に減じたアデニンと共
に行なった。表17に示すように、アデニン濃度での減少
はATP及び形態学的インデックスに有意な効果を示さ
ず、2,3DPG維持は実質的に改良された。
修飾はこの分野の当業者に明らかであるから、本発明
は、付加された請求の範囲の範囲によってのみ限定され
ることを意味する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ホーンブロワー、マーン アメリカ合衆国20007 ワシントン、デ ィー・シー、エヌ・ダブリュ、ユー・ス トリート 4800番 (72)発明者 シリング、ラルフ・エル アメリカ合衆国20904 メリーランド、 シルバー・スプリング、マックネイル・ レーン 720番 (56)参考文献 特開 昭57−7419(JP,A) 特開 昭63−301827(JP,A) 特表 昭61−502750(JP,A) 特表 昭58−502166(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 1/02 A61K 35/14

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)赤血球内塩化物濃度を当該塩化物の
    細胞膜透過により減少させて、赤血球内pHを約7.0ない
    し約8.5のレベルに調節すること、および (b)当該赤血球を生物学的に適合しうる緩衝液中で貯
    蔵すること を特徴とする、延長された貯蔵安定性を有する、輸注可
    能な赤血球の製造方法。
  2. 【請求項2】工程(a)において、赤血球内pHを約7.4
    ないし約8.5のレベルに調節する、請求項1の方法。
  3. 【請求項3】工程(a)において、赤血球を、塩化物イ
    オンを含有していない、低張な、生物学的に適合しうる
    緩衝液を用いて、約7.0ないし約8.5のpHで洗浄すること
    により、赤血球内pHを調節する、請求項1の方法。
  4. 【請求項4】工程(a)において、赤血球を、塩化物イ
    オンを含有していない、低張な、生物学的に適合しうる
    緩衝液を用いて、約7.0ないし約8.5のpHで希釈すること
    により、赤血球内pHを調節する、請求項1の方法。
  5. 【請求項5】工程(b)において、緩衝液が塩化物イオ
    ンを含有していない、請求項1の方法。
  6. 【請求項6】工程(b)において、緩衝液中の不浸透性
    溶質の有効な浸透圧モル濃度がほぼ低張である、請求項
    1の方法。
  7. 【請求項7】工程(b)において、緩衝液が少量のアデ
    ニンを含有するか又はアデニンを含有していない、請求
    項1の方法。
  8. 【請求項8】工程(b)において、赤血球を低ヘマトク
    リット値で貯蔵する、請求項1の方法。
  9. 【請求項9】(1)全血液を血液凝固阻止剤溶液にとる
    こと、 (2)赤血球を血漿から分離すること、および (3)分離した赤血球を、赤血球内pHを約7.0ないし約
    8.5の間のレベルに調節できる、塩化物イオンを欠いて
    いる、低張な、生物学的に適合しうる緩衝溶液で洗浄す
    ることを特徴とする、請求項1の方法。
  10. 【請求項10】工程(3)の後、 (4)工程(3)の洗浄液から洗浄された赤血球を分離
    すること、および (5)洗浄され、分離された赤血球を生物学的に適合し
    うる緩衝液中に貯蔵すること を含む請求項9の方法。
  11. 【請求項11】工程(4)を約90より大きなヘマトクリ
    ット値まで実施する、請求項10の方法。
  12. 【請求項12】(1)全血液を血液凝固阻止剤溶液にと
    ること、 (2)赤血球を血漿から分離すること、および (3)分離した赤血球を、塩化物イオンを含有していな
    い、低張な、生物学的に適合しうる緩衝液で希釈して、
    その血球内pHを約7.0ないし約8.5のレベルに調節するこ
    と を特徴とする、請求項1の方法。
  13. 【請求項13】工程(3)の後、 (4)希釈された血球を工程(3)の当該希釈緩衝液中
    に貯蔵すること を含む請求項12の方法。
  14. 【請求項14】(1)全血液を、pH7.0から8.5で血液凝
    固阻止剤溶液にとること、 (2)該血球を血漿からハードスピンで分離し、該血球
    を約90より大のヘマトクリット値でパックすること、お
    よび (3)パックされた血球を、該血球内pHを約7.0ないし
    約8.5の間のレベルに調節できる、塩化物イオンを含有
    していない、低張な、生物学的に適合しうる緩衝液中に
    再び懸濁すること を特徴とする、請求項1の方法。
  15. 【請求項15】生物学的に適合しうる緩衝液が、ARC8、
    ARC9C、ARC32、ARC27およびARC30からなる群から選択さ
    れたものである、請求項1の方法。
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