JP3069272B2 - 開閉器の変流器保持具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、開閉器のブッシング部
に貫通形の変流器を取り付ける際に用いられる変流器保
持具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、架空線引き込みによる需要家と電
力会社との責任分界点に設置されるＧＲ付きＰＡＳおよ
びＰＧＳは、主回路に規定値以上の電流が流れたことを
検出するため、あるいは主回路を開閉動作させるマグネ
ットの動力電源を得るために、内側のブッシング部に貫
通形の変流器を取り付けている。図５は、従来の変流器
の取り付け例を示す。従来は図示されるように、リング
状に形成された変流器１の片面外方に１対の固定用の脚
２を設けておき、また、開閉器外箱３のＵ、Ｗ相のブッ
シング取付用の孔４の周縁であって外箱３の内側に取付
座５を溶接により固定しておき、それにより、変流器１
を、開閉器外箱３の内側から孔４の周縁に当接しなが
ら、ボルト６により脚２を取付座５に固定して取付てい
た。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の取り付け構造では、開閉器外箱３内のブッシン
グ部に変流器１を取り付けるため、ブッシングと開閉器
外箱３の取り付けとは別に、予め、開閉器外箱３の内側
に取付座５をそれぞれ溶接しておく必要がある。また、
変流器１は、その内側にブッシングが挿通されて固定さ
れる際に、あらためて、ブッシングに対する位置合わせ
の調整が必要であり、余分な工数が必要であった。しか
も、開閉器外箱３の内側の狭い空間での変流器１の取り
付けおよび調整作業はやりにくく、非能率的である。本
発明は上記課題を解決するためになされたもので、その
目的とするところは、開閉器のブッシング部に対する変
流器の取り付けおよび位置調整の作業を簡単にすること
ができる開閉器の変流器保持具を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、内周部がブッシングに支持され外周部が
変流器を支持する円筒部と、円筒部の一端に形成されて
変流器の側面を当接・支持する大径フランジ部と、円筒
部の他端に形成されて開閉器外箱のブッシング取付孔の
縁とブッシングのフランジとの間に挟着される小径フラ
ンジ部と、大径フランジ部の外周寄り位置に形成されて
変流器のリード線を挿通して支持するための孔とから構
成されるとともに、少なくとも小径フランジ部および小
径フランジ部寄りの円筒部がブッシング取付孔および変
流器内を通過することができる可撓性を有することを特
徴とする。

【０００５】

【作用】本発明においては、小径フランジ部およびそれ
に続く円筒部の一部をすぼませながら、変流器を円筒部
の外周部に装着し、次いで、同様に小径フランジ部をす
ぼませながら、開閉器外箱のブッシング取付孔に内側か
ら小径フランジ部を挿入する。ここで変流器のリード線
を大径フランジの孔に挿通して支持する。次に、ブッシ
ング取付孔に外側からブッシングを挿入し、ブッシング
のフランジを、小径フランジ部を介してブッシング取付
孔の縁に当接する。さらに、ブッシング取付孔、変流
器、ブッシング間の相互の位置調整をした後に、ブッシ
ングのフランジを開閉器外箱に押圧した状態で固定する
ことにより、変流器も調整された位置に固定される。

【０００６】

【実施例】以下、図に沿って本発明の実施例を説明す
る。図１は本発明に係る変流器保持具の実施例の外観斜
視図であり、図２は実施例の変流器保持具に変流器を装
着した状態を示す。図１に示されるように、変流器保持
具１１は、円筒部１２とその両端の大小のフランジ１
３,１４が一体に形成されたものであり、材質には変形
が可能なゴム材等が用いられる。径の大きいフランジ１
３の外周寄りの位置には、２個の孔１５が形成されてい
る。

【０００７】円筒部１２は、図２に示されるように、外
側に変流器１６が装着される。装着の際は、径の小さい
フランジ１４側から、フランジ１４および円筒部１２を
内側にすぼめながら変流器１６を円筒部１２側に押し込
むようにする。フランジ１３,１４の間の距離は、変流
器１６の軸方向の厚みよりも充分に大きく形成されてい
る。

【０００８】図３は、保持具１１に装着された変流器１
６を、開閉器外箱３にブッシング１８とともに取り付け
た状態の断面図を示す。取り付け順としては、変流器１
６を装着した保持具１１のフランジ１４および円筒部１
２を内側にすぼめてから、開閉器外箱３の内側からブッ
シング取付孔４に挿入する。それにより、円筒部１２の
外径部とブッシング取付孔４の内径部が嵌合・支持され
て、保持具１１は開閉器外箱３に保持される。

【０００９】次に、変流器１６のリード線１７を孔１５
に通して支持する。さらに、開閉器外箱３の外側から、
ブッシング取付孔４に嵌合されている円筒部１２内に、
ブッシング１８を挿入する。ブッシング１８が所定位置
まで挿入されると、ブッシング１８のフランジ１９がフ
ランジ１４に当接する。次いで、フランジ１９の外側に
押さえ板２１を押し当てる。押さえ板２１は、開閉器外
箱３に突設されたブッシング取付座２２にも当接され
る。

【００１０】ここで、ブッシング取付孔４に対するブッ
シング１８の位置を調整しながら、ボルト２３を締め付
けることで押さえ板２１をブッシング取付座２２に固定
する。このとき、保持具１１は、ブッシング１８に支持
されているため、ほぼ自動的に位置が決められてしまう
が、若干の調整は可能である。また、保持具１１のフラ
ンジ１４は、開閉器外箱３とフランジ１９に挟圧されて
パッキンとしても機能するため、その厚みは、取付座２
２の高さとフランジ１９の厚みの差に締め代を加えた寸
法とする。なお、ブッシング取付孔４の内径、ブッシン
グ１８の外径、変流器１６の内径に対し、実際の加工精
度および組立条件等を考慮して円筒部１２の内外径の寸
法が決定されるものである。

【００１１】図４は、実施例を用いた場合の組立図を示
し、開閉器外箱３は、ブッシング取付孔４の外側だけに
ブッシング取付座２２を設置するだけですみ、従来必要
であった内側の変流器用取付座が不要となる。すなわ
ち、この実施例の保持具１１を用いたことにより、最初
に変流器１６を保持具１１に装着してから、開閉器外箱
３の内側よりブッシング取付孔４に挿入して嵌合させる
ことが可能となる。さらに、開閉器外箱３の外側から、
ブッシング取付孔４内に支持されている保持具１１にブ
ッシング１８を挿入して、そのフランジ１９を開閉器外
箱３のブッシング取付座２２にボルト２３により締め付
け固定することが可能となる。

【００１２】その結果、従来必要であった開閉器外箱３
の内側の変流器用取付座が不要になるとともに、開閉器
外箱３の内側での変流器の位置合わせおよび固定作業が
不要となり、変流器の取付工程の工数を大幅に削減する
ことが可能となる。また、変流器についても、従来必要
であった取り付け用の脚が不要になるため、変流器自体
のコストダウンが可能になる。なお、この実施例の変流
器保持具は、ＧＲ付きＰＡＳおよびＰＧＳ以外の開閉器
についても同様に適用可能である。

【００１３】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、変流
器を変流器保持具に保持した状態で、変流器保持具をブ
ッシングのフランジとともに開閉器外箱のブッシング取
付孔に外側から固定することにより、開閉器外箱の内側
での変流器の位置合わせおよび固定作業が不要になり、
変流器の取り付けおよび位置調整の作業が簡単になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る変流器保持具の実施例の外観斜視
図である。

【図２】実施例の変流器保持具に変流器を装着した状態
の外観斜視図である。

【図３】実施例の変流器保持具を用いた組立状態を示す
断面図である。

【図４】実施例の変流器保持具を開閉器外箱へ組み込む
際の方向を示す図である。

【図５】従来例を示す図である。

【符号の説明】

３ 開閉器外箱 ４ ブッシング取付孔 １１ 変流器保持具 １２ 円筒部 １３,１４ フランジ １５ 孔 １６ 変流器 １７ リード線 １８ ブッシング １９ フランジ ２１ 押さえ板 ２２ ブッシング取付座 ２３ ボルト

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内周部がブッシングに支持され外周部が
   変流器を支持する円筒部と、 円筒部の一端に形成されて変流器の側面を当接・支持す
   る大径フランジ部と、 円筒部の他端に形成されて開閉器外箱のブッシング取付
   孔の縁とブッシングのフランジとの間に挟着される小径
   フランジ部と、 大径フランジ部の外周寄り位置に形成されて変流器のリ
   ード線を挿通して支持するための孔と、 から構成されるとともに、少なくとも小径フランジ部お
   よび小径フランジ部寄りの円筒部がブッシング取付孔お
   よび変流器内を通過することができる可撓性を有するこ
   とを特徴とする開閉器の変流器保持具。