JP3069213B2 - 全天候型施工法における上昇装置 - Google Patents

全天候型施工法における上昇装置

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JP3069213B2 JP5145790A JP14579093A JP3069213B2 JP 3069213 B2 JP3069213 B2 JP 3069213B2 JP 5145790 A JP5145790 A JP 5145790A JP 14579093 A JP14579093 A JP 14579093A JP 3069213 B2 JP3069213 B2 JP 3069213B2
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佐 平木
誠治 石川
周二 竹本
行正 山田
英二 大久保
裕之 甲野
善弘 石川
良一 瀧井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天候に殆ど影響される
ことなく作業を遂行できる全天候型施工法における上昇
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、鉛直に本設又は仮設の支持柱を建
て、かつ、該支持柱に沿って上昇するクライミング装置
を設け、該クライミング装置の下部に架構を連結させて
逐次上方へと引き上げるリフトアップ工法が提案されて
いる(特願平4−5352号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法で使
用する本設又は仮設の支持柱は、先行させて建方して地
上より順次に継ぎ足す必要があるため、架設コストが多
くかかるのが現状である。また、各階の支持柱廻りにつ
いて、最後まで残工事を伴うこととなって、工期が長く
なるため、建物自体のコストも高くなる。本発明は、適
切なプッシュアップ装置を提供して、これらの問題点を
解決しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明は、屋根を支持する、上昇可能な揚体支持柱を設
け、該揚体支持柱を仮設開口を介して上下動自在に挿通
させた施工済み躯体のスラブの前記仮設開口の孔縁部に
ベース部材を仮設し、該べース部材から油圧ジャッキを
起立し、該油圧ジャッキから上方へ突出するピストンロ
ッドの先端とベース部材とにそれぞれ前記揚体支持柱へ
と任意に機械的に挟着させる油圧クランプを装備し、
記施工済み躯体よりも上層の階の躯体の施工完了時に、
該躯体のスラブ上に油圧ジャッキと油圧クランプを設置
して、揚体支持柱の荷重を下層階から上層階の油圧ジャ
ッキに盛り替え可能に設けたことを特徴とする。
【0005】
【作用】如上の構成であり、その使用に当たっては、あ
らかじめ施工した建物の躯体の適所に複数の装置を配し
てそれぞれベース部材にて仮設固定し、これらの揚体支
持柱の上端に本設又は仮設の屋根を装着する。而して、
それぞれのベース部材とピストンロッド先端との油圧ク
ランプを交互に作動させるとともに、油圧ジャッキを作
動させてピストンロッドを進退させ、揚体支持柱を間欠
上昇させ、もって、本設又は仮設の屋根を施工の進捗状
況に応じて上昇させて、雨天時等における屋根下での躯
体工事を可能にする。
【0006】
【実施例】図1乃至図5は、本発明の第1の実施例を示
している。図において、1は、本発明に係る上昇装置、
2は、該上昇装置に連ねた仮設の屋根、3は、構築すべ
き複数階の建物の躯体、4は、上昇装置を仮設固定した
施工済み下層躯体である。上昇装置1は、上昇可能な揚
体支持柱11を設け、該揚体支持柱に沿えて躯体に仮設す
るベース部材12を配し、該ベース部材から油圧ジャッキ
13を起立し、該油圧ジャッキから上方へ突出するピスト
ンロッド14の先端と前記ベース部材12に、前記揚体支持
柱11へと任意に機械的に挟着させる油圧クランプ15,16
を装備しており、複数を躯体の外壁部近傍に並行に配列
させる。揚体支持柱11は、建物の複数階の高さに対応す
る長さのH形鋼を用い、施工済み下層躯体4のスラブ41
の適所に貫通孔42を形成して挿通させ、また、ベース部
材12をその貫通孔42の孔縁部に複数のアンカーボルト・
ナット43にて固定し、ベース部材12とピストンロッド14
先端の油圧クランプ15,16 を揚体支持柱11の手前側のフ
ランジ111 に係合させている。揚体支持柱11の上端部の
側面には、ブラケット17を固定し、該ブラケット相互間
に左右一対のH形鋼から成るレール受梁18を架設し、該
レール受梁の上にレール19を敷設している。両レールに
は、仮設の屋根2をスライド開閉可能に係合装備させて
おり、該屋根2は、複数の屋根トラス23を設け、これら
の屋根トラスの両端からそれぞれ脚部21を垂設し、これ
らの脚部の下端に車輪22を設けて前記両レール19に転動
自在に係合させている。ベース部材12とピストンロッド
14先端の油圧クランプ15,16 は、図4及び図5に示すよ
うに、機構的には同一のものであり、クランプ本体161
の両側に、揚体支持柱11の手前のフランジ111 に係合さ
せる左右一対のフック162 をボルト163にて取り外し可
能に(フランジへの着脱のため)固定し、また、これら
のフック162 に反力を取ってクランプ本体161 をそのフ
ランジ111 へ圧接させるくさび手段163 と該くさび手段
を作動させる油圧シリンダ164 を設けている。なお、揚
体支持柱11を案内させるガイドローラを適所に配備させ
てもよい。揚体支持柱11には、H形鋼の他、I形鋼、レ
ール、T形鋼、クロスH形鋼、クロスT形鋼等の各種の
鋼材を用いてよい。
【0007】而して、それぞれのべース部材12とピス
トンロッド14先端との油圧クランプ15、16を交互
に作動させるとともに、油圧ジャッキ13を作動させて
ピストンロッド14を進退させ、揚体支持柱11を間欠
上昇させる。具体的には、次の手順により上昇させる。 1.ベース部材12の油圧クランプ15を揚体支持柱1
1のフランジ111に挟着させた状態でピストンロッド
14を後退させ(図2の二点鎖線)。 2.後退したピストンロッド14先端の油圧クランプ1
6を揚体支持柱11のフランジ111に挟着させ、ベー
ス部材12の油圧クランプ15をフリーにして、油圧ジ
ャッキ13を作動させ、ピストンロッド14を進出させ
る。これにより、揚体支持柱11が上昇する。 3.再びベース部材12の油圧クランプ15を揚体支持
柱11のフランジ111に挟着させ、揚体支持柱11の
位置を確保する。以下、これを繰り返して、揚体支持柱
11を間欠的に上昇させる。なお、揚体支持柱11を同
様にして下降させることもできる。次に、上記上昇装置
を使用して建物を構築する手順について説明する。 1.複数階の高さに相当する支持柱11を立設する。 2.支持柱11の上端部に設けたブラケット17上に仮
設屋根2を載置する。 3.一階の躯体4を構築する。 4.一階のスラブ41上に設置した上昇装置1で、該ス
ラブを反力として仮設屋根2を支持柱11ごと持ち上げ
る。 5.二階の躯体を構築する。 6.二階躯体のスラブ上に設置した上昇装置で、該スラ
ブを反力として仮設屋根2を支持柱11ごと持ち上げ
る。 7.三階の躯体を構築する。 8.三階躯体のスラブ上に設置した上昇装置で、該スラ
ブを反力として仮設屋根2を支持柱11ごと持ち上げ
る。 上記の手順を繰り返しながら順次躯体を構築してい
く。なお、上層階の躯体の施工が完了すると、支持柱1
1は該躯体のスラブ上に設置した上昇装置のクラン プで
クランプし、下層階の上昇装置によるクランプは解除す
る。 このように 仮設の屋根2を施工の進捗状況に応じて
上昇させて、雨天時等における屋根下での躯体工事を可
能にする。この際、資材の揚重・搬入等に当たっては、
屋根2を移動させる。スラブ41の貫通孔42は、揚体
支持柱11が上方へと抜けた後、速やかに閉塞させ、ま
た、躯体工事の終了後は、全てを解体撤去する。
【0008】図6は、第2の実施例を示している。この
場合は、前例のものにおいて、仮設の屋根2の移動手段
を排して、屋根2を揚体支持柱11に直に連繋させてい
る。その他は前例と同じにつき、前例の説明をもつて説
明を省略する。
【0009】以上の説明では、仮設の屋根2について使
用することを説明したが、本設の屋根であつても同様で
あり、この場合、揚体支持柱11を本設鉄骨柱に利用する
ようにしてもよいし、他の本設柱と替えるようにしても
よい。
【0010】
【発明の効果】本発明によれば、仮設又は本設の屋根を
設ける全天候型施工法に簡単に便利に利用でき、かかる
利用により、地上から順次に支持柱を継ぎ足しする従来
のリフトアップ工法に比べ、支持柱の大幅な低減を図る
ことができ、かつ、下層階で早期に仮設開口を処理でき
て仕上げ工事の残工事をなくすことができ、工期を短縮
でき、もって建物コストを低減できる。また、装置とし
て転用が可能であり、しかも、油圧ジャッキと油圧クラ
ンプとを用いているので、確実に、迅速に、安全に、作
動させることができる。さらに、揚体支持柱の上昇によ
りその下端が油圧ジャッキの下側の油圧クランプに接近
して、該油圧ジャッキでは揚体支持柱をそれ以上持ち上
げることが不可能になった場合でも、上層階の躯体に油
圧ジャッキと油圧クランプを設けることにより、この油
圧ジャッキで揚体支持柱をさらに上昇させることが可能
であり、このため揚体支持柱の長さが比較的短くても高
層建築物の全天候型施工が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の全天候型施工法における上昇装置の
第1の実施例を示す截断側面図である。
【図2】 同例要部の拡大截断側面図である。
【図3】 同要部の拡大截断背面図である。
【図4】 同要部の一部を更に拡大して示す拡大截断平
面図である。
【図5】 同拡大側面図である。
【図6】 本発明の第2の実施例を示す截断側面図であ
る。
【符号の説明】
1…上昇装置 2…仮設の屋根 3…躯
体 4…施工済み下層躯体 11…揚体支持柱 12…ベ
ース部材 13…油圧ジャッキ 14…ピストンロッド 15…油
圧クランプ 16…油圧クランプ 17…ブラケット 18…レ
ール受梁 19…レール 21…脚部 22…車
輪 23…屋根トラス 41…スラブ 42…貫
通孔 43…アンカーボルト・ナット 111…フ
ランジ 161…クランプ本体 162…フック 163…
くさび手段 164…油圧シリンダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 誠治 広島県広島市中区橋本町10番10号 株式 会社 竹中工務店 広島支店内 (72)発明者 竹本 周二 広島県広島市中区橋本町10番10号 株式 会社 竹中工務店 広島支店内 (72)発明者 山田 行正 広島県広島市中区橋本町10番10号 株式 会社 竹中工務店 広島支店内 (72)発明者 大久保 英二 広島県広島市中区橋本町10番10号 株式 会社 竹中工務店 広島支店内 (72)発明者 甲野 裕之 広島県広島市中区橋本町10番10号 株式 会社 竹中工務店 広島支店内 (72)発明者 石川 善弘 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式 会社 竹中工務店 東京本店内 (72)発明者 瀧井 良一 東京都足立区北加平町4番16号 大瀧ジ ャッキ株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−146345(JP,A) 特開 昭50−86121(JP,A) 特開 平6−93665(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04G 21/28 E04B 1/35

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】屋根を支持する、上昇可能な揚体支持柱を
    設け、該揚体支持柱を仮設開口を介して上下動自在に挿
    通させた施工済み躯体のスラブの前記仮設開口の孔縁部
    にベース部材を仮設し、該べース部材から油圧ジャッキ
    を起立し、該油圧ジャッキから上方へ突出するピストン
    ロッドの先端とベース部材とにそれぞれ前記揚体支持柱
    へと任意に機械的に挟着させる油圧クランプを装備し、
    前記施工済み躯体よりも上層の階の躯体の施工完了時
    に、該躯体のスラブ上に油圧ジャッキと油圧クランプを
    設置して、揚体支持柱の荷重を下層階から上層階の油圧
    ジャッキに盛り替え可能に設けたことを特徴とする全天
    候型施工法における上昇装置。
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