JP3069074B2 - 超音波モータの駆動方法 - Google Patents

超音波モータの駆動方法

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JP3069074B2
JP3069074B2 JP10048149A JP4814998A JP3069074B2 JP 3069074 B2 JP3069074 B2 JP 3069074B2 JP 10048149 A JP10048149 A JP 10048149A JP 4814998 A JP4814998 A JP 4814998A JP 3069074 B2 JP3069074 B2 JP 3069074B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波モータの駆
動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の超音波モータは、固定子と移動子
とを圧接状態で対向させ、固定子側に複数の圧電振動子
を所定間隔離隔させて貼着し、当該振動子に90度位相
差を有する駆動信号を供給して、移動子を移動させる。
移動子の形状が円環状である場合、超音波モータは移動
子をロータとする回転運動型の超音波モータとして機能
し、移動子の形状が長板状である場合、超音波モータは
移動子をスライダとする直線運動型の超音波モータとし
て機能する。
【0003】いずれの場合の超音波モータにおいても、
上記位相差を有する駆動信号の圧電振動子への印加によ
って固定子表面に進行波を発生させて移動子を移動させ
る。すなわち、固定子表面に進行波が発生すると、固定
子表面上の微小領域各点は、進行波の進行方向及び固定
子の厚み方向で規定される平面内で楕円運動を行う。固
定子と移動子とは圧接状態にあるため、固定子表面上の
微小領域各点が例えば左回りの楕円運動を行うと、移動
子はその表面と固定子表面との間の摩擦力によって左方
向に移動する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の超音波モータにおいては、固定子表面上の微小領域
各点が楕円運動を行うことによって、当該各点と移動子
の対向微小領域各点との間に摩擦が生じ、その摩擦力に
よって移動子を移動させるため、駆動力が小さく、ま
た、楕円運動時の対向微小領域各点間のすべり状態変化
によって摩擦力が変化するため、移動子の正確な移動制
御を行うことができない。本発明は、このような課題に
鑑みてなされたものであり、従来に比して駆動力が大き
く、また、移動子の正確な移動制御を行うことが可能な
超音波モータの駆動方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明に係る超音波モータの駆動方法は、圧接状態
で対向配置された固定子及び移動子のそれぞれに設けら
れた振動子の振動に応じて移動子が移動する超音波モー
タの駆動方法において、(A)第1周波数の駆動信号を
生成して振動子の一方に印加する工程と、(B)周波数
シンセサイザに第1周波数の駆動信号を入力することに
よって、第1周波数を所定量シフトさせて第2周波数の
駆動信号を生成し、生成された第2周波数の駆動信号を
振動子の他方に印加する工程とを備え、第1周波数のシ
フト量は可変であり、周波数シンセサイザは、(a)入
力信号と第1周波数の信号から生成される信号との間の
位相差に応じた信号を出力する判定手段と、(b)判定
手段の出力に応じて出力信号周波数を可変し、これを入
力信号として位相差が小さくなるように判定手段に帰還
する周波数可変手段と、(c)入力される速度指示情報
に基づいて、周波数可変手段から判定手段に帰還される
信号の周波数を可変する速度情報被入力手段とを備え、
第2周波数の駆動信号は周波数可変手段の出力信号であ
り、速度情報被入力手段は、これに入力される速度指示
情報に応じて、シフト量を設定することを特徴とする。
また、本発明に係る超音波モータの駆動方法は、圧接状
態で対向配置された固定子及び移動子のそれぞれに設け
られた振動子の振動に応じて移動子が移動する超音波モ
ータの駆動方法において、(A)第1周波数の駆動信号
を生成して振動子の一方に印加する工程と、(B)周波
数シンセサイザに第1周波数の駆動信号を入力すること
によって、第1周波数を所定量シフトさせて第2周波数
の駆動信号を生成し、生成された第2周波数の駆動信号
を振動子の他方に印加する工程とを備え、第1周波数の
シフト量は可変であり、周波数シンセサイザは、(a)
第1周波数の信号が入力されるとともに分周比(1/n
1)が可変な第1分周器と、(b)第1分周器の出力信
号及び第1帰還信号が入力される第1位相検出器と、
(c)第1位相検出器の出力を平滑化する第1ローパス
フィルタと、(d)第1ローパスフィルタの出力電圧に
応じて出力周波数が可変する第1電圧制御発振器と、を
入出力端子間に有するとともに、(e)可変な分周比で
第1電圧制御発振器の出力を分周し、第1帰還信号とし
て第1位相検出器に入力する第2分周器(1/n2)を
更に有してなる第1周波数シンセサイザを備えることを
特徴とする。また、周波数シンセサイザは、(a)第1
周波数シンセサイザの出力信号が入力されるとともに分
周比(1/n3)が可変な第3分周器と、(b)第3分
周器の出力信号及び第2帰還信号が入力される第2位相
検出器と、(c)第2位相検出器の出力を平滑化する第
2ローパスフィルタと、(d)第2ローパスフィルタの
出力電圧に応じて出力周波数が可変する第2電圧制御発
振器とを入出力端子間に有するとともに、(e)可変な
分周比(1/n4)で第2電圧制御発振器の出力を分周
し第2帰還信号として第2位相検出器に入力する第4分
周器を更に有してなる第2周波数シンセサイザを備える
ことを特徴とする。
【0006】上述のように、上記従来の超音波モータに
おいては、固定子表面の微小領域各点の楕円運動によっ
て移動子を移動させていたため、駆動力を増加させると
共に、移動子の移動制御精度を向上させることができな
かった。本発明に係る超音波モータの駆動方法において
は、圧接状態で対向配置される固定子及び移動子双方に
振動子を設けて駆動信号を印加する。すなわち、駆動信
号の印加によって双方の振動子を振動させると、固定子
及び移動子双方の対向表面上に超音波による変位波が発
生する。
【0007】ここで説明される変位波は、固定子及び移
動子の対向表面の物理的変形によって構成される物理的
変位の波であり、90度位相差を有する上記従来の駆動
信号をそれぞれの振動子に印加する場合には、変位波は
進行波を構成する。詳説すれば、変位波は、双方の対向
表面上に形成された超音波による噛面であり、これらを
圧接させることによって当該超音波噛面が噛合すると、
固定子及び移動子変位波間の相対的移動が規制される。
このように双方の対向表面に変位波が発生し、変位波間
の相対的移動が規制された状態で、超音波噛面としての
一方の変位波を他方に対して移動させると、移動子は固
定子に対して相対的に移動する。本願発明者は、このよ
うな変位波を噛合させて移動子を移動させる駆動方法を
「変位ロックドライブ」として提唱する。
【0008】変位ロックドライブは、従来の微小領域各
点間の摩擦力による駆動方法と異なり、超音波噛面の噛
合による駆動方法のため、従来に比して駆動力が大き
く、また、移動制御精度を向上させることができる。ま
た、変位ロックドライブによれば、超音波モータを停止
状態より最高速回転の範囲までの最大の変位量で駆動で
き、これは従来のように低速回転するため変位量を小さ
くしなければならない構成とは基本的に異なる。変位ロ
ックドライブによれば、特に低速の範囲で従来に比べて
駆動力が大きい。
【0009】しかしながら、この超音波モータの駆動方
法は、超音波噛面の噛合による駆動を前提としているた
め、より正確な移動制御を行うためには、双方の超音波
噛面を高精度に形成する必要がある。そこで、本発明に
係る超音波モータの駆動方法においては、まず、第1周
波数の駆動信号を生成して振動子の一方に印加する。一
方の振動子へ第1周波数の駆動信号を印加すると、この
振動子の設けられた固定子又は移動子の対向表面上に変
位波が発生する。他方の振動子に第2周波数の駆動信号
を印加すると、この振動子の設けられた方の移動子又は
固定子の対向表面上に変位波が発生する。
【0010】それぞれの駆動信号間に相対的な周波数差
がある場合、一方の変位波は他方に対して相対的に移動
する。第2周波数の駆動信号は、速度指示情報に応じて
基準となる第1周波数を可変可能な所定量シフトさせて
生成される。したがって、第2周波数の駆動信号は基準
となる第1周波数の駆動信号に対して正確な周波数差を
有することとなり、移動制御精度が向上する。
【0011】また、本発明に係る超音波モータの駆動方
法においては、第2周波数の駆動信号は、位相同期ルー
プを用いた周波数シンセサイザに第1周波数の駆動信号
を入力することによって生成することが好ましい。位相
同期ループを用いた周波数シンセサイザは、入力信号周
波数に対して正確な周波数差を有する信号を生成するこ
とができるため、位相同期ループを用いた周波数シンセ
サイザに第1周波数の駆動信号を入力することによっ
て、第1周波数の駆動信号に対して正確な周波数差を有
する第2周波数の駆動信号を生成することができる。
【0012】なお、第1周波数のシフト方向は、正及び
負方向に設定することができ、設定に応じて移動子を固
定子に対して正及び負方向に移動させることができる。
【0013】また、本発明に係る超音波モータの駆動方
法においては、上記周波数シンセサイザは、2つの入力
信号間の位相差に応じた信号を出力する判定手段と、判
定手段の出力に応じて出力信号周波数を可変し一方の
入力信号として位相差が小さくなるように判定手段に帰
還する周波数可変手段と、周波数可変手段から判定手段
に帰還される信号の周波数を可変する速度情報被入力手
段とを備え、入力信号の他方は第1周波数の信号から生
成され、第2周波数の駆動信号は周波数可変手段から出
力され、第2周波数の駆動信号の生成工程において、速
度情報被入力手段は、これに入力される速度指示情報に
応じて第1周波数に対するシフト量を設定することが好
ましい。
【0014】速度情報が速度情報被入力手段に入力され
ると、周波数可変手段から判定手段に帰還される一方の
入力信号の周波数が可変する。判定手段にはこの一方の
入力信号と、第1周波数の信号から生成された他方の入
力信号とが入力される。判定手段は、これら2つの入力
信号間の位相差に応じた信号を出力する。周波数可変手
段は、これらの信号の位相差が所定値になるように出力
信号周波数を可変して第2周波数の駆動信号として出力
する。第2周波数の駆動信号と不可分の関係にある一方
の入力信号としての帰還信号の位相が、他方の入力信号
の位相に対してずれないように判定手段によって監視さ
れた状態で、速度情報被入力手段へ入力される速度情報
に応じて、周波数可変手段から出力される第2周波数の
駆動信号の周波数が可変し、その際の第1周波数のシフ
ト量が設定される。したがって、第2周波数の駆動信号
は、第1周波数に対する位相が監視された状態で第1周
波数を所定量シフトさせて生成されることになるので、
その周波数差を正確に維持することができる。
【0015】上記シンセサイザが第1周波数シンセサイ
ザを備えるものについて説明する。
【0016】第1周波数シンセサイザの第1位相検出
器、第1ローパスフィルタ及び第1電圧制御発振器は位
相同期ループを構成し、帰還ループ中に第2分周器が介
在しているため、第1位相検出器には出力信号が第2分
周器によって分周された第1帰還信号と、第1周波数の
入力信号が第1分周器によって分周された信号が入力さ
れる。位相同期ループは第1位相検出器に入力される信
号の位相差が所定値になるように出力信号を可変する。
したがって、出力信号周波数は、第1位相検出器の入力
信号間周波数差が無い状態、すなわち、第2分周器で分
周された第1帰還信号の位相が、第1分周器で分周され
た信号の位相に所定の位相差を保った状態でロックし、
第1及び第2分周器の分周比に応じて変化する。
【0017】詳説すれば、第1分周器の分周比を1/n
1、第2分周器の分周比を1/n2とすると、第1周波数
fの信号が1/n1倍された入力信号(f/n1)及び出
力信号周波数(fout)が1/n2倍された帰還信号(f
out/n2)が位相同期ループに入力されるので、これら
の位相が一致した状態では、位相同期ループへの入力信
号周波数(f/n1)は、帰還信号周波数(fout
2)に一致し、したがって、出力信号周波数fout
(n2/n1)・fに一致する。
【0018】上記シンセサイザが第2周波数シンセサイ
ザを備えるものについて説明する。
【0019】周波数シンセサイザが第1周波数シンセサ
イザのみを備える場合において、第1周波数からの周波
数シフト量を小さくするためには、n1及びn2の値を共
に大きくして、その差を小さくすればよい。ところが、
1及びn2の値を共に大きくすると、ローパスフィルタ
の遮断周波数設定の如何によってはループゲインが低下
し、位相同期ループの動作が不安定状態となる。そこ
で、本駆動方法では、出力信号周波数fout’=(n4
3)・foutが得られる第1周波数シンセサイザと同様
の構造の第2周波数シンセサイザをこれに縦続し、個々
の周波数シンセサイザのn1、n2、n3、n4を大きくす
ることなく周波数シフト量を微小としつつも、位相同期
ループを安定させて、更に精密な移動制御を行う。
【0020】また、本発明に係る超音波モータの駆動方
法においては、第1分周器の分周比を1/n1、第2分
周器の分周比を1/n2としたときに、n1とn2との間
の差は1であることが好ましい。すなわち、周波数シフ
ト量はn1とn2との間の差に依存し、n1及びn2の双方
の大きさが確定している場合には、この差が小さいほど
周波数シフト量が小さくなり、移動子の移動速度を小さ
くすることができる。n1とn2は整数であることが好ま
しいため、この差が1である場合には最も小さな周波数
シフトを行うことができる。
【0021】さらに、本発明に係る超音波モータの駆動
方法においては、n1/n2は0.98乃至1.02の間
の値に設定されることが好ましい。すなわち、周波数シ
フト量はn1とn2の比に依存し、n1とn2の間の差が確
定している場合には、この比率が1に限りなく近いほど
周波数シフト量が小さくなり、移動子の移動速度を小さ
くすることができる。n1とn2の差が1である場合にお
いては、第1周波数を50kHzとして、これらn1
2の値が少なくとも49〜51の間で動作することが
できた。したがって、n1/n2=(49/50=0.9
8)乃至(50/49=1.02)の間の値に設定され
る場合に、移動子を移動させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態に係る超音波モ
ータ及びその駆動方法について説明する。同一要素又は
同一機能を有する要素には同一符号を用いるものとし、
重複する説明は省略する。
【0023】図1は、本実施の形態に係る超音波モータ
を示す構成図である。この超音波モータは、機械的駆動
機構からなる超音波モータ本体1及び超音波モータ本体
1の駆動制御を行う電気制御部2から構成される。
【0024】まず、機械的駆動機構からなる超音波モー
タ本体1について説明する。
【0025】超音波モータ本体1は、固定用ベース3中
央部を貫通する回転軸4に互いに対向して設けられた外
縁円形のステータ5及びロータ6を備えている。ロータ
6は、ステータ5及びロータ6それぞれの対向接触面円
周方向に起振した変位波が噛合した状態で、一方の変位
波の位相を他方から変位させることにより回転する。
【0026】ここで説明される変位波は、ステータ5及
びロータ6の対向表面の物理的変形によって構成される
物理的変位の波であり、90度位相差を有する従来の駆
動信号をそれぞれの振動子に印加する場合には、変位波
は進行波を構成する。
【0027】詳説すれば、変位波は、ステータ5及びロ
ータ6双方の対向表面上に形成された超音波による噛面
であり、これらを圧接させることによって当該超音波噛
面が噛合すると、ステータ5及びロータ6変位波間の相
対的移動が規制される。このようにステータ5及びロー
タ6双方の対向表面に変位波が発生し、変位波間の相対
的移動が規制された状態で、超音波噛面としての一方の
変位波を他方に対して移動させると、ロータ6はステー
タ5に対して相対的に回転し、固定子5及び移動子6を
ステータ及びスライダとする場合には、スライダは直線
運動を行う。本願発明者は、このような変位波を噛合さ
せて移動子を移動させる駆動方法を「変位ロックドライ
ブ」として提唱する。なお、変位波としては種々のもの
が考えられるが、以下の説明においては、変位波は進行
波であるものとする。
【0028】固定用べース3は、超音波モータが適用さ
れるカメラ等の本体機器の固定側に当該超音波モータを
固定するためのものである。固定用べース3の中央部に
は、これを上下方向に貫く貫通孔3hが形成されてい
る。
【0029】ステータ5は、セラミック圧電素子からな
る円環状の振動子5vと、振動子5vが裏面外周部に貼
着された金属からなる円環状の弾性体5eとを備えてい
る。弾性体5eの内周部5iは例えばネジ留め等により
固定用ベース3に固定され、外周部5oと内周部5iと
の間の円環状の中間部5mは肉薄であり、この中間部5
mが外周部の振動を容易にさせるとともに、内周部5i
と外周部5oとの間の振動伝達を抑制している。ステー
タ5の中央部にも、これを上下方向に貫く貫通孔5hが
形成されている。
【0030】ロータ6は、ステータ5と同一構造を有
し、セラミック圧電素子からなる円環状の振動子6v
と、振動子6vが上面外周部に貼着された金属からなる
円環状の弾性体6eとを備えている。弾性体6eの内周
部6iは回転軸4に固定され、弾性体6eは外周部6o
と内周部6iとの間に円環状の肉薄中間部6mを備え
る。
【0031】回転軸4は、固定用ベース3及びステータ
5の貫通孔3h及び5h内を貫挿している。回転軸4
は、固定用べース3の貫通孔3hに嵌合固定された軸受
7に回転自在に支持されている。回転軸4の上記軸受7
による支承位置より上方には、回転軸4より大径のボス
8が設けられている。ロータ側弾性体6eの内周部6i
は、ボス8とステータ側弾性体5eとの間に位置し、ボ
ス8に圧入固定されている。なお、回転軸4の下部に
は、例えばCリング等のスナップリング9が取り付けら
れており、このスナップリング9と上記軸受7との間
に、スペーサ10を介して圧縮バネ11が介挿されてい
る。この圧縮バネ11によって、回転軸4及びボス8は
常時下方に付勢されている。
【0032】ステータ側弾性体5eは、外周部5o上面
に幅狭円環状の凸部5pを有し、ロータ側弾性体6eは
外周部6o裏面に幅狭円環状の凸部6pを有する。弾性
体5e、6eを全面接触させると、励振側の振動が相手
側に大部分伝わって変位波の変位量が減衰してしまう
が、弾性体5e,6eは凸部5p,6pを有しており、
接触表面が狭小となることから、弾性体5e,6eに変
位波を保持することができる。
【0033】ロータ側凸部6pとステータ側凸部5pと
の間には、例えば樹脂等より成る環状の緩衝摩擦部材1
2が介在し、緩衝摩擦部材12はこれらと圧接状態にあ
る。すなわち、ロータ側凸部6pは、圧縮バネ11の弾
性力よって緩衝摩擦部材12を介してステータ側凸部5
pを押圧している。
【0034】緩衝摩擦部材12は、上記凸部5p又は凸
部6pに生ずる変位波を相手側に伝達しにくくする動作
をする一種の振動のローパスフィルタの作用をさせてい
ることから、ステータ側弾性体5e側の変位波とロータ
側弾性体6e側の変位波の相互干渉を防止して正常な変
位波を両者に発生させる。すなわち、振動子を例えば5
0kHzで振動させて変位波を両者に発生させている場
合、この50kHzの振動は相手側には伝達されにく
く、変位波の回転の周波数である例えば100Hzの振
動は相手側に伝達される。さらに、緩衝摩擦部材12
は、金属同士(凸部5p,6p)の直接接触を回避して
異音の発生を防止し、さらに圧接部の耐久性を向上させ
る。なお、緩衝摩擦部材12は、凸部5p,6pの何れ
にも固定されずに、凸部5p,6p間に介在している構
成でも、一方に固定している構成でも良い。
【0035】回転軸4のさらに上部には、互いの導通を
遮断した3個のリング13a,13b,13cから成る
スリップリング13が固定されている。これらのリング
13a,13b,13cに対しては、固定用ベース1の
上部に設けられたロータ用の通電ブラシ15a,15
b,15cが、それぞれ接触するように配置されてい
る。通電ブラシ15a,15bは、それぞれ第1駆動信
号の第1成分供給用のブラシ、第1駆動信号の第2成分
供給用のブラシであり、通電ブラシ13cは、グランド
用のブラシである。ここで、第1成分及び第2成分は、
90°位相差を有し、正弦波であることが好ましいが、
これらは方形波であってもよい。
【0036】ステータ側振動子5vに電気制御部2から
2つの互いに関連した第1駆動信号を印加し、ステータ
側弾性体5eにその円周方向に沿って変位波を発生させ
る。これはあたかも円環上を変位波が回転しているよう
な形態なので、以降これを「回転変位波」として説明す
る。すなわち、ステータ側振動子5vに電気制御部2か
ら上記2相の駆動信号を印加すると、ステータ側弾性体
5eにその円周方向に沿って進行する回転変位波が発生
する。また、別の駆動信号を印加すると、ステータ側弾
性体5eに定在波等が発生する。
【0037】一方、ロータ側振動子6vに電気制御部2
からスリップリング13を介して2つの互いに関連した
第2駆動信号を印加し、ロータ側弾性体6eにその円周
方向に沿って進行する変位波を発生させる。すなわち、
ロータ側振動子6vに電気制御部2からスリップリング
13を介して上記2相の駆動信号を印加すると、ロータ
側弾性体6eにその円周方向に沿って進行する回転変位
波が発生する。また、別の駆動信号を印加すると、ロー
タ側弾性体6eに定在波等が発生する。
【0038】本実施の形態に係る超音波モータにおいて
は、ステータ側弾性体5e及びロータ側弾性体6eの変
位波としての回転変位波が噛合した状態で、一方の変位
波の位相を他方からシフトすることで、ロータ側弾性体
6e及び回転軸4の噛合回転位置がシフトし、シフト量
の連続が回転となる。したがって、シフト量の連続性が
無くなれば、変位波噛合は行われつつも、ロータ6は回
転しない。以下、詳説する。
【0039】図2は、前述した圧電振動子5v又は6v
の一方面側の平面図である。振動子5v,6vは、円環
状の圧電セラミック板CMと、圧電セラミック板CMの
一方面上に形成されたそれぞれ4個の第1電極部S1〜
S4及び第2電極部C1〜C4とを備えている。第1電
極部S1〜S4及び第2電極部C1〜C4は、振動子が
周方向全体で5波長(5λ)の定在波を発生し得るよう
に機械角で36゜で等配されている。第1電極部S1〜
S4、第2電極部C1〜C4は、各々隣り合う領域で厚
み方向の分極方向が互いに逆向き(図示+−参照)とな
るように予め分極処理が施されている。なお、各電極S
1〜S4及びC1〜C4は、円環圧電セラミック板CM
の内縁及び外縁との間に隙間を空けることなく設けられ
ている。
【0040】図3は、振動子5v又は6vの他方面側の
平面図である。円環状の圧電セラミック板CMの他方面
上には、圧電セラミック板CMの一方面上の第1電極部
S1〜S4の形成領域全体に対向する第1側電極部SS
と、第2電極部C1〜C4の形成領域全体に対向する第
2側電極部CCとが設けられている。第1側電極部SS
と第2側電極部CCとの間には、機械角で18゜、電気
角で90゜をなして互いに対向するフィードバック用電
極部FB,FB’が設けられている。
【0041】図1を再び参照すると、ステータ側振動子
5vの上記一方面は、その全面が金属弾性体5eの上面
側に接着剤又は導電性接着剤で接着されている。一般に
は非導電性接着剤を用いても、接着剤厚が薄いため機械
加工面の荒小部分が接触し、電気的には導通する。金属
弾性体5eは、固定用ベース3に電気的に接続されてお
り、ステータ側振動子5vの一方面に形成された電極S
1〜S4,FB,C1〜C4は、グランドに接続されて
いる。一方、ステータ側振動子5vの第1側電極部SS
及び第2側電極部CCは駆動回路16に接続されてい
る。
【0042】駆動回路16は、グランドとステータ側振
動子5vの第1側電極部SSとの間に第1駆動信号の第
1成分である正弦波電圧信号を印加し、グランドと第2
側電極部CCとの間にこれと90°の位相差を有する第
2成分である正弦波電圧信号を印加し、ステータ側振動
子5v及びこれに貼着された弾性体5e円周方向に変位
波を発生し、回転変位波を形成する。駆動回路16に
は、振動子5vの変位量に応じてフィードバック用電極
部FB,FB’間に発生した変位検出信号としての圧電
電圧信号が入力され、入力された変位検出信号に基づい
てステータ側振動子5vに供給される正弦波電圧信号の
周波数及び位相を一定に維持する。
【0043】ロータ側振動子6vの上記一方面は、その
全面が金属弾性体6eの上面側に接着剤又は導電性の接
着剤を用いて接着されている。金属弾性体6eは、これ
に電気的に順次接続された内部配線14c、リング13
c、通電ブラシ15cを介して固定用ベース3に電気的
に接続されており、ロータ側振動子6vの一方面に形成
された電極S1〜S4、FB、C1〜C4は、グランド
に接続されている。
【0044】一方、ロータ側振動子6vの第1側電極部
SSは、これに電気的に順次接続された内部配線14
a、リング13a、通電ブラシ15aを介して駆動回路
16に接続されている。ロータ側振動子6vの第2側電
極部CCは、これに電気的に順次接続された内部配線1
4b、リング13b、通電ブラシ15bを介して駆動回
路16に接続されている。
【0045】駆動回路16は、グランドとロータ側振動
子6vの第1側電極部SSとの間に第2駆動信号の第1
成分としての正弦波電圧信号を印加し、グランドと第2
側電極部CCとの間にこれと90°の位相差を有する第
2駆動信号の第2成分としての正弦波電圧信号を印加
し、ロータ側振動子6v及びこれに貼着された弾性体6
e円周方向に変位波を発生し、回転変位波を形成する。
なお、本形態では、ステータ側振動子5vからのフィー
ドバック変位検出信号を用いて、ステータ側振動子5v
へ供給される駆動信号の周波数をステータ5が適性な変
位波を起振しうるように自動制御している。
【0046】以下、上記実施の形態に係る変位ロックド
ライブ型超音波モータの動作について、駆動回路16と
ともにさらに詳しく説明する。上述のように、駆動回路
16から振動子5vの第1側電極部SSに第1駆動信号
の第1成分としての第1駆動電源を供給すると、振動子
5vが励振し弾性体表面に周方向に沿って5波長の定在
波が発生する。また、第2側電極部CCに第1駆動電源
に対して90°位相差を有する第1駆動信号の第2成分
としての第2駆動電源を供給すると、弾性体表面に円周
方向に沿って5波長の定在波が発生する。前述したよう
に、上記第1側電極部SSと第2側電極部CCとは、電
気角で90゜離間しているため、上記定在波間には90
゜の位相差がある。
【0047】したがって、駆動回路16からステータ側
振動子5vに第1駆動電源、第2駆動電源を同時に供給
すると、ステータ側弾性体5eの表面に合成波による回
転変位波が形成される。また、ロータ側振動子6vに第
1駆動電源、第2駆動電源を同時に供給すると、ロータ
側弾性体6eの表面に合成波による回転変位波が形成さ
れる。変位ロックドライブを行うためには、ステータ5
及びロータ6の円周方向に進む変位波の進行方向を回転
軸4から見て同一方向となるように整える。このために
は、ステータ5又はロータ6の一方の電極SS、CCに
入力される駆動電源を互いに逆にするか、又は片方の入
力位相を180°反転すればよい。
【0048】図4は、このような変位波が噛合している
際のステータ/ロータ接触部分を円周方向に沿って切っ
た断面図である。駆動回路16からステータ側振動子5
vに供給される2つの互いに関連した駆動信号としての
2相の第1駆動信号の周波数をf、ロータ側振動子6v
に供給する2つの互いに関連した駆動信号としての2相
の第2駆動信号の周波数を同様にfとなるように制御回
路17が駆動回路16を制御する。この場合、ステータ
側弾性体5eの凸部5pに生じる回転変位波Aとロータ
側弾性体6eの凸部6pに生じる回転変位波Bが、同相
で回転変位し、変位を生じる位置も円周方向に進んで常
に位置が変わっているが、A,Bは同期しているため、
恰も歯車が噛み合った如く合致してロック作用するが、
回転軸4は回転せず、ロータ6は停止状態となる。
【0049】駆動回路16からステータ側振動子5vに
供給される2つの互いに関連した駆動信号としての2相
の第1駆動信号の周波数をf、ロータ側振動子6vに供
給される第2駆動信号の周波数を(f+Δf)とするよ
うに制御回路17が駆動回路16を制御する。この場
合、噛み合っていた回転変位波A,Bのうちの、ロータ
側振動子6vの回転変位波Bがステータ側振動子5vの
回転変位波Aに対して相対的に進む関係が生じる。この
時、ステータ5不動の状態で回転変位波A,Bが噛み合
い、双方の相対位置関係がロックする。一方、ステータ
5及びロータ6は、噛み合い状態を保持するよう加圧力
がステータ5及びロータ6間に加えられており、噛み合
いを保持するため、位相の変化分だけロータ6の回転軸
が回転する。すなわち、ロータ6に(f+Δf)印加時
の回転軸4の回転方向は、回転変位波の回転方向と同方
向となり、(f−Δf)印加時は回転変位波の回転方向
と逆方向となる。
【0050】本実施の形態に係わる変位ロックドライブ
型の超音波モータにおいては、変位波の進行方向を一方
向に固定しても、変位波A,B相互の位相関係によって
回転方向が定まる。回転方向は変位波の進行方向と位相
差の関係から定まり、変位波の進行方向のみで決定され
るものではない。この点が、従来の進行波型の超音波モ
ータとは大きく異なる。
【0051】駆動回路16からステータ側振動子5vに
供給される2相の第1駆動信号の周波数をf、ロータ側
振動子6vに供給される第2駆動信号の周波数を(f−
Δf)とするように制御回路17が駆動回路16を制御
する。この場合、噛み合っていた回転変位波A,Bのう
ちの、ロータ側振動子6vの回転変位波Bがステータ側
振動子5vの回転変位波Aに対して相対的に遅れる位置
関係となるため、ステータ5は不動の状態で進行波A,
Bの噛み合い、双方の相対位置関係がロックする。この
場合、噛み合い状態を保持するため、ロータ6は位相の
遅れに対応し、(f+Δf)とは逆の方向に回転し、ロ
ータ6は逆転する。
【0052】更に、上記周波数の可変量±Δfを増減さ
せると、ロータ6の回転速度が増減する。±Δf値によ
る回転速度(rpm)は、60×Δf/波数で定まるシ
ンクロナス回転速度を示し、例えば図2の5波タイプで
は、Δfが1Hzの時、60×1/5=12rpmとな
る。
【0053】次に、上記実施の形態に係る電気制御部2
について更に詳しく説明する。
【0054】図5は、ステータ5及びロータ6に接続さ
れた駆動回路16及び駆動回路16を制御する制御回路
17からなる電気制御部2のシステム構成図である。
【0055】駆動回路16は、第1周波数fの第1駆動
電圧信号をステータ側振動子5vに印加して上記変位波
Aをステータ側弾性体5eの対向表面上に発生させ、第
2周波数f+△f又はf−△fの第2駆動電圧信号をロ
ータ側振動子6vに印加して上記変位波Bをロータ側弾
性体6eの対向表面上に発生させる。
【0056】駆動回路16は、第1周波数fの信号を生
成する発振器部16Aと、発振器部16Aから出力された
第1周波数fの信号をステータ側振動子5vに印加して
ステータ5を振動させるステータ側駆動信号生成部16
Bと、ステータ側振動子5vで発生したフィードバック
変位検出信号と印加される第1周波数fの駆動信号との
間の位相差を検出する位相差検出部16Cとを備えてい
る。
【0057】また、駆動回路16は、制御回路17から
ロータ回転速度指示情報が入力され、入力された情報に
応じて第1周波数fから第2周波数f+△f又はf−△
fの信号を生成する周波数変換部16Dと、周波数変換
部16Dから出力された第2周波数f+△f又はf−△
fの信号をロータ側振動子6vに印加してロータ6を振
動させるロータ側駆動信号生成部16Eとを備えてい
る。なお、Δfは零とすることも可能である。
【0058】発振器部16Aは、周波数fの信号を出力
する電圧制御発振器(VCO)16A 1を有する。ここ
で、周波数fは発振器部16Aの出力周波数というより
は、むしろステータ5の円周方向の固有振動数であり、
ステータ5自身が最も共振する周波数である。発振器部
16Aから出力された周波数fの信号は駆動信号生成部
16Bに入力される。本実施の形態における分周器16
A2から出力された周波数fの信号は方形波信号である
が、この信号は基本波が周波数fであれば正弦波であっ
てもよい。
【0059】駆動信号生成部16Bは、入力される第1
成分の方形波電圧信号の高周波成分を除去し、これによ
って生成される正弦波電圧信号を増幅してステータ側振
動子5vの第1側電極部SSとグランド間に印加する増
幅器B1と、第1駆動信号の第1成分の位相を90°ずら
して第2成分を生成する移相回路16B2と、移相回路1
B2から出力された第2成分の方形波電圧信号の高周波
成分を除去し、これによって生成される正弦波電圧信号
を増幅してステータ側振動子5vの第2側電極部CCと
グランド間に印加する増幅器B3とからなる。これらの位
相差を有する電圧信号を振動子5vに印加すると、振動
子5vは略その固有振動数で振動し、振動子5vに一体
的に貼着された弾性体5eに上記変位波Aが発生する。
この際、フィードバック用電極部FB’とグランド間に
は、圧電効果に基づき変位検出信号が発生する。この変
位検出信号の周波数をfθ’とする。フィードバック用
電極部FB’から出力された変位検出信号は、位相差検
出部16Cに入力される。
【0060】位相差検出部16Cは、正弦波の変位検出
信号を方形波に変換するリミッタ16C3と、リミッタ1
C3に縦続された位相差検出器(PD)16C1と、位相
差検出器16C1に縦続されたローパスフィルタ16C2
を有している。位相検出器16C1には振動子5vへの印
加電圧である周波数fの駆動信号の増幅前段の方形波信
号及び振動子5vからのフィードバック信号としての変
位検出信号である周波数fθ’の方形波信号が入力さ
れ、これらの位相差に応じた検出信号が出力される。こ
の検出信号は、ローパスフィルタ16C2によって平滑直
流化されるため、位相差検出部16Cはこれらの入力信
号の位相差に応じたコントロール信号を出力する。この
コントロール信号は、電圧制御発振器16A1に帰還され
る。なお、入力周波数f,fθ’に微小差がある場合に
は位相差が発生するので、コントロール信号は微小周波
数差にも応じて変化する。
【0061】電圧制御発振器16A1は、入力電圧に応じ
て出力周波数を可変する。電圧制御発振器16A1は、フ
ィードバック信号の周波数fθ’が、基準周波数である
駆動信号の周波数fに対して大きい場合、その出力信号
周波数foutを低下させて駆動信号の周波数fを低下さ
せ、これと逆の場合には出力信号周波数fを上昇させて
駆動信号の周波数fを上昇させる。なお、ここでは前者
の場合にローパスフィルタ16C2から出力されるコント
ロール信号のレベルが基準値よりも低くなり、後者の場
合に高くなるように設定されているとする。
【0062】このように、回路16A〜16Cは位相同期
ループを構成し、入力周波数f,fθ’が一致するよう
に出力周波数fを制御し、駆動信号の周波数f及び位相
をロックする。
【0063】周波数変換部16Dは制御御回路17から
ロータ回転速度指示情報が端子Sを介して入力され、入
力された情報に応じて第1周波数fから第2周波数f+
△f又はf−△fの信号を生成する。周波数変換部16
Dとしては種々の構成が考えられるが、以下、好適な構
成について説明する。
【0064】図6は、周波数変換部16cの第1例を示
す。この周波数変換部16Dは、発振器部16Aで生成さ
れた周波数fの信号が入力される1/nA分周器16D1
と(nAは自然数)と、1/nA分周器16D1に順次縦続
された位相検出器16D2、ローパスフィルタ16D3及び
電圧制御発振器16D4と、電圧制御発振器16D4の出力
を位相検出器16D2に帰還する1/nB分周器16
D5(nBは自然数)とから構成される。位相検出器16
D2からローパスフィルタ16D3及び電圧制御発振器16
D4を介して位相検出器16D2に帰還する経路は位相同期
ループを構成し、電圧制御発振器16D4は、位相検出器
16D1に入力される基準周波数である1/nA分周器1
D1の出力信号周波数f/nAに、1/nB分周器16D5
の出力が一致するようにその出力信号周波数を可変す
る。
【0065】分周器16D1及び分周器16D5の分周比1
/nA及び1/nBは、制御回路17からのロータ回転速
度指示情報に応じて可変可能であり、これらは共にプロ
グラマブルデバイダである。すなわち、分周器16D1
び分周器16D5において設定される分周比1/nA及び
1/nBに応じて、周波数変換部16Dから出力される信
号の周波数(f+△f又はf−△f)の周波数変化量
(△f又は−△f)の値が可変する。上述のように周波
数変化量(△f又は−△f)は、ロータ6の回転速度と
対応づけることができるので、制御回路17からのロー
タ回転速度指示情報は、ロータ回転速度に対応づけられ
た周波数変化量(△f又は−△f)、すなわち分周比1
/nA及び1/nBの設定値である。
【0066】位相検出器16D2への2つの入力周波数が
一致するような周波数(fout=f+△f又はf−△
f)の信号を電圧制御発振器16D4は出力する。したが
って、電圧制御発振器16D4は、第2周波数fout
(nB/nA)・f(=f+△f又はf−△f)の信号を
出力する。第2周波数foutの信号は駆動信号生成部1
Eに入力される。
【0067】図5を再び参照すると、駆動信号生成部1
Eは、入力される第2駆動信号の第1成分である方形
波電圧信号から高周波成分を除去し、これによって生成
された第2周波数の正弦波電圧信号を増幅してロータ側
振動子6vの第1側電極部SSとグランド間に印加する
増幅器16E1と、第1成分の位相を90°ずらして第2
成分の信号を生成する移相回路16E2と、移相回路16
E2から出力された第2成分である方形波電圧信号から高
周波成分を除去し、これによって生成された第2周波数
の正弦波電圧信号を増幅してロータ側振動子6vの第2
側電極部CCとグランド間に印加する増幅器16E3とか
らなる。これらの位相差を有する駆動信号を振動子6v
に印加すると、振動子6vは略その固有振動数で振動
し、振動子6vに一体的に貼着された弾性体6eに上記
変位波Bが発生する。
【0068】制御回路17は、ロータ回転速度指示情報
に対応づけられた分周比1/nA及び1/nBを決定し、
分周器16D1及び分周器16D5の分周比1/nA及び1
/nBを可変する。本実施の形態においては、制御回路
17が分周比1/nA及び1/nBを可変することによ
り、変位波としての回転変位波Bの進行速度が可変し、
ロータ6の回転速度及び方向を制御することができる。
【0069】なお、上記周波数変換部16Dは、単一の
位相同期ループを用いた単独の周波数シンセサイザであ
るが、これは実用的ではない。すなわち、移動子6がロ
ータである場合に、ロータの円周に沿って5波を発生さ
せる場合において、その回転速度を1.2rpm程度の
微低速とするには、周波数差は1.2(rpm)/60
(sec)×5(波の数)=0.1Hzとなる。超音波
モータの固定子5及び移動子6の固有振動数は通常20
〜数十kHzであるため、第1周波数と第2周波数の駆
動信号の周波数差は、これらの周波数の0.1/(5×
104)=1/(2×106)倍となる。
【0070】駆動信号の周波数は、温度、駆動電圧、負
荷状態、ロータ/ステータ間の加圧力の変化によって大
幅に変化し、その変化量は約1kHzに達する。したが
って、上記実施の形態に係る超音波モータの駆動回路に
おいては、第1駆動信号に対して微小周波数差を有する
第2駆動信号を、この周波数変化に追従しつつ、長時間
持続供給することが困難である。例えば、nAを100
0、nBを999として得られるΔfは、共振周波数f
が50kHzの場合、50Hzであり、Δf=0.1H
zオーダに及ばない。このような微小周波数差を有する
第2駆動信号を生成する手法として、ヘテロダイン法が
考えられるが、ヘテロダイン出力はバンドパスフィルタ
を通して取り出されることから、入出力周波数はフィル
タのカットオフ周波数以上の差が必要であり、±0.1
Hzの周波数変換は困難である。
【0071】Δfを小さくするには、nの値を大きくす
る必要があるが、これは位相同期ループを不安定とする
こととなり、位相同期ループが動作しなくなる。ここに
周波数シンセサイザを複数縦続することによって小さな
Δfを生成し、ロータ回転速度の実用的制御を実行する
必要が本発明に生じた。すなわち、上記単独の周波数シ
ンセサイザから微小な周波数変化量△fを生成する場
合、分周比を決定するnA,nBの値(指示値n)を大き
くし(例えばn=500,000)、nA,nB差を1に
すればΔf=0.1Hzを得られるが、この場合には位
相同期ループのゲインが減少し、当該位相同期ループの
動作が不安定になる場合がある。
【0072】そこで、個々の周波数シンセサイザの指示
値nを大きくしないで、個別の周波数シンセサイザを複
数縦続することで、小さなΔfを生成することができ、
実用的に位相同期ループを安定させ、精密なロータ回転
制御を行うことができる。
【0073】図7乃至図9は、このような周波数変換部
16D’の回路図である。本例の周波数変換部16D
は、回路16D1’〜16D5’から構成される第1周波数
シンセサイザと、回路16D6’〜16D10’から構成さ
れる第2周波数シンセサイザとを縦続してなる周波数シ
ンセサイザである。
【0074】第1周波数シンセサイザは、発振器部16
Aで生成された周波数fの信号が入力される1/n1分周
器16D1’(n1は自然数)と、1/n1分周器16D1
に順次縦続された位相検出器16D2’、ローパスフィル
タ16D3’及び電圧制御発振器16D4’と、電圧制御発
振器16D4’の出力を位相検出器16D2’に帰還する1
/n2分周器16D5’(n2は自然数)とから構成され
る。
【0075】位相検出器16D2’からローパスフィルタ
16D3’及び電圧制御発振器16D4’を介して位相検出
器16D2’に帰還する経路は位相同期ループを構成し、
電圧制御発振器16D4’は、位相検出器16D1’に入力
される基準周波数である1/n1分周器16D1’の出力
信号周波数f/n1に、1/n2分周器16D5の出力が一
致するようにその出力信号周波数を可変する。すなわ
ち、電圧制御発振器16D4’の出力信号周波数fout
は(n2/n1)・fである。
【0076】第2周波数シンセサイザは、第1周波数シ
ンセサイザの電圧制御発振器16D4’から出力される周
波数fout’の信号が入力される1/n3分周器16D6
(n3は自然数)と、1/n3分周器16D6’に順次縦続
された位相検出器16D7’、ローパスフィルタ16D8
及び電圧制御発振器16D9’と、電圧制御発振器1
D9’の出力を位相検出器16D7’に帰還する1/n4
分周器16D10’(n4は自然数)とから構成される。
【0077】位相検出器16D7’からローパスフィルタ
16D8’及び電圧制御発振器16D9’を介して位相検出
器16D7’に帰還する経路は位相同期ループを構成し、
電圧制御発振器16D9’は、位相検出器16D7’に入力
される基準周波数である1/n3分周器16D6’の出力
信号周波数fout’/n3に、1/n4分周器16D10の出
力が一致するようにその出力信号周波数を可変する。
【0078】これらの周波数シンセサイザにおける分周
器16D1’,分周器16D5,分周器16D6’,分周器1
D10’の分周比1/n1,1/n2,1/n3,1/n4
は、制御回路17からのロータ回転速度指示情報に応じ
て可変可能であり、これらは全てプログラマブルデバイ
ダである。すなわち、分周器16D1’,分周器16D5
分周器16D6’,分周器16D10’において設定される
分周比1/n1,1/n2,1/n3,1/n4に応じて、
周波数変換部16D’から出力される信号の周波数(f
+△f又はf−△f)の周波数変化量(△f又は−△
f)の値が可変する。この可変手法としては、パラレル
切り替え、シリアル入力の切り替え等を用いることがで
きる。
【0079】図10は、複数の周波数シンセサイザから
なる周波数変換部16D’への入力信号周波数finと、
最終段の周波数シンセサイザの出力信号周波数、すなわ
ち、電圧制御発振器16D9’の出力信号周波数fout
の関係を、分周比1/n1,1/n2,1/n3,1/n4
を決定する指示値n1,n2,n3,n4の設定に対応づけ
て示す表である。以下、それぞれの設定における動作に
ついて詳細に説明する。
【0080】図7に示すように、分周器16D1’,分周
器16D5,分周器16D6’,分周器16D10’の分周比
1/n1,1/n2,1/n3,1/n4を、図10に示し
た設定2に設定すると、出力信号周波数fout=f−
(f/n2)=f−△fとなり、上述のようにロータ6
は逆転する。
【0081】図8に示すように、分周器16D1’,分周
器16D5,分周器16D6’,分周器16D10’の分周比
1/n1,1/n2,1/n3,1/n4を、図10に示し
た設定3に設定すると、出力信号周波数fout=f+
{(n2/(n2−1))−1}・f=f+△fとなり、
上述のようにロータ6は正転する。
【0082】図9に示すように、分周器16D1’,分周
器16D5,分周器16D6’,分周器16D10’の分周比
1/n1,1/n2,1/n3,1/n4を、図10に示し
た設定1に設定すると、出力信号周波数fout=fとな
り、ロータ側振動子6vに印加される信号の周波数f
は、ステータ側振動子5vに印加される信号の周波数f
と同じなので、ロータ6は停止する。
【0083】なお、上述のように周波数変化量(△f又
は−△f)は、ロータ6の回転速度と対応づけることが
できるので、制御回路17からのロータ回転速度指示情
報は、ロータ回転速度に対応づけられた周波数変化量
(△f又は−△f)、すなわち分周比1/n1,1/
2,1/n3,1/n4の設定値である。なお、駆動回
路に用いる位相検出器としては、入力信号の立ち上がり
時にロック動作をするデジタルメモリ回路位相比較器も
用いることができ、この場合にはローパスフィルタの適
切値を採用することができ、位相比較器が安定な状態で
ジッタを駆動信号周波数50kHzにおいて40ns以
内に抑えることができる。
【0084】なお、図7乃至図9を用いて説明した超音
波モータを試作し、その動作特性の評価を行った。以
下、詳説する。まず、入力周波数fを50kHzとし、
分周器の分周比をn=700において図7乃至図9(図
10の設定2、設定3、設定1にそれぞれ対応)に示し
たように設定した。
【0085】図11は、nを可変した場合の図10に示
した設定2、設定3、設定1にそれぞれ対応する出力周
波数foutのΔfの計算値を示す表である。n=700
とした場合の試作品においては、有効数字3桁までは計
算値と一致していることを確認した。
【0086】また、本発明に係る超音波モータの駆動方
法においては、n1/n2は0.98乃至1.02の間の
値に設定されることが好ましい。すなわち、周波数シフ
ト量はn1とn2の比に依存し、n1とn2の間の差が確定
している場合には、この比率が1に限りなく近いほど周
波数シフト量が小さくなり、ロータ6の回転速度を小さ
くすることができる。n1とn2の差が1である場合にお
いては、第1周波数を50kHzとして、これらn1
2の値が少なくとも49〜51の間で動作することが
できた。したがって、n1/n2=(49/50=0.9
8)乃至(50/49=1.02)の間の値に設定され
る場合に、ロータ6を回転させることができる。
【0087】なお、本発明は、上述の実施の形態に限定
されるものではなく、種々の変形が可能である。例え
ば、移動子として、ロータの代わりに直線運動を行うス
ライダを用いることができる。
【0088】以上、説明したように、上記実施の形態に
係る超音波モータの駆動方法によれば、圧接状態で対向
配置された固定子5及び移動子6のそれぞれに設けられ
た振動子5v、6vの振動に応じて移動子6が移動する
超音波モータの駆動方法において、第1周波数の駆動信
号を生成して振動子の一方に印加する工程と、第1周波
数を可変可能な所定量シフトさせて第2周波数の駆動信
号を生成し、他方の振動子に印加する工程とを備える。
【0089】本駆動方法に用いられる変位ロックドライ
ブは、従来の微小領域各点間の摩擦力による駆動方法と
異なり、超音波噛面の噛合による駆動方法のため、従来
に比して駆動力が大きく、また、移動制御精度を向上さ
せることができるが、超音波噛面の噛合による駆動を前
提としているため、より正確な移動制御を行うために
は、双方の超音波噛面を高精度に形成する必要がある。
そこで、本駆動方法においては、第2周波数の駆動信号
が基準となる第1周波数の駆動信号に対して正確な周波
数差を有することができる上記構成としたため、移動制
御精度を向上させることが可能となった。
【0090】また、上記駆動方法においては、第2周波
数の駆動信号は、位相同期ループを用いた周波数シンセ
サイザに第1周波数の駆動信号を入力することによって
生成する。
【0091】また、上記超音波モータの駆動方法におい
ては、第2周波数の駆動信号の生成工程において、第1
周波数のシフト方向は、第1周波数に対して正及び負方
向に設定可能であることを特徴とする。本駆動方法にお
いては、第2周波数のシフト方向が第1周波数に対して
正及び負方向に設定可能であるので、設定に応じて移動
子を固定子に対して正及び負方向に移動させることがで
きる。
【0092】また、本超音波モータの駆動方法において
は、上記周波数シンセサイザは、2つの入力信号間の位
相差に応じた信号を出力する判定手段16D2’と、判定
手段16D2’の出力に応じて出力信号周波数を可変し一
方の入力信号として位相差が小さくなるように判定手段
16D2’に帰還する周波数可変手段16D4’と、周波数
可変手段16D4’から判定手段16D2’に帰還される信
号の周波数を可変する速度情報被入力手段16D1’、1
D5’とを備え、入力信号の他方は第1周波数の信号か
ら生成され、第2周波数の駆動信号は周波数可変手段1
D4’から出力され、第2周波数の駆動信号の生成工程
において、速度情報被入力手段16D1’、16D5’に入
力される速度指示情報に応じて第1周波数のシフト量が
設定される。この場合、第2周波数の駆動信号は、第1
周波数に対する位相が監視された状態で第1周波数を所
定量シフトさせて生成されることになるので、その周波
数差を正確に維持することができる。
【0093】また、本駆動方法においては、周波数シン
セサイザは、第1周波数の信号が入力されるとともに分
周比が可変可能な第1分周器16D1’と、第1分周器1
D1’の出力信号及び第1帰還信号が入力される第1位
相検出器16D2’と、第1位相検出器16D2’の出力を
平滑化する第1ローパスフィルタ16D3’と、第1ロー
パスフィルタ16D3’の出力電圧に応じて出力周波数が
可変する第1電圧制御発振器16D4’と、をその入出力
端子S,T間に有するとともに、第1電圧制御発振器1
D4’の出力を可変可能な分周比で分周し第1帰還信号
として第1位相検出器16D2’に入力する第2分周器1
D5’を更に有してなる第1周波数シンセサイザを備え
る。
【0094】また、本超音波モータの駆動方法において
は、周波数シンセサイザは、第1周波数シンセサイザの
出力信号が入力されるとともに分周比が可変可能な第3
分周器16D6’と、第3分周器16D6’の出力信号及び
第2帰還信号が入力される第2位相検出器16D7’と、
第2位相検出器16D7’の出力を平滑化する第2ローパ
スフィルタ16D8’と、第2ローパスフィルタ16D8
の出力電圧に応じて出力周波数が可変する第2電圧制御
発振器16D9’と、をその入出力端子S,T間に有する
とともに、第2電圧制御発振器16D9’の出力を可変可
能な分周比で分周し第2帰還信号として第2位相検出器
16D7’に入力する第4分周器16D10’を更に有して
なる第2周波数シンセサイザを備える。
【0095】本駆動方法では、出力信号周波数fout
=(n4/n3)・foutが得られる第1周波数シンセサ
イザと同様の構造の第2周波数シンセサイザをこれに縦
続し、個々の周波数シンセサイザのn1、n2、n3、n4
を大きくすることなく周波数シフト量を微小としつつ
も、位相同期ループを安定させて、更に精密な移動制御
を行う。
【0096】また、本駆動方法においては、第1分周器
の分周比を1/n1、第2分周器の分周比を1/n2とし
たときに、n1とn2との間の差は1である。すなわち、
周波数シフト量はn1とn2との間の差に依存し、n1
びn2の双方の大きさが確定している場合には、この差
が小さいほど周波数シフト量が小さくなり、移動子の移
動速度を小さくすることができる。n1とn2は整数であ
ることが好ましいため、この差が1である場合には最も
小さな周波数シフトを行うことができる。
【0097】さらに、本駆動方法においては、n1/n2
は0.98乃至1.02の間の値に設定されることが好
ましい。すなわち、周波数シフト量はn1とn2の比に依
存し、n1とn2の間の差が確定している場合には、この
比率が1に限りなく近いほど周波数シフト量が小さくな
り、移動子6の移動速度を小さくすることができる。n
1とn2の差が1である場合においては、第1周波数を5
0kHzとして、これらn1とn2の値が少なくとも49
〜51の間で動作することができた。したがって、n1
/n2=(49/50=0.98)乃至(50/49=
1.02)の間の値に設定される場合に、移動子を移動
させることができる。
【0098】また、本発明の変位ロックドライブにおい
ては、0〜0.01Hz、〜0.1Hz、〜1Hz、〜
10Hz等の極近接した周波数差の±Δfを50kHz
の駆動信号に加えて生成することが可能である。
【0099】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明に係る超
音波モータの駆動方法は第1周波数をシフトさせて第2
周波数の信号を生成するので、速度指示情報に応じて安
定した回転制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る超音波モータを示す構成図。
【図2】圧電振動子5v又は6vの一方面側の平面図。
【図3】圧電振動子5v又は6vの他方面側の平面図。
【図4】進行波が発生している際のステータ/ロータ接
触部分を円周方向に沿って切った断面図。
【図5】電気制御部2のシステム構成図。
【図6】周波数変換部16Dの回路図。
【図7】周波数変換部16D’の回路図。
【図8】周波数変換部16D’の回路図。
【図9】周波数変換部16D’の回路図。
【図10】周波数変換部16D’への入力信号周波数f
inと、電圧制御発振器16D9’の出力信号周波数fout
との関係を指示値n1,n2,n3,n4の設定に対応づけ
て示す表。
【図11】nを可変した場合の図10に示した設定2、
設定3、設定1にそれぞれ対応する出力周波数fout
Δfの計算値を示す表。
【符号の説明】
5…ステータ5、6…ロータ、5v,6v…振動子、1
A…発振器部、16D,16D’…周波数変換部。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧接状態で対向配置された固定子及び移
    動子のそれぞれに設けられた振動子の振動に応じて前記
    移動子が移動する超音波モータの駆動方法において、 (A)第1周波数の駆動信号を生成して前記振動子の一
    方に印加する工程と、 (B)周波数シンセサイザに前記第1周波数の駆動信号
    を入力することによって、前記第1周波数を所定量シフ
    トさせて第2周波数の駆動信号を生成し、生成された第
    2周波数の駆動信号を前記振動子の他方に印加する工程
    とを備え、前記第1周波数のシフト量は可変であり、 前記周波数シンセサイザは、 (a)入力信号と前記第1周波数の信号から生成される
    信号との間の位相差に応じた信号を出力する判定手段
    と、 (b)前記判定手段の出力に応じて出力信号周波数を可
    変し、これを前記入力信号として前記位相差が小さくな
    るように前記判定手段に帰還する周波数可変手段と、 (c)入力される速度指示情報に基づいて、前記周波数
    可変手段から前記判定手段に帰還される信号の周波数を
    可変する速度情報被入力手段とを備え、 前記第2周波数の駆動信号は前記周波数可変手段の出力
    信号であり、 前記速度情報被入力手段は、これに入力される前記速度
    指示情報に応じて前記シフト量を設定することを特徴と
    する超音波モータの駆動方法。
  2. 【請求項2】 圧接状態で対向配置された固定子及び移
    動子のそれぞれに設けられた振動子の振動に応じて前記
    移動子が移動する超音波モータの駆動方法において、 (A)第1周波数の駆動信号を生成して前記振動子の一
    方に印加する工程と、 (B)周波数シンセサイザに前記第1周波数の駆動信号
    を入力することによって、前記第1周波数を所定量シフ
    トさせて第2周波数の駆動信号を生成し、生成された第
    2周波数の駆動信号を前記振動子の他方に印加する工程
    とを備え、前記第1周波数のシフト量は可変であり、 前記周波数シンセサイザは、 (a)前記第1周波数の信号が入力されるとともに分周
    比が可変な第1分周器と、 (b)前記第1分周器の出力信号及び第1帰還信号が入
    力される第1位相検出器と、 (c)前記第1位相検出器の出力を平滑化する第1ロー
    パスフィルタと、 (d)前記第1ローパスフィルタの出力電圧に応じて出
    力周波数が可変する第1電圧制御発振器と、 を入出力端子間に有するとともに、 (e)可変な分周比で前記第1電圧制御発振器の出力を
    分周し、前記第1帰還信号として前記第1位相検出器に
    入力する第2分周器を更に有してなる第1周波数シンセ
    サイザを備えることを特徴とする超音波モータの駆動方
    法。
  3. 【請求項3】 前記周波数シンセサイザは、 (a)前記第1周波数シンセサイザの出力信号が入力さ
    れるとともに分周比が可変な第3分周器と、 (b)前記第3分周器の出力信号及び第2帰還信号が入
    力される第2位相検出器と、 (c)前記第2位相検出器の出力を平滑化する第2ロー
    パスフィルタと、 (d)前記第2ローパスフィルタの出力電圧に応じて出
    力周波数が可変する第2電圧制御発振器と、 を入出力端子間に有するとともに、 (e)可変な分周比で前記第2電圧制御発振器の出力を
    分周し前記第2帰還信号として前記第2位相検出器に入
    力する第4分周器を更に有してなる第2周波数シンセサ
    イザを備えることを特徴とする請求項2に記載の超音波
    モータの駆動方法。
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