JP3068936B2 - 焼却炉燃焼制御装置および制御方法 - Google Patents

焼却炉燃焼制御装置および制御方法

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JP3068936B2
JP3068936B2 JP4020207A JP2020792A JP3068936B2 JP 3068936 B2 JP3068936 B2 JP 3068936B2 JP 4020207 A JP4020207 A JP 4020207A JP 2020792 A JP2020792 A JP 2020792A JP 3068936 B2 JP3068936 B2 JP 3068936B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焼却炉燃焼制御装置お
よび制御方法に係り、特に含水率の変化する燃料、例え
ば廃棄物を燃焼させる焼却炉において燃料中の水分によ
る燃焼不良を防止し、焼却炉を安全に運転することを可
能とした焼却炉の燃焼制御装置および制御方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来は、含水率など性状の変動の大きい
廃棄物のような主燃料の供給量(燃焼量)を基準にそれ
らに見合った燃焼空気量を決定し、主燃料の性状変化に
対しては目測からの判断によって、手動により燃焼空気
量の調節を行なっている。主燃料性状が悪く焼却炉内の
温度が異常に低下したときには助燃バーナが自動的に投
入され焼却炉内の温度が基準範囲になるように自動調節
される断続運転となっているが、主燃料性状の異常変化
が大きいときには助燃バーナを投入しても焼却炉内温度
が低下し消火に至ること、また補助燃料消費量が増加し
不経済であり、改善が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、主燃
料性状の大きな変動に対応するためには、操作員の判断
に頼るしかなく対応の遅れにより消火に至り、再起動の
処置に伴う焼却時間の減少、補助燃料量の増大等が発生
するという問題があった。本発明の目的は、操作員の判
断に頼ることなく、自動的に主燃料性状変化に対応した
燃焼空気量、燃料量の調節により炉内の異常温度低下時
の消火防止、ならびに炉内温度の異常上昇においては主
燃料量を制限調節し、安定した連続運転と補助燃料消費
量の低減を計る焼却炉燃焼制御装置および制御方法を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本願の第1の発明は、焼却炉に含水率に変動のある主燃
料と燃焼用空気を供給して燃焼させる焼却炉の燃焼制御
装置において、燃焼炉へ供給する主燃料量に基づいて求
めた燃焼用空気信号を、炉出口排ガス中のO2成分によ
り補正して空気量設定信号とする部分と、この空気量設
定信号を、主燃料量と主燃料中の水分とから求めた水分
量により水分量が多いときは増し、少ないときは減らす
水分量補正信号によって補正する部分と、この補正され
た空気量設定値と炉への供給空気量測定値と比較して炉
内への供給空気量を制御する部分と、主燃料中の水分量
が所定量以上のときは助燃バーナを起動して助燃バーナ
への助燃料量を上記水分量によって制御する部分とを備
えたことを特徴とする焼却炉燃焼制御装置に関する。
【0005】第2の発明は、焼却炉に含水率の変動する
主燃料と燃焼用空気を供給して燃焼させる焼却炉の燃焼
制御方法において、焼却炉に供給する主燃料に基づいて
求めた空気量設定信号を、主燃料中に含まれる水分量に
より補正し、この補正値と炉への供給空気測定量と比較
して炉内への供給空気量を制御するとともに、炉内に供
給する主燃料量信号と炉内温度の測定値とにより供給主
燃料カロリ偏差を演算し、この演算値により上記主燃料
量信号を補正し、この補正された値と主燃料量測定値と
の偏差量により主燃料供給量を制御することを特徴とす
る焼却炉燃焼制御方法に関する。
【0006】第3の発明は、上記第2の発明において、
供給主燃料カロリ偏差の演算値により補正された主燃料
量信号を、供給主燃料中の水分量に基づき補正し、この
補正された主燃料量信号と主燃料量測定値との偏差量に
より主燃料供給量を制御することを特徴とする焼却炉燃
焼制御方法に関する。第4の発明は、流動層焼却炉に含
水率に変動のある主燃料と燃焼用空気を供給して燃焼さ
せる流動層焼却炉の燃焼制御方法において、焼却炉へ供
給する主燃料量に基づいて求めた燃焼用空気量信号を、
主燃料量と主燃料中の水分率とから求めた水分量補正信
号により補正し、この補正された値と炉への供給空気量
検出信号と比較して炉内への供給空気量を制御するとと
もに、炉内に供給する主燃料信号を炉内ガス温度と前記
水分量補正信号により補正し、この補正された値と主燃
料量測定値との偏差値に基づいて主燃料供給量を制御
し、焼却炉の流動層内温度の測定値と設定値の偏差量、
または主燃料量と主燃料中の水分率より求めた助燃料供
給信号が所定値をこえたときは助燃バーナを起動して同
バーナへの助燃料供給量を前記偏差量または助燃料供給
信号に基づいて制御することを特徴とする流動層の焼却
炉燃焼制御方法に関する。
【0007】第5の発明は、上記第4の発明において、
流動層内温度の測定値と設定値の偏差量に基づく信号
と、主燃料量と主燃料中の水分率より求めた助燃料供給
信号のいずれか大きい方の信号に基づいて助燃バーナへ
の助燃料供給量を制御することを特徴とする流動層の焼
却炉燃焼制御方法に関する。
【0008】
【実施例】図1に本発明に係わる焼却炉燃焼制御装置の
一実施例を示す。主燃料は燃料ホッパ106に投入さ
れ、燃料供給機43により焼却炉101に供給される。
燃料供給機43には燃料量発信器41、燃料水分計7が
設置されている。なお、燃料水分計7はマイクロ波が水
分を含んだ物質中を通過する際の位相変化および減衰す
る原理をマイクロコンピュータで解析し水分量を算出す
る。さらに精度をあげるため、被測定物の層厚および密
度の変化を放射線式密度計の付加で補正する。焼却炉1
01には助燃バーナ110への燃料供給のための助燃バ
ーナ弁6、炉内温度検出器5があり、助燃バーナの運用
に供される。
【0009】燃焼空気は送風機102から空気予熱器1
04で燃焼ガスと熱交換され、焼却炉101に供給され
る。燃焼空気量は空気量操作器4によって調節され、そ
の風道108には空気量発信器1を設置し、燃焼空気量
が計測される。燃焼ガスは煙道109、空気予熱器10
4、通風機103を経て煙突105から排出される。煙
道109には排ガスO2 検出器31が設置されている。
炉内ガス温度検出器36により燃料供給機43の負荷制
御に供する。制御器107は主燃料量、燃焼空気量およ
び助燃バーナ弁6の制御回路が収納される。
【0010】図2および図3に本発明の制御回路を示
す。図2は主に燃料水分計7に係わる燃焼空気量および
助燃バーナ弁6の回路を示し、燃焼空気量は空気量設定
信号3に水分量による補正信号乗算器14を経て、空気
量調節器2の設定信号が与えられ、空気量検出器1の測
定信号と空気量調節器2で比較演算され、空気量設定信
号3の補正された信号と一致するよう空気量操作器4に
より調節される。燃料水分計7の測定信号は信号遅れ器
にて平滑され、高低制限器10により補正範囲を設定
し、関数発生器11で図4に示す一例のように水分量の
増加時はプラス(+)補正、より過剰空気量とし、炉内
の燃焼を活性化することで水分の気化熱を補い炉内温度
低下を防ぐ。逆に水分量が減少した時はマイナス(−)
補正、過剰空気量を少なくし、燃焼をおさえる。燃料量
設定信号21により前記水分量補正率を補正するため、
関数発生器12に入力され、関数発生器12の出力は乗
算器13で水分信号補正し、乗算器14により空気量調
節器2の設定信号を補正する。炉内温度検出器5の測定
値と、炉内温度調節器15の設定値と比較し、測定値が
設定値より低い時は開弁信号を発生し、助燃バーナ弁6
を開弁し助燃する。なお、弁6の開弁量は設定値と測定
値の偏差量に比例する。逆に測定値が高くなれば開弁信
号を減らし助燃バーナ弁6を閉じる方向に制御し炉内温
度を調節する。高信号選択器17は炉内温度調節器15
の出力信号と乗算器19の出力信号が設定値を越えたと
きに開弁信号を発生する調節器19′の出力信号の何れ
か高い方を選択し助燃バーナ弁6の調節信号として出力
する。燃料水分計7からの信号は関数発生器16で水分
量による助燃バーナ弁6の助燃量信号に演算された後、
さらに燃料量設定信号21に比例した助燃量にすべく関
数発生器18で演算し、乗算器19により補正して調節
器19′を経て前述の高信号選択器17の一方の助燃量
入力信号とする。
【0011】図3は主燃料供給および空気量設定信号制
御回路を示し、燃料量発信器41の測定信号は燃料量設
定信号21にカロリー演算器37の補正のための除算器
40出力信号を水分量補正するための加算器46を経た
信号を設定値として燃料調節器42にて比較し、設定値
と一致するようその出力信号は燃料供給機43を操作し
て燃料量の増減調節をする。カロリー演算器37は燃料
量設定信号21と、炉内温度ガス検出器36の測定信号
とを比較し、規定値以上の測定信号をカロリー演算をし
て、除算器46でカロリー増加量を逆比例として補正す
る回路。水分量補正信号22は前述した燃焼空気量設定
信号3の水分量による補正に伴う燃焼の活性化によって
生ずる燃料量過不足分を補償するものであり、関数発生
器39により演算され、遅れ時間補償器38で燃焼遅れ
時間を補償し、加算器46により燃料量信号を補正す
る。空気量設定信号3は燃料量設定信号21か、燃料量
発信器41の測定信号のいずれか高い方の信号が高信号
選択器44で選択されて、燃料量−燃焼空気量の過剰空
気率を設定する関数発生器45で空気比率が演算され、
排ガスO2 補正乗算器33で過剰空気率を補償した空気
量設定信号となる。
【0012】排ガスO2 検出器31の測定信号は高信号
選択器44の出力信号に関数発生器34で燃料量と排ガ
スO2 の比率に変換されて、水分量補正のための排ガス
2補償加算器47で排ガスO2 設定信号となり、排ガ
スO2 調節器32で比較演算されて、空気過剰率補償信
号として乗算器33により空気量設定信号を補正する。
一方、水分量補正信号22は関数発生器35で水分量補
正値に比例した排ガスO2 値であるべく補正し、加算器
47で、前述のごとく排ガスO2 値を補償する回路であ
り、これらの回路により安定な運転が得られる。
【0013】図5に他の実施例を示す。主燃料(廃棄物
−汚泥)は焼却炉101へ供給する事前に燃料水分計7
による測定信号で乾燥機112により規定の水分量に調
節し、輸送機111により供給することで安定した焼却
炉の運転が可能となる。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、焼却炉への主燃料供給
に先立ち、主燃料の水分量を検出し、それらに対応した
燃焼を計るために焼却炉炉内の温度低下による停止が防
止でき連続運転が可能となる他、水分量の異なる焼却物
の混焼も容易にでき、さらに補助燃料量の節約も可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明になる焼却炉燃焼制御装置の実
施例系統図である。
【図2】、
【図3】図2および図3は、本発明の実施例における燃
焼制御回路説明図である。
【図4】図4は、燃料中の水分による燃焼用空気量、主
燃料量の補正特性を示す図である。
【図5】図5は、本発明の他の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1…空気量検出器、2…空気量調節器、3…空気量設定
信号、4…空気量操作器、5…炉(層)内温度検出器、
7…燃料主分計、9…信号遅れ器、10…高低信号制限
器、11、12…関数発生器、13、14…乗算器、1
5…炉(層)内温度調節器、16…関数発生器、17…
高信号選択器、18…関数発生器、19…乗算器、1
9′…炉(層)内温度調節器、20…排ガスO2 補正信
号、21…燃料量設定信号、22…水分量補正信号、3
1…排ガスO2 検出器、32…排ガスO2 調節器、33
…乗算器、34、35…関数発生器、36…炉内ガス温
度検出器、37…カロリー演算器、38…遅れ時間補償
器、39…関数発生器、40…除算器、41…燃料量発
信器、42…燃料調節器、43…燃料供給機、44…高
信号選択器、45…関数発生器、46、47…加算器、
101…(流動層)焼却炉、102…送風機、103…
通風機、104…空気予熱器、105…煙突、106…
燃料ホッパ、108…風道、109…煙道、110…助
燃バーナ。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−167628(JP,A) 特開 昭63−113213(JP,A) 特開 平3−241216(JP,A) 特開 昭54−141071(JP,A) 特開 昭57−82609(JP,A) 特開 平2−192506(JP,A) 特開 昭63−113215(JP,A) 特開 昭54−110674(JP,A) 実開 昭59−191036(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23G 5/50 ZAB

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼却炉に含水率に変動のある主燃料と燃
    焼用空気を供給して燃焼させる焼却炉の燃焼制御装置に
    おいて、燃焼炉へ供給する主燃料量に基づいて求めた燃
    焼用空気信号を、炉出口排ガス中のO2 成分により補正
    して空気量設定信号とする部分と、この空気量設定信号
    を、主燃料量と主燃料中の水分とから求めた水分量によ
    り水分量が多いときは増し、少ないときは減らす水分量
    補正信号によって補正する部分と、この補正された空気
    量設定値と炉への供給空気量測定値と比較して炉内への
    供給空気量を制御する部分と、主燃料中の水分量が所定
    量以上のときは助燃バーナを起動して助燃バーナへの助
    燃料量を上記水分量によって制御する部分とを備えたこ
    とを特徴とする焼却炉燃焼制御装置。
  2. 【請求項2】 焼却炉に含水率の変動する主燃料と燃焼
    用空気を供給して燃焼させる焼却炉の燃焼制御方法にお
    いて、焼却炉に供給する主燃料に基づいて求めた空気量
    設定信号を、主燃料中に含まれる水分量により補正し、
    この補正値と炉への供給空気測定量と比較して炉内への
    供給空気量を制御するとともに、炉内に供給する主燃料
    量信号と炉内温度の測定値とにより供給主燃料カロリ偏
    差を演算し、この演算値により上記主燃料量信号を補正
    し、この補正された値と主燃料量測定値との偏差量によ
    り主燃料供給量を制御することを特徴とする焼却炉燃焼
    制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、供給主燃料カロリ偏
    差の演算値により補正された主燃料量信号を、供給主燃
    料中の水分量に基づき補正し、この補正された主燃料量
    信号と主燃料量測定値との偏差量により主燃料供給量を
    制御することを特徴とする焼却炉燃焼制御方法。
  4. 【請求項4】 流動層焼却炉に含水率に変動のある主燃
    料と燃焼用空気を供給して燃焼させる流動層焼却炉の燃
    焼制御方法において、焼却炉へ供給する主燃料量に基づ
    いて求めた燃焼用空気量信号を、主燃料量と主燃料中の
    水分率とから求めた水分量補正信号により補正し、この
    補正された値と炉への供給空気量検出信号と比較して炉
    内への供給空気量を制御するとともに、炉内に供給する
    主燃料信号を炉内ガス温度と前記水分量補正信号により
    補正し、この補正された値と主燃料量測定値との偏差値
    に基づいて主燃料供給量を制御し、焼却炉の流動層内温
    度の測定値と設定値の偏差量、または主燃料量と主燃料
    中の水分率より求めた助燃料供給信号が所定値をこえた
    ときは助燃バーナを起動して同バーナへの助燃料供給量
    を前記偏差量または助燃料供給信号に基づいて制御する
    ことを特徴とする流動層の焼却炉燃焼制御方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、流動層内温度の測定
    値と設定値の偏差量に基づく信号と、主燃料量と主燃料
    中の水分率より求めた助燃料供給信号のいずれか大きい
    方の信号に基づいて助燃バーナへの助燃料供給量を制御
    することを特徴とする流動層の焼却炉燃焼制御方法。
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KR101299175B1 (ko) * 2013-04-23 2013-08-26 주식회사 한양인더스트리 화장로 연소제어 시스템
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