JP3068648B2 - ポリオール脂肪酸ポリエステルの酸化安定性の改善方法 - Google Patents

ポリオール脂肪酸ポリエステルの酸化安定性の改善方法

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JP3068648B2 JP4510875A JP51087592A JP3068648B2 JP 3068648 B2 JP3068648 B2 JP 3068648B2 JP 4510875 A JP4510875 A JP 4510875A JP 51087592 A JP51087592 A JP 51087592A JP 3068648 B2 JP3068648 B2 JP 3068648B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、改善された酸化安定性を有するポリオール
脂肪酸ポリエステル、特にスクロースポリエステル、を
調製する方法に関する。
発明の背景 無溶剤のエステル交換反応を利用する方法を含むポリ
オール脂肪酸ポリエステルの調製法は、1976年6月15日
に発行されたRizzi等の米国特許第3,963,699号明細書;1
985年5月14日に発行されたVolpenheinの米国特許第4,5
17,360号明細書;1985年5月21日に発行されたVolpenhei
nの米国特許第4,518,772号明細書に記載されている。ポ
リオールの低級エステルおよび高級エステルの調製法を
記載する他の特許明細書には、1959年7月7日に発行さ
れたHass等の米国特許第2,893,990号明細書;糖の粒子
サイズは、高級エステルの形成を避けるために小さく保
つべきことを開示する、1966年5月17日に発行されたSc
hnell等の米国特許第3,251,827号明細書;1971年1月26
日に発行されたBrachel等の米国特許第3,558,597号明細
書;1972年2月22日に発行されたOsipow等の米国特許第
3,644,333号明細書;1974年2月12日に発行されたYamagi
shiの米国特許第3,792,041号明細書、これらの明細書
は、スクロースおよび脂肪酸石鹸の水溶液を調製し、水
を追い出すため昇温する前に脂肪酸エステルおよび触媒
を添加する方法を開示する;低級エステルの調製におい
て乳化剤としてスクロースの低級エステルを用いるこ
と、このような反応の触媒として石鹸を使用することを
開示する、1977年6月28日に発行されたJamesの米国特
許第4,032,702号明細書;乳化剤および触媒として石鹸
を使用することを開示する、1981年11月3日に発行され
たGalleymore等の米国特許第4,298,730号明細書;ポリ
オールポリエステルを精製するために水洗い工程を用い
ること開示し、一方スクロースと低級アルキル脂肪酸エ
ステルとの反応から低級アルコールを除去するために不
活性ガス噴霧を用いて反応を促進すること、理由を指摘
せずにバッチ反応の初期段階から未反応スクロースを除
去することを開示する、1982年6月8日に発行されたBo
ssier等の米国特許第4,334,061号明細書;1989年10月31
日に発行されたKlemann等の米国特許第4,877,871号明細
書がある。上記のすべての特許明細書は参考としてここ
に引用されている。
上記特許の多くは、均一な反応混合物の形成を助ける
ために溶媒を用いる方法を教示する。しかしながら、溶
媒は、ポリエステルが摂取される前に終局的に除去され
なければならない。また、溶媒を含む多くの方法は、主
に低度のエステル交換反応のみを有する、すなわち界面
活性剤として有用である1または2のエステル基を含
む、エステルの調製法である。
ポリオール脂肪酸ポリエステルの調製法でアルカリ性
物質を用いることは、当技術分野では知られている。た
とえば、1965年8月3日に発行されたGriscom等の米国
特許第3,198,784号明細書は、ベンジル化スクロースの
調製の予備工程としてスクロースの水溶液に水酸化ナト
リウムを添加することを開示する。1974年11月19日に発
行されたLambertiの米国特許第3,849,3412号明細書は、
炭水化物のエステル結合誘導体の調製にアルカリ性溶液
を用いることを開示する。共にUnileverに譲渡され1989
年6月7日に公開されたヨーロッパ特許出願第319,09
1、319,092号明細書は、精製工程でアルカリ性溶液を用
いることにより明るい色のポリオール脂肪酸オイルを調
製する方法を開示する。
ヨーロッパ特許出願第319,092号明細書は、40℃〜110
℃の温度で、少なくとも12.5のpHを有するアルカリ性溶
液で粗製ポリオールポリエステルをリンスすることを開
示する。ヨーロッパ特許出願第319,091号明細書は、塩
基性触媒合成および/またはヨーロッパ特許出願第319,
092号明細書で開示された精製手順で残った残留アルカ
リ金属イオンの量を低下させる方法を開示する。この方
法は、最終生成物重量の5ppm未満までポリオール脂肪酸
エステル中のアルカリ金属の量を減少させることを目的
とする。そこで調製される明るい色のポリオール脂肪酸
ポリエステルオイルは改善された保存性を有すると報告
されているが、このオイルの酸化安定性の改善について
は何も開示されていない。
本発明は、改善された酸化安定性を有するポリオール
脂肪酸ポリエステルを調製する方法に関する。これらの
ポリオール脂肪酸ポリエステルは、たとえば、優れたフ
レーバーと香り、長い保存寿命および長い揚油寿命を有
する調理オイルを調製するのに用いることができる。
発明の概要 本発明の改善された方法は、合成反応後の粗生成物の
精製工程の後および仕上げ工程の前に、粗製のポリオー
ル脂肪酸ポリエステルにアルカリ性物質を添加する工程
を含んでなる。アルカリ性物質は、最終製品のポリオー
ル脂肪酸ポリエステルのpHレベルが約6.0〜約8.5になる
ような量で粗製ポリオール脂肪酸ポリエステルに添加さ
れる。
図面の説明 この図面は、本発明の方法を用いて調製したスクロー
スポリエステルと、そうでないスクロースポリエステル
との酸化安定性を比較するグラフである。
発明の詳細な説明 本発明は、改善された酸化安定性を有するポリオール
脂肪酸ポリエステルを調製する方法に関する。この改善
は、合成反応後の粗生成物の精製工程の後および仕上げ
工程の前のある時点において粗製ポリオール脂肪酸ポリ
エステルにアルカリ性物質を添加することから成る付加
的な工程を利用することにより実現される。このアルカ
リ性物質は、中性の脱イオン水、イソプロピルアルコー
ルおよびこれらの混合物中10%のポリオール脂肪酸ポリ
エステル溶液で110゜F〜120゜Fで測定したときに、約6
〜約8.5の最終生成物のpHをもたらすのに十分な量添加
される。
上述されたように、アルカリ性物質は、合成反応の
後、調製工程の精製段階の後および仕上げ段階の前に添
加される。通常、これは、粗生成物からの残留エステル
反応物の除去以前の時点で行われる。たとえば、メチル
エステルを有するスクロースポリエステルを合成すると
きに、アルカリ性物質は、粗合成物から残留メチルエス
テルを除去する前に添加される。
アルカリ性物質が工程中の他の時点(たとえば、ヨー
ロッパ特許出願第319,0920号に開示されるように水洗い
工程の間に)添加されるときには、ポリオール脂肪酸ポ
リエステルの酸化安定性の有意な改善は何等実現されな
い。理論により限定することを意図するものではない
が、工程中の上記開示された時点でアルカリ性物質を添
加することは、粗生成混合物中の微量成分由来の前酸化
体(プロ−オキシダント)の形成を妨げると考えられ
る。アルカリ性条件はフリーラジカル酸化を促進するこ
とが当技術分野では知られている(ここに参考として引
用されているBuck,Daniel F.の「抗酸化剤の応用」The
Manufacturing Confectioner Assoc.Production Confer
ence,1985を参照)ので、これは驚くべきことである。
製造方法の精製および仕上げ工程の間に前酸化体を最少
化すると、改善されたフレーバーと香り、長い保存寿命
を有するポリオール脂肪酸ポリエステルが得られる。
要約すると、本発明の方法によって調製されるポリオ
ール脂肪酸ポリエステルを用いて調製される生成物は、
長期の貯蔵および使用期間にわたり良好なフレーバーと
香りを保持する。
下記は、このようなポリオール脂肪酸ポリエステル、
特にスクロース脂肪酸ポリエステル、を調製する方法を
概括的に開示するものである。
A.ポリオール脂肪酸ポリエステル 本発明で使用されるような、「ポリオール」という用
語は、少なくとも4個のフリーなヒドロキシ基を含む脂
肪族または芳香族化合物を含むことを意図している。本
発明で開示される方法を実施する場合、適当なポリオー
ルの選択は単に選択事項である。たとえば、適当なポリ
オールは、次の類から選択することができる:飽和およ
び不飽和の直鎖および分枝の線状脂肪族化合物;複素環
式脂肪族化合物を含む、飽和および不飽和の環状脂肪族
化合物;または複素環式芳香族を含む、単環式および多
環式芳香族。炭水化物および無毒性グリコールは好まし
いポリオールである。本発明の使用に適当な単糖類は、
たとえば、マンノース、ガラクトース、アラビノース、
キシロース、リボース、アピオース、ラムノース、プシ
コース、フルクトース、ソルボース、タジトース(tagi
tose)、リブロース、キシロースおよびエリスルロース
を包含する。本発明の使用に適当なオリゴ糖は、たとえ
ば、マルトース、コジビオース、ニゲロース、セロビオ
ース、ラクトース、メリビオース、ゲンチオビオース、
ツラノース、ルチノース、トレハロース、スクロースお
よびラフィノースを包含する。本発明の使用に適当な多
糖類は、たとえば、アミロース、グリコーゲン、セルロ
ース、キチン、イヌリン、アガロース、ジラン(zyla
n)、マンナンおよびガラクタンを包含する。糖アルコ
ールは厳密な意味では炭水化物ではないが、天然に生じ
る糖アルコールは炭水化物に非常に密接に関連するので
これも本発明の使用にとって好ましい。天然に最も幅広
く分布し本発明の使用に適当である糖アルコールは、ソ
ルビトール、マンニトールおよびガラクチトールであ
る。アルデヒド基はアルコール基に変化するか、または
エーテル結合を形成するようにアルコール基と反応させ
ることが望ましい。たとえば、ポリオールはアルキルグ
リコシドまたはポリグリコシド、特にグルコシドおよび
ポリグルコシドであり得る。
本発明の使用に適当で特に好ましい類は、単糖類、二
糖類および糖アルコールを含む。好ましい炭水化物およ
び糖アルコールは、キシリトール、ソルビトールおよび
スクロースを含む。最も好ましいのはスクロースであ
る。
本発明で使用されるような、「脂肪酸エステル」とい
う用語は、約8個以上の炭素原子を含む脂肪酸のC1〜C4
(好ましくは、メチル)、2−メトキシエチルおよびベ
ンジルエステル、ならびにこのようなエステルの混合物
を含むことを意図している。適当な反応エステルは、ジ
アゾアルカンと脂肪酸との反応により調製するか、また
は油脂中に天然に生じる脂肪酸からアルコリシスによっ
て誘導することができる。適当な脂肪酸エステルは、合
成または天然の飽和または不飽和脂肪酸から誘導するこ
とができ、位置および幾何異性体を包含する。適当な好
ましい飽和脂肪酸は、たとえば、カプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、ドコサン酸、イソミリスチン酸、イソマルガリ
ン酸およびアンテイソアラカディック(anteisoarachad
ic)酸を包含する。適当な好ましい不飽和脂肪酸は、た
とえば、ミリストール酸、パルミトール酸、リシノール
酸、リノール酸、オレイン酸、エライジン酸、リノレイ
ン酸、エレオステアリン酸、アラキン酸、アラキドン
酸、エルカ酸およびエリトロゲン酸を包含する。大豆、
パーム、べにばな、菜種、キャノーラ、ピーナッツ、ひ
まわり、綿実および/またはとうもろこし油から誘導さ
れる脂肪酸混合物は本発明の使用に特に好ましい。たと
えば、菜種はC22脂肪酸の良い源である。C16〜C18脂肪
酸は獣脂、大豆油または綿実油によって得られる。短鎖
の脂肪酸はココやし、パーム核またはババスーやし油に
よって得られる。とうもろこし油、ラード、オリーブ
油、パーム油、ピーナッツ油、べにばな種子油、ごまの
実油およびひまわり種子油は、脂肪酸成分源として機能
できる他の天然油の例である。
アルカリ金属石鹸は、本発明に説明されるタイプのポ
リオールポリエステルの調製法に一般的に使用される。
本発明で使用されるような、「アルカリ金属脂肪酸石
鹸」という用語は、約8〜約18個の炭素原子を有する飽
和および不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩を含むことを意
図している。したがって、適当なアルカリ金属脂肪酸石
鹸は、たとえば、前述の脂肪酸、特にカプリン酸、ラウ
リン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン
酸(これらの混合物も同様)のような飽和脂肪酸、のリ
チウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシ
ウム塩を包含する。パルミチン酸およびステアリン酸は
好ましい。大豆油、パーム、ピーナッツ、キャノーラ、
綿実、ひまわり油、べにばな油および/またはとうもろ
こし油から誘導される脂肪酸混合物は本発明の使用に好
ましい。したがって、好ましいアルカリ金属脂肪酸石鹸
は、たとえば、大豆油脂肪酸から調製されるカリウム石
鹸を含む。実質的に完全に水素添加された物質、たとえ
ば約8未満、好ましくは約2未満のI.V.のものは特に好
ましい。
糖のポリエステルを調製する好ましい方法、特に大豆
油脂肪酸メチルエステルを利用するものでは、約16〜22
個の炭素原子を含む飽和脂肪酸のアルカリ金属塩、たと
えばカリウムまたはナトリウム塩が存在することが大変
望ましい。大変微細に分割された成分の均質混合物は、
良好な反応を達成するために重要である。
本発明で記述されるポリオールポリエステルの調製に
用いる一般的に適当な塩基性触媒は、アルミニウム、ナ
トリウム、リチウムおよびカリウムなどのアルカリ金
属;ナトリウム−リチウムおよびナトリウム−カリウム
合金などの2以上のアルカリ金属の合金;ナトリウム、
リチウムおよびカリウム水素化物などのアルカリ金属水
素化物;ならびにカリウムt−ブトキシドおよびナトリ
ウムメトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドからな
る群から選択される触媒である。さらに、これらの触媒
の使用は、(ここに参考として引用される)1985年5月
14日に発行されたVolpenheinの米国特許第4,517,360号
明細書で教示されている。
カリウムまたはナトリウムメトキシドなどのより反応
性の触媒は、これが反応混合物に添加されるまで保護さ
れるべきである。好ましくは、この触媒を、反応混合物
中に存在するかまたは反応混合物から容易に分離される
物質に懸濁するか、より好ましくは、それによりカプセ
ル化するべきである。適当なカプセル化剤は、たとえ
ば、C16〜C22脂肪酸の前記アルキルエステルを含んでい
る。ポリオールが約60%、好ましくは約85%、を超す平
均エステル化度を有する後の後期段階における、より多
くのアルカリ性反応性触媒の添加は改善された反応速度
をもたらすことができ、より高度のエステル化度のポリ
オールをもたらすが、もしこのような触媒が反応開始時
点から存在するのであれば生じるであろうレベルの着色
/臭い物質を生じさせない。
B.ポリオール脂肪酸ポリエステルの合成 一般的に、例示としての、初期の不均一反応混合物
は、約10重量%〜約30重量%、好ましくは約14重量%〜
約18重量%、のポリオール;約60重量%〜約90重量%、
好ましくは約70重量%〜約80重量%、の脂肪酸エステ
ル;約0.1重量%〜約20重量%、好ましくは約0.2重量%
〜約10重量%、の乳化剤、たとえばアルカリ金属脂肪酸
石鹸;約0.1重量%〜約3重量%、好ましくは約0.1重量
%〜約1重量%、の塩基性触媒要素を含んでなる。一般
に、少なくとも2段階の反応をもたらすことが望まし
く、かつ好ましい。どの後工程においても、付加的な脂
肪酸エステルおよび任意により多くの塩基性触媒が添加
される。どの第2工程または後工程においても、脂肪酸
エステルは、完全にエステル化された理論レベルより多
く、少なくとも理論レベルより約25%、好ましくは少な
くとも50%、上回るポリオールに対する脂肪アシル基、
すなわち脂肪酸基、の比率を上げるために添加される。
初期段階の触媒は、前述したような炭酸カリウムまたは
少量のアルカリ金属水素化物でよい。何れの後工程にお
いても、触媒は、初期触媒と同一であるかまたはカリウ
ムもしくはナトリウムメトキシドなどの異なる触媒とす
ることができる。
一般に反応混合物は、約0.1mmHg〜約760mmHgの圧力
下、約194゜F(90℃)〜約325゜FF(163℃)、好まし
くは約266゜F(130℃)〜約284゜F(140℃)の範囲内の
温度で加熱される。反応混合物はできる限り力強くかき
混ぜ(たとえば撹拌)することが大変好ましい。次の段
階の温度は、前述のように約175゜F(80℃)〜約275゜F
(135℃)、好ましくは約210゜F(99℃)〜約250゜F(1
21℃)である。不活性ガス、好ましくは窒素、二酸化炭
素、低分子量の炭化水素、窒素酸化物等を噴霧する好ま
しい工程により、次の段階の混合は強化される。噴霧に
より、反応で生成する揮発性アルコールの除去が促進さ
れ、温度が低く保たれおよび/または圧力が高く保持さ
れ得るように反応速度は上昇する。後続の後段階での低
温は、ジ−脂肪ケトン/β−ケトエステル、他のカルボ
ニル化合物、環状構造物などを含む望ましくない副生成
物の形成を最少にするのに大変望ましい。
C.粗生成物の精製および仕上げ 反応が所望の完了状態に達した後、触媒、残留脂肪エ
ステル反応体および乳化剤(石鹸)は、最終製品のポリ
オール脂肪酸ポリエステルと共に消費されるべきではな
いので、除去される。この除去はポリオール脂肪酸ポリ
エステル製造工程の精製および仕上げ段階の間に行われ
る。
1.ポリオール脂肪酸ポリエステルの精製は粗生成物から
石鹸および触媒を除去することを含んでなる。同様の精
製段階は、ここに参考として引用されるErickson,D.R.,
World Conference Proceedings,「食用油脂の処理」,Am
erican Oil Chemists Soc.,1990に開示されている。た
いていの精製方法は第1に水に粗ポリオール脂肪酸ポリ
エステルを添加し、次いでこの混合物を遠心分離するこ
とにより除去することを含む。この方法は石鹸および触
媒の除去に効果的である。粗ポリオール脂肪酸ポリエス
テルに添加される水量は、この方法によって除去される
石鹸量の約1/2〜約10倍である。しかしながら、遠心分
離後においても、反応混合物は未だ所望されない量の残
留石鹸および/または着色した生成物本体を含んでい
る。したがって、水洗い工程とこれに続く水相の重力も
しくは遠心分離を繰り返すことが有効である。
後続の精製工程は、真空乾燥および吸着漂白操作を含
んでいる。この工程は、上記の第2洗浄工程と共同でま
たはこれに置き換えて用いられる。漂白土、シリカゲル
および活性炭などの吸着剤は、一般に食用油の乾燥およ
び/または吸着漂白操作で用いられる。この吸着剤は反
応混合物乾燥重量の約0.1%〜約10%添加される。漂白
工程の後、吸着剤は濾過により反応混合物から除去され
る。第2段階の水洗いおよび/または乾燥および/また
は吸着漂白は石鹸および着色した生成物本体の除去を達
成する。
2.ポリオール脂肪酸ポリエステルの仕上げは脂肪酸、過
剰の脂肪酸エステル反応体および否定的なフレーバー要
素などの不必要な物質を除去することを含む。一般的な
脂肪酸除去は、ここに参考として引用されているCowan,
J.C.,「ゴム質除去、精製、漂白および脱臭の理論」53
Journal of American Oil Chemists Soc.,June 1976に
開示されている。本発明で利用される仕上げ工程は熱蒸
発、高温蒸気蒸留およびこれらの組合せを含む。
(a)熱蒸発は蒸発器(エバポレータ)の圧力における
不必要成分の沸点に等しい温度まで粗製ポリオールポリ
エステルを加熱することを含んでなる。粗製物は、撹拌
フィルム、拭き取りフィルム、フラッシュ/ライジング
フィルムまたは落下フィルム蒸発器などの熱蒸発器に供
給され、ここで粗製物は、約0.2mmHg〜約5mmHgの絶対圧
で約380゜F(190℃)〜約550゜F(290℃)の温度まで加
熱され不必要物質本体を除去される。
(b)高温蒸気蒸留は、約0.1体積%未満の溶解酸素レ
ベルまでポリオールポリエステルを脱気し、脱気された
オイルを約390゜F(200℃)〜約480゜F(250℃)の温度
に加熱し、かつポリエステルの約0.2重量%〜約20重量
%の量の蒸気、窒素または不活性ガスなどの媒体を利用
して約5秒〜約15分間、約15mmHg未満の絶対圧力でオイ
ルをストリッピングすることから成る。短い滞在時間、
大変高い温度でストリッピングすると不要物質含量が最
少となる。
本発明により開示される方法では、高温蒸気蒸留は単
独の仕上げ工程として利用されることが好ましい。
仕上がったポリオール脂肪酸ポリエステルはさらにシ
リカゲルなどの色除去吸着剤で処理され、必要ならば続
いて脱臭される。
D.アルカリ性物質の添加 本発明の重要な工程は、合成反応の後、ただし前述の
ような粗製ポリオール脂肪酸ポリエステルの精製の後お
よび仕上げの前の時点で粗製ポリオール脂肪酸ポリエス
テルへのアルカリ性物質の添加である。この時点でのア
ルカリ性物質の添加は仕上げ工程の間、前酸化体(プロ
オキシダント)の形成を遅らせるかまたは妨げる。
アルカリ性物質は、約6.0〜約8.5、好ましくは約6.5
〜約7.5、最も好ましくは約7.0に最終製品(またはポリ
エステル)のpHを調節するのに十分な量添加される。本
発明で用いられるアルカリ性物質は、たとえば塩基性溶
液、アルカリ性シリカゲル、アルカリ性漂白土およびこ
れらの混合物を含む。アルカリ性物質がアルカリ性シリ
カゲルまたはアルカリ性漂白土であるとき、前述の乾燥
および/または吸着漂白精製操作工程においてこれらの
物質を利用することが許される。これらの置換は粗生成
物中の石鹸および/または残留着色剤本体の除去に不利
には働かない。このようなアルカリ性シリカおよび土に
は、たとえばW.R.Grace,P.O.Box 2117,Baltimore,Maryl
andにより製造されるトライシル(Try Syl)およびOil
Dri Corporation of America,520 North Michigan Aven
ue,Chicago,Illinoisにより製造されるピュアフロ(Pur
e−flo)が含まれる。
本発明では、用いられるアルカリ性物質は塩基性溶液
であることが好ましい。本発明で用いられる塩基性溶液
は有機溶媒中に溶解した塩基性物質を含んで成る。この
塩基性溶液は前述のような仕上げ工程の開始直前に添加
される。たとえば熱蒸発が用いられるときには、塩基は
その工程の前に添加される。もし高温蒸気蒸留のみがも
ちいられるときには、塩基性溶液はその工程の直前に添
加される。塩基性溶液がいつ添加されるかに関わらず、
塩基性溶液および粗生成物の混合物は、仕上げ工程が始
まる前に約5〜約30分間、約70゜F(21℃)〜約140゜F
(60℃)、好ましくは約90゜F(32℃)〜約120゜F(49
℃)に維持されることが好ましい。
次は本発明に使用される塩基性溶液の詳細な説明であ
る。
1.塩基 本発明に有用な塩基は、アルカリ金属およびアルカリ
土類金属の水酸化物、炭酸塩ならびに酸化物からなる群
から選ばれる。本発明に有用なアルカリ金属およびアル
カリ土類金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、マ
グネシウム、カルシウム、バリウムおよびこれらの混合
物からなる群から選ばれる。好ましいアルカリ金属およ
びアルカリ土類金属は、カリウム、ナトリウム、カルシ
ウムおよびこれらの混合物からなる群から選ばれる。最
も好ましいのはカリウムである。
本発明において最も好ましい塩基は、水酸化カリウ
ム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウムおよびこれらの混
合物からなる群から選ばれる。
本発明の塩基性溶液の塩基使用量は、どれくらいの量
のポリオール脂肪酸ポリエステルが存在するか、および
どれくらい速く前記ポリエステルの所望pHに到達させた
いかによって大きく変化させてもよい。たとえば、少量
のポリオール脂肪酸ポリエステルが存在するときには、
最終pHは少量の強い塩基性溶液によって容易に通過して
しまう可能性があるので、低濃度の塩基を有する塩基性
溶液を用いることが薦められる。他方、多量のポリオー
ル脂肪酸ポリエステルでは、pHレベルがかなり速く到達
するように塩基性溶液中の高濃度の塩基が望ましい。さ
まざまな濃度のアルカリ性物質を有する塩基性溶液もま
た、粗製ポリオール脂肪酸ポリエステルのアルカリ化を
うまく制御するために本発明で利用することができる。
(b)有機溶剤 上述の塩基は、アルカリ性物質として用いられる塩基
性溶液を形成するために有機溶媒中に溶解されている。
この有機溶剤は、Erickson,D.R.,World Conference Pro
ceedings「食用油脂の処理」,Journal of American Oil
Chemists Soc.,1990に開示されているような工業化学
的プロセスで日常的に用いられる物質から選ばれる。本
発明に有用な溶剤は、アルコール、エーテルおよびこれ
らの混合物からなる有機溶媒の群から選ばれる。本発明
の有機溶剤は一般に粗製ポリオール脂肪酸ポリエステル
の約0.01重量%〜約3重量%使用される。
(1)アルコール 本発明の有機溶剤として有用なアルコールは有機性一
価および多価アルコールからなる群から選ばれる。
本発明に有用な一価アルコールは、第1級、第2級お
よび第3級アルコールからなる群から選ばれる。
本発明に有用な一価アルコールは、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−
ブチル、ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、ヘ
プチル、オクチル、ベンジル、フェニルエチルアルコー
ルおよびこれらの混合物、すなわちC1〜C10の一価アル
コール、からなる群から選ばれる。好ましいものはメチ
ル、エチルおよびプロピルアルコールからなる群から選
ばれる第1級一価アルコールである。最も好ましいのは
メチルアルコールである。
本発明に有用な多価アルコールは含まれるヒドロキシ
基の数によって必ずしも限定されない。むしろ本発明に
有用な多価アルコールは使用のために選ばれた塩基を適
当に溶媒化する能力によって限定される。本発明の塩基
性溶液を調製するのに用いられる多価アルコールは、好
ましくはC2〜C4の多価アルコールであり、特に約3個ま
でのヒドロキシル基を有するものが好ましい。このよう
なアルコールは、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、グリセロールおよびこれらの混合物からなる群
から選ばれる。最も好ましいものはプロピレングリコー
ルである。
(2)エーテル 本発明の有機溶剤として有用なエーテルは、C2〜C5
エーテルであり、好ましくはエチルエーテル、プロピル
エーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテルおよ
びこれらの混合物からなる群から選ばれる。より好まし
いエーテルは、エチルエーテル、プロピルエーテル、イ
ソプロピルエーテルおよびこれらの混合物からなる群か
ら選ばれるものである。最も好ましくは、エチルエーテ
ルである。
下記の実施例は本発明を例示するものである。他に特
定されなければ、すべての%、部および比率は重量基準
である。
実施例1 完全に水素添加された(ヨウ素価約1)の大豆油(約
90.9kg)のメチルエステル、約20kgの水酸化カリウムペ
レットおよび約273kgのメタノールをステンレス鋼製バ
ッチ式反応器内で混合する。次いでこの混合物を約1〜
3時間大気圧(1mmHg)下で撹拌して約145゜F(63℃)
に加熱する。この時間中に、一部のメチルエステルは石
鹸を形成してけん化される。
次いで付加的な約594.5kgのヨウ素価約93の部分的に
水素添加された綿実油のメチルエステルを石鹸混合物に
添加する。分別しない真空下の蒸留によってメチルエス
テルを調製する。粒状スクロース(約136.4kg)をエス
テルとスクロースが約5:1モル比になるように石鹸/エ
ステル混合物に加える。次いでエステル交換反応を触媒
するように混合物に(反応混合物の約0.5%)粒状の炭
酸カリウムを添加する。この混合物を撹拌し温度が約22
5゜F(107℃)に達するまで大気圧下でゆっくり加熱す
る。これでメタノールが除去される。次いで真空にし混
合物を約4時間まで撹拌しモノ−、ジ−およびトリエス
テルを形成させる。少量のテトラ−およびペンタエステ
ルもこの段階で形成される。エステル対スクロースのモ
ル比率を12:1とし維持するように付加的なメチルエステ
ル(約950kg)を添加する。次いで付加的な炭酸カリウ
ムを混合物に(初期反応混合物の約0.5%)添加する。
反応状態が約275゜F(135℃)で安定したとき、窒素吹
き込みを用いて撹拌性を改善しメタノール除去を促進す
る。約4〜16時間この第2の反応段階を続ける。
次いで約149゜F(65℃)〜約185゜F(85℃)に窒素下
で反応混合物を冷却する。約0.25〜約6%の水で粗製反
応混合物を撹拌する。水和した粗製反応混合物を重い相
および軽い相に分離する遠心機に通過させる。石鹸、過
剰の糖および炭酸カリウムを含む重い相は廃棄する。
次いでメチルエステルおよびスクロースポリエステル
(SPE)を含む軽い相を、約5〜約8のpH、約160゜F(7
1℃)〜約200゜F(93℃)の温度の蒸留水(約286kg)で
洗浄する。分離した水相を除去した後、約30〜約60分
間、約160゜F(71℃)〜約200゜F(93℃)で約70mmHg以
下の真空下で軽い相を乾燥する。約0.5〜3%の(Engel
hardt Corp.Catalyst and Chemicals Div.Jackson,Miss
issippiにより製造された)フィルトロール(Filtrol,
商標)105吸収土を添加し混合物を約167゜F(75℃)〜
約200゜F(93℃)で撹拌する。このスラリーを0.1%以
下の純度になるまで濾過または他の手段により分離す
る。次いで液体を1ミクロンのフィルターに通過させ
る。
次いで精製し漂白した反応混合物を約120゜F(49℃)
に冷却する。次いで反応混合物の約4.4の初期pHを約7.2
まで導くように3.2kgのプロピレングリコールおよび約
0.033kgの水酸化カリウムを含む塩基性溶液を添加す
る。精製し漂白した反応混合物をステンレス鋼の拭き取
り蒸発器または他の適当な装置に通過させることにより
熱蒸発させ、メチルエステル本体を除去する。約1mmHg
以下の真空下約392゜F(200℃)〜約455゜F(235℃)で
液体を加熱蒸発させる。
次いでSPEを約5mmHg以下の真空下約392゜F(200℃)
〜約482゜F(250℃)でステンレス鋼充填カラムまたは
他の適当な器具に下方に通過させることにより蒸気スト
リッピングする。ここでの標準処理温度よりも低い温度
は不必要物質の形成を最少にする。
蒸気をカラム底に導入しスクロースポリエステルに対
向する蒸気流を通過させる。供給速度および温度をSPE
のメチルエステル含量が1000ppm未満となるまで調節す
る。次いで混合物を約130゜F(54.5℃)〜約185゜F(85
℃)に冷却して約1ミクロンのフィルターを通過させ
る。
SPEの酸化安定性を、約208゜F(約98℃)で試料に空
気を吹き込みながら過酸化物価(AOCS法Cd8−53)の増
分を測定する修正活性酸素法(AOM)を用いて測定す
る。AOMはトリグリセリドの酸化安定性を測定する油脂
工業における標準法である(AOCS法Cd12−57)。この方
法は、フレーバーに影響する酸化が特に重要となる0−
2時間枠での容易な適用のために修正されている。安定
性を測定するのに用いられる方法は下記に説明される。
1. 300gの試料を清浄で乾燥したフラスコに入れ、この
試料に乾燥した窒素ガスを導入する。
2. 温度を制御する熱見張り(thermo watch)に連結し
た加熱マントルを用いてフラスコを約208゜F(98℃)に
加熱する。
3. 温度が達した後、0時間の対照用基準試料を採取し
過酸化物ppmを測定する。窒素から約8.57cc/min./ml
で、乾燥空気に切り替える。
4. 20分から40分の間隔で試料を採取して過酸化物ppm
を分析する。
下表はSPEの酸化安定性に関する本発明の適用により
開示された塩基添加の効果を示す。処理および無処理の
すべてのSPEは同一原料および塩基添加工程を除き同一
処理工程から合成した。
無処理のSPEは減少した酸化安定性を示しながら一貫
して高過酸化物量を有する。
実施例 2 初期石鹸生成工程の間に多くのメタノールを添加する
(325.5kg対273kg)ことを除き、粗製SPEを実施例1と
同じ方式で調製する。
実施例1に開示されたような精製および漂白の後、粗
製SPEを約120゜F(49℃)の温度に冷却し、22.5kgのメ
タノールおよび0.23kgの水酸化カリウムの塩基性溶液を
添加して反応混合物の初期pH約4.4をpH約7.0にする。メ
チルエステル本体を仕上げの間に留出させ残留液体SPE
を脱臭する。どの工程も実施例1に開示されたように行
った。
実施例1に開示されるようなAOMを用いて酸化安定性
を測定する。
過酸化物価は実施例1の塩基処理したSPEより幾分高
いが、実施例1の無処理の試料よりは有意に低い。
実施例 3 SPEを実施例1に開示されるように調製しおよそ等し
い2つの画分に分割する。次いで各画分を実験室規模を
除き実施例1に開示されるように精製し漂白し蒸留す
る。
粗製SPEの約10重量%に等しい量を使用して、画分1
をpH約14を有する1N水酸化ナトリウム溶液で洗う。この
溶液を約180゜F(82℃)に加熱しこの温度を約15分間維
持する。水相を分離し粗製SPEの約1重量%のレベルで
液体粗製SPEにフィルトロール105を添加する。沈澱物を
濾過し液体を約1mmHg約410゜F(210℃)で蒸留してメチ
ルエステルを除去する。
粗製SPEの約15重量%に等しい量のpH約7.2を有する脱
イオン水で画分2を洗う。この溶液を約180゜F(82℃)
に加熱しこの温度を約15分間維持する。水相を分離し粗
製SPEの約1重量%のレベルで液体粗製SPEにフィルトロ
ール105を添加する。沈澱を濾過し約0.06重量%のプロ
ピレングリコールおよび水酸化カリウム約0.06重量%を
含む水酸化カリウムを添加する。溶液温度を約120゜F
(49℃)に維持する。約1mmHg約410゜F(210℃)でこの
溶液を蒸留する。
SPE画分の酸化安定性を実施例1に開示されたAOMを用
いて測定する。
実施例 4 実施例1にあるように粗製SPEを調製、精製および漂
白する。この粗製物を4つの画分に分割する。6.5およ
び8.3のpHを生じるように2つの画分に十分量のプロピ
レングリコール水酸化カリウム溶液を添加する。pHが4.
5になるように第3の画分にプロピレングリコールクエ
ン酸溶液に添加する。最後の画分には何も添加しない。
そのpHは約5.6である。すべてのpHは110゜〜120゜Fで中
性脱イオン水およびイソプロパノール中10%SPE溶液で
測定する。異なるpHレベルを有する4つのSPE画分を実
施例1に開示されるように熱蒸発にかける。各画分の酸
化安定性を実施例1に開示されるようなAOMを用いて測
定する。
本発明に含まれる図は4つの画分の酸化安定性比較を
グラフで説明している。この図はAOMを用いて推測され
るように塩基添加画分の酸化安定性が優れていることを
示す。
本願発明の要旨および好ましい態様は以下の通りであ
る。
1.ポリオール、脂肪酸エステル、アルカリ金属脂肪酸石
鹸および触媒の混合物を0.1mmHg〜760mmHgの圧力におい
て90℃〜163℃の温度に加熱して反応混合物を形成し、
次いでこの混合物により多くの脂肪酸エステルを添加す
ることからなる改善された酸化安定性を有するポリオー
ル脂肪酸ポリエステル、好ましくはスクロール脂肪酸ポ
リエステル、の調製方法であって、 さらに仕上げを開始する前、好ましくは熱蒸発の直
前、より好ましくは高温蒸気蒸留の直前に、合成した粗
製ポリオール脂肪酸ポリエステルに対してアルカリ性シ
リカゲル、アルカリ性土および塩基性溶液からなる群か
ら選ばれるアルカリ性物質、好ましくは塩基性溶液、を
添加する工程を含んでなり、該アルカリ性物質を、最終
生成物が6.0〜7.5、最も好ましくは7.0、のpHを有する
ような量だけ添加することを特徴とする方法。
2.上述の塩基性溶液の添加後5〜30分間得られた混合物
を21℃〜60℃の温度、好ましくは32〜49℃、に維持す
る、前述の態様1に記載の方法。
3.塩基性溶液が(a)アルカリ金属およびアルカリ土類
金属の水酸化物、炭酸塩、酸化物ならびにこれらの混合
物からなる郡から選ばれる塩基と、(b)アルコール、
エーテルおよびこれらの混合物からなる群から選ばれる
有機溶媒とを含んでなることを特徴とする、前述の態様
1または態様2に記載の方法。
4.前述のアルカリ金属およびアルカリ土類金属が、リチ
ウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウ
ム、バリウムからなる群から選ばれ、好ましくはカリウ
ム、ナトリウム、カルシウムからなる群から選ばれ、最
も好ましくはカリウムである、前述の態様1〜3のいず
れかに記載の方法。
5.前述の有機溶媒が、一価アルコール、好ましくはC1
C10の一価アルコール、多価アルコール、好ましくはC2
〜C4の多価アルコールおよびエーテル、好ましくはC2
C5エーテルからなる群から選ばれる、前述の態様1〜4
のいずれかに記載の方法。
6.前述の一価アルコールが、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、secブチル、
ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、ヘプチル、
オクチル、ベンジル、フェニルエチルアルコールからな
る群から選ばれ、好ましくはメチル、エチルおよびプロ
ピルアルコールからなる群から選ばれ、最も好ましくは
メチルアルコールである、前述の態様1〜5のいずれか
に記載の方法。
7.前述の多価アルコールが、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、グリセロールからなる群から選ば
れ、最も好ましくはプロピレングリコールである、前述
の態様1〜6のいずれかに記載の方法。
8.前述のエーテルが、エチルエーテル、プロピルエーテ
ル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテルからなる群
から選ばれ、好ましくはエチルエーテル、プロピルエー
テルからなる群から選ばれ、最も好ましくはエチルエー
テルである、前述の態様1〜7のいずれかに記載の方
法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07H 13/06 CAPLUS(STN) WPI(DIALOG)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオール、脂肪酸エステル、アルカリ金
    属脂肪酸石鹸および触媒の混合物を0.1mmHg〜760mmHgの
    圧力において90℃〜163℃の温度に加熱して反応混合物
    を形成し、次いでこの混合物により多くの脂肪酸エステ
    ルを添加することからなる改善された酸化安定性を有す
    るポリオール脂肪酸ポリエステルの調製方法であって、 さらに、合成した粗製ポリオール脂肪酸ポリエステルの
    精製の後、および仕上げを開始する前に、合成した粗製
    ポリオール脂肪酸ポリエステルに対してアルカリ性シリ
    カゲル、アルカリ性土および塩基性溶液からなる群から
    選ばれるアルカリ性物質を添加する工程を含んでなり、
    前記アルカリ性物質を、最終生成物が6.0〜7.5のpHを有
    するような量だけ添加することを特徴とする調製方法。
  2. 【請求項2】前記ポリオール脂肪酸ポリエステルが、ス
    クロース脂肪酸ポリエステルであることを特徴とする請
    求項1に記載の調製方法。
  3. 【請求項3】前記アルカリ性物質の添加後5〜30分間に
    わたって得られた混合物を21℃〜60℃の温度に維持する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の調製
    方法。
  4. 【請求項4】前記アルカリ性物質が、 (a)アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化
    物、炭酸塩、酸化物ならびにこれらの混合物からなる群
    から選ばれる塩基と、 (b)アルコール、エーテルおよびこれらの混合物から
    なる群から選ばれる有機溶媒とを含んでなる塩基性溶液
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の調製方法。
  5. 【請求項5】前記アルカリ金属およびアルカリ土類金属
    が、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、
    カルシウム、バリウムからなる群から選ばれることを特
    徴とする請求項4に記載の調製方法。
  6. 【請求項6】前記アルカリ金属が、カリウムまたはナト
    リウムであることを特徴とする請求項5に記載の調製方
    法。
  7. 【請求項7】前記有機溶媒が、一価アルコール、多価ア
    ルコール、およびエーテルからなる群から選ばれること
    を特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の調製方
    法。
  8. 【請求項8】前記一価アルコールが、メチル、エチル、
    プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−
    ブチル、ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、ヘ
    プチル、オクチル、ベンジル、フェニルエチルアルコー
    ルからなる群から選ばれることを特徴とする請求項7に
    記載の調製方法。
  9. 【請求項9】前記多価アルコールが、エチレングリコー
    ル、プロピレングリコール、グリセロールからなる群か
    ら選ばれることを特徴とする請求項7に記載の調製方
    法。
  10. 【請求項10】前記エーテルが、エチルエーテル、プロ
    ピルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル
    からなる群から選ばれることを特徴とする請求項7に記
    載の調製方法。
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